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    元スレぐだ男「おうち帰る」 マシュ「は?」

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    351 = 1 :

    マシュBB「……別にそれのために辛い闘いを耐えてきたわけじゃありません」

    マシュBB「あなたちは純粋に、生きたかっただけ! 最後の最後まで足掻いてただけ!」

    マシュBB「でも『あって当たり前のもの』を度外視していい理由にはならないんですよねぇ!」

    ぐだ「それは?」

    マシュBB「戦いを生き残ったあなたたちの幸せ」

    マシュBB「……具体的に言うと集大成がないんですよ! キスとか告白だとかセックスだとか色々あるでしょうに!」

    ぐだ「あー……」

    ぐだ(具体例は素直にうなずきたくないが、言いたいことはわかる)

    ぐだ「……俺はマシュが生きてたってわかったときは凄く嬉しかった」

    ぐだ「俺自身も生きててよかったって、本当に思えたんだ」

    ぐだ「ということをマシュ本人にもキチンと伝えたんだが、まだ足りなかったか?」

    マシュ「……」

    マシュBB「話が早くて助かります」ニコォ

    352 = 1 :

    ぐだ「……当たり前か。お前本当に死にかけてたもんなあ。あの終局特異点は本当に危なかった」

    ぐだ「報酬が足りないって言われたら『そらそうだ』としか言えないって」

    ぐだ「……」

    ぐだ「で、その話がなんで今に繋がるんだ?」

    マシュBB「終局特異点攻略直後は、まあ別にそれでもよかったのです」

    マシュBB「ですが、それから数か月、カルデアで過ごしていく内にマシュさんの脳内にはモヤモヤが溜まっていきました」

    マシュBB「そして私がこの旅行で、そのモヤモヤの正体を言語化してあげたのです!」

    ぐだ「モヤモヤの正体……」

    マシュBB「いい子ちゃんすぎてつまらない」

    ぐだ「……え? それが正体?」

    マシュBB「結構重要ですよ、これは」

    マシュBB「ていうかこの旅行の最中、ずっとそうでした」

    マシュBB「あとのことはマシュさん本人から聞けばいいと思います」

    353 = 1 :

    マシュ「私は……私の性格をこれと言って悪いとは言えません」

    マシュ「言えませんが、ちょっと寂しいとは思うんです」

    ぐだ「ずっと一緒だったんだから寂しがる要素なんて」

    マシュ「……先輩がかかずらっているサーヴァントのみなさんは大体全員問題児です」

    ぐだ「ん……!?」

    マシュ「この旅行の最中だけじゃなくって、ずっと前から思ってました!」

    マシュ「『あれ? もしかして、私って先輩から手のかからない子だと思われているのでは』って!」

    マシュ「いえ、確かにBBさんの言う通り、言語化のされていないモヤモヤした気持ちだったのですが!」

    ぐだ「待て。待て。マシュ、待って」アタフタ

    マシュ「もうこの際言わせていただきます。後戻りはできないので!」

    マシュ「手のかからない良い子である旨味が薄すぎるんですよッ! 先輩、私はもっと構ってほしいんです!」

    ぐだ「……ま、マジで……?」

    マシュBB「マジです」

    354 = 1 :

    マシュ「これは……これだけは本当に訊ねたくなかったのですが」

    マシュ「……覚悟を決めるために聞かせてください」

    ぐだ「……な、なに?」




    マシュ「先輩。私のこと、妹か何かだと思ってません?」

    ぐだ「」

    マシュBB「……答えてくださいよぉ。イエスかノーかで」ニヤニヤ

    ぐだ「え、えーと、それは……!」

    ぐだ「……」

    マシュBB「……」

    マシュBB「はいギルティ。荒療治の必要ありですね」

    ぐだ「な、なにっ!?」

    マシュ「先輩……私だって……私だって……!」

    マシュ「先輩の全部が欲しいんです」シュルリ

    ぐだ「」

    355 = 1 :

    続きは明日ー!

    357 :

    ぐだ(薄暗闇の中、ヤケクソ気味のマシュが服を脱いだ)

    ぐだ(というかマシュが着ている服はボディラインが完全に透けて見えるベビードールだけだったのだけど)

    ぐだ(つまり今ので全裸になっちゃったんだけど。肌色やら肌色やら肌色やらでわけがわからなくなってきた)

    ぐだ(大きくて形のいい胸とか、すべすべしてて思わず手が吸い込まれそうなくびれとか、吸い付きたくなる鎖骨とか……)

    ぐだ(……し、思考を止めるな! 今俺がかけるべき言葉は一つ!)

    ぐだ「マシュ!」

    マシュ「なんですか?」

    ぐだ「俺は服を着たままやりたいです!」

    ぐだ(ちがあああああう! そうじゃない! 服を着てくれと言いたかったんだ俺は!)

    マシュ「わかりました」セッセッ

    ぐだ(それでいいのか後輩!)ガビーンッ!

    マシュBB「それでいいんですかマシュさん……」

    ぐだ(BBにすら言われちゃったよ!)

