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元スレ女騎士「私は女であることなど捨てたのだ」

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51 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:01:36.57 ID:mqJGcSzUO (+19,+29,-2)
百合は守備範囲外なので帰りますね
52 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:01:42.94 ID:BCauc7DtO (+24,+29,-18)
俺の脳内では騎士がセイバー再生されてる
53 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:01:59.49 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-136)
騎士(見てはいけない見てはいけない見てはいけない見てはいけない…)

「何言ってるの?」

騎士「い、いえ、何でも」

騎士「…この浴室に入ったのは初めてですが…とても広いのですね」

「騎士はいつもどんなところで?」

騎士「まず浴槽はありません」

騎士「バケツ一杯の湯が支給され、布で身体を拭くだけです。 外では川の水を」

「うそっ…それで疲れがとれるの?」

騎士「汗や汚れを落とすことだけが目的なので。 それにゆっくりしている時間もありません」

「…大変なんだ」

騎士「こんなものです、兵なんて」
54 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:02:50.78 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-126)
「…ところで、なんで服を着ているの? お風呂なのに」

騎士「今日は飽くまで侍女の代りです」

「……傷を見せたくないから?」

騎士「え」

「捲った腕も傷だらけ。 …痛くないの?」

騎士「塞がってしまえば」

「…傷ついてまで、守らなきゃいけないの?」

騎士「己の命を懸けてでも」

「……騎士が私の為に死ぬのなんて、嫌です」

騎士「姫は優しいのですね」

騎士「…さ、そろそろ上がりましょう。 逆上せてしまいます」

騎士(なにより姫の白い身体は私には眩しすぎる)
55 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:03:19.10 ID:tZHTkXxL0 (+21,+26,-1)
百合は射程範囲なので支援します
56 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:04:13.63 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-96)
 パチン パチン

「…鎧着ちゃうの?」

騎士「はい」

「えー…」

騎士「勤務中ですから、……」

「…? ねぇ、何か聴こえない?」

騎士「確かに。 歌、でしょうか。 広間の方から…」

「行こ!」

騎士「姫! …あぁ、もう」
57 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:05:34.05 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-192)

王妃「―― ―――…」

「お母様」

王妃「あら、姫。 …それと騎士、と言いましたか」

騎士「……」 スッ

「歌声が聴こえたものですから」

王妃「そう…ごめんなさいね、うるさかったかしら?」

「いえ、そんなことは。 とても美しい歌声で…魅かれてしまいました」

王妃「ふふ、貴女の声も澄んでいて、とても美しくてよ」

王妃「歌の稽古では頑張っていらしたものね」

「ありがとうございます」

「お母様、また歌、歌って下さいませんか?」

王妃「ええ、もちろんです」
58 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:06:40.44 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-98)

騎士「心にも響きわたる、美しい歌声でしたね」

「ええ。 私もお母様のようになりたい」

騎士「ふふ、姫なら必ずなれますよ」

「ありがとう」

騎士「…あの詩は、王妃様が作られたものでしょうか」

「そう。 お母様は作詞の才にも優れているの」

騎士「……でも」

騎士「…悲しい詩ですね」

「…そう」
59 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:07:33.79 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-104)
――

兵士A「おおおお!!」

 ガキィンッッ

兵士A「うわっ」

騎士「踏み込みが甘い! 次!」

「騎士ー! 頑張ってー!」

騎士「!? 姫…うおあっ!」

 ガシャッ

兵士B「あ、すみません」

騎士「いや、よそ見した私が悪い……」
60 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:08:28.92 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-85)
騎士「…姫! 何故ここに」

「抜け出してきたの」

騎士「訓練場は危険だから近づいてはいけないと前言ったでしょう」

「いいじゃない、離れていれば安全でしょう?」

騎士「問題はそこでなく……はぁ」

騎士「…私は姫を送り届けるから…各自励むように」

兵たち「はっ」
61 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:09:15.51 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-143)
「騎士のけち」 むすっ

