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    元スレ八幡「初詣?」小町「うん!」

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    151 = 142 :

    雪乃「とにかく今はもう少しこの比企谷くんとの雰囲気を何とかすべきだと思うのだけれど」ヒソヒソ

    結衣「うん……でもどうしたらいいのかわからないよ…………何を言っても今更な気もして」ヒソヒソ

    雪乃「でもそうやってここまで来てしまったのじゃない。このままだと本当に手遅れになってしまうわよ」ヒソヒソ

    八幡(今日のヒソヒソ話は一段と長いな…………)

    結衣「と、とにかく何か話さないと…………」ヒソヒソ

    雪乃「思えばさっきみたいに比企谷くんの方から話し掛けてくるのは珍しかったのよね。あのまま会話を続けていればよかったかしら…………」ヒソヒソ

    八幡(そういやマッ缶買ってなかった。由比ヶ浜に会って一緒に来たから忘れてたな)

    八幡「喉渇いたな…………」ボソリ

    雪乃「! ひ、比企谷くん!」

    八幡「うおっ! な、何だよいきなり?」

    雪乃「あ、ごめんなさい……」

    八幡「いや……で、どうしたんだ?」

    雪乃「紅茶を淹れようと思うのだけれど、あなたもいるかしら?」

    八幡「あー、じゃあ頼むわ」

    雪乃「ええ」

    八幡(雪ノ下が立ち上がり、準備を始める。そういや今年になってから一回も飲んでなかったな)

    152 = 142 :

    雪乃「どうぞ」コトッ

    八幡「おう、サンキュ」

    八幡(皆の前にそれぞれカップが置かれる。俺はそれを手に取り、息で少し冷ましながら紅茶を口に含んだ)

    八幡(うん。やはり美味い…………そうか、奉仕部を辞めたらこれも飲めなくなるのか……)

    雪乃「ど、どうかしら? あなたには少し久しぶりに淹れたのだけれど」

    八幡「え? ああ、相変わらず美味いぞ。マッ缶に迫るかもしれん」

    結衣「ええー…………あれ甘過ぎるじゃん。ヒッキーよくあんなに飲めるね」

    八幡「ばっかおめえ、千葉県民はな、母乳の代わりにマックスコーヒーを飲み、離乳食の代わりに落花生を食べて育つんだよ」

    結衣「初めて聞いたよそんなの! 絶対ヒッキーだけだって!」

    雪乃「あなたは千葉を何だと思ってるのよ…………」

    八幡「とにかくマッ缶は千葉のソウルドリンクだ。ああ、俺は千葉県に生まれて本当に良かった…………」

    結衣「すごいしみじみ言ってるし…………」

    雪乃「…………それなら、比企谷くん」

    八幡「あん?」

    雪乃「あなたは、奉仕部に入って、良かったとは思ってくれているかしら?」

    八幡「!」

    結衣「!」

    雪乃「…………」

    八幡「…………お、俺は」

    153 = 142 :

    義輝「ふはははは! 剣豪将軍見参!」ガラッ

    八幡「…………」

    雪乃「…………」

    結衣「…………」

    義輝「おお八幡、明けましておめでとうだ。我からお年玉をくれてやろう!」

    八幡「騒がしいやつだな。どうせラノベ原稿という名のゴミだろ?」

    義輝「ゴ、ゴミとは失礼な! 年末年始返上で書き上げた傑作だぞ!」

    八幡「その熱意だけは認めるけどな…………わかったわかった。来週までに読んどいてやるから寄越せ」

    義輝「おお、忝ない。よろしく頼む! では我はこれで失礼する! さらばだ!」ガラガラ

    八幡(騒ぐだけ騒ぎ、あっという間に材木座は部室を出て行った)

    結衣「相変わらずだねー中二は…………」

    雪乃「ずっと比企谷くんだけを見てて私達の方を見ようともしなかったわね」

    八幡「まあ女子が苦手だからな…………」

    八幡(しかし)

    八幡(今の流れで有耶無耶になったが、俺はあの時何て答えようとしたのだろうか?)

