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元スレ京太郎「俺が三年生?」玄「私の、育ててほしいな」

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751 = 740 :

752 = 741 :

753 = 727 :

754 = 719 :

755 = 723 :

756 = 716 :

美穂子

757 = 1 :

コンマ

淡:1-28
爽:29-42
玄:43-56
咏:57-70
哩:71-84
怜:85-00

ぞろ目?


直下

758 = 715 :

759 = 714 :

760 = 716 :

有珠山つええ

761 = 1 :

有珠山出番多し
爽で了解

んじゃ、次回は

『三年、夏、最後の夜』です


今日は何事もなく去ります

771 :

利仙

772 = 771 :

誤爆すみません

774 :

今日はやります
もうちょっとしたら

775 :

おっけー

776 :

了解

777 = 1 :

んじゃ、始めますー

778 = 1 :



・三年、夏、最後の夜


ネリー(最後の局、ネリーが上がるつもりだったのに……)


ネリー「……」ムスッ


京太郎「なに不機嫌な顔してんだよ」

ネリー「キョウタロウ……」

京太郎「ダントツ一位で通過じゃないか」

ネリー「それは当たり前だよ」

京太郎「ま、わかってるよ。最後の最後にあいつにツモられたのが気に入らないんだろ」

ネリー「サキから直撃取るつもりだったのに……」

京太郎「そんで見事叩き伏せて決勝戦へってつもりだったわけか」

ネリー「だってそれくらいだとわかりやすいでしょ? スポンサーもキョウタロウも」

京太郎「なんでそこに俺を並べるかな……」

ネリー「生涯賃金の半分、くれるかなって」

京太郎「進路さえ不透明なのにそんな約束ができるか」

ネリー「ふぅん、暢気だね」

京太郎「心にゆとりがあるんだよ」

ネリー「あ、じゃあサカルトヴェロに来ない? 高校出たら暇になるんでしょ?」

京太郎「旅行か……海外もいいな」

ネリー「うんうん」

京太郎「フランスとかそっちの方にも行ってみたいな」

ネリー「……なんでフランスなのさ」

京太郎「ハンドボールが有名らしいしな。すごい試合見れそうじゃん」

ネリー「納得できないっ」

京太郎「んなこと言われてもな……中華料理も食べてみたいし、アメリカのだだっ広い土地をバイクで旅ってのも良いし……あ、ニュージーランドもありだな」

ネリー「バカっ、バカバカっ!」

京太郎「いてっ、脛を蹴るのはやめろ!」

779 :

正直海外は治安が、と言うか日本と同じ感覚で出歩く日本人にとってはどこの国でも危険地域だろうな

780 = 1 :



ネリー「なんかさっきの試合、もうどうでもよくなっちゃった」

京太郎「不機嫌もどっかに飛んでっただろ?」

ネリー「今はキョウタロウのせいで機嫌悪いかも」

京太郎「弁慶も泣いちゃうようなところを蹴っといてよく言うな」

ネリー「慰謝料請求していい?」

京太郎「俺の方が請求できそうなもんだが」

ネリー「ネリーのお願い、何でも一つ聞いてよ」

京太郎「強引に話進めやがって」

ネリー「いいからっ」

京太郎「わかったわかった、言うだけ言え」

ネリー「え、いいの?」

京太郎「聞けっつったのはそっちだろ」

ネリー「そだね……じゃあ――」

781 = 1 :



ネリー「頭、なでなでして」


京太郎「はいはい」ナデナデ

ネリー「んっ」


京太郎(聞くだけ聞いて放置しようかと思ったけど、これぐらいならな)


ネリー「うん、もういいよ」

京太郎「満足したか?」

ネリー「半分くらいは」

京太郎「もっとするか?」

ネリー「それはうちが優勝した後に取っておく」

京太郎「じゃあ永遠にお預けだな」

ネリー「勝つよ。それで私のものにする」


ネリー「サキに言っといて。次は最初から本気出してって」

782 = 1 :



京太郎「はい、たしかに」

ネリー「また明日ね」

京太郎「おう」


「……」


京太郎「で、お前はいつまで隠れてる気だ」

「か、隠れてないよっ」

京太郎「安心しろ、あいつはもういないから」

「……京ちゃん、あの子に優しくない?」

京太郎「そうか?」

「そうだよ」

京太郎「うーん、甘えられると応えたくなるのかな」

「……」ムスッ

京太郎「咲?」

「……ふんっ」スタスタ

京太郎「せっかく迎えに来たのに先に行こうとするなよ」

「知らない」プイッ


783 = 1 :




