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    元スレエリカ「入れ替わってる……!?」 みほ「貴女の名は」

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    601 = 599 :


    ズドン

    みほ「……!」

    エリカ「ちょっと、無駄にネガティブになってる間に逃げるわよ!」

    みほ「全車輌前進、追撃します!」

    沙織「何で逃げてるの?」

    優花里「こっちが全車輌で追いかけてるからじゃないですか?」

    エリカ「基本的に数は正義なのよ」

    エリカ「この物量差で足を止めて撃つ阿呆はいないわ」

    沙織「そうだよねえ」

    沙織「何故か追うと逃げるよねえ、男って」

    エリカ「!?」

    エリカ「何この脳味噌ゆるふわ女……まだそんな股緩そうなこと言って……」

    エリカ「そーやって色濃いに現を抜かしておいて準決勝まで来てるのは腹立たしいわ……」

    エリカ「私達なんてクリスマスもバレンタインも時間外練習だったのに……」 ギリ

    エリカ「……」

    エリカ「まあ、隊長達と過ごすのは、悪くはなかったけれど……」

    602 = 599 :


    『フラッグ車、発見しました!』

    エリカ「ホントはさっさと負けてもらうつもりだったけど、どうやらさっさと勝って終わりそうね」

    「千載一遇のチャンス……よし、突撃!」

    エリカ「何でアンタが指示してんのよ!」

    イケエエエエエエ

    アターーーーック!

    エリカ「ほら、下にナメられてるからこーなるのよ」

    エリカ「隊長だって最初は上級生に歯向かわれたけど、実力を見せてきっちり統率できるようにしたっていうのに」

    エリカ「……その過程で辞めた人もいるけど、でもおかげで統率の取れた強いチームになった」

    エリカ「アンタにはそれが足りてないのよ」

    エリカ「少なくとのあの頭の中にカニ味噌しか入ってなさそうな片眼鏡は何喋っても否定して口きけなくするくらいじゃないと駄目よ」

    エリカ「余計なことを喋る指揮したがりの無能なんて生かしておくメリット0なんだから」

    麻子「……」

    ガン!

    沙織「ちょ、いきなりどうしたの!? キックなんかして……」

    麻子「いや、なんとなく」

    沙織「もー! 麻子は上手いからそういう余裕あるのかもしれないけど、今すっごく大事なとこなんだからね!」

    603 = 599 :


    イケー!

    ブッコロセー!

    ストレートガチシテヤル!

    みほ「ちょっと待って下さい……!」

    エリカ「アンタが悠長にしすぎなんでしょ」

    エリカ「置いていかれるわよ」

    みほ「……追ってください」

    麻子「……ああ」

    ズドンズドン

    「フラッグ車さえ倒せば……」

    左衛門佐「勝てるっ……!」

    みほ「……っ!」

    エリカ「ちっ、ここまで追い込んだならしっかりと当てなs――――」

    エリカ「!?」

    みほ「東に移動してください、急いで!」

    エリカ「囲まれている――ッ!?」

    エリカ(チームのレベルの低さを侮ったッ)

    エリカ(これが黒森峰ならば、こんなズルズル誘き出されずに撃墜していたっていうのに……!)

    604 = 599 :


    みほ「南南西に方向転換ッ」

    キュラキュラキュラ

    みほ「っ!」

    エリカ「くっ……!」

    みほ「囲まれてる……」

    沙織「周り全部敵だよ!?」

    「罠だったのか……」

    「ええ!?」

    エリカ「くっ……」

    エリカ(速攻すると決めてたのにそれに失敗、そしてプラウダ得意の形……)

    エリカ(雪上戦だし、これは、もう――)

    605 :

    値落ちしてました、申し訳ない

    606 = 605 :


    みほ「全車、南西の大きな建物に移動してください!」

    みほ「あそこに立てこもります!」

    エリカ「あそこに行くのも想定内だろうけど、他に手はなし、か……」

    エリカ「投了するのが潔いのか、最後まで抵抗するのがいいのか、難しいところだけど……」

    エリカ「ま、いずれにせよ、これまでのようね」

    『履帯と前輪をやられました!』

    『砲塔故障!!』

    エリカ「見事なまでの集中砲火ね……」

    エリカ「……」

    エリカ(そういえば、そのわりに全然痛くないわね……)

