元スレぐだ男「おうち帰る」 マシュ「は?」
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401 = 1 :
茨木「吾はいざというときに他の人質たちの盾になれるから、あえて人質の中に紛れ込んでおる」
マシュBB「マシュさんは?」
茨木「鈍くさいから普通に捕まった」
マシュBB「マシュさん……」
茨木「まあ魔術とは何の所縁もない連中が相手だから、どんなに武装しようが吾らは問題ない。ないのだが」
マシュBB「一つ。空港を占拠しているから、どう少なく見積もっても人数が昨日とはケタ違い」
マシュBB「二つ。人質の救助が終わっていないので下手に動くと今度こそ死人が出る」
マシュBB「三つ。ここ明らかに『見せしめスタジオ』ですよねー。彼らの要求にちょっとでも陰りが出たらそれでもアウト」
マシュBB「……それ以前に、この状況自体が私たちにとってはアウトです」
茨木「一歩間違えたらテレビに映るぞ。化粧に気合は入れてきたか?」
マシュBB「んなわけないでしょう。私たち本当はここにいちゃいけないし、ここにいることがバレてもいけないんですよ」
マシュBB「ダヴィンチちゃんに怒られるー……」ガクリ
茨木「こうなってくると哀れよの。安心しろ、吾らもちょっとは庇ってやる。ちょっとは」
マシュBB「誇張でもなんでもなくマジでちょっとでしょうね」
402 = 1 :
茨木「というかなんでこんなことが起こった? 空港の占拠なんて一朝一夕の計画性ではできん」
茨木「にも関わらずヤツらの目的は例の政治家の身柄。昨日とまったく同じだ」
茨木「ここにいる人質はついでの札に過ぎん」
マシュBB「まあー簡単に言っちゃえば、昨日のテロが上手く行くなんてこの人たちもさらさら思ってなかったってことですよ」
マシュBB「まさかあそこまで徹底的に大失敗するとか思ってないし、爆弾に至ってはあんな方法で処理されると思ってなかったんです」
茨木「陽動……?」
マシュBB「というより演出ですねぇ。昨日のヤツは上手く行けば『テロ対政治家の戦いに罪のない市民が犠牲になった』的な結果になるはずだったんです」
マシュBB「その後、失敗したテロを生き残った政治家を改めて本気でこの人たちが殺す」
マシュBB「そういう筋書き。まあ下処理がエリザさんたちのせいで全部ぶち壊しになっちゃいましたが」
茨木「今回もぶち壊すぞ」ニヤァ
マシュBB「……」
BB(センパイを呼びましょう。今回ばかりはサーヴァントだけだと荷が重すぎます)
マシュ(そんな……)
BB(……私もイヤですけどね。今日ばっかりは)
403 = 1 :
ぐだ男家
ぐだ男「ふんふんふーん……」ルンルン
母「あら。上機嫌ね」
ぐだ男「ああ。だって当然だろ。一年以上ぶりに友達に会うんだからさ!」
ぐだ男「お母さんたちにも会いたかったけど、それと同じくらい友達にも会いたかったんだ」
ぐだ男(世界を救う理由の半分くらいは、自分が元いた世界を取り戻すことだったからな)
ぐだ男(アイツらとの思い出が無ければ、あそこまで強くなれていない)
ぐだ男(過去があるから今がある。あの偉業は、あらゆる意味で一人では絶対に成し得ないものだ)
ぐだ男(カルデアでの人間関係も大事だけど、こっちも大事だもんな。だから楽しいんだ)
prrrr!
ぐだ男「……電話?」
ガチャリンコ
ぐだ男「はいこちらぐだ男」
BB『……本当にすみません、センパイ。今回はネタ抜きで謝らせてもらいます』
ぐだ男「……」
ぐだ男「何があった?」
BB『まだ気づいてないんですね。テレビでも見ればわかるかと』
BB『私たちは今羽田空港です』
ぐだ男「……」
404 = 1 :
数分後
ぐだ男「わかった。今回ばかりは俺がいないと死人なしで事を収めるのには苦労するって話だな」
BB『……いっそイヤだ、と突っぱねてくれればこちらもどれだけ救われたか』
ぐだ男「なんだ。知ってたのか。今日俺が何をするのか」
BB『そちらのカレンダーにマスターの筆跡で予定が書いてありましたからね』
BB『余程楽しみにしていたんだろうなって、マシュさんと二人で話してました』
ぐだ男「流石に人命には代えられないさ。じゃ、空港行くな」
ぐだ男「お母さん! 携帯貸して!」
母「いいけど、どこに行くの?」
ぐだ男「友達のところ」
母「気を付けていってらっしゃいね」
ぐだ男「ああ! 行ってきます!」
405 = 1 :
BB(……ふと思うことがあるんですよねー)
マシュ(突然なんです?)
BB(いや、マスターって人理焼却事件に巻き込まれたとき、その時点で過去がなくなっちゃったんじゃないかって)
BB(確かに彼の、どんなサーヴァントでも使役できるコミュ力は大したものですが)
BB(それと引き換えに、それ以前の人間関係が途絶えがちになってしまった)
BB(……私たちと仲良くしないと生き残れないから無理に仲良くしているんじゃないかって)
BB(そう思ったことありません?)
