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    元スレエリカ「入れ替わってる……!?」 みほ「貴女の名は」

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    351 = 345 :


    まほ「まだ戦車道をやっているとは思わなかった」

    みほ「……」

    エリカ(うっ……)

    エリカ(隊長が、割りと怒っていらっしゃる……)

    エリカ(無理もない……)

    エリカ(目をかけていた妹が、黒森峰を捨て逃げるように学園艦を降りた……)

    エリカ(その時、あの子の側に密かにつき、転校できるよう方々に頭を下げたと聞く……)

    エリカ(隊長自身、辛い想いだっただろうに、あの子の幸せを思って、送り出したのに……)

    エリカ(この子はのうのうと、他校でまた戦車道をしている……)

    エリカ(やっぱり……隊長のためにも、私はこの子を許すわけにはいかないっ……!)

    まほ(戦車道始めたならメールで教えてくれてもいいのに……(´・ω・`)サミシイ)

    352 = 345 :


    優花里「お言葉ですが、あの試合でのみほさんの判断は、間違ってませんでした――!」 ガタッ

    みほ「……っ」

    エリカ「……部外者が口を出さないでほしいわね」

    優花里「すみません……」

    まほ「……行こう」

    エリカ「はい、隊長」

    エリカ「……一回戦はサンダース付属と戦うんでしょう?」

    エリカ「無様な戦い方をして、西住流の名を汚さないことね」

    みほ「……」

    エリカ(そして私のボディも色々と汚さないで欲しいから入れ替わってないタイミングでさっさと負けなさいよホント……!)

    353 = 345 :


    沙織「何よその言い方!」

    「あまりにも失礼じゃ……!」

    エリカ「貴女達こそ戦車道に対して失礼じゃない?」

    エリカ(まあ大洗の連中の中じゃマシな方ではあるけども)

    エリカ(でもあのカラーリングといい、絶対おかしいわよコイツら)

    エリカ「……無名校のくせに」

    「……っ」

    エリカ「……この大会はねェ」

    エリカ「戦車道のイメージダウンになるような学校は、参加しないのが暗黙のルールよ」

    エリカ(そこに入るために、皆がどれほど苦労してきたか……)

    エリカ(後追いだったアンツィオんとこの連中が、どれだけ努力と練習を積み重ねて舞台に参加出来るようになったか……)

    エリカ(私だって、あんたの背中に追いつくために、どれだけっ……!)

    エリカ(それなのに、気軽に遊び半分で、アンタたちは……っ!)

    354 = 345 :



    麻子「強豪校が有利になるよう示し合わせて作った暗黙のルールとやらで負けたら恥ずかしいな」

    エリカ「……っ!」

    沙織「もし、アンタ達と戦ったら、絶対負けないから……!」

    エリカ「ふん、頑張ってね」

    エリカ(当たるとしたら決勝、そこまで来るなんてありえないわよ)

    エリカ(戦車道をなめるんじゃないわよ) チッ

    沙織「べーーーっ」

    「嫌な感じですわ」

    麻子「女の腐ったようなやつだったな」

    優花里「羊水が腐っている、というやつでしょうか」

    沙織「絶対彼氏いないよアレ」

    「まるで生理中みたいでしたし、腐っているとはいえある意味女性の体現者なのかもしれませんね、悪い意味で」

    エリカ「聞こえてるわよクソ弱小」

    「クソだなんてお下品な……」 ヒソヒソ

    沙織「自分こそ、金魚のクソなのにね」 ヒソヒソ

    麻子「女の要素にクソを加えて『うん子』か、最悪だな」 ヒソヒソ

    優花里「少々引きますね……」 ヒソヒソ

    エリカ(Uターンして今すぐドロップキックしてきちゃ駄目かしら)

    355 = 345 :


    まほ「……」

    エリカ「ええと、注文どうしますか?」

    まほ「……エリカに任せよう」

    エリカ「そ、そうですか……」

    エリカ「ええと、では、ケーキセットのガトーショコラを2つ……」

    店員さん「承りました、少々お待ち下さい!」 ババッ

    エリカ「……隊長……」

    まほ「……」

    まほ「みほは……」

    まほ「まだ、戦車道を続けていたんだな」

    エリカ「……」

    エリカ(私ですら、あれだけショックだったんだもの……)

