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    元スレ武内P「あだ名を考えてきました」

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    451 :

    丁寧に地雷を踏んでいくスタイル

    452 :

    いつもオチ要員にされることに対して不満が爆発してガチ泣きするしぶりんと、それを見てめっちゃオロオロする武内Pとその他アイドルを見てみたい

    453 :

    デレの最古のユニットはNZじゃなくNWなんだっけ
    何時も地雷踏むなこのPは

    454 = 448 :


    地雷を爆発させまくってるのに未だ無事でいられるというのはある意味すごい

    455 :

    そりゃあオマエPだからだよ

    456 :

    現状、地雷の確実な撤去方法って爆発されることらしいからね
    仕方ないね

    457 = 451 :

    武内Pが鈍感なのはよくあることだが、逆にアイドルの嗜好、感情の機微を完璧に把握しつつ
    先回り的にアイドルの機嫌を取りまくってたら、どうなるんだろう
    ……今の比でないくらい疲れそうだ

    458 :

    >>457
    未来視かな?馬の尻尾が生えてそう。
    馬といえばウマ娘もライヴやってるなそういえば

    460 :

    「当然でしょう。アイドルを導くことがPの務めです。」

    461 :

    そういや某所で遂にPならぬ武内Tが実装されたんだっけか

    463 :

    ☆4アーチャー兼ティーチャーの事か?

    464 :

    でもちひろさんは精神的な支え=金だから、潤沢に支えあるよね

    465 = 449 :

    まゆP以外のPとの飲み会とか読んで見たいな。
    たとえば、149プロの149P(米内p)が念願叶って大人なアイドルと縁が出来たと思ったら野獣のような目で見られてどうしようとか、そのせいで所属アイドルに冷ややかな目で見られて困ってるとか、お互い愚痴りあいとか

    468 = 448 :

    ユニットじゃなくソロなんですがそれは

    469 :

    神崎さんも1人でローゼンなんちゃらってのやってたしええやろ

    470 = 458 :

    武内PとまゆPと千枝Pは同期だったはず

    471 :

    イケメン高身長男性ボーカルダンスアイドルユニット

    472 = 448 :

    超絶トゥェクニックが発揮されるのか

    473 = 453 :

    NWはNGより前に事務所にいそう、あれが最古のユニットなんだよな知られてないけど
    1人ユニットって凄くない

    474 = 450 :


    「……プラヂューセル?」


     彼女にそう呼ばれたのは、いつ以来だろうか。
     すぐに呼び方は変わってしまったので、回数は数える程しかない。
     だが、彼女が初めて私をそう呼んだ時の事は、ハッキリと覚えている。


     街を歩く、彼女の後ろ姿。
     雪でも降ろうかという寒さの中、彼女を見つけた。
     その寒さを凝縮したかのような、白い雪の妖精。
     思わず声をかけ、振り返った時のあの無垢な表情は、とても、美しかった。


    「――大丈夫ですか!?」


     透き通るような肌は、白を通り越し……蒼白となっている。
     黒い革のソファーに横になりながら、苦しげに呻くその様子は、
    彼女に、異常が起きていると察するには十分だった。


    「一体、何が……!?」


     慌てて駆け寄り、床に膝をついて極力視線を合わせる。
     間近で見てわかったが、彼女は、脂汗をかいていた。
     いつも微笑みを絶やさない彼女が、眉間に皺を寄せ……苦しんでいる。
     呼吸も不規則で、安定とは程遠い。


    「っ、これは……」


     ソファーの前にある、テーブルに目を向ける。
     その上には、普段は見かけない、黒い粒が無数に置かれていた。
     その正体を見極めんと、一粒手に取り、確認する。


    「……朝顔の種?」


     小学生の頃、観察日記をつけるために朝顔を育てた経験があるという人は多いだろう。
     私もその一人であり、種をつけるまで育てきった時は、非常に大きな達成感を得たものだ。


     思えば、私は、昔から何かが成長していくのを見守るのが、好きだったのかも知れない
     三つ子の魂百まで、という言葉があるが……ああ、昔から変わらない、
    変わらなかった結果、シンデレラプロジェクトという、素晴らしいアイドルと出会えたのか。


