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    元スレキョン「お前、誰だ?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×5
    タグ : - 涼宮ハルヒの憂鬱 ×2+ - 神スレ + - キョン + - キョン子 + - ルイズ + - 佐々木 + - 佐々木「〇中 + - 御坂 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    501 = 106 :

    「……キョンの癖に生意気よ」
    どこぞのガキ大将のようなことを言う。
    涼宮はむすっとした顔で、集合時間の10分前にやってきた。

    「じゃ、そこらへんで飯食うか」
    悠々と歩き出してみる。
    涼宮の悔しそうな顔を見て、なんだか笑ってしまった。
    「なによ」
    「なんでもないさ」
    ああ、本当に寂しくなってきた。

    502 = 106 :


    ファーストフード店で適当に昼食をとり、早速時計屋に向かった。
    「あれ?」
    こんなところに時計屋なんてあっただろうか。
    「何ボケてんのよ、前からあったじゃない」
    俺の記憶が正しければ確かここは駐車場だったはずなんだが。
    そうか、少しズレが起きていても不思議じゃないか。世界が違うんだった。

    涼宮はドアを大きく開け、ズカズカと中に入っていった。
    もうちょっと静かに入ればいいものの。
    「うーん、なんかいいものないかしら」
    店内をぐるぐる歩き出す涼宮。
    扉の前でその様子を眺めていると、正面のカウンターに座っている初老の男性と目が合った。
    微笑みかけられたので少し頭を下げる。

    503 = 106 :

    「なんかもっと派手なのないかしらねー!」
    お前は何を求めているんだ。
    「もっとほら、蛍光ピンクの針とか、そういう奇抜な時計よ」
    普通の時計じゃつまらないじゃない、と口を尖らせる。

    すると、カウンターに座っていた男性が立ち上がった。
    「そういえば前にお嬢さんと同じようなことを言ってる人がいたよ」
    面白い時計を買っていってね、と男性は笑う。
    「ちょうどお嬢さんと同じ歳くらいの子だったなぁ」
    「その時計ってまだありますか?」
    「ああ、ちょっと待っててね」
    そう言い残すと男性は店の奥へと消えていった。

    「なんだか凄い時計が現れる気がするわ」
    涼宮の瞳は爛々と輝いている。俺にはわからん。

    506 :

    全力で支援させてもらうぜ

    508 = 106 :

    男性が持ってきた時計は、まさに「奇抜」であった。

    蛍光グリーンと蛍光ブルーで縁取られ、中にはピンクの針が納まっている。
    なんてサイケデリック。
    「これだわ!」
    涼宮はお気に召したらしい。
    「SOS団のシンボルマークとそっくりね。これに決まりよ」
    涼宮は自分の鞄から財布を取り出して
    男性に値段を聞き、数枚の札を取り出した。

    男性から時計を受け取り、とても嬉しそうである。
    「きっと皆も喜ぶわね」
    その前に驚くだろうな。
    「もう用は済んだわ、あんたどっか行くところある?」

    509 :

    欲望に負けて検索掛けて正解だったぜ、続きにめぐり合えた!

    510 = 106 :

    「あー……そうだな」
    明日の放課後には俺は元の世界に戻る。
    そうすれば涼宮とはお別れだ。
    「喫茶店にでも入らないか」
    俺は涼宮に言いたいことがあった。

    「……なんですって?」
    「だからさ、ただの勘なんだが」
    喫茶店に入り、俺は早速話を切り出した。

    511 = 129 :

    しえん

    512 = 106 :

    店員が俺たちの前に水を置いて、その場から立ち去るのを待ってから
    俺はまた口を開いた。

    「明日か、明後日か。俺の記憶は元に戻る気がするんだ」
    「なによ、気がするって」
    「自分のことだから分かるんだよ」
    長門たちには、月曜に入れ替わることは涼宮には内緒にしてくれと言われたが
    これくらいならまだセーフだろう。セーフだよな?
    「……本当に?」
    「ああ」
    水を一口飲んで、俺は続けた。
    「それでさ、俺の記憶が元に戻ったら、今の記憶は消えるんだ」

