女「植え替えた草木が再び根詰まるまで、また記憶に残る物が何もない月日を過ごしてしまった……」

女「あれ、これ、なんの種だっけ……？　記憶にない……」

女「なんだか花が減って野菜が増えてきたなあ……しかもまともに育ってない……」

女「……」

男「なに花壇の前で座り込んでんだ？」

女「あ、男くん…見てこれ」

男「んー？スズランか？」

女「スズラン…だよねぇ。でもこのプラカードを見て」

男「…パンジー？」

女「いったい成長の中でどんなイリュージョンが……園芸って奥が深い」

男「いや、単純に種を間違えたんだろ」

女「花盗人も立派なドロボウです……………………クソッ、クソッ！」

「庭が異次元」かと思った

女「スーパーで葱を買うとき、まず植えて育ちそうな根っこかどうか確認する癖がつきました……」

>>56
あれは園芸というより造園だろ

女「土手に勝手に植えた草が開花直前に雑草と一緒にまとめて刈られた……なんか悔しい……」

女「しかし牛乳よりよく効くアブラムシ駆除剤ってほんとにないな……牛乳も最近高いのに……」

女「不思議だよねぇ」

男「なにが？」

女「道端の花って、なんであんなに育つんだろ」

男「……また枯らしたのか？」

女「うえぇ…」

女「さーて、ホームセンターに落ちてる花月の葉っぱでも拾って挿してみるかあ……」

女「道端のコケはきれいに見えるのに湿りすぎた鉢に生えたコケはなぜこうウザいのか……？」

女「ベランダってけっこう過酷な環境なんだ……移植した雑草すらよく枯れるよく枯れる……」

女「真夏に道路を整備するのは勝手だけど何で同じ酷暑の時季に植え込みも整備するんだか……」

女「自作するより買った方がなんだかんだで安いんだよね、野菜って……」

女「実がつかない……種が採れない……」

女「天気もいいし、川に砂利と鉢石と土でも取りに行こうかなあ……」

女「よそさまの家先で半ばほったらかしにされてるプランターを見てるとどうにも手がうずく……」

女「どれもこれも孔雀サボテンの肥料やってるけどまあいいか……ちゃんと育ってるし……」

女「室外機の管から出る水を如雨露に蓄えるのはベランダ園芸のお約束……」

女「鉢が足りない……しかし置く場所も足りない……」

女「塀の上の鉢、ゆうべの風でやっぱり落ちて割れたか……」

女「花より野菜のほうが多くなるにつれて、己の年と喪の深さを痛感する……」

女「今年も孔雀サボテンが咲かなかったか……」

女「植える場所のない球根ほど勝手に芽を出して白い芽をどこまでも無気味に伸ばす……」

女「天気もいいし、山に腐葉土でも取りに行こうかなあ……」

女「あ……植え込みがヤスデの溜まり場になってる……」

女「そうだ、この芋虫の糞を肥料にすれば……………………ふう、もうぜんぶ捕れたかなあ……？」

女「ポリポットで買った苗をいくら育てても種をつけられないのは育て方の問題か業者の陰謀か……」

女「なぜうちの土は撫子だけが育たない……？」

女「万が一を期待して放っておいてみたけど、やっぱり雑草並の花しかつけなかったか……」

女「庭の野菜は今が食べ頃なのに、冷蔵庫には超安く買えた野菜がゴロゴロと……」

女「何も植わっていない鉢を見ていると得体の知れない焦燥感に駆られる……何か植えよかな……」

女「あ、やべっ、洗剤かかった……」

女「前に豆を植えた土の鉢はどれだっけ……わからんよなった……」

女「どれを残しどれを捨てて引っ越すか……適当に植えてただけなのに結構つらいねこれは……」

女「次にぜんぶ収穫したらこの鉢の土、いっぺん外に出して陽に当てるか……」

女「なぜ去年蒔いた種がいまさら芽を出す……もう別のを植えてるのに……」

女「何年も前に勝手に道端に植えたやつ、今も健在なのはもうここだけになったか……」

女「水やりは……まあ冬だし雨だけでいいか……」

～学校・裏庭～

女「……」

女「……今日もいい天気だね」

日差し降り、緑の芽ふわり風に揺れる。

まだ生きているうえにID:/JN7KJh/0が面白路線
ID:9wdLaIfTOがほのぼの路線担当で完璧なスレになってるとかどういうことなの……

男「～♪　～♪」
男友「うぃっす！　……て、お前はまたタバコなんぞ吸い折ってからに、いつから不良になった？」
男「あん？　あー、いや何そうじゃねーけどよ」
男友「あんだよ？」
男「その、あれだよ。死んだ親父が、さ。好きだったんだ、この銘柄」
男友「あ……」
男「だから、命日の日だけに一箱買って吸ってんだよ」
男友「す、すまん。気づかなくて」
男「いやいや、気にすんな。タバコ吸ってるところを注意するのは立派だし、それに……」
男友「それに？」

女「お、おお男君！　男君がタバコ吸ってたから、ああああのこここれN. tabacumの葉っぱでこっちが種で……」
男「こいつよりかは幾分マシだ。どうすんだよこの大量の種と葉っぱ」
男友「刻んで乾燥させて紙巻いて吸うか、いっそのこと葉巻にするって手もあるぞ？」

女「支柱を買うか買わざるか…………まあいいか、どうせダイソーで百円だし……」

女「けっきょく現状のままでも何とかなるもんだねえ……買ってきた園芸資材、どうしよう……？」

女「～～♪」

男「ん～？どうした女？鉢ながめて」

女「うんうん。早く大きくなれよ～」

男「ほう。話しかけてるのか。なんか女ならアリだと思えるぜ」

女「ああ、男。」

男「よお。やっと気付いたか」

女「あのさ～、花、あるじゃん？」

男「うん。」

女「気持ち注いで育ててたら、いつか花の精とか出てこないかなあ？ティンキーベル？みたいなの」

男「さすがにそれはひくわ～」

女「このコスモス、下から枯れていくのが先か、その前に花が咲き逃げするか、さあ、どうなる……？」

俺も中学の時、園芸店で職場体験した時のことを頼りに及ばずながら支援させてもらいますか。けひひ

～学校・裏庭～

女「あ、猫」

女「迷い込んだのかな？　ほら、こっちおいでー」

女「――あ」

逃げた猫。逃走経路は花壇の上。

女「ふんふふ～ん♪」

　ポン！

女「？」

花の精「こんにちわ！私、この花の精です！あなたの気持ちが通じてこうやって姿をあらわｓ
女「わっ！変な虫出た！！」

　殺虫剤噴射

花の精「ぎゃああああああ！！！がごがげえごごああああごぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ、ぼ、ぼ・・・・」

女「ふう。危ないところだった・・・」