    エリカ(隊長は、もっとショックのはず……)

    エリカ(ましてや私は戦車道をしてること知った後、大会参加を知ったのに対し――)

    エリカ(隊長は、いきなり戦車道を続けていることを知った上大会参加というサプライズまで受けている……)

    エリカ(ショックじゃないはずがない、わよね……)

    356 = 345 :


    まほ「……」

    まほ「エリカは……」

    まほ「みほが戦車道を続けていると知って、どう思った?」

    エリカ「え……」

    エリカ「……」

    エリカ「私は……」

    まほ「……」

    まほ「正直な気持ちを、聞かせてくれ」

    エリカ「……」

    エリカ「ショックでした」

    エリカ「あの子が逃げたときでも、裏切られたような気持ちになって、失望したっていうのに……」

    エリカ「戦車道から逃げ出して、そのくせ喉元過ぎた熱さを忘れて、のうのうと戦車道を続けている……」

    エリカ「そんなに戦車道が好きなら、黒森峰で去年のことを挽回すればよかったじゃないっ……」

    エリカ「なのに、あの子は――っ!」

    357 = 345 :


    エリカ「だから……だから私は!」

    エリカ「あの子を認めたくないっ」

    エリカ「黒森峰から逃げ出したあの子を!」

    エリカ「私は……」

    エリカ「あそこからでも、這い上がって来てほしかったのに……っ」 ギリッ

    まほ「エリカ……」

    まほ(そう、だよな)

    まほ(お前は――みほの、一番の、友人だったものな……)

    まほ(エリカは否定するだろうし、みほも素直に首を縦には振らないだろうが――)

    まほ(それでも私は、お前達を親友だと思っていたし、そうであってほしかった)

    まほ(黒森峰を支える、二本の柱であってほしかったよ……)

    358 = 345 :


    まほ(……私は……)

    まほ(あの子のために、色々してきたつもりだった……)

    まほ(あの子のため、西住流のため、黒森峰のため――)

    まほ(色々なもののため、尽くしてきたつもりだった――)

    まほ(だが――)

    まほ「……」

    『何よその言い方!』

    『あまりにも失礼じゃ……!』

    まほ(守るものが、多くなりすぎていたんだな……)

    まほ(自分では、上手く立ち回っていたつもりだったし、失敗したとも思っていないが――)

    まほ(それでも……)

    まほ(いつしか私は、みほのため、感情のままに怒り何かに立ち向かうことができなくなっていたんだ……)

    359 = 345 :


    まほ「エリカ」

    エリカ「……はい」

    まほ「……」

    店員さん「おまたせしました~、ケーキセットでございます!」

    まほ「……ありがとう」

    まほ「……」

    まほ「食べよう」

    まほ「この息抜きが終わったら――大会に向けて、本腰を入れなくてはならない」

    エリカ「はいっ!」

    まほ(……お前は、みほに対して真っ直ぐでいてやってくれ)

    まほ(お前も私も、黒森峰や西住流、戦車道に縛られてしまっているが――)

    まほ(私と違って、お前はそのしがらみから抜け出せる)

    まほ(私の分まで、どうか――)

    360 = 345 :


    エリカ「勝ちましょう、隊長」

    エリカ「ここを出たら、赤星達を回収して、特訓しましょう」

    エリカ「今年こそ、王座を奪還しましょう、絶対っ……!」

    まほ「ああ」

    まほ「……でもあまり食べながら喋らない方がいいと思うぞ」

    エリカ「……失礼しました」 ゴックン

    エリカ「こほん。まあ、あの子達と直接対決はないでしょうが……」

    エリカ「あの子たちは、どうせサンダースに叩き潰されるでしょうし」

    エリカ「でも、圧倒的強さで優勝して、あの戦車道をナメきった連中に、私達黒森峰の凄さを教えてやりましょう!!」

    エリカ(そうよ、あのヌルい連中がサンダースに勝てるわけないじゃない!)

    エリカ(私の見てないところで早々に負ければいいのよ!)

