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    元スレエリカ「入れ替わってる……!?」 みほ「貴女の名は」

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    751 = 745 :


    優花里「うう、私もⅣ号とお喋りしてみたかったです……」

    エリカ(願い下げだわ)

    みほ「……」

    みほ「本当は、ちょとだけ、自分一人の秘密にしようかな、なんて思っちゃったりもしたんだ」

    みほ「だけど……」

    みほ「私にとって戦車は、嫌いになったはずなのにやっぱりどこか傍にいると安心しちゃう、大切な存在だから……」

    みほ「同じくらい大切な友達にも、紹介したいなって」

    麻子「いい話風にしてるけど、字面だけ聞くとホラーだな」

    沙織「もう、麻子!」

    麻子「……まあ、聞こえないだけで、何か喋っていてもおかしくはないと思うけどな」

    麻子「無性に蹴りを入れたくことがあるしな」

    沙織「なにそれこわい」

    752 = 745 :


    みほ「……これからもきっと、戦車に語りかけちゃったりするんだろうな、なんて思うんだけど、でも……」

    みほ「前を向くために、一旦お別れ」

    みほ「うつむいて、戦車を見ることしかできなかった昔とは違うから……」

    みほ「顔をあげて、みんなのことを見ながら、お姉ちゃんたちに、勝たなくちゃいけないから……」

    みほ「もう、聞こえるかも分からない声に固執したりしない」

    みほ「そんなことで、あれこれ考えて泥沼にハマったりもしない」

    みほ「聞こえなくたって、傍にいてくれるだから」

    みほ「だから――」

    みほ「集中して、決勝戦――そこに、全てを賭けますッ」

    沙織「……うん! そうだね、みぽりん!」

    「お話に拘らなくても、絆は深まっていきますしね」

    麻子「……寝るか、今から。全員戦車で」

    沙織「もー麻子!」

    優花里「戦車を愛する気持ち、よくわかります!!」

    優花里「でもだからこそ、愛しているからこそ、少し距離を取ることも大事ですもんねえ」

    753 = 745 :

    突然眠気がマシましなので寝ます。遅筆で申し訳ない

    754 :

    乙です
    遂に家元の目の前で入れ替わってしまったか
    4号化したエリカを目の当たりにしたしほさんの反応が楽しみ

    755 :

    下手するとショック死と思われそうだw

    756 :

    ちまちまいきます

    757 = 756 :


    エリカ「……」

    エリカ(ほーんと、ムカつくくらい、いい顔するようになっちゃって)

    エリカ「……」

    エリカ(……アンタが前向きになって能動的に動くようになったら凄いことは、誰より肌で感じていた)

    エリカ(ついぞその姿を見ることはなかったけど)

    エリカ「……」

    エリカ(西住流を捨て、アンタだけの力を得た……)

    エリカ(きっと、みんな驚くだろうけど……)

    エリカ(それも試合が始まってからすぐだけことッ)

    エリカ(所詮西住流の敵ではないことは、私が証明してあげるわっ……!)

    758 = 756 :


    小梅「あのー」

    しほ「っ!」 ビクゥ

    しほ「……何か」

    小梅「ああ、その……」

    小梅「昨日色々あって、大事を取って保健室で寝ていた逸見さんですけど……」

    しほ「……彼女が目を?」

    小梅「ああ、いえ」

    小梅「心臓が止まりました」

    しほ「…………」

    しほ「?????????????????」

    小梅「驚かれているでしょうが、最初だけです。すぐに慣れますよ」

    しほ「いや、心臓……え?」

    小梅「例の病気の最中の逸見さんをお見せしようと想いまして……」

    しほ「……」

    しほ「わかりました。では今すぐ保健室に……」

    小梅「ああ、いえ、お手を煩わせるまでもありません」

    小梅「隊長がここに乗ってきてます」

    しほ「そう……」

    しほ「しかし仮にも腹部に傷を負ったモノを連れてくるのは――――」

    しほ「……」

    しほ「“乗って”きて……?」

    小梅「はい。“乗って”きてます」

    まほ「失礼します」 ガラッ

    エリカ「ドゥルン」

    しほ「」

    759 = 756 :


    しほ「何を遊んで……」

    まほ「……触ってください」

    フヨン

    しほ「……意外とある……」

    しほ「ではなく!」

    しほ「ほ、本当に止まっている……!?」

    しほ「し、心臓マッサージ……いやでもこうして立って……!?」

    まほ「これが、かつて私達が心臓マッサージをしようとした結果判明したエリカの症状です」

    小梅「胸をこうやって押すと……」 グッ

    エリカ「ズドォォォォォォン」 ハンバァァァァァァグ

    まほ「ハンバーグが射出されます」

    しほ「ハンバーグという名詞に射出という動詞を使う日がくるなんて……」 クラクラ

    まほ「まだまだあります」

    しほ「え……」

    まほ「……ここまで来て、中途半端に隠し立てをしても、逆効果です」

    まほ「全てをお伝えします」

    しほ「……」

    しほ(頭が痛くなってきた……)

    760 = 756 :


