④

ｺｹｺｯｺｰﾝ

男「むゅ……朝か」
女「あ、起きた？」
男「………先輩？…早いですね」
女「…まぁね」
男「………もしかして、朝ごはん作っててくれたり」
女「どうして？」
男「しませんよねぇ…」
女「…した方がよかった？」
男「いえ。昨日の今日なのでちょっと期待してしまった愚かな俺なだけです」
女「…ふーん」
男「さて、と…朝ゴハンつくりますね」
女「うん」

男「じゃ、行ってきます」
女「うん。いってらっしゃい」
男「…くれぐれも、無茶なこととかしないでくださいね」
女「しないしないー。お箸より重いもの持たないからー」
男「それじゃ」
女「あ、忘れ物」
男「…え？なにも俺、忘れ…むっ」
女「ん………」
男「………ええと」
女「いってらっしゃいのちゅー？」
男「…俺、なにげに初めてだったんですけど」
女「そ。奇遇ね、私もよ」
男「ていうか…やっぱり昨日のって夢じゃなかったんですね…」
女「そうよ。パパ」
男「………」
女「…ニヤけすぎ。まぁ、ほら、夫婦の仲がいいと、子どもの情操教育にいいって聞くし」
男「ふ、夫婦…夫婦夫婦」
女「…いいの？時間、けっこう経ってるけど」
男「わっ！？」
女「はやく行きなさいよ」
男「そ、それじゃ、行ってきます…ママ。……パパ、行ってくるからなー」
女「……まだ寝てるのかも」
男「そうですか、残念…ヤバっ…今度こそ、ほんとうに行ってきますっ」
女「…いってらっしゃい」

女「………しちゃった…」

女「…てっへっへっへー」

女「………ふあぁぁぁ…眠い…昨日一睡もできなかったからなぁ…」

女「…あなたもお寝坊さんねぇ」

女「私もちょっと寝ようかなぁ…」

ヤバい俺もにやける

男「ええと」
女「だから、もう少し、近づきなさいと」
男「そ、そうは言いますが…」
女「男の人の声って低いから、そんなとこじゃ届かないんだって」
男「…これが俺の限界です」
女「…せめて、おなかから１０cm以内に来なさい」
男「いや、だって…肌、白いですし」
女「……なんの関係が」
男「ちょっと深呼吸して…」
女「ああっ！もうっ！このパパはっ！！」
男「せ、先輩っ！いや、これはマズイっ！なにがマズイってゼロ距離は…」
女「いいから、語りかけろーっ！」
男「ええと、きょ、今日会社でね、パパ、書類のページ打ち間違えちゃって、課長に怒られちゃったんだー」
女「何してるのキミはっ！」
男「す、すいませんっ」

ボテ腹に顔埋めるとか……
俺らには一生わからん感覚だろうなぁ……いいなぁ……支援

男「あの提案が」
女「なに？また？」
男「あ、はい…そのですね…我々の呼称についてなんですけど」
女「こしょう？」
男「早い話が、パパとかママとか言うの止めませんか？」
女「………やっぱり、イヤになった？」
男「そ、そうじゃない、そうじゃなくてですね」
女「…どうして？」
男「………えと、おなかの子って、男の子らしいじゃないですか？」
女「うん」
男「で、ですね…男の子がパパーとかママーとか言うのはちょっと軟弱なのではないかと」
女「………なにそれ」
男「いや、俺の気持ちの問題というか…できれば、お父さん、お母さん、もしくはとーちゃん、かーちゃんあたりに」
女「…はぁっ……さっきの私の気持ち、わかるかなぁ？」
男「あ…いや、すいません。…切り出し方が適切じゃありませんでした」
女「…うん。そうね。こっちは、ただでさえ不安定な妊婦なんだから、気、つかってよねー」
男「はい…」

女「………んじゃさ、こっちからも提案」
男「はい？」
女「…敬語、やめない？」
男「………」
女「…無理？」
男「いや、先輩がそれでいいって言うなら…」
女「………その“先輩”もやめて欲しいんだけどな」
男「はぁ………で、でもそれじゃ、なんて呼べば？！」
女「……お気に召すままに…呼び捨てでもなんでもいいよ？」
男「………ええと、その、あーあー………あの、お…お母さん」
女「…は？」
男「いやだから、お母さんと呼ぶことに」
女「………」
男「せんぱ…じゃなくて…お母さん？」
女「こ、このっ………マザコンっ！！」
男「なんで！？」