「ついに決勝かぁ」ポツリ


ゆみ「感慨深げだな」

「なんだかんだでね。個人戦は最後まで残れなかったし」

美穂子「去年の個人戦……懐かしい」

「思えば、今ここにいるのだって美穂子のせいというかおかげというか」

美穂子「ええと、なにかしたかしら?」

「二年前、なにやったか忘れたわけじゃないでしょ?」

ゆみ「気になるな。一体なにがあったんだ?」

美穂子「いじけている女の子を麻雀で負かした……かしら?」

「そう説明すると、まるで私がいじめられたみたいに聞こえるわね」

美穂子「間違ってる?」

「あってるけども」

ゆみ「察するに、その件にも須賀が関わってるのだろうな」

「正解。美穂子は京太郎の代打ちだったの」

ゆみ「なるほどな……しかしその面子は三年前を思い出すよ」

「三年前?」

ゆみ「インターミドルの県予選、君たちは同卓していただろ」

美穂子「そうですね……」

ゆみ「実はあの時、私と須賀で一緒に観戦していたんだ」

784 = 1 :



ゆみ「当時の須賀はひどく空虚で、見ていられなくて連れ出したんだが」


「……」


『去年の夏、見たんだよ。大会であんな楽しそうに打ってたじゃないか』

『俺はその時落ち込んでたけど、久ちゃんに元気づけられたんだよ』


「原因は言わずもがな……ね」

美穂子「久?」

「ううん、それより……一緒にどこか出かけるほど仲良かったわけ?」

ゆみ「まさか。一緒に出掛けたのはそれが最初だったさ」

「ちょっと出会いの場面についても詳しく聞いておきたいわね」

美穂子「たしかに気になります」

ゆみ「そんな面白い話でもないと思うが……」


京太郎「いよっす、暇だから来ちゃった」

785 = 1 :



「あんたはタイミングが良いんだか悪いんだか」

京太郎「加治木にみほっちゃんとガールズトーク中か」

ゆみ「そんな色気のある話はしてないよ」

「実際どうなのかしら?」

京太郎「俺に関係ある話?」

美穂子「はい、加治木さんとの出会いについて聞こうかと」

京太郎「んー……じゃあ秘密ということで」

ゆみ「おい、誤解を招きそうな言い方はやめないか」

美穂子「……やっぱりなにかあったんですか?」

京太郎「あれは正直やばかったよ……」

美穂子「そ、そんな大変なことが」


「あーはいはい、あんたには別の仕事与えるからちょっと向こう行ってなさい」

786 = 1 :



京太郎「なんだよ、みほっちゃんをからかって楽しもうと思ったのに」

美穂子「え、からかう?」

ゆみ「まったく……」

「咲の帰りが遅いから探してきてくれる?」

京太郎「あいつどっか行ってるのか?」

「食後のお花摘み」

京太郎「部屋の使ってんじゃないのか?」

「ちょうど使用中だったの。でもそれだけだったら大丈夫かと思ったんだけどねぇ」

京太郎「しょうがないな……じゃあさくっと探してくるよ」


「これで話に専念できるわね」

ゆみ「今のは追い払うための方便か」

「全部本当よ? もうちょっとしたら探しに行ってもらうつもりだったし」

美穂子「前々から思っていたけど、京太郎さんは宮永さんによく構っているような……」

「そりゃあね。昔の女の妹だもの」

美穂子「え?」

「もののたとえよ」


787 = 1 :




京太郎「探せど見当たらず……」

京太郎「さて、建物の中にいないってことは外か?」

京太郎「トイレついでにちょっと散歩……そして迷子のパターンか」

京太郎「勝手に歩き回るなって言ってるのにな……」

京太郎「まぁ、愚痴ってもしかたない。外出るか」


京太郎「んー、思ったより暑くないな」

京太郎「いい感じに風が吹いてるからか」

京太郎「ま、これだったら散歩もしたくなるかもな」


揺杏「……」スタスタ


京太郎「今のって岩舘か?」

京太郎「あいつも散歩かね」

京太郎「……んなわけないだろ」

京太郎「あーあ、見なきゃよかった」

京太郎「ちょっと遅くなるな、こりゃ」


788 = 1 :




