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    元スレ八幡「初詣?」小町「うん!」

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    252 :

    八幡(さて、土曜日である。昨日海老名さんから来たメールでは十時頃に駅前で待ち合わせとのことだ)

    八幡(出掛けるにはまだ少し早いが、親や小町が起きてきて見つかる前にさっさと家を出てしまおう)

    小町「あれ、お兄ちゃんもう出掛けるの?」

    八幡「…………おう」

    八幡(玄関に向かおうとしたらいきなり見つかってしまった)

    小町「うんうん、感心感心。ちゃんと早めに到着しとくなんてわかってるじゃない」

    八幡(そういうわけではないんだがな。ただ今みたいに色々言ってくるのが煩わしかっただけで。特に親が)

    八幡「そんなわけだから俺はもう行ってくる」

    小町「あ、ちょっと待ってお兄ちゃん…………うん、服装も変なとこないね。行ってらっしゃーい」

    八幡(俺の服装を一通りチェックし、手を振る小町に応えながら俺は家を出た。このままじゃ三十分前くらいには着きそうだな…………まあ、待たせるよりはいいか)

    253 = 252 :

    姫菜「あ、おはよーヒキタニくん。早いね」

    八幡(到着してしばらく待っていると海老名さんがやってきた)

    八幡「うっす。海老名さんこそだろ。まだ二十分前だぞ」

    姫菜「うん。ヒキタニくんのことだからもしかしてすごく早く着いてるをじゃないかなって思ってさ。待たせちゃった?」

    八幡「いや、俺も来たばっかだから」

    姫菜「お、いいねいいねそのセリフ。デートの定番って感じ」

    八幡「よせって。勘違いしちゃうだろ」

    姫菜「しちゃってもいいのに…………」

    八幡「えっ?」

    姫菜「じゃ、行こっか。まだ余裕はあるけど混まないうちにチケットとか買っちゃった方がいいよね」

    八幡「お、おう」

    八幡(今、海老名さんとんでもないこと言ったような…………気のせいだよな?)

    八幡「あそこの映画館でいいんだよな?」

    姫菜「うん」

    八幡(ここからでも見える建物を指差すと海老名さんは頷く。俺は自分が車道側になるように歩き出した)

    姫菜「んー…………えいっ」ギュッ

    八幡「! え、海老名さん……!」

    八幡(隣に並んだ海老名さんが俺の手を握ってきた)

    254 :

    チンコ握るのはいつだろうか…

    255 :

    それだけ勢い付けたなら腕に抱き着くくらいしなさいよ

    256 = 252 :

    姫菜「カップル割を使うんだからさ、少しはそれっぽく見せた方がいいでしょ?」

    八幡「い、いや、でも、その」

    姫菜「ほら、キョドらないキョドらない。別に女の子と手を繋ぐのが初めてってわけでもないんでしょ。結衣だってこのくらいしてるんじゃないの?」

    八幡「いやいやいや、それが今こうする理由にはなんねえから」

    姫菜「いいからいいから。ヒキタニくんだって強引に女の子の手を繋いで引っ張ることくらいあるでしょ?」

    八幡「ねえよそんな経験。一発で通報されるわ」

    姫菜「あれ?」

    八幡「ん?」

    八幡(海老名さんは怪訝な表情をし、俺の顔を覗き込む)

    八幡「な、何だよ?」

    姫菜「んー……何でもない」

    八幡(くすっと笑い、前に向き直る。何だ?)

    八幡「そ、それより手を離してくれよ」

    姫菜「え、何で?」

    八幡「何でって…………」

    姫菜「私は嫌じゃないよ。ヒキタニくんは嫌?」

    八幡「嫌、ってわけじゃないけど…………」

    姫菜「じゃ、いいよね。レッツゴー」

    八幡(海老名さんは楽しそうに歩く。くっ、海老名さんの考えがわからん! …………あとで教えてくれるんだろうか?)