    エリカ(黒森峰の試合や練習に集中するから他校の試合分析はベンチの連中に任せてるから、どんな戦いぶりかは分からないけど……)

    エリカ(どうせ負けるんだもの、関係ないわ)

    エリカ(せいぜい、私の預かり知らぬところで無様な敗北を喫するといいわっ)

    362 = 345 :


    「整備終わったかーーーー!?」

    うわぎさん「「「「はーーーーい」」」」

    カエサル「準備完了」

    典子「私達もです」

    みほ「Ⅳ号も完了です」

    エリカ「」

    「じゃ、試合開始まで待機!」

    エリカ「ああああああああ預かり知る所になってるううううううううう」

    363 = 345 :

    うわもうごじ
    寝ます

    365 :

    フラグ回収に定評のあるエリカさん

    366 :

    うわぎさんチームあったかそう

    367 :

    深夜に更新すると誤字やら多発するからよくない
    できるだけサクサクやってさっさと寝る方向でやりたいと思います

    368 = 367 :


    エリカ「最悪だわ……」

    エリカ「よりにもよってサンダース戦で……」

    エリカ「絶対あのいけ好かないファイアフライにキッツイのもらうじゃない……!」

    ???「のんきなものね」

    ???「それでよくノコノコ全国大会に出てこれたわね」

    エリカ「まったく同感――って、噂をすれば……」

    「貴様ら何しにきた!」

    ナオミ「試合前の交流も兼ねて、食事でもどうかと思いまして」

    エリカ「戦車の中じゃあクールぶってるくせに、こうやって煽りに来るあたり性格悪いわね……」

    エリカ「嫌味を言うためだけにご足労とは大したものだわ」

    エリカ「こまめに毒を吐かないと落ち着かない病気なのかしら、人間性を疑うわね」 ハン

    麻子「……」

    沙織「どうしたの?」

    麻子「いや、なんだか無性に突っ込みをいれないといけないような気がしてな……」

    沙織「?」

    沙織「寝ぼけてるんじゃないの?」

    369 = 367 :


    沙織「すごっ……!」

    優花里「救護車にシャワー車、それにヘアサロン車まで……!」

    エリカ「全然戦車道関係ないし、ヘアサロンとか使う人間いるのかしら……」

    エリカ「選手ならヘアサロン行ってる場合じゃないし、客も試合見ないでヘアサロンとか行かないでしょうに……」

    「本当にリッチな学校なんですね……」

    エリカ「ふん、いけ好かない金持ちなだけよ」

    エリカ「戦車保有台数しか売りがないようじゃ、私達黒森峰の敵じゃないわ」

    エリカ「それに料理も大きいだけで味は大味、スイーツも人口甘味料や着色料の塊」

    エリカ「これなら有料でもアンツィオの屋台の方が数倍マシだわ」

    沙織「わあ、熱々ハンバーグがある……!」

    「本場アメリカンのサイズで、とてもジューシーそうですね」

    優花里「鉄板でジュウジュウ言われると、お腹が空いてきますよねえ」

    エリカ「はあ!?」

    エリカ「ちょ、ずるいわよ、ウチとやるときはハンバーグ屋なんてなかったじゃない!!!!」

    370 = 367 :


    ケイ「アンジー!」

    エリカ「出たわね、能天気女……」

    エリカ「下手したらダージリン以上に理解できないのよね、この女は……」

    ケイ「なんでも好きなもの食べて行って」

    エリカ「そういうのは!!人間フォルムのときに!!!ハンバーグ屋引き連れていいなさいよ!!」 ムッキー!

    「オーケイオーケイ」

    「おケイだけに」

    ケイ「HAHAHAHAHA!!」

    エリカ「ほんっと、四強はどいつもこいつも四強の自覚がないようなやつが多すぎるわ……!」

    エリカ「人間性は底辺だけど、プラウダの連中がマシに思えるわ……」

    エリカ「全く隊長を見習ってほしいものね」

    エリカ「代表格の言動一つで学校の印象が決まるっていう自覚はないのかしら」

    麻子「……」

    優花里「どうかしたんですか?」

    麻子「いや、今日はエンジン音がどことなく蹴飛ばしたくなる感じでな……」

    優花里「……あー」

    沙織「分かるんだ!?」

    371 = 367 :


