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    元スレ久「あんたが三年生で良かった」京太郎「……お別れだな」

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    601 :

    ハッピーエンドが良いよね

    602 :

    こんばんはー
    昨日はぐっすり寝たので今晩はやろうかと

    もう少ししたら始めます

    603 :

    お埋まってる

    604 :

    危うく寝るとこだった……

    んじゃ、始めます

    605 = 1 :




    『……金銭の問題でも、あなたにどうにかできることでもないんです』

    『病気の完治の芽があるとすれば、それは……心臓の移植しかないんですよ』


    京太郎「はは……本当に、俺にできることってないんだな」

    京太郎「カピの時で慣れたつもりだったんだけどな……」ドンッ


    「おい、兄ちゃん。ぶつかったっちゅーのに挨拶もなしか?」


    京太郎「ああ……悪いね」

    「誠意、足らんとちゃうか?」

    京太郎「なんだよ……金欲しいなら最初からそう言えよな」

    「なに言うとんのや。わいは金なんてせびらん。あくまで兄ちゃんから渡してくるんや」

    京太郎「……チッ、小悪党が」

    「あぁ? 今なんつった!?」

    606 = 1 :



    「そこまでにしとけよ」


    「邪魔すんなや! 今はこのボケと――」

    「いいから、黙って、引け」グイッ

    「――っ、あんたは」

    「上の方にもよろしく言っといてくれ」

    「……しゃあないわな。入院はごめんや」


    「おい、もう行ったぞ」

    京太郎「ああ……助かったよ」

    「えらく不景気なツラだな。パチスロでスったか?」

    京太郎「俺に構うのはよして……リュージ?」

    リュージ「なんだよ、気づいてなかったのか」


    607 = 1 :




    リュージ「コーヒーでいいか?」

    京太郎「できればスポドリがいい」

    リュージ「はっ、奢ってもらう上にリクエストってか」ガコン


    リュージ「ほらよ」

    京太郎「……ちゃんと聞き入れてくれるお前もたいがいだな」

    リュージ「そんな死人みたいなツラされたらな」

    京太郎「……」

    リュージ「……恋人に、なにかあったのか?」

    京太郎「もうダメだって言われたよ」

    リュージ「……無神経だったな」

    京太郎「いい。別に何かが変わるわけじゃない」

    リュージ「もう危ないのか?」

    京太郎「いいや、そうは言われてない」

    リュージ「なら、できることもあるだろうさ」

    京太郎「わかんねぇよ……どうすればいい?」

    リュージ「そんなの、俺にわかるわけないだろ」

    京太郎「……だよな」

    リュージ「噛み付く気力もなしか……仕方ねぇな」

    608 = 1 :



    リュージ「ほら」

    京太郎「あん?」

    リュージ「番号ぐらい交換しても、損はないだろ?」

    京太郎「ナンパかよ。気持ち悪いな」

    リュージ「言ってろ」


    リュージ「ったく……休みの日に辛気臭いツラ見せんなよな」

    京太郎「休み? そうだったっけ」

    リュージ「おいおい、そこまでかよ……お前もう帰って休んどけ」


    609 = 1 :




    京太郎「……できること、か」

    京太郎「こんなにも心が折れそうなのに、なにしろって言うんだよ……」


    ――ピンポーン


    京太郎(こんな時間に……)

    京太郎(面倒だし、居留守だな)

    京太郎(……今はまともに対応できなさそうだし)


    ――ガチャ


    京太郎「……あん?」

    610 :

    寝乙どすえ

    611 :

    お?寝落ちか?

    612 = 1 :

    寝落ちを繰り返す今日この頃

    もうちょっとしたら始めます

    614 :

    まだ寝てないのに……

    んじゃ、スタートします

    615 = 1 :



    京太郎(カギを開けられた?)

