元スレキョン「お前、誰だ?」

みんなの評価 : ★★★×5
351 :
追いついてほ
352 :
まだ残っててくれたか
支援!!
353 :
このSSまじ宇宙なんですけどwww
支援
354 = 106 :
「で?どこに行くのかしら」
「とりあえず喫茶店に入ろう。それから決めようじゃないか」
いつもならハルヒが担っているこの役、今日限り俺が引き受けよう。
「クジ引き、ですか?」
朝比奈さんが片手をストローに宛がいながら言った。
俺はテーブルの端からつまようじを5本取り、それに家から持ってきたペンで印をつける。
いつも我らが団長様がやっているようにな。
「二手に分かれて探索するんです」
さぁ引け、と俺はつまようじを握った左手をテーブルの中央に突き出した。
「ふぅん。面白そうじゃない」
ハルヒが真っ先につまようじを引く。印付きだ。
その後に続いて古泉と朝比奈さんも引く。2人とも印なしだ。
最後に長門が残った2本のつまようじを、えらい時間をかけて吟味し、1本抜き取った。
355 = 106 :
俺の手元に残ったつまようじには印が付いていた。
午前中は俺とハルヒ、古泉と朝比奈さんと長門に分かれることになる。
「じゃあ12時にまた駅前に集合。午後はまたクジ引きをして二手に分かれる」
喫茶店を出て、そう告げると目の前の3人は軽く頷いた。
「俺たちはこっちに行くからお前らはそっちをよろしく頼む」
と、俺は自分の後方を指差した後に、前方を指差した。
古泉が頷く。
「わかりました。では、また12時に駅前で」
古泉が軽やかに片手をこめかみまで持っていき、ゆっくり振った。
朝比奈さんと長門がゆっくり歩きだし、その後ろを古泉がついていくのを見送ってから
俺は隣に立っている午前中のパートナーに顔を向けた。
「で、どこに行くのよ」
「お前に任せるよ」
356 = 106 :
はぁ?とハルヒ。仏頂面だ。
「あんた決めてこなかったの?」
「俺よりお前の方が不思議を見つけるのが上手いんじゃないかと思ってさ」
そう言うと、ハルヒは納得したような顔で
「まぁ確かにそうね」
と得意げに言った。扱いやすい奴である。
「それじゃ早速行くわよ!案外そこらへんに転がっているものなのよねーそういうのって!」
嬉々とした表情で歩き出すハルヒを追う。
357 = 112 :
バイト終わるまでスレが残ってますように
358 = 106 :
ハルヒはマンホールやガードレールを注意深く見回りながら練り歩く。
俺はそれを後ろから眺めながら、ただ歩いていた。
姿勢を低くしながらキョロキョロするハルヒ。こいつの方がよっぽど不思議だ。
1時間程過ぎた頃だろうか。
「うーん、思ったよりないのねえ」
そりゃそうだろ。道端にごろごろ転がってたら堪ったもんじゃない。
「つまんないわね」
ハルヒは立ち上がり、腕を組み、ゆっくり辺りを見回した。
ちょうどアイスクリーム屋が目に入ったらしい。
「ジョン!あれ奢りなさい!」
ぱあっと目を輝かせ、思いっきりそれを指差した。
やれやれ。
まぁ、今日ぐらいは奢ってやるさ。
359 = 106 :
「ここのアイスクリームって初めて食べたけど結構おいしいわね」
ハルヒの両手には、カラフルなアイスが三玉乗っかったコーン。
こいつ、一番値の張るものを頼みやがったな。
早速一番上に乗っているチョコレートアイスにかぶり付き、嬉しそうに笑う。
対して俺は、コーンの上にバニラアイスが一玉乗ったシンプルなものを注文した。
アイスクリーム屋を後にし、適当にブラついていると河川敷に辿り着いた。
いつの日か、朝比奈さんと歩いた道だ。
「ちょうどいいわ、ちょっと座りましょ」
ハルヒがベンチに腰を降ろす。
奇遇にも、朝比奈さんに未来人だと告げられた、あのベンチである。
361 = 106 :
「ジョン!それ一口頂戴!」
お前、三玉も食ってまだ足りないって言うのか。
「味見よ、味見」
仕方なくハルヒの前に持っていたアイスを突き出す。
すると、あっという間にコーンの上のアイスは半分以上減ってしまった。
「お前それ一口じゃないだろ」
まぁ大体こうなることは想定していたが。
「ふひふぁあい」
口に入れすぎだ。
「ねぇジョン」
口の中のアイスが溶けきったらしい。
もう一口欲しいのか、と言いかけた所で、俺はその言葉を飲み込んだ。
ハルヒの目が真剣そのものだったからだ。
362 = 329 :
え
363 = 106 :
「……なんだ」