騎士「離れていても危険なのですよ、剣や槍だけでなく
    別の隊では弓も扱っていて、いつ飛んでくるやも分かりません」

「それは前聞きましたー」

騎士「だったら守って下さらないと。 怪我をされては大変です」

「訓練で怪我する人なんていっぱい居るじゃない」

騎士「我々騎士や兵士はそれで良いのです」

騎士「…さ、姫も稽古に戻ってください」

「もう。 じゃ、また後でね」

騎士「もう抜け出してはいけませんよ」
62 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:10:55.69 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-113)

「あ、騎士。 おかえりなさい」

騎士「刺繍ですか?」

「そ! 一人でタピストリー作るのは初めてだけど…お母様に差し上げようと思って」

騎士「王妃様もお喜びになりますよ」

「いつ完成するかわからないけどね」

「お母様には内緒よ?」

騎士「もちろんです」

「…肩、凝ってきちゃった。 散歩に行きましょう」

騎士「はい」
63 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:11:49.77 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-103)
医師「お」

騎士「む」

「ええと、騎士専属のお医者さん」

医師「いや専属ってわけではないんですがね。 お散歩ですか?」

「そう。 今日は天気がいいから」

医師「美しい花々、姫様にお似合いですよ」

「騎士にも言ってあげて」

医師「と仰ってるが」

騎士「いらん」
64 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:12:34.42 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-130)
「もう。 騎士だって女なんだから…」

医師「何を言っても無駄ですよ、このアマゾネスには」

騎士「アマゾネスと呼ぶなと前から言っているだろうヤブ医者めが」

医師「んだとコラ」

騎士「だいたい何故貴様が植物園に居るのだ、花なぞ貴様に似合わんぞ」

医師「俺は奥の薬草に用があんだよ」

医師「では姫様。 ごゆっくり」

「はい。 …クスクス」

騎士「? なにを笑って…」

「仲いいなぁ、って」

騎士「…御冗談を」
65 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:13:20.84 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-107)
「騎士の髪にはこの色の花が似合いそう」

騎士「はは、鎧姿の私に花など似合いませんよ」

「だったら脱ぎなさいっ」

騎士「わ、やめてください」

 キャッキャウフフ ワーワー


医師「……」

医師「仲良いねぇ…」 ボソ
66 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:14:05.05 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-54)
騎士「姫、お休みの時間です」

「はーい」


「…ねぇ騎士。 アマゾネスって?」

騎士「……」 ピクッ

騎士(くそあのヤブ医者め余計な事を言いおって!)

騎士「えー…と、…聞きたいですか?」

「とても」
67 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:14:55.30 ID:A6/+0sS7O (+24,+29,-1)
寂しそうだから一声かけてやるよ。












じゃあな
68 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:15:00.73 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-163)
騎士「…アマゾネスと言うのは古代の神話に出てくる、女戦士の一族です」

「女戦士」

騎士「そう。 彼女らは戦いの邪魔になるため、乳房を切除していたと言われています」

「む、む、胸を…。 でも、戦いのため、なんて。 騎士もそういう所はあるんじゃない?」

騎士「…私は切除まではできませんでしたよ、邪魔だとは思いますが。
    胸は脂肪のため、思ってた以上に傷も塞がりにくいので…もうやろうとも思いません」

「…えっ」

騎士「え、あ……ま、まぁ、10年程前の事です。 話を戻しましょう」
69 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:15:36.24 ID:4NDSi5d40 (-24,-9,+0)
支援
70 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:15:43.55 ID:B9zbSXE00 (+30,+30,-131)
騎士「くっ……」

魔物「くはは、兜を外してみれば、まさか貴様が女だったとはな」

騎士「黙れ」

魔物「女の貴様が! 私に敵うとでも思っているのか!!」

騎士「ええい、黙れ!!」

 ビリビリビリ

魔物「グヘヘヘヘ、貴様の体を覆うものはもう何もない」

騎士「あァ!!」

 クンクン

魔物「あ゛……」

魔物「女であることを捨てたってそこくらい洗うだろjk・・・ガクッ」

騎士「失礼な!!!」
71 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:15:47.47 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-142)
騎士「何より…彼女らは自らが女であることを誇りに思っています」