    京太郎(待て、合鍵を持ってる奴なんて――)


    竜華「あ、やっぱり居留守してた!」


    京太郎「お前、どうして」

    竜華「結構前に、怜から秘密の合鍵だって渡されて」

    京太郎「あいつ、人の家の鍵を勝手に」

    竜華「……それだけ、須賀くんのことが心配ってことやん」

    京太郎「……」

    竜華「ご飯食べた?」

    京太郎「食欲、わかなくてさ」

    竜華「じゃあ待っとって。材料買うてきたから、台所借りるな」


    616 = 1 :




    京太郎「ごちそうさま」

    竜華「完食やん。お腹すいとったんやね」

    京太郎「それか、コックの腕が良かったのかもな」

    竜華「おだてたってなにも出ぇへんからね?」

    京太郎「そりゃ残念」

    竜華「洗い物するから、テレビでも見ててなー」

    京太郎「……どうして、来たんだよ」

    竜華「須賀くん、まいっとるんやないかなって」

    京太郎「お前もそうだろ」

    竜華「うん、だから……どない辛いかわかる」

    京太郎「……」


    竜華「さ、湿っぽい話は終わり終わり。食器片付けたらお茶入れるから」

    京太郎「手伝うよ」

    竜華「ええから座ってて」

    京太郎「客に全部やらせるのはさすがにな。ま、今更だけど」

    竜華「ふふ、ホンマにな」


    617 = 1 :




    竜華「それじゃあ、うちそろそろ帰るな」

    京太郎「ありがとな」

    竜華「少しは元気出た?」

    京太郎「ああ、食べた飯の分は」

    竜華「それなら作った甲斐あるわぁ」

    京太郎「……」ガシッ

    竜華「……え? 須賀くん?」

    京太郎「悪い、もう少しいてくれないか? 今は一人になるのが、怖いんだ」

    竜華「……うん」


    618 = 1 :




    竜華(はっきり言うと、それは未練でした)

    竜華(もう大分前に終わったと思っていた初恋の火は、未だに燻っていて)

    竜華(それを自覚した頃には、もう手遅れで)


    竜華「今だけでええから、竜華って呼んで……?」

    京太郎「ああ……竜華」

    竜華「京くん……京くん京くんっ」


    竜華(うちと、須賀くんは……)


    619 = 1 :




    竜華「――」スゥスゥ


    京太郎「なにやってんだ、俺は……」


    京太郎(ずっと長い間ご無沙汰だったってのはある)

    京太郎(不安で不安で誰かに傍にいて欲しかったってのもそうだ)

    京太郎(だけど……こんなのあいつに対する裏切りじゃねぇかよ)


    竜華「ん、んん……あれ、知らん天井」

    京太郎「清水谷……」

    竜華「須賀くん……?」

    京太郎「昨日の夜は、すまなかった」

    竜華「ああ、そか……うち、須賀くんと」

    京太郎「俺は、自分の不安を紛らわすために、お前を……」

    竜華「……うん、せやったらお互い様」


    竜華「昨日の夜のことは、ただの夢……それでええやんな?」

    京太郎「……お前がそう言ってくれるなら」


    京太郎(……なんて言ったが、割り切ることはできそうにない)

    京太郎(あいつへの罪悪感が、突き刺さったままだからだ)


    620 = 1 :




    「むぅ、なんか今日は不景気顔」

    京太郎「世相ってのが顔に出ちゃうタイプなんだ」

    「なんやそれ新しい」

    京太郎「ここで名言……人の顔は世相を映す鏡である」

    「んー、自分で名言とかないわぁ。座布団没収」

    京太郎「くっ……どうせ椅子だから痛くも痒くもないけどなっ」

    「じゃあ椅子没収」

    京太郎「おいおい、お上の横暴にはさすがの農民も黙っちゃいないぜ?」

    「せやったらお城に招待やで」ポンポン

    京太郎「お邪魔しますよー」

    「農民ちょろっ」

    京太郎「農民たるものお上の暮らしに憧れ抱いてるんだよ」

    「しかしここでトラップカード発動!」

    京太郎「罠だったのかよっ」

    「毒を盛られて身動き取れへん農民は、あわれ城主の抱き枕に……!」

    京太郎「なんだ、そんな罠だったら――」


    『今だけでええから、竜華って呼んで……?』

    621 = 1 :



    京太郎「――っ」ビクッ

    「え……どないしたん? 手と手が触れても恥ずかしい年頃?」

    京太郎「悪い、実は下痢してて」

    「うーわー」

    京太郎「実はいつ切り出そうか迷ってたんだけど」

    「もうええから、はよトイレ行かんかい」

    京太郎「アイルビーバック!」


    「はぁ……まぁ、しゃあないわな」


    622 = 1 :