    麻子「……」

    エリカ(こいつ……もしかして相当の操縦技術なんじゃあ……)

    エリカ「……」

    エリカ「はっ、そんなわけないわよね」

    エリカ「私が無意識に避けようとしてるからってことかしら」

    エリカ「無意識にコイツらに力を貸しているかと思うと腹立たしいわ~」

    607 = 605 :


    エリカ「……ん?」

    みほ「砲撃が止んだ……?」

    ザッザッザッ

    沙織「見て、あれ……!」

    優花里「あの制服、プラウダの……」

    「脱走兵、でしょうか……?」

    エリカ「んなわけないでしょ」

    「撃った方がよろしいでしょうか?」

    みほ「よろしくないです落ち着いてください」

    エリカ「相当テンパってるわね……ったく……」

    プラウダ大使「カチューシャ隊長の伝令を持って参りました」

    プラウダ大使「降伏しなさい。全員土下座すれば許してやる」

    プラウダ大使「……だそうです」

    みほ「え……」

    「なんだと」

    エリカ「ちっ……ナメきってるわね……」

    エリカ「格下相手にしかイキれないあたり小者なのに、自覚ないのかしら」

    麻子「……」

    沙織「麻子?」

    麻子「……いや、なんでもない」

    608 = 605 :


    プラウダ大使「隊長は心が広いので3時間は待ってやる、とおっしゃっています」

    プラウダ大使「……では」

    エリカ「……はぁぁぁぁぁぁ!?」

    エリカ「3時間!?」

    エリカ「そんなの待ってたら黒森峰の試合が終わっちゃうじゃない!」

    エリカ「冗談じゃないわよ、さっさとトドメをさしにきなさい!」

    エリカ「あ、こら、行くな! ちょっと聞いてるの!?」

    エリカ「……あ、聞こえてないのか」

    エリカ「ほら誰かあのナメまくった連中を止めなさい!」

    エリカ「そんで宣戦布告の一発でもカマしてさっさと負けなさい!」

    609 = 605 :


    まほ「くっ……」

    まほ「戦力の差のおかげで、なんとか競ってはいるが……」

    まほ「やはり貴重な戦力の一角が機能していないのは辛いな……」

    小梅『本来なら軽くはねのけられる奇策が、全部逸見さんの穴を突かれて成功させられちゃってますもんね……』

    まほ「見た目にはこちらが圧勝しているし、戦力差を考えればそれは事実だろうが――」

    まほ「内容としては後手に回らされているし、決して良いとは言い難いな」

    まほ(一人欠けても問題ないチームづくりをしていたはずだが……)

    まほ(やはり一朝一夕でどうにかなるものではなかったか……)

    小梅『大変です隊長!』

    小梅『逸見さんの不在を気取られないようにいつもどおり上半身だけ戦車から出させていた逸見さんですけど……』

    小梅『木に引っかかって車外に転落したそうです!』

    小梅『大幅に遅れてます!』

    直下『戦車に押し込めるのも操縦苦労したし、復帰かなりかかるんじゃ……』

    まほ「……やむをえまい」

    まほ「一旦別行動という形を取る」

    まほ「逸見車は後から追ってきて、後に履帯損傷で戦列を離れた者の補佐などを頼む」

    逸見車通信手『で、ですが……』

    逸見車通信手『逸見さんを乗せたあとだと、出入り口を逸見さんが塞ぐから、後方支援は難しいかと』

    まほ「…………」

    まほ(こういう場面、欠片も想定していなかったもんな……)

    まほ(やはり応用力が課題か……)

    610 = 605 :


    典子「誰が土下座なんか!」

    「全員自分より身長低くしたいんだな」

    エリカ「嫉妬で無駄なことするなんて、まったく戦車道を何だと思ってるのかしら」

    エルヴィン「徹底抗戦だ!」

    「戦い抜きましょう!」

    エリカ「ま、そうね」

    エリカ「ただでさえこんな弱小校で大会に出て暗黙のルールをぶち壊したっていうのに」

    エリカ「案の定一方的にやられた挙句土下座してリタイアしました、なんてしてみなさい」

    エリカ「戦車道大会そのものに傷がつくし、 西住流の名だって地に落ちる恐れがあるわ」

    エリカ「せめて少ない希望に縋った顔をして突撃してパーッと死になさい!」

    エリカ「出場してここまで来られた以上、知波単レベルにはなってもらっておかないと周りにも迷惑がかかるのよ!」

    みほ「でも……」

    エリカ「デモもストもない!」

    みほ「こんなに囲まれていては……」

    エリカ「勝ち目なんて当然ないわよ」

    エリカ「ならさっさと実力で負けるしかないしょうが!」

    エリカ「そもそも降伏したところでフラッグ車は落とされるのよ!?」

    エリカ「土下座して一体何を許されようって言うのよ!」

    611 = 605 :


