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    元スレぐだ男「おうち帰る」 マシュ「は?」

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    251 = 1 :

    マシュBB「……いや。対抗策はまだ残されてますね」

    デオン「アンプル以外でか?」

    マシュBB「歌姫の方をどうにもできないのなら、干渉できる場所は限られるでしょう?」

    ジャック「……ああ、なるほどね」

    茨木「舞台か」

    マシュBB「ピンポーン!」

    デオン「できるのか?」

    マシュBB「この大都市全域を停電させたら、流石にカルデアからの粛清は免れないでしょうから……」

    マシュBB「それ以外の方法でカラオケボックスを潰す方法は……」

    マシュBB「いえ、違いますね。舞台をぶっ潰すのではなく、歌姫を舞台に行かせない方向で考えるべきです」

    デオン「……どうやら考え付いたようだな。認めたくないが、お前の頭脳に関しては信頼している」

    マシュBB「あはっ! もっと素直に褒め称えてくださいよー!」

    マシュBB「……さて。やりますか」ニヤァ

    252 = 1 :

    ぐだ男の家

    ぐだ「ただいまー!」

    「あら。お帰りなさい。昨日はお楽しみでしたね?」

    ぐだ「冗談でも息子に向かって言うセリフじゃないィ!」ガビーンッ

    「……で。そちらの子は?」

    エリザ「お初にお目にかかります。エリザベート・バートリーと申しますわ」ペコリ

    ぐだ「え」

    エリザ「今日は彼の誘いに甘え、こうして付いてきた次第です」

    エリザ「この国には来たばかりで、右も左もわからない小娘ですが、どうかよろしくお願いいたします」ニコリ

    ぐだ「……!?」

    ぐだ「あっ」

    ぐだ(そういえばコイツ、忘れがちだけど貴族だった!)ガビーンッ!

    「あらあらまあまあ……」

    「随分と上品な子ね」

    ぐだ(エリザのことを評しているとは思えないような言葉が出てきた!)

    253 = 1 :

    「……」

    「その角と尻尾は?」

    エリザ「あっ」

    ぐだ「まあそうなるよね! そこ気になるよね!」

    エリザ「ど、どうしよう子イヌ! せっかくキメたのに早速化けの皮が剥がれちゃう!」アタフタ

    ぐだ「あー……」

    ぐだ「別にいいんじゃないか? 外行きの態度で固める必要はないって」

    エリザ「むいー……!」

    ぐだ(演技でできるレベルを遥かに超えていたけどな)

    ぐだ(やっぱコイツ、お嬢様なんだなぁ……)

    254 = 1 :

    ぐだ(さてと。家まで来たのはいいが……果たしてコイツの興味を引くものを俺は用意できるだろうか)

    ぐだ(ゲームか? 小説か? いや……どれも効果は微妙だな)

    ぐだ(音楽ならコイツの興味を引けるだろうが、余計にカラオケに行きたいとか言い出しかねないしな)

    ぐだ(どうする!)ギンッ

    「……この尻尾、本物?」

    エリザ「お母さまなら触ってもいいけど……?」ブンッブンッ

    ぐだ(隙を見てBBに電話……携帯はジャックに壊されたので固定電話限定だが……)

    ぐだ(歌姫の方をどうにかすることはほぼ不可能だろうから、舞台の方をどうにかしてほしいが)

    ぐだ(いや、アイツならそんな生易しいことは考えないか。やるとしたらそう)


    ドカァァァァンッ!


    エリザ「きゃっ」

    「え? 爆音?」

    ぐだ(階段とエレベーターの両方を爆破して俺たちを家に孤立させるとか……)

    ぐだ「……」

    ぐだ「手ェ早ッ!」ガビーンッ!

    255 = 1 :

    マシュBB「そう! センパイの家はマンションの一番上! その端!」

    マシュBB「つまりエレベーターと階段の両方を潰してしまえば……」

    デオン「マスターは下に降りられない。家の中で孤立する」

    マシュBB「あーっはっはっは! まあサーヴァントなら下に降りられるでしょうが?」

    マシュBB「旅行サーヴァントは原則、目立つことはしないんですよ! できないんですよ!」

    マシュBB「だってそもそも申請も許可も偽造ですからねぇ! そこを突かれないためには大人しくするしかない!」

    茨木「そこをエリザが忘れていたら?」

    マシュBB「私たちの詰みです!」

    デオン「ひいてはBBの罪だな」

    ジャック「さよならBB。いなくなったらすぐに忘れたいサーヴァント選手権第一位だったよ」

    茨木「吾らは汝の勇姿をやはりすぐに忘れたい」

    マシュBB「……」

    マシュBB「びえええええええええええんっ!」ダバーッ!

    デオン「あ、ついに泣いた」

    マシュ「……嘘泣きじゃないですね。肉体の主導権私に渡して、本当に引っ込んでしまいました」ポロポロ

    ジャック「まだ涙止まってないけど?」

    マシュ「嘘泣きじゃないですから……流石にみなさんイジメすぎです……」

    256 = 1 :

    BBの日記
    みんな酷いです。本当に酷いです。私はただみなさんが面白おかしく無様に足掻いている姿を見ていたいだけなのに。
    手足をもがれた虫のように無意味にグネグネしている様を見ていたいだけなのに。

    何故理解してくれないのでしょうか。利害は一致しているのに。

    ……ん? よく考えたらこちらの自業自得でした! ヤッホーーーウ!
    さて。あとはエリザさんの知能にかけるしかないですね。私たちの目論見通りに行ってくれれば、あとは何も問題はありません。

    あ、そうだ。また巌窟王さんの学級日誌が届いたんでした。
    ついでに巌窟王さんが撮ったらしき写真も数点。卒業アルバムに備えろ、というメモ書きも。

    ……は!? まさか私に作れと!? 流石にそこまでやれないです! こっちも忙しいですし!