    沙織「みぽりんも、戦車とばっかイチャイチャしてないで、ちゃんと男の子とイチャイチャしなくちゃだめだよー?」

    エリカ「んなっ……!」

    エリカ(しまった、思わず声が……)

    みほ「あはは……でも、今は、戦車道が楽しいから」

    エリカ「……」

    エリカ「ほっ……脳味噌ゆるふわ達と話すためヘッドホン外してくれてたのね……」

    沙織「たまには趣味以外にも目を向けないと、男の子だって寂しがっちゃうんだよ!」

    「とても彼氏がおらず無線の勉強に打ち込んでる人間の言葉とは――」

    沙織「も、もー!」

    優花里「大体欲しくもないのに無理して作るものじゃありませんよ!」

    麻子「まったくだ。いい加減諦めたらどうだ」

    沙織「やーだー! あーきーらーめーなーいー!」 プップクプー

    麻子「まったく……」

    沙織「ぜーったい、いい男振り向かせちゃうんだから!」

    みほ「あはは……」

    優花里「……」

    優花里「西住殿は……」

    優花里「男性よりも、お母様とお姉さん、ですよね」

    みほ「えっ」

    優花里「振り向かせたいのは」

    エリカ「何言ってんのよこのモジャ毛!」

    エリカ「そいつは……その家族や私達を捨てて、ここに居るのよ」

    761 = 756 :


    小梅「こうやって一口ハンバーグを食べさせることによって、逸見砲の装填が可能です」

    しほ「…………」

    しほ「一つ、言わせてもらうわ」

    まほ「……はい」

    しほ「正気???????????」

    しほ「貴女達、正気??????????????????????」

    小梅「……はい」

    まほ「勿論です」

    エリカ「ドゥルン」

    しほ「どうしても、おちょくられているんじゃないかという気持ちになるのだけれど」

    小梅「そ、そんなことはありません!」

    小梅「それに……」

    小梅「それに逸見さんは、誰よりも“西住”を敬愛し、拘っています!」

    小梅「認めてもらいたい人の前で、認めてもらいたい人を相手にバカにするはずがありません」

    しほ「……」

    しほ(バカにしてるわけじゃない方が問題よね、ドゥルンドゥルン言いながらハンバーグを吐き出すって……)

    762 = 756 :


    みほ「……」

    優花里「……すみません出過ぎた真似をしました」

    みほ「……ううん」

    みほ「多分、それは……その通りだから」

    エリカ「あんた……」

    みほ「でも……」

    みほ「それは無理って……分かってて」

    みほ「お母さんもお姉ちゃんも、立派な“西住流”だから」

    みほ「今の私じゃ、きっと――振り向いてなんて貰えないし、認められるわけがない」

    エリカ「……」

    エリカ「何よ、分かってるんじゃない……」

    エリカ(それなのに、それでも、あんたは――)

    763 = 756 :


    まほ「生物とは、何らかの力をその身に受けると、反射という動作を行います」

    まほ「例えばボールが顔めがけて飛んできたら目をつぶったり」

    まほ「頬を叩かれたあとは思わずそこを抑えたり」

    まほ「熱いものを触ると、反射的に手を引っ込めるのもそうでしょう」

    しほ「……それは分かります」

    まほ「エリカのも、それと同じだと想われます」

    まほ「乳首を触れると、反射的にイグニッションが入る」

    まほ「胸部を押すと、口からハンバーグを射出する」

    まほ「これらは、そんな反射と一緒です」

    しほ「もうわからない」

    しほ「意識がないのでしょう?」

    まほ「はい。ですがエリカの場合、肉体に直接触れられています」

    まほ「一箇所に力が加われば、それにつられて体全体が動いてしまうものですし、それも一種の反射ではないでしょうか」

    しほ「……」

    しほ(分からない……)

    しほ(言っていることもだけど、それ以上に自分の娘が分からない……)

    しほ(一体どうしちゃったというの……)

    しほ(反抗期にしてもアクロバティックすぎるわ……)

    しほ(なんか今だと相対的にマシなみほを笑って許せてしまいそうだわ……)

    しほ(厳格な組織の長として非情な決断を貫くためにも、試合を目の当たりにして破門の意思をもう一回固めないとマズイ……マズイわこれ……)

    しほ(っていうか誰か助けて……)

    764 = 756 :


    みほ「でも……」

    みほ「せめて、見てほしいなって」

    エリカ「……え?」

    みほ「私はきっと、お母さんが望んでた通りに育つことができなかったから……」

    みほ「期待を、裏切っちゃったから」

    みほ「だから、認めてなんてこと、言えないけど……」

    みほ「でも……」

    みほ「せめて、見てほしい」

    エリカ「……」

    みほ「お母さんの期待に添えなかった私だけど……」

    みほ「それでも、私が選んだ戦車道を、見てほしい」

    みほ「そんな私を、認めてくれたみんなのことを見てほしい」

    みほ「その結果認められないのは、悲しいけど……でも……」

    みほ「せめて……私はここで自分の戦車道を見つけて、幸せだよってことを言いたい……」

    優花里「西住殿……」

    765 = 756 :