④

男「ただいまー」
女「おかえりなさい……ん」
男「んっ………ぷはっ…こうやって慣れていくのが怖いと思った」
女「何の話？」
男「キス」
女「あれ？もう慣れちゃった？…私はまだ、するたびにドキドキしてるけど」
男「いや、キス自体には慣れてないというか、俺だって、まだドキドキしてるというか…
　…ほら、こうやって、キスすることが当たり前になってるし」
女「だって、当たり前じゃない…私たち、お父さんとお母さんでしょ？」
男「まぁ……今日はどうだった？」
女「元気だねぇ…きっと、わんぱく小僧だよ」
男「いいですね。わんぱくでもいい、たくましく」
女「生まれてきたら大変だろうなー」
男「ま、大変なのも、きっと楽しいよ。俺たちの子どもだし」
女「……そだね」
男「……うん。さ、ゴハン作るかなー」
女「はやくはやくーおなかペコペコー」
男「自分で作ったらいいのに…昨日は作ってくれたじゃないか」
女「…たまに、やるからありがたみがあるんでしょー？」
男「………お父さん、くじけそう」
女「情けないこと、子どもに言わないのー」

支援

女「んー…今日も元気ねぇ」
男「今、動いてるのか？」
女「うん、さわってみて」
男「……………なんともないけど」
女「うん。キミがさわった途端、止まった」
男「…じつは、俺、嫌われてる？」
女「さぁ？…もしかしたら、耳、すませてるのかもよ？お父さんが話しかけてくれるんじゃないかって」
男「そ、そうかな？…ええと、じゃあ」
女「うん。存分に語りなさい」
男「あーあー…お父さんさー、今日また会社のコピー機、ぶっ壊しちゃってー」
女「何回コピー機壊せば気がすむのっ！？ていうか、どうやってコピー機、壊すのっ！？」
男「…ひどい言われようだ」

女「…むー」
男「お、風呂、あがったのか？」
女「うん…むー……」
男「どうした？むーむー言って」
女「いや、足の爪、伸びたんだけど…切りにくくて」
男「ああ…やってやるよ」
女「え？」
男「ほら、爪きり貸して」
女「いいよ…そんな」
男「いいから。変な姿勢でやったら、子ども窮屈になるだろ？」
女「あ……うん…はい」
男「よし。…右足から切るよ？」
女「…ん」
男「………きれいな足だな」
女「なっなにを…」
男「え？…あ、いや、今のは他意はない…よ？」
女「……足フェチ？」
男「そ、そんなことは」
女「…ふーん」
男「ふーんって、違うからっ！俺、そんな性癖ないからっ！！」

私怨

なんかいいんじゃね？

男「…どう？」
女「今は…たぶん寝てるのかな」
男「そうか………撫でていい？」
女「…いいけど」
男「………」
女「………」
男「………もうそろそろだっけ？」
女「…うん、予定日まであと３週間くらい？」
男「予定日って平日だよなぁ…会社休めるかな」
女「大丈夫、毎日、『お父さんの休みの日に生まれてきてね』ってお願いしてるから」
男「…それ、意味あるのか？」
女「うーん…たぶん。きっと？」
男「まぁ、せっかく事前の指導も受けたし…立ち会いたいな」
女「そだね」

足フェチくらい受け入れてくれそう、この女なら

男「…で、さ」
女「うん」
男「…生まれてきたら、どうなるんだ？」
女「………生まれたら、とりあえず、私の子どもってことになるから…
　そのあと役場で手続きして、兄さん夫婦の養子になる予定だった」
男「…特別養子縁組とかそういうの？」
女「うん、そう。…詳しいね」
男「まぁ…」
女「……普通、代理母はさ、他人だったりするから、『産んだら養子縁組させる』っていう契約書つくるんだけど
　私、一応家族だし、そういうの作ってないんだよね」
男「………」
女「…だから、養子縁組を拒否しようと思ったら、できるの」
男「…拒否する？」
女「…だって……だって、この子、私の子どもだもん」
男「………」
女「イヤだよ…渡したくない……だって、この子は私とキミの子どもでしょ？」
男「そう、だな……俺たちの子どもだ」
女「いいよね？…この子も、そっちの方がいいよね？」
男「…お母さんがそうしたいなら、俺は、それでいいよ」
女「…うん」

④

二人でまた作ればいいだろうが!!支援

>>173
いままで二人で見守ってきた子供がいいんだろ・・・

男「今日、何か予定は？」
女「何もー」
男「そうか、予定日が５日後か」
女「うん。できたら、今日か次のお休みに生まれてきて欲しいけどねぇ」
男「ま、そんなこと言ってられないだろ…用意はできてる？」
女「もちろん。ひっひっふー…完璧」
男「いや、母子手帳とか保険証とか」
女「あのカバンの中に。必要なものは全部」
男「よし。タクシーの連絡先は？」
女「いつでもかけられるように携帯に入れてる」
男「よし…あとは………」
女「んー…？」
男「どうした？」
女「……痛っ…たたた…」
男「じ、陣痛？」
女「あ…う、うん…いたたた…」
男「え、ええと…ひっひっふー？」
女「タクシー！タクシー呼んでっ！…っ！」
男「た、タクシー…ええと、ちょっと、外に出て拾ってくる」
女「携帯を使えーっ！！」