    八幡(手……柔らかいな…………)

    257 :

    女の子の手って柔らかいよな 握ったことないけど

    258 :

    祭りは海老名さん確定か

    259 :

    八幡(映画館でチケットを買う段階になってようやく一旦手を離してくれた。変な汗とかかいてなかっただろうか…………)

    八幡(まだ少し時間があったので物販や他映画のチラシを眺めて時間を潰した)

    八幡「もうすぐ入場時間だな。飲み物とかポップコーンどうする? 俺は買っときたいけど」

    姫菜「飲み物は欲しいかな。でもポップコーンはそんなには…………あ、これにしようよ」

    八幡(そう言って海老名さんが看板メニューで指を差したのはペアセットのやつだった。大きめの器のポップコーン一つと飲み物二つのやつだ)

    八幡「え、でも……」

    姫菜「私は少しつまませてもらえばいいから。飲み物はコーラにしよっと」

    八幡(そう言って並んでる列に向かう海老名さん。仕方ない、これを買うか)

    八幡(さっさと代金を支払い、入場開始のアナウンスが流れたので入り口に向かおうとする)

    姫菜「待って待ってヒキタニくん。私まだお金渡してないよ」

    八幡「いいよこのくらい。それに男だったら出すもんだろ」

    姫菜「んー……ヒキタニくんがこれをデートだと思ってくれてるなら奢られちゃうけど、どう?」

    八幡「…………じゃあデートってことで」

    姫菜「えへへー。ありがとうヒキタニくん、大好き」

    八幡「…………っ! ず、ずいぶん安上がりだな」

    八幡(かろうじて軽口が出てくれた。危うく手の荷物を落としそうになったぞ)

    260 = 259 :

    八幡(指定された座席に座り、飲み物を海老名さんの席の置き場にセットしてやる)

    姫菜「ん、ありがとう」

    八幡「あと、ポップコーンはここらへんに配置しとくから。適当に食べてくれよ」

    姫菜「うん」

    八幡(しばらくはいろんな映画の予告やCMが流れる。やがて完全に灯りが消え、注意事項のあとに本編が始まった)

    261 :

    祭りじゃなくて初詣な

    262 :

    海老祭り

    263 :

    海老の脱皮(カクカクカクカク)

    265 = 259 :

    八幡(スタッフロールのあとの次回予告が終わり、館内の照明が点灯する)

    姫菜「んー、演出とかすごかったねー。ちょっと物足りないけど三部作じゃなくて丸々一本だったら疲れるかも」

    八幡「そうかもな…………あ、容器一緒に捨ててくるから」

    姫菜「ん、ありがと」

    八幡(海老名さんから容器を受け取り、ゴミ箱に放る。もちろん氷は別に捨ててな)

    姫菜「ね、ヒキタニくん。このあとも何にもないよね? もう少し一緒にいてほしいんだけど」

    八幡「え、あ、ああ。俺に予定はないが」

    姫菜「良かった。ちょっと映画や原作について語りたくなっちゃってさー」

    八幡「まあ、俺なんかでいいなら相手になるよ」

    姫菜「やだなー。ヒキタニくんでいいんじゃなくてヒキタニくんがいいの。ついでにお昼も食べよっか。サイゼでも行く?」

    八幡「お、おう。そうだな」

    八幡(俺がいいって…………あんまりこういう話できる相手がいないんだな。勘違いしかけるとこだったぜ)

    八幡(それに俺に構う理由も聞かないとならないしな。丁度いいか)

    八幡「んじゃ行くか」

    姫菜「うん」ギュッ

    八幡「! ええええ海老名さん、何で腕組んで…………」

    姫菜「え? ヒキタニくんはデートだって思ってるんだよね? じゃあこれくらい普通でしょ」

    266 = 259 :

    八幡「そ、それは俺が勝手に思ってただけで…………」

    姫菜「大丈夫大丈夫。私も思ってるから。それにデートしよって誘ったのは私の方からだし」

    八幡「でも、誰かに見られたら、海老名さんに迷惑が……」

    姫菜「私に迷惑? 何で?」

    八幡「学校でも最低辺で悪評だらけの俺がトップカーストの海老名さんと腕組んでるなんてそれだけで海老名さんが悪く言われかねないだろ」

    姫菜「大丈夫だってばー。さ、行こ」

    八幡(俺の忠告を聞かず、組んだ腕をぐいぐいと引っ張る海老名さん。これは言うことを聞いてくれそうにないな…………)

    八幡「はぁ……」

    八幡(俺は小さくため息を吐き、隣に並んで歩き出した)

    268 :

    リア充爆発しろ

    270 = 259 :

    八幡(サイゼに入り、適当に食べるものとドリンクバーを注文する)

    姫菜「じゃ、飲み物取ってくるね。ヒキタニくんは何がいい?」

    八幡「あー、俺は何があるか見てから決めてるから自分のだけ取ってくればいいよ」

    姫菜「そう? じゃ、お先に」

    八幡(海老名さんは荷物を傍らに置き、ドリンクバーに向かう。というかカバンはともかく財布や携帯まで置いていくなよ…………信用されてるってことなのか?)

