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元スレ武内P「アイドル達に慕われて困っている?」
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かな子「大丈夫! プロデューサーさんなら、きっと!」
武内P「ザ・無責任!」
智絵里「小さい……ほんの、小さな幸せで良いんです」
杏「本当……欲がないよね、へへ」
武内P「待ってください……あの、それはさすがに……!」
智絵里「あの時のごはん……美味しかったなぁ」
かな子「美味しいから大丈夫だよ~!」
武内P「何がですか!?」
武内P「ザ・無責任!」
智絵里「小さい……ほんの、小さな幸せで良いんです」
杏「本当……欲がないよね、へへ」
武内P「待ってください……あの、それはさすがに……!」
智絵里「あの時のごはん……美味しかったなぁ」
かな子「美味しいから大丈夫だよ~!」
武内P「何がですか!?」
武内P「あの、待ってください! 差し入れの範疇を越えています!」
智絵里「あっ……そ、そうですよね、えへへ……ごめんなさい」
武内P「……申し訳、ありません」
かな子「ええっ!? ケーキバイキングは、無理なんですか!?」
武内P「三村さんに対しての発言では……いや、そちらも無理です!」
杏「え~っ? じゃあ、何なら良いのさ?」
かな子「あっ、マシュマロ! マシュマロなら!?」
武内P「えっ? いや、それならば可能ですが……」
武内P「……」
武内P「いっ、いえ! 三村さんは、カロリー制限が!」
智絵里「あっ……そ、そうですよね、えへへ……ごめんなさい」
武内P「……申し訳、ありません」
かな子「ええっ!? ケーキバイキングは、無理なんですか!?」
武内P「三村さんに対しての発言では……いや、そちらも無理です!」
杏「え~っ? じゃあ、何なら良いのさ?」
かな子「あっ、マシュマロ! マシュマロなら!?」
武内P「えっ? いや、それならば可能ですが……」
武内P「……」
武内P「いっ、いえ! 三村さんは、カロリー制限が!」
かな子「で、でも! ちょっと位なら大丈夫です!」
武内P「……具体的には、どの程度でしょうか」
かな子「五……い、いえ! 三袋で! 三袋ならどうですか!?」
武内P「刻み方がおかしいです、三村さん!」
智絵里「ちょっとの幸せを願っても駄目……なんです、ね……えへへ」
武内P「い、いえ、それは……申し訳、ありません」
杏「へっへっへ! いでよプロデューサー! そして、願いを叶えたまえ~!」
智絵里「わ、わたし! また、昔みたいに戻りt」
かな子「マシュマロ工場おくれ――っ!!!!!」
武内P「どちらも、私の力を大きく越えています!」
武内P「……具体的には、どの程度でしょうか」
かな子「五……い、いえ! 三袋で! 三袋ならどうですか!?」
武内P「刻み方がおかしいです、三村さん!」
智絵里「ちょっとの幸せを願っても駄目……なんです、ね……えへへ」
武内P「い、いえ、それは……申し訳、ありません」
杏「へっへっへ! いでよプロデューサー! そして、願いを叶えたまえ~!」
智絵里「わ、わたし! また、昔みたいに戻りt」
かな子「マシュマロ工場おくれ――っ!!!!!」
武内P「どちらも、私の力を大きく越えています!」
武内P「あの、差し入れの件は了解しましたが……もう少し、現実的な範囲で!」
かな子「それじゃあ……やっぱり、三袋ですね!」
武内P「三村さん、現実を見てください」
智絵里「悲しい現実より……わたしは、楽しい夢の方が良いです」
武内P「緒方さん、その、差し入れの話をしましょう」
杏「それじゃあ、これからゴハンに連れてってくれるってのは?」
武内P「双葉さん、それは差し入れではありません」
杏「――でも、現実的な落とし所じゃない?」ニヤリ
武内P「っ……それは、確かにその通りです」
かな子「! 移動中に、マシュマロも食べられますね♪」
武内P「三村さんを連れて行かない、という選択肢も生まれました」
かな子「それじゃあ……やっぱり、三袋ですね!」
武内P「三村さん、現実を見てください」
智絵里「悲しい現実より……わたしは、楽しい夢の方が良いです」
武内P「緒方さん、その、差し入れの話をしましょう」
杏「それじゃあ、これからゴハンに連れてってくれるってのは?」
武内P「双葉さん、それは差し入れではありません」
杏「――でも、現実的な落とし所じゃない?」ニヤリ
武内P「っ……それは、確かにその通りです」
かな子「! 移動中に、マシュマロも食べられますね♪」
武内P「三村さんを連れて行かない、という選択肢も生まれました」
杏「でもま、これならあったかいごはんが食べられるよ」
智絵里「……杏ちゃん……えへへっ、そうだねっ!」
杏「ほら、杏だけ何か貰ってるのは悪いしね~」
武内P「……双葉さん」
杏「あっ、だけどさ、飴はこれからも貰うからね?」
武内P「……はい、勿論です」
かな子「んっ? んっんっんっ? んん~?」
武内P「? 三村さん?」
智絵里「かな子ちゃん……どうしたの?」
智絵里「……杏ちゃん……えへへっ、そうだねっ!」
杏「ほら、杏だけ何か貰ってるのは悪いしね~」
武内P「……双葉さん」
杏「あっ、だけどさ、飴はこれからも貰うからね?」
武内P「……はい、勿論です」
かな子「んっ? んっんっんっ? んん~?」
武内P「? 三村さん?」
智絵里「かな子ちゃん……どうしたの?」
かな子「杏ちゃんの要望の、飴はオッケー、と」
杏「ま、飴がないと杏はやる気がでないから、しょうがないよねぇ」
かな子「智絵里ちゃんの要望の、あったかいゴハンもオッケー、と」
智絵里「えへへ……うん、凄く嬉しいな……♪」
かな子「二人の要望が通ってるって事は……だよ?」
かな子「ふふっ、うふふふっ、えへへぇ~!」デレリ!