    まほ「……始まったな」

    まほ「……」

    まほ「いつもなら、エリカの方から『始まりましたね』なんて言って、私は静かに試合を見守るのにな」

    まほ「……」

    まほ「前日に移動なんてしてくるんじゃなかったな……」

    まほ「この症状、おそらく――」

    ポチ

    エリカ「ドゥルンドルルルルルルル」

    まほ「ああ……乳首でエンジンがかかっている……」

    まほ「どうしよう……」 ズーン

    372 :

    なんのためらいもなく乳首に触るまぽりん好き

    373 = 367 :


    みほ「3輌……囲まれたッ!」

    エリカ「ふん、早くもバッタバタしてるわね」

    エリカ「ま、5台しかない素人集団じゃ当然の結果かしら」

    エリカ「このまま現実を思い知って、(私が)痛い目に遭う前にさっさとフラッグ車が落とされればいいのよ」 フン

    優花里「北東から6輌……南南西から3輌……」

    優花里「すごい、全10輌中9輌この森に投入ですか!」

    「随分大胆な戦術ですね」

    エリカ「こいつら、たまに何考えてるんだか王道を外してギャンブルに出ることがあるのよね」

    エリカ「スポーツマンシップなのかエンターテイメントなのか知らないけど……」

    エリカ「ま、所詮は小手先だけの奇策、大したことはないわ」

    エリカ「黒森峰なら真っ向から普段通りの連携で叩き潰してるところよ」 フン

    374 = 367 :


    エリカ「ま、ここは黒森峰じゃなくて大洗」

    エリカ「残念ながらアンタたちの全国大会はこれで終わり――」

    みほ「このまま全力で進んで下さい」

    みほ「敵戦車と混ざって!」

    エリカ「はあ!?」

    典子「リベロ並のフットワークで……」

    エリカ「そんな無茶な……」

    エリカ「……」

    エリカ「少なくとも、黒森峰の重戦車部隊でやるようなものじゃないわよね……」

    エリカ「まあうちならそもそもこんな事態に陥らないわけだけど」

    エリカ「……」

    エリカ「慣れない事態に、変な指揮でも始めたの?」

    エリカ「それとも……」

    エリカ「そこまで日も経っていないのに、今の保有戦車の特徴を把握しきって、有効な戦術を編み出したとでも……?」

    375 = 367 :


    みほ「ふう……」

    「危なかったですね……」

    エリカ「……」

    エリカ「相変わらず、ドライビングテクニックだけは異常に高いわね……」

    みほ「うん……」

    みほ「まるで私達を待ち構えていたみたい……」

    エリカ「偶然に決まってるでしょ」

    エリカ「サンダースの隊長は確かに隊長としての能力が高いけど、最近は後進育成のためか、作戦指揮を2年にさせてるみたいだし」

    エリカ「相手の幸運に一々動揺しているようじゃあ、まだまだね」 フフン

    みほ「はっ……!」

    みほ「……」 ガチャン

    エリカ「何よ、急に身を乗り出して」

    「みほさん? どうしたんですか?」

    みほ「通信傍受機が打ち上げられてる……」

    エリカ「はあ!?」

    エリカ「何よソレ、反則じゃないの!」

    エリカ「いや、その、あれよ、気が付かなかったのは、私自身の意思じゃ動けないしアンタらの味方をする気もないから気を張ってなかったからで……」

    エリカ「こ、これが黒森峰との試合だったら当然そんな狡っ辛い手、すぐに気付いていたわよ!!」

    376 = 367 :


    優花里「確かに……」

    優花里「ルールブックには傍受機を打ち上げちゃいけない、なんて書いてないですね」

    沙織「酷い!」

    エリカ「本当よ!」

    エリカ「戦車道の品位を落とすような行為だわ!」

    エリカ「大体ルールブックに記載がなければ問題ないなら、うちらは毒ガスをぶち込んでるわよ!!」

    沙織「いくらお金があるからって……!」

    「抗議しましょう!」

    エリカ「そうよ、こうなったら徹底的に叩いて2ちゃんにもスレを立ててやればいいんだわ!」

    エリカ「ついでにあの傍受機を写メっておいてTwitterにあげれば炎上間違いなしよ!」

    エリカ「そうなったら持ってるアカウント総動員してRTしてやるんだから……!」

    377 = 367 :