    513 = 106 :

    涼宮が怪訝な顔をする。
    「本で読んだだろう?」
    俺の一言で、涼宮ははっとした顔をした。
    まぁ、俺は本を読んでないんだがな。こんなの嘘っぱちだ。

    「失くしている記憶を戻したら、記憶喪失になっていた間の記憶は消えるんだ」
    涼宮は頷く。
    「つまり、今の記憶は消えちゃうってこと?」
    「そうだ」
    涼宮は眉間に皺を寄せた。
    「ここ3日、4日か。その間の記憶は消えちまう」

    514 = 106 :

    「だから今日お前と時計を買いに行った事も、明後日の俺は知らない」
    すまないな、と俺が呟くと涼宮は俯いてしまった。
    「別に謝ることじゃないわ」
    それに、と涼宮は続ける。
    「あたしが覚えてるんだからいいの」
    そっか。それじゃわざわざ謝る必要なかったな。

    「ここ数日さ、俺は楽しかったよ」
    涼宮が顔を上げ、俺の目を見た。
    何を言っているんだ、という顔である。
    「明後日、お前の前に居る俺は今の俺じゃない。だからさ、今のうちに言っておきたくてな」
    俺も涼宮の目を正面から見る。
    「できればこのままSOS団の一員として、ずっと過ごしたかったかな」
    「何言ってんのよ」
    自分でも何を言ってるのかわからなくなってきた。
    「キョンは、キョンよ。この先もずっとSOS団の雑用係なんだから」

    515 :

    ああああああああああああああああああああ

    516 = 461 :

    んんんんんっ

    517 = 106 :


    喫茶店を出て、涼宮は時計の入った紙袋を俺に押し付けた。
    「あんたが時計を飾っておいて」
    今渡さなくてもいいんじゃないか。
    別にいいでしょ、と涼宮は不貞腐れたようにそっぽを向いた。
    やれやれ、わかったよ。

    「あんたの勘が本当なら」
    涼宮がそっぽを向いたまま喋りだした。
    「明後日には記憶が戻るのよね」
    「ああ」
    「……今日はありがと」
    涼宮はそれだけ言うと、今度は完全に背を向けてしまった。そのまま歩き出す。
    さっきの言葉は別れの挨拶だったらしい。
    よく分からない奴だ。
    「また明日な」
    涼宮の背中にそう言って、俺は家に帰った。

    518 = 509 :

    しえん

    519 = 374 :

    一応まとめてみる

    >>1 >>3 >>6 >>7 >>10 >>12 >>13 >>16
    >>20 >>22 >>24 >>27 >>29 >>31 >>33
    >>35 >>38 >>40 >>43 >>45 >>49 >>54
    >>55 >>57 >>59 >>62 >>66 >>69 >>72
    >>75 >>78 >>80 >>84 >>85 >>86 >>88
    >>89 >>92 >>94 >>96 >>97 >>98 >>102

    520 = 374 :

    その②
    >>103 >>104 >>106 >>107 >>108 >>110
    >>111 >>113 >>116 >>117 >>123 >>124
    >>127 >>128 >>130 >>133 >>134 >>136
    >>137 >>139 >>150 >>152 >>155 >>157
    >>160 >>161 >>164 >>166 >>168 >>169
    >>172 >>176 >>179 >>181 >>182 >>185
    >>188 >>191 >>193 >>198 >>199

    522 = 374 :

    その③
    >>202 >>203 >>208 >>210 >>213 >>215
    >>217 >>220 >>224 >>226 >>228 >>230
    >>231 >>232 >>235 >>237 >>318 >>320
    >>321 >>323 >>324 >>325 >>326 >>330
    >>333 >>334 >>335 >>337 >>338 >>340
    >>341 >>342 >>345 >>347 >>354 >>356
    >>358 >>359 >>361 >>363 >>366 >>367
    >>371 >>373 >>377 >>378 >>379 >>381
    >>382 >>383 >>389 >>392