マシュ(……)
マシュ(少し前ならそう思ったかもしれません。でも、もう先輩との絆は本物です)
マシュ(百歩譲ってそうだったとしても、私たちでそれを補えばいい話です)
BB(奪ってばかりな気がしますけどねぇ。茨木さん、デオンさん、ジャックさん、エリザさんなんか顕著ですよ)
BB(マスターと一緒に戦っているんだから、マスターに甘えて当然、みたいに思ってます。確実に)
BB(彼に一体何を与えられるっていうんですか。生きる権利?)
BB(彼自身も言っていましたが、人理焼却事件は彼以外の誰かがあそこにいても解決してましたよ)
BB(あんな辛いことしなくっても、他の誰かが英雄になってくれたはずです)
マシュ(……BBさんは、このまま彼が故郷に残った方がいいと考えてるんですか?)
BB(多少は)
マシュ(絶対にイヤです)
BB(……マシュさんも大概、意地悪です)
マシュ(先輩自身、絶対にそう言うはずです。絶対にカルデアに帰ってきます)
BB(あなたの思い込み……いや、願望である可能性は?)
マシュ(ありません。必ず果たされる現実です)
マシュ(私はマスターを信じています)
BB(信心……あまりにも残酷ですね。その願いが重圧になってるかもしれないのに)
BB(……ま、私が言うことじゃありませんが)
マシュ(……)
406 = 1 :
空港の片隅
デオン「ふむ。まずいな。あのテロリストグループ、空港内に散っていた人質になっていない人間を虱潰しに探している」
エリザ「広いところに集めて交渉材料を増やすつもりなのねー。せせこましいことだわ」
ジャック「私たちだけなら逃げ切れるけど」
ジャック「……ていうかそろそろ仕掛ける?」
デオン「さて……人質の方は茨木がなんとかするだろうが、それにも限度があるだろうしな」
エリザ「かと言ってこうやってドブネズミみたいにコソコソするのもねぇ」
デオン「何か不都合が?」
エリザ「端的に言うわ。飽きた」
エリザ「即死させること前提なら人質は全員助けられると思うけど?」
デオン「マスターに怒られたくなかったらやめておけ」
ジャック「……でも飽きたっていうのは確かに、私たちも同じかな」
ジャック「やっちゃおうよ、もう」ジャバジャバ
デオン「仕方ない。確かにザコ相手にここまで神経質になるのもバカらしいしな」
デオン「ところでジャック。その手で振ってるペットボトルはなんだ?」
ジャック「……」ニヤァ
407 = 1 :
ジャック「さっきそこのアイスクリーム屋で盗んで来たドライアイスを、自販機で買ったミネラルウォーターのペットボトルに入れたもの」
エリザ「ああ。それってアレでしょ? 簡易的な」
ジャック「フラグメントグレネード」ブンッ!
ボォンッ!
グァァァ!
ジャック「タイミングを見計らって、破裂する直前で目と鼻の先に投げれば」
デオン「普通に失明するな。くだらない小細工だが、結構威力は出るだろう」
デオン「おっと。いけない」
テロリストB「ひ、ひいい……目! 目がぁ……!」
テロリストC「な、何ッ!? なんだ!? 一体何が起こっ――」
ブンッ グサッ
テロリストC「……え?」ボタッ
テロリストC「え。な、に? 棒が、俺の腹から出て……来……」
バタリッ
エリザ「棒じゃなくって投擲した私の槍なんだけど」
テロリストB「あぎいいいい!」ジタバタ
デオン「始めるか」バキィッ
テロリストB「ぎゃんっ」
エリザ「うわっ……筋力Aのくせにサッカーボールキック? 死ぬわよ?」
デオン「自分の身を振り返って物を言え。そっちの方が死亡率高いだろう」
エリザ「いいのよ別に。ジャックがいれば」
ズポォッ
ヒュパッ
エリザ「ほらー。抜いた途端に傷口が元通りー」
ジャック「いえいいえーい!」
デオン「先を急ごう」
エリザ「はいはーい。またまた一方的な蹂躙の始まりね」
ジャック「バレないように一人ずつ確実に仕留めてこー!」
408 = 1 :
マシュBB「……まずいですね。痺れ切らして、あの三人が動き出しました。ハッキングした監視カメラから覗いた限りやりすぎです」
茨木「そうであろうなぁ。吾もあっちに行けばよかったなぁ、と考えて来たところよ」
茨木「明らかな格下相手にビクビクするのもバカらしい、とでも思ったのであろうな?」
マシュ「これ、もしも気付かれたら人質が……」
茨木「さて。どうであろうな。アイツらが相手にしているのは今は警察」
茨木「警察からの攻撃だ、という確信を得たら確かに人質を殺すであろうが」
マシュBB「実際には全然そんなことはないわけですからね。確認作業に手間取って、人質をどうこうするという発想に至るのはもう少し先ですよ」
茨木「仮に人質をどうこうする、ということになったら吾がどうにかするしな」
茨木「くくく。吾を人間の盾に使うとは……あの三人も随分と不遜よな」
マシュ「先輩……」
409 = 1 :
ぐだ男「さて。空港に辿り着いたはいいが」
ぐだ男「当然だが中に入れないぞ! どうしたらいい?」
BB『人払いします! その隙にセンパイは中へ!』
BB『おそらく入口には見張りのテロリストがいますが、それは自力でなんとかしてください!』
ぐだ男「無茶なことを言う!」
ぐだ男「……で、人払いって具体的には何をする気だ?」
BB『センパイ。私は告白します。実は、センパイのことを監視していました。ドローンとか使って!』
ぐだ男(『とか』って……)
BB『ちなみにそのドローン、自爆機能付きです』
ぐだ男「えっ」
警察「ん? なんだ? 何かがこっちに飛んで――」
ドカァァァンッ!
