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元スレ超王道ジャンル「君といた場所」
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男「―――ッ!―――ッ!」
―――必死で止めようとするが、俺の声は『神』に届かない。
男「―――ッ!―――ッ!」
―――『神』はこの薄暗い場所で俺に何を求めたのだろうか。
男「―――ッ!―――ッ!」
『それはもうアナタなら分かっているでしょう?』
男「………ッ」
―――『70』がどこかで呼んでいる。
―――必死で止めようとするが、俺の声は『神』に届かない。
男「―――ッ!―――ッ!」
―――『神』はこの薄暗い場所で俺に何を求めたのだろうか。
男「―――ッ!―――ッ!」
『それはもうアナタなら分かっているでしょう?』
男「………ッ」
―――『70』がどこかで呼んでいる。
『時間がありません。もうすぐ世界はすべて跡形もなく失われます』
男「そんなこと言われてもどうしろと…」
『まだです。まだ終わっていません。きっとアナタなら救えます』
男「何を…」
『神を…いえ、父をです』
男「だからどうやって―――」
―――気がつくと、俺は公園に倒れていた。
男「そんなこと言われてもどうしろと…」
『まだです。まだ終わっていません。きっとアナタなら救えます』
男「何を…」
『神を…いえ、父をです』
男「だからどうやって―――」
―――気がつくと、俺は公園に倒れていた。
-駅前公園-
男「………」
―――無限に広がる真っ白の空間にポツリと公園だけが存在している。
男「…?」
―――ここは本当に現実だろうか、それとも…。
男「おーい、誰かいるのか?」
―――返事はない。分かってはいるが、声をかける。
男「いない…のか?」
―――『アイツ』がまだ消えていないという一縷の望みを抱いて。
男「………」
―――無限に広がる真っ白の空間にポツリと公園だけが存在している。
男「…?」
―――ここは本当に現実だろうか、それとも…。
男「おーい、誰かいるのか?」
―――返事はない。分かってはいるが、声をかける。
男「いない…のか?」
―――『アイツ』がまだ消えていないという一縷の望みを抱いて。
サアアアアアア…
―――満開の桜が舞い散る中、噴水が静かに水を湛えている。
男「…あ」
―――噴水の傍に何か落ちている?
男「これは…ノート?」
―――日記…帳?
男「………ッ」
―――これをめくればおそらく真実が分かる。
男「…くっ」
―――だが手が震えるのはなぜだろうか。
―――満開の桜が舞い散る中、噴水が静かに水を湛えている。
男「…あ」
―――噴水の傍に何か落ちている?
男「これは…ノート?」
―――日記…帳?
男「………ッ」
―――これをめくればおそらく真実が分かる。
男「…くっ」
―――だが手が震えるのはなぜだろうか。
『3月31日
今日で男クンとお別れだ。幼い頃から一緒だったけれど、ついに男クンに彼女が出来る。
仕方がないことだ。ずっとずっと迷ってきた。男クンに気持ちを打ち明けるべきかどうか。
でも私には「病気」がある。もし男クンが付き合ってくれても…それは私の「病気」に男クンを巻き込むことになる。
それだけはイヤだ。好きな人を苦しめるなんて…そんなことは出来ない。それだけは絶対に。
さっき電話に出た男クン、元気なかったよね。バカ、そうやって私のことばっかりに気にしてるから。
後輩女ちゃん、大切にしてあげなよ?いい娘なんだからさ。バイバイ男クン。今まで本当にありがとう。
もし私が生きていたら…またどこかで仲良くできるといいね。今日撮った写真、ずっと大切にするから。
私の
宝物。
本当
に、本当 に
ありが』
今日で男クンとお別れだ。幼い頃から一緒だったけれど、ついに男クンに彼女が出来る。
仕方がないことだ。ずっとずっと迷ってきた。男クンに気持ちを打ち明けるべきかどうか。
でも私には「病気」がある。もし男クンが付き合ってくれても…それは私の「病気」に男クンを巻き込むことになる。
それだけはイヤだ。好きな人を苦しめるなんて…そんなことは出来ない。それだけは絶対に。
さっき電話に出た男クン、元気なかったよね。バカ、そうやって私のことばっかりに気にしてるから。
後輩女ちゃん、大切にしてあげなよ?いい娘なんだからさ。バイバイ男クン。今まで本当にありがとう。
もし私が生きていたら…またどこかで仲良くできるといいね。今日撮った写真、ずっと大切にするから。
私の
宝物。
本当
に、本当 に
ありが』
―――日記の最後は読めなかった。
男「………」
男「くそっ…くそっ…」
―――言葉にならない怒りをぶちまける。
男「なんで…どうして…」
―――全部俺が悪いんじゃないか。
男「どうして気づいてやれなかったんだよ!」
―――ドウシテキヅカナカッタンダ?