    しほ「貴女の主張はよくわかったわ」

    しほ「ですが――信じるのは無理」

    しほ「いやさすがに無理無理意味わからないって」

    まほ「厳しくも礼儀正しい外面崩れてきてますよ」

    しほ「…………コホン」

    しほ「まあ、設定の壮大さはプロレベル。しかし話は人をバカにしているとしか思えない」

    しほ「一言で言うなら、ありえない――ね」

    まほ「……」

    しほ「常識で考えて、人間が心停止して乳首でイグニッションするなんて、ありえない」

    小梅「お、お言葉ですがっ!」

    小梅「信じがたい現実にも目を向け、認めることも必要ではないでしょうかっ!」

    しほ「……」

    しほ「私が意固地になって現実を見ていないとでも?」 ギロリ

    小梅「うっ……」 ビクッ

    まほ「……」

    まほ「よく考えて下さい」

    まほ「さほどメリットもないのに、心停止したフリをして乳首を弄らせ振動しながらハンバーグを吐き出すというのも、大概ありえないことです」

    しほ「……たしかに」

    まほ「嘘でも真でも、どちらもありえないこと」

    しほ「……なるほど」

    まほ「で、あれば、実際に脈拍が確認できない“真”であるという方が、微差ですが可能性が高いのでは?」

    しほ「一理あるわね……」

    小梅(……鋼の心にヒビ入ってきてる……)

    766 = 756 :


    みほ「それに……」

    みほ「前の学校には、みんなみたいな友達はいなかったけど」

    みほ「でも――」

    みほ「みんなみたいな友達になりたかった人なら、いたから」

    みほ「私は、求められてる姿になれなくて、ぶつけられた感情に曖昧な笑みでしか答えられなかったけど……」

    みほ「今ならきっと、まっすぐに想いを伝えられるから」

    みほ「だから――」

    みほ「勝ちたい」

    みほ「みんなのおかげで見つけられた、私の戦車道で」

    エリカ「……」

    沙織「うん、そうだよね、勝とう!」

    麻子「当然だ」

    「あの喫茶店にいた目つきの悪い方にも、謝りたくなるくらいの実力を見せてあげなくては」

    優花里「我々は、西住殿にどこまでもついていきますよ!」

    みほ「ありがとう、みんな……」

    みほ「それに……」 ナデッ

    エリカ「んっ……」

    みほ「大切な、私のパートナー」

    優花里「私たちにとっても大切な、6人目のあんこうチームですね!」

    沙織「そんな道具なんかなくったって、Ⅳ号のことならもうあらかた分かっちゃったり」

    「恋愛と絡めなくてもいいですからね?」

    沙織「あーっ、まだ言ってないのにー!」

    麻子「……次で最後だ」

    麻子「悔いのないように、コイツも動かしてやる」

    みほ「はい! お願いしますっ!」

    エリカ「……」

    767 = 756 :


    しほ「……未だに釈然とはしませんが、いいでしょう」

    しほ「処分は。逸見車メンバーの準決勝謹慎のみに留めるよう、話を進めます」

    まほ「ありがとうございます」

    しほ「……ここからは、厳格な指導者でなく、貴女の母として言うわ」

    まほ「……はい」

    しほ「貴女がそこまでするなんて、正直思ってもみなかったわ」

    まほ「……」

    しほ「……何か病気に対抗する策がないか調べておくわ」

    しほ「だから――きちんと準決勝で、その子の有能さをサイドアピールしなさい」

    しほ「彼女が貴女を生かすように、貴女もまた彼女を生かすのよ」

    まほ「……はい」

    しほ「……特定の誰かを贔屓して采配を振るえなんて、指導者としては当然言わない」

    しほ「その子の魅力を殺してでも絶対に勝て、と言いたいわ」

    しほ「でも――」

    しほ「その子が誰より西住流に真摯なことは、私だって知っているもの」

    しほ「……そんな子の今回の大会を、無様な邪道の記憶だけにしてはだめよ」

    しほ「貴女を慕う、次期隊長なのだから」

    まほ「……ええ」

    768 = 756 :


    エリカ「……」

    エリカ「不思議ね」

    エリカ「色々と満足したからか、敵に回ると決めたからか……」

    エリカ「ホント、素直に自分の気持ちを認める事ができる」

    エリカ「……」

    エリカ「私も、アンタや隊長に――西住流に“私”を見てほしかった」

    エリカ「とうとう最後まで、アンタには見て貰えなかったけど」

    エリカ「でも……」

    エリカ「私もアンタを見て来てなかったのよね……」

    エリカ「……」

    エリカ「……このクソムカつく入れ替わりのおかげで……」

    エリカ「あんたのこと、少し理解できた気がする……」

    エリカ「やっぱり、相容れないとは思うけど」

    エリカ「それでも――――知れてよかったわ」

    769 = 756 :


    エリカ「Ⅳ号としての偽りのチームメイトだったけど、それでも楽しかった」

    エリカ「けれども、それはただの夢よ」

    エリカ「私はⅣ号戦車じゃない」

    エリカ「例え精神が入れ替わろうと、私はⅣ号戦車じゃない」

    エリカ「私は“逸見エリカ”なの」

    エリカ「だから……」

    エリカ「……」

    エリカ「Ⅳ号の中、折角慣れてきた所だけど――」

    エリカ「サヨナラね」

    エリカ「今度は――逸見エリカとして、アンタの前に立ちはだかるから」

    エリカ「アンタはせいぜい、本来の仲間である“Ⅳ号戦車”と絆を深めるといいわ」

    エリカ「……」

    エリカ「さよなら」

    771 = 756 :


    エリカ「ん……」

    エリカ「ここは……」

    エリカ(保健室?)