    「っちゅーことがさっきあって」

    竜華「あー……」

    「一瞬また顔出したら、すぐ帰ってもうたし」

    竜華「そればっかりは、須賀くんも仕事あるから」

    「いちゃいちゃできんかった分、竜華の膝枕で埋め合わせてや」

    竜華「はいはい、どうぞ」ポンポン

    「あー、これやこれ」


    「竜華が主治医やったら、きっと毎日が膝枕やな」

    竜華「それで良くなったら万々歳なんやけど」

    「これやったら京太郎もきっとイチコロやん」

    竜華「あはは……うち、一回振られてもうたし」

    「合い鍵、有効活用しとる?」

    竜華「正直あんま使っとらんなぁ」

    「ほほう、一度は使ったと?」

    竜華「……怜、須賀くんとうちはなんにも――」

    「あらへん、とは言わへんよね?」

    竜華「――っ」

    「……竜華、正直すぎとちゃう?」

    竜華「……ごめん」

    「まぁ、京太郎も不景気なツラしとったし……触ろうとしたら逃げたし」

    623 = 1 :



    「せやけど……よかったぁ」


    竜華「……え?」

    「これなら、うちがいなくなっても安心やなって」

    竜華「なんで、そない……」

    「みんなわかりやすすぎやねん。お母さんは妙に優しいし」

    竜華「ううん、まだ……まだわからへんからっ」

    「……ありがとう」

    竜華「お礼なんてええから!」

    「せやけど……うん、竜華なら京太郎のこと頼めるし、京太郎なら竜華のこと任せられる」

    竜華「なんでそない……諦めたようなこと、言うん……?」ポロポロ

    「……実を言うと、もう未来が視えへん」


    「せやから、お先真っ暗なんやなーって……あはは」


    624 :

    待ってました!!!

    625 :

    すやすや

    626 :

    眠いからね。
    仕方ないね

    627 :

    ご飯のあとにこんばんはー

    今日は夜勤があるので今のうちにちょっと進めとこうと思います

    628 = 1 :




    京太郎「はぁ……」

    リュージ「今日はため息か。最近はなにかと暗いな」

    京太郎「色々あるからな」

    リュージ「……やっぱり悪いのか?」

    京太郎「それはそうなんだけど……実は、浮気しちゃったんだよ」

    リュージ「お前……冗談か?」

    京太郎「それならため息も出てねぇよ……」

    リュージ「バカじゃねぇのか?」

    京太郎「いっそ死にたい……」

    リュージ「そう言うなって。同じバカ野郎がここにもいる」

    京太郎「お前も?」

    リュージ「まぁ、今はそんな相手いないけどな」

    京太郎「おい浮気野郎」

    リュージ「てめぇが言うな!」


    リュージ「……でも、あれだ。そのぐらいの間違い、みんなやらかしてるんだよ」

    京太郎「お前さ、もしかして元気づけようとしてくれてたりするのか?」

    リュージ「勝手に言ってろよ」


    629 = 1 :




    京太郎「みんなやらかしてる、か」


    京太郎(だからって、許されるわけじゃないよな……)

    京太郎(なら、やることは一つか)

    京太郎(間違えたなら、正さないとな)

    京太郎(……悪い、清水谷)コンコン


    『はーい、どうぞー』


    京太郎「おはよう、よく寝られたか?」

    「もうバッチリ」

    京太郎「そうか……話あるんだけど、いいか?」

    「なに? 竜華と浮気したって話?」

    京太郎「そうなんだ……って、知ってたのかよ!」

    「昨日本人から聞いて」

    京太郎「あ、ああ……先越されたな」

    630 = 1 :



    京太郎「ごめん……謝って済む問題じゃないけど」

    「まぁ、別にええんやない?」

    京太郎「お前、軽すぎだろ……」

    「これが他の誰かなら許さへんけど」


    「それに……もう死ぬ人間が出しゃばっても、ろくなことあらへんよ」


    京太郎「……今なんつった?」

    「隠そうとせんでもええよ。もう知っとるから」

    京太郎「……気をつけてたんだけどな」

    「せやから、うちのことは気にせぇへんように。存分竜華といちゃいちゃしてやー」

    京太郎「……ダメだ」

    631 = 1 :



    京太郎「お前がそう言ってるのは、諦めてるからだろ」

    京太郎「怒って突き放されるならいい。浮気者って詰られるのも納得がいく」

    京太郎「でも、諦めたからって許されるのは、認められない」

    京太郎「お前の親友に手を出したクズだけど……お前のことが好きなんだよ」

    京太郎「だから、諦めを抜いたお前の本音が聞きたい」


    「……またきっついことを」

    京太郎「言いたくないか?」

    「別に、さっきのが本音やし」

    京太郎「そうか……わかった」


    632 = 1 :