    エリカ「いや、でもこれが黒森峰ならそんな格好悪いことは出来ないわよね……」

    エリカ「まあ大洗は恥も外聞もなく抗議して失格に追い込めばいいと思うけども」

    エリカ「それが無理でもあれの撤回ぐらい求めないとどうにもならないわよ」

    エリカ「黒森峰だとしても、通信傍受機が相手じゃ苦しい戦いを余儀なくされるのよ?」

    エリカ「それでも冷静に、いつもどおりの戦いで押しつぶすしかないのだけど……」

    エリカ「我らが黒森峰や西住流に、後退の文字はないもの」

    エリカ「まあ、西住流から逃げ出したアンタなら、平気で逃げるでしょうけど」

    みほ「……だったら……」

    みほ「前者、0985の道路を南進!」

    みほ「ジャンクションまで移動して!」

    みほ「敵はジャンクションを北上してくるはずなので、通り過ぎた所を左右から狙って!」

    エリカ「はあ!?」

    エリカ「相手に作戦は筒抜けになってるのよ!?」

    エリカ「一体何を――――」

    378 = 367 :


    沙織「無線じゃなくてケータイで連絡してたんだもーん♪」

    優花里「やったあ、作戦成功です!」

    エリカ「大洗女子が1輌撃破……それもサンダースより先に……」

    エリカ「相手の通信傍受を逆手に取った戦略で……」

    エリカ(もし、私が通信傍受をされたとして――)

    エリカ(こんな作戦を取ることができた……?)

    エリカ(いや――)

    エリカ(隊長だとしても、おそらくはこんな策戦は……)

    エリカ(勿論、こんな作戦を取らずとも真っ向から叩き潰せるからだけど、でも――)

    エリカ「腹立たしいほど、隊長としての資質は衰えてないみたいね……!」 ギリッ

    379 = 367 :


    まほ「……」

    まほ「もし、エリカが奇病に侵されていなければ……」

    まほ「大洗女子が1輌撃破!?なんて驚いていたんだろうな」

    まほ「……」

    まほ「もしそうなら、そのようだな、なんて応えたのだろうが……」

    エリカ「ドルルルルルルルル」

    まほ「会話にならないからな、今……」

    まほ「次からは他の奴も連れてきておくか……」

    まほ「とりあえず、アイドリングストップしておくか……」 チクビポチー

    380 = 367 :


    アリサ「いい気になるなよ……!」 ギリギリ

    みほ『戦車、128高知に集合して下さい』

    みほ『ファイアフライが居る限り、こちらに勝ち目はありません』

    エリカ『戦力差が分かる程度の脳味噌はあるみたいね』

    エリカ『でも勝ち目がない理由はファイアフライ以外にもあると思うのだけど』

    エリカ『大体5輌って何よ5輌って』

    エリカ『1輌倒してもまだ5対9よ』

    エリカ『バスケチームで野球チームに挑むくらいのバランスの悪さよ、分かってるわけ?』

    アリサ「……」

    みほ『危険ではありますが、128高知に陣取って、上からファイアフライを一気に叩きます!』

    アリサ「くくく……」

    アリサ「あーーーーっはっはっは、捨て身の作戦に出たわねェ!」

    エリカ『無能片眼鏡の射撃とかあてにならないけど、大丈夫なんでしょうね』

    エリカ『基本的にこのチーム、コスプレ色物集団と私しか攻撃面でまともな戦力にならない状態なのよ?』

    エリカ『バカ食いロン毛の腕は信用できるんでしょうね?』

    アリサ「……」

    アリサ「どことなく他人事で五月蝿いだけのやつが乗ってるみたいね……」

    アリサ「わざわざ通信で文句を言ってるみたいだけど、無視されてるし哀れだわ」 ククククク

    アリサ「その点私は信頼を得ているッ……!」

    アリサ「多少不自然でも隊長は私の提案に従ってくれる……」

    アリサ「くく、このまま大勝利の立役者になってやるわ!」

    381 = 367 :