    姫菜「お待たせー。行ってきていいよ」

    八幡「ああ」

    八幡(俺もドリンクバーでガムシロップをたっぷり入れたコーヒーを持ってくる)

    八幡「お待ち」

    姫菜「ううん。で、早速なんだけど今日の映画ヒキタニくん的にはどうだった?」

    八幡「ああ。ところどころやり過ぎだったり演出過剰だったりはするけど面白かったと思うぜ」

    姫菜「だよね。原作と違うとことかもあったけど、悪くない改変だったし」

    八幡「出逢うのが町中の街灯の下じゃなくて地下鉄のホームってのは良かったな。降りる途中の緊迫感と音楽がマッチしてた」

    姫菜「あそこはドキドキしたねー。ところで、あの辺で鳴ってたピピピピーピーみたいなアラームっぽいのってなんだったんだろ?」

    271 = 259 :

    八幡「多分モールス信号のSOSだと思うぜ。トントントンツーツーツートントントンってやつ」

    姫菜「へー、ヒキタニくんは何でも知ってるね」

    八幡「何でもは知らねえよ。知ってることだけだ」

    姫菜「ふふっ。でもなるほど、SOSか。主人公がその信号を受け取ったから途中で逃げずにあそこまで近寄っちゃったんだね」

    八幡「あるいは本能が危機感を覚えて自分に警告してたのかもな。近寄らずに逃げろって」

    姫菜「あ、そうか。それも面白い解釈だね」

    八幡「実際はどうだかわかんねえけどな。あるいは両方かもしれないし」

    姫菜「…………えへへー」

    八幡「な、何だよ」

    八幡(突然はにかむ海老名さんに俺はちょっと動揺した。変なこと言ったか?)

    姫菜「ヒキタニくんを誘って良かったなーって。こういう会話や議論をナマでできる機会ってあんまりないし」

    八幡「そ、そうか」

    八幡(やべえ。何て返していいのかわからねえ)

    八幡(だけどそこで注文したものが届いた。助かったぜ)

    八幡「じゃ、じゃあとりあえず食おうぜ」

    姫菜「うん。いただきまーす」

    272 = 259 :

    八幡(メインのメシを食い終わり、海老名さんは簡単につまめるものを追加注文する。まだまだ話し足りないようだ)

    八幡(いや、このあとどこかに行くよりはここでだらだら喋ってた方がいいのだが)

    姫菜「あ、飲み物なくなっちゃった。ちょっと行ってくるね」

    八幡「ああ。戻ってきたら俺も行くから」

    八幡(二人ともドリンクのお代わりをし、追加で頼んだポテトをつまむ)

    八幡「そういえば海老名さん、俺に遠慮してるか?」

    姫菜「え、何が?」

    八幡「いや、全然BLの話が出ないから…………」

    姫菜「ああ。それは帰ってからネットでそっちの仲間と語り合うから。ヒキタニくんは嫌でしょ?」

    八幡「別に」

    姫菜「え?」

    八幡「趣味なんて人それぞれだから嫌うようなことはしねえよ。俺と葉山をくっつけるのは勘弁しろってだけだから。相槌くらいは打つしツッコミだって入れてやるよ。興奮冷めないうちに語ったっていいんだぜ」

    姫菜「………………」

    八幡「あー……いや、勝手言ってすまん。俺じゃ語り甲斐がないか」

    姫菜「ううん…………えへへ、ヒキタニくんは優しいね」

    八幡「…………んなことねえよ」

    273 = 259 :