    358 = 1 :

    ぐだ「……マシュ……一つ聞かせてくれ」

    ぐだ「俺はお前にとっていいマスターじゃなかったのか?」

    マシュ「最高のマスターです。今も、過去も、未来でだって」

    マシュ「……ただ今までの私はあまりにも欲しがりませんでした」

    マシュ「いつもいつも先輩はたくさんの素敵なサーヴァントのみなさんに言い寄られて……」

    マシュ「マスターはそれらの願いに出来る限り応えてました」

    マシュ「それを見て度々思ってたんです。『私の取り分が妙に少ないな』って」

    ギュッ

    ぐだ(マシュが体を押し付けるように抱き着いてきた)

    ぐだ(俺も薄いTシャツとかスウェットパンツとかだけなので、もうほとんどダイレクトにお互いの体温が伝わる)

    マシュ「……で、ふと気づいたんです。ジークフリートさんの話を聞いて、フッと」

    マシュ「求められたらそれなりに応えるけど、求められなければ何もしない」

    ぐだ「……」

    マシュ「先輩はそこまで割り切ってません。求められてなくっても、見るに見かねたらやるときはやる人です」

    マシュ「でもそういう傾向は、ちょっとはありました」

    マシュ「本当に遅くなりましたよ。私に対しての先輩の対応が妙に冷たい理由は……」

    ぐだ「……お前が言ってなかったからだ」

    マシュ「だからもう黙るのはやめにしたんです。私だって欲しい。できれば身も心も全部」

    ぐだ(冷たくした気はないんだけどなぁ……)

    ぐだ(……いや。マシュがそう思ったのなら、その気がなくとも意味はないか)

    ぐだ(かなり悔しいな……)

    359 = 1 :

    ぐだ「……そう思い始めたのは多分、デミサーヴァントの力が使えなくなってきてからだろ」

    マシュ「……」

    ぐだ「俺さぁ。安心してたんだよ。ちょっと肩の荷が下りた気分だったんだ」

    マシュ「足手纏いがいなくなって、ですか?」

    ぐだ「お前がいて心強いと思ったことは何度もあるけど、足手まといなんて思ったことは一度たりともないよ」

    ぐだ「亜種特異点に初めて行ったとき、隣にマシュがいなくってさぁ」

    ぐだ「『あ、俺がしくじってもマシュは大丈夫だな』って」

    マシュ「え……」

    ぐだ「最悪の場合は別のヤツをレイシフトさせればいいんだしさ。どんな裏技でもダヴィンチちゃんならできるだろ」

    マシュ「先輩。先輩は私たちにとって唯一の人です! なのに、そんな……」

    マシュ「自分のことを『代わりがいる』なんて悲しい目で見てたんですか!?」

    ぐだ「いつか言ったはずなんだけどなぁ。本当はさ、世界には俺みたいなヤツはいくらでもいるんだって」

    ぐだ「あの場にいたのが俺以外でも、多分お前の手を取ってたよ」

    マシュ「そんなこと……」

    ぐだ「話を脱線させたな。あのな、俺は別にデミサーヴァントの力が使えないお前を冷遇してたわけじゃない」

    ぐだ「今までお前に頼り過ぎてたんだよ。だからちょっと修正しようと思っただけだ」

    マシュ「……」

    360 = 1 :

    ぐだ「終局特異点での戦いが終わって、お前がサーヴァントの力使えなくなって」

    ぐだ「初めて気付いた。やっぱりアレ、仮に偶然だろうと常人がやっていい偉業じゃない」

    ぐだ「俺はずっと隣にマシュがいたから救われてたけど、それもやっぱり異常だったよなって」

    ぐだ「ずーっとお前頼り。ずーっと……ずーっと……」

    ぐだ「……かっこ悪いだろ。そんなのさ」

    マシュ「先輩……! 私は、先輩の役に立ちたくて! 立ちたいのに!」

    マシュ「なのにサーヴァントの力が使えなくって……どんどん先輩が離れて行っちゃう気がして……!」

    マシュ「それでも先輩に頼ってほしかっただけなのに……!」ポロッ

    ぐだ「泣くなよ。俺が悪かったんだ」

    ぐだ「お前は頼られたくって構われたかった。で、俺はお前にこれ以上頼りたくなかった。それだけだ」

    ぐだ「……話し合えば簡単にわかった道理なのになぁ。全然マシュのこと見てなかったよ」

    ぐだ「ゲーティア倒して油断しきってたのかなぁ」

    361 = 1 :

    ぐだ「ごめん。本当にごめん。マシュのことを忘れたことなんて一度もないよ」

    ぐだ「ただちょっと休んでほしかっただけだ」

    マシュ「……先輩」

    ぐだ「つっても裏方で相変わらず頑張ってるんだけどさ。上手くいかないなぁ」

    ぐだ「まだお前に頼ってる。頼りたくないのにさ」

    ぐだ「……頼らざるを得ないくらい、お前の存在はでかいんだ」

    マシュ「先輩……!」

    ぐだ(安心させるために、マシュの背中に手を回す)

    ぐだ(……やっぱり小さくて柔らかい。出来る限り守ってやりたいと思う)

    ぐだ(現実はまったく逆だけど)

    ぐだ「……」

    ぐだ(まあここまで本気で腹割って話し合ったんだから、もうこんな強引な手は取らないだろう!)