騎士「生まれた子が男であった場合、その場で殺害したという説もあります」

「…騎士は違うの?」

騎士「私は騎士として女であることに劣等感すら抱いています」

騎士「戦場においても女だからと甘く見られ手を抜かれ…」

騎士「幼少のころから思っていました、何故自分は女になってしまったのかと」

「男に生まれたかったんだ」

騎士「まぁ」

「…でも、騎士が男だったら…嫌だな」 ボソ

騎士「? 何か?」

「何でもありません。 おやすみー」
72 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:16:30.68 ID:PsFliNhd0 (+17,+29,-2)
鬱とかはいやよ
73 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:16:58.43 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-79)
騎士「…じゃ、夜の番は任せるぞ」

兵士C「はい」

兵士D「あ、隊長! 医師殿が来とります」

騎士「なっ」

医師「よ」

騎士「……チッ」

医師「んな嫌そうな顔すんなよ」 ヘラヘラ

騎士「貴様の顔を見ただけで反吐が出るわ」
74 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:17:44.24 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-127)

騎士「…で、何の用だ」

医師「いや用は無いんだが…チェスしながら酒でもどうだ」

騎士「ここは医務室だが」

医師「細かいこと気にすんな、俺の部屋は本で足の踏み場もない」

騎士「そんなだから女が寄って来んのだ」

医師「うるせ」

騎士「賭け金は」

医師「無し」

騎士「根性無しめが」
75 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:18:26.64 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-83)
医師「…姫様、お前にべったりじゃないか」

騎士「うむ、まぁ」

医師「満更でもなさそうだな。 まぁ愛しの姫様だし…」

騎士「……」

医師「…否定しない…だと…」

医師「おいおい女同士か、俺は認めんぞ!」

騎士「何でそうなる、それに貴様になど認められんでも良い」

騎士「それに姫は優しいお方だ。 私でなくともあのように接して下さる」
76 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:18:59.09 ID:lor6qYsX0 (+16,+28,+0)
俺は構わん
77 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:20:33.64 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-129)
騎士「…だいたい姫は王妃様を愛しておられる」

医師「家族愛と普通恋愛は方向が違うだろ」

騎士「そうなのか?」

医師「いや知らんが」

騎士「…私がどれだけ姫を愛していようと、王妃様には適いはしない」

騎士「とにかく…姫さえ守られさえすればよい、それが私の使命だ。 チェック」

医師「あ!? えー、あー…」

騎士「誘っておいて負けるとは、情けない」
78 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:21:14.48 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-123)
医師「……賭けなくて良かった」

騎士「医者なら結構貰えるだろう、けちな奴だな」

医師「医師長なら貰えるだろうが、俺らは騎士様にゃ及ばんよ」

騎士「…金など貯まっていくだけなんだがな」

医師「ならくれよ」

騎士「私が死んだらくれてやってもいいぞ」

医師「この腐れアマゾネスが戦死しますように!」

騎士「このヤブ医者が感染症に罹りますように」
79 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:21:25.27 ID:clV0Y5MoO (-21,-9,+0)
支援
80 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:22:38.68 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-94)
――

騎士「姫、此処に居てください」

騎士「お前たち、絶対に姫から離れるな。
    いざとなったら姫を連れて逃げろ、そこの壁、抜けられるようになっている」

兵士A「はっ」

「騎士は?」

騎士「私は通路の魔物共を――」

魔物「ギイイィィィィィーッッ!!」

騎士「!」
81 : 気に入りません - 2009/10/02(金) 21:23:04.77 ID:zW1U05PkO (+11,+26,+0)
面白いのです
82 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:23:20.17 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-93)
 ガリッ グチュッ

魔物「ギッ………」 どさ

騎士(此処は隠し部屋のはず、何故ばれた…?)

