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    元スレ超王道ジャンル「君といた場所」

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    51 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 17:56:25.66 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-73)
    「…!

    ―――ふと気がつくと、隣に白衣を着た男が座っていた。

    「…?」

    ―――何かを握り締めて涙を流している。ここの研究者だろうか。

    「…?」

    ―――顔はよく見えない。だが嗚咽に混じって何かをしゃべっている。
    53 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 17:59:01.30 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-63)
    研究者『         』

    ―――なんだ?何を言っているのかよく分からない。

    研究者『        イ』

    ―――聴こえない、なんて言ってるんだ?

    研究者『       ナイ』

    ―――泣きながらその研究者は写真に向かって語りかけている。

    研究者『         マナイ』

    ―――それは、悲痛なまでに搾り出した懺悔の言葉だった。

    研究者『スマナイ…』
    54 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:00:40.91 ID:Nq6IdIkUO (+26,+29,-1)
    >>50
    彼なりの支援だと思ったらいいかと
    55 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:01:26.44 ID:q3/iQDlV0 (+93,+30,-109)
    -同日昼過ぎ 学校-

    担任「起きなさい男君ッ!」 スパーン

    「…痛えッ!」

    担任「授業中に寝すぎだ、バカたれ」

    「あ…すみません」

    担任「明日は男君が日直だ。しっかりやってくれよ?」 カツカツカツ…

    「…夢、か?」

    「何だろう、すごく…リアルな夢を見た気がする」
    57 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:03:31.91 ID:q3/iQDlV0 (+90,+30,-54)
    キーンコーンカーンコーン

    「ふいー、やっと授業終わった」

    「さて、と…後輩女と約束の時間か」

    「………」

    「なんで俺のことなんか好きになったんだろうな」
    59 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:05:47.55 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-111)
    後輩「…まだかな、センパイ」

    「ごめんごめん待った?」

    後輩「えッ!?あ、いえいえ!全然です」

    「色々とあってな…」

    後輩「あ、そうですよね、お忙しいところわざわざすみません…」

    「………」

    後輩「………」

    「手紙の返事のこと、だけどさ…」
    61 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:08:05.61 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-122)
    後輩「は、はい…」

    「えっと…そ、その…/////」

    後輩「…っ!」

    「こちらこそよろし―――」



    『この噴水前で出会って、幼馴染になって…今までずっと男と遊んできた思い出の場所―――』



    「あ…」

    ―――どうしていま、今朝の女との会話を思い出したんだろう。
    62 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:10:36.74 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-142)
    後輩「…?」

    「あ、いやゴメン!なんでもない」

    後輩「えっとそれじゃあ…」

    「こちらこそよろしくお願いします」

    後輩「えッ!?ホ、ホントですかッ!?」

    「あ、ああ…俺なんかでよければ…」

    後輩「あ、ありがとうございますッ!」

    「…ああ」

    ―――これで、良かったんだろうか。いや、良かったはずだよな?
    63 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:12:55.01 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-146)
    -同日夕方 駅前-

    「ごめん、今日はちょっと用事があるんだ」

    後輩「そうなんですか?」

    「ああ、友達が昼間、『奇病』を発症してな、いま病院にいるんだよ」

    後輩「そうなんですか…お大事にと伝えてください」

    「ああ、じゃあ俺こっちだから」

    後輩「あ、あの!明日は―――」

    「ああ、ここで待ってるから、学校一緒に行こうな」

    後輩「は、はいっ!」
    64 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:15:10.92 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-89)
    「じゃあなー!…ふう」

    「さて男友が搬送された病院は―――」

    「………」

    「君は…今朝の…」

    「…もう時間はありません」

    「時間って…何の…?」

    「…『それ』はあなたの意思なのですか?それとも『神』の意思なのですか?」
    66 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:19:04.86 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-155)
    「何の話だ?君が何を言っているのかまったく俺には…」

    「たとえどちらであってももはや世界の崩壊は免れられません…。
        ですが、もしかしたら救いはあるのかもしれない」

    「…救い?」

    「あなたが『神』にどのような救済をもたらすのだとしても…」

    「………」

    「その救済はあなたの『意思』であって欲しい」 クルッ タタタタタタッ

    「あ、おい!…い、一体何なんだよあの女の子は?」

    「救いって何だ?俺にそれを話して何の意味があるんだよ?」
    67 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:21:28.36 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-99)
    -同日夕方 駅前病院-

    「よっす!」

    男友「…男か」

    「少しは元気になったか?」

    男友「ああ、まだ精神的不安定だけど…だいぶ収まったよ」

    「…だいぶ軽いみたいだな、症状は」

    男友「…そう、なんだろうな」

    「…?」

    男友「なあ、お前は気づかないのか?何かがおかしいことに」
    68 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:23:37.56 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-106)
    「…何かがおかしい?」