    ぐだ「と、いうわけでマシュ! こんなことをしなくっても、俺はお前のことを大事に」

    マシュ「……ん……!」


    チュッ

    362 = 1 :

    ぐだ「……?」

    ぐだ(キスされているという事実に気付いたのは、マシュが顔を離したときだった)

    ぐだ(随分と長い間、唇が触れ合っていたような気もする)

    マシュ「……確かに。私は離れて行ってしまう先輩を繋ぎとめるために賭けに出ました」

    マシュ「本音を聞いた以上、もうこの行動に大した意味はないのかもしれません」

    マシュ「が」

    ぐだ「が?」

    マシュ「……もう本当に、純粋な好奇心で」

    マシュ「先輩と一緒になりたくなってしまいました」

    ぐだ「」

    マシュ「……先輩、どうか私を愛してください」

    マシュ「お願いです。私を存分に使ってください」

    マシュ「代わりなんていません。あなただけです。あなただけがマシュ・キリエライトを好きにできます」

    マシュ「地球上でただ一人、あなただけが」

    ぐだ「」





    ぐだ(計算を間違ったーーーッ!)ガビーンッ!

    ぐだ「待て。マシュ。待て。待ってく――」

    マシュ「んんっ……!」


    チュッ……ジュプッ


    ぐだ「んんっ……!?」

    363 = 1 :

    BB(ぶ……ひゃははっ……ひーっひーっ……!)ガタガタ

    BB(ヴァーーーッカですねぇ、センパイ! あなたの中に悪性なんてこれっぽっちもないんですから!)

    BB(本音をぶちまけたらそれこそ本気にされちゃって当たりまえじゃないでーすかー!?)ゲラゲラゲラ!

    マシュ(先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩)

    マシュ(先輩を癒す先輩を慰める先輩を解き放つ先輩を愛す先輩に愛される先輩を先輩と先輩に)

    BB(……)

    BB(……流石にちょっと背中押しすぎちゃったかなー……?)ガタガタ

    364 = 1 :

    今日のところはここまで!

    365 :

    BB(……んん。同じ肉体をシェアしてるから多少はわかりますね)

    BB(これは深い悲しみ。マスターの持つ空虚さに気付いてあげられなかった罪悪感)

    BB(……あと多少の利己心。『私なら彼を助けてあげられる』という慢心と願望)

    BB(これですよ。ちょっと背中を押しただけで両方ともに崖の下に落ちて行っちゃうんだからなー)

    BB(いやー、本当楽しくて楽しくて仕方ないなぁ!)プププ

    ぐだ(実はマシュを拒む理由は何もない)

    ぐだ(いや、正直な話、マジでマシュのことは妹に近い何かだと思っていたが)

    ぐだ(くれるというものを拒む理由が俺には微塵もない!)

    ぐだ(強いて言うなら、そう。問題がたった一つ。マシュでも俺でもない第三者)

    ぐだ(BBがマシュの中でゲラゲラ笑っているんだと思うと本当に悔しくて憎らしくて仕方ない!)

    ぐだ(ふざけやがってぇ! 後で覚えてやがれよ!)


    ジュ……プッ……


    マシュ「ん……ぷはっ……んんっ……!」

    ぐだ(……それはさておいて何回ディープな方のキスをするんですかね!)

    ぐだ(ぐ、ぐう……思考が纏まらない……というか纏める方が確実に無理だコレ……)

    ぐだ(ていうかもう現実感がない。夢か何かだと言われたら信じてしまうだろうな)

    366 = 1 :

    ぐだ「あの、マシュ。忘れてないか? お前の中には今BBがっ……!?」ゾクッ

    ぐだ(Tシャツの中に手を入れられた。直で背中をなぞられる)

    ぐだ(どっちの汗かはもうわからないが、汗ばんでペタペタしていた。不快ではないけども)

    マシュ「そんなことを気にしている余裕はもうありません」

    マシュ「ちゃんとわかってもらいたいんです。私にとってあなたは替えがきかないんだってことを」

    ぐだ(あまりにも高く買いすぎだと思う。他にいいヤツなんていくらでも……)

    ぐだ(……)

    ぐだ(……一瞬、ゲーティアに吹き飛ばされたマシュの背中がフラッシュバックした)

    ぐだ(あー。これだなぁ。あのときのと同じ絶望感を味わうのが怖いんだなぁ)

    ぐだ(だよなぁ。逆の立場になったら凄く怖いものなぁ)

    ぐだ(残されるヤツの悲しさを俺はよく知ってる)

    ぐだ(……もう替えがいるなんてこと、気軽に言えないんだな)

    ぐだ(……)

    ぐだ(とかなんだとか考えている内にTシャツ脱がされてるんだけどッ!?)ガビーンッ!




    BB(あともうちょっとー。あと少しー。ルンルン)キャピキャピ

    367 = 1 :

    ぐだ(落ち着け。まだ慌てるような時間じゃあわわわ)

    ぐだ(考えろ。考えるんだ。このままBBに笑われながら取り返しの付かない行為をするのは、こう……)

    ぐだ(マジで死んだ方がいい屈辱だ! 一生ネタにされるぞ!)

    BB(ちぃ。観測者の存在がそのまま観測対象に影響を与えてしまう。観測者効果クソ食らえです)

    BB(私はただ単に、今まで後輩だと思って見下して来ていた女の子に、センパイがよがる姿をドミノピザ片手に見ていたいだけなのに!)

    ぐだ(とか思っているんだろうな。わかるわかる。ざっけんなボケッ!)

    ぐだ(俺とマシュの関係を見世物にしてんじゃねーよ!)

    BB(と、辛うじて残った理性で考えているのでしょうが、それもいつまで続きますかね?)