武内P「三村さん?」
武内P「あの……ケーキの件は、何一つ通っていませんよ?」
かな子「えっ?……マシュマロ?」
武内P「……の方も、はい、通っていません」
杏「ま、飴がないと杏はやる気がでないから、しょうがないよねぇ」
かな子「智絵里ちゃんの要望の、あったかいゴハンもオッケー、と」
智絵里「えへへ……うん、凄く嬉しいな……♪」
かな子「二人の要望が通ってるって事は……だよ?」
かな子「ふふっ、うふふふっ、えへへぇ~!」デレリ!
武内P「三村さん?」
武内P「あの……ケーキの件は、何一つ通っていませんよ?」
かな子「えっ?……マシュマロ?」
武内P「……の方も、はい、通っていません」
かな子「待って……待って待って、ねえ、杏ちゃん?」
杏「あー、デザートにとかは、どう?」
かな子「それだよ! デザートに、五……いえ、ケーキを三つなら!?」
武内P「あのっ! せめて、一つという選択肢を!」
かな子「智絵里ちゃん!? 美味しいから、三つでも大丈夫だよね!?」
智絵里「えっ!? ええと、大丈夫……なの、かな」
武内P「待ってください! 明らかに、カロリーオーバーです!」
かな子「美味しいのに!?」
かな子「美味しいから、大丈夫なら……三つなら、三倍大丈夫ですよ!?」
かな子「三倍美味しいから、三倍大丈夫ですよ~!」
武内P「味ではなく! 量の話です、三村さん!」
杏「あー、デザートにとかは、どう?」
かな子「それだよ! デザートに、五……いえ、ケーキを三つなら!?」
武内P「あのっ! せめて、一つという選択肢を!」
かな子「智絵里ちゃん!? 美味しいから、三つでも大丈夫だよね!?」
智絵里「えっ!? ええと、大丈夫……なの、かな」
武内P「待ってください! 明らかに、カロリーオーバーです!」
かな子「美味しいのに!?」
かな子「美味しいから、大丈夫なら……三つなら、三倍大丈夫ですよ!?」
かな子「三倍美味しいから、三倍大丈夫ですよ~!」
武内P「味ではなく! 量の話です、三村さん!」
かな子「わからないわからない……わからないよ、杏ちゃん」
杏「そうだねぇ……一週間に食べても良い、ケーキの上限は?」
武内P「そう、ですね……恐らく」
かな子「三十五個、ですね」
杏「つまり、一日平均五個は食べても良いんだよね?」
かな子「じゃあ、三個じゃなくて、五個食べろって事!?」
武内P「待ってください! しれっと私が発言した体で話を進めないでください!」
智絵里「えっと、今日は頑張ったので……一個は、良いかなって思います」
武内P「そう、ですね……それならば、まあ……はい」
かな子「な~んだ! やっぱり、ホールで一個なんですね♪」
武内P「三村さ――ん!」
杏「そうだねぇ……一週間に食べても良い、ケーキの上限は?」
武内P「そう、ですね……恐らく」
かな子「三十五個、ですね」
杏「つまり、一日平均五個は食べても良いんだよね?」
かな子「じゃあ、三個じゃなくて、五個食べろって事!?」
武内P「待ってください! しれっと私が発言した体で話を進めないでください!」
智絵里「えっと、今日は頑張ったので……一個は、良いかなって思います」
武内P「そう、ですね……それならば、まあ……はい」
かな子「な~んだ! やっぱり、ホールで一個なんですね♪」
武内P「三村さ――ん!」
・ ・ ・
武内P「……と、言う事がありまして」
ちひろ「なるほど、そういう事情があったんですね」
武内P「はい、説得には、苦労しました」
ちひろ「だから、皆でカフェでケーキを食べてたんですね」
武内P「そう……ですね」
ちひろ「プロデューサーさんが、あーんしてた理由は?」
武内P「そうしなければ、三村さんが隙をついて全て食べようとするからです」
ちひろ「智絵里ちゃんと、杏ちゃんにする必要は?」
武内P「そうしなければ、三村さんに隙を見て食べさせようとするからです」
ちひろ「……はあ、そうでしたか」
武内P「……と、言う事がありまして」
ちひろ「なるほど、そういう事情があったんですね」
武内P「はい、説得には、苦労しました」
ちひろ「だから、皆でカフェでケーキを食べてたんですね」
武内P「そう……ですね」
ちひろ「プロデューサーさんが、あーんしてた理由は?」
武内P「そうしなければ、三村さんが隙をついて全て食べようとするからです」
ちひろ「智絵里ちゃんと、杏ちゃんにする必要は?」
武内P「そうしなければ、三村さんに隙を見て食べさせようとするからです」
ちひろ「……はあ、そうでしたか」
ちひろ「だから、カフェのケーキが売り切れてたんですね」
武内P「えっ?」
ちひろ「どうして、カフェでそんな事をしたんですか?」
武内P「いえ、そうしなければ……一般の方の目に触れますから」
ちひろ「事務所内のカフェでやったら?」
武内P「目につくのは、関係者の方だけに……なりますね」
ちひろ「つまり?」
ガチャッ!
「ケーキ! 二つ! 差し入れ! あーん!」
ちひろ「……わあ、皆……ケーキ買ってきたんですね」
武内P「み、皆さん!? 待ってください! あの、全員分は、その!」
ちひろ「断ったら、きっと、物凄く大変なことになりますね」
武内P「……!?」
ちひろ「鞭打ってでも、頑張ってくださいね」
おわり
武内P「えっ?」
ちひろ「どうして、カフェでそんな事をしたんですか?」
武内P「いえ、そうしなければ……一般の方の目に触れますから」
ちひろ「事務所内のカフェでやったら?」
武内P「目につくのは、関係者の方だけに……なりますね」
ちひろ「つまり?」
ガチャッ!