    エリカ(そっか、お腹切ったから、一応寝かせられたのね……)

    ガラ

    まほ「む、起きていたか」

    エリカ「あ、お早うございます隊長」

    エリカ「今丁度起きたところです」

    まほ「ふむ……」

    まほ「いいニュースと悪いニュースとめざましテレビのニュースがある」

    まほ「どれから聞きたい?」

    エリカ「最後のやつ選択肢にいります?」

    772 = 756 :


    まほ「希望がないなら適当にこちらで順番を決めるが」

    エリカ「あ、ちょっと待って下さい」

    エリカ「まあ、こういう時、相手に決めさせるとどっちも碌でもないニュースってオチ見えてますから……」

    まほ「あー、悪いニュースかと思っていいニュースを聞いたら『今のがいいニュースだ』と言われるやつか」

    まほ「安心しろ、ちゃんと片方は朗報だ」

    エリカ「それでも悪いニュースからお願いします」

    エリカ「いいニュースを覆すような嫌な話かもしれませんし、嫌なことは最初に処理しておきたいので」

    まほ「そうか」

    まほ「じゃあまず悪いニュースだが、お母様がエリカの病気の姿を見た」

    エリカ「まあ、でしょうね」

    まほ「ドン引きしていた」

    エリカ「あまりにも簡潔でただただ恐怖を掻き立てられる表現恐ろしすぎるんですけど」

    まほ「乳首ッションいじりすぎて色々暴走したのか、こう、排水までしはじめたからな……」

    エリカ「はァ!?」

    エリカ「うわっ、今気付いたけどノーパ……ええええええええ!?」

    まほ「新機能の判明だな、おめでとう……」

    エリカ「隊長じゃなくて赤星だったら何が目出度いって言いながら掴みかかったような内容ですけどありがとうございます」

    773 = 756 :


    まほ「まあだが、その新機能も使う機会はないだろうがな」

    エリカ「まあ、条件がわかったなら二度としないでもらえればいいですしね」

    まほ「それもあるが……」

    まほ「いいニュースを発表しよう」

    まほ「お母様が、色々なコネを使い医師に聞いてくれたんだ」

    まほ「やはり、その症状そのままの病気というのはないそうだ」

    エリカ「でしょうね……」

    まほ「だから――こう言われた」

    まほ「何か精神的なものじゃないか、と」

    エリカ「……」

    エリカ「何だか分からないやつ全部にそう言ってそうなコメントでなんですけど……」

    エリカ「でも――ひょっとすると、そうかもしれないですね」

    774 = 756 :


    エリカ(戦車の気持ちが分かりたいと、たしかに願った)

    エリカ(戦車道を知りたいと、誰よりずっと思っていた)

    エリカ(……あの子の本音が聞きたいと、再起してほしいと、ぶつかり合いたいと思ったことだってある)

    まほ「……何か心当たりでもあるのか?」

    エリカ「いえ……ただ……」

    エリカ(もしも私の願いが原因ならば)

    エリカ(その願いは、もう、十分叶ったから)

    エリカ(もう――満足)

    エリカ(だから)

    エリカ「それならきっと、もう、あの病気になることはないと思います」

    775 = 756 :

    区切りついたので寝ます
    戦車戦を描写出来る気しないので聖グロ戦はあっさり進めたいところ

    776 :


    これでまた入れ代わったら台無しってレベルじゃないな

    777 :

    いい話の合間に頭おかしい話をぶち込むスタイル

    778 :

    『本人不在のところで、エリカがまほ達に認められている話』
    『エリカの魂が四号戦車に入ってる話』

    果たしてどちらがいい話でどちらが頭のおかしい話なのか……

    779 :

    これは間違いなくまた入れ替わるな

    780 :

    エリカのシリアス、入れ替わりギャグの前振りみたいになってやがる

    781 :

    久しぶりに進めます
    なんか半年くらい経ちそうですが1周年だけは避けたい

    782 = 781 :


    まほ「それは頼もしいな」

    まほ「……信頼しているぞ」

    エリカ(隊長の期待に、どれだけ応えられているのか分からないけど)

    エリカ(でも……)

    エリカ(隊長と一緒に戦える最後の夏)

    エリカ(受けた恩を隊長に、そして黒森峰に返すためにも、負けられない)