     この気持ちは……決して、忘れずにいよう。


    「……一つだけ確認させてください」


     私の言葉を聞いて、彼女は弱々しくも、こちらに目を向けた。
     だが、目を開けているのも辛いのか、
    彼女の青く美しい瞳をいつものように見ることは叶わない。
     しかし、それでも、確認しなければならない。


    「種を……飲んだのですか?」


     彼女は、小さくコクリと頷いた。


     朝顔の種には――毒がある。
     主な症状は、嘔吐、血圧低下……そして、非常に激しい腹痛と、下痢。

    475 :

    朝顔の種は下剤になる

    乱太郎のコミックスで知った無駄知識だった

    476 :


    「……うっ、ぐうっ……!?」


     長い睫毛が、瞬きに合わせて揺れる……揺れる。
     人は、こんなにも短い時間で瞬きを繰り返せるものなのかと、感心しそうになる。


    「……い、あ……!?」


     彼女の容姿は、シンデレラプロジェクトでも……いや、
    346プロダクション内でも、トップクラスと言って差し支えないだろう。
     透き通るような白い肌に、雪の結晶を織った様な白銀の髪は、
    彼女特有の、他のアイドルには無い強力な個性だ。


    「ほぉあ……あ!?」


     そして、目。
     青く、透き通る湖面の様なその瞳は、無垢、純真など、様々な形容が出来る。
     それに共通するのは、どれもが褒め称える言葉だと言う事。
     だが、


    「……アー……アアーッ……!?」


     白目。
     普段の彼女が見せない表情が、そこに在る。


    「しっかり……しっかりしてください!」


     白目をむきながら、激しく瞬きを繰り返し、


    「アッ……アッ……!?」


     鼻の穴を限界まで膨らませ、


    「――パジャールスタ! パジャールスタ!」


     日本語すらも忘れたその先にある――


    「パジャール――……あ」


     ――絶望の、表情が。



    「……ニェート」



     咄嗟に顔を背けようとしたが、視界の端に捉えてしまった。
     目まぐるしく移り変わっていく、彼女の表情を。
     悲しみ、怒り……どれも、私が初めて目にする、ネガティブな感情だ。


    「……」


     抑圧からの開放は、彼女に一体何をもたらしているのだろうか。
     断続的に響く、ボビュリという射出音を聞きながら、そんな事を考えていた。

    477 :

    空の上から愛の種を撒き散らしてしまったか……

    478 = 476 :


    「……」


     顔を横に向けているという事は、即ち、耳が彼女の方を向いているという事。
     悲しいかな、私は職業柄、聴力にはそこそこの自信がある。
     ミドファ、ドレドファ、ソ……やめよう、なんの解決にもならない。
     これは、彼女が望んだLIVEでは無いのだろうから。


    「ヤ ニ スピツィアリナ……ヤ ニ スピツィアリナ……」


     メロディーに、歌詞がついた。
     不協和音に乗ったその言葉は、とても切なげで、儚い。
     正確な意味はわからないが、きっと、彼女はこう言っている。


     わざとじゃないんです。


     ……と。


    「プラヂューセル……プラヂューセル……」


     メロディーが、止まった。
     しかし、彼女の言葉は止まらない。


    「プラシュー プラシュチェーニヤ……プラシュー プラシュチェーニヤ……」


     顔を背けているため、彼女からも私の表情が確認出来ない。
     恐らく、それが彼女の不安を煽っているのだろう。
     彼女が謝罪し、心から私に詫びているのが、伝わってくる。
     不安、そして、悪臭が届いてくる。


    「……」


     スーツの上着の裾を躊躇いがちに引かれている。
     握られたそれは強く、まるで、見捨てられるのを恐れるかのように、震えている。
     血圧の低下により生じている可能性もある。


     早く、振り向かなければいけない。
     それなのに、私の体は、氷漬けにされたように動かない。
     かけなければならない言葉も、閉ざされた口からは出られない。


     誰でも良い……私に、勇気をください。
     大惨事に目を向ける――



    「……プロデューサー」



     ――勇気を!