「ケーキ! 二つ! 差し入れ! あーん!」
ちひろ「……わあ、皆……ケーキ買ってきたんですね」
武内P「み、皆さん!? 待ってください! あの、全員分は、その!」
ちひろ「断ったら、きっと、物凄く大変なことになりますね」
武内P「……!?」
ちひろ「鞭打ってでも、頑張ってくださいね」
おわり
>>617
作者が明言してるんでミナミィは諦めましょう
作者が明言してるんでミナミィは諦めましょう
新田さんがいつからああだったのか退行催眠かければ綺麗だった頃が分かりそう。
このスレのミナミィは他の世界の分のアレな部分も背負ってるんじゃよ……
>>623
さっき食べたでしょ!
さっき食べたでしょ!
「温泉」
温泉の看板を通り過ぎるたび、隣からつぶやきが聞こえてくる。
さすがのあたしでも、これはちょっと……ため息が出るわ。
「いい加減、諦めなさいよね」
ジト目で見ても、こーの25歳児はこっちに目を向けちゃいない。
ま、こうなるとは思ってたんだけどねー。
温泉地でのロケなのに、温泉に入らずに戻るって言うんだから。
「でも、楓ちゃんの気持ちはわかるわ」
助手席に座っていた瑞樹ちゃんがこちらに振り返り、言った。
ちょっと! そういう事言わないでくれる!?
「温泉!」
……ああ、ほら、見なさいよ、この顔。
グルメ番組では見せなかった、キラキラした笑顔をしちゃってまあ!
子供みたいなんだか、年寄りくさいんだかわかりゃしないわ!
あたしの方が歳上だって? タイホされたいの?
「だけど、ダーメ。それに、着替えは置いてきたでしょ?」
シーズンじゃないとは言え、アイドル三人が揃って温泉に行くのは、ちょっと……ね。
言っちゃなんだけど、あたし達って目立つのよ。
飛び込みで行くにしても、迷惑をかけちゃうかもしれないしね。
だから、予約の無い今日は、温泉は無しって決めてたの。
「……用意は、容易にしてたのに」
でも、この子ったら、いざ出発となったら大きなバッグを携えてるんだもの!
あんなに不自然な荷物を持ったままで、出発出来ると思ったのかしら。
警察犬も呆れて昼寝する位バレバレだったわよ、あれ。
現地解散して、一人で温泉に行くつもりだったんでしょうけど、
ほったらかして帰ったら……どうなるかわかったものじゃないしねぇ。
「温泉」
また、温泉の看板を通り過ぎた。
後部座席の窓に、張り付かんばかりに顔を近付け、切なげに外を見る表情。
物憂げ、といえば聞こえは良いけど、そんな大層なものじゃないわ。
駄々をこねてるだけよ、駄々を。
「――足湯ならば、問題無いと……そう、思いますが」
その駄々を聞いちゃうのが、君なのよね。
「「やれやれ」」
瑞樹ちゃんと顔を見合わせ、同時に肩をすくめ、言う。
まあでも、文句を言う気にはならないのよね。
如何なさいますか、って?……はぁ、あまり人が多い所じゃない?
何言ってるのよ、ホント、全くもう!
行くに決まってるでしょ! でないと、タイホしちゃうわよ!
・ ・ ・
「温泉♪ 温泉♪」
ロッカーに靴をしまい、サンダルに履き替える。
その間も、本当に機嫌良さそうな歌声が聞こえてくる。
本当、見た目は大人っぽいのに、こういう所は変に子供っぽいんだから。
でも、浮かれる気持ちもわかるわ。
「足湯って……あたし、もっと小さいのを想像してたわ」
ピッチピチのボディコンに、何の変哲もない備え付けのサンダル。
そんなミスマッチな格好をした早苗ちゃんが、声を弾ませながら言った。
私も、もっとこじんまりした所を想像してたわ。
ちょっと山の方に入ったと思ったら、こんな、足湯のテーマパークみたいな所があるなんて。
「良かったわ。他に、お客さんもあまり居ないようだし」
ロッカールームにも、私達以外の姿は見えない。
足湯のある、園内――で、いいのかしら?――には、まばらに人の姿はあったけど。
これなら、迷惑になるとか、余計な事を気にせずに済みそう。
せっかく温泉に入るのに、気を遣ってちゃ色々と勿体無いからね。
「瑞樹さん、早苗さん」
ニコニコ顔で、楓ちゃんが話しかけてくる。
ホットパンツから伸びる細い足の先には、やっぱり普通のゴムサンダル。
早苗ちゃんが、首をかしげてそちらを見る。
自分の事をお姉さんって言うけど、童顔だし、そういう仕草をすると……ふふっ、可愛いわね。
「何? どうしたの?」
大人なんだけれど、子供のような二人。
そんな、二人と……大切な友達と、寄り道をして、温泉に入る。
これって、とっても贅沢な話だと思うわ。
私達、アイドルにとっては、尚更……ね。
「温泉♪ 温泉♪」
楓ちゃんは、また、シンプルなリズムに合わせて歌いだした。
本当、もう、全く……仕方の無い子ね。
「「温泉♪ 温泉♪」」
私も、歌うわ。
一人だけ大人ぶってるのも、馬鹿馬鹿しいものね!
こういう時は、思いっきり楽しむのが、一番だわ。
ね、そう思うでしょ?