    八幡(頭には何も思い浮かばなかったのに、口が勝手に動いていた。そこから出るものは俺の本心だったのかもしれない)

    156 :

    八幡(結局あれから何も話すことはなく、今日の部活も終了を迎えた)

    八幡(明日は先生に言われた期限か…………アレ用意しないとな)

    小町「お兄ちゃーん、ごはんできたよー」

    八幡「おーう」

    八幡(ドア越しに小町から声がかかる。俺は返事をしてリビングに向かう)

    157 = 156 :

    小町「ね、お兄ちゃん…………」

    八幡「あん?」

    小町「その…………結局奉仕部はどうするの?」

    八幡「ああ。明日で辞めるつもりだ。雪ノ下達にもそう伝える」

    小町「! そ、そう……」

    八幡「そんで土日過ごして辞めたことを後悔するようだったら、頭下げてもう一度入部させてもらうわ」

    小町「えっ?」

    八幡「自分で言うのもなんだけど……俺ってさ、ひねくれてるし、人付き合いというか人間関係は欠点だらけだろ?」

    小町「そうだね」

    八幡「少しは否定してくれたりしないのかよちくしょう」

    小町「いや、だってお兄ちゃんだし…………」

    八幡「くっ……まあいい、続けるぞ。要するにだな、経験とかないからどうしていいのかわからずに後悔してばっかなんだよ、今まで」

    小町「うん」

    八幡「今回だって辞めたくないという気持ちと辞めるべきだという気持ちの間で揺れ動いてる。たぶんどっちにしたって後悔する」

    小町「えーとつまり、辞めないで『あの時辞めておけばよかった』よりも、辞めて『あの時辞めなければよかった』を選択するってこと?」

    八幡「ああ。俺はこんなだから後悔するまでいかないと本心は出てこないだろうし。そんでそっちのほうがまだリカバリーしやすいからな」

    小町「でも雪乃さん達が再入部とか認めてくれるの?」

    158 :

    奉仕付に復帰とか誰得やで…

    159 :

    俺得

    160 = 156 :

    八幡「認められねえんだったら結局俺は奉仕部にいらないってことなんだろ。そん時はすっぱり諦めて残り一年は戸塚を眺める高校生活を過ごすさ」

    小町「それはさすがに小町も引くよお兄ちゃん…………というか来年度のクラス替えでバラバラになるかもしれないでしょ」

    八幡「おいおい何言ってんだ小町。俺と戸塚の運命の繋がりがクラス替えごときで途切れるわけないだろ」

    小町「ダメだこのお兄ちゃん。早く何とかしないと……」

    八幡「ま、一年の頃と同じ生活になるだけさ。そんな身構えるものでもない」

    小町「ねえお兄ちゃん」

    八幡「何だ?」

    小町「お兄ちゃんの考えはわかったけどさ、雪乃さん達はどうなの?」

    八幡「え?」

    小町「雪乃さんや結衣さんはさ、お兄ちゃんに辞めてほしくないとか思ってないの?」

    八幡「…………さあ?」

    小町「さあ、って…………まさか雪乃さん達と何にも話し合ってないの?」

    八幡「ああ。なんかこう、きっかけとかタイミングが…………そもそも簡単に話し合えるならとっくにそうしてるだろ」

    小町「でも!」

    八幡「辞めてほしくないとか残ってほしいとかは一言も聞いてない。海老名さんには言われたけど」

    小町「………………」

    161 = 156 :

    八幡「ま、なるようになるし、ならないようにしかならないさ。小町が気にすることじゃない」

    小町「ううー……」

    八幡「それにな小町、こう考えてみろ。たかだか部活を辞めるか辞めないかってだけの話なんだぞ。長い人生の中では大した割合じゃないだろ」

    小町「でもこう言っちゃなんだけど、お兄ちゃんの人生薄っぺらいから奉仕部ってかなりの濃度じゃない?」

    八幡「何なのこの妹。突然雪ノ下レベルの毒舌で兄を貶してきたんだけど?」

    小町「まあお兄ちゃんが決めたなら小町からは何も言えないけど…………でもお兄ちゃん。今回は何をどう動いてもきっと傷付くと思う。だからどうせなら自分の心に嘘を吐くのだけはやめてね」

    八幡「ああ、ありがとうな、小町」

    162 :

    1日に1~2レスしか投下がないってすげぇスレだな…
    牛歩更新ww

    163 :

    ガッツリ来てエタるよりはよっぽどまし

    165 :

    1日必ず更新ってそう簡単じゃないだろ
    俺は有能な1だと思うぞ

    166 :

    面白いよ。続き楽しみにしてる。

    167 :

    八幡(さて、金曜日か。波乱の日になりそうだな)

    八幡(俺は平穏に過ごしたいだけなのになあ…………)

