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    元スレ超王道ジャンル「君といた場所」

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    101 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:18:13.38 ID:nQV0aZwIP (+10,+20,+0)
    任せろ
    102 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:25:03.99 ID:Nq6IdIkUO (+3,+13,+0)
    ほす
    104 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:38:54.69 ID:RJz3nkLE0 (-2,+12,+0)
    105 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:39:09.28 ID:Nq6IdIkUO (-2,+7,+0)
    ほし
    106 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:43:41.07 ID:EMq/2AYC0 (+22,+29,+0)
    >>1の作品全部好き
    107 : 再開 - 2009/04/11(土) 19:50:20.97 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-81)
    -同日朝 学校-

    「ういっす」

    男友「よっす!」

    「もう病院はいいのか?」

    男友「まあ、何ともないしな。あれ、そういや女は…?」

    「一緒じゃねーよ」

    男友「ええッ!?珍しいな…ケンカしたのか?」

    「してねえって!うるせえなッ!」

    男友「あ、ああ…?すまん」
    109 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:52:24.56 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-102)
    「…あれ?カピバラは? 」

    男友「カピバラ…?」

    「いや、カピバラ教室に来てねーじゃん」

    男友「は?なんでカピバラが教室に来るんだよ」

    「あれ…そういや、俺は何でカピバラとか言い出したんだ?」

    男友「知るか。動物園にでも行けばいるんじゃねーか」

    「あ、ああ…変だな。なんでカピバラとか思いついたんだろ…」
    110 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:55:26.86 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-146)
    「まあカピバラはいいや。俺、日直だから出席確認しないと」

    男友「…お前、マジでどうしたんだ?」

    「どうしたって…だから出席確認を…」

    男友「くはははははッ!笑わせるなよ、なんで出席確認なんかする必要があるんだよ!」

    「なんでってそりゃいるだろうが…」

    男友「もうしてるじゃん」

    「…は?」

    男友「だってこのクラスは俺ら2人しかいねえだろ?」
    111 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:58:08.44 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-121)
    -同日昼 校舎内-

    「ハア…ハア…そっちはどうだ!?」

    男友「いや、ほとんどいない。いてもクラスに2、3人がせいぜいだ」

    「どう思う?」

    男友「信じられないが…信じられないという思いより違和感の方が強いな」

    「お前もそう思うか」

    男友「ああ、頭の中ではこれが当然なんだが、本能的にこの状態がおかしいといっている気がする」
    112 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:00:11.06 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-71)
    「それだよな。俺たちは頭の中ではこれが『いつもの状態』として受け止めている。
      だがどう考えてもこれだけ教室に机や椅子が余っていたり、駅前に人がいなかったりするのはおかしい」

    男友「うん…一体どういう…」

    「これ…『奇病』と何か関係あるんじゃないかな」
    113 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:02:57.52 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-106)
    男友「奇病って…突然涙が出て苦しくなるやつか」

    「俺も昨日の夜に襲われた。その時は例えようもない苦しさがあったんだが…なぜか思い出せない」

    男友「どう関係しているんだ…?」

    「分からん…ただ、無関係ではない気がする」

    男友「………」

    「何かが起こっているんだ。俺たちの知らないところで、とんでもないことが」
    115 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:05:06.20 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-68)
    -?-

    「……?」

    ―――またこの夢だ。

    「………」

    ―――ところ狭しと並ぶ機器、蠢くオーロラ。

    「…?」

    ―――研究者のような男はいない。

    「…!」

    ―――デスクの上に握り潰された1枚の写真が置かれていることに気づいた。
    117 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:07:33.90 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-63)
    「…?」

    ―――ぐしゃぐしゃになった1枚の写真には何が写っているのだろう。

    「………」

    ―――ゆっくりと近づいて目を凝らす。

    「………」

    ―――やがて焦点が定まり、被写体が網膜に映り始める。

    「…ッ!?」

    ―――そこに写っていたのは、噴水の前で屈託なく笑う俺と女だった。
    119 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:09:26.76 ID:Nq6IdIkUO (+19,+29,+0)
    さあそろそろか
    121 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:10:09.88 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-84)
    -同日夕方 校舎内-

    「…は!?」

    「ハア…ハア…あうう…」

    ―――俺、靴箱にもたれかかりながら夢を見ていたのか?