「えっ!? あたしも歌うの!?」
楓ちゃんと手を取り合って、年少組の子達の様に、可愛らしく腕を振る。
温泉、温泉、と歌って、腕を振りながら、早苗ちゃんに近づいて行く。
やらざるを得ないと観念したのか、早苗ちゃんは、私の空いている方の手を取り、
「「「温泉♪ 温泉♪」」」
歌いだした。
少しヤケになってるような気がするけど、わかるわ。
でも、ちょっと楽しくない? これ。
「温泉♪ 温泉♪」
ロッカーに靴をしまい、サンダルに履き替える。
その間も、本当に機嫌良さそうな歌声が聞こえてくる。
本当、見た目は大人っぽいのに、こういう所は変に子供っぽいんだから。
でも、浮かれる気持ちもわかるわ。
「足湯って……あたし、もっと小さいのを想像してたわ」
ピッチピチのボディコンに、何の変哲もない備え付けのサンダル。
そんなミスマッチな格好をした早苗ちゃんが、声を弾ませながら言った。
私も、もっとこじんまりした所を想像してたわ。
ちょっと山の方に入ったと思ったら、こんな、足湯のテーマパークみたいな所があるなんて。
「良かったわ。他に、お客さんもあまり居ないようだし」
ロッカールームにも、私達以外の姿は見えない。
足湯のある、園内――で、いいのかしら?――には、まばらに人の姿はあったけど。
これなら、迷惑になるとか、余計な事を気にせずに済みそう。
せっかく温泉に入るのに、気を遣ってちゃ色々と勿体無いからね。
「瑞樹さん、早苗さん」
ニコニコ顔で、楓ちゃんが話しかけてくる。
ホットパンツから伸びる細い足の先には、やっぱり普通のゴムサンダル。
早苗ちゃんが、首をかしげてそちらを見る。
自分の事をお姉さんって言うけど、童顔だし、そういう仕草をすると……ふふっ、可愛いわね。
「何? どうしたの?」
大人なんだけれど、子供のような二人。
そんな、二人と……大切な友達と、寄り道をして、温泉に入る。
これって、とっても贅沢な話だと思うわ。
私達、アイドルにとっては、尚更……ね。
「温泉♪ 温泉♪」
楓ちゃんは、また、シンプルなリズムに合わせて歌いだした。
本当、もう、全く……仕方の無い子ね。
「「温泉♪ 温泉♪」」
私も、歌うわ。
一人だけ大人ぶってるのも、馬鹿馬鹿しいものね!
こういう時は、思いっきり楽しむのが、一番だわ。
ね、そう思うでしょ?
「えっ!? あたしも歌うの!?」
楓ちゃんと手を取り合って、年少組の子達の様に、可愛らしく腕を振る。
温泉、温泉、と歌って、腕を振りながら、早苗ちゃんに近づいて行く。
やらざるを得ないと観念したのか、早苗ちゃんは、私の空いている方の手を取り、
「「「温泉♪ 温泉♪」」」
歌いだした。
少しヤケになってるような気がするけど、わかるわ。
でも、ちょっと楽しくない? これ。
・ ・ ・
「次は、どこにしようかしら」
サンダルで、ペタペタと歩く。
色々な種類の足湯があって、とっても楽しい。
最初は、瑞樹さん、早苗さんと三人で回ってたの。
でも、今は別行動。
「……」
彼が、スラックスを折り曲げて、腰掛けながら足湯に浸かってる。
そうよね、深めの所だと、濡れちゃうもの。
だから、ああやって浅い所だけを回ってるのかしら。
「……」
本当は、温泉に入る予定じゃなかった。
けれど、彼の提案のおかげで、こうして皆で温泉に入る事が出来ている。
欲を言えば、肩まで浸かって、日本酒を飲みながらが良かったけど、
それは、やっぱり欲張りすぎよね。
「……ふふっ」
急に、隣に座ったら、驚くかしら。
驚いた時に、どんな顔をするのかしら。
「……」
抜き足、差し足、忍び足。
後ろから、音を消してゆっくりと……っと、もう、サンダルは脱いだほうが良さそう。
ペタペタ音がしてたら、気付かれちゃうもの。
……ふふっ! あとは、お湯が波立たないよう、そっと足をお湯に――
「……っ!?」
――入れたら、沢山の小石の感触が足の裏に。
大きさも不揃いな上、中には、ちょっぴり尖った形のもあるみたい。
それが、足の裏をツボをゴリゴリ刺激してくる。
というか、お湯に入れた足に全体重がかかってたから、すごく、
「いっ……いたた……!」
痛いの!
でも、ここからどうしたらいいの!?
せめて……せめて、何かに手をかけられれば――!
「……ふぅ」
咄嗟に、左手を何かにかけ、そのまま、反対の足もお湯に入れる。
両足を入れたから、最初の時程、痛くなく、むしろ、適度な刺激がちょうど良い。
そのまま、腰を下ろし、座る。
「あの……高垣さん……!?」
横を見ると、彼が、右手を首筋……じゃなく、頭に手をやって、こちらを見ている。
「ふふっ! 頭に手をやって、温まってニヤって……うふふっ!」
謝らなきゃと思ったんだけれど……ふふっ!
良い、ダジャレを思いついちゃった!
「次は、どこにしようかしら」
サンダルで、ペタペタと歩く。
色々な種類の足湯があって、とっても楽しい。
最初は、瑞樹さん、早苗さんと三人で回ってたの。
でも、今は別行動。
「……」
彼が、スラックスを折り曲げて、腰掛けながら足湯に浸かってる。
そうよね、深めの所だと、濡れちゃうもの。
だから、ああやって浅い所だけを回ってるのかしら。
「……」
本当は、温泉に入る予定じゃなかった。
けれど、彼の提案のおかげで、こうして皆で温泉に入る事が出来ている。
欲を言えば、肩まで浸かって、日本酒を飲みながらが良かったけど、
それは、やっぱり欲張りすぎよね。
「……ふふっ」
急に、隣に座ったら、驚くかしら。
驚いた時に、どんな顔をするのかしら。
「……」
抜き足、差し足、忍び足。
後ろから、音を消してゆっくりと……っと、もう、サンダルは脱いだほうが良さそう。
ペタペタ音がしてたら、気付かれちゃうもの。
……ふふっ! あとは、お湯が波立たないよう、そっと足をお湯に――
「……っ!?」
――入れたら、沢山の小石の感触が足の裏に。
大きさも不揃いな上、中には、ちょっぴり尖った形のもあるみたい。
それが、足の裏をツボをゴリゴリ刺激してくる。
というか、お湯に入れた足に全体重がかかってたから、すごく、
「いっ……いたた……!」
痛いの!