騎士「…姫を任せたぞ」

兵士A「はっ」

「騎士っ」

兵士B「姫様ご安心を、我らが必ずお守りします」

「騎士が…」

兵士A「あの方はお強い、大丈夫です」
83 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:23:26.15 ID:NK35i8Jx0 (+11,+26,-12)
しえんぬ
84 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:24:11.57 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-130)
騎士「貴様等、目的はなんだ?」

魔物「ヒヒッ…コロサレルト ワカッテ ダレガ オシエr」

 ドスッ

魔物「 」

騎士(……雑魚ばかりではないか、外塁は何をやっている)

騎士(…ま、空を飛ぶ相手に外で挑むのも難しいか)

兵士「騎士殿! 魔物共が撤退したそうです」

騎士「ん、そうか。 報告ご苦労」

兵士「…一人でこれ全部相手にしたのですか」

騎士「この狭く低い天井の通路では魔物の方が不利だからな」

騎士「…返り血を浴びすぎたな、洗っておくか。 代わりに姫を迎えに行ってくれ」

兵士「はっ」
85 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:25:02.28 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-122)

がばっ

「お母様っ!」

王妃「ああ、良かった、生きてたの……」

「お母様も、無事で、良かった…!」


騎士「…損害は」

兵士「我が隊は死亡ゼロ、負傷3名」

兵士「全体では死亡4名、負傷42名です」

騎士「そうか、分かった」

騎士「…前の襲撃よりは減ったか」
86 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:26:50.74 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-87)
騎士(隠し部屋…そこに繋がる地下通路の入り口すら、見つけるのは容易ではない)

騎士(城でも知らぬ者がいるほどだ)

騎士(匂いで追うにしても、それを紛らわす香が城の至る所で焚かれている)

騎士「……」

「騎士? どうしたの、難しい顔をして」

騎士「いえ、何も」

「部屋に戻りましょ」

騎士「はい」
87 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:27:37.18 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-156)
騎士「…荒らされてしまいましたね。 タピストリーは大丈夫でしたか?」

「うん、平気」

「それより…騎士、怪我しなかった?」

騎士「ええ、全く」

「そう…良かった。 また私の為に騎士が傷つくなんて嫌だもの」

騎士「ありがとうございます。 …見苦しいものをお見せしてしまいました」

「気にしないで。 …もう、たくさん見てきたから」

騎士「……」

「…前もそう。 魔物が来て、城を守るために殺して、殺されて」

「私を守る為にも、私が攫われて助ける為にも……」

「目の前でたくさんの人が傷つき、死んでいった」

騎士「姫…」
88 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:29:54.36 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-136)
「私のせいで…たくさんの人が死んでいるの」

「…そんなの、もう嫌」

「私なんて、居ない方が、いいんじゃないのかと、思う……」

騎士「そんな事を言ってはなりません」

「だって、だって…っ」 ぽろぽろ

騎士「私には…この国には、貴女が必要なのです。
    どうか、どうかその様な悲しい事、言わないでください」

「う、ぅ、あぁぁぁ……っ」 ぎゅうう

騎士「……姫」 ぎゅ
89 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:30:54.31 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-112)

「…スー…スー…」

騎士「……」

騎士(……まだまだ子供だな)

騎士(……かく言う私も、慰めることすらできない…駄目なやつだ、まったく)

兵士C「隊長」

騎士「…む、もう時間か」

兵士C「いえ…ですがお疲れでしょう。 少し早いですが、交代しましょう」

騎士「悪いな。 …就寝中に襲撃があってお前たちも…」

兵士D「兵舎への襲撃はありませんでしたよ。 気にせんでください」

騎士「? …そう、か。 では、頼んだ」
90 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:32:07.12 ID:E6DFSGboO (-21,-9,+0)
支援
91 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:32:17.48 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-115)

「騎士、おはよう」

騎士「おはようございます」

「えっと、その…昨日は、ごめんなさい」

騎士「? 何を謝る事が」

「弱音を吐いてしまって。 ごめん」

騎士「…彼らは皆、姫を、国を守るために死んでいったのです
    悔いなどありません。 むしろ誇りに思っていることでしょう」

騎士「姫は優しいお方です。 謝る事などないのです」

「…うん」

「でも…騎士は、死なないでね」 ぎゅ

騎士「……ふふ」 ぎゅ
92 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:33:09.60 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-162)
騎士「姫は抱擁がお好きですね」

「そう。 お母様が毎日やってくれたの」

「優しくて、安心感があって、温かくて。 とても好き」

「だから騎士、鎧を脱いで。 固くて冷たい」

騎士「勤務時間中脱げるのはマントと兜までです」

「けち」


兵士A「いやぁ朝からお熱いですなぁ」

兵士B「全くだ」
93 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:35:20.11 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-183)
――