    エリカ(ましてや戦車になってましたで意識のないまま参戦するなんて真似は出来ないわっ!) ギリッ

    まほ「ああ、それと、もう一つ」

    まほ「うちのワンコが、めざましテレビに出たんだ」

    まほ「すごいだろう?」

    エリカ「は、はあ……」

    エリカ(めっっっちゃ嬉しそうな顔……ツッコミづらい……)

    まほ「こう、電波に乗って全国に広まるというのは、なんというか、気恥ずかしさやら何やらがあるな」

    エリカ「隊長本人はさんざん電波に乗ってるじゃないですか」

    まほ「まあそうだが……」

    まほ「こう、な?」

    まほ「自分と愛犬は違うじゃないか」

    小梅「確かに、隊長がニュースに出てインタビュー受けてるのと、逸見さんが喋るわけでもないのに隊長の守護霊いたいな顔してテレビに出てるのとじゃ違いますもんね」

    エリカ「……」 チッ

    小梅「顔見ただけで舌打ちされた!」 ガーン

    エリカ「ここ最近の行いのせいでしょうが」

    783 = 781 :


    小梅「でも実際、何で自分のインタビューでもないのに、あんな格好つけて画面には映ってたの?」

    エリカ「なっ、いいでしょ別に!」

    小梅「いや、気になるなーって」

    エリカ「どうだっていいでしょう!」

    エリカ「そ、それより隊長の犬の話でしたよね!?」

    まほ「む、そうやって話を変えられると、乗ってしまいそうになるな……」

    小梅「隊長、わんちゃん飼ってるんですね」

    エリカ「わんちゃんて」

    まほ「ああ」

    まほ「今度見に来るか」

    エリカ「!?」

    小梅「ええ、いいんですか?」

    まほ「ああ」

    まほ「可愛らしいし是非見てほしいというのもあるが……」

    まほ「私としては、もう少し、我が家に対する敷居を下げてもいいと思っているしな」

    エリカ「で、でも、西住流といえば……」

    まほ「勿論、“西住流”の厳格さを軽んじるつもりはないさ」

    まほ「だが――」

    まほ「“ただの西住まほ”として、我が家に友人を呼びたいし、“黒森峰の隊長”としてもっと気軽に西住流に触れてほしいとも思うんだ」

    小梅「そういうことなら今度暇なときにでも」

    エリカ「ちょ、赤星!」

    エリカ「西住流の総本山をそんな近所付き合い感覚で……!」

    まほ「……エリカは、来たくないのか」 ショボーン

    エリカ「そ、そんなことは!」 アワアワ

    エリカ「西住流の、というか隊長のお宅に伺いたいとかそういうことはなくてですね!」 アタフタ

    まほ「……」

    エリカ「む、むしろ住みたいくらいです!!!」

    まほ「それはどうかと思う」

    小梅(めっちゃテンパってる……)

    784 = 781 :


    エリカ「う、で、でも、そりゃあ、私だって呼んでいただけるなら、その……」 モヂモヂ

    小梅「大型犬を学校でも飼ってるだなんて、さすが西住流」

    エリカ「おい」

    まほ「そうだな」

    まほ「たまに他所様に噛み付くが、実は素直でカワイイ犬だ」

    エリカ「ちょっ、隊長まで!」

    エリカ「……」

    エリカ「ちなみにご自宅の犬と学校の犬はどっちの方が……」

    まほ「え?」

    エリカ「あ、いや、なんでもありません……」

    小梅「え、逸見さん、もしかして犬に嫉妬……」

    エリカ「だあああああああ! そんなわけないでしょうが!」

    エリカ「ほら! 保健室で騒ぐと迷惑だから帰りなさいアンタは!」

    小梅「ええー、一番騒がしいのは逸見さんだよ?」

    まほ「……ふふ」

    エリカ「た、隊長~」

    エリカ「笑ってないでコイツになんとか言ってあげてくださいよお」

    まほ「……変わったな、二人共」

    エリカ「へ?」

    まほ「互いに、踏み込めるようになったじゃないか」

    785 = 781 :