キャァァァァ!
ぐだ男「」
410 = 1 :
BB『後でテログループに全部罪を押し付けるので大丈夫ですよ』
ぐだ男「ふざけんな!」
ぐだ男「……ああ、でも確かに人がどんどん逃げていく!」
BB『さあ! センパイ!』
ぐだ男「わかってる! 俺のサーヴァントたちに人殺しをさせたりしない!」
ぐだ男「ましてや、せっかく守った現代の人たちを!」ダッ
警察「ん? キミ! 爆発が起こっている、そっちの方向に行くのは危険だ!」
警察「早くこっちに戻ってきぶへぁっ!」ガツンッ
ぐだ男「ドローンが警察の人の顔に当たったーーー!」ガビーンッ
BB『爆発しないから大丈夫ですよー!』
ぐだ男「本当ごめんなさい!」
411 = 1 :
休憩します!
412 :
ぐだ男「よし! 空港の中に侵入成功!」
BB『センパイ! 三時の方向!』
ぐだ男「あいあい!」バッ
ズドォンッ
テロリストD「!?」ガビーンッ
ぐだ男「BB! このまんま逃げて空港内で撒くぞ!」
BB『えっ。倒すんだと思いました』
ぐだ男「えっ」
BB『えっ……ガンドくらい撃てますよね?』
ぐだ男「あれ礼装ないと撃てねぇーよ! それより早く逃走経路!」
テロリストD「……」グッ
ぐだ男「あ、やべ。遅かった」
ガンッ
??????「ふいー。間に合った間に合った。キミー、こんなところに来ちゃダメだよー。危ないよー」
ぐだ男「……んっ? なんか聞き覚えのある声が……」
BB『あ。件の渦中にいる政治家さんですね。やっぱり捕まってませんでしたか』
ぐだ男「はっ?」
413 = 1 :
アストルフォ?「いやー。たまたまボクがここを通りがかったからいいものを。一歩間違えたら脳天ずばーんだよ」
ぐだ男「……」
ぐだ男「アストルフォか? ちょっと歳食ってるように見えるけど……」
アストルフォ「あれ? キミ、ボクのこと知ってるの?」
ぐだ男「は?」
BB『別に言う必要はなかったので今まで言ってませんでしたが、その人がテロリストと対立してた政治家さんです』
ぐだ男「どう見てもアストルフォなんだけど……」
BB『聖杯戦争の歴史は結構長いですからねー。一体くらいは受肉したサーヴァントもいるでしょう』
BB『ついでに、当然ながら現代の人との基礎スペックが桁違いですので、社会の中心に食い込むことも間々ありますって』
ぐだ男「ちょっと待って。ちょっと待って。わかった。コイツがカルデアのアストルフォじゃないことはわかったが」
ぐだ男「だからってよりにもよってなんで政治家!? コイツに政治任せたら世界滅ぶぞ!」ガビーンッ!
アストルフォ「えへへー。それほどでもー」
ぐだ男「褒めてないッ!」
414 = 1 :
アストルフォ「いやー。とある聖杯戦争で受肉した後、なんやかんやあってフランスの政治家にまで祭り上げられちゃったんだけどさー」
以下トルフォ「これが中々楽しくってやめられなくなっちゃってー」テレテレ
ぐだ男「世も末だ……」
トルフォ「で、まあ対テロ法案とか大胆な外交政策だとか色々ぶち上げている内に、変なのに絡まれるようになっちゃってね」
トルフォ「まあ大体自力でなんとかしてたんだけど」ウン
ぐだ男「自力で……なんとか……」
BB『もう思考が追い付いてませんね』
トルフォ「理性蒸発してたからさー。生前と同じように宝具がどんどんあっちゃこっちゃに流れちゃってさー」
トルフォ「今ではもうちょっと頑丈で怪力のある普通の人だよ。参っちゃうよね、あっはっは」
ぐだ男「あっはっは……」
ぐだ男「……投げ出したくなってきた」ズーン
BB『頑張ってー! 負けないでー!』
415 = 1 :
ぐだ男「ま、まあいい。それはいい。どうでもいい!」
ぐだ男「アストルフォ。俺はとある組織の魔術師の端くれだ。ちょっとした事情があってサーヴァントたちがテロに巻き込まれてる」
トルフォ「昨日と同じ子たちだね」
ぐだ男「で、そいつらの暴走を止めるためにここに来た! できれば力を貸してほしい!」
トルフォ「いいよ!」グッ
ぐだ男「……」
ぐだ男「やっぱコイツ、アストルフォだな……なんかの間違いだと思いたかった……」
BB『この軽さとチャラさは完全に唯一無二のものですよね』
416 = 1 :
トルフォ「まあ……かと言って、ボクがそうそう軽率に動くわけにもいかないんだけどね」
トルフォ「あの人たちの目的はボクの身柄だから。そこを押さえたら計画が第二段階に入っちゃう」
ぐだ男「第二段階?」
トルフォ「ボクの身柄を交渉材料にして『実在しない裏金をさも実在しているかの口調で要求する』みたいな」
トルフォ「そのくらいのことはすると思うな。実在してないものは用意できないから、ボクもろとも人質は皆殺しになるかな」
ぐだ男「今日新月だったっけ」
BB『いえ、普通に月は出るはずですよ』
トルフォ「失礼な人たちだなあ……」
ぐだ男「……まあそこはわかった。アストルフォはアストルフォなりに、出来る限りでいい。協力してくれ」
トルフォ「うん、そのつもりだよ! さて、それじゃあ……」
トルフォ「正々堂々と恰好いい名乗りを上げて、人質のいるホールにバーンとォ! 登場しようか!」バァーンッ
ぐだ男「やっぱりお前アストルフォだったわ」
BB『軽率に動くわけにはいかないとわかっている上での発言ですからタチ悪い……』
417 = 1 :
休憩します!