    写真のデータをコピって送り返しましょう。えいっ。

    257 = 1 :

    休憩します!

    258 = 1 :

    虚構殺人遊戯 才囚学園

    巌窟王「……なんということだ……卒アルの編集の当てが外れた……」

    巌窟王「アンジーと俺でやれるだろうか……」

    巌窟王「……」

    巌窟王「クハハ! 考えていても仕方ない、か。待て、しかして希望せよ、だ!」ギンッ

    巌窟王「ひとまずアンジーにこのことを知らせないとだな……」

    巌窟王「アイツはまた自分の研究教室に引っ込んでいるのだろうか」スタスタ



    五分後

    巌窟王「……やめろと言ったのだが、やはり俺の似姿のろう人形を作っていたか」

    巌窟王「しかしいないな。どこに行った?」

    ???「チッ。ここはダメか」

    巌窟王「……今、誰かいたか?」

    巌窟王「……」

    巌窟王「何故だ? 胸騒ぎがする……」

    259 = 1 :

    ぐだ「……なんでだろう。俺自身にはまったく危機は迫ってないはずなのに、胸がゾワゾワする」

    エリザ「カルデアにいるサーヴァントが何か危機的な目にでも遭ってるんじゃない?」

    エリザ「今は関係ないわよ。休日だし」

    ぐだ「そう、だな。俺にはどうにもできないか……」

    エリザ「あーあ。カラオケ行きたかったのに」

    「エレベーターと階段が同時に壊れるなんて、こんな偶然あるのねぇ」

    エリザ「ねぇ?」

    ぐだ(絶対に偶然じゃない)

    ぐだ(……)

    ぐだ「あ。そういえば母さん。食糧は大丈夫?」

    「缶詰めと米くらいならあるわよ」

    ぐだ「そっか……じゃあ一応大丈夫かな」

    エリザ「缶詰め……あれ美味しいわよね。割と」

    ぐだ(意外とエリザの機嫌もいいし……)

    260 = 1 :

    ぐだ「メシの加工と盛り付けくらいは俺がやるよ。母さんまだ二日酔い抜けきってないでしょ」

    「普段はあんなに飲まないのに、なんであんなにあおったのかしら?」

    ぐだ(つくづくごめんなさい)

    エリザ「あっ! 料理なら私も得意だけど?」

    ぐだ「お前は絶対に台所に入るな」

    エリザ「」

    ぐだ「俺だってまだ死にたくない」

    エリザ「栄養はちゃんと考えてるのに……」エグエグ

    ぐだ「味を考えろ! 味を!」

    エリザ「パラケルススみたいな味は整ってるけどそれ以外が意味不明なかき氷よりマシじゃない!?」

    ぐだ「どっちもどっちだッ!」

    261 = 1 :

    「……ふふっ。仲がいいのね」

    エリザ「あっ」

    エリザ「……」カァァ

    ぐだ「恥ずかしがらなくていい。大体のことは許せる人だから」

    エリザ「もうちょっとしおらしくしていようって思ってたのよ……」

    エリザ「……いいふうに見られたいって思って当然でしょ?」

    ぐだ「……」

    ぐだ「そうだな。俺もそうかも」

    エリザ「え」

    ぐだ「俺の家にお前を呼んでさ。俺のテリトリーでもてなしてさ」

    ぐだ「……お前に笑って欲しいって思ってるよ」

    エリザ「……」

    エリザ「はっずいわね。お互いに。顔から火が出そう」カァァ

    ぐだ「俺もだ」

    (初孫は近いわねー)

    262 = 1 :

    prrrr

    ぐだ「……このタイミングでの電話……」

    「はいはい、今行きますよーっと」

    ぐだ「いい! 多分俺あてのヤツだから!」


    ガチャリンコ


    マシュBB『私が来た!』

    ぐだ「やっぱりな」

    マシュBB『話が早いですね。ひとまず言いたいことが一つ』

    マシュBB『エレベーターの方は一日で修理が終了する程度の損傷しか与えてないので、頑張って!』

    ぐだ「……」

    マシュBB『今夜はお楽しみですね?』

    ぐだ「……」

    マシュBB『……電話越しで無言の圧を放つの、やめてくれません?』

    ぐだ「ロクでもないこと考えさせたらお前の右に出るヤツはいないよ」

    ぐだ「悪の素質がないだけ新宿のアーチャーよかマシだけどさぁ」

    マシュBB『そうだ。やっと伝える機会が来たので教えておきますね』

    マシュBB『あのチャフの散布装置、ちょっとした仕掛けが施されてます』

    ぐだ「仕掛け?」

    マシュBB『あれをエリザさんが使うと、エリザさんは人間化した上に声が出なくなります。使うかどうかは任せますが』

    ぐだ「……もう使わないでいいだろ」

    マシュBB『芽はおおよそ摘みましたが、念のためです。それでは』

    ぐだ「ああ。じゃあな」

    263 = 1 :

    そろそろ寝ます!

    264 :

    マシュ(……BBさんはいつの間にかカルデアにいた謎のサーヴァントですが)

    マシュ(先輩とは仲がいいですよね)

    BB(ま、色々とあったんですよー。さっきも言いましたけど好きな人は別にいますんで、そう心配しなくても大丈夫です)

    BB(恋人? 思い人? そういうのとは無縁ですね)

    BB(強いて言うならモルモットと美人研究員。どんなに良く言っても利害の一致に伴った相棒?)