    竜華「……これからどんな顔して合えばええんやろ」

    竜華「怜と……須賀くんにも」

    竜華「あ~! 全然仕事に手ぇつかんわぁ」


    京太郎「清水谷!」


    竜華「ひゃいっ」

    京太郎「俺は決めたぞ」

    竜華「な、なにを?」

    京太郎「あいつの病気を治す」

    竜華「……本気なん?」

    京太郎「当たり前だろ」

    竜華「どれだけ難しいか、わからへんわけやないよね?」

    京太郎「それでもだよ。だから、力貸してくれ」

    竜華「……須賀くんは、まだ諦めてないんやな」

    京太郎「もう鬱々してるのには飽きたしな」

    竜華「うん……わかった」


    633 = 1 :




    京太郎「まず第一に、あいつの病気を治すには移植しかないんだな?」

    竜華「この数年、色々と処置を施してみたんやけど、どれも決定打にはならずや」

    京太郎「たしか、手術も一回したよな」

    竜華「せやけどすぐ再発した」

    京太郎「……病気がわからないってわけでもないんだよな?」

    竜華「うん……うちも色々な論文読んで調べてみたけど……治療法に関してはまだわからへん事も多いみたいで」

    京太郎「今の投薬は効いてないんだったか」

    竜華「軽いのなら、それで良くなってくはずなんやけど……」

    京太郎「あいつのは特別重いやつだってか……」

    竜華「……うん」

    京太郎「……じゃあ、まずあれからいってみるか」

    竜華「どないするん?」

    京太郎「コネを使う」


    634 = 1 :




    透華『まったく……久しぶりに連絡してきたかと思えば』

    京太郎「なぁ、頼むよ。とりあえず一回診てくれるだけでいいからさ」

    透華『あなた、もう少し頼み方というものがあるのではなくて?』

    京太郎「悪い、ふざけてる時間も惜しいんだ」

    透華『ふぅ……わかりましたわ。最高のスタッフをそちらへ向かわせます』

    京太郎「サンキューな!」

    透華『お礼を言うぐらいなら、たまにはこちらへ帰ってきなさいな』


    635 = 1 :




    竜華「どうやった?」

    京太郎「最高のスタッフを送ってくれるってよ」

    竜華「あの龍門渕の……須賀くんて、もしかして人脈すごない?」

    京太郎「やばいやつなら知り合いにたくさんいるって言ったろ?」

    竜華「なんか、どうにかなりそうな気ぃしてきた」

    京太郎「その調子だ」


    竜華(せやけど、世界的にも有名な龍門渕でもダメやったら……)


    京太郎「そういえば、こっちに来るってことは病院の設備を使うってことだよな? 病院的にそれ大丈夫なのか?」

    竜華「うーん……ここも龍門渕グループの病院やから、多分」

    京太郎「マジか、初めて知ったぞおい」


    636 = 1 :




    「ほぉほぉ、あの龍門渕が」

    京太郎「最高のスタッフを連れてくるってよ」

    「ドクターK? それともX? もしくはBJか、意表をついてお家とか?」

    京太郎「どいつもこいつもフィクションじゃねぇか」

    「それぐらいのインパクトがあるとええなってことやん」

    京太郎「インパクトはないけど腕は最高峰だ」

    「せやろか?」

    京太郎「そうなんだよ」

    「遭難?」

    京太郎「病院で遭難ってありえないぐらい珍事だな」

    「ところで、あれってそうなん?」

    京太郎「だから遭難ネタはもういいっての」

    「や、あそこのヘリ。龍門渕っぽいマーク」

    京太郎「んー?」

    637 = 1 :



    『おーほっほっほ!』


    京太郎「……うわぁ」

    「どしたん?」

    京太郎「ちょっと幻聴」


    京太郎(まさか自ら乗り込んでくるってことはないよな?)