    姫菜「あるよ。ヒキタニくんの優しさに触れた私が言うんだもん」

    八幡「誰だって知り合いに優しくすることくらいあるだろ。それがたまたま海老名さんだったってだけだ」

    姫菜「でもヒキタニくん、まったく知らない人を助けたりするでしょ?」

    八幡「しねえよ。何の得も見返りもないようなことなんて」

    姫菜「ふーん…………ところでヒキタニくん。冬休みの間誰かと会ったりした?」

    八幡「え? あ、いや。小町と初詣行った以外は引きこもってたからな」

    八幡(突然の話題転換に戸惑ったが、さっきの話を続けるよりはいいか。質問に答える)

    姫菜「何か面白いこととかなかったの? 初詣で」

    八幡「何も。おみくじも引いてないし、本当にただお詣りして終わったからな」

    姫菜「ふーん、そっかー」

    八幡(海老名さんが頬杖をつきながらこっちをじっと見る。いったい何なんだ?)

    八幡「俺のぼっち正月がどうかしたのか?」

    姫菜「ううん。何でもない」

    八幡(そう言いつつもちょっと嬉しそうなのは何でなんですかね?)

    275 = 259 :

    姫菜「そういえばヒキタニくん。奉仕部に残ることにしたんだって? 結衣から聞いたよ」

    八幡「ああ。まあ色々あってな。だから『はや×はち』は金輪際アウトだ」

    姫菜「ぐぬぬ…………まあ仕方ないか。約束だし」

    八幡「で、何でなんだ?」

    姫菜「え?」

    八幡「何で海老名さんは俺をそんなに気に掛けるわけ? 悪いけどそこまで親しいわけじゃないよな俺達って」

    姫菜「えー、一緒にキャンプとかもした仲じゃない」

    八幡「平塚先生の策略でな。俺は嫌だったのに……」

    姫菜「あはは。でもあの時、うん、あの時からすでにヒキタニくんは他人のために動ける人だったよね」

    八幡「何の話かわかんねえな。過去のことは忘れるようにしてんだ」

    姫菜「いつも『トラウマが~』とか『過去の黒歴史が~』とか言ってるみたいじゃない。結衣に聞いてるよ」

    八幡「何なのあいつ。そんなに俺を貶めたいの?」

    姫菜「ふふ。結衣にはそんなつもりはないんだって。許してあげてよ」

    八幡「はぁ……」

    姫菜「でもそうだね。ヒキタニくんからしてみたら私の行動はちょっと戸惑うのも無理ないよね」

    八幡「まあな」

    276 = 259 :

    姫菜「…………ねえ、ヒキタニくん。ちょっとヒキタニくんにはつらいかもしれないこと、聞いていい?」

    八幡「何だよ突然。恋人いない歴なら年齢と一緒だぞ」

    姫菜「それは私もだってば。ヒキタニくんはさ、異性にちょっと優しくされて、それだけで相手に惚れちゃったこととかある?」

    八幡「!」

    八幡(いきなり何を、と思ったが、海老名さんの表情は真剣だった。ならちゃんと答えるべきだろう)

    八幡「あるよ。それも一度や二度じゃない。んで『向こうも俺のこと好きなのかな』って勘違いを何度もしてきた」

    姫菜「そう、なんだ」

    八幡「で、俺の黒歴史がどうかしたか? それこそもう過去の話だし笑いの種にしてくれたって構わないぜ」

    姫菜「笑わないよ…………私だってそうだもん」

    八幡「え?」

    姫菜「男子にありがちな話っぽく言うけどさ、女子だって男子に優しくされたら心が靡いちゃうことあるんだよ」

    八幡「そ、そうなのか」

    姫菜「うん。でもさすがに少しは慎重になるけどね。すぐに告白とかはしないよ」

    八幡「うぐっ…………」

    姫菜「だけどさ、きっかけはどうでも、そこから相手をどんどん好きになっちゃったら仕方ないとこもあるよね」

    八幡「…………」

    277 = 259 :