    エリカ「……認めたくはないけど……」

    エリカ「多少は頭が冴えてるじゃない」

    エリカ「ま、相手が威張り散らしてデカイ態度を取るしか出来ない無能というのも大きいでしょうけど!」

    エリカ「有能ぶって大きな口を叩くやつに限って、思惑が外れたら脆いものなのよね」 フン

    麻子「…………」

    沙織「どうしたの?」

    麻子「いや、なんだろうな、無性に戦車の中を蹴飛ばしたく――」

    沙織「もう、集中しなよお!」

    沙織「ほら、来るよ――!」

    エリカ「クク、囮につられて間抜けなフラッグ車が来たようね」

    エリカ「ある意味予想通りの展開――」

    エリカ「このまま追い回してやるわ!!」

    382 = 367 :


    エリカ「……」

    エリカ「策がハマって相手を叩き潰す――」

    エリカ「やっぱり、勝つと気持ちいいものね」

    エリカ「それも、策がピタリとハマると」

    エリカ「……」

    エリカ「黒森峰のときから、アンタはそうだったわよね……」

    エリカ「隊長の指揮に忠実でいながら、臨機応変に指示を出し、ハプニングに対処する」

    エリカ「……」

    エリカ「アンタのそーいう所が、なんか気に入らなかったけど……」

    エリカ「同じチームで、隊長の背中を追いかける同士だと思っていたから、少し、尊敬していたのに……」

    エリカ「……」

    エリカ「まさか、こんな形で、アンタの指揮で気持ちよく相手を追い込む日が来るなんてね……」

    「なにか、喚きながら逃げてます……」

    エリカ「ふん」

    エリカ「予想外のことに取り乱して叫び始めるのは二流の証ね」

    麻子「……折角追い風が吹いているのに、今日のエンジン音は本当に蹴ってやりたくなるな……」

    383 = 367 :


    ズドオオオオオオオン

    エリカ「!?」

    みほ「今のは――」

    優花里「ファイアフライ、17ポンド砲です……!」

    沙織「なんか、凄い音だったよ……!?」

    エリカ「こ、こんなの体に喰らったら死ぬ、死ぬわよ!?」

    みほ「……」

    みほ「4輌だけ……?」

    優花里「距離、約5000メートル!」

    みほ「ファイアフライの有効射程は3000メートル……」

    みほ「まだ大丈夫です!」

    エリカ「ちょ、大丈夫じゃあないわよ!」

    エリカ「こっちは掠るだけでも大激痛待ったなしなのよ1?」

    エリカ「っていうか、案の定さっぱり砲撃が当たらないし、このままだと時間の問題じゃない!」

    エリカ「どうするつもりなのよ!?」

    384 = 367 :


    みほ「うさぎさん、アヒルさんは後方をお願いします」

    みほ「カバさんと我々あんこうチームは、引き続きフラッグ車を攻撃します!」

    「今度は、逃げないから……!」

    うさぎさんチーム「「「「「うん!」」」」」

    エリカ「……」

    エリカ「素人集団ではあるけど……」

    エリカ「少しだけ、マシになっている……?」

    エリカ「……まあ、マイナスがゼロに近づいただけではあるけど……」

    エリカ「この短期間で、車体の色を普通にしただけでなく、本当に基礎の部分と心構えは修正してきたってことかしら……」

    みほ「アヒルチーム、怪我人は!?」

    典子「大丈夫です!」

    エリカ「……ま、変わってないところも、あるいたいだけど」

    385 = 367 :


    エリカ「M3もファイアフライにやられたか……」

    エリカ「もう時間の問題ね」

    エリカ「……」

    エリカ「諦めムードも漂っている」

    エリカ「諦めた者に勝利など無い」

    エリカ「さりとて、戦車道にまぐれなし」

    エリカ「確かにちょっと健闘したのは褒めてあげてもいいけど、現実は厳しいのよ」

    エリカ「……」

    エリカ「だからさっさとやられなさいフラッグ車!!」

    エリカ「あんなのにぶち当てられたら絶対ヤバイから!」

    エリカ「車内で出火するレベルの砲撃とか受けるわけにはいかないんだからね!!」

    386 = 367 :


    まほ「……」

    まほ「エリカなら……」

    まほ「もう時間の問題だなんて思うかもしれないな……」

    エリカ「……」

    ヒソヒソ

    アノコ、ドウコウヒライテナイ?