「あたし前に、ジョンともう一度会えるような気がしてたって言ったでしょ」
「ああ」
「本当にそう思ってたの。ジョンが消えた日から、ずっと」
ハルヒは視線を自分の足元に固定している。
「そしたら、本当にこうしてジョンに会えたでしょ」
俺はずっとハルヒの目を見ていた。
「今度はさ」
ハルヒが顔をあげる。まっすぐ前を向いたままだ。
「ジョンが消えちゃったら、もう二度と会えないような気がするの」
364 :
なぜかウルッときてる
365 :
追いついた
面白い 支援
366 = 106 :
「……別の世界から来たんだから、いつかはそこに帰るわけでしょ」
「……そうだな、このままずっとここに居るわけにはいかないな」
この世界の俺だって、元に戻りたいはずだ。
「俺には待ってくれている人が居る」
きっと、そうだ。
向こうの世界のハルヒや、長門や朝比奈さん、ついでに古泉。
俺を待ってくれているはずだ。
俺は戻らなくちゃならない。
「……ジョン」
俺に顔を向ける。目が合った。
ハルヒは口を開き、戸惑うように視線を泳がせて、口を閉じた。
「やっぱりいいわ」
ハルヒが携帯電話を取り出し、画面を一瞥して
「もうこんな時間だわ、そろそろ戻りましょ!」
勢いよく立ち上がった。俺も携帯を取り出す。
本当だ。もうそろそろ駅前に向かわないと時間に間に合わないな。
「お昼ご飯は何がいいかしら」
ハルヒは明るく言い放つと、すたすたと大またで歩いていってしまった。
まるで早くこの場から立ち去りたいと言わんばかりに。
367 = 106 :
3人は既に駅前で俺たちのことを待っていた。
それぞれ片手に紙袋を持っている。
「有希、それどうしたの?」
ハルヒが長門の手にぶらさがっている紙袋を指差し言った。
「本」
この機会に、前から欲しかった本を買ったらしい。
紙袋の大きさからして、5冊以上は入っているだろう。
長門の隣に立っていた朝比奈さんが、紙袋から何かを取り出した。
「わっ、わたしはお茶の葉を買ったんですぅ」
朝比奈さんの手にはお茶の葉が入っているらしい袋。
「お茶の葉?」
「なんだか眺めていたら、すごく欲しくなっちゃって……」
一緒に急須セットも、と朝比奈さんは恥ずかしそうに微笑んだ。
「今度、お家で淹れてみようかな」
「僕はこれです」
古泉も紙袋から何かを取り出す。やたらでかい。
それは見覚えのある箱だった。
「オセロ?」
ハルヒが箱を覗き込んだ。
「ええ、そうです。僕も朝比奈さんと同様、眺めていたら無性に欲しくなってしまいまして……」
買ってしまいました、と頭を掻いた。
368 :
しえーん
370 :
しえん
371 = 106 :
「みんなして普通に買い物しちゃって」
今日は不思議を探しに来たのよ!とお怒りのハルヒの横で
俺はなんだかとても嬉しくなってしまっていた。
なんだなんだ。
まるで俺の知っているSOS団に近づいてきているようだ。
これでハルヒと古泉が北高に通っていたならば、そのまんまコピーが出来上がるんじゃないだろうか。
「まぁいいわ。とりあえずお昼にしましょう」
ハルヒが歩き出したので、俺たちもそれについていく。
「おい古泉」
「なんでしょう」
「機会があったら相手をしてやるよ」
隣を歩いていた古泉は、一度自分の持っている紙袋に視線を落としてから、
「お願いします」
と微笑んだ。
373 = 106 :
「次はこの組み合わせか」
俺たちはレストランで昼食をとって、2回目のクジ引きを行った。
印つきは俺と長門、他3人が印なしだ。
「みくるちゃん、古泉くん、今度こそちゃんと不思議を探すわよ!」
ハルヒは指を突きたてる。2人は軽く微笑みすみません、と呟いた。
「じゃああたし達はこっちを行くから!」
ハルヒが背を向け、早足で歩いていってしまった。
朝比奈さんと古泉もその後を追っていく。
俺は隣に立っている長門に問いかけた。
「長門、どこか行きたい場所はあるか」
「図書館」
即答だ。
374 :
追いついた。
面白すぎです!!
支援!支援!
375 = 158 :
しえん
376 = 364 :
読めた!鶴屋さんはスモークチーズでぶち切れる!しえn
377 = 106 :
「じゃあ、俺はそこらへんに座っているよ」
図書館に着き、特に用がない俺は昼寝でもしていようと椅子を探そうとしたが
長門に袖を掴まれ、それを阻まれてしまった。
「あなたも側にいて」
長門はそれだけ言って、本棚の間に進んで行ってしまった。
なんだ?