    マシュ(……良く言い過ぎです)

    BB(面倒くせぇー……相棒でもアウトなんですか……)

    BB(私がセンパイにベタベタするのがイヤなら、先回りしてあなたがベタベタしてればいいのに)

    マシュ(いや、それは……)

    BB(変な遠慮や臆病が産むものなんて、非生産的なものばかりですよ。私とか)

    マシュ(……?)

    265 = 1 :

    BB(そういえば、どうするんです?)

    マシュ(どうするとは?)

    BB(もう残ったサーヴァントはあなただけですけど。センパイとの同行サーヴァント)

    マシュ(……)

    マシュ(……ハッ!?)ガビーンッ

    BB(え。今気づいた?)

    マシュ(ど、ど、どうしましょう……何かお土産とか買った方がいいのでしょうか。あわわ)

    BB(あははっ! 面白いほど狼狽してますねぇ!)

    BB(あはははははははは……)

    BB(あー、もう! 世話焼けるなぁ!)

    266 = 1 :

    エリザ「缶詰めも、ちょっと調理すれば結構バケるものねー。おいしかったわよ?」

    ぐだ「エミヤならもうちょっと上手くやれたんだろうけどなぁ」

    エリザ「贅沢は言わないわ。今は、だけど」

    ぐだ「助かる」

    「お風呂が沸いたわよー」

    ぐだ「……先に行っていいぞ」

    エリザ「じゃあ遠慮なく……」

    エリザ「……」

    エリザ「……好みの子がいれば『入浴剤』にしたのに」

    ぐだ「忘れたころにぶっこんでくるのやめろ!」

    267 = 1 :

    「……」

    「セアカサラマンダーは浮気を許さない爬虫類だそうよ?」

    ぐだ「突然なに!?」ガビーンッ

    ぐだ「……あとセアカサラマンダーはトカゲっぽいけど両生類だよ!」

    「あなたの部屋、そういえば音は漏れないような作りだったわね」

    ぐだ「余計な気を回さなくていいから!」



    風呂場

    エリザ「……そういえばネロとかあの発情狐とか、マスターと一緒に風呂入ったとか言ってたわね」

    エリザ「どうせなら私も一緒に……」

    エリザ「……恥ずかしすぎて死んじゃいそうだからパスね」

    268 = 1 :

    茨木「なんだ。ジャックのときよりも平和ではないか」

    デオン「流石にアイツもやることなすこと先回りされたら仕方あるまいさ」

    ジャック「好みの女の子もいないみたいだしねー」

    茨木「……そういえば、今更気にすることでもないかもだが」

    茨木「吾の場合の対抗策はどのようなものだったのだ?」

    ジャック「神便鬼毒酒だったよ。ジュースみたいな缶に入れてた」

    マシュBB「冷蔵庫に入れなくっても常にキンキンに冷える、ちょっとした謎技術も使ってました」

    茨木「ん? 待て。酒呑が神便鬼毒酒を他の誰かに振る舞うことなぞ」

    マシュBB「もちろんありえませんでしたよ。なので臭気から成分をできる限り分析して模倣した神便鬼毒酒レプリカです」

    マシュBB「酒呑さんに味見させてみたら『流石に味は数段劣るけど、これと言って何が悪いって点もあらへんなぁ』と笑ってましたよ」

    マシュBB「安酒らしい味わいだー、とか言って」

    ジャック「……ん? 待って。茨木。知らなかったの?」

    茨木「なに?」

    ジャック「だって、チャフだけじゃなくって新便鬼毒酒レプリカも無くなってたんだよ?」

    ジャック「私たちはお酒を飲まないし、デオンも安酒には興味ないだろうし……マシュは?」

    マシュBB「知らないって言ってますけど」

    デオン「……ジュースみたいな缶に入れていた、と言っていたな?」

    茨木「冷蔵庫に入れなくともキンキンに冷えていたんだったか?」

    全員「……」



    マシュBB「ま、まさかですよね?」

    269 = 1 :

    休憩します!

    270 = 1 :

    ぐだ「……女性の風呂って長いんだよなー」

    ぐだ(エリザに関しては角とか尻尾とか長い髪とか、洗わなきゃいけないポイントが大量にあるから更に)

    ぐだ「暇だ……そして今度こそ平和だ……」

    prrrrr!

    ぐだ「電話?」


    ガチャリンコ


    マシュBB『センパイ! 多分まだ間に合います!』

    ぐだ「一体どうした?」

    マシュBB『これは詳細を省くが、結論を言うとセンパイは死にます』

    ぐだ「一体どうした!?」ガビーンッ!

    マシュBB『エリザさん、着替えと一緒に何か缶のようなものを持っていきませんでしたか!?』

    ぐだ「……」

    ぐだ「なあ。前々から薄々感付いてたけど、やっぱりお前監視してるだろ」

    マシュBB『……』

    マシュBB『……バトンタッチ』

    ぐだ「あ?」

    マシュ『……ハッ! えっ!? BBさん!?』

    ぐだ「BBはお前……いや、違うな。お前マシュか! 紛らわしい!」

    マシュ『BBさんは引っ込んでしまいました。ああもう、都合が悪くなった途端に!』

    271 = 1 :

    マシュ『さっき発覚したことなのですが、おそらくエリザさんはジュースと間違えて缶に入った神便鬼毒酒を持って行ってます!』

    ぐだ「マジで?」

    マシュ『もしも! もしアレをエリザさんが飲んだら、悪酔い必至です! 今までの工作が全部パァです!』

    マシュ『なんとしてでも飲まれる前に取り上げてください!』

    ぐだ「取り上げろって言ったって……どこにあるんだ?」

    マシュ『どんな状況でもキンキンに冷える特殊加工がされているということなので、おそらくエリザさんはそれを……』

    ぐだ「ああ、わかった。風呂上りの冷たいジュースは美味しいもんなぁ」

    ぐだ「時間が惜しい。色々言いたいことはあるが、また後で、だ」

    マシュ『御武運を! 先輩!』

    272 = 1 :

    エリザ「ふぅー。いいお湯だったわ。ちょっと長風呂になっちゃったけど」

    エリザ「でも備えあれば嬉しいのよ! キチンと水分は持ってきているわ!」

    エリザ「まったくもう。BBはジャックばかり贔屓しすぎなのよ。私のことも少しは労ってよね」

    エリザ「オヤジ臭い趣向だけど、誰も見ていないし。さあ今こそ……」グッ


    バターンッ!