    マシュ「先輩……あの……」

    ぐだ「ん?」

    マシュ「……ごめんなさい、首筋。痕が残っちゃいました、ね」ニヘラ

    ぐだ「……あ」

    ぐだ(首筋吸われてたッ!?)ガビーンッ

    ぐだ(……いや、なんか気持ちいいなー、とは思ってたが!)

    BB(思考回路は順調に鈍ってますねー。フレーフレーマシュさーん! あと少し、もう少しー!)

    368 = 1 :

    マシュ「……あ、先輩……!」

    マシュ「よかった。先輩も愉しんでくれていたようで」ニコリ

    ぐだ(どこに意識を向けて言っているのかはあえて語るまい)

    ぐだ(というか俺がそれを考えたくない)

    マシュ「……もう、遊びは終わりでいいですよね。充分です」

    マシュ「私の方も準備はできてますから……」

    ぐだ(どこの準備が完了だって?)

    ぐだ(……いや、これも考えるべきじゃないな!)

    マシュ「先輩。先輩。先輩」

    ぐだ(うおおおおおおおお! もうダメだーーー!)

    ぐだ(ていうか俺も我慢の限界だよチクショウ!)

    BB(計算通り。ダメだ……まだ笑うな……堪えるんアハハハハハハハハハ!)ゲタゲタ



    ……ドォーーンッ


    ぐだ男&BB(んっ?)

    BB(爆発音? どこから……?)

    ぐだ(……あっ)

    BB(……まずい。あのテログループ、いくら何でも時限爆弾まで渡すのはやりすぎました)

    ぐだ(突破口が見えたぞ!)キュピーンッ!

    369 = 1 :

    ぐだ「マシュ。ストップだ。今、何か聞こえなかったか?」

    マシュ「え?」

    ぐだ「……いや。聞こえたぞ。今の音は……ホテルの方角からか!?」

    BB(おそらく適当にこじつけ言っているだけでしょうが、残念なことにこればっかりは的中でしょうね)

    ぐだ「悪いマシュ! ちょっとテレビを見てくる!」

    マシュ「あ、先輩!」

    ぐだ「服を着こんで着こんで」サッサッ

    ぐだ「おーし! マシュもゆっくり来いよ! ゆっくりな!」ダッ

    マシュ「あ……」

    マシュ「……」

    マシュ「……ッ!?!?」

    BB(あ、いけない。こっちも正気に戻っちゃいました)

    マシュ(え、え……私……今まで一体何を……?)

    マシュ(……あ、やだ。私、濡れて……い、いやあっ……!)

    BB(はいはーい。ここから先はバトンタッチー。ちょっと休んでてくださいな)

    BB(よくできました)

    マシュ(あうううううう……!)

    370 = 1 :

    ちょっと時間は遡る

    エリザ「やーっと見つけた! 時限爆弾まで仕掛けるなんて正気とは思えないわ!」

    デオン「人をあそこまで『生かしたまま』壊せるお前が言うのなら実際正気じゃないんだろうな」

    茨木「アレを思い出したぞ。ほら、亜種特異点の新宿でファントムが作ってたあの人形」

    ジャック「あー。あれと同じくらい心壊れちゃったよねー。生きてるけど」

    エリザ「……え? 別にいいんじゃないの? 愛があれば奇跡は起こるものだし」

    エリザ「もし仮に奇跡を起こせないのなら、愛を受けてなかったってことでしょ?」

    エリザ「それなら心と体が生きていようと、死んでいるのと変わりないじゃない?」

    茨木「要は生きてる価値なしと言っているのだな」

    デオン「それを決めるのはお前じゃない」

    デオン「……が、まあどうでもいい。実際エリザのお陰でここまでたどり着けたわけだしな」

    デオン「さて。ここまで来れたのは僥倖だが……」

    デオン「……どうやって処理するのか考えてなかったな」

    全員「あ」

    371 = 1 :

    エリザ「うーん、爆発物処理班を呼ぶ? 今からでも外に待機している警察とか呼び込めるけど」

    エリザ「私の陣地作成を一時的に解除すれば」

    茨木「それは難しいであろうなぁ? 外にいる警察はそもそも『ここに爆発物がある』という発想すらないに違いない」

    茨木「吾らが情報を流してなかったからな?」

    ジャック「私たちで解体できる?」

    デオン「……む……これは……無理だな。絶対に無理だ」

    ジャック「根拠は?」

    デオン「桜のマークが刻印されてる」

    茨木「BB製か」

    エリザ「アイツの頭脳を上回る自信があるのならやってもいいけど?」

    ジャック「無理ー」

    茨木「残る手段は一つしかあるまいよ」

    デオン「我々サーヴァント四騎の誰かが、自己犠牲覚悟で爆弾を処理する……」

    デオン「まあ簡単に言えば爆弾を抱え込んで爆発を抑え込むなり、爆発の及ばない遠くまで抱えて走るなり、だな」

    エリザ「それ大丈夫?」

    茨木「死にはしない。魔術的な要素は一切ない、極めて現実的な爆弾のようだな?」

    372 = 1 :

    デオン「と言っても大怪我はする。ということで、もしものときのために治療スキルのあるジャックは除外だ」

    ジャック「わーい」

    デオン「あとの三騎で、じゃんけんで決めるか。誰が犠牲になるか」

    エリザ「うえー。負けたくないー」

    茨木「時間も惜しい。さっさとやるぞ」



    じゃーんけーん!