    男友「今朝、俺は出席を取っている時に何かに気がついた…そんな気がするんだ。
       そしたら急に胸が苦しくなって涙が溢れた」

    「…どういうことだ?」

    男友「分からない。思い出せないんだ。今はもう…思い出せない。その気づいた『何か』が…」

    「………」

    男友「もしかしたら、だから今の俺は症状が軽いのかもな」
    69 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:25:46.20 ID:Nq6IdIkUO (-20,-10,+0)
    支援
    70 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:25:55.90 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-64)
    男友「それは例えようもない喪失感に近かった気がする…」

    「喪失感…?」

    男友「…ごめんな。こんな話ばっかで」

    「いや、いいんだ。ついでに1つ、俺からも聞いていいか?」

    男友「…なんだ?」

    「世界が崩壊する…って話、どう思う?」

    男友「…はあ?」
    71 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:26:18.11 ID:BuePRc3R0 (-5,+4,-1)
    しえ
    72 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:27:55.09 ID:GiTec5GTO (-8,+6,-2)
    支援するぜ?
    73 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:28:16.65 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-114)
    男友「―――なるほど、不思議な少女ね。まあ普通に考えたら、ただの変な人だけど…」

    「そう、なぜか無視できないリアリティがあるんだよ…」

    男友「その少女は『奇病』について何か知ってるのかもな」

    「…今度出会ったら、問い詰めてみる」

    男友「なんだろう…突如として変な世界に迷い込んでしまったような気分だ」

    「だな…」
    74 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:29:45.95 ID:2sgvTrjP0 (+31,+29,-4)
    携帯小説にも地の文はあるというのにお前らときたら・・・
    75 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:31:05.17 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-64)
    -同日夜 自宅-

    「ただいまー」

    シーン

    「…そうだ、一人暮らしなのに返事があるわけないじゃん」

    「ふう…何だか今日1日めちゃくちゃ疲れたな」

    「…なんだろう、今朝からずっと何かが引っかかってる気がする」

    「なんだ?すごく全てが薄まったような寂しい気分だ」
    76 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:34:09.33 ID:q3/iQDlV0 (+90,+30,-81)
    ピリリリリリリリリッ! ピリリリリリリリリッ!

    「…もしもし?」

    『私、だけど…』

    「ああ、女か。どうしたんだこんな夜に」

    『ちゃんとOKしたの?』

    「OK…ああ、後輩女とのやつか」

    『そ。で、どうなの?』
    77 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:36:32.78 ID:Nq6IdIkUO (+36,+29,-4)
    >>74
    この>>1はわざと地の文を使わないって前に言ってた気が
    78 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:37:09.40 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-55)
    「あ、ああ…え、えっと…」

    ―――何をためらっているのだろうか。

    『OK…したよね?』

    「…した」

    『へえ、やっぱりしたんだ…そっかそっか』

    「お前はその確認のために電話してきたのか?」

    ―――俺、分かってて聞いてるよな?
    79 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:37:12.90 ID:2sgvTrjP0 (+27,+29,+0)
    >>77
    すまん
    吊ってくる
    81 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:39:17.22 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-69)
    『そ、そりゃそーでしょ!後輩女ちゃんが心配だし』

    ―――うそだな。

    「そんなに俺は悪者かよッ!」

    『と、当然でしょ!アンタかわいい娘に何するか分かんないしっ』

    「ったく…」

    『へへ…』

    「………」

    『………』
    82 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:42:19.03 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-118)
    『ねえ、明後日どうする?』

    「ん?明後日?」

    『ほら、4月2日は…』

    「ああ、お前の誕生日か」

    『私の誕生日には必ず駅前公園の噴水の前でお花見してきたじゃん』

    「そういや…なんか恒例行事過ぎて意識してなかったわ」

    『それで駅前の美味しいクレープおごってくれたよね!?』

    「完熟イチゴとカスタードのクレープだっけ?」

    『そうそう!苺、大好きだから…行く?あ、でも今は彼女いるもんね…』

    「あ、ああ…うん」
    83 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:45:49.63 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-87)
    『やっぱいいや。後輩女ちゃん大切にしてあげて』

    「ああ、分かった」

    ―――分かっていない。絶対に分かってなんかいない。

    『ごめんね、夜遅くに。おやすみ』

    「ああ、おやすみ」

    『クスッ…ばーか、元気出しなさいよ。じゃ』

    プチッ ツーツーツー

    「…元気、出してるつもりなんだぜ?」
    85 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:48:02.20 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-81)
    「………」

    「これでよかったのかな」

    「いや、俺は間違ったことはしてない、してないはずだ」

    「後輩女が俺の彼女なんだ、大切にしてやらないと」

    「………」

    「そうだよ、今は女より後輩女だろ…」

    「そうだよ、な?」
    86 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:50:11.71 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-67)
    「何だか今日は色んなことが起こりすぎた1日だったな…」

    「あの少女は一体誰なんだろう。知り合いかな?」

    「俺の知り合いにはいないから…あ、もしかして妹の知り合いかな?」

    …ドクンッ!!