    姫菜「ヒキタニくんはさ、そういう過去を持ってるしネガティブなところあるからはっきり言わないとわからないよね。だからこんなとこだけど言わせてもらうね」

    八幡「え、海老名さん……?」

    姫菜「ヒキタニくん、私はヒキタニくんが好きだよ。友達とかとしてじゃなく、異性として」

    八幡「!」

    姫菜「…………あー……言っちゃったなぁ……本当はこんなとこで言うつもりなかったのに、どうしても伝えたくなっちゃった…………」

    八幡「な、ならどこで言うつもりだったんだよ…………」

    姫菜「んー、月曜の放課後の予定だったんだけどね…………ま、過ぎたことは仕方ないか。とにかくそういうわけだよ、私がヒキタニくんに最近構っていた理由は」

    八幡「え、えっと…………」

    姫菜「ごめん。困らせたいわけじゃなかったの。でも私、本気だから」

    八幡「そ、そうか。その…………」

    姫菜「というわけでこの話はここまで」

    八幡「え?」

    姫菜「月曜にちゃんと告白し直すから、聞いてくれる?」

    八幡「わ、わかった」

    八幡(脳のキャパシティを超えた出来事に頭が上手く回らず、かろうじてそんな返事をする。ほ、本当に本気なのか?)

    姫菜「よしっ。じゃあメメラギについて語っちゃうよー」

    八幡「お、おう。どんとこい」

    278 :

    月曜日ですよ!

    279 :

    好きなら名前くらい覚えてあげて

    280 :

    >>279
    きっとヒッキー呼びの由比ヶ浜に対抗してるんだよ、あだ名で呼ぶのは結衣だけじゃないよって

    281 :

    いいぞいいぞ

    282 :

    照れ隠しかも知れないだろ、あだ名呼びは

    283 :

    >>282
    その割にはずいぶんと積極的だが?
    恥ずかしがりながらもやる事はきっちりやるタイプかもしれんが

    284 :

    めんどくせーな、なんでもいいだろ

    285 :

    八幡(しばらくは海老名さんのBL談義に耳を傾ける)

    八幡(時々ツッコミを入れながら聞いているが、本当に楽しそうだよなあ…………ここまで夢中になれるものがある、というのは正直羨ましい気もした)

    姫菜「…………っはー、語った語った。なんか充足感すごい」

    八幡「そりゃそうだろうな。もうサイゼ入って四時間くらい経ってるし」

    姫菜「えっ!? うわ、ホントだ! ごめんヒキタニくん! 止めてくれてよかったのに!」

    八幡「いや、別につまらなかったわけじゃないから。それにそんな楽しそうな海老名さんを止めるのも野暮だし」

    姫菜「ううー……ヒキタニくんて意外と聞き上手なんだもん。それに直接顔を合わせて話せることなんて滅多にないから…………」

    八幡「だから気にすんなって。女子がお喋り好きなのはわかってるから。由比ヶ浜や小町もそうだしな」

    姫菜「むー……ヒキタニくん、デート中に他の女の子の名前出すのは良くないよ」

    八幡「今日何回も出してるじゃねえか、今更だろ。しかも小町は妹だし」

    姫菜「女心は複雑なんだよ」

    八幡「多分俺には一生理解出来ねえんだろうなあ…………」

    286 :

    (あの席のオタップル五月蝿いな)

    287 = 285 :

    姫菜「でも、うん。ありがとうね。最近色々あったからさ、おかげですごいすっきりしたよ」

    八幡「そこまで打ち込めるものがあるってのはいいことだな。俺は疲れることはしたくないけど、そういうの嫌いじゃない」

    姫菜「えへへ、ありがとう。でももしBLの話がダメって言ったらもっとヒキタニくんも喋れたかもしれないのに」

    八幡「俺に話の種なんかないぞ。黒歴史くらいしか」

    姫菜「いやいや、今日の映画のこととかさ。ほら、パンツもろ見えだったとかおっぱい揺れ過ぎだったとか胸に顔うずめた改変とか」

    八幡「女子とそんな話が出来るか! 罰ゲームってレベルじゃねえぞ!」

    姫菜「えー、私はそういうのもバッチコイだよ。女の子も好きだし」

    八幡「百合で腐女子かよ…………ノーマルな恋愛にしとこうぜ」

    姫菜「え? だから私はヒキタニくんが好きだよ?」

    八幡「え、あ…………」

    姫菜「おっと。告白は月曜だった。今のナシでお願い」

    八幡「お、おう…………」

    288 :