    みほ「怪我人が出るかも……」

    エリカ「はァ!?」

    エリカ「そんなの当然じゃない」

    エリカ「カーボンで守られてるとは言え、戦車に乗って実弾撃ち合っているのよ!?」

    エリカ「大体アンタだって、怪我する可能性を理解して戦車に乗って、上半身を車外に出したりしてるじゃない」

    エリカ「何今更そんな――」

    「みほさんの指示に従います」

    エリカ「なっ……!」

    沙織「私もっ……」

    沙織「土下座くらいしたっていいよ!?」

    優花里「私もですっ」

    エリカ「ちょっ……本気で言ってるの!?」

    エリカ「腐っても準決勝で、かなりの人が見ているのよ!?」

    エリカ「戦車道大会の歴史でも見かけないとんでもない行為なのよ!?」

    エリカ「アンタ達が思ってるより、ずっと無様でみっともないのよ!?」

    麻子「準決勝まで来ただけでも上出来だ、無理はするな」

    エリカ「そりゃアンタら程度で準決勝まで来たら上出来よ」

    エリカ「だからって、無様に土下座することないじゃない」

    エリカ「……怪我するかも、なんてリスク気にしないで、さっさとやられればいいだけなのに」

    エリカ「たかが、その子の感情的な理由に、どうしてそこまで従えるのよ……」

    612 = 605 :


    「駄目だ!」

    「絶対に……」

    「絶対に負けるわけにはいかん!」

    「徹底抗戦だ!」

    エリカ「今回ばかりは賛同だけど……」

    エリカ「相変わらず偉そうなのが癪に障るわね」

    エリカ「黒森峰なら――」 ハッ

    エリカ「……」

    エリカ「黒森峰なら、隊長の意見に逆らうような子はいない……」

    エリカ「隊長を、信じているから」

    エリカ「……隊長の言葉には間違いがないから……」

    エリカ「……」

    エリカ(隊長の考えは正しいと思っているし、共感もしていた……)

    エリカ(だから、それとは違う意見を持ってるアンタのことが信じられなかった……)

    エリカ(才能があるだけに、隊長みたいに考えを改めて、西住流後継者にして黒森峰の将来の隊長に相応しくなってほしかったのに……)

    エリカ「……とうとうムカつくくらいに甘っちょろいまま、アンタは“隊長”になったのよね……」

    エリカ「見なさいよ、みんな、片眼鏡じゃなくてアンタの味方って顔してるわよ」

    エリカ「……私には、アンタを信じるなんて信じがたいけど……」

    エリカ「……隊長みたいに、チームから、信用されてるのね……」

    エリカ「……」

    エリカ(私は……)

    エリカ(隊長やこの子みたいに、信じてもらえるような選手に、なれてるのかしら……)

    エリカ「…………」

    613 = 605 :