418 = 1 :
ぐだ男「……」
ぐだ男「いや。名乗りを上げるのはまあともかくとして」
ぐだ男「人質が集められているホールに行くっていうのは賛成だな」
トルフォ「名乗りを上げる部分はー?」
ぐだ男「ちょっと黙っててくれ」
トルフォ「はーい」
ぐだ男「人質を全員解放してしまえば、ひとまずは余裕ができるわけだし」
ぐだ男「後は俺がちょいちょい手綱を引いて行けば、少なくとも誰も死なないはずだ」
BB『もうテログループの心配しかしてませんよね』
ぐだ男「だってアイツら、俺がいない場所で、弱くて大量の敵を見かけると――」
エリザ「ボエエエエエエエエ!」
ガラガラガラッ
ぐだ男「……敵だけじゃなくってフィールド使って遊び始めるんだもん……!」エグエグ
BB『ホールへの最短ルートがエリザさんの歌声のせいで崩壊。別のルートを指示します』
ぐだ男「頼む……」
トルフォ「いやー。いつの世もサーヴァントってみんなとんでもないよねー」
ぐだ男「お前もとんでもないサーヴァントの筆頭なんだけど……」
419 = 1 :
テロリストE「……!? ……!」ビクンビクン
エリザ「あらら。私の歌声で絶頂しちゃったみたいね」
デオン「両耳から血が出てるが……」
ジャック「ありえないほど出てるね……もしかして頭蓋骨割れてない?」
エリザ「さて。じゃあ次。ジャック、このあたりをテープとかビニールとか使って密封して。おびき寄せられたヤツ使って次の実験するから」
ジャック「はーい!」ペタペタ
ジャック「できた!」
デオン「流石に俊敏Aだな。あっと言う間だ」
デオン「……で、何をする気だ?」
エリザ「何人かおびき寄せられたタイミングで防火シャッターを落として。それで完全に密室の完成だから」
エリザ「あとコレ、一応渡しておくわね。酸素補給缶」
デオン「ああ、よくアイドルとかが使っているアレか」
デオン「……」
デオン「お前、まさか」
ジャック「あ、やばい。私たち外出てていい?」
ドタドタドタッ
テロリストF&G&H「見つけたぞ!」ゾロッ
エリザ「あ、来ちゃった! ほら、早くシャッター降ろして!」
デオン「く、くそ……!」
ジャック「巻き込まれ決定ー」
420 = 1 :
ガラガラガラガシャンッ
テロリストE「なんのつもりかは知らんが、防火シャッターを下ろしたところで……!」
エリザ「すううううう……!」
テロリストG「貴様たちの逃げ場がなくなっただけ……?」
エリザ「すうううううううううう……!」
テロリストH「……な、なんかおかしいぞ。だ、段々耳が痛く……いや……」
エリザ「すうううううううううううう……!」
テロリストE「い、息苦し……!」
バタバタバタッ
ジャック「耳痛いー!」キィィィン!
デオン「それはそうだ。エリザがこの空間の空気を全部吸ってるんだからな!」キィィィィン!
デオン「気圧が急激に下がれば耳も痛くなるさ……」
デオン「ていうかもう全員気絶したぞ! いい加減にしろ!」
エリザ「ふうううっ! あー、竜の肺活量って凄いわねー。やればできるものだわ」
エリザ「うーん、殺さずの縛りプレイも中々面白いものね。次もコレやってみる?」
デオン「選択肢の一つとしてはいいかもしれないが……」
ジャック「しばらくはいいよ。次行こう? 次。私たち、面白いこと思いついちゃった!」キラキラキラ
デオン「じゃあ次はジャックの番だな」
421 = 1 :
BB『げぇ。マジですね。あの三人、明らかにこの状況を楽しんでます』
ぐだ男「遊び始めただろ? しかも相手の人権を完全無視する方向で」
ぐだ男「デオンは隣にマリーとかがいれば真面目なヤツなんだけどな」
BB『……エスカレートして人を殺し始めるまで、あとどのくらいだと思います?』
ぐだ男「大丈夫だ。余程のことがない限り、そんなタイムリミットは存在しない」
トルフォ「聞いてる限り急いだ方がいいっぽいけどね」
トルフォ「いやー。流石に弱い者イジメはダメでしょ」
ぐだ男「相手の自業自得ではあるんだけどな……限度ってものがある」
BB『さあ。あと少しでホールですよ! そこに人質が集められてます!』
422 = 1 :
トルフォ「それにしても凄いね……キミがあのカルデアのマスターか」
ぐだ男「あ、れ……言ってないよな?」
トルフォ「なんとなくわかった!」ドヤァ!