    八幡「おーい小町、今日は送っていかなくていいのか?」

    小町「あ、待って待ってー。今行くからー」

    八幡(玄関で声をかけるとリビングから慌てたような声が返ってくる。しばらくして荷物を持った小町がやってきた)

    小町「お待たせ。はい、これ」

    八幡「ん? これは…………弁当か?」

    小町「うん。お昼も色々あるかもしれないけどさ、これ食べて元気出して! 小町の愛情たっぷり詰め込んだからね!」

    八幡「そうか。んじゃありがたくいただくぜ。サンキューな小町」

    八幡(受け取った弁当をカバンに入れ、わしゃわしゃと小町の頭を撫でる)

    小町「あうう、セットした髪がー」

    八幡(そうは言っても小町は逃げようとせず、心なしか嬉しそうにしている)

    八幡「それじゃ行くか。寒いから防寒はしっかりしろよ」

    小町「うん、ばっちりだよ」

    八幡(外に出て自転車に乗り、後ろに小町を乗せて俺はペダルを踏み出した)

    168 = 167 :

    八幡(小町を送り届け、時間ギリギリに高校に着いて教室に入る)

    八幡(が、自分の席に着いて、ちらっと教室内を窺った時に違和感を覚えた。何だ?)

    八幡(別段おかしなとこはないように見えるが…………戸塚は何やらプリントを見ているだけだし、由比ヶ浜はいつも通り葉山達と騒いでいるだけだし)

    八幡「…………ん?」

    八幡(いやいや待て待て。あの葉山グループは男女で分裂したんじゃなかったか? なのに今は前と同じメンバーで集まってんぞ。葉山と三浦も楽しそうに喋ってるし)

    八幡(ちょっと前までなら当たり前の光景を訝しんでいると予鈴が鳴り、各々は自分の席に着いた。どういうことだ…………?)

    169 = 167 :

    八幡(気にはなったが、こちらから聞くわけにもいかない。というか別に俺が気にするようなことでもない)

    八幡(葉山が考え直して三浦と付き合うことにしたとかかもしれないが、俺には関係ないしな。むしろ昼休みの平穏が戻ってきそうで良かった。あの調子なら俺と昼を一緒にしようなんて思わんだろ)

    八幡(そんなふうに考えていた時期が俺にもありました)

    優美子「あ、ヒキオ今日は弁当なん?」

    姫菜「妹さんが作ったの? あ、朝はお母さんだっけ?」

    隼人「今日は俺達もお邪魔するよ」

    「ヒキタニくんとなんて珍しいっしょー」

    八幡(どうしてこうなった)

    170 :

    意外な展開…期待する!

    171 :

    面白い

    173 :

    八幡「疲れた…………」

    八幡(メシを食い終わっても喋ることをやめず、あいつらはガンガン俺にも話しかけてきた。葉山と戸部がサッカー部の顧問に呼ばれてようやく解散となり、俺は机にぐったりと突っ伏している)

    姫菜「お疲れみたいだねヒキタニくん」

    八幡「海老名さん…………」

    優美子「ヒキオは何をそんなにぐったりしてんの?」

    八幡「三浦もか……メシ時の会話に疲れたんだよ」

    八幡(さっき解散したはずなのにまたすぐに俺のところにやってくる二人。何なのお前ら、俺のこと好きなの?)

    優美子「は? あんくらい普通だし」

    八幡「ぼっちだから大勢でメシ食いながら騒ぐことに慣れてねえんだよ…………」

    八幡(暗に今後は誘うなという意味を込める。まあそんなことをしなくても愛想をすぐに尽かすだろうが)

    優美子「ふーん。じゃ、来週はあーしと二人で食べるよ。大人数でなきゃいいっしょ?」

    八幡「はい?」

    姫菜「あ、優美子ずるい。ヒキタニくんを最初に誘ったのは私だよ!」

    八幡(え、何これ、モテ期? いやいや、勘違いしてはいけない。海老名さんと三浦だぞ?)

    174 = 173 :

    優美子「だってさ、なんか隼人もヒキオの良さを理解してるみたいじゃん。あーしだけわかってないのは悔しいし」

    姫菜「んー、ヒキタニくんの良さは普通に接しててもわかんないかもよ」

    優美子「普通にって……ヒキオが悪い奴じゃないのはわかってるつもりだけど…………じゃあ海老名や隼人は普通じゃないときにヒキオと何かあったん?」

    姫菜「ちょっとね。たぶん隼人くんも」

    優美子「うーん、あとで隼人に聞いてみるかな…………」

    八幡(俺の話を俺そっちのけで会話する二人。俺はどうすればいいんだ?)