支援

やたらシリアスになってきた

④

女「………」
男「おつかれさま」
女「…うん」
男「思ってたとおり、元気な男の子だったなぁ」
女「うん、すごい声で泣いてた」
男「頑張ったな」
女「……うん。でもね、お父さんがとなりにいてくれたから、安心して頑張れたよ」
男「…そうか」
女「うん」
男「ちゃんと、休日に生まれてきたなぁ」
女「素直ないい子でしょ？」
男「うん。…でさ、いいのか？」
女「…いいよ」
男「………そうか」
女「お父さ……キミは？」
男「……お母さんがそう言うなら、俺も、いいよ」
女「…そっか」

原作としてもらっていきますね

精子は誰のものを使ってるの？

支援

その子にあるのは兄の遺伝子であって男の遺伝子はないのにって思うとなんか切ない

親戚一同から攻撃されるよなぁやっぱ……

しえん

女「…呼んだの、キミでしょ？」
男「まぁ…呼ばないわけにはいかないだろ？」
女「うん…」
男「…勝手にお兄さんたち呼んだの、まずかったか？」
女「ううん…どっちにしろ、自分で呼ぶつもりだったから」
男「そうか」
女「…泣いて喜んでた。義姉さん『ありがとうありがとう』って何度も」
男「うん。お兄さん、ずっと、赤ん坊の前にいたよ」
女「…ま、いっかって思えちゃうよね。だってさ、私、兄さんや義姉さんが
　どれだけ子ども欲しがってたかって知ってるし」
男「…うん」
女「ちょっと夢見れただけでもいいかな。私とキミの子ども…
　…実家に行けば、いくらでも会えるしね。甥っこだし」
男「………」
女「………で、でもっ…それでもさぁっ…私だけは、あの子のこと、自分の子どもだって、思うだけなら…いいよねっ？」
男「…ああ」
女「…っ…っ…あの子っ…私のっ…っく……私たちのっ………」
男「…ごめん、な」
女「～～～～っ！！！」
男「………」

>>183
兄と嫁にしてみれば信頼して妹の身体に赤ちゃんを預けたんだから、どうしたって悪いのは妹ってことになるんだよな･･･
親戚もそう思うだろうし。
俺たちにできるのは結末を見届けることだけか･･･

男っいますぐ仕込め!!（　ﾟ∀ﾟ)o彡゜子作り!!子作り!!
支援

保守 もっとサバサバした女の方が良いかも

女「ぐすっ…ごめんね…なんか私、不安定…」
男「いいよ」
女「…元々、こういう話だったし…あの子、兄さんと義姉さんの子どもだし…」
男「それでもさ、ずっと、俺たちの子どもだったろ？」
女「うん…」
男「…俺はさ、味方だから、養子縁組しないって言うなら賛成するよ？」
女「…いいの。もう、決めたから」
男「………お人好しだなぁ」
女「…それ、キミにだけは言われたくない」

そろそろ寝なきゃ・・・

7時半まで保守頼んだぜ！！

保守

女「たっだいまー」
男「ただいまっと」
女「なんか久しぶりな感じが」
男「実際、久しぶりだから」
女「…それもそうか」
男「さ、退院後一週間は安静にって言われてるんだから」
女「おなかすいたーゴハンー」
男「はいはい、すぐ作るから、寝てて」
女「はーい」

いや、マジ泣きそう・・・

女「ごちそうさま。やっぱり、キミの作るご飯が一番おいしいねぇ」
男「まぁ、病院の食事と比べれば」
女「褒めてるのに」
男「それはどうも」
女「む」
男「………連れて行っちゃったな」
女「…そだね」
男「……後悔してる？」
女「全っ然。あの子は元気な子だからねー。兄さんたちが、せいぜい夜泣きやらなんやらで苦しめられればいいと思う」
男「…そうか」
女「…うん」

保守

ｄｋｄｋ

女「…あのさ、ここまで来てて、しかもベッド占領してて、なんだけど」
男「何を今さら」
女「………ここにいていいの？…もう、私、子ども産んじゃったし、兄さんたちにあげちゃったよ？」
男「………」
女「…もう、ここにいる理由ないよね…『出て行け』って言わないの？」
男「…言いません」
女「………そう。じゃ、もうちょっと…もうちょっとだけ、ここにいるね…
　…ほら、だってさ、今まで３人だったのが…いきなり１人っていうの…ちょっとクるからさ」
男「…はい」

男「あ、あの、お母さっ…じゃなく…先ぱっ…でもなくて」
女「なに？」
男「て、提案があるんですけど」
女「…うん」
男「…ええと、子ども、つくりませんか？」
女「………」
男「………あれ？どうしました？」
女「…ちょっと、あきれて」
男「な、なんで？」
女「あー…ちなみに、産後６週間はできないから」
男「いや、そんな性急な話じゃなくて」
女「んー？ムラムラ来たとかそういう話じゃないの？」
男「ち、ちちちちっ違いますっ！！」