    ぐだ「エリザァ! それを飲むなーーー!」

    エリザ「……」

    エリザ「……えっ」

    ぐだ「ぎ、ギリギリだったか! まあいい! とにかくそれをこっちによこせェ!」ダッ

    エリザ「あ、ちょっ、やめ……これ私の……」ヒョイッ

    ぐだ「いいから!」スカッ

    エリザ「良くないわよ! ていうか私、バスタオル一枚なんだけど! やめ……!」ヒョイッ

    ぐだ「ここまで来てー! BBたちの工作を台無しにするわけにはいかないんだよォ!」スカッ

    ぐだ「生きるためにだ!」

    ぐだ「うおおおおおおおおおおお!」

    エリザ「きゃっ」


    ハラリッ

    ドターンッ!

    273 = 1 :

    ぐだ「……掴んだ! 回収成功! SCP財団でもやっていけるんじゃないか、俺は!」

    エリザ「……あ、あう……!」カァァ

    ぐだ「お?」

    ぐだ「……」

    ぐだ(全裸のエリザを組み敷いている)

    ぐだ(誰が?)

    ぐだ(……俺だ!)ガビーンッ!

    エリザ「……い、イヤァ……心の準備が……まだなのにィ……!」エグッ

    ぐだ「前々から気になってたんだけど、お前確か結婚したの十五歳だよな? 男慣れしてなさすぎじゃないか?」

    エリザ「い、今の私は十四歳よぅ……!」

    ぐだ(いけない。混乱しすぎて変なこと口走った! あわわわわ!)

    274 = 1 :

    エリザ「うう……で、でも……男はみんな狼なんですものね……」

    ぐだ「えっ」

    エリザ「……いいわよ、来ても……怪物を殺すのはいつだって人間でしょ……?」

    ぐだ「えっ。えっ」

    エリザ「……茨木がアンタにしたみたいに、私のことも食べてもいいわよ?」

    ぐだ「エリザさぁん!? 決意固めるの早すぎじゃない!?」ガビーンッ

    ぐだ「なんでこういうときだけ諦め早いんだ!」

    エリザ「……興味ないの?」

    ぐだ「……」

    ぐだ(今それを考えたくはなかった! 白い肌! 上下する胸! どこからどこまで柔らかそうなカラダ)

    ぐだ(そう! うっかり手元に飛び込んでしまったこのチャンス! 無駄にするにはあまりにも惜しい!)

    ぐだ(普段は高圧的で嗜虐的な性格が先行してて絶対考えることはないが、コイツ一応美少女なんだよなぁ!?)

    ぐだ(そうだ……このチャンスを拒むのに必要なのは鉄の心……!)



    エミヤオルタ『――ついて来れるか』

    ぐだ「……」

    エミヤオルタ『……』

    エミヤオルタ『ん? おい。おい。返事をしろ。ついてくるんだよな? ついて来れるんだろう?』アタフタ

    ぐだ(うおおおおお! 当然だ! 俺は……俺は……!)ガタガタ!

    275 = 1 :

    エリザ「……それとも……私に魅力はない?」スッ

    ぐだ(葛藤している内に、組み敷かれているエリザに空いている右手を握られた)

    ぐだ(空白に等しい脳内に、それを拒む余剰などあるわけもなく、エリザに導かれるままに移動したそれは――)

    エリザ「……ちょっとはあるわよ」


    ムニュ


    ぐだ「――」

    ぐだ(しっとりと濡れた胸へと置かれた)

    ぐだ(決して大きくはない。だが、触れた先からくっついて、少しずつ沈み込んでいくようで――)

    エリザ「っ」

    ぐだ「あ、ごめん。痛かった?」

    エリザ「……別に、いい……」プイッ

    ぐだ「……」

    ぐだ(俺はどうしたらいい!? 答えろ! 答えてみろ! 俺の脳内のエミヤオルタ!)


    ダァンッ


    エミヤオルタ『もう知らん。理性だけは殺してやったからありがたく思え』スタスタスタ

    ぐだ(エミヤオルタ貴様ァァァァァァァ!)ガビーンッ!

    276 = 1 :

    プッツーン!

    ぐだ(き、切れた……俺の中で何かが切れた。決定的な何かが……)

    ぐだ「エリザ……」

    エリザ「んっ……!」



    「さっきドタバタ音がしたけど、大丈夫ー?」ヒョコッ

    二人「あっ」

    「……」

    「……ごめんなさい」シュンッ

    ぐだ「いや、いいんだよ! 助かったよ! なんかクールダウンした一瞬で!」

    エリザ「で、出てって! 今更さけど凄く恥ずかしくなってきたから!」アワアワ

    ぐだ「うん、ごめん! 本っ当ごめん!」バッ

    「初孫チャレンジ失敗」ボソッ

    ぐだ「今なんて言った!?」ガビーンッ!

    277 = 1 :

    休憩します!