    ヒソヒソ

    ッテイウカ、サッキ、オッパイモンデタワヨ

    ヒソヒソ

    まほ「……」

    まほ(色んな意味で、この観戦ももう時間の問題だな……)

    まほ(無用なトラブルになる前に、試合が終わればいいのだが……)

    387 = 367 :


    みほ「みんな落ち着いて!」

    みほ「落ち着いて攻撃を続けて下さい!」

    みほ「敵も走りながら撃ってきますから、当たる確率は低いです!」

    みほ「フラッグ車を叩くことに集中して下さい!」

    エリカ「そうよ、とにかく先に撃墜するしかないわよ!」

    エリカ「何せ相手はあのファイアフライのナオミよ!?」

    エリカ「っていうかさっきから立て続けに2輌撃破されてるのよ!?」

    エリカ「楽観視してたら私の体がバラバラに吹き飛ぶんだからね!」

    みほ「今がチャンスなんです!」

    みほ「当てさえすれば勝てるんです……!」

    エルヴィン「諦めたら……」

    柚子「負け……」

    「いやもう駄目だよ柚子ちゃあん」 ビエーン

    エリカ「ちっ、指揮を下げるようなネガティブな発言なんてするもんじゃないわよ」

    麻子「……」 ガイン

    エリカ「え、ちょ、今何!? 蹴った!? 今蹴った!?!?」

    388 = 367 :


    優花里「西住殿の言うとおりです!」

    沙織「そうだよね……諦めたら負けなんだよね……!」

    麻子「うん……」

    沙織「華!」

    沙織「撃って撃って撃ちまくって!」

    エリカ「そうよ、それしかないわ!」

    沙織「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるって!」

    エリカ「そうよ、いいこと言ったわ!」

    エリカ「下手な鉄砲が当たらなきゃ、私は終わりなんだから!!」

    沙織「恋愛だってそうだもん!」

    「……いいえ、一発でいいはずです」

    エリカ「そりゃあ当たればそうだけども……やれるわけ?」

    「冷泉さん、丘の上へ」

    エリカ「待って」

    「上から狙います」

    エリカ「待ちなさい」

    みほ「稜線射撃は危険だけど、有利に立てる……」

    エリカ「聞こえてないのを承知で言うけどホント待って」

    みほ「賭けてみましょう」

    「はい」

    エリカ「被弾可能性アホほど上がるからホント待ってお願い待って!!!!!」

    389 = 367 :


    エリカ「ああああ、ほら!」

    エリカ「こっち狙ってるわよ!!」

    エリカ「そりゃそうなるわよ!」

    エリカ「ちょっと聞いてるの!?」

    みほ「――っ!」

    みほ「停車!!」

    エリカ「こっちは最初からそうやって体を動かしてるつもりよっ!」

    キキーーーーッ

    ズドオオオオオオオン

    エリカ「っぶな……」

    エリカ「急停止できるよう出来る限り体を動かしてなければ死んでたわね……」

    みほ「ファイアフライが次の弾を撃ってくるまでが勝負!」

    エリカ「その通り、車長の言うことは絶対よ!」

    エリカ「なんとしても早急にフラッグ車を撃破しなさい!」

    「わかりました……!」

    390 = 367 :


    「花を活けるときのように集中して……」

    エリカ「ちょ、集中は大事だけど早くしなさいよ!」

    エリカ「つ、次が来るわよ!?」

    みほ「華さん、お願い――!」

    「発射――!」

    エリカ「よし行k――」

    ズドオオオオオオオン

    エリカ「ひぎいいいいいいいいいい!?」

    391 = 367 :