    「――っ!」


     彼女が、私を呼ぶ言葉。
     それが引き金となり、分厚い氷が一瞬で砕け散るかの様に、体が動いた。


    「……吐きそう、です」


     再び、私の体は凍りついた。

    479 = 476 :


    「……ウッ、オッ……!」


     一瞬で、我に返る。
     シベリアの寒さが、飛びそうになる私の意識を覚醒させてくれた。
     可能な限り、彼女の首から下に目を向けないようにしながら、表情を確認する。
     それによって、すぐさまこの後の対応を考えなくてはならない。


    「……っ」


     頬が、膨らんでいる。
     彼女のスッキリとした輪郭は、見る影もない。
     手の平と、強靭な意思の力でダムの決壊を防いでいるだけという、危機的状況。
     その危機が、夜空に輝く星のように、無数の光となって私の思考に降り注ぐ。


    「っ……っ……!」


     そうか……彼女は、ヒマワリの種を求めていたのか。
     ハムスターのように膨らんでいる彼女の頬を見て、そう、思いました。


     ヒマワリの種には、リラックス効果や、集中力を高める成分が含まれている。
     栄養価が高く、アンチエイジング効果もあると言われる程だ。
     アメリカの、メジャーリーグの選手が試合中に食べているのも、ヒマワリの種だ。
     恐らく、彼女はどこかでそれを知り、試してみようとしたのだろう。


    「~~~っ!?」


     だが、悲しいかな……彼女は、運命の悪戯か、はたまた、うろ覚えの代償か。
     ヒマワリの種ではなく、朝顔の種を摂取してしまったのだろう。


     どちらも、美しい花を咲かせるのに。
     どうして、その種の影響はこんなにも違いがあるのか。


     美しい花に罪は無いならば、罪ある種子は、咲かせなければならない。
     咲けば消える罪ならば、私は、その手伝いをしよう。



    「……どうぞ」



     現実から――彼女から目を背け、言う。
     直後、獣が唸るような声が響き、滝が生まれた。
     ゴパリ、と表現出来る決壊音が、耳にこびりついて離れてくれない。


    「オォ……オオオオッ!」


     雄々しい、戦士の鬨の声。
     その勢いは全てを飲み込むかのように、私の足元にも侵攻してくる。
     苛烈なそれは、私のスラックスにもその刃を届かせ、熱を帯びさせる。


    「……」


     混ざり合う二つの異臭が、容赦なく私の鼻孔を通り抜けていく。


     ……嗚呼、帰りたい。

    480 :

    くそ 最近、この手ので書いてなかったから油断してた

    481 = 476 :


    「……」


     彼女に、無言で目を向ける。
     涙の痕は、まだ、彼女の目元と頬にハッキリと残っている。
     口元にいつもより光沢があるのは……いや、よそう。


    「……」


     横たわる彼女の背中を撫でる。
     一度出してしまったのなら、未消化の種もまとめて出してしまった方が良い。
     汗で衣服がジットリと張り付いた彼女の背中を撫でる。


     パブュッ!


    「っ!」


     予想していた方とは、別の砲台からの発射。
     私は、思わず体を硬直させ、動きを止めた。


    「エタ ボリシェ ニ パフタリツァ」


     それに対し、彼女が放った言葉の意味はわからない。
     正確に言えば、あまりにも早口でまるで聞き取れなかった。
     だが、彼女の目を見れば、わかる。


     もう二度としません。


     ……と。


    「いえ……もう、出し切ってしまっても、問題ないかと」


     バッ、ビュブ、ブッ!


    「……」


     などと、言わなければ良かった……とは、思わなかった。
     彼女の頬の緩み具合から察するに、私に遠慮をして、我慢をしていたのだろう。
     それも……相当に辛い思いをしながら。


     健気な担当アイドルを悪しざまに思うプロデューサーは――存在しない。


    「楽に、なりましたか?」


     臭い、何故、勘弁してください。
     その他、全ての彼女に対する、そして、この状況に対する悪感情を捨て去る。
     大切なのは、今。
     そして、彼女なのだから。


    「ニェート……アー……ウッ、オ」


     ……だから、目を閉じよう。
     向けられた銃口から、もう、逃げられそうには……ありませんから。


     絶望のボルシチの匂いは、とても、酸味がきいていた。



    おわり

    482 = 476 :

    明日は綺麗なの書きます
    寝ます
    おやすみなさい

    483 = 477 :


    ボルシチ……ボルシチはもっと暖かで幸せを運ぶものだったはず……

    484 :

    乙。綺麗なアーニャに翻弄されよう。

    485 :

    シンデレラプロジェクトでうんこ漏らしてないのって誰かいるんか?