    278 = 1 :

    ホテル

    マシュBB「風呂場周辺にカメラ取り付けてなかったの痛かったなぁ」

    茨木「まあ絶対に面白いことにはなっておっただろうな」

    茨木「……ふむ。神便鬼毒酒レプリカは回収終了か」

    茨木「吾の嫌いなものは毒入りの酒だぞ? あんな胸糞悪いものを用意して……いい度胸よな?」

    マシュBB「胸の大きさなら自信があります!」

    マシュBB「……」

    マシュBB「……今はマシュさんの体ですけど!」

    デオン「マシュだってそれなりにあるぞ」

    ジャック「これで今度こそトラブルの種は消えたかなぁ」

    マシュBB「……まさかエリザさんが神便鬼毒酒を持っていったことについて、私に怒る気はないですよね?」

    マシュBB「ジャックさんの荷物を勝手に漁ったのはエリザさんですよ?」

    マシュBB「そもそもジャックさんにそんな物を持たせたお前が悪い、という反論も筋違いです」

    マシュBB「この旅行に乗ったのはあなたたちですしね」

    デオン「……そうだな。私たちが全員悪い。だが」

    茨木「必死よな。そこまで吾たちに怒られるのがイヤか?」

    マシュBB「精神的な耐久度そろそろ残ってないんですよ」

    ジャック「結構メンタル弱いよねー。変なところで強靭なのに」

    マシュBB「さて。じゃあそろそろ寝る時間ですかね。まあエリザさんのこと、布団は別々に注文するでしょうが」

    279 = 1 :

    エリザ「……」

    エリザ「一緒の布団で寝たい」

    ぐだ「意外な提案だな」

    エリザ「……ダメ?」

    ぐだ「俺はいいよ。でもお前、さっきあんなことがあった後で」

    エリザ「お願いだから決心鈍るようなことを、これ以上言わないでよ……」

    ぐだ「……」

    エリザ「……わかるでしょ?」カァァ

    ぐだ「……」ダラダラダラ

    280 = 1 :

    マシュ「わかりません。わかりませんッ! 何一つとして!」ズガァァァンッ!

    茨木「ぎゃあっ!? 突然出てきおったな!?」

    マシュ「こ、こんな……お母さまが同じ屋根の下にいるのに、そんな……!」

    マシュ「先輩! まさかこんな提案に乗ったりはしないですよね!?」

    マシュ「色々な意味で危険すぎます!」

    バチバチッ

    マシュ「ぐっ」

    マシュBB「……ビックリしたぁ。いきなり肉体の主導権を強奪されました」

    デオン「奪還の間違いだ外道」

    ジャック「私たちだけなら、それっぽいことをする前に二人を二度とくっつかないように解体できるけど?」

    デオン「アナスイ感あふれる解決方法はやめろ」

    デオン「止める権利は私たちにはない。ただ……」

    茨木「ただ?」

    デオン「……エリザ一人を抱くのなら、私も相手をしてもらわないと不公平だなぁ?」ニヤァァ

    茨木「汝は鬼か?」

    ジャック「本物の鬼に言われるあたり色々終わってるよね」

    デオン「うるさいぞ」

    281 = 1 :

    ぐだ(考えろ……今のエリザはBBたちの妨害工作によって徹底的に牙と翼を折られた無垢な子竜だ)

    ぐだ(抱こうと思えば抱ける。特に拒絶はされないだろう)

    ぐだ(……というかあまりにも魅力的すぎて多少のデメリットは目を瞑ってもいいくらいだが……)

    ぐだ「……」

    エリザ「……」カタカタ

    ぐだ「……はあ」

    ぐだ「やめよ。流石に震えてる女の子襲うほど狼になれないよ」

    エリザ「……ヘタレ」

    ぐだ「お互い様だ。ほら、布団は二枚敷くぞ」バサッ

    エリザ「……怖いのは確かにそうだけど」

    エリザ「ちょっとくらいのリスクなら目を瞑ってもよかったわ」

    ぐだ「……やっぱりサーヴァントとマスターって似るのかな。俺も似たようなこと考えてたよ」

    282 = 1 :

    エリザ「……布団、くっつけて」

    ぐだ「あいあい。電気消すぞー」

    パチンッ

    エリザ「うん。あのね、マスター」

    ぐだ「なんだ?」

    エリザ「……寝ている間、手を握ってるくらいはいいでしょ?」

    ぐだ「それくらいならお安い御用だな。ほら」

    エリザ「……ん」キュッ

    エリザ「え、へへ……あったかい」

    エリザ「……寒くなったらくっついてもいいでしょ?」

    ぐだ「それは」

    エリザ「勘違いしないで。くっつくだけよ」

    ぐだ「……勝手にすればいいんじゃないか?」

    エリザ「ありがと……」

    エリザ「……なんでかしら。カラオケにも、スイーツビュッフェにも行ったわけじゃないのに」

    エリザ「本当、なんでもないことしかしてないのに。凄く幸せだわ」

    ぐだ「……それはよかった」

    283 = 1 :

    エリザ(……まあそれはそれとして、頭痛は酷いわね)

    エリザ(コイツ、人が好すぎるわ。竜の娘と同じ部屋で寝るなんて)

    エリザ(……ふ、ふふっ。寝ている間に拘束することなんて私には簡単よ)

    エリザ(延長コード。ガムテープ。服。無意味に置いてあるダンベル。その他様々なもので雁字搦めに縛り上げることは簡単よ)

    エリザ(BBは私の槍以外のすべてを拷問器具を奪ったつもりでしょうけど、拷問なんて身の回りのもので簡単に済ませられるわ!)

    エリザ(指一本を噛み千切ってやろうかしら……腕一本をへし折ってやろうかしら……両目を抉って飴玉みたいに舐めてみたいわ!)ゾクゾクッ

    エリザ(とっても頭が痛いの。それくらいなら許してくれるでしょう?)