ぐだ男(そういえば理性蒸発ってたまに直感スキルに似た働きするんだったか)
トルフォ「キミはともかくとして、サーヴァントの方は問題だらけみたいだけどね」
ぐだ男(お前が言うな、と言ってもコイツは別人だから仕方ないな……)
トルフォ「まあ英霊なんてみんな曲者揃いだからさー。根気よく付き合ってあげてね」
トルフォ「そしたらきっとそれなりに応えると思うからさ。聖杯戦争の先輩からのアドバイスだよっ!」
ぐだ男「言われなくとも」
BB(……)
BB(……みんななんで、こんなプレッシャーかけるようなことバンバン言っちゃうんですかねー)
BB(イヤなら投げ出せばいい、くらいは言ってもいい気がしますが)
423 = 1 :
BB『……おっと。それ以上進むと危ないですね! 再度の迂回を推奨します!』
ぐだ男「はあ? 何言って……」
ムワッ
ぐだ男「……この匂い、まさか」
BB『可燃性のガスです! 逃げてくださーい!』
ぐだ男「誰がこんな無茶なことを――」
ドカァァァァンッ!
ぐだ男「ぎゃあああああああ!」
トルフォ「あー、ダメだ。もうこの道使えないね。凄い爆発だったもん」
BB『まあ私のドローンの方が火力出ますけどね』
ぐだ男「お前の父ちゃんマイケル・ベイ!?」ガビーンッ!
ジャック「きゃははははは……」
ぐだ男「……遠くからジャックの声が聞こえる……アイツの仕業か」
424 = 1 :
BB『段々エスカレートしてきてますよ。本当に死人は出ないんですよね?』
ぐだ男「お前、わかってて言ってるだろ。アイツらは指示なしにそんなことしないよ」
BB『……もうちょっと疑うこと覚えましょうよ。つまらないです』
ぐだ男「そりゃ悪かったな。次のルートを教えろBB」
BB『了解』
トルフォ「ふぅん……へぇ……」
トルフォ「なるほど。伊達に世界救ってない、か」ニヤニヤ
ぐだ男「ええい、値踏みするような目で見ないでくれ」
トルフォ「あ、ごめんごめん。じゃあ早く行こうか」
425 = 1 :
ぐだ男(考えてみるに、明らかに手心加えてるな)
ぐだ男(わざわざガス爆発とかさせなくってもナイフでグサリで全部ケリが付く)
ぐだ男(大丈夫。まだヤツらは冷静さを失ってない)
BB『あっ! センパイ! それ以上進むと――!』
ぐだ男「えっ?」
ボチャンッ
ビリビリビリッ
ぐだ男「ぎゃあああああ! びーりーびーりーすーるー!」ビリビリ!
トルフォ「おっと。気を付けなよー!」グイッ
ぐだ男「あ、ありがとうアストルフォ……」
ぐだ男「……なんだここ! 道に水たまりがいっぱい……壁や天井には、刀傷?」
トルフォ「トイレの水を出しっぱにした上に、防火スプリンクラーを破壊。あと壁や天井の電気のコードを千切って引っ張って道に敷き詰めてるんだね」
BB『わっかりやすーいトラップですね。おそらくデオンさんがやったものと推測されます』
トルフォ「水に触れたらビリビリするよ。多分、誰かに助けられない限り延々と」
ギャァァァァァ!
タズゲデェェェェ!
ぐだ男「どこからか助けを求める声が……」
ぐだ男「デオンのヤツが一番エグくないか!?」ガビーンッ!
426 = 1 :
ぐだ男「イモータルカオスブリゲイドより阿鼻叫喚なんだけど! 今更だが、殺さずの誓いを守っている上でもコレは酷いぞ!」
BB『しかも楽しんでやってますし』
ぐだ男「アイツらー……絶対合流したら説教かましてやるー……!」
BB『……』
BB『ねえセンパイ。もうここで止まっちゃいましょうよ』
ぐだ男「あ?」
BB『だってもうルートがほぼ途絶えてますし、なによりも下手したら巻き込まれますよ』
BB『……ねえ。本当に、あの人たちについていけると思ってます? 曲がりなりにも兵器ですよ?』
BB『仮に心を持っていたとしても、結局のところは使い魔。あなたとは価値観が違うバケモノの集まりです』
ぐだ男「……」
BB『ここで止まることも一つの選択だと思いますが』
ぐだ男「BB。何を怒ってる?」
BB『は?』
ぐだ男「いや……気のせいかもしれないんだが、お前がなんかイラついてるように見えて」
BB『……』
BB『ダブるんですよ……!』
ぐだ男「?」
BB『……いえ、なんでもないです。ただ、止まってほしいだけです』
BB(私の好きな『先輩』とダブって見えて、凄くイライラしますので)
427 = 1 :
ぐだ男「お前が何にイラついてるのかは知らんが、とにかく俺は先に進むぞ」
ぐだ男「アイツらは余程のことが起こらない限りは絶対にキレたりしないが」
ぐだ男「……お前から聞いた話だと、多分遠くない未来にプッツンする」
BB『え?』
ぐだ男「あのな。茨木はいくらなんでも無関係の人間の盾になることを素直に了承するようなヤツじゃないんだよ」
ぐだ男「本当に守っているのは……!」
BB『……ああっ! なるほど!』
BB『え、でも仮にそうなったとして、そんな簡単にプッツン来ます?』
ぐだ男「アイツもアイツで結構好かれてるからな。指一本でも触れたら一瞬だぞ」
BB『あらー』
ぐだ男「BB。絶対にマシュを守れ。血が一滴でも流れたら、アイツらすぐに本気になるからな!」
BB『オーダーを了承。全力で遂行しますとも』
428 = 1 :
続きは明日!