    まほ「……プライドだったり、自信がなかったり……」

    まほ「理由は様々だろうが、どうしても、うちは連携部分が弱いからな」

    エリカ「……馴れ合いでは、勝てません」

    まほ「当然だ」

    まほ「だが――連携なくして、勝てるようなものでもない」

    まほ「戦車道は、単なるスポーツでもなければ野蛮な戦争ゲームでもない」

    まほ「“人”を作る、華道や茶道に並ぶ“道”だ」

    まほ「人を蔑ろにしていいわけがない」

    小梅「……」

    まほ「……言いたいことは分かるさ」

    まほ「許せとも言わない」

    まほ「勝たなければ意味がない、という理念を掲げているのは事実だ」

    まほ「黒森峰のレギュラーは、レギュラーやレギュラーになれなかった多くの“人”で形成されている」

    まほ「勝利という形で応えねばならないし、勝利を蔑ろにするのもまた人を蔑ろにすることに繋がる」

    まほ「昨年のことは、何が正しかったのか、明確な答えなんてないだろうし、私だって思うがままに答えられるかはわからない」

    まほ「……勝利よりも人を優先する、なんてことに急に方針転換するのも現実的じゃないだろう」

    まほ「それでも少しずつでも、変わっていけたらと思う」

    まほ「だから――二人が少しでも歩み寄ってくれるのは、とてもうれしい」

    エリカ「隊長……」

    まほ「それに、黒森峰の生徒とはいえ普通の女子高生だからな」

    まほ「気持ちよく戦車道をするには、楽しく日常を送ってもらわねばいけないだろう」

    エリカ「私は戦車道があれば毎日気持ちよく過ごせますけど」

    小梅「え、でもネットサーフィンとかもしてるし、戦車道だけじゃないよね」

    エリカ「まあ、そりゃそうだけど」

    小梅「逸見さんのパソコン借りた時ブックマークや履歴見ちゃったけど、結構すごいアレなサイトに入り浸ってるみたいだし」

    エリカ「待って」

    まほ「ふっ……どうやら私が思っていた以上に仲良くやってくれてるようだな」

    エリカ「待って下さい」

    小梅「はい。今では逸見さんの夜のオカズが何かも把握してる程です」

    エリカ「待てっつってんでしょ黙れバカ星!!!!」

    まほ「駄目な馴れ合いにならなければ、心の距離が近いのはいいことだ。これからも、二人で仲良くやってくれ」

    エリカ「今の会話で心の距離が過去最長記録を更新してるんですが」

    786 = 781 :


    小梅「でも、こう、軽口が叩けるようになると、ちょっとうれしくなるかなーって」

    エリカ「何言ってんだか……」

    エリカ「私は別にどーでもいーし、これでも一応病み上がりなんだから、用事がないなら帰りなさいよ」

    小梅「あ、そうそう、用事あるんだ」

    小梅「ええっと、逸見さんに関するいいニュースと、逸見さんに関する悪いニュースと、逸見さんに関するはちまのニュースがあるんだけど……」

    まほ「ああ、それを選ばせる流れならさっきもうやってしまったな……」

    小梅「あ、そうなんですか?」

    小梅「じゃあ良いニュースから順番でいいかな……」

    まほ「いや、エリカは悪いニュースから聞きたい派らしい」

    エリカ「恐らくそのニュースよりヤバそうなやつが選択肢に入ってそうなんですけどそれは」

    787 = 781 :


    小梅「まず悪いニュースだけど……」

    小梅「逸見さん、思ったより人望がなかったよ……」

    小梅「副隊長としては信用してるけど、自分のところの小隊長だと色々しんどい、みたいな声が……」

    まほ「む、そうなのか」

    小梅「ええ、まあ……」

    小梅「一応フォローもしてるんですけど、どうしても萎縮しちゃうみたいで……」

    小梅「その、ちょっと言葉が乱暴なのもあるし……」

    まほ「聖グロ戦で、果たしてどこに編入できるのかだな……」

    エリカ「マジトーンで言われると結構傷つくわね……」

    まほ「それでも、導き方は人によるし、どんな風に導かれるのがいいのかも千差万別」

    まほ「エリカの厳しく接するスタンスも、全否定するつもりはない」

    小梅「私も、逸見さんのことは大好きだよ?」

    エリカ「マジのフォローやめてください心が痛いから!!」

    まほ「しかし、それは信頼できる情報なのか?」

    小梅「ええ」

    小梅「逸見の森の匿名アンケートを元にしていますし、逸見さんに比較的有効的な人物のみで集計してアレだったので……」

    小梅「下手したら予想の数倍ヤバいかもしれません」

    エリカ「だーっ、もう!」

    エリカ「逸見の森とかいう巫山戯たワードが出てきて悪ふざけ感出てきたことに安堵してる場合じゃないんだっての!」

    エリカ「さっさといいニュースを教えなさい!」

    788 = 781 :


    小梅「いいニュースだけど……」

    小梅「聖グロ戦で、逸見さんがどこの小隊に入るのか決まったよ」

    エリカ「!」

    小梅「私が小隊長を務める、赤組が引き取ることになったんだ」

    エリカ「引き取るって言い方」

    まほ「よかったな、エリカ」

    エリカ「ありがとうございます」

    エリカ「……去年の敗戦の原因が指揮してるってのが不安ですけどね」

    小梅「あ、ひどい!」

    小梅「でも――酷い敗戦を知ってるからこそ、私達赤組は強いんだよ!」

    エリカ「あーはいはい」

    エリカ「……っていうか、赤組って……」

    小梅「チーム名というか、小隊名だよ」

    小梅「ほら、1年生の時に相性いい相手と組んでいいって、自由に小隊組まされたけど……」

    小梅「私みたいな“ちょっと人より戦車道が上手い”ってレベルの人間じゃ、どんな人材が必要かまで全然わからなかったから……」

    小梅「偶然で赤が名字に入る人間が手を取り合った後、面倒になって名字が赤の人を探し倒してさ」

    エリカ「名門のイメージが! 私の黒森峰のイメージが!!」

    小梅「所詮ただの女子高生だから……」

    789 = 781 :