    373 = 1 :

    ホテル屋上

    エリザ「……ねえ。みんな。マスターに伝えてくれる?」

    デオン「……」

    ジャック「ううっ……」エグエグ

    茨木「……エリザ……」

    エリザ「私はね? あなたたちと一緒に戦えて……マスターに召喚されて……」

    エリザ「人理を救えて、心の底から誇りに思うわって!」



    バサァッ


    デオン(エリザは竜の羽を大きく広げ、空へ空へと飛んでいく)

    デオン(カウントダウンはもう、残り三分もないだろう)

    デオン(それにも関わらず、エリザは尚も笑顔だった)

    デオン(胸を打つような笑顔だった)



    エリザ(私は……カルデアのアイドル、エリザベート・バートリー)

    エリザ(マスターの敵を、打ち滅ぼす者よ)



    ドカァァァァァァァンッ!

    374 = 1 :

    ヒュウウウウウッ


    ベシャッ


    エリザ「ぐえっ」

    デオン「おかえりエリザ」

    エリザ「じ、死ぬぅーーー……治療、早く……」

    ジャック「はぁい」テキパキテキパキ

    茨木「……」

    茨木「これ流石にマスターにバレるであろうなぁ?」

    デオン「仕方ない、と考えよう」

    デオン「疲れた。しかも夜風が冷える。中に入るぞ」

    エリザ「お風呂入りたーい」

    茨木「火薬臭いから当然よな?」



    数十分後、マスターがホテルに到着した

    375 = 1 :

    休憩します!

    376 = 1 :

    ホテル周辺

    ぐだ「……なるほど。事情はわかった」

    デオン「すまないが、私たちはベストの選択しかしていないと断言しよう」

    デオン「エリザの拷問技術があったからこそ時限爆弾を発見できたんだ」

    エリザ「……ねえー。もう抜糸していいー? これ見栄え最悪なんだけど」

    ジャック「いいよー。元から軽傷だったし」

    ぐだ「……BB。何か釈明は?」

    マシュBB「釈明? さて、そんなことをする必要は特にありませんね」

    マシュBB「カルデアのサーヴァントたちの活躍によって、世界からまた一つゴミが減った」

    マシュBB「しかも誰一人として死なずに。これをハッピーエンドと呼ばずに何と呼びましょう?」

    茨木「コイツ……白々と……」

    ジャック「一番のゴミはBBの思考回路だよねー」

    ぐだ「お前らなあ……」

    ぐだ「……」

    ぐだ「反省してないヤツに怒っても無駄だな」

    ぐだ「なら代わりにいい点を見よう。俺がいない間、よく頑張った」

    ぐだ「集団を引っ張ったのはデオンで、爆発物の処理はエリザだったな」

    デオン「……ふふっ。当然さ。私は騎士だからね」

    エリザ「まあ爆発物の処理に関してはじゃんけんで負けた結果だけど」

    377 = 1 :

    ぐだ「茨木は……多分暴走しがちなメンバーにブレーキかけてたんだろうな。少しずつ」

    茨木「ん。まあ、な。といっても本当に最低限だぞ?」

    ぐだ「最低限でもブレーキ役いなかったらそれこそ本当に死人出てたぞ」

    ぐだ「ジャック。お前は治療役か。見栄えは確かに最悪だが、よくやった」

    ジャック「えへへー」

    ぐだ「BB……」

    マシュBB「はいはい。お叱りは受けますよっと」

    ぐだ「経過はどうあれテログループが一個消えた。結果はまあ上々と言えなくもないし、別にいいだろ」

    マシュBB「……おや」

    ぐだ「でもさあ……だけどさあ……」

    ぐだ「今度の今度こそホテルが営業停止になっちゃったけど、どうするの?」

    全員「……」

    378 = 1 :

    デオン「ふっ。またマスターの家にお世話になるな」キラキラキラ

    ぐだ「受け入れるわけねーだろ」

    デオン「!?」ガビーンッ

    ぐだ「流石に五人は無理だ。五人は。うちの広さ知ってるだろ?」

    茨木「確かにこの人数で押し掛けるのは無理よな」

    ジャック「私たちは一度も行ったことないから知らないんだけど」

    エリザ「……無理ねえ。あのお母さまも流石にいい顔しないでしょう」

    ぐだ「……BB。尻ぬぐいくらいはできるだろ?」

    マシュBB「当然、と言いたいところですが!」

    ぐだ「おい」

    マシュBB「替えの宿は! ありません!」

    ぐだ「おいおいおいおいおいおい!」

    デオン「マシュ。本当に、本当にすまないのだが」

    エリザ「私たちの憂さ晴らしのために犠牲になってちょうだい」

    ジャック「恨まないでね? 恨むならBBと一体化しちゃった不運を恨んでね?」ギャランッ

    茨木「宴の始まりよ。派手にぶちあげるぞ」ゴキンッ!

    ぐだ「待てェ! 落ち着けお前ら! マシュには何の罪もないだろ!?」

    BB(やっぱり私は庇ってくれないんですね?)

    マシュ(これに関しては仕方ないかと!)