男「ああああああああああああああああああああッ!!」
男「………」
男「くそっ…くそっ…」
―――言葉にならない怒りをぶちまける。
男「なんで…どうして…」
―――全部俺が悪いんじゃないか。
男「どうして気づいてやれなかったんだよ!」
―――ドウシテキヅカナカッタンダ?
男「ああああああああああああああああああああッ!!」
ズドムッ!!
男「ッ!?」
―――ガラガラと音を立てて公園が崩れてゆく。
男「………」
―――いよいよ最後の消失が始まったようだ。
男「ちくしょう…」
―――崩れた公園が真っ白の空間に消えてゆく。
男「はは…はははははは…」
―――ああ、世界が滅びてゆく。
少女「…大丈夫ですか?」
男「ッ!?」
―――ガラガラと音を立てて公園が崩れてゆく。
男「………」
―――いよいよ最後の消失が始まったようだ。
男「ちくしょう…」
―――崩れた公園が真っ白の空間に消えてゆく。
男「はは…はははははは…」
―――ああ、世界が滅びてゆく。
少女「…大丈夫ですか?」
男「ああ…君か」
少女「お疲れ様でした」
男「何を言ってるんだ。結局俺は何も出来なかった」
少女「…仕方ありません。もとより、たとえやり直してもこうなる運命だったのです」
男「君は…これからどうなる?」
少女「私はこの世界です。この世界が完全に滅んだとき、私も消えます」
男「そう、か…」
少女「お疲れ様でした」
男「何を言ってるんだ。結局俺は何も出来なかった」
少女「…仕方ありません。もとより、たとえやり直してもこうなる運命だったのです」
男「君は…これからどうなる?」
少女「私はこの世界です。この世界が完全に滅んだとき、私も消えます」
男「そう、か…」
男「1つ聞いていいか?」
少女「何でしょう?」
男「『神』はどのタイミングで世界を放棄したんだ?この世界の3月31日?」
少女「いえ…もっと前です」
男「だよな。だって奇病が世界の崩壊を示すものなら…。
てことはさ、『神』は最初からこの世界は自殺のきっかけにしか―――」
少女「―――止めましょう」
男「………」
男「…そうだな。意味のない話だ」
少女「何でしょう?」
男「『神』はどのタイミングで世界を放棄したんだ?この世界の3月31日?」
少女「いえ…もっと前です」
男「だよな。だって奇病が世界の崩壊を示すものなら…。
てことはさ、『神』は最初からこの世界は自殺のきっかけにしか―――」
少女「―――止めましょう」
男「………」
男「…そうだな。意味のない話だ」
スゥウウウウ…
男「…ついに俺の体も消え始めてきたか」
少女「お別れですね」
男「だな。ははは、手首から先がなくなってきちゃった」
少女「…私も1つ聞いていいですか?」
男「なんだ?」
少女「アナタは…少なくともこの世界のアナタは…最初から真相に気づいていたのではないですか?」
男「…ついに俺の体も消え始めてきたか」
少女「お別れですね」
男「だな。ははは、手首から先がなくなってきちゃった」
少女「…私も1つ聞いていいですか?」
男「なんだ?」
少女「アナタは…少なくともこの世界のアナタは…最初から真相に気づいていたのではないですか?」
男「…かもな。漠然とだけど」
少女「ずっと…この場所を気にしておられました」
男「この場所は…俺と女の始まりの場所で…共に過ごした場所で…そして…」
少女「…っ」
男「グスッ…ヒグッ…ずっとずっと…俺と女はここで過ごして…俺はいつのまにかアイツのことが…!」
少女「ええ…ええ…」
男「なあ…君にお願いがある」