    エリカ「大体赤組って何よカッコ悪い」

    まほ「例のアレだ」

    小梅「ほら、去年の敗戦以降、何が黒森峰に足りないのか他の名門と比べたこと、あったじゃない」

    エリカ「あったわね、そんなこと……」

    まほ「他校が小隊に名前をつけているのを見て、我が校に足りないのはそれかもしれないと思ってな」

    まほ「その時“赤組”と名付けられて以来、そこそこ安定して成績を出してるのもあって、存続し続けているんだ」

    エリカ「はあ……」

    小梅「っていうか、ネーミングセンスなら、逸見さんも人のことは言えないんじゃあ……」

    エリカ「なっ!」

    まほ「確かに、割りと不評でエリカの小隊は速攻で名前無しに戻ったな……」

    エリカ「そ、そんなに駄目でしたか!?」

    エリカ「でも、ほら、あれですよ!」

    エリカ「シュヴァルツ・フォレストって名前、黒森峰だからなんですよ!」

    エリカ「まさに象徴って感じの名前だし、こう、ほら!」

    小梅「小学生みたい……」

    まほ「更に言うと、『シュヴァルツ』はドイツ語で、『フォレスト』は英語だ」

    790 = 781 :


    エリカ「そんな……」

    エリカ「私のネーミングセンスがそんなになかっただなんて……」

    エリカ「だから私の立てるスレはあんなにも……?」 ブツブツ

    まほ「まあなんにせよ、エリカも快方したようだし、明日からまた練習に合流してくれ」

    小梅「今のやりとりでメンタルの方は病んだっぽいんですけど」

    まほ「……可哀想だが、あまりゆっくりさせてもやれないスケジュールだからな」

    エリカ「承知してます」

    エリカ「それに――聖グロとの準決勝、絶対に勝ちたいんです」

    エリカ「一刻も早く、戦車に乗って感覚を取り戻したい……」

    まほ「そうか」

    まほ「しかし今日は大事を取っておいた方がいいだろう」

    まほ「今日は帰ってゆっくり休め」

    まほ「明日からは甘く出来ないからな」

    エリカ「はいっ……!」

    小梅「それじゃあ、また明日」 スタスタスタ

    まほ「休むのも仕事の内だ、今日はしっかり休むんだぞ」 スタスタスタ

    エリカ「……」

    エリカ「……」

    エリカ「しまった、一番気になるはずのハチマのやつ聞きそびれた……」

    791 = 781 :

    意識とんできたので寝ます申し訳ありません

    792 :

    更新きたか
    これみほと和解前なんだよな、黒森峰が大洗戦前から良くなってると勝って欲しくなっちゃうな

    793 :

    入れ替わって全力で足を引っ張ればあるいは……

    794 :

    投下します

    795 = 794 :


    エリカ「……」

    エリカ(あれから数日)

    エリカ(準決勝に備えて練習に打ち込んだけど……)

    エリカ「……」

    ピトッ

    エリカ「ほわぁーーーーーっ!?」

    小梅「浮かない顔だね」

    エリカ「何!? 何今の!?」

    小梅「え?」

    エリカ「何か今、首にぴとって!」

    小梅「ほら、差し入れのジュースとかでカップルとかがやるイタズラ的なの、やってみたいなーって」

    小梅「逸見さん、そういうタイプじゃなかったかな……ごめんね?」

    エリカ「ジュースの感触じゃあなかったわよ!? なんかこう、ねばって! ネチャって!」

    小梅「まあそれは置いておいて……」

    エリカ「大丈夫なのよね? 置いておいて大丈夫なものをくっつけてきたのよね!?」

    小梅「うん。ほんのり臭うだけだから大丈夫だよ」

    エリカ「どの面下げて大丈夫と」

    796 = 794 :


    小梅「それより……どうかした?」

    エリカ「いや……」

    エリカ「……」

    小梅「何かあったなら、その、話してくれたら嬉しいかなって」

    小梅「これでも、ちょっと仲良く慣れたかなーって思うし」

    小梅「ほら、逸見の森の管理人として知っておきたいし……」

    エリカ「若干近づきかけた心が一瞬で離れたんだけど」

    小梅「まあまあ」

    エリカ「はあ……」

    エリカ「……」

    小梅「本当にどうしたの?」

    エリカ「ん……」

    エリカ「練習をしてて、なんかこう、しっくりこなかったというか……」

    エリカ「決して悪くないし、全員の技量は高いはずなのに、ピンとこないというか……」

    エリカ(……)

    エリカ(間違いなく技量は高いはずなのに、“あの子達”みたいに、一点特化の強みみたいなものを感じづらい……)

    エリカ(勿論安定した強さで王者の戦いをする黒森峰としてはそれでいいかもしれないけど……)

    エリカ(あの大洗を見たあとだと、不安が残る……)

    797 = 794 :