    「そういえば、この病院ってヘリポートあったん?」

    京太郎「……どうだったっけ?」


    638 = 1 :




    透華「着陸しますわよ!」

    ハギヨシ「お嬢様、この病院にはヘリポートがないようです」

    透華「んなっ、我がグループの経営する病院がなんたることですのっ!」

    ハギヨシ「直近の着陸可能ポイントへ向かいます」

    透華「ぐぬぬ……ヘリでインパクト満点な登場をするつもりが……!」



    「あ、なんか向こうに飛んでいった」

    京太郎「やっぱヘリポートなかったんだな」


    639 = 1 :




    透華「来ましたわ!」

    京太郎「なんでお前が来ちゃったんだよ……」

    透華「当然ですわ。話を受けた当人がいないのはおかしいでしょう?」

    京太郎「なんにしても、来てくれてありがとな」

    透華「……ふんっ」


    透華「それで、あなたが……清水谷竜華さんですわね?」

    竜華「はじめまして……怜をよろしくお願いします」ペコッ

    透華「ええ、もちろんですわ。しかし、これだけは言っておかなければなりません」

    竜華「……」

    透華「医者であるあなたならばわかっているとは思いますが……絶対に治るという保障はありませんわ」

    竜華「それでも……少しでも可能性があるのなら」

    透華「……結構」


    640 = 1 :




    京太郎「いやぁ、久しぶりに長野にいた時のこと思い出したよ」

    竜華「執事さんと話しとったけど、友達だったん?」

    京太郎「色々お世話になった人だよ」

    竜華「須賀くんがお世話に? なんか新鮮」

    京太郎「そうでもないよ。今だって色んな人の世話になってる」

    竜華「そうなん?」

    京太郎「飯作ってもらったりとかな」

    竜華「……」


    竜華(ただの夢……そう言ったのは自分自身)

    竜華(せやけど、あの夜のことを忘れることなんてできなくて……)

    竜華(うちの頭によぎったのは――)

    641 = 1 :



    京太郎「清水谷?」

    竜華「――な、なに?」

    京太郎「疲れてるのか?」

    竜華「あー……ちょい寝不足かも。色々調べ物してたし」

    京太郎「ありがとうな、あいつのために」

    竜華「ううん、うちも諦められへんし」


    竜華(その言葉にはどこか空虚な響きがあって)

    竜華(ホンマに諦めきれへんのは、なんなのか)


    『――彼の隣に、誰もいなくなれば』


    竜華(あの時よぎった言葉は、それをなによりも示していて)

    竜華(せやから……きっと、天罰が下ったんやと思います)


    642 = 1 :




    「そかー……ダメやったかぁ」

    竜華「ごめん……変に期待させて」

    「まぁ、だれもうちの病気にはかなわんっちゅー話やな。マジ強」

    竜華「ごめん、ごめん……」

    「せやからもうええっちゅーねん」

    竜華「だって、うち……」

    「……竜華が泣いとるの、見る方が辛いわ」

    竜華「ま、待っとって……今泣き止むから」ゴシゴシ


    竜華「……うぅ」グスッ


    竜華「ごめん、無理ぃ……」

    「しゃあないなぁ……ほら、うちのふとももで思う存分泣くとええで」ポンポn

    竜華「怜がおかしくなったぁ!」

    「なんでやねん」


    643 = 1 :




    京太郎「……うまくいかないもんだな」

    竜華「……うん」

    京太郎「龍門渕でも、もう移植しかないって?」

    竜華「それが見つかるか見つからへんかは……」

    京太郎「運次第、か」

    竜華「うちのせいやろか」

    京太郎「だれのせいでもない。でも、もしあいつが運悪くこの病気にかかったなら……」


    京太郎(それは、俺のせいなのかもしれない)


    京太郎「でもまだだ。まだ見つからないって決まったわけじゃない」

    竜華「うん……」


    644 = 1 :




    京太郎(だけど、見つからないまま時は過ぎ)

    京太郎(決定的な一言が告げられた)



    「もって、あと半年でしょう」

    京太郎「……冗談じゃない、ですよね」

    「……残念ながら」

    京太郎「そう、ですか……」



    京太郎(清水谷も、怜の両親も泣いていた)

    京太郎(それでも俺は泣けなかった)

    京太郎(泣いてしまったら、その事実を容認してしまうような気がして)

    京太郎(無性に怜に会いたくなった)

    京太郎(まだそこにいることを、抱きしめて確認したかった)


    645 = 1 :

    というわけで、中途半端だけど仕事に行ってきます

    前回よりは短いとか言ったけど、あれは嘘です
    最長記録更新します

    それじゃ

    646 :

    >>645
    乙です!!

    648 :

    乙!これからどうなる?

    649 :

    こんばんはー

    今日で終わるかどうか……

    もうちょっとしたら始めます

    650 :

    夜勤明けなのにお疲れ様です


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