430 :
ぐだ男「……んー? 待てよ。BB。ルートがほぼ途絶えたって?」
BB『ええ。まあ無理すれば押し通れないこともないですが』
ぐだ男「ということは、ホール側からも誰も出てこれないってことだよな」
ぐだ男「目的は敵勢力の分断か? 遊んでいる割には意外と考えてるじゃないか」
ぐだ男「だが分断させたとしても、小さくなった方の勢力を一瞬で刈り取る係が必要になるな」
BB『一騎くらいはこちらに残っている可能性……あると思います』
ぐだ男「ていうかお前のハッキングで見通せないのか?」
BB『凄まじい速さで、あっちに行ったりこっちに行ったり』
BB『残念なことにカメラ越しだと彼女たちの動向が見切れないんですよ。敵を襲うときくらいしか』
ぐだ男「エリザは鈍足だが、デオンとジャックは俊敏がありえないレベルだからな」
BB『それと、おそらく彼女たちの目的はきっとそれで合っていますが』
BB『人質の逃走ルートすら潰してしまうって点を完全に失念してますね』
ぐだ男「……不自然に失念しすぎだな。何か勝算でもあるのか?」
ぐだ男「いや。よそうか。とにかくルートがほぼ途絶えたのなら何か考えないと!」
トルフォ「頑張ってねー!」
ぐだ男「お前も知恵貸せッ!」
431 = 1 :
茨木「……」
マシュ「茨木さん。どうしました。先ほどから何か、眉間に皺を寄せてますけど」
茨木「……いや……大したことではないのだが……」
娘「……怖いよぉ……」
おばちゃん「大丈夫……大丈夫だからね……」
サラリーマン的な男「くそっ……なんで俺がこんな目に……」
茨木「……人間、弱くないか?」
マシュ「え?」
茨木「鬼からすれば確かにどれも有象無象だが、それにしても弱すぎるであろう」
茨木「吾の一番知っている人間はもっと強かったぞ」
マシュ「……先輩が強いんです」
432 = 1 :
茨木「……別に、吾が協力してやったのは、マスターと吾の利害が一致していた。ただそれだけの理由よ」
茨木「最初から人類史がそこまで素晴らしいものだとは思っておらんわ」
茨木「おらなんだが……」
マシュBB「それにしても失望するレベルで見苦しいほど弱い、ですか?」
茨木「……守ったところで、ゲーティアのような人類悪なぞいなくとも人は死ぬ」
茨木「心底と言うには浅いが、多少はな」
マシュ「……そんなことは……」
茨木「やっぱりくだらんな。迷う気も失せるわ。そのときが来れば吾は……」
マシュ「茨木さん?」
茨木「……今はなんでもない。今はな」
マシュ「……」
マシュ(先輩……早く来てください。大惨事が起こる前に……!)
433 = 1 :
分断の外側 ぐだ男サイド
デオン「……」
ぐだ男「……」
トルフォ「……」
BB『……』
デオン「何故マスターがここにッ!?」ガビーンッ!
デオン「いや、それよりお前! お前! 少し歳食ってるがまさか!」
トルフォ「え? 彼もボクのこと知ってるの?」
ぐだ男「俺のサーヴァントはみんなお前のこと知ってるぞ」
トルフォ「照れるなー」テレテレ
ぐだ男「で? デオン。お前、どうした?」
デオン「えっ。な、何のこと? 私はいつも通りだけど」アセアセ
ぐだ男「返り血拭いてから物を言え」
BB『バケツひっくり返した感じでドロッドロですね。頭からつま先まで』
デオン「……」
デオン「コロシテナイ、ヨ?」ガチガチ
ぐだ男「そうか。血を拭け」
434 = 1 :
五分後
デオン「ここまで圧勝だと逆に楽しいなって……思って……」グスグス
デオン「敵をなます斬りにしまくってたら、本当タガが外れてきて……」
ぐだ男「俺たちがお前を見つけた一瞬、お前こっちのことを一瞬だけ『新しい獲物』だと誤認してたからさ」
ぐだ男「お前の凄い表情がガッツリ見えちゃったよ」
デオン「マスター。令呪で命令してくれ。『自害しろ』と」
ぐだ男「しないしない。仲間が増えて嬉しいよ、デオン」
ぐだ男「じゃあ手札も揃ったし、そろそろ先に進むか?」
トルフォ「どうする気?」
ぐだ男「道がないなら作るのみ、だ!」
435 = 1 :
休憩します!
436 = 1 :
トルフォ「キミ随分と個性的なサーヴァント引き連れてるんだなぁ」
トルフォ「戦い方見てる限り、酷い趣味してるみたいだし。カルデアって悪の秘密組織なの?」
デオン「……現地で出会ったサーヴァントを味方に付けるのはキミの専売特許だが」
デオン「よりにもよってコイツにだけは見られたくなかったな」
ぐだ男「酷い趣味してるわけじゃなくって、友達と同じ遊びしてたら意外とハマっただけの話だ」
ぐだ男「コイツ自身は結構真面目だぞ」
トルフォ「ふぅん」
BB『センパイ。ちょっとは疑問に思わないんですか?』
ぐだ男「なにが?」
BB『自分は本当にサーヴァントとやっていけるのかどうか、とか』
BB『残念なことに一般人とは完全に価値観が剥離してますし』
デオン「……」
ぐだ男「そこに疑いは持たないようにしてる」
ぐだ男「デオンはいいヤツだ。俺はそれを知ってる」
デオン「マスター……!」
ぐだ男「BB。解析頼む。目標は……わかるよな?」
BB『わかってますよーっと』
BB(……ちょっとだけ到着が遅れるようにしてあげましょう)
BB(辿り着くころにはちょうど大惨事、ですよ。ふふっ)
BB(あなたは一度、夢から覚めるべきです)
437 = 1 :
テロリストたち「ざわ……ざわ……」
茨木「……さっきからアイツら騒がしいな」
マシュ「それもそうでしょうね。警察でもテロリストでもない第三者が『何故か』攻撃してきてるんですから」
マシュ「しかも昨日に引き続き」
茨木「つくづく運がない。吾らを二度も敵に回すとは……」
茨木「む……空気が危うくなってきたな。そろそろか?」
マシュ「えっ?」
BB(警察と彼らの会話の傍受に成功)
BB(ひとまず引っかけてみることにしたようですね。人質はまだ大量にいますし)
BB(この攻撃をやめなければ人質を一人殺す、って方向に纏まりかけてます)
マシュ(そんなことをしても無駄なのに!)