    486 :

    今までのアーニャの手口の中で一番素直で綺麗だね
    やってることは汚いけど

    487 :

    アニメにでてないCP2期生て誰がいいだろう
    ぱっと思いついたのは裕美肇夕美

    488 = 476 :


    「あー、夜風が気持ちいいー♪」


     少し冷たい風が、火照った頬を冷ましてくれる。
     けれど、フワフワとした足取りは、止まらない。
     私、痩せすぎかと思っていたけど……今は、まるで羽のよう。
     ブーツのカカトを振りながら、ステップ……ステップ。


    「ふふっ♪」


     道路に敷き詰められてるタイルの線。
     それを踏まないように、ぴょんと跳びながら進む。
     小さい頃に、横断歩道の白い所だけしか踏まないと、決めながら渡ったっけ。
     あら? そういえば、ついこの前もやったかしら?


    「よっ……ほっ……」


     けれど、私が今挑戦してるのは、黒いタイルだけを渡るゲーム。
     頑張れば届く距離って、出来ないと、なんだか悔しくありませんか?
     一つ、二つ、黒いタイルを渡っていく。
     踏み外したら、そうね……海に、ボチャンって落ちちゃうの。


    「……」


     次の黒いタイルは、ちょっとだけ、遠い。
     頑張れば届くかも知れないけれど、とっても微妙な距離。
     スニーカーだったら不安は無いけど、今日はブーツなのよね……。
     ふふっ、ブーツだと、跳ぶー辛い……かしら、うふふっ!


    「……ふっ」


     少し上がっていた呼吸を整える。
     さっきまでのを練習と思えば、本番は、きっと上手くいくはずだわ。
     黒いタイルを睨みつける。
     けれど、黒いタイルは、当然のように私に反応する事なく、ほんの少しも動かない。


     ――申し訳、ありません。


     ほんの数時間前の事だけど、ハッキリと覚えてるわ。
     右手を首筋にやりながら、困っている、彼の顔。
     確かに、貴方はとっても忙しい、プロデューサーさんですもの。
     急にお仕事が入る事なんて、珍しくはないんでしょうね。


    「……約束したのに」


     とっても美味しいお酒に、お料理のお店だったんですよ。
     食には関心があるだなんて言ってたから、お誘いしたのに。
     急なキャンセルも申し訳ないし、代わりを探すの……は、すぐ見つかったわね。
     それに、予約してるとも……言ってなかったかしら?


    「……」


     いいえ、これも全部、あの人が悪いんです。
     子供みたいな事を言ってるとは思いますが……それでも、彼が悪いの。


     今日は、こどもの日。


    「――とうっ!」


     ちょっとしたワガママくらい、許される日でしょう?

    489 = 476 :

      ・  ・  ・

    「……」


     公園脇の植え込みの端。
     腰掛けるには、丁度いい高さ。
     風が、サワサワと木々を揺らす音が聞こえる。
     街頭の明かりが、少し前方の歩道を明るく照らしている。


    「……馬鹿」


     宙に浮かぶ何かを蹴るように、右足を軽く振る。
     なんてことのない動作なのに、ズキリと痛みが走る。
     ……足をくじいちゃった。
     こんな事になるなら、子どもじみた真似、しなければ良かったわ。


    「……」


     すっかり、酔いも覚めてしまった。
     痛みが落ち着いたら、移動して、タクシーを拾わなくちゃ。
     明日も痛むようだったら、ダンスレッスンはお休みして……。
     それから、それから――……。


    「……」


     祝日って、嬉しい日だと思うの。
     それなのに、その日の最後が、こんな悲しい気持ちで終わるなんて。
     勿論、お仕事が嫌だとか、そういう事じゃないのよ。
     ただ……そう、ただ、悲しくて――寂しい。


     これも、全部あの人のせい。


     次に会った時に、文句を言ってやらなきゃ、気が済まないわ!