    小梅「……なるほど」

    小梅「逸見さん、次の試合が不安なんだね」

    エリカ「は?」

    エリカ「何で……」

    小梅「エスパーですから」 フンス

    エリカ「……」

    小梅「わぁ冷たい目」

    小梅「……まあ、エスパーじゃなくても、逸見さんの悩みなんて大体分かるんだけどね」

    エリカ「何よ、人をシンプルな単細胞みたいに言って……」

    小梅「いや、ほら、逸見さんって、戦車道バカって感じだから」

    エリカ「はァ?」

    小梅「私や他の皆も勿論戦車道は大好きだし、きっと他の学校より戦車に乗ってる時間も長いんだけど……」

    小梅「そんなの比較じゃないくらい、逸見さんって戦車で頭がいっぱいって感じだしさ」

    小梅「逸見さんの悩みといえば、戦車道のことしかないなーって」

    エリカ「……」

    エリカ「まあ、否定はしないけど」

    小梅「もうちょっとしたら恋の悩みとかハンバーグの悩みとか持ち出すかもしれないけど、まだ逸見さんの自我はそこまで育ってないもんね」

    エリカ「あのねェ、私だって……」

    小梅「えっ、恋の悩みとかあるの!?」

    エリカ「……」

    エリカ「に、人間関係の悩みくらいなら、なくはないわよ」

    798 = 794 :


    小梅「逸見さんも人間関係で悩んだりするんだね」

    エリカ「……まあ、そういうこともあるわよ」

    小梅「まあ、得意じゃなさそうだもんね」

    エリカ「うぐっ」

    エリカ「言ってくれるじゃない……」

    小梅「うん、じゃあ、皆でファミレスでもいこう!」

    小梅「明後日の準決勝で一緒に小隊組む人達に声かけておくからさ!」

    エリカ「はぁ?」

    エリカ「いや、今は人間関係じゃなくて、戦車道の方を……」

    小梅「一朝一夕で伸ばせるものなんて、限られてる」

    小梅「ましてや、うちの戦車道チームって、それなりに技量は高いだけに、素人さんほど伸び率が高くないし」

    小梅「……そんな私達が一朝一夕で伸ばせるとしたら、これはもうチームワークなんじゃないかな」

    エリカ「急造のチームワークぅ?」

    小梅「一応1年以上一緒にやってきてる子も多いし、全くの0からってわけじゃないし……」

    小梅「それに、相手のことを少しでも理解していた方が、連携だって取れるんじゃないかな?」

    エリカ「ふん」

    エリカ「相手がどんな人間か分からなくとも、それぞれがきちんと己の役目をこなして適切な行動を取れば自ずと連携は取れるわよ」

    小梅「……うん、そうだね」

    小梅「全盛期の黒森峰も、そうだったみたいだし」

    小梅「でもさ」

    小梅「史上最強と名高かった隊長とみほさんのコンビは、どうだったと思う?」

    エリカ「……」

    799 = 794 :


    小梅「私のせいで、伝統に泥を塗っちゃってさ」

    小梅「今、黒森峰って、大変な時期なんだと思う」

    小梅「伝統を重んじながらも、何かテコ入れ求められてるんだろうし」

    小梅「ちょっと今、大変だし、浮足立っちゃってるしさ」

    小梅「だからこそ、こう、結束のパワーみたいなやつをさ!」

    エリカ「……はぁ」

    エリカ「わかったわよ」

    エリカ「私は、そんなの、認めない派だけど……」

    エリカ「モチベーション管理も副隊長の仕事といえば仕事だし」

    エリカ「どうせ直前の整備で遅くまで乗り回せないんだから、今日くらいは良しとしてあげる」

    小梅「わあ、やった!」

    小梅「じゃあ皆に連絡回して、寮の方にもちょっと帰りが遅くなるって連絡入れておくね!」

    エリカ「はいはい……」

    エリカ「……」

    エリカ(あの子は……大洗で、こういうこと、してたらしいけど……)

    エリカ(別に、そういうのじゃあ、ないわよ)

    エリカ(私はあの子のやり方じゃなく、隊長と共に西住流のやりかたを貫くんだからっ)

    800 = 794 :


    小梅「思ったより皆集まってくれたよ」

    エリカ「アンタんとこの小隊のメンバーだっけ」

    小梅「うん」

    小梅「……去年の事件以来冷や飯を食べてたし、私達のせいだから、私達の小隊って言い辛いんだけどね」

    黒星「落ちたの自体は事故だし、リカバリー出来なかった負い目とかもあるってことで、まだ小隊のリーダー格ヅラさせてもらってますけどね」

    エリカ「まあ、技量でいえばそれが妥当でしょ」

    エリカ「なんだかんだでトラウマにもならずまだ戦車に乗れてるメンタルの強さもあるし」

    小梅「そういう話はテーブルで、ドリンクバーでも飲みながらゆっくりやろ?」

    黒星「じゃあ店員さん呼ぶね」

    小梅「とりあえず全員ドリンクバーとして……」

    白星「デザート何か食べようかな」

    小梅「うん。パフェとか食べたいよね」

    エリカ「寮で夕飯は食べたっていうのに……太るわよ?」

    小梅「う、運動はしてるし……」

    エリカ「まったく……」

    店員「ご注文をお伺いいたします!」

    エリカ「チーズインハンバーグとドリンクバーです」

    小梅「晩御飯もりもり食べたあとだよね?」

    エリカ「ハンバーグは別腹だし、肉は筋肉になるからいいのよ」


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