とりあえず長門の後について歩くことにする。
長門はしばらく本棚の間をうろつき、ある場所で立ち止まった。
目の前の棚から本を一冊抜き取る。そのタイトルは見覚えのあるものだった。
確か前に長門から借りたものだ。栞が挟まっていた、あの分厚い本。
長門はその場でページを捲り始めた。凄い勢いである。
大体半分ほど捲りきったところで、長門の手が止まる。
眼鏡を一回指先で持ち上げた後、長門が静かに呟いた。
「繋がった」
378 = 106 :
………
……
…
「繋がった?」
一体何が、と俺が問いかける暇もなく、長門はまた口を開く。
静かにぼそぼそと何かを呟き続ける長門。
頑張って耳を澄ませてみるが、何も聞き取れない。
長門が呟いているのは、なんだか早すぎる早口のようで、段々気味の悪さを感じてきた。
5、6分経った頃だろうか。
長門が本を閉じた。静かにその本を棚へ戻す。
「な、長門?」
制服姿の長門は、俺の方へ顔を向け、
「終わったらわたしの家に来て欲しい」
それだけ言うと、また歩きだしてしまった。
一体なんだったんだ。
379 = 106 :
長門の用事はあれだけだったらしい。
俺も図書館には用がなかったので、
このまま駅前まで向かうことにした。
駅前に着き、時計を見ると約束の時間まではまだ30分以上あった。
隣をちらりと見ると、長門は時間までここで待っているつもりらしい。
はあ。俺も黙って待っていようかね。
それから45分経って、涼宮たちが戻ってきた。
「有希!何かあった?」
涼宮の問いかけに、長門は頭を横に振る。
「なかなか見つからないものね」
涼宮は小さく溜息をつき、次に右腕を思い切り振りあげた。
「今日はこれで解散!」
381 = 106 :
長門、朝比奈さん、古泉の順に
それぞれ別方向へ歩き出すのを見送ってから、涼宮は俺にこう言った。
「明日は12時にここで良いわね」
長門の早口が衝撃的で、うっかり忘れかけていた。
明日は涼宮と時計を買いに行くんだったな。
「どっかでお昼食べてから買いに行きましょ」
「ああ、分かった」
「じゃあね、遅れたらお昼奢りだから!」
俺に向かって人差し指を突き出し、涼宮は得意げに笑った。
それから背を向けて、駅の構内へ消えていった。
俺はその涼宮の背中を見送りながら、3人が再び集合するのを待った。
382 = 106 :
「明日はデートですか」
一番最初に戻って来たのは古泉である。
「お前、どこで聞いてたんだ」
涼宮が喋りだしたのはお前がビルの角を曲がった後だ。
「壁に耳あり障子に目あり、ですよ」
ふふ、と古泉は得意げに微笑んだ。
微妙に使い方が間違えているような気もするが、どうでもいい。
そのニヤケ面をこっちに向けるな。
次に長門が現れ、最後に朝比奈さん。
「涼宮さんに見つからないように再集合って……何かあったんですか?」
「話がある」
長門がそう言って、歩き出した。
多分向かう先は長門のマンションだろう。
俺たち3人も、黙って歩き出した。
383 = 106 :
「あなたの世界の長門有希とコンタクトを取る事ができた」
所変わって長門の部屋である。俺たちは前に来た時と同じ形で座っている。
俺の正面で長門が言葉を紡ぐ。
「あなたの世界の長門有希との話し合いの結果、あなたを元の世界へ戻す方法が決まった」
な、なんだって?
それはすごい、と古泉が呟いた。
「そもそも、どうやって向こうの世界の長門さんとコンタクトを取る事ができたのですか?」
古泉の顔に興味津々と書いてあるのが見えるようだ。
朝比奈さんは真剣な顔をして長門の話を聞いていた。
長門は図書館であった出来事を話す。それは俺が見た光景と同じ内容だった。
「なるほど」
古泉は顎に手をあて、頷いた。
384 = 368 :
しえん
388 = 346 :
ゆきりん!ゆきりん!
389 = 106 :
「つまり同じ場所、同じ条件で、同じ事をすると、向こうの世界と繋がることができる、と」
長門が頷く。
「じゃ、じゃあキョンくんと、向こうの世界へ行ってしまったキョンくんが、同じ事をすれば」
「元に戻れるわけですか」
朝比奈さんと古泉が長門へ問いかける。
長門はまた頷く。
俺をそっちのけにして3人の会話はヒートアップしているようだ。
すまん。俺にもすこし優しく説明してくれないか。
「2つの世界が繋がる条件を見出すことができたのです」
長門に顔を向けていた古泉が、こちらに向きなおす。
「2つの世界が繋がったその瞬間、あなたと今違う世界に居るあなたを入れ替えようと、考えているんですよ」
入れ替えるって、どうやって。
「それは長門さんにお任せするしかありませんね」
391 :
追い付いたー
支援
392 = 106 :
そういえば長門は宇宙人だっけか。
「そんなこともできるのか」
「可能」
ただし、と長門は続ける。
「失敗する可能性もある」
「僕たちは長門さんの能力を信頼していますよ」
古泉が微笑んだ。
「そっそれで」
朝比奈さんが口を開いた。
「その、条件っていうのは、なんなんでしょう……?」
朝比奈さんの質問に、長門は静かに、シンプルに答えた。
「朝比奈みくるがデコピンすること」
397 = 165 :
萌えたwwwwwww
398 = 154 :
デコピンとはwww
399 = 372 :
デコピンマン「デコピ~ン支援!」
400 = 129 :
みくるがかよwwww
みんなの評価 : ★★★×5
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