少女「ずっと…この場所を気にしておられました」
男「この場所は…俺と女の始まりの場所で…共に過ごした場所で…そして…」
少女「…っ」
男「グスッ…ヒグッ…ずっとずっと…俺と女はここで過ごして…俺はいつのまにかアイツのことが…!」
少女「ええ…ええ…」
男「なあ…君にお願いがある」
少女「何ですか?」
男「それは…ッ!?」
―――やっべ…もう体が消えちまった?
少女「大丈夫です、まだ意識だけは残っています」
―――そっか。じゃあ伝える。あのな…*****。
少女「それはどういう…?」
―――『神』を…君のお父さんを救うんだよ。たとえ世界が滅びたとしても。
少女「―――。分かりました。全力を尽くします」
―――たぶん本当は『俺』を救いたいんだろうな。
男「それは…ッ!?」
―――やっべ…もう体が消えちまった?
少女「大丈夫です、まだ意識だけは残っています」
―――そっか。じゃあ伝える。あのな…*****。
少女「それはどういう…?」
―――『神』を…君のお父さんを救うんだよ。たとえ世界が滅びたとしても。
少女「―――。分かりました。全力を尽くします」
―――たぶん本当は『俺』を救いたいんだろうな。
―――じゃあな。もう俺は終わりだ。
少女「さようなら。もう一人のお父さん」
―――ああ。本物のお父さんにもよろしく伝えてくれ。
少女「―――」
―――無限に広がる真っ白な空間に噴水がポツリと浮かんでいる。
少女「―――」
―――そこに佇む一人の少女。まるで天国のようだと思った瞬間、俺の意識も真っ白い空間に堕ちていった。
―――――
―――
―
少女「さようなら。もう一人のお父さん」
―――ああ。本物のお父さんにもよろしく伝えてくれ。
少女「―――」
―――無限に広がる真っ白な空間に噴水がポツリと浮かんでいる。
少女「―――」
―――そこに佇む一人の少女。まるで天国のようだと思った瞬間、俺の意識も真っ白い空間に堕ちていった。
―――――
―――
―
-研究室-
ビー ビー ビー
研究者「…終わったか」
―――全データの消去に4日間と少々、か。結構かかったな。
研究者「そんなもんだろう」
―――何しろ莫大なデータだったからな。
研究者「これですべてが終わる」
―――そう、あの過ちに苦しんだ俺の人生も。
研究者「疲れた、本当に」
―――すまんな、女。
ビー ビー ビー
研究者「…終わったか」
―――全データの消去に4日間と少々、か。結構かかったな。
研究者「そんなもんだろう」
―――何しろ莫大なデータだったからな。
研究者「これですべてが終わる」
―――そう、あの過ちに苦しんだ俺の人生も。
研究者「疲れた、本当に」
―――すまんな、女。
研究者「………」
―――あの時選ばなかった未来を見たくて俺は『神』になった。
研究者「…だが」
―――わかっていたんだ。所詮はプログラム。
研究者「俺自身を仮想世界に投影したところで」
―――未来は変わるはずもないんだ。
研究者「女はいまどうなっているのだろう」
―――死んだのだろうか。たぶんそうだろう。消息は聞いてない。
―――あの時選ばなかった未来を見たくて俺は『神』になった。
研究者「…だが」
―――わかっていたんだ。所詮はプログラム。
研究者「俺自身を仮想世界に投影したところで」
―――未来は変わるはずもないんだ。
研究者「女はいまどうなっているのだろう」
―――死んだのだろうか。たぶんそうだろう。消息は聞いてない。
―――あの年の3月31日深夜、女の病状は急激に悪化したらしい。