    逸見車砲手「あった、逸見さんの体!」

    逸見車装填手「うわっ、血が出てる……」

    逸見車通信手「え、大丈夫?」

    逸見車通信手「どうしよう……」

    逸見車通信手「このままじゃどうせ役に立てないし、リタイアした方がいいのかな……」

    逸見車砲手「なんだかんだで、逸見さんの指示が正確だから、上手くやれてたんだもんね……」

    逸見車装填手「逸見さん抜きで統率取れずに動いて、フレンドリーファイアーなんてことになったら不味いもんね」

    逸見車操縦手「……」

    逸見車操縦手「ちょっと怖いけど、やっぱり、逸見さんがいないと、私達は成り立たないのよね」

    逸見車通信手「……だね」

    逸見車砲手「この戦いが終わったら、もう少し逸見さんと、いろいろな話をして、もうちょっと仲良くなってみようかな……」

    逸見車砲手「私達、逸見さんがこうなったのも、よく分からない病気としか教えてもらえてないし」

    逸見車操縦手「うん、そうだね。そうしよう!」

    逸見車装填手「あ、私逸見さんについて語らうライングループ知ってるよ、入る?」

    逸見車砲手「あ、うん。最近スマホにしたし、折角だし招待してよ」

    逸見車装填手「そうだ、どうせ私達リタイアするんだろうし、逸見の森で何かこういう時の対策載ってないか見てみよっと」

    逸見車砲手「逸見の森?」

    逸見車装填手「そうそう、ライングループの名前で――」

    逸見車通信手「わっ、危ない!」

    614 = 605 :


    ガシッ

    逸見車通信手「セーフ……!」

    逸見車装填手「ご、ごめん、大丈夫だった!?」

    逸見車操縦手「もう、気をつけてよ! 逸見さん、この体格で結構重いんだから!」

    逸見車装填手「そういえばボクササイズで痩せたはいいけど本格的なトレーニングしたら筋肉ついて重たくなっちゃったんだっけ……」

    逸見車砲手「え、そうなの」

    逸見車装填手「逸見の森情報だから、本人が教えてくれたわけじゃないんだけどね」

    逸見車操縦手「……あっ、ちょ!」

    逸見車通信手「え?」

    フヨン

    逸見車通信手「わわ、ごめん逸見さん!」

    逸見車砲手「なるほどこれがラッキースケベ……」

    逸見車通信手「と、とりあえず支え続けなきゃいけないけど、手は胸から離さないとだし……」

    逸見車通信手「このまま手をゆっくりスライドさせて、胸から腰のあたりに……」 ススス

    逸見車砲手(私達が支えたらなんとかなると思うけど、面白いから黙っていよう)

    ポチ

    逸見車通信手「あ、やば、変なとこ触っちゃった」

    逸見車装填手「もう、お硬い副隊長様だし、あんま変なことすると怒られるよ?」

    エリカ「ドゥルン」

    逸見車通信手「!?」

    エリカ「ドゥルルルルルルルル」

    615 = 605 :


    逸見車通信手「ど、どうしたの逸見さん!?」

    エリカ「ドゥルルルルルルルル」

    逸見車砲手「突然どうかしたの!?」

    逸見車装填手「も、もしかして、打ちどころが悪かったんじゃあ……」

    逸見車通信手「ええ!?」

    逸見車砲手「ど、どどどうしよう、とりあえず試合を中断して貰って――」

    逸見車操縦手「……待って!」

    逸見車操縦手「あの逸見さんが、そんなことを望むとは思えない」

    逸見車通信手「そ、そりゃあそうだけど……」

    逸見車操縦手「それに――」

    逸見車操縦手「あの戦車道に対しては面倒なくらいこだわりを持ってた逸見さんが、こんな場面でふざけると思う?」

    逸見車砲手「た、確かに……」

    逸見車通信手「言われてみれば、病気で意識がないとかはともかく、病気でドゥルンドゥルン言い出すわけないもんね……」

    逸見車操縦手「うん……」

    逸見車操縦手「きっとこの言動にも、何か意味があるんだよ……!」

    616 = 605 :


    逸見車砲手「そうだよね……」

    逸見車砲手「昔から逸見さん、言葉足らずだし、嫌な奴って思うくらい口も悪かったけど……」

    逸見車砲手「でも、いつだってそこには意味があった」

    逸見車装填手「素直になればこじれないのに、なんて思うこともあったけど……」

    逸見車装填手「逸見さんなりの戦車道愛が、いつだって根底にはあったんだよね……」

    逸見車操縦手「逸見さんは、こんな私達を、ずっと同じ戦車の仲間に選んでくれた」

    逸見車操縦手「このままだと、私達が、来年は隊長車を支えるメンバーになる」

    逸見車操縦手「今、逸見さんを信じられなくてどうするの!」

    逸見車通信手「そうだよね……」

    逸見車通信手「気持ちと意図を組んであげるのが、仲間である私達の役目……」

    逸見車砲手「昔は、あまりに嫌な子だからって筆記具全部チョークにすり替えたりしたこともあったけど……」

    逸見車砲手「でも、色々あって、今は逸見さんを信じてる……」

    逸見車装填手「逸見さんの意図を理解し、私達の車長が望むことを、私達で成し遂げよう!」

    逸見車メンバー「「「おおーーーっ!!」」」

    エリカ「ドゥルン」

    617 = 605 :