    379 = 1 :

    マシュBB「だっていらないじゃないですか」

    デオン「一応私たちはサーヴァントだが、元人間だぞ。出来る限り閉鎖された空間で、誰の目も憚ることなく休みたいこともある」

    マシュBB「そんな時間はないですし」

    エリザ「はあ? そんな時間はないって……」

    エリザ「あっ」

    ジャック「……ん!?」

    茨木「……なるほど。そういうことか」

    ぐだ「ん? どうかしたか?」

    デオン「……すっかり忘れていたぞ」

    デオン「私たちは明日帰国だ」

    ぐだ「……えっ?」

    380 = 1 :

    ぐだ「ちょっと待て、今計算するぞ」

    ぐだ「最初の日に茨木、次にデオン、次にジャック、次にエリザ、次にマシュ……」

    ぐだ「俺は一週間の休みを貰ってたんだ。あと二日残ってるぞ」

    デオン「私たちはそうじゃない。ちょっとだけ短かったんだ」

    マシュ「流石にマスターの休みをガッツリ全部奪うわけにはいかないので……」

    ジャック「あー……まだ遊びたかったなー」

    茨木「よりによって最終日がこれか」

    エリザ「私、爆発しかしてないわよ!」

    茨木「嘘吐けェ! 明らかに一番好き勝手やっておっただろう!」ガァ!

    ぐだ「じゃあお前ら、このまま空港に……」

    マシュBB「ってことになりますかねぇ?」

    マシュBB「まあ帰るのは明日の早朝ですから、マシュさんはまだセンパイの家に泊まれますが」

    マシュ「……あ、の。先輩……」

    ぐだ「マシュ?」

    マシュ「……はぐらかされてしまいましたけど、今度『自分には替えがきく』なんて悲しいことを言ったら」

    マシュ「どんな状況であったとしても、絶対に先輩のその空虚さを奪い尽くします」

    マシュ「……絶対ですよ?」

    ぐだ「……」

    ぐだ(おっかねぇー……! 強くなったなぁ、マシュ)

    ぐだ(BBのせいだと思うとムカつくが、アイツの闇とマシュの光があわさって最強に見える)

    381 = 1 :

    エリザ「……」

    デオン「……」

    ジャック「……」

    茨木「……」

    四騎(マスターの首筋に痕がついてる……)

    デオン「チッ。走り回っていたから決定的な瞬間を見逃したな」

    エリザ「後でBBに録画データを譲ってもらいましょうか?」

    茨木「絶対ボられるぞ」

    ジャック「いざってときにはナイフで脅すから大丈夫だよー」

    BB(実はそのときの録画はしてなかったりして……)

    BB(ふふ。弱みは私だけが握る予定でしたからねぇ)

    マシュ(……やっぱりBBさんは意地悪です)

    BB(積極的なだけです! 誰よりも!)

    382 = 1 :

    マシュBB「じゃ、四人は空港近くの24時間営業のファミレスにかけこんでいてください」

    マシュBB「朝になったらそっちで合流です」

    デオン「いいだろう」

    デオン「……帰ったら諸々覚えておけよ、BB」

    エリザ「逃げ切れるとは思わないことね?」

    マシュBB「……ふふっ」

    マシュBB「じゃ、さっさと帰りましょうか。センパイ!」ギュッ

    ぐだ「ああ」

    マシュBB「……二回戦の用意はできてますよ?」

    マシュ(できてませんが!?)ガビーンッ!

    ぐだ「胃が取れそうになるから勘弁してくれ……」

    ぐだ「それとなBB。お前、俺とマシュが快楽に溺れた場合はな?」

    マシュBB「うん?」

    ぐだ「感覚を共有しているお前の方まで快楽に溺れる羽目になるだろ? それはいいのか?」

    マシュBB「……」

    マシュBB「あっ」

    ぐだ「今まで気付いてなかったんかいッ!」ガビーンッ!

    マシュBB「い、いえ。実際共有しているのは感覚だけですし」

    マシュBB「私が処女失うわけじゃないですしぃ……」アタフタ

    ぐだ「うーん、どうしよう。急にやる気が湧いてきた。お前相手ならいくらでもやれそうだ」

    マシュBB「い、意地悪ぅ!」

    マシュ「ていうかダメですよ、何言ってるんですか先輩!」

    マシュ「仕返しのためだけの行為なんて、それこそ不健全です!」

    ぐだ「話がややこしくなるからいい加減に体の共有を切ってくれよぉ……!」

    383 = 1 :

    数時間後 ぐだ男家

    ぐだ「マシュとBBは寝たか」

    prrrrr!

    ぐだ「……あいよ」

    ガチャリンコ

    BB『本体の方は眠らないんですよ』

    ぐだ「知ってる。そろそろ来るだろうなと思ってた」

    BB『さて。サーヴァントたちとの休日、振り返ってみたら如何でしたか?』

    ぐだ「……」

    ぐだ「お前にこんなことを言うのは甚だ不本意だが、楽しかったよ」

    ぐだ「いつか見せたいと思ってたしな。俺の故郷」

    BB『……ふふふ。そうでしょう? そうでしょうとも』

    BB『最後の最後にドデカい思い出を作ってあげたかったんだけどなー残念だなー』

    ぐだ「お前な……」

    384 = 1 :