でも、ここからどうしたらいいの!?
せめて……せめて、何かに手をかけられれば――!
「……ふぅ」
咄嗟に、左手を何かにかけ、そのまま、反対の足もお湯に入れる。
両足を入れたから、最初の時程、痛くなく、むしろ、適度な刺激がちょうど良い。
そのまま、腰を下ろし、座る。
「あの……高垣さん……!?」
横を見ると、彼が、右手を首筋……じゃなく、頭に手をやって、こちらを見ている。
「ふふっ! 頭に手をやって、温まってニヤって……うふふっ!」
謝らなきゃと思ったんだけれど……ふふっ!
良い、ダジャレを思いついちゃった!
・ ・ ・
「……」
信号待ちをしている時、バックミラー越しに後部座席を見る。
彼女達は、346プロダクションでも、トップクラスのアイドル達だ。
その輝きは、とてもまばゆく、ファンの方達だけでなく、様々な人を明るく照らし続けている。
言うまでもなく、私も、その内の一人だ。
「……」
今回、私が彼女達のロケに同行させて頂いたのは、
シンデレラプロジェクトのメンバー達の参考になる部分があると思ったからだ。
実際の現場での彼女達の仕事を見て、それをプロデュースに反映させる。
メンバーの方も同行して頂く事も考えたのだが、
何分、急な話だったのでスケジュールの調整をする暇がなかったのだ。
ドライバーを担当するはずだった人間の急病は、さすがに予定には組み込めない。
「……」
想像していた通り……いや、彼女達の仕事ぶりは、素晴らしいものだった。
グルメ番組の収録だからと言うだけでなく、
本当に、出された料理を楽しみながらのレポートは、放送時に反響を呼ぶ事は間違いない。
海鮮だったので、お酒を飲みたがったのはスタッフの方達も困っていたが、
それを差し引いても、とても、参考になるものを見せて頂いた。
「……」
その御礼……ではないが、足湯に浸かる事を提案した。
当日になっても残念そうにしていた高垣さんは言うまでもないが、
川島さん、片桐さんも、温泉地でのロケで温泉に入らない事を残念がっている様子だった。
一般の方に迷惑をかけたくないという、心遣い。
その様な考えを持った方達が、心残りを残しながら帰路につくというのは、
その……良くない事だと、そう、思いました。
「……」
結果的に、三人共、非常に満足して頂けたようだ。
また来たい、今度は他の方も連れて、と言われた時の反応には困ったが。
検討します、とだけ答えたのだが、まさか、面子や日程の話をされるとは……。
やはり、アイドルの方というのは、想定した以上のものを示してくる。
「……」
それは、今、この時にも言える。
三人、並びながら、後部座席でスヤスヤと寝息を立てている。
まさか、全員がはしゃぎ疲れて寝てしまうとは、思っていませんでした。
ですが、
「……良い、笑顔です」
それだけ楽しんで頂けたのだと、そう、思うようにしよう。
「……」
信号が青に変わったので、ゆっくりと発進させる。
彼女達を起こしてしまうのは、あまりにも、勿体無いので。
「……」
信号待ちをしている時、バックミラー越しに後部座席を見る。
彼女達は、346プロダクションでも、トップクラスのアイドル達だ。
その輝きは、とてもまばゆく、ファンの方達だけでなく、様々な人を明るく照らし続けている。
言うまでもなく、私も、その内の一人だ。
「……」
今回、私が彼女達のロケに同行させて頂いたのは、
シンデレラプロジェクトのメンバー達の参考になる部分があると思ったからだ。
実際の現場での彼女達の仕事を見て、それをプロデュースに反映させる。
メンバーの方も同行して頂く事も考えたのだが、
何分、急な話だったのでスケジュールの調整をする暇がなかったのだ。
ドライバーを担当するはずだった人間の急病は、さすがに予定には組み込めない。
「……」
想像していた通り……いや、彼女達の仕事ぶりは、素晴らしいものだった。
グルメ番組の収録だからと言うだけでなく、
本当に、出された料理を楽しみながらのレポートは、放送時に反響を呼ぶ事は間違いない。
海鮮だったので、お酒を飲みたがったのはスタッフの方達も困っていたが、
それを差し引いても、とても、参考になるものを見せて頂いた。
「……」
その御礼……ではないが、足湯に浸かる事を提案した。
当日になっても残念そうにしていた高垣さんは言うまでもないが、
川島さん、片桐さんも、温泉地でのロケで温泉に入らない事を残念がっている様子だった。
一般の方に迷惑をかけたくないという、心遣い。
その様な考えを持った方達が、心残りを残しながら帰路につくというのは、
その……良くない事だと、そう、思いました。
「……」
結果的に、三人共、非常に満足して頂けたようだ。
また来たい、今度は他の方も連れて、と言われた時の反応には困ったが。
検討します、とだけ答えたのだが、まさか、面子や日程の話をされるとは……。
やはり、アイドルの方というのは、想定した以上のものを示してくる。
「……」
それは、今、この時にも言える。
三人、並びながら、後部座席でスヤスヤと寝息を立てている。
まさか、全員がはしゃぎ疲れて寝てしまうとは、思っていませんでした。
ですが、
「……良い、笑顔です」
それだけ楽しんで頂けたのだと、そう、思うようにしよう。
「……」
信号が青に変わったので、ゆっくりと発進させる。
彼女達を起こしてしまうのは、あまりにも、勿体無いので。
・ ・ ・
「――待ってください! それは、誤解です!」
シンデレラプロジェクトの、プロジェクトルーム。
其処で、一人の男が必死に反論していた。
普段は無表情と呼ばれているその厳しい顔は、情けなく、歪んでいる。
「混浴、したんでしょ? いい湯だった?」
そんな彼に――プロデューサーに対する彼女達は――アイドル。
星々の如き煌めきで、人々を魅了してやまない彼女達の笑顔は、鳴りを潜めている。
今の彼女達は正に……修羅。
己が信じていた、プロデューサーが。
遠すぎるとも言える程、私達とは距離を置いていた、この人が。
担当でない、同じ事務所のアイドルと、破廉恥極まりない行為を働いたと耳にしたのだ。
彼女達の怒りは、至極当然のものであり、この状況は、必然と言えるだろう。
「いい湯でしたが……ある意味、混浴では……ありましたが、その、違います!」
男が、もう少しコミュニケーション能力が高ければ。