揺杏「負けちゃったかー」

揺杏「みんな気にするなって言うけど……結構くるよ、これ」グスッ


京太郎「なんだ、青春か?」


揺杏「す、須賀のにーさん!?」

京太郎「今夜は過ごしやすいな」

揺杏「あ、ああ……そだね」

京太郎「で、一人反省会か?」

揺杏「そ、そんな感じ」

京太郎「そうか」


揺杏「……」

京太郎「……」

789 = 1 :



揺杏「ねぇ、にーさんはなにしてんの?」

京太郎「知り合いに泣かれるのはどうにも堪えるからちょっかい出しに来た」

揺杏「ちょっ、泣いてねーし!」

京太郎「俺の見間違いだったらよかったんだけどな」

揺杏「だから泣いてないってば」

京太郎「鏡見てから言おうな」

揺杏「泣いてないったら泣いてない!」ゴシゴシ

京太郎「ならそれでいいんだけどさ」

揺杏「じゃあほっといてよ……」

京太郎「ところがそうはいかないんだな」

揺杏「……須賀のにーさん、しつこい」

京太郎「そう思うだろ? なら諦めろ」

揺杏「なにそれ……」


揺杏「……」

京太郎「……」

790 = 1 :



揺杏「みんな、気にするなって言うんだ」

京太郎「そうか」

揺杏「でも、自分自身納得できなくってさ」

京太郎「そうか」


揺杏「成香はエースぞろいの先鋒にぶちこまれて」

揺杏「チカセンはなんだかんだ言って失点を最小限に抑えたし」

揺杏「ユキと爽はしっかり点数稼いだし……」

揺杏「でも、私はなんだったんだろうなって」


揺杏「あそこでもうちょっと稼いでたら、もしかしたら勝てたかもって」ポロポロ


京太郎「まったく、また青臭いことを……」

揺杏「なにさ、悪い?」グスッ

京太郎「いや、懐かしかったんだ。俺もそうやって思ったことがあったなって」


京太郎(まさにチームプレイにはつきものだよな)

京太郎(本当に懐かしい……)

791 = 1 :



京太郎「まあ、自分がどう思うかはしかたないことだけど、一つ勘違いを正しておく」


京太郎「お前、久ちゃんのことなめすぎだろ」


揺杏「え?」

京太郎「点取られるに決まってるだろうが。あそこには愛宕姉や世界ランカーだっていたんだぞ」

揺杏「……そりゃそうだけどさ」

京太郎「ならもうちょっと胸張れよ。そんな連中相手にして飛ばされなかったんだから」

揺杏「……」

京太郎「それにあの跳満は自力だろ。他の三人驚いてたぞ」

揺杏「にーさんさ、もうちょっと普通に慰めてくんない?」

京太郎「いや、別に慰めてないから」

揺杏「なんでもいいからちょっとこっち来て」

京太郎「はいはい」


京太郎(ま、ビンタの一発ぐらいはもらってやるか)

792 = 1 :



揺杏「よいしょ」ゴシゴシ

京太郎「……なにしてんだ」

揺杏「顔ふいてる」

京太郎「俺の服でやる意味は?」

揺杏「こころないこと言われた仕返し」

京太郎「そりゃ悪かったな」

揺杏「ホントだよ、もう」ギュッ

京太郎「で、いつまでホールドされてりゃいいんだ?」

揺杏「涙止まるまで」

京太郎「泣いてないんじゃなかったのか?」

揺杏「にーさんに酷い事言われて悲しくなった」

京太郎「そりゃしかたないな」

揺杏「うん、しかたない」


京太郎(生温かい……)


793 = 1 :




揺杏「もう戻るよ」

京太郎「目、腫れてないか?」

揺杏「欠伸のしすぎで押し通す」

京太郎「この意地っ張りめ」

揺杏「じゃあにーさんは意地悪だね」


揺杏「だれにでもこんな優しくしちゃダメだからね」


京太郎「優しくする相手は選んでるつもりだけどな」

揺杏「やっべ、私選ばれた側?」

京太郎「いや、お前に優しくしたつもりはないけど」

揺杏「あらー」

京太郎「ほら、とっとと帰れ」

揺杏「はーい」


794 = 1 :