マシュBB「そういえばイバラギンさん。ずっと気になってたのですが」
マシュBB「どうも旅行サーヴァントのみなさん、人質への対応がおざなりですよね。なにか勝算でも?」
茨木「最悪の場合は吾が全部どうにかするということで纏まった」
マシュBB「具体的には?」
茨木「全員問答無用で食い殺す。容赦なしだ」
BB(……なるほど。やっぱり。最終手段のセーフティは手加減なしの大蹂躙)
BB(だからみんな人質に関しては放置気味だったんですね)
マシュ(そんなことにならないよう祈っておきたいのですが)
BB(届くわけありませんよ。そんなに簡単に)
マシュ(先輩が来てくれればなんとかしてくれます!)
BB(……届く距離にいる誰かに祈っても、現実に敗れるだけです)
BB(絶対に)
438 = 1 :
続きは明日!
439 :
最後のBBは桜っぽい
440 :
BB『そこです! そこの壁を延々と攻撃していればおそらく向こう側に抜けられます!』
BB『その後、また突き当ったら再度壁に攻撃! これを合計三回繰り返せば安全に先に進めると断言します!』
デオン「なるほど。わかりやすい。筋力Aと怪力スキル持ちが両方協力すればなんとかなるかもしれないな」
トルフォ「えー。手の甲が裂けちゃうよー」
デオン「誰が素手でやれと言った? ちゃんと食事処からスプーンを拝借してきた」スッ
ぐだ男「それはそれで気が長ぇーよッ!」ガビーンッ!
ぐだ男「……ん。そうだ。近くに食事処があったのなら、もう一つ拝借したいものがあるな」
トルフォ「え? なになに?」
ぐだ男「いや、俺一人で大丈夫だ。もう分断の外側の連中はデオンが全員斬ったんだろ?」
デオン「当然。私は敵には容赦しないからね」
ぐだ男「じゃあちょっと取ってくるから壁の破壊は任せた」
ぐだ男「ときにBB」
BB『はい? なんです?』
ぐだ男「……本当にここでいいのか?」
BB(……ちっ。気付かれた、か。でも)
BB『ええ。もちろん』
ぐだ男「そうか。ならきっと意味はあるんだろうな」
BB(……こういうときの私の言葉は絶対に信用すると思いましたよ)
BB(意味はある、か。それ『何かを隠しているな』って思ってる人間の物言いですよ)
441 = 1 :
ぐだ男(さっきからのBBの様子は何か変だが……決定的に俺をハメようとしている様子はない)
ぐだ男(おそらくここも最短ルートではないだけで向こう側に抜けること自体はできるだろう)
ぐだ男(……ジャックとエリザが何かを仕掛けるとしたら、俺たちが行くことがそもそもできない場所の分断が終了してから……)
ぐだ男(つまりホールを挟んだ向こう側の道を全部塞ぐか壊すかした後だろう)
ぐだ男(間に合うか間に合わないか、で言ったらほぼ確実に間に合わないだろうな。BBが非協力的だし)
ぐだ男「……」
ぐだ男「マスター失格だな。よりによって自分のサーヴァントを恐れてどうする」
ぐだ男「信じるっきゃねーだろ。最後の最後に物を言うのは、信じる心だ」
442 = 1 :
ホール
茨木「……ひ、ふ、み、よ……」
茨木「結構多いな。さてどうしたものか」
マシュ(茨木さんは何を数えているのでしょうか)
BB(ああ、アレは多分、人質の中に紛れ込んだテログループの仲間を数えてるんですよ)
マシュ(えっ)
BB(乗り物のジャックとかでもメジャー級に使われる戦略ですよね。人質の中に共犯者って)
マシュ(……どうやって見分けてるんでしょうか)
BB(火薬の臭いでもしてるのでは? おそらく人質内で暴動が起こったときの保険でしょうから、銃くらいは持ってるでしょう)
マシュ(どこからどこまで計画的ですね)
BB(これを全部処理するとなるとおそらく、勢い余って茨木さんも何人か殺しますね)
マシュ(……楽しみにしてませんか?)
BB(いえ。流石の私も人が死ぬ様を見るのは結構気分悪いですよ)
BB(それ自体はグロいですし。楽しみにしていることがあるとすれば別のことです)
マシュ(それってもしかして)
BB(……)
BB(後半の分断も終了。ホール完全に孤立)
BB(分断の向こう側をジャックさんに任せ、エリザさんがこちらに来ます)
マシュ(……!)