    「…あれ?妹…?」

    ―――イ…モウト…ハ…ドコ…ダ……?
    87 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:53:46.97 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-89)
    ガタッ ガシャーーーーン

    「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!」

    ―――胸が苦しいッ!!息が詰まるッ!!

    「がはッあぐあッ…!?」

    ―――頬が熱い。そして…涙が溢れるのが分かる。

    「はッ…はッ…!!」

    ―――落ち着け。落ち着け。落ち着け。落ち着けッ!!

    「―――――ッ」

    ―――――
    ―――
    88 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:57:10.59 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-63)
    -4月1日朝 自宅-

    「…ん?」

    ―――あれ…?朝、なのか…?

    「え…う…寒っ…」

    ―――俺、床に倒れて寝ていたのか?

    「…な、なんで…うぐっ!?」 ズキッ

    ―――頭が割れるように痛い。

    「一体…何をしていたんだろう…」
    89 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:57:47.18 ID:Nq6IdIkUO (-20,-10,+0)
    支援
    90 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 18:59:09.80 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-48)
    「学校…行かないとな」

    ――飯を食って…いや、その前に歯磨きか。

    「………」

    「いや、今日はいいや」

    ―――なぜか洗面所への扉を開ける気がしない。

    「とりあえず行くか…」

    ―――洗面所への扉をもう開けてはいけないような気がした。
    91 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:01:46.48 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-66)
    -駅前-

    「…人少ないな」

    ―――こんなに人通りが少ないのに、なんでスクランブル交差点なんか作ったんだ?

    「役所の仕事には無駄が多いってのはホントだな」

    「…ふう」

    ―――なぜだか分からないが疲れている。

    「ストレス、かな?」

    ―――たぶん疲れているのは心の方なんだと思う。
    92 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:04:11.40 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-119)
    後輩「…あ、あの!」

    「うおいッ!?び、びっくりした…」

    後輩「あ、すみません…!」

    「いや、俺が悪い。ちょっと考え事をしていた」

    後輩「そ、そですか…え、えっと…その//////」

    「…おはよう」

    後輩「お、オハヨウゴザイマス…///////」
    93 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:06:00.48 ID:Nq6IdIkUO (+11,+21,-1)
    紫煙
    94 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:06:26.55 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-121)
    後輩「ね、ねえセンパイッ!」

    「ん?なんだ?」

    後輩「明日駅前公園でお花見しませんか?」

    「え、駅前公園…?」

    後輩「そですッ♪噴水のところとかキレイですよ、きっと!」

    「噴水…」

    『私の誕生日には必ず駅前公園の噴水の前でお花見してきたじゃん』
    95 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:08:39.33 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-130)
    ―――また女を思い出した。

    「い、いや…えっと…」

    後輩「だ、ダメ…ですか?」

    ―――何を考えているんだろ…俺は。

    「お花見だったら学校の裏山はどうだ?めちゃくちゃキレイだぞ?しかも二人っきりだし」

    後輩「ふえッ!?ふ、ふたっ…!?」

    「ど、どうかな…?」

    後輩「あ、え…わ、分かりましたッ!」

    ―――俺って最低だよな?
    96 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:10:47.34 ID:q3/iQDlV0 (+90,+30,-106)
    「じゃ、俺はこっちの校舎だから」

    後輩「は、はい!じゃあまた…」

    「放課後、かな?」

    後輩「はいっ!!」 タタタタタッ…

    「………」

    「ふう…ん?」

    「………」

    「また、お前か」
    97 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:12:40.76 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-78)
    「今度は何の用だ?また宗教勧誘か?」

    「たとえ、世界の全てが宇宙の塵よりも小さく霧散してしまうと分かっていても…」

    「………」

    「私は『神』の苦しみを知っているから…救ってあげたい」

    「だから一体何の話だと言うんだ!?」
    98 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:14:48.66 ID:q3/iQDlV0 (+95,+30,-73)
    「あなたなら…出来ると思います」

    「だから説明をしろと―――」

    「父を…きっと父を救ってくださいね」 クルッ タタタタタタタッ

    「あ、おい!」

    「………」

    「…父?あの少女のお父さんがどうしたって言うんだよ」

    「…一体何だと言うんだ?」
    99 : 1 - 2009/04/11(土) 19:16:56.24 ID:q3/iQDlV0 (+89,+29,-46)
    いったん所用で小休止します
    誰か戻るまで保守してくれると助かります
    まだしばらく続くのでめちゃイケでも見ながら支援いただけると幸いです
    たぶんこのペースだとめちゃイケの方が先に終わるけれど
    100 : 以下、名無しにか - 2009/04/11(土) 19:17:43.44 ID:BuePRc3R0 (-4,+5,-1)
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