    ぐだ「エリザ」

    エリザ「んっ? なに?」

    ぐだ「俺も幸せだよ」

    エリザ「……」

    ぐだ「いや、まあ、それだけだ。うん。もう寝よう?」

    エリザ「……」

    エリザ(また今度にしましょう)

    284 = 1 :

    茨木「……特に何も起こってないようだな?」

    デオン「チッ」

    ジャック「白百合の騎士が聞いて呆れるなぁ」

    マシュBB「消化不良なら私と賭けチェスでもします?」

    デオン「やめておく」

    マシュBB「おや。生前ではかなりやったものだと聞いていましたが?」

    デオン「流石にカモる相手くらいは選ぶさ」

    茨木「というかデオン。生前そんなくだらないことやってたのか」

    デオン「略奪よりは幾分かマシだと思うが?」

    ジャック「どっちもどっちだよー」

    マシュBB「……さてと。それじゃあ明日は……」

    デオン「マシュの番だが……まさか貴様まで行くとは言わないだろう?」

    マシュBB「一人じゃ心細いんですって」

    茨木「本当にそう言っているのだとしたら魔酒よ。頼る相手を致命的に間違っておるぞ」

    ジャック「ウサギの足に願掛けした方が千倍生産的なのに」

    マシュBB「み、見返してやるぅ……!」ワナワナ

    285 = 1 :

    続きは明日!

    286 :

    おつ

    287 :

    虚構殺人遊戯 才囚学園

    赤松(巌窟王さんが私たちを守ってくれたおかげで、この極限の状況下においても私たちは正気を保っていられた)

    赤松(きっと頑張れば全員で脱出できるはず……そう思った矢先だった)

    赤松(アンジーさんの殺人未遂事件が起こったのは)

    赤松(第一発見者は巌窟王さんと、それに同行していた最原くん)

    赤松(現場は三階の空き部屋三つの中の、真ん中の部屋。その床下)

    赤松(アンジーさんは何故か泥酔した状態で、荒縄で雁字搦めに縛り上げられ、無抵抗に医療用ヒルの群れに血を吸われていた)

    赤松(助け出されたアンジーさんは尚も意識不明。生死の境をさまよっている)

    赤松(こんな惨い殺し方でアンジーさんを葬ろうとした人が……私たち十六人の中にいる……?)

    モノクマ「犯人を議論したいのなら裁判場を貸してあげてもいいよ! 面白いしね、うぷぷ!」

    赤松(そして始まった……命はかかってないけど、緊張感だけは本物の、疑似学級裁判が)

    288 = 1 :

    王馬「いや議論するまでもないだろ! こんなグロい殺し方でアンジーちゃんを殺そうとするのは……!」

    王馬「超高校級の昆虫博士の獄原ゴン太しかいねぇーだろうがよォーーー!」ズバァァァンッ!

    獄原「ち、違うよ! ゴン太は虫さんに人殺しをさせたりしないんだッ!」アタフタ

    春川「でも現実に、あの医療用ヒルは獄原の研究教室で育てられていたヤツだよね?」

    獄原「う、うん。そうだけど。でもそもそも、ゴン太の研究教室にいたヒルさんを全員かき集めたとしても」

    獄原「あんな……人一人を殺せるような量の血を吸ったりできないんだよ!」

    東条「……確かに。獄原くんの研究教室にいたヒルだけで人を殺せるとは思えないわね」

    東条「体格の小さい星くんなら別だけど、今回襲われたのは夜長さんなのだし」

    最原「ゴン太くん。発想を変えてみよう。どうやったらあの数のヒルだけで人を殺せるようになるのか」

    獄原「い、イヤな発想の変え方だね……」

    最原「ごめん。でも超高校級の昆虫博士であるキミの力が必要なんだ」

    巌窟王「……例えば、だが。ヒルが飲んでいたアンジーの血液に何らかの『混ぜ物』がしてあったとしたら、どうだ?」

    最原(……混ぜ物……?)

    最原(いや、でも意外だな。生徒同士で争わせるのは理念に反するだろうに。巌窟王さんがヒントを与えるようなことを言うなんて)

    最原(……考えるのは後にしよう。ヒルにゴン太くんの想定以上の、それこそ人が死にかねない量の血を吸わせる方法……!)

    最原「アレしか考えられないよね。発見時のアンジーさんは何故か酷く酔っていて、酒臭かった」

    最原「……多分、ヒルを狂わせた元凶は『アンジーさんの血中アルコール濃度』……平たく言えば酒だよ」

    百田「さ、酒だぁ?」

    289 = 1 :

    獄原「あ、そっか。それならありえるよ」

    獄原「ヒルさんたちにとって、アルコールは麻薬に等しいからね。満腹中枢がおかしくなっちゃうんだ」

    獄原「もしも血を吸われている人の血中に、大量にアルコールがあったとしたら……」

    獄原「うん! あの数のヒルさんたちだけでも、一人を殺す程度なら充分足りると思うよ!」キラキラキラ

    王馬「空気読めよゴリラ! そんな誇らしげに言うな!」

    獄原「ご、ごめん」

    王馬「まあそれは置いといて……酒? 学園の中に酒なんてあったっけ?」

    最原「あったと思うよ。さっき『酒の持ち主本人』から教えられたから間違いない」

    東条「……私の研究教室の隠し扉の先よ。今まで言う機会がなかったけど、ワインセラーがあったの」

    天海「東条さんの?」

    東条「……でも私は犯人じゃないわよ」

    天海「さて、それを決めるのは、俺でもキミでもないっすけどね」

    東条「……」

    290 = 1 :

    茶柱「で、でも本当に、アンジーさんはお酒を飲んだっていうんですか?」

    春川「あるいは血中に直接注射された……とも考えられない?」

    巌窟王「いや……アンジーは間違いなく酒を口から飲んだはずだ」

    巌窟王「最原。その根拠、お前なら答えられるだろう?」

    最原「……」

    最原(なんだ? さっきからの巌窟王さんの態度。まるで僕を試しているような……?)