「今日は騎士、お休みなの?」

兵士A「はい、上からの休暇です」

「…あぁ、順番に休んでいく奴ね。 騎士もお出かけするのかな」

兵士A「いえ、兵舎の方で休んでいるかと」

「そうなの?」

兵士B「買い物とかをする人ではないんでね、隊長は」

「へー。 でも家に帰ったりとかは」

兵士A「それも無いでしょう。 隊長も孤児院の出で帰るべき家もありませんし、
     頂いた土地などにもほとんど手を出されていないようなので」

「へー…」

「…ね、騎士の部屋に行ってみたい」

兵士AB「「…はい?」
94 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:36:03.75 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-120)

兵士A「いやいや、いくら姫様でもいけませんって」

「騎士の部屋はここ?」

兵士B「そうですが…いけませんよ、入っては」

「騎士、いるかな」

兵士A「話を聞いてください!」

騎士「何だ人が寝ている時に騒々しい!」 ガチャッ

兵士AB「「!!」」

「あ、騎士。 おはよう」

騎士「!!? 姫!? 何故、え、今はミサの時間では、あ、今日は休みの日…」
95 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:37:09.65 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-198)
騎士「え、と、とりあえず廊下で話すのも何ですから、汚くて狭いですが中へ」

「ふふ、お邪魔します。 …本当に狭いのね」

騎士「まぁ、寝るためだけの部屋ですから」

兵士B「俺ら下っ端は同じ広さを4人で使ってるんですがね」

騎士「ところで兵士Aは何をやっているんだ、上官に目を合わせんとは失礼な」

兵士A「隊長お願いですから服を着てください目のやり場に困ります」

騎士「着てるじゃないか」

兵士A「タンクトップを服とは言いません下着です!」

(兵士Aさんってシャイなんだ)

兵士B(童貞乙)
96 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:38:21.44 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-131)
「騎士、寝てたの? 寝癖が」

騎士「恥ずかしながら… 休みだからと昨夜少々酒が過ぎたようで」

騎士「ところで、何故ここに?」

「うん? 騎士に会いたかったの」

騎士「なっ…!」

兵士A(ああ、あんなに顔を赤くして)

「それと、」

 ぎゅっ

騎士「くぁwせdrftgyふじこlp;@」

騎士「な、なっ!?」
97 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:39:23.67 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-185)
「ほら、前勤務中は鎧を脱げないって言っていたでしょう? だから」

「騎士、すごく温かい」 ぎゅぅぅ

騎士(うおおおおおひひひ姫の体温ががが伝わって伝わって伝わっttうおおおお)

騎士(あああ、なんと美しく良い匂いの髪か、抱き抱えて口付けてしまいたい)

騎士(って何を考えているのだ! 私は姫に仕える騎士、そんなことが許されるはずがない!)

騎士(落ち着け! 落ち着け!! 素数を数えろ!!)

兵士A(あんなに取り乱される隊長も珍しい…)

「でもやっぱり、堅い。 筋肉かな」

騎士「はぁ、まぁ、鍛えていますから…」

「ここは柔らかいけど」 ぷに

騎士「わ、へ、変なところ突かないで下さい!」

兵士AB((うおォン))
98 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:40:01.55 ID:vwVmNTtZO (-22,-10,-1)
百合支援
99 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:40:21.57 ID:PsFliNhd0 (+22,+29,+0)
人間火力発電所自重
100 : 以下、名無しにか - 2009/10/02(金) 21:41:21.85 ID:jPmLl0LF0 (+95,+30,-135)

「それでね、お母様がね――」

「そしたらお母様が――」

「お母様はいつも――」

騎士「ははは」

騎士「……」

騎士(今夜もまた酒を飲み過ぎそうだな…)

「それで、お父様が――」

 カァーン カァーン カァーン カァーン カァーン カァーン!

姫兵士AB「「!!」」

騎士「鐘の音…魔物が現れたか!」

騎士「6回ということは南西、此処とは逆方向
    魔物が来る前に姫を最近避難地へ、装備し次第私も行く」

兵士AB「「はっ!」」
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