以来、ずっと植物状態だと数年前に聞いたことがある。
研究者「………」
―――あの時、違う選択をしていれば、未来は違っていたのだろうか。
研究者「そればかり気にして生きてきたな」
―――結局、あのとき付き合った娘とうまくいくはずもなく数ヶ月で分かれた。
研究者「当然の結果だ…」
以来、ずっと植物状態だと数年前に聞いたことがある。
研究者「………」
―――あの時、違う選択をしていれば、未来は違っていたのだろうか。
研究者「そればかり気にして生きてきたな」
―――結局、あのとき付き合った娘とうまくいくはずもなく数ヶ月で分かれた。
研究者「当然の結果だ…」
―――無我夢中でその未来を見たくて、『70』を作り上げた。
研究者「考えてみればここにいきつくまでに69回の失敗をしたのか。
―――コンピューターの中の仮想であっても、違う未来が見たかった。
研究者「でも…でも…」
―――怖くて…結局は早々に自爆プログラムのスイッチを…。
研究者「もういい」
―――注射器を手に取る。これを腕に注入すれば終わりだ。
研究者「…ふう、疲れたよ」
―――ピストンを押す瞬間、ふとモニターにはありえない数値が記録されていた。
研究者「考えてみればここにいきつくまでに69回の失敗をしたのか。
―――コンピューターの中の仮想であっても、違う未来が見たかった。
研究者「でも…でも…」
―――怖くて…結局は早々に自爆プログラムのスイッチを…。
研究者「もういい」
―――注射器を手に取る。これを腕に注入すれば終わりだ。
研究者「…ふう、疲れたよ」
―――ピストンを押す瞬間、ふとモニターにはありえない数値が記録されていた。
研究者「………ん?」
―――モニターには99,9%と表示されていた。
研究者「…完全に消去できなかった、のか?」
―――何のデータが残ったんだ?完全に消えるようしたはずだが。
研究者「視覚化できるように変換して…」
―――俺はデータの残滓に何を期待しているのだろう。
研究者「一体何のデータが…」
―――必要な処理をして残ったデータを画面に映し出す。
研究者「…なっ」
―――そこに映し出されたのは、噴水だった。
―――モニターには99,9%と表示されていた。
研究者「…完全に消去できなかった、のか?」
―――何のデータが残ったんだ?完全に消えるようしたはずだが。
研究者「視覚化できるように変換して…」
―――俺はデータの残滓に何を期待しているのだろう。
研究者「一体何のデータが…」
―――必要な処理をして残ったデータを画面に映し出す。
研究者「…なっ」
―――そこに映し出されたのは、噴水だった。
研究者「あの噴水だ…」
―――アイツと昔ずっといた場所。
研究者「なぜ…消えなかった…?」
―――このデータだけが…そんなことあるはずが。
カカカカ…カカカカカカカ…
研究者「ッ!?」
―――画面に勝手に文字が打ち込まれていく。
研究者「だ、誰が一体…」
―――そこに記されていたのは。
研究者「live…alive…?」
―――アイツと昔ずっといた場所。
研究者「なぜ…消えなかった…?」
―――このデータだけが…そんなことあるはずが。
カカカカ…カカカカカカカ…
研究者「ッ!?」
―――画面に勝手に文字が打ち込まれていく。
研究者「だ、誰が一体…」
―――そこに記されていたのは。
研究者「live…alive…?」
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