    ぐだ「別にマシュの体を借りる形でなくっても、お前もこっちに来ればよかったのにさ」

    BB『……御冗談を。私は裏からすべてを操るタイプの黒幕が一番似合ってます』

    ぐだ「そうかい」

    ぐだ「……寂しくなったらいつでも言えって。お前もため込むタイプだろ」

    BB『非常に申し訳ないんですが、センパイ相手にぶちまける気はないんですよ』

    BB『そういうのができるのはたった一人だけ。その一人はもう二度と会えないんですが』

    ぐだ「救えないヤツだ」

    BB『ええ。自覚はありますとも』

    ぐだ「……願うだけならしてやるよ。いつかお前が、どんな形でもいいから救われればいいなって」

    BB『反吐が出るほどのお人よしですね』

    ぐだ「自覚はある」

    BB『……まあ、でも、あなたの存在が、ちょっとした暇潰しになってることは伝えておきます』

    BB『あなたがいれば、元から救いなんていりませんよ』

    ぐだ「愛の告白か?」

    BB『ドロドロに溶かしますよ?』

    ぐだ「……なんかもう話せば話すほどギスギスしてくるからやめよう。不毛だ」

    385 = 1 :

    BB『ていうかそんなクソ軽口がポンポン叩けるくせに、なんでマシュさんに対してはこう……』

    BB『遠慮しすぎでは?』

    ぐだ「お前はお前! マシュはマシュ!」

    ぐだ「第一、あそこまで抵抗したのはお前の存在があったからだって!」

    ぐだ「裏でゲラゲラゲラゲラ笑ってる姿が幻視できるようだったぞ!」

    BB『一生ネタにして笑いものにした挙句、結婚スピーチでもツラツラどんなプレイしたのか述べてやろうと思ったのに』

    ぐだ「鼻毛むしるぞッ!」ウガァ

    BB『美少女に鼻毛なんて生えませんー!』

    BB『……え? あ、イシュタルさん。どうかしましたか?』

    ぐだ「お?」

    BB『は? ケツァルコアトルさんが? 抜け駆け? 勝手に加護を?』

    BB『いや何してんですかあなたたち! 無駄に干渉したら巌窟王さんに怒られちゃいますよ!?』

    ぐだ「……もう切るか?」

    BB『ごめんなさい! こっちが急に忙しくなっちゃったので!』

    BB『それでは!』


    ガチャリンコ ツーツー


    ぐだ「……」

    ぐだ「明日で終わり、か」

    386 = 1 :

    ファミレス

    デオン「……楽しかったな」

    茨木「そうだな。異論はない。禍根もな」

    ジャック「私たちはもっと遊びたかったよ」

    エリザ「そんなこと言ったらキリがなくなっちゃうわよ……?」

    エリザ「……」

    エリザ「……ッ!?」ガビーンッ

    デオン「どうした?」

    エリザ「茨木ッ! アンタ、確かTOKI●のサイン欲しいからって酒呑にサイン色紙とペン貰ってたわよね!?」

    茨木「持っていたが……会えず終いだったので真っ白だぞ」

    エリザ「それを今すぐ貸しなさい! 今すぐッ!」

    デオン「どうした。一体何が……」チラッ

    デオン「……」

    デオン「何ィ!? 安室奈美●! 安室奈●恵がいるじゃないか!」ガビーンッ!

    茨木「ああ、あのマーリンの次として無駄に有名になった……」

    エリザ「不名誉なこと言わないで! 元から有名よ! 何の罪もないマーリンを刺殺したくなっちゃうわ!」

    ジャック「マーリンかわいそう」

    エリザ「あ、ちょ、来た。こっち来てる! 安室奈美●こっちに来て……キャーーー!」



    こっちはこっちで旅行の最後を楽しんでいた

    387 = 1 :

    続きは明日!

    388 :

    安室奈美恵の話をするとしよう・・・

    389 :

    巌窟王の学級日誌
    最近アンジーの夢見がすこぶる悪い。
    理由はわかっている。カルデアにいる神性持ちサーヴァントがこぞってアンジーに加護を与えようとするため起こる副作用だ。

    『日系のツインテ美少女が有料で八極拳叩き込もうとしてくる』とか『喋るクマのぬいぐるみ携えた巨乳美女が弓術教え込もうとしてくる』とか『ロリな外見した双子の美少女がバイザー付けたデカい女の人に乗って追ってくる』とか、悪夢の内容は様々だ。

    あまりにも不憫すぎるのでBBに苦情を送った後で、入間に助けを求めた。

    普段は酷い言動のせいで勘違いされがちだが、彼女は面倒見がいい。強く頼めば断らない。
    それと、最初は魔術の存在を一切認めていなかったが、俺の力を正しく認識した後はそのすべてを解析しにかかっている。黄金の脳細胞だとかなんだとかは戯言に等しいが、豪語するだけのことはある。

    『対症療法になっちまうが、ひとまず夢なんか見ようがない世界に行けば問題ないはずだ。俺様に任せておけ』

    と、言っていたが、もしかして三階の隠し部屋の奥にあった妙な機械を使うつもりなのだろうか。
    楽しみにしておこう。

    390 = 1 :

    巌窟王「ふむ。なるほど。確かにこれならばアンジーも夢は見ないだろうな」

    巌窟王「……む? 入間め。ケアレスミスだな、これは。仕方ない、俺が修正しよう」

    巌窟王「卒業アルバム作りのために培ったノウハウが生きたな」カタカタカタ

    巌窟王「む? 入間か。クハハ、お前のミスを俺が今修正してやったところだぞ! 喜べ!」

    巌窟王「……ん? 何故泣く? そこまで嬉しかったか?」オロオロ

    391 = 1 :

    早朝のぐだ男家

    ぐだ「……」

    ぐだ「なんか巌窟王が余計なことをする夢を見た気がする……」

    マシュ「あ、先輩。起こしてしまいましたか」

    ぐだ「マシュ。もう出るのか?」

    マシュ「ええ。本当は書置きを残してこっそり出るつもりだったのですが」

    ぐだ「……二日後、またカルデアでな。やることはまだまだ残ってるぞ」

    マシュ「はい。わかっています、マイマスター」

    マシュ「……じゃ、行きますね」

    ぐだ「おう。じゃあな」


    ガチャリンコ


    ぐだ「……見送りするまでもないよな。すぐ会えるんだし」

    392 = 1 :

    休憩します!