    523 = 391 :

    >>521が言いたいこと言ってくれた

    524 = 515 :

    >>522
    容量落ちするからやめて

    525 = 422 :

    >>524

    はい

    526 = 222 :

    >>524

    はい

    528 = 106 :

    ………
    ……



    日曜日の朝。
    「キョンくーん、あさだよ?おきてよぉー」
    重い。
    「今日はいっしょにゲームするっていってたじゃーん」
    どん、どん、と俺の上にタックルをかましてくるの奴は、俺の妹しか居ない。
    耐え切れなくなってきた俺は布団から顔を出した。
    「あれ?キョンくん、おめめのしたがまっくろだよ~?」
    うるさい。昨日はちょっと眠れなかったんだよ。

    夢の中のハルヒの顔が脳裏に焼きついてはなれない。
    その事を考える度、ハルヒに会いたくなってくる。
    ちくしょう。
    携帯電話を開いた。だが電話帳にハルヒの名前がない。
    まだこっちでハルヒと電話番号を交換していなかったんだっけか。

    529 :

    どんまい

    530 = 439 :

    A・Bで分ければもっと見やすかった

    531 = 509 :

    >>530
    一定のところまで読んでやっとどっちサイドか分かるのが良いんじゃないのか

    532 :

    …………で毎回交代しt・・・や、そうだよな!やっと分かるの良いよな!

    533 = 106 :

    今更後悔しても遅い。
    俺は必死に脳みそを掻き回した。
    ハルヒとはしょっちゅう電話をしてるじゃないか。電話番号くらい覚えてないのか俺。
    もしかしたらこの世界のハルヒと、俺の知ってるハルヒの携帯電話番号は一緒かもしれない。
    その可能性に賭けてみることにした。
    必死に搾り出し、浮かんできた数字の羅列をそのまま携帯電話に打ち込んだ。
    その番号が合っているかも分からない。一か八か。
    さぁ、果たしてどうなるか。

    『もしもし……あんた誰?』
    電話の向こうの声は俺が聞きたかった声だった。
    俺ってもしかして凄く運が良いかもしれない。

    534 = 461 :

    でも保坂はキモくないんだけどなぁ……

    535 = 106 :

    「俺だ」
    『……ジョン?』
    「ああ、そうだ」
    『知らない番号だったからびっくりしたわよ』
    「なぁハルヒ、今日暇か?」
    『そうだけど』
    「今から会えないか」
    『はぁ?今から?』
    「駅前に集合だ。いいな?」
    『ちょっと待ちなさいよ』
    「暇なんだろ?昼飯ぐらいは奢るからさ」
    『……もう、分かったわよ』
    「ああ、待ってる」
    電話を切り、俺は急いで支度をし、妹に見つからないよう家を出た。

    536 = 106 :

    俺が駅前に着くと既にハルヒが待っていた。ちょっと早すぎないかお前。
    ハルヒが俺を見て、最初に一言。
    「あんた目の下酷いわよ」
    「お前もな」
    どうやらハルヒも眠れなかったらしい。

    「で?何の用なのよ」
    「お前に会いたかっただけだ」とは流石に言えないので、つーか言いたくないので
    ここに来るまでに考えついた事を実行することにする。
    「ちょっと俺に付き合ってくれないか」
    「……別に良いけど」
    俺の向かう先は時計屋だ。

    537 = 332 :

    >>534
    いや、きもちわるいだろ
    ってか保坂にはそれこそ褒め言葉だ

    538 = 509 :

    >>532
    投下の合間に色々してると、最後がどっちだったかなんていちいち覚えてないんだ……

    539 = 106 :