    エリカ「……」

    エリカ(やっぱり、私なんかじゃ誰もついてきてないわよね……)

    エリカ(余裕がないことが多いってくらい、自分でも分かってる)

    エリカ(隊長になってから、最低限の人望を得るしかないと思ってた)

    エリカ(……隊長がいる以上、隊長以上に人望を得られるわけがないもの)

    エリカ「……」

    エリカ(隊長には、実力も人望も遠く及ばないのは分かってる)

    エリカ(でも……)

    エリカ「アンタにだけは……」 ギリッ

    618 = 605 :


    「勝つんだ、絶対勝つんだ!」

    「勝たないと駄目なんだ!」

    エリカ「……」

    エリカ「勝たないと駄目、か……」

    エリカ「そこに関してだけは同意だわ」

    エリカ「……」

    エリカ「実力も策もなく喚くだけだとこうなる、って例ね……」

    エリカ「……」

    エリカ「私も、明日は我が身にならないようにしないと……」

    みほ「どうしてそんなに……」

    みほ「初めて出場してここまで来ただけでも凄いと思います」

    みほ「戦車道は戦争じゃありません」

    沙織(あ、サンダースの人が言ってたやつだ)

    (しれっとパクりましたね)

    優花里(影響を受けたんですねえ……)

    みほ「勝ち負けより大事なものがあるはずです」

    エリカ「……フン」

    エリカ「勝つ以外の――」

    「勝つ以外の何が大事なんだ!!」

    エリカ「……」

    619 = 605 :


    みほ「私……この学校にきて皆と出会って、はじめて戦車道の楽しさを知りました」

    エリカ「ッ!」

    みほ「この学校も、戦車道も大好きになりました!」

    エリカ「……」

    エリカ「なによ……」

    エリカ「分かっちゃいたわよ、アンタがこのヌルい環境とアホ面下げた連中に、入れ込んできてるってことくらい」

    エリカ「分かっちゃいたわよ……」

    エリカ「アンタの居場所は、もう、ここなんだってことくらい……」

    エリカ「でも……」

    みほ「だからその気持ちを大事にしたまま、この大会を終わりたいんです」

    エリカ「黒森峰の日々だって、少しくらいは、アンタの中にあると思っていたのにっ……」

    エリカ「去年私が大事にしていた気持ちをアンタのせいで台無しにされて、それでもっ……」

    エリカ「毒づきながらでも、それでも仲間がしたことだからって、過去のことにしようとしてたのに……!」

    620 = 605 :


    「何を言っている……」

    麻子(こっちの台詞だろ……)

    「負けたら我が校はなくなるんだぞ!」

    みほ「え……?」

    エリカ「……は?」

    みほ「学校が……なくなる……?」

    「河嶋の言うとおりだ」

    「この全国大会で優勝しなければ――」

    「我が校は、廃校となる」

    みほ「――っ!」

    エリカ「……っ」

    621 = 605 :

    区切りついたので、投下を終了します
    年内にプラウダ戦すら終わりませんでしたが、エたらせるつもりはないので、よければ来年もよろしくお願いします

    622 :


    よいお年を

    623 :

    おつおつ
    手が空いたら少しずつ進めてくれれば良いよ!

    624 :

    とりあえず逸見車のメンバーは知っとけよ。入れ替わり後のを

    625 :

    おつおつ
    乳首イグニッションとか頭おかしいことやってるのに、本筋は濃厚なエリみほで草生えますよ

    626 :

    あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします
    落ちても困るので少しだけ透過します

    627 = 626 :


    優花里「な、ななななななななな……!?」

    「い、今、なんて……」

    エルヴィン「ほら、あれだろう、より強くすべく、色々なものを我が校に混ぜ合わせてより良い物を……」

    「それは配合だ」

    ソド子「きっと、それでも果敢に戦った功績を認められて、何かのルールの大本になったりするのよ!」

    「えーっと、それは大綱だな」

    おりょう「幾度か辛酸を経て、志初めて堅し――」

    「…………」

    「……あっ、西郷?」

    おりょう「うむ、それだ!」

    「お前ら現実逃避をするんじゃないっ、本当に廃校なんだァ!」 ウワァーン

    628 = 626 :