    「…ちっ」

    ―――汗でびっしょりだな。よほどの悪夢を見たんだろう。

    「一体何だって言うんだよ…」

    ―――もう、何が確かで何が不確かなのかさえ分からない。
    122 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:12:28.69 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-86)
    「後輩女はまだ来ないな」

    シーン…

    「静かだ」

    ―――まるで誰もいないように静まり返っている玄関ホール。

    「…まぶし」

    ―――ガラスの吹き抜けから燃え上がるように夕陽が差し込む。

    「…まるで」

    ―――本当に世界の終末のような気がしてきた。
    124 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:14:29.37 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-76)
    後輩「お待たせしました!遅れてゴメンナサイっ」

    「いや、俺もいま来たばっかりだ」

    ―――まあ嘘だけど。

    後輩「すぐに靴はきかえますねっ」 パタパタパタ…

    「俺もはきかえるわ」

    ―――大量の靴箱、なのに使われているのは全体の1割程度か。
    125 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:16:33.32 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-153)
    後輩「お、お待たせしました!」

    「お、じゃあ行くか」

    後輩「はいっ!」

    「そんなに急がなくていいからさ、ゆっくり行こうな」

    後輩「あ、はい…どもですっ///////」

    「うし、行くか…ん?」

    ―――上履き1足だけ…?

    「俺のクラスって俺1人だったんだ…」

    後輩「どうしたんですか?」

    「何でもない。行くか」
    127 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:18:08.04 ID:Nq6IdIkUO (+24,+29,+0)
    人が消えていってるってことか
    129 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:21:57.86 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-177)
    -駅前-

    後輩「――――。――――。」

    ―――後輩女の話に相槌を打つものの、まったく耳に入る気配はない。

    「………」

    ―――駅前の『小さな』交差点は黄色信号がずっと点滅している。

    「…?」

    ―――強烈な違和感。しかしその正体は分からない。

    後輩「ねえセンパイッ!!」

    「うおッ!?」

    後輩「さっきからずっと考え事してますけど…大丈夫ですか?」
    131 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:23:59.21 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-113)
    「あ、ああゴメン」

    後輩「も、もしかして私といるのそんなに…」

    「あ!そういや駅前に旨いクレープ屋があるんだよな!食う?」

    後輩「え、いいんですか!?」

    「時間ギリギリかな…なんだ!まだ学校出て6分くらいか。なら閉店に間に合うな」

    後輩「やったぁ♪」

    「うっし、行くか」
    133 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:26:01.19 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-69)
    「…あれ、おかしいな確かこの辺にクレープ屋あった気がしたんだけど」

    後輩「ないですね…」

    「気のせいか…?」

    ―――いや、間違いなくあったはずだが…。

    「ごめん、勘違いだったみたいだ」

    後輩「いえっ!気にしないでください!」
    135 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:28:06.34 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-123)
    「あ!じゃあさ、せめてこれあげる」

    後輩「…これは?」

    「クレープをかたどったストラップ。まあ、俺こんなの持ってても使わないしさ」

    後輩「い、いいんですか?」

    「ああ、本物には及ばないだろうけどさ」

    後輩「ありがとうございます!大切に使いますっ」

    「そんな大したものじゃないから…あはははは」
    136 : もうすぐ猿が来る - 2009/04/11(土) 20:30:19.13 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-138)
    「じゃ、ここからは別々の道だな」

    後輩「はい!えっと…その明日は…?」

    「俺、ちょっといろいろしたことがあるから…そうだな、昼に学校の裏山集合でいいか?」

    後輩「分かりました!お弁当作ってきますね」

    「お!ありがとっ!じゃあな」

    後輩「ではまた!」 タタタタタタタタッ

    「………」

    「いい娘、なんだよな…」
    137 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:30:36.23 ID:nQV0aZwIP (+10,+20,+0)
    任せろ
    145 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:32:22.51 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-133)
    「さて俺も帰る―――」

    「………」

    「…また君か」

    「…はい」

    「何となく、いま自分が置かれている状況の奇妙さに気づいた気がするよ」

    「『神』の存在に気づいたのですか」

    「いや君の言う『神』が何なのかは分からん。
      でもこれだけは言える。君の言う世界の崩壊って…
      もしかして俺がいま漠然と感じている違和感のことじゃないか?」

    「…たぶんそれで正解だと思います」
    146 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:34:47.88 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-84)
    「じゃあ教えてくれ。具体的に世界の崩壊とやらについて」

    「それは出来ません」

    「なぜだ?君は知っているんだろう?この表現しがたい違和感の正体について」

    「…ですが、アナタには教えられません」

    「なぜだ!?」

    「アナタが…『神』を救う唯一の希望だからです」
    147 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 20:36:54.64 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-117)
    「意味が分からない。『神』って何だ?『救い』って何だよ!?」

    「これは可能性なんです」

    「可能性…?」

    「アナタもアナタ以外の人も建築物も時の流れも起こる出来事も、
        そしてこの私でさえも全て1つの可能性のためだけに『神』が再生したのです」

    「…再生?」

    ―――不思議だ。まったく要領を得ないのに圧倒的なまでの説得力がある。
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