京太郎「さて、咲を探さなきゃな……」クルッ


「振り向けば私がいた」


京太郎「さて、探さなきゃな」クルッ


「しかしまわりこまれた」


京太郎「……せいけんづきくらわせるぞ」

「腰を深く落として?」

京太郎「真っ直ぐ突く!」ビュン

「うわっ」ヒョイ

795 = 1 :



「ちょっとちょっと、私の扱い酷いと思うんだけど。しかも今のチョップだったし」

京太郎「お前はSKSだからな」

「どっかのアイドルグループ? いやぁ、まいっちゃうなー。そんな風に褒められるとは」

京太郎「ちがう、制裁を加えてもいいサイドの略だ」

「あ、そんなこと言ってたね」

京太郎「用がないならもういくぞ」

「まぁまぁ、実はお礼を言っとこうと思ってさ」

京太郎「お礼? なんもしてないぞ」

「揺杏、慰めてくれたから」

京太郎「別に慰めてないって」

「と、本人は供述しており」

京太郎「てい」

「いてっ」


「酷いなぁ、もう」

京太郎「お前に好き勝手にしゃべらせると話が進まなくなりそうだからな」

「いやぁ、それほどでも」

京太郎「褒めてないからな」

796 = 1 :



「まぁ、マジメに話すとさ、実はあそこは私の出番かなって思ってたから」

京太郎「岩舘のことか?」

「なんだかんだで気にしてるなーって思って追いかけたら……出番を取られちゃったと」

京太郎「出過ぎた真似したな」

「いや、それはそれでいいんだよ。ただ、外に出てなにもしないで帰るのもどうかとも思うわけだ」

京太郎「つまり、俺に声をかけたのは暇つぶしか」

「正解!」

京太郎「さて、そろそろ行くかな」

「ちょっ」ガシッ

京太郎「なんだ、まだ用があるのか?」

「えーっと、じゃあ私のことも慰めて」

京太郎「寝言は寝て言え」ズバッ

「ひどっ」


「あー、今ので傷ついちゃったなー」


「傷ついちゃったなー」チラッ

京太郎「……わかった、ちょっとだけな」

「やりぃ」


797 = 1 :




「実はさ、ちょっと責任感じてんだよね」

「なんだかんだで私が引っ張ってきちゃったから」

「それであんな泣いちゃうような結果になったって思うとさ……」シミジミ


京太郎「……」


京太郎(もし久ちゃんが麻雀を続けて後悔するようなことになったら……)


「どうしたらいいと思う?」

京太郎「どうしようもないだろ」

「どうしようもないかぁ……」

京太郎「でも、お前の気持ちはちょっとだけわかるよ」


京太郎「どうしようもないものはどうしようもないなりに、ぶちまけるのがいいのかもな」

798 = 1 :



京太郎「今みたいにさ」

「じゃあアドレスとか交換しようか」

京太郎「……」

「あれ、そういう流れじゃなかった?」

京太郎「まぁ、そう言おうと思ってたよ」

「それじゃ早速……」


「これでよし、だね」

京太郎「イタ電かけてきたら着信拒否するからな」

「ラブコールは?」

京太郎「頻度による」

「どれくらい?」

京太郎「月一」

「すくなっ」


799 = 1 :




「いやー、有意義な時間だった」

京太郎「ならお前も戻れ。俺は用事あるし」

「そういえば、だれか探してるの?」

京太郎「うちの大将」

「ああ、宮永さん。それならさっき向こうで見たよ」

京太郎「本当か?」

「うん。ほら、私と話しといてよかったしょ」ウンウン

京太郎「それはそうだけど、そうドヤ顔されると釈然としないのはなんでだろうな……!」


800 = 1 :




「……ここ、どこ?」

「散歩してたら見覚えのないとこに来ちゃった……」


「あれ、もしかして……」


(だ、だれ?)

(あ、この制服ってお姉ちゃんと同じ……)


「もしかしてサキ?」

「そう、ですけど」

「やっぱり! なんだかテルーと同じ感じしたから」

「あの、あなたは?」

「聞けばわかると思うけど、大星淡。期待の大型新人ってやつ!」

「あ、お姉ちゃんのチームの大将さん」ポン

「テルーの妹だからって手加減しないからねっ」

「うん、私も」

「はい、握手握手」ギュッ

「わっ」


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