    エリカ「廃校……」

    エリカ「なによそれ……」

    あや「あれだよ、負けたら野良仕事をやらされるんだよ」

    優季「しっごーとがっすっきー」

    あゆみ「てれてんてんてんてれてんてんてん」

    桂利奈「ハイホーハイホーハイホー」

    「廃校!!」

    エリカ「……」

    エリカ「もし、ここが廃校になったら……」

    麻子「……ぽぅ」

    「マイコーじゃない! 廃校だ!!」

    「やる気ないなら無理矢理入ってこないで聞いてくれる方が有り難いんだけどな」

    エリカ「……」

    エリカ「このまま負ければ……」

    エリカ「……あの子は、また、黒森峰に……?」

    典子「きっと敗戦のショックで3日くらい失踪を……」

    「失踪……一体何が……」

    妙子「実は温泉旅行とか……」

    あけび「温泉にならいいけど、ロッテには行きたくありません」

    「ええいそんな1勝もしない投手なんて関係ない! 廃校なんだよ!!」

    エリカ「……」

    エリカ「実質部外者の私じゃなくてアンタらがもっと焦りなさいよ!」

    エリカ「おちおち頭を悩ませれもしないじゃない!!」

    630 = 626 :


    沙織「き、きっと負けたら戦車を売られちゃうんだよ……」

    沙織「しかも二束三文で、よりにもよって中古戦車のお店でなく中古バイクのお店に……」

    「バイク王でもない! どんどん離れていくな!」

    カエサル「超感動した」

    「圧倒的な世界観」

    ゴモヨ「もう三回見ました」

    左衛門佐「絶対泣ける」

    パゾミ「友情っていいなあ、って思いますよね」

    優花里「せーのっ」

    「「「「ほにゃらら(お好きな映画タイトルをお入れください。例:実写咲-Saki-)、サイコーーーーー!」」」」

    「ハイコーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

    「あんまり現実逃避されても困るし、勝手に回想入っちゃうよ?」

    エリカ「私の意思一つで発砲できたらこいつら全員粉微塵にしてやるのに」

    631 = 626 :


    エリカ「……はぁ……」

    エリカ「ま、空元気も已む無し、か」

    エリカ「相手はプラウダ」

    エリカ「こう囲まれたら勝機はないわ」

    エリカ「ここから逆転できたら、全裸でパンを尻にはさんで右手の指を鼻の穴に入れて左手でボクササイズをしながら「いぼぢをだいじに」と叫んでもいいわ」

    エリカ「そのくらい、廃校は明白」

    エリカ「……」

    エリカ「つまり……」

    エリカ「おそらく、あの子は……」

    エリカ「いえ、黒森峰を拒否して、もしや他校に……?」

    エリカ「……」

    エリカ(何よ、このもやもやは……)

    エリカ(私は一体、あの子にどうなってほしいの……?)

    632 = 626 :


    エリカ「……」

    エリカ「それにしても……」

    エリカ「早く諦めてもらわないと、もう試合は間に合いそうもないわね……」

    エリカ「私の手で、継続相手に勝利したかったのに……」

    エリカ「今頃、隊長達は相手を包囲し圧勝し終えたところかしら……」

    エリカ「はあ……」

    エリカ「そりゃそうよね……」

    エリカ「なにせ隊長は優秀なうえ、あのチビと違って変な油断も傲りもない」

    エリカ「遊ばずに終わっているはず……」

    エリカ「……」

    エリカ「私なんていなくても、きっと、問題なく、勝ってるのよね……」

    633 = 626 :


    小梅『……以上が、こちらの被害状況ですっ……』

    まほ「そうか……」

    直下『すみません、私達のせいで……』

    まほ「いや、気にするな」

    まほ「向こうが一枚上手だったんだ」

    まほ「……包囲したあとの、フラッグ車の動き」

    まほ「あの車輌だけ、頭ひとつどころでなく飛び抜けていた」

    まほ「自らが逃走すべく奇策に徹されたのも、こちらとしては苦しかったな」

    まほ(アクシデントで指揮系統が麻痺した時のため、ある程度各自で考え臨機応変に対応するよう指導していたが……)