彼女達が、もう少し人の話をよく聞く性格だったならば。
あの三人が、嬉しそうに、誤解を招くような言い方をしなければ。
……こうは、ならなかったかも知れない。
「あ痛っ! 痛っ! も、物を! 物を投げないでください!」
両腕で頭を保護しながら懇願する男に、有形無形問わず様々な物が飛ぶ。
罵声は言うに及ばず、ネコミミ、ヌイグルミ、本……中には、パスタや投げキッス、エアギター等も。
その一つ一つが銃弾ならば、彼の体は、既にその形を残しては居なかっただろう。
だが、幸か不幸か、彼の屈強な体はそれら全てを受け止め、弾き、耐えきる。
「……!?」
投擲が止み、沈黙が落ちる。
だが、この耳鳴りがする程の静寂は、台風の目に入ったという訳ではない。
彼女達は、待っているのだ。
彼が次に発する一言を。
「……」
怒りを雲散霧消させるか、はたまた、最悪の起爆剤になるか。
どちらの道を歩むのか、彼女達は、待っているのだ。
そして、彼が選んだ選択肢は――。
後日、346プロダクションのアイドル達を慰労するため、温泉旅行が企画された。
その規模の大きさは、一人の男の、苦心の大きさに比例している。
図らずも、彼が浸かっていた温泉は、それを成し遂げるための助けになった。
胃腸によく効く足湯に浸かっていなければ、冷たい視線に、耐えられなかっただろうから。
おわり
「――待ってください! それは、誤解です!」
シンデレラプロジェクトの、プロジェクトルーム。
其処で、一人の男が必死に反論していた。
普段は無表情と呼ばれているその厳しい顔は、情けなく、歪んでいる。
「混浴、したんでしょ? いい湯だった?」
そんな彼に――プロデューサーに対する彼女達は――アイドル。
星々の如き煌めきで、人々を魅了してやまない彼女達の笑顔は、鳴りを潜めている。
今の彼女達は正に……修羅。
己が信じていた、プロデューサーが。
遠すぎるとも言える程、私達とは距離を置いていた、この人が。
担当でない、同じ事務所のアイドルと、破廉恥極まりない行為を働いたと耳にしたのだ。
彼女達の怒りは、至極当然のものであり、この状況は、必然と言えるだろう。
「いい湯でしたが……ある意味、混浴では……ありましたが、その、違います!」
男が、もう少しコミュニケーション能力が高ければ。
彼女達が、もう少し人の話をよく聞く性格だったならば。
あの三人が、嬉しそうに、誤解を招くような言い方をしなければ。
……こうは、ならなかったかも知れない。
「あ痛っ! 痛っ! も、物を! 物を投げないでください!」
両腕で頭を保護しながら懇願する男に、有形無形問わず様々な物が飛ぶ。
罵声は言うに及ばず、ネコミミ、ヌイグルミ、本……中には、パスタや投げキッス、エアギター等も。
その一つ一つが銃弾ならば、彼の体は、既にその形を残しては居なかっただろう。
だが、幸か不幸か、彼の屈強な体はそれら全てを受け止め、弾き、耐えきる。
「……!?」
投擲が止み、沈黙が落ちる。
だが、この耳鳴りがする程の静寂は、台風の目に入ったという訳ではない。
彼女達は、待っているのだ。
彼が次に発する一言を。
「……」
怒りを雲散霧消させるか、はたまた、最悪の起爆剤になるか。
どちらの道を歩むのか、彼女達は、待っているのだ。
そして、彼が選んだ選択肢は――。
後日、346プロダクションのアイドル達を慰労するため、温泉旅行が企画された。
その規模の大きさは、一人の男の、苦心の大きさに比例している。
図らずも、彼が浸かっていた温泉は、それを成し遂げるための助けになった。
胃腸によく効く足湯に浸かっていなければ、冷たい視線に、耐えられなかっただろうから。
おわり
美嘉「えっ? なんでアンタが家に居るの?」
武内P「今日は、親御さんとの面談がありまして」
美嘉「ああ、莉嘉の事で」
武内P「はい、彼女は……まだ、中学生ですから」
美嘉「それで? なんで、アンタ一人でリビングに?」
武内P「留守番を……頼まれてしまいまして」
美嘉「……」
美嘉「留守番?」
武内P「今日は、親御さんとの面談がありまして」
美嘉「ああ、莉嘉の事で」
武内P「はい、彼女は……まだ、中学生ですから」
美嘉「それで? なんで、アンタ一人でリビングに?」
武内P「留守番を……頼まれてしまいまして」
美嘉「……」
美嘉「留守番?」
美嘉「留守番って……なんでまた」
武内P「ご両親は、どちらもまだ帰宅していなく……」
美嘉「それで、莉嘉は?」
武内P「学校に忘れ物をしたと、そう、仰って……」
美嘉「アンタを置いてっちゃった、ってワケ?」
武内P「……はい、私一人を置いて」
美嘉「全く、莉嘉ってば何やって――」
美嘉「……」
美嘉「!!?」
武内P「ご両親は、どちらもまだ帰宅していなく……」
美嘉「それで、莉嘉は?」
武内P「学校に忘れ物をしたと、そう、仰って……」
美嘉「アンタを置いてっちゃった、ってワケ?」
武内P「……はい、私一人を置いて」
美嘉「全く、莉嘉ってば何やって――」
美嘉「……」
美嘉「!!?」
武内P「? 城ヶ崎さん? どうか、されましたか?」
美嘉「何が!? 何で!? いや、何でも無い! 何でも!」
武内P「は……はあ」
美嘉「そ、それじゃあ、アタシ……自分の部屋に行くから」
武内P「はい。私は、ここで作業をしつつ、待たせて頂きます」
美嘉「う、うん……オッケー」
武内P「……すみません、一つ、言い忘れていた言葉が」
美嘉「な、何?」
武内P「おかえりなさい、と」
美嘉「……」
美嘉「う……うん、ただいま」
美嘉「何が!? 何で!? いや、何でも無い! 何でも!」
武内P「は……はあ」
美嘉「そ、それじゃあ、アタシ……自分の部屋に行くから」
武内P「はい。私は、ここで作業をしつつ、待たせて頂きます」
美嘉「う、うん……オッケー」
武内P「……すみません、一つ、言い忘れていた言葉が」
美嘉「な、何?」
武内P「おかえりなさい、と」
美嘉「……」
美嘉「う……うん、ただいま」
・ ・ ・
…バタンッ
美嘉「……」
美嘉「ヤバイ」
美嘉「――ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!」
美嘉「何々何なの一体全体どういう事なの!?」
美嘉「莉嘉莉嘉莉嘉莉嘉ぁ!」
たぷたぷたぷたぷ!