    393 :

    ファミレス

    マシュBB「みなさーん! お待たせしました、BBちゃんの到着ですよー!」

    デオン「マシュ。マスターとの二人きりの夜、楽しんできたかい?」キラキラキラ

    エリザ「ふふっ。ちょっとは大人になったのかしら、マシュ」キラキラキラ

    茨木「魔酒よ。ドリンクバーというものは余程飲まない限り元が取れないらしいな?」キラキラキラ

    ジャック「マシュー! 会いたかったー!」キラキラキラ

    マシュBB「わー。みんな清々しいほどにBBちゃんを無視。凄い笑顔ですね」

    デオン「お前はもう消えろ。用は済んだはずだ」

    エリザ「本当に。本当にイヤだけど、必要とあらば土下座だってしてやるわ。消えて」

    マシュBB「うーん、そんな無駄に覚悟を決められましても」

    ジャック「え? 何? 感謝されたいの? ありがとうBBがいてくれて助かった消えてお願いだから」

    茨木「しっしっ」

    マシュBB「なんかもうみんなBBちゃんのこと好きなんじゃないかって思えてきました」

    394 = 1 :

    デオン「BB。一緒に旅行できて一瞬『楽しいな』と思ったことは認めてやる」

    デオン「認めてやるがそれは錯覚だと思うことにしたぞ。昨日の仕打ちでな」

    マシュBB「別に悪意があったわけじゃないんですけどねぇ」

    茨木「悪意ゼロであんなことができるのなら根っから邪悪なのであろうな。わかるわかる」

    ジャック「……もしかして酒呑童子のこと思い出してる?」

    茨木「いやエリザの昨日の所業思い出してた」

    エリザ「何故ェ!?」ガビーンッ

    マシュBB「何故とか言ってのけるあたりが一番、ね……?」ニコリ

    エリザ「困ったような笑顔をこっちに向けないで! 何が『ね?』よ!」

    395 = 1 :

    マシュBB「確かに時限爆弾とか銃の正規品とかを流したのはやりすぎかなーって思いましたけど」

    マシュBB「ここまでしないと焚きつけられないと思ったんですよ! 仕方ないじゃないですか!」

    デオン「何が仕方ない、だ」

    ジャック「……正規品?」

    茨木「ジャック? どうかしたか?」

    ジャック「いや……あの人たちと戦っている間、アサシンの方のエミヤに銃の写真を送ってアドバイスを貰ったりしてたんだけど」

    ジャック「あの人たちが持ってた銃の中に正規品なんて一つもなかったよ?」

    マシュBB「えっ?」

    デオン「……BBから配布されたものを更に売って資金にでも変えたんじゃないか?」

    茨木「だとしたら問題だが……BB。絶対に黙っていろ。一応、汝も仲間なのだからな」

    マシュBB「うーん、まあそれは当然ですが、気になりますね。後で本体の方に諸々調べさせてみます」

    396 = 1 :

    カルデア

    BB「むう……消えた正規品の銃、か……」

    BB「確かに売ればかなりの金にはなりますが、一体どこに消えたんでしょうね」

    BB「……ん? あれ。エリザさんのせいで顔が半壊してたから解析が遅れましたが、これって……」

    BB「昨日ホテルを襲ったの全員木っ端の構成員じゃないですか。バイト感覚で社会に楯突いてるタイプの」

    BB「じゃあ正規品じゃなかったのは銃だけじゃなくって構成員も……」

    BB「……そういえば彼らが狙ってた政治家、今の居場所は……」カタカタ




    BB「……あっ! 空港!? 嘘でしょ!?」

    397 = 1 :

    休憩します!

    398 :

    もう一悶着ありそうで嬉しいぜ

    399 :

    もうちっとだけ続くんじゃ

    400 = 1 :

    空港

    BB(ちょっとマシュさん! 人格交代! 大変なことがわかっちゃいました!)

    マシュ(……今ちょっと取り込み中なのですが)

    BB(いいから!)

    マシュBB「みなさん! あの正規品の銃の居所がわかっ……」

    マシュBB「あれ。茨木さんだけですか?」

    茨木「BBか」

    マシュBB「あれ? なんで縛られて……あれ。私も。あれ?」


    ズドォンッ!

    キャー!


    テロリストA「静かにしろ。見せしめにされたいか?」

    マシュBB「……」

    マシュBB「あの。もしかして遅すぎました?」

    茨木「吾らが空港に入った途端コレよ」

    マシュ(カルデアのBBさんと私の中のBBさんで人格が独立しているって割にはこういうこと起こりますよね)

    BB(だって実際に二つの人格を同時起動させてると滅茶苦茶頭痛くなるんですもの。片方はスリープさせてますよ)


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