    姫菜「あ、ヒキタニくん。ほったらかしにしてごめん」

    八幡「いや、空気扱いは慣れてるけど…………その、三浦はさ……」

    優美子「ん? ああ、あーしと隼人のこと?」

    八幡「う、まあ……」

    優美子「ま、ヒキオならいっか。あーしは別に隼人を諦めたわけじゃないし」

    八幡「え?」

    優美子「付き合うことは出来ないって言われたけど嫌われてるわけじゃないから。だったらこれからもつるんであーしの魅力に気付かせて今度は向こうから告白させてやるし」

    八幡「そ、そうか」

    八幡(やべえ。三浦優美子さんすげえ男らしい!)

    175 = 173 :

    優美子「そうやって腹を割って話したら隼人も『ヤバい。そんなこと言われたら心が傾いてしまいそうだ』とか言ってたし。お世辞でもそうでなくても近くにいるのを嫌がってないならあーしにもまだチャンスはある」

    八幡「…………三浦、お前すげえな」

    優美子「ふふん、あーしの魅力にヒキオも気付いたか。でもあーしは隼人一筋だから」

    八幡「いや、本気で応援してるぜ。俺は何もしてやれないけど」

    優美子「そんなの当たり前だし。惚れた惚れないは当人だけの問題なんだから」

    姫菜「う…………」

    八幡(海老名さんが一瞬顔をしかめる。三浦の言葉に思うことがあるのだろう)

    八幡「で、でもみんながみんな三浦みたいに強いわけじゃないからな。ちょっとくらい人を頼るのもありだと俺は思うぞ」

    八幡(って、何で俺は海老名さんにフォロー入れるみたいに言ってんだ)

    優美子「へえ、ヒキオはそういう考えなん? だったらあーしもヒキオに頼みあるよ」

    八幡「え?」

    優美子「隼人が気に入ってるヒキオのことを知りたいから少しはあたしとつるんでもらうし」

    八幡「う…………い、いや、ダメだろそれは」

    176 :

    いいぞ

    177 = 173 :

    優美子「は? 何で?」

    八幡「ほ、他の男と一緒のとこを葉山に見られたらどうするんだよ。誤解されるぞ」

    優美子「あー、ヒキオなら大丈夫だし」

    八幡「何だよその根拠のない自信は…………」

    姫菜「じゃ、二人でないなら平気でしょ? 私も一緒にいるから」

    優美子「まあ海老名ならいいか」

    八幡「俺の許可なしに話を進めるなよ…………」

    優美子「もう決まったし。とりあえず来週からも昼はよろしく」

    姫菜「よろしくねヒキタニくん」

    八幡(そう言って二人は手を降って去っていった。何で俺の平穏を脅かすんだリア充ってのは…………)

    八幡(でもまあ三浦があんなんなのは良かった。葉山グループも分裂しなくて海老名さんの懸念材料が減ったわけだし…………って、何で俺なんかが海老名さんの心配をしてるんだか)

    178 :

    面白い

    180 :

    八幡(放課後か…………はあ……この後に疲れそうなことがあるってのにもうヘトヘトな気がする。さっさと部室に行こう)

    隼人「比企谷、ちょっといいかい?」

    八幡「良くない。消えろ。話しかけるな。お前の視界に比企谷八幡など存在しない」

    隼人「ははは、ひどいな。じゃ、ちょっとこっちにきてくれ」

    八幡(葉山は俺の腕を取って廊下に連れ出そうとする。顔は笑っているがたぶんこれ以上断っても無駄だろう)

    姫菜「ぐぬぬぬぬ…………」

    八幡(教室の隅っこで海老名さんが血の涙を流しかねない勢いで歯軋りしていた。ああ、『はや×はち』を妄想しないって約束を守ってくれてんのか…………)

    181 = 180 :

    八幡「わかったわかった、ちゃんとついて行くから手を離せ」

    隼人「そうかい。ま、ジュースの一本くらいは奢るからさ」

    八幡(葉山はとても俺にはできない爽やかな笑顔を浮かべ、歩き出した。黙ってついていくと自販機の前に辿り着く)

    隼人「マックスコーヒーがいいんだったな? そら」

    八幡「おう」

    八幡(葉山が購入したマッ缶を受け取る。礼は言わない。どうせろくでもない話があるのだろうからその代償だ)