『――おかけになった電話番号は、現在、電波の』
美嘉「何やってんの!?」
美嘉「誰か誰か誰か誰かぁ!」
たぷたぷたぷたぷたぷたぷたぷ!
…バタンッ
美嘉「……」
美嘉「ヤバイ」
美嘉「――ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!」
美嘉「何々何なの一体全体どういう事なの!?」
美嘉「莉嘉莉嘉莉嘉莉嘉ぁ!」
たぷたぷたぷたぷ!
『――おかけになった電話番号は、現在、電波の』
美嘉「何やってんの!?」
美嘉「誰か誰か誰か誰かぁ!」
たぷたぷたぷたぷたぷたぷたぷ!
美嘉「ヤバイヤバイヤバイヤバイんだってぇ!」
――フリカエラズマエヲムイテー♪
美嘉「! もしもし凛!?」
凛『ちょっと美嘉!? 何でスタ爆したの!?』
美嘉「そんなコトどうでも良いんだって!」
凛『良い訳無いでしょ。ちゃんと説明して』
美嘉「アイツが家に来てるの!」
凛『は? 何それ?』
美嘉「リビングで、ノートPCで仕事してるんだって!」
凛『ねえ、意味がわからないんだけど』
美嘉「アンタのプロデューサーと、家で二人っきりなの!」
凛『……ふーん』
――フリカエラズマエヲムイテー♪
美嘉「! もしもし凛!?」
凛『ちょっと美嘉!? 何でスタ爆したの!?』
美嘉「そんなコトどうでも良いんだって!」
凛『良い訳無いでしょ。ちゃんと説明して』
美嘉「アイツが家に来てるの!」
凛『は? 何それ?』
美嘉「リビングで、ノートPCで仕事してるんだって!」
凛『ねえ、意味がわからないんだけど』
美嘉「アンタのプロデューサーと、家で二人っきりなの!」
凛『……ふーん』
凛『ねえ、そんな嘘ついて何になるの?』
美嘉「ウソじゃないってば!」
凛『まだ引っ張るつもり?』
美嘉「莉嘉が、ウチの親と面談するって聞いてない!?」
凛『聞いてるけど、それが?』
美嘉「それで来てるの! で、家にアタシしか居ない! わかる!?」
凛『うん、わかった』
凛『今すぐ行くよ。蒼い風が、駆け抜けるように』
美嘉「さっすが凛! 話早いじゃん★」
美嘉「……って、もう通話切れてるし」
美嘉「ウソじゃないってば!」
凛『まだ引っ張るつもり?』
美嘉「莉嘉が、ウチの親と面談するって聞いてない!?」
凛『聞いてるけど、それが?』
美嘉「それで来てるの! で、家にアタシしか居ない! わかる!?」
凛『うん、わかった』
凛『今すぐ行くよ。蒼い風が、駆け抜けるように』
美嘉「さっすが凛! 話早いじゃん★」
美嘉「……って、もう通話切れてるし」
美嘉「……とりあえず、制服を着替えて――」
ピンポーン♪
美嘉「早くない!? ってか、早すぎじゃない!?」
美嘉「……でも、マジ助かる!」
美嘉「それに、莉嘉達の誰かが帰ってきたかもだし★」
美嘉「……よし★ 助かっ――」
ピンポーン♪
美嘉「はーい、今行きまーす!」
ピンポーン♪
美嘉「早くない!? ってか、早すぎじゃない!?」
美嘉「……でも、マジ助かる!」
美嘉「それに、莉嘉達の誰かが帰ってきたかもだし★」
美嘉「……よし★ 助かっ――」
ピンポーン♪
美嘉「はーい、今行きまーす!」
・ ・ ・
美嘉「……宅急便」
美嘉「しかも、今日に限って要冷とか……あり得なくない?」
美嘉「冷蔵庫に入れないと……マズイ、よね」
美嘉「……」
美嘉「……大丈夫大丈夫、ここはアタシんちだから」
美嘉「別に、アイツが居たって、チョー余裕だし★」
美嘉「……」
…ガチャッ!
武内P「……」
美嘉「な、なんで立ち上がってるの!?」
武内P「あ、いえ……お帰りに、なったのかと……」
美嘉「ち、違う違う! ただの宅急便だから!」
美嘉「……宅急便」
美嘉「しかも、今日に限って要冷とか……あり得なくない?」
美嘉「冷蔵庫に入れないと……マズイ、よね」
美嘉「……」
美嘉「……大丈夫大丈夫、ここはアタシんちだから」
美嘉「別に、アイツが居たって、チョー余裕だし★」
美嘉「……」
…ガチャッ!