    どうも読み辛くてすまん。投下してる途中でAとかBとかやればよかったと思ったぜ

    ----------

    「すまないが、ここでちょっと待っててくれ」
    時計屋の前に着き、涼宮を扉の前で待たせて俺1人で入店した。
    カウンターには昨日と同じ男性が座っていた。
    「おや、昨日の」
    向こうも俺のことを覚えてくれていたらしい。軽く頭を下げる。

    俺は数分悩んでから、
    並んでいる腕時計の中から、一番先に目に着いたものを購入することにした。
    ハルヒも待たせていることだし、長くは悩んでいられないからな。
    腕時計を受け取り、男性の謝辞を背中で受けながら店を出た。
    「待たせたな」
    ハルヒは俺が店に入る前と同じ位置でちゃんと待っていてくれた。

    540 = 106 :

    「喫茶店にでも行かないか」
    「だったら最初からあたしを喫茶店で待たせてればよかったじゃない」
    ハルヒに言われて気がついた。そうしたほうがよかったな。
    「すまないな」
    「別に良いけど」
    行くわよ、とハルヒが俺の前を歩き出す。

    喫茶店に入り、ハルヒはカフェオレを頼んだ。俺は適当にコーヒーと言っておいた。
    「ハルヒ、これをお前にやる」
    さっき時計屋で買ったままの、腕時計の入った箱をハルヒの前に置いた。
    包装紙もリボンもない。
    「……急になによ」

    541 = 106 :

    「……実はさ、俺もう少しで元の世界に戻る」
    ハルヒは驚きに目を開き、それから箱に視線を落とした。
    「その前にハルヒに、……何か残していきたいと思ったんだ」
    「……何よそれ」
    二度と会えなくなるみたいじゃない、とハルヒは呟いた。
    「それに、戻るって何時よ」
    「……それはまだ詳しくは分からないが、俺の勘だよ」
    月曜日に戻るということはハルヒに言わないほうが良いだろう。
    長門も内緒にしろと言ってたからな。

    542 = 114 :

    どっちの世界のキョンも律儀な奴だな

    543 = 106 :

    「意味分かんない」
    ハルヒは箱を手に取り、開けた。
    「……腕時計?」
    店員がカフェオレとコーヒーを運んできた。
    伝票を置いてその場を去るまで、ハルヒはずっと腕時計を見つめていた。

    「俺が元の世界に戻ったらさ、この世界に居たはずの俺も元に戻るはずなんだ」
    つまりハルヒに「お前は誰だ」と言った俺が、この世界に戻ってくるという事だ。
    「その俺の事もさ、よろしく頼むよ」
    ハルヒが顔をあげた。
    「よろしく、って」
    「俺の代わりだと思って、SOS団に入れさせてやってくれ」
    これは完全に俺の勘だが、
    俺と入れ替わって向こうの世界に行った俺は、きっとSOS団に入りたいと思っているはずだ。

    545 = 500 :

    しえん

    546 = 106 :

    俺の代わりに俺、というのもなんだか可笑しな話だがな。
    「……ジョンの代わりなんていないわ」
    「俺の事を忘れろと言ってる訳じゃないんだ」
    コーヒーを一口飲んだ。苦い。
    「時々さ、その腕時計を見て俺を思い出してくれよ」
    ついさっき買った時計で悪いが。
    「……なによ、それ」
    ハルヒは俯いて、しばらくの間黙っていた。

    ハルヒが、さっき俺がプレゼントしたばかりの腕時計を、自分の腕に回した。
    「この世界に居たはずのあんたってやつ」
    俺がコーヒーを飲みきってしまった時だ。
    ハルヒが顔を上げ、にやりと笑った。
    「SOS団の雑用係にしてやるわ!」
    俺もつられて笑った。

    547 :

    うわぁぁぁ

    最高だよ
    このSSを一言でいうなら"人生"だよ"人生"

    548 = 386 :

    最後まで読みたいが、バイトだ…
    明日まで残っててくr……残してください。

    549 = 509 :

    >>548
    dat落ち変換機を使うんだ

    550 = 547 :

    涼宮ハルヒの憂鬱は人生


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