    『大洗女子学園の勝利!』

    エリカ「おぎゃぐおぅえあぐ」

    エリカ「お尻が……お尻がああああああああ!!」

    エリカ「自由にのたうちまわれないのがこんなにつらいなんてええええええ……!」

    エリカ「いっそ気絶してええええええええええ……!」

    エリカ「ああああ……」

    エリカ「いい話風に青春してやがるぅ……」

    エリカ「何泣ける話みたいなことしてンのよ畜生!」

    エリカ「こちとら裂ける穴痔みたいなことになりそうよ!」

    エリカ「あああああああ……お嫁にいけない……」

    392 = 367 :


    ケイ「エキサイティーーーーング!」

    ケイ「こんな試合が出来るなんて思わなかったわ!」 ガバッ

    みほ「あ、あの……」

    ケイ「なに?」

    みほ「4輌しか来なかったのは……」

    ケイ「貴方達と同じ車輌数だけ使ったの」

    エリカ「じゃあ撃破された分差し引いて3輌で来なさいよ!」

    エリカ「っていうかファイアフライさえいなければ! いなければ……!」

    エリカ「ああああ……お尻が2つどころかアスタリスクの形に割れそうっ……!」 ヒギィ

    みほ「どうして……」

    ケイ「ザッツ戦車道!」

    ケイ「これは戦争じゃない」

    ケイ「道を外れたら戦車が泣くでしょ」

    エリカ「……」

    エリカ「戦車道は戦争じゃない、か……」

    エリカ「分かってるし、だからこそ、卑怯な手なんて使わないわよ……」

    エリカ「……」

    エリカ(何でだろう……胸が少し痛いのは……)

    エリカ(勝つために落下した仲間を見捨てる行為を、暗に責められている気がしたから……?)

    エリカ(それとも――単にファイアフライ浣腸アタックの余波……?)

    393 = 367 :


    アリサ「うう……」

    アリサ(とりあえず、運営本部にアレコレ言われるとまずいだろうし、傍受機の回収だけしておかないと……)

    ガガー

    ピピピ

    エリカ『甘っちょろいこと言って……』

    アリサ「!?」

    アリサ「え……」

    アリサ「もう誰も通信してないはずなのに……」

    アリサ「誰かが通信をONにしっぱなしに……?」

    アリサ「いや、だとしても戦車にもう人はいないはずだし、目に見える範囲でそんな発言してるやつは――」

    エリカ『そんなことだから初戦で消えるのよ、ったく……』

    エリカ『それにしても五体バラバラになりそうで最悪の気分だわ……』

    エリカ『慣れたのか防御力が向上したのか知らないけど、いっそ意識を奪ってくれたらよかったのに』

    アリサ「……」

    アリサ「そういえば、向こうの隊長車、この声の人間いなかったような……」

    アリサ「っていうか、今思うと、傍受機で聞こえた声の数と人数が合わな――」

    アリサ「え?」

    アリサ「ええええええ!?」

    エリカ『絶対許さないし、恨み続けてやるわ……』

    エリカ『ファイアフライの弾を直撃させてくれたことは……!』

    アリサ「ゆ、ゆゆゆゆゆ」

    アリサ「幽霊……!?」 ヘナヘナヘナ

    394 = 367 :


    アリサ「ば、バチが当たったの……?」

    アリサ「ぼ、傍受なんてしたから……」 チョロチョロチョロ

    ナオミ「?」

    ナオミ「どうしたの、そんなトイレの花子さんを見た立野広みたいな顔して」

    アリサ「」 ジョロジョロジョロ

    ナオミ「……ウップス」

    ケイ「反省会するから」

    アリサ「ひぃっ」

    ケイ「……」

    ケイ「……想定より顔面蒼白だけど、何かあったの?」

    ナオミ「さあ……」

    アリサ「」 ガタガタ

    395 = 367 :

    時間が時間ですし投下を終了します

    396 :

    乙でした。エリカ(人間)の方はどうなってんだろう……前回以上にえらいことになってそうだがww

    397 :

    お姉ちゃん有名人で注目集めやすいの分かってて何故エリカのイグニッションしちゃうんだよ

    398 :

    早く意識が元通りにならないと大惨事になるぞwww

    399 :

    乳首でアイドリングストップとか、生まれて初めて聞いたぞ

    400 :

    ちょい役なのに話題をかっさらうまほさん
    これが西住流……!


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