    最原「ええっと……うん。アンジーさんの口の中は、何かを無理やり突っ込まれたみたいに荒れ放題だったんだ」

    最原「多分だけど、あの荒縄で雁字搦めに縛り上げた後で、無理やり酒瓶を口の中に押し込まれたんだろうね」

    夢野「き、聞けば聞くほど、今回の犯人はエグすぎるぞ……!」ガタガタ

    キーボ「……そういえば、あのアンジーさんを縛り上げた荒縄。あれは真宮寺くんの研究教室にあったものでは?」

    宮寺「あ、本当だ。よく気づいたネ」

    百田「なんだ? 今回の犯人は、やたらあっちゃこっちゃから材料を調達してんな」

    春川「獄原の研究教室の医療用ヒル。東条の研究教室の酒。真宮寺の研究教室の荒縄……」

    春川「どれも鍵がかかってない研究教室だから、これで容疑者を限定するには弱すぎるけど」

    最原(無視するのは無理、っていう程度には気になるな……)

    最原(……ゴン太くん、東条さん、真宮寺くんの中に、犯人がいるのか……?)

    最原(アンジーさんを殺そうとした犯人が)

    291 = 1 :

    カルデア

    BB「おおー……気になる。先が気になりますよ、この展開……」

    BB「犯人は一体誰――」



    prrrrr!


    BB「っと、いいところなのに!」

    ガチャリンコ

    BB「はいはい! こちら可愛いBBちゃんです!」

    マシュ『あ、あの……さっきから肉体の主導権私に渡して、どこに行ったのかなって思って……』

    マシュ『心配になって電話したんですけれども……』

    BB「えっ」

    BB「……あっ! もう朝!? 嘘でしょお!?」ガビーンッ!

    BB「リアタイで見たかったのにいいい!」


    結局BBは今回も見逃した

    292 = 1 :

    ホテル

    マシュBB「あー……あーあーあー……」

    マシュBB「体がもう一つ欲しい」

    デオン「次にそんな悍ましいことを言ったら今すぐカルデアに戻って斬ってやるからな」ギリィッ

    茨木「万死に値する」

    ジャック「裸に剥いて雪山に放置したい……」

    マシュBB「そこまで言います!?」ガビーンッ!

    マシュ(犠牲は私一人で充分です)

    BB(マシュさんまで!)

    293 = 1 :

    マシュBB「さてと。じゃあ作戦会議でもしますか。しばらく二人で相談しますので、話しかけないでくださいねー」

    デオン「……余計な入れ知恵はするなよ、BB」

    マシュBB「変なことは言いませんよ。大胆なことは言うかもしれませんが?」ニヤァ

    茨木「デオン。次に、なんて悠長なことは言わずに今コイツを斬るべきでは?」

    デオン「マシュの名誉のためにも、いっそのこと体ごと殺るのも優しさか……」ギャランッ

    ジャック「マシュ……大好きだよ……!」エグッ

    マシュ「やめてください! 大丈夫ですから!」

    デオン「冗談は置いといて、そろそろエリザとマスターが起きる時間だな」

    茨木「監視再開だな」

    ジャック「わーい!」

    294 = 1 :

    休憩します!

    295 = 1 :

    旅行サーヴァント概評(BBちゃん独断と偏見込み)

    マシュ・キリエライト
    むかしの自分を見ているようでイライラする。
    私とセンパイがベタベタしているのを見てモヤッとした気持ちになるのは、まあ別にいいとして。
    泣き寝入り率がかなり高いのがネックすぎます。いい子ちゃんすぎてかなりつまらない子。
    ただ、こういう真面目な人ほど一旦坂を駆け下りれば止まらなくなるので、そこら辺だけは楽しみです。

    シュヴァリエ・デオン
    エリザさんの拷問癖、茨木さんの堪え性の無さ、ジャックさんのキレッキレな殺人癖。
    それらすべてを無表情で流して引っ張っていける強さを持っているのに、なんで私のことだけ見逃してくれないのか理解不能です。
    ジッサイコワイ。
    あの王妃がいない場所だと自分に甘く他人にももっと甘い、みたいなスタンスを取っているようです。
    私にも甘くしてもらえませんかね。

    エリザベート・バートリー
    私にとってはとても馴染みの深いサンシタその一。
    頭の中は糖度ガン上げのスイーツ系サーヴァント。
    デオンさんに並んだ古参のサーヴァントなので、バカっぽい言動の割に経験値はすさまじく高いです。
    皮肉なことに経験値の高さのせいで著しいテンションのカーミラ化が起きていますが、そこを指摘したらガチで殺されかねないので内緒です。

    茨木童子
    酒呑童子の腰巾着、あるいは金魚のフン。
    ひとまず甘いお菓子を与えておけば文句は言わないので、(使い勝手は)いい子。
    更に、このメンバーの中では意外なことに気遣いが一番できます。
    他のメンバーもこの子くらい頭スッカラカンならなぁ。

    ジャック・ザ・リッパー
    私がこの旅行に同行させたクレーバーサイコロリ。
    目的はサーヴァントたちが暴走したときに、その凄まじい俊敏でもって制圧すること。
    ……なのですが、うっかりしてました。この子自身も暴走率高いんです。
    一歩間違えたら大惨事でした。彼女のサイコ加減舐めてたなぁ。
    次はもう間違えません。

    296 = 1 :

    エリザ「……すかー……」スヤァ

    ぐだ「……」

    ぐだ(背中に思いっきりくっつかれてるぅー……)

    ぐだ(ほとんどないも同然だが、胸のあたりが柔らかくって気持ちいい)

    ぐだ(薄いけどないわけじゃないのだ!)