    まほ(それが完全に裏目に出たな)

    まほ(まだ始めたばかりの方針であるため、各々が最適解を分からぬまま好き勝手に動き自滅してしまった)

    まほ(……とはいえ、仕方のないことだ)

    まほ(何のリスクもないのなら、とうの昔から取り入れている)

    まほ(これらのリスクを踏まえたうえで、去年のようなことを繰り返さぬために、決めた方針だ)

    まほ(来年・再来年のメンバーの底上げのためと考えれば、そこはもう割り切るしか無い)

    まほ(それより、今は――)

    まほ「この歯抜けになった軍団で、どうするか、だな……」

    634 = 626 :


    まほ(向こうは、基本的に奇襲をしかけてくる)

    まほ(厄介なのは、フラッグ車を狙ってこない点)

    まほ(削れる周囲を確実に削り取り、また逃走していく)

    まほ(サシでの勝負で負けるつもりはないが…・…)

    まほ(この段階で一人を相手に撃墜され続ければ、後のメンタル面に大きく影響する)

    まほ(ここは早期に決着をつけねばなるまい)

    まほ(とはいえ、この歯抜け状態で西住流の王道を行ってもさほど脅威たり得ない)

    まほ(されど、西住流に泥を塗るような奇襲も出来ない

    まほ「…………」

    まほ(みほ……)

    まほ(この局面、お前ならどう切り抜ける……?)

    まほ(それに……)

    まほ「……」

    まほ「エリカ……」

    まほ(エリカ、お前なら、どうするんだろうな……)

    635 = 626 :

    短いですが、眠気が来たので中断します

    636 :


    エリカが豚になってまう!

    637 :

    飛べない豚はただの豚だ

    638 :

    また少しだけ透過します

    639 = 638 :


    エリカ「よーやく種明かしが終わったわね」

    エリカ「まあ、私は所々しか関わってないから、そんなに思う所はないんだけど」

    エリカ(……思うところがあるとしたら、やっぱり、この子が廃校になった時どうするか、よね……) チラリ

    みほ「……それで戦車道を復活させたんですか」

    「戦車道やれば助成金も出るって聞いてたし」

    「それに学園運営費にも回せるしね」

    麻子「その割に戦車の購入どころかパーツの購入すら出来てないじゃないか……」

    「極力使わず、生徒会室に空気清浄機と全自動卵割り機を導入するのに使わせて貰った」

    麻子「この建物、カメラ入らないんじゃないか?」

    「なるほど、いつでも撃てますよ」

    「まあ待て」

    みほ「皆さん気持ちはわかりますけど落ち着いて!」

    640 = 638 :


    「じゃあ、世界大会というのは嘘だったんですか!?」

    「それは本当だ」

    エリカ「いきなり優勝なんて無理だし、世界大会なんてもってのほかよ」 ケッ

    「いやー昔盛んだったならもっといい戦車が眠っているかと思ったんだけど……」

    麻子「いい戦車抱えこんでたら辞めるわけないだろ」

    エリカ「アホね」

    エルヴィン「浅慮だな……」

    「うわーボロクソ」

    「ちなみにここにあるのは全部売れ残ったやつ」

    麻子「で、その売上金は」

    「先輩たちが運営費に当て、そして切り詰めて生徒会室の設備充実に当てた」

    優花里「装填完了です、五十鈴殿!」

    「みほさん、いつでも撃てます」

    みほ「……気持ちはわかりますが、冷静になりましょう」

    「あれ、ちょっと擁護まで間がなかった?」

    641 = 638 :


    「……他に考えつかなかったんだ」

    「古いだけで何も特徴のない学校が生き残るには……」

    優花里「あんこう踊りがあるのでは」

    カエサル「確かにアレは強烈だな……」

    「思わず記憶しちゃうインパクトですよね……」

    おりょう「となると、あんこう踊りで町おこし……?」

    あや「それが出来るなら、とっくに栄えてるんじゃあ」

    典子「そこは、根性で!」

    麻子「衣装をあのピッチリしたスーツ義務にすればいいんじゃないか」

    エルヴィン「なるほど、それを雇った美人にやらせて人目を引くと言うわけだな」

    「……無謀だったかもしれないけどさあ」

    「あと1年、泣いて学校生活を送るより――希望を持ちたかったんだよ」

    みほ「会長……」

    エリカ「いい話っぽくしてるけど、あいつらあんまり聞いてないわよ」

    642 = 638 :