    「……高垣さん?」



     低い、とっても低い声。
     いつの間にか下を向いていた私の視線は、その声に吸い込まれた。
     黒い革靴、スラックス、スーツ、ワイシャツ、ネクタイ。
     街灯のスポットライトに照らされたそれは、見慣れているのに、


    「すみません……遅く、なりました」


     とても、輝いて見えた。
     左手には、鞄だけでなく、白いコンビニの袋が下げられている。
     そして、右手は……首筋に。


    「……」


     貴方を待っていたわけじゃ、ありません。
     ただ、ちょっとだけ、休んでいただけなんですよ。
     ……ああ、そうだわ、文句を言ってやるんだった。
     ええと、こういう時は……。


    「いいえ、今来た所ですから」


     ふふっ、咄嗟に常套句が出るなんて、上等……違う、文句を言うの!

    490 :

      ・  ・  ・

    「……ふぅ」


     渡された暖かいお茶を飲み、一息つく。
     思ったよりも体が冷えていたようで、ちょっと驚いた。
     足の痛みも引いてきたし、これなら、明日のダンスレッスンも問題なさそうね。
     ……良かった。
     酔っ払っての失敗だとわかったら、お酒を控えるよう言われちゃうもの。


    「飲み終わったら、移動しましょう」


     隣に――と言っても、離れた位置に座る彼が言う。
     手を伸ばせば、ギリギリ届くか届かないかの、微妙な距離。
     これが、私と彼の距離。
     プロデューサーとアイドルの、適切な距離。


    「はい。すみません……ここまでしていただいて」


     頭を下げ、謝罪の言葉を述べる。


     彼は、私を探してくれていたのだ。
     お店を出た後、気がついたら居なくなっていた私を気にかけた瑞樹さんから連絡を受けて。
     これじゃ、本当に子供扱いじゃないですか。
     いくらはしゃいでたとは言え、私だっておかしな失敗は……やっぱり、瑞樹さんって凄いわ。


    「いえ……私のせいだと、川島さんに叱られてしまいました」


     そう言って、彼は右手を首筋にやって、困った顔をする。
     この人のせいだって叱るなんて……私、彼女に何を言ったのかしら。
     何か、文句を言っていた気がするけど、ええと……?


    「貴方のせい、ですか」


     でも、瑞樹さんがそう言ったなら、きっと、貴方のせいで間違いありません。
     だったら、文句の一つ位言っても、


    「だったら――」


     構わないですよね。


    「――おんぶ、してください」


     そう言って、両手を彼の方に差し出す。
     そんな私を見て、彼は目を見開いて、ふふっ、驚いてるわ。


    「あっ、いえ、しかし! その、まだ……足が痛むのでしょうか?」


     これは、ただのワガママです。
     文句もワガママも、そう、変わらないと思うんです。
     変わらないなら、どちらを言っても、同じだと思いませんか?


    「はい♪」


     こどもの日の最後に伝えた、私の子供のようなワガママ。
     そして、公園の大きな時計の針が、十二時を過ぎたのを静かに告げていた。
     ひっそりと、誰にも知られること無く、シンデレラの魔法が溶けた。

    491 = 490 :

      ・  ・  ・

    「……本当に、通りに出るまでですからね」


     しゃがみながら、彼はボソボソと低い声で話しかけてくる。
     あくまでも拒否する彼を説き伏せるのは、案外簡単だった。
     彼は色々と考えたようだが、ため息を一つつき、この体勢になったのだ。
     ふふっ、ベターな判断ですけど、ベタベタまではしませんから、うふふっ!


    「は~い♪」


     彼の鞄を左手に持ちながら、右手を上げて返事をする。
     中には色々な資料が詰まっているのか、かなり、重い。
     だけど、おんぶしてもらうんだから、これくらいは持たなくっちゃね。


     貴方は私の担当じゃないけれど。
     それでも、アイドルとプロデューサーは助け合うものですから。


    「失礼しま~す♪」


     とっても大きな背中に、体を預ける。
     予想以上に温かかった背中に手を当て、ふふっ、暖を取っちゃおうかしら。
     少ししっとりとした感じがするのは、私を探すために走ってくれたから?
     もしもそうなら、ありがとう、って言わないと。


    「あの……高垣さん」


     何とも言えない、言いにくいそうな調子の、彼の声。
     もしかして……今になって、おんぶはしませんとでも言うつもりですか?
     まあ、何てこと!
     だとしたら、貴方のその後頭部の寝癖をえいっと引っ張っちゃいますよ!