    ぐだ(とか言っている場合じゃないな。これは。どうしよう)

    ぐだ(エリザを起こさないように布団から出れるだろうか?)

    ぐだ(……)

    ぐだ「出来る。出来るのだ」

    ぐだ「ゆっくりそーっとそーっと」

    エリザ「ハッ」パチリ

    ぐだ「寝覚め良すぎ!」ガビーンッ!

    エリザ「……」

    エリザ「……おはよ」カァァ

    ぐだ(火竜じゃないはずなのに体温がめっちゃ上がってきた)

    ぐだ「あ、ああ。うん。おはよう」

    エリザ「昨日寒かったから、くっついたわ。いいって言ったでしょ?」

    ぐだ「……その……色々柔らかくって……落ち着かないんですが……」

    エリザ「サイッテー!」バシッ

    ぐだ「俺に当たるなよ!」

    297 = 1 :

    ぐだ「……朝になったな。確認するべきことは一つだ」

    エリザ「え? 何? 夢じゃないかどうかの確認? 拷問技術があるからすぐにできるけど?」

    ぐだ「ほっぺ抓る程度に留めておけよ。そうじゃなくって」

    ぐだ「エレベーター、そろそろ修理終わったかなって」

    エリザ「ああ……」

    エリザ「……あんまり長居すると里心付いちゃいそうだから、もう帰る準備するわね」

    ぐだ「了解。じゃあ俺はエレベーターの確認してくる」

    エリザ「修理できていたらさっさと帰るわ。お母さまに挨拶してからだけど」

    ぐだ「……」

    ぐだ「ところで里心って……お前、ホテルでも上手くやってるんだなぁ」

    エリザ「心外ね。あっちにいるサーヴァントたちはみんな仲間よ」

    ぐだ「BBもか?」

    エリザ「忌々しいけどね。腐れ縁よ」

    ぐだ「……そうか」

    298 = 1 :

    ホテル

    デオン「……ふむ。アイツ、身内には甘いな。ちょっと信用しすぎじゃないか?」

    ジャック「あー。普段は憎まれ口ばっかり叩いてるくせに、いざってときには一番最初に泣いちゃうからねー」

    ジャック「ほら、終局特異点でマシュが蒸発死したときもさ」

    デオン「懐かしいなぁ。確かにこっちまで胸が痛くなるくらい泣いてたなぁ」

    茨木「仲間のために泣けるのに、なんで他の人間に対しては……」

    デオン「ははは。茨木。そこまでだ」ニコニコ

    ジャック「多分その台詞はそれ以上言ったら私たち全員に刺さる。やめておこう?」ニコニコ

    茨木「都合の悪いところから目を逸らす天才だな汝ら」

    茨木「……む?」

    デオン「どうした?」

    茨木「BBとマシュはどうした?」

    デオン「……ッ!?」

    ジャック「あっ、いない」

    299 = 1 :

    デオン「……くそっ! やられた! BBにマシュを連れていかれた!」

    ジャック「やっぱり余計な入れ知恵される前に殺すべきだったねー? マシュごとでもいいからさ」ギャランッ

    茨木「よせよせ。流石にもう魔酒も成長したのだ」

    茨木「なんでもかんでも鵜呑みにするような子供ではない」

    デオン「確かにそうだが……」

    デオン「……」

    ジャック「カルデアにいるサーヴァントに連絡してBBを暗殺してもらう?」

    デオン「難しいな。私たちの申請と許可の偽造を担当しているのがそもそもBBだ」

    デオン「カルデアにそんな連絡を入れた途端に何をされるか……」

    茨木「静観しかあるまいよ。まあアイツも流石に限度は知っておろう」

    茨木「命懸けで悪ふざけをするというのなら、こちらも命を狙うが、それだけだ」

    デオン「……仕方ない。剣を向ける先がないのなら、な」

    ジャック「保留! だね!」

    300 = 1 :

    東京某所

    BB(ふっふっふー! これですよ、これ! 私が送ったプレゼントボックスの中には私の人格以外にも色々入ってたのです!)

    マシュ(な、な、ななな……)

    BB(大胆ベビードール、スケスケネグリジェ、甘々フリル付きブラ&パンツ……)

    BB(色々ッ! そう! 本っ当に色々と持ってきましたよ! あなたのために! あなたのために!)

    マシュ(恩着せがましい! 着ませんよ、こんなもの!)

    BB(ああっれー? 照れちゃってる系ー? マシュちゃんキャーワーイーイー!)

    マシュ(急にギャル調にキャラを変えないでください! 誤魔化せませんよ、そんなのでッ!)

    BB(……)

    BB(リスクなしにリターンは得られない)

    マシュ(は?)

    BB(ガッカリです。あなたはこれまでの特異点で、一体何を学んできたというのですか?)

    マシュ(!?!?)ガビーンッ!

    BB(様々な犠牲があったはずです。勝ち続けてきた以上、それは決して無駄な犠牲ではなかったはずですが)

    BB(散々打ちのめされてきたでしょう? そして、過程があるからこそ結果は実を結ぶということを知ったはずです)

    マシュ(……)

    BB(……欲しいんでしょう? というより、他の誰にも渡したくないんでしょう?)

    BB(センパイのこと)

    マシュ(それは……)

    BB(誤魔化す必要はないんですよぉ。このグレートデビルBBちゃんが、その願いを叶えてあげますからねー)

    マシュ(……それは……)

    マシュ(……)

    BB(ふふふー)ニヤァ


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