武内P「……」
美嘉「な、なんで立ち上がってるの!?」
武内P「あ、いえ……お帰りに、なったのかと……」
美嘉「ち、違う違う! ただの宅急便だから!」
武内P「まだ……んっ! お帰りに、なられないようですね」
美嘉「ど、どうしたの? セキなんかして」
武内P「あ、いえ……何でもありません」
美嘉「もしかして、喉渇いてるとか?」
武内P「んっ!……大丈夫です」
美嘉「もー! ちょっと待ってなー……麦茶で良い?」
武内P「あ、いえ、お構いなく」
美嘉「待たせちゃってるわけだからさ、この位トーゼンっしょ★」
武内P「ですが……いえ、ありがとう、ございます」
美嘉「へへっ★ 城ヶ崎家特製のお茶だよ★ ま、市販のだけどね」ニコッ
武内P「……良い、笑顔です」
美嘉「ど、どうしたの? セキなんかして」
武内P「あ、いえ……何でもありません」
美嘉「もしかして、喉渇いてるとか?」
武内P「んっ!……大丈夫です」
美嘉「もー! ちょっと待ってなー……麦茶で良い?」
武内P「あ、いえ、お構いなく」
美嘉「待たせちゃってるわけだからさ、この位トーゼンっしょ★」
武内P「ですが……いえ、ありがとう、ございます」
美嘉「へへっ★ 城ヶ崎家特製のお茶だよ★ ま、市販のだけどね」ニコッ
武内P「……良い、笑顔です」
・ ・ ・
…バタンッ
美嘉「……」
美嘉「ヤバイ」
美嘉「――ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバーイ!」
美嘉「凛凛凛凛んんん!」
たぷたぷたたぷたぷ!
美嘉「……――もしもし、凛!?」
凛『もう少し待って。今、着て行く服を選んでるから』
美嘉「今すぐって言ったのに!?」
美嘉「アンタ、それ風が駆け抜けるドコロか、無風状態だよ!?」
…バタンッ
美嘉「……」
美嘉「ヤバイ」
美嘉「――ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバーイ!」
美嘉「凛凛凛凛んんん!」
たぷたぷたたぷたぷ!
美嘉「……――もしもし、凛!?」
凛『もう少し待って。今、着て行く服を選んでるから』
美嘉「今すぐって言ったのに!?」
美嘉「アンタ、それ風が駆け抜けるドコロか、無風状態だよ!?」
凛『ねえ、美嘉』
美嘉「何!? ちょっと、ホント急いで欲しいんだケド!?」
凛『私が、膝下丈のスカート履いてたら、どう思う?』
美嘉「どうでも良い!」
凛『ねえ、真面目に聞いてるんだけど』
美嘉「似合う似合う! 凛は、何でも似合うって!」
凛『そう、かな?』
凛『友達の家に行く時は、こういう格好なんだ……って思う?』
凛『こういう格好も、悪くないかな……って思うかな?』
凛『やっぱり、普段どおりの格好の方が……ねえ、どっちが良い?』
美嘉「どっちでも良いって!」
美嘉「何!? ちょっと、ホント急いで欲しいんだケド!?」
凛『私が、膝下丈のスカート履いてたら、どう思う?』
美嘉「どうでも良い!」
凛『ねえ、真面目に聞いてるんだけど』
美嘉「似合う似合う! 凛は、何でも似合うって!」
凛『そう、かな?』
凛『友達の家に行く時は、こういう格好なんだ……って思う?』
凛『こういう格好も、悪くないかな……って思うかな?』
凛『やっぱり、普段どおりの格好の方が……ねえ、どっちが良い?』
美嘉「どっちでも良いって!」
美嘉「急いでって、凛!」
凛『……トップスは、何を合わせよう』
美嘉「ねえ、アタシ、アイツと二人っきりなんだよ?」
凛『うん、それが?』
美嘉「ゆっくりしてて良いの?」
『ズドデンッ! ドンッ、ドドッ、ドドドタッ!』
美嘉「えっ!? 何!? 何の音!?」
凛『大丈夫、ちょっと階段を転げ落ちただけだから』
美嘉「ちょっとって言うか、全部転げ落ちたよね!?」
凛『……トップスは、何を合わせよう』
美嘉「ねえ、アタシ、アイツと二人っきりなんだよ?」
凛『うん、それが?』
美嘉「ゆっくりしてて良いの?」
『ズドデンッ! ドンッ、ドドッ、ドドドタッ!』
美嘉「えっ!? 何!? 何の音!?」
凛『大丈夫、ちょっと階段を転げ落ちただけだから』
美嘉「ちょっとって言うか、全部転げ落ちたよね!?」
凛『大丈夫、急いで行くから』
美嘉「凛!? 本当に平気なの!?」
凛『うん。結局、どっちの服にするか選べなかったけどね』
美嘉「えっ? それじゃあ――」
凛『パンツスタイルだよ、うん、走りやすい』
美嘉「パンツ丸出しなだけじゃん! 本気!?」
凛『本気出すよ……全力で向かうから』
美嘉「走りの方の心配じゃないって!」
美嘉「凛!? 本当に平気なの!?」
凛『うん。結局、どっちの服にするか選べなかったけどね』
美嘉「えっ? それじゃあ――」
凛『パンツスタイルだよ、うん、走りやすい』
美嘉「パンツ丸出しなだけじゃん! 本気!?」
凛『本気出すよ……全力で向かうから』
美嘉「走りの方の心配じゃないって!」
美嘉「とにかく! 下に何か着て――」
ピンポーン♪
美嘉「――あ、インターフォンが……」
美嘉「……って、通話切れてるし」
美嘉「アイツ……本当に、大丈夫なの……!?」
美嘉「――ま、まあでも! 誰か帰ったかもだし★」
ピンポーン♪
美嘉「はいはーい、今行きまーす!」
ピンポーン♪
美嘉「――あ、インターフォンが……」
美嘉「……って、通話切れてるし」
美嘉「アイツ……本当に、大丈夫なの……!?」
美嘉「――ま、まあでも! 誰か帰ったかもだし★」
ピンポーン♪
美嘉「はいはーい、今行きまーす!」
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