    リア充爆発しろ

    289 = 285 :

    姫菜「じゃ、そろそろ出よっか。あんまり長居しても店に迷惑だし」

    八幡「おう。もうすぐ夕飯の時間だしな」

    姫菜「はいストップヒキタニくん。さすがにここの代金まで奢ってもらうのはダメ。伝票を渡しなさい」

    八幡「いや、だから、デートなんだったら…………」

    姫菜「その気持ちは嬉しいけど私達はまだ学生だよ。稼ぎが違うとかないんだから。それに映画館でも出してもらったし」

    八幡「あー…………じゃあ千円だけ出してくれ。あとは俺の顔を立ててほしいんだけど」

    姫菜「うー……じゃあ今回はそれで。ご馳走になります」

    八幡「いいってこれくらい。会計してるから表で待っててくれ」

    姫菜「うん」

    八幡(俺はレジで伝票を出し、代金を支払う。外に出ると海老名さんが隣に並んできた)

    姫菜「じゃ、今日はこの辺でお開きにしよっか」

    八幡「だな。えっと……送っていこうか?」

    姫菜「うん、お願いしまーす」

    八幡(海老名さんは嬉しそうに返事をして俺の腕に自分のを絡めてきた。うう……予想はしていたけどやっぱり恥ずかしい)

    八幡(ちょっと、いや、かなりドギマギしながら海老名さんを家まで送り届け、俺は帰路についた)

    290 :

    どう見てもリア充です
    本当にありがとうございました

    291 :

    俺もこんな青春送りたかった

    292 :

    とても不愉快なのだけれど

    294 :

    海老名さんは普通にアリだよな
    照れ隠し(笑)で暴言吐いてきたりキモイキモイ連呼するようなめんどくさい方々よりは

    295 :

    気遣いが出来てサブカルチャーにも精通してる眼鏡美少女
    文句なしなんじゃが?

    296 :

    高校生くらいだと趣味が合うってのはそれだけで
    尋常じゃないアドバンテージになるしな

    297 :

    おい姉のん出番だぞはやくしろ間に合わなくなっても

    298 :

    八幡(考え事をしていようがボーっとしていようが腹は減る)

    小町「どしたのお兄ちゃん?」

    八幡「ああ、いや、何でもない」

    八幡(逆もまた然り。メシの最中にボーっとしてしまったようだ)

    父親「どうした八幡? 悩み事なら聞くだけ聞いてやるぞ。何とかするかは知らん」

    八幡「あー…………某妹が『お父さんウザい』って言ってて本人にそれを伝えるべきか悩んでてな」

    父親「なっ! こ、小町、嘘だよな!? 小町はパパのこと大好きだよな!?」

    小町「お兄ちゃんのは嘘だけど…………でもあんまり構ってくるのはウザいって思っちゃうかも……」

    父親「こ、小町いいいぃぃぃ!」

    母親「うるさい。もう少し静かに食べなさい」

    父親「あ、はい」

    八幡(相変わらず比企谷家の男性の立場は低いのである。あとパパって言うな気持ち悪い)

    小町「でもお兄ちゃん、本当に何かあったの? 今日のデートで失敗したとか?」

    父親「デ、デート!?」

    母親「八幡! 詳しく聞かせなさい!」

    八幡(静かに食べろって言った直後に何なんだよ)

    八幡「というか親の前でんなこと聞くなよ」

    299 = 298 :

    小町「えー、でも元気ないお兄ちゃんが気になって…………」

    八幡「あとで話してやるから今は大人しくしてろ」

    父親「おい八幡。そんなおもし…………可愛い息子の元気がないのを親として放っておけん。相談に乗ってやるから話してみろ」

    八幡「今面白そうとか言いかけたよなクソ親父が」

    母親「何を言っているの八幡。子供の悩みは親の悩みよ。さ、一緒に解決しましょう」ワクワク

    八幡「一見いいセリフだけど好奇心旺盛な表情が台無しにしてるからな。そもそも親に恋愛関係の相談をすることなんかねえから」

    父親・母親「ブーブー」

    八幡(もうやだこの息ぴったりの夫婦)

    300 :

    乙乙~
    八幡の両親お茶目やな
    八幡も少しは引き継げよ...


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