443 = 1 :
エリザside
エリザ「相変わらずこういうときにアンタの霧は便利ねー」
ジャック「あんまり休日にこの霧は使いたくないんだけどねー。曲がりなりにも宝具だから」
ジャック「出来る限りさっきのガス爆発みたいに安く済ませたかったんだけどー!」
エリザ(もう霧の向こう側に隠れてジャックの姿がまったく見えないわ)
ジャック「じゃあこっちの人たちは死なない程度に解体するから、エリザは先行ってていいよー!」
エリザ「はーい。裏方は任せたわよー!」
エリザ「……さて、行きましょうか」
エリザ「……茨木、いい子でお留守番してるといいのだけど」ニヤァ
444 = 1 :
エリザ「……どういうふうに登場しようかしら。やっぱりBGMは必須よねー」
エリザ「アカペラで納得してくれるといいのだけど」
ジリリリリリリンッ!
エリザ「ん? 公衆電話がひとりでに鳴り始めたわ」
エリザ「このタイミングだと、アレよね。やっぱり」ガチャリンコ
BB『絶対に! ぜーーーったいにやめてください! 本当に!』
エリザ「……」
ガチャリンコ
エリザ「興が削がれちゃったわ。この方法での登場はまた今度にしましょう」スタスタ
445 = 1 :
ジャック「さてと。それじゃあ楽しい楽しいお片付けの時間だね」
ジャック「えーっと、確かデオンに言われたな……どこを切り落とせばいいんだっけ……」
ジャック「あ、思い出した! 銃が使えなくなるから人差し指だけでOKなんだよね!」
ジャック「どんどん狩ってこー! おかあさんがいないから、ある程度は好きにやっていいって言ってたし」
ぐだ男「ほう」
ジャック「……」
ジャック「えっ」
デオン「ジャック。すまない。本当にすまない。こんなタイミングに合流させてしまって」
トルフォ「……ジャック・ザ・リッパー……どこかで会ったことあったっけな……?」
トルフォ「ま、いいや。オイタはそこまでだよ」
ぐだ男「ジャック。霧を解除。頼む」
ジャック「うん」
フッ
ぐだ男「お前も血塗れかよ……」
ジャック「え? 血? なんのこと? これ全部イチゴシロップだよ。かき氷を浴びるように食べたから」ケロリ
ぐだ男「頼むから嘘を吐かないでくれ」
ジャック「ごめんなさい」
446 = 1 :
続きは明日!
447 :
焦らすなー乙
448 :
ぐだ男「……ハンカチじゃ足りないな。全然」ヌグイヌグイ
ジャック「きゃはは。くすぐったーい」
ぐだ男「なー。ジャック。俺がいない間、誰も殺さなかったよな?」
ジャック「うん。それはもちろん。だっておかあさん言ってたでしょ」
ジャック「グロいのは苦手って」
BB『え。そんな理由?』
ぐだ男「もうちょいゴチャっとした理由あるけどわざわざ人に言う話じゃないかなって」
ぐだ男「俺自身のこだわり的なアレだし」
BB『ふーん』
ぐだ男「さて。ジャック。エリザと別れたのはいつだ?」
ジャック「うーんとね、十分前くらい」
ぐだ男「やっと先回りできそうだな。アイツの性格なら返り血をそのままにして大一番に臨むわけがない」
449 = 1 :
ぐだ男「……っていうかここにジャックいるじゃん! ジャックに俺の言葉を伝言してもらえばそれで全部解決だ!」
ジャック「あー。それなんだけどね? 私たち、まだ残飯処理が終わってないから先に行けないよ」
ジャック「なんか『死ねない程度に解体』したら……」
ジャック「……」
ジャック「『死なない程度に解体』したら生き残った人たちが全員隠れちゃって」
ぐだ男「訂正すんな。多分最初に言ったヤツが正しいんだろ」
トルフォ「この子完全に病気じゃん」
デオン「お前はもう少し発言に気を付けろ」
トルフォ「おっと。ごめんごめん」
ぐだ男「……わかった。ジャックはできるだけ早めに終わるよう、かつ後遺症がそこまで残らない程度に続けていてくれ」
ジャック「はーい!」
ぐだ男「じゃあデオン! 先に行ってジャックの代わりにエリザに伝言だ!」
ぐだ男「これで最悪の事態は避けることができるはず!」
デオン「了解した。じゃあ超特急で行くよ!」ギュンッ
ぐだ男「やっぱり最優のセイバークラスだな。俊敏はアサシンに譲るが、このまま行けばエリザを止められる!」
BB(……と、困るのでちょっと足止め)ポチッ
ドカァァァァァァンッ!
デオン「ぐああああああああああああ!?」ガラガラガラ!
BB『おや。謎の爆発が起こってデオンさんが瓦礫の下敷きに』
ぐだ男「デオーーーーンッ!」ガビーンッ!
450 = 1 :
ぐだ男「……BB。一つ聞きたい」
BB『はい? なんです?』
ぐだ男「なんで今のが爆発だと思った? 大きな音が響いただけで爆炎は見えなかったぞ?」
BB『……』
BB『……さあ。先に進みましょう、センパイ。今行けばまだ間に合いますよ?』クスクス
ぐだ男「お前、やっぱり何か企んでやがるな?」
BB『否定はしませんが、マスターに誓って、あなたに不利益な行動は取っていませんよ』
ぐだ男「有難迷惑って知ってるか?」
トルフォ(ふむ……振り回されがちだけど、裏切りとは無縁に見えるな)
トルフォ(面白い。本当に面白いマスターだ……)
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