    「その体勢では……おぶれませんので、その」


     言われて、気付く。
     さっきまでの私、彼の背中にピタリと張り付いてただけじゃないの!
     慌てて、彼の背中を滑るようにして、頭の高さを合わせる。
     それから――


    「……」


     ――それ……か、ら。
     え、っと……腕を回さなきゃいけない、のよ、ね。
     彼の背中から、ぎゅっと抱き着くように……ように、じゃなく、抱き着くのよね。
     ふふっ、落ちないように、きつく、抱き着くの、うふふっ!


    「……!?」


     彼に、抱き着くの!? 後ろから!?
     それは、ええと……大丈夫、なのかしら!?
     ああ、でも、彼が通りに出るまでは、って判断したのだし……。
     大丈夫なのだろうけれど……!


    「……高垣さん?」


     もう! どうして貴方は、そんなに平然としていられるの!?

    492 = 490 :


    「は、い……!」


     ああ、どうして、おんぶしてください、なんて言っちゃったのかしら!
     私も、もう子供じゃないのだし……。
     もう! この人は、どうしてしっかりと拒否してくれなかったの?
     駄目な事を言い聞かせるのが、大人の仕事でしょう!


    「……」


     彼は前を向き、こちらを振り返らない。
     まるで、私に後ろから抱き着かれるのなんて、何でもない事みたいですね。
     意識して欲しい、とは言いませんけれど、ちょっとムッとしちゃいます。
     それって、私に魅力が無いって言ってるように感じます。


    「……失礼します」


     失礼しちゃうわ!
     私、モデルの経験もあって、それに、今もアイドルで……自信が無くは無かったんです。
     それなのに、この反応。
     本当に……仕事のことしか、頭に無い人なんですね。


    「……」


     彼の首に両腕を回し、輪を作る。
     その輪の真ん中には、猫の鈴の様に、鞄がぶら下がっている。
     右の首筋に、ちょこんと、少しだけ顎を乗せる。
     私の脚の後ろで、彼が私のそれよりも大きな輪を作り、座る場所を作ってくれた。


    「……立ち上がります」


     ゆっくりと、視界が高くなっていく。
     私も背が高い方だけれど、彼に比べれば、全然だったのね。
     いつもより高い視界は、いつもより遠くを見通す事が出来る。
     それはきっと、子供ならばおおはしゃぎする、そんな景色。


    「……」


     けれど、私の目が捉えていたのは、別のものだった。
     いつもより近い距離の、いつもより間近で見る、彼の後ろ姿、後頭部――真っ赤な、耳。
     ねえ、貴方の耳って、こんなに真っ赤だったかしら?
     あまり記憶に無いのだけれど、聞いたら、答えてくれますか?


    「……ふふっ!」


     なんて、気を抜いたら、質問攻めしちゃいそうだわ!
     もう、こどもの日は終わったんだから。
     だから、今は大人しくおんぶされててあげます。
     偉いと、思いませんか?
     褒められたら、私、とっても喜んじゃいますよ?


    「んっ」


     また、勝手に質問を始めそうだった口を塞ぐ。
     その感触に、彼はビクリと体を震わせた。


     ふふっ! 貴方は、今、どんな顔をしてるのかしら?



    おわり

    493 :

    25歳児強過ぎんよー
    セクロスは脱糞しないの?

    494 :


    ここからその流れになると背中で脱糞か……さすがに心折れるだろうから勘弁してあげてほしい

    495 :

    この状況でなお我慢できるPの鋼の精神力

    496 :

    おつー よかった 武楓よかった でも武内Pをバシバシはたく楓さんも好き

    497 :

    誰かうんこ漏らした人のリスト作って

    498 :

    このスレだと歩くさんは羞恥じゃなくて新しい癖に目覚めかねんからやめて差し上げろ

    499 :

    寝てました
    書きます


    武内P「イメージ、ですか」

    500 = 499 :

    文香「……はい。よろしければ、聞かせていただけますか?」

    武内P「それは構いませんが……何故、それを私に?」

    「貴方なら、正直に言ってくれると思ったのよ」

    武内P「……」


    奏・文香「私達が、どんなイメージか」


    武内P「……」


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