    柚子「黙っていて、ごめんなさい……」

    優花里「で、でもまだ、あんこう踊りで何とかなりますよ!」

    あや「そうですよ、セクスィースーツで踊るイベントで、観光客がウッハウハです!」

    「あんこう踊りじゃ無理だ」

    「大体セクスィーなスーツ云々で客を釣り始めたら、恐らく禁止処分を受ける」

    「大洗としても、あんこう踊りまで失うわけにはいかないんだよねー」

    「大体、誰が着たがるんだあんなもん!」

    「た、確かに……」

    典子「根性があっても、あればっかりは……」

    カエサル「と、いうことは……」

    みほ「本当に、廃校……!?」

    「だからそう言っているだろう!!」

    典子「バレー部復活どころか、学校がなくなるなんて……」

    おりょう「無条件降伏……」

    優花里「そんな事情があったなんて……」

    「この学校がなくなったら、皆バラバラになるんでしょうか……」

    沙織「そんなのやだよお!」

    エリカ「……」

    643 = 638 :


    麻子「単位習得は、夢のまた夢か……」

    うさぎさんチーム「うううううう……」

    エリカ「……すっかり葬式ムードね」

    エリカ「……」

    エリカ「同情は、してあげないわよ……」

    みほ「……」

    みほ「まだ試合は終わってません」

    エリカ「……!?」

    みほ「まだ、負けたわけじゃありませんから」

    優花里「西住殿……」

    「西住ちゃん……?」

    エリカ「ちょっ……あんた本気で言ってるわけ!?」

    みほ「……頑張るしかないんです」

    みほ「だって――」

    みほ「来年もこの学校で、戦車道をやりたいから……」

    644 = 638 :


    みほ「……みんなと」

    エリカ「……」

    エリカ「なーによ、たった数ヶ月がいいとこの奴ら相手に、そこまで……」

    優花里「私も、西住殿と同じ気持ちです!」

    エリカ「なっ、ちょ、どんだけ単純なのよアンタは!」

    沙織「そうだよ、とことんやろうよ!!」

    沙織「諦めたら終わりじゃん、戦車も恋も!」

    「まだ戦えます……!」

    麻子「……」 コクリ

    エリカ「何よ……こいつら揃いも揃って感化されすぎじゃないの……」

    みほ「降伏はしません」

    みほ「最後まで戦い抜きます」

    エリカ「……」

    みほ「ただし、皆が怪我しないように、冷静に判断しながら」

    エリカ「……」

    エリカ「相変わらず、クソ甘いままなのね」

    エリカ「立派に隊長として支持を出してるけど……そんなんじゃ、黒森峰では通用しないわよ」

    エリカ「……」

    エリカ「……」

    エリカ「アンタの居場所は、もう、黒森峰にはないんだから」

    エリカ「別に、寂しくなんてないし――」

    エリカ「――いいわ、私も、手ぇくらい貸してあげる」

    エリカ「精々、圧倒的戦力差と現実を知って、あのクソ生意気なちびっ子に一矢報いてから死になさい」

    645 = 638 :


    エリカ「……整備も、気付いたら手慣れてきてるじゃない」

    エリカ「当然、私達黒森峰の方が上として――」

    エリカ「この上達スピード……」

    エリカ「ポッと出のわりには、努力してるんじゃない」

    エリカ「……ま、このくらいは当然だけど」

    「問題は、この包囲網をどうやって突破するのかだな」

    エリカ「そう」

    エリカ「闇蜘蛛に突っ込んでも、待っているのは知波単のような総玉砕」

    エリカ「さりとて黒森峰のように乗り手も戦車も地力不足」

    エリカ「さあ、どう指揮をとるつもりなのか、見せてもらうわ」

    646 = 638 :

    眠気が襲ってきたので寝ます

    647 :

    朝だぞ。起きろ

    648 :

    朝なのに起きてこないし反応がない……
    もしかして、戦車と入れ替わってる?

    649 :

    誰か>>1の乳首イグニッション試すんだ

    650 :

    冷静になると、乳首がイグニッションってなんだよ……


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