    八幡「で、何か用なのか?」

    八幡(近くに備え付けてあるベンチに座り、マッ缶のプルタブを開けながら葉山に問いかける。葉山もベンチに座り、購入した微糖のコーヒーを一口飲む)

    隼人「優美子のことさ」

    八幡「ああ……」

    八幡(生返事をしたものの、三浦のどのことを言っているのかわからない)

    隼人「比企谷の良さを知りたいから来週は昼を一緒にすると言ってきた。浮気じゃないから安心しろとね」

    八幡「…………迷惑だ。何とかしてくれ」

    隼人「はは、俺にはどうしようもできないさ。優美子を束縛する権利もないし。そもそも付き合ってるわけじゃないから浮気以前の問題だ」

    八幡「でも原因はお前だろ? お前が俺を無駄に買い被っているからだ。ちゃんと三浦に『比企谷は話す価値もないダメ人間だ』って説明しろよ」

    182 = 180 :

    隼人「残念だが俺は無駄な嘘を吐きたくないんだ。俺が比企谷を買っているのは事実だからな」

    八幡「へーへー、トップカースト様にそう言われて光栄ですよっと」

    隼人「照れるなよ」

    八幡「んなわけあるか…………で、お前これからどうすんの?」

    隼人「何のことだ?」

    八幡「三浦と付き合う可能性はあるのかってことだ。完全に望みがないならさっさと断ち切ってやったほうがお互いのためじゃないか?」

    八幡(三浦はああ言っていたが、徒労に終わる可能性もあるのだ。その時の心境を考えると他人事ながら心苦しくなってしまう)

    隼人「ない…………つもりだったんだけどな」

    八幡「あん?」

    隼人「正直惚れてしまいそうだ。頑なに拒否したつもりだったんだがそれでもああ言われるとね…………優美子には言うなよ?」

    八幡「…………言わねえよ」

    八幡(その時の葉山の表情は何とも言えないものだった。こいつもこんな顔するんだな……)

    隼人「しかし比企谷が俺達のことを気にかけるなんてな。どういった心境の変化だ?」

    八幡「お前らなんかどうでもいいよ。ただ…………海老名さんがな」

    隼人「姫菜が?」

    183 = 180 :

    八幡「その、なんつーか、お前らのグループが微妙なのを嘆いてたからさ。それでちょっと気になったんだよ」

    隼人「そういえば最近姫菜と仲がいいらしいじゃないか。気をつかわないお喋りが楽しいと言ってたぞ」

    八幡「いや、海老名さんはいつも気を使ってなくね?」

    隼人「というより会話の内容をちゃんと理解してくれて、欲しいレスポンスがしっかり来るのが嬉しいみたいだ。俺達じゃわからないことも多くて」

    八幡「一部理解したくないものもあるんだが…………というか何で海老名さんてお前らのグループにいるんだろうな」

    隼人「連れてきたのは優美子だが、姫菜はあの特殊な趣味以外はしっかりしてるからな。そこを優美子は気に入ってるらしいが」

    八幡「あの一点だけで相当アレだと思うが…………」

    隼人「しかしそうか、姫菜か…………」

    八幡「あん?」

    隼人「姫菜のことが気になってるのか?」

    八幡「は? 何でだよ?」

    隼人「違うのか? やたら気にかけているみたいだけど」

    八幡「違えよ。そりゃ最近やたら話す機会あるけど…………そんなんじゃねえよ」

    隼人「でも姫菜は比企谷を気にしていたぞ。正確には奉仕部のことか」

    八幡「…………」

    184 = 180 :

    隼人「聞いてるよ。そっちこそ微妙な感じなんだろ?」

    八幡「別に…………ただなぜか海老名さんがそれを気にしてるふうでな。だから最近会話があるってだけだ」

    隼人「うん。で、比企谷は奉仕部はどうするつもりなんだ?」

    八幡「………………」

    隼人「迷ってる、って表情じゃないな。言いたくないならそれでもいいさ。ただ」

    八幡(葉山は一度そこで言葉を切る)

    隼人「何か行動を起こす前にできることがあるならしっかりやっておくことだ。でないと後悔するぞ、俺みたいに」

    八幡「…………何かあったのかよお前に」

    隼人「さてね。じゃ、そろそろ俺はサッカー部に行くよ。また話し相手になってくれ」

    八幡「ごめんだ。二度と話し掛けるな」

    隼人「ははは、また来週な」

    八幡(俺の言葉をとことん無視して葉山は空き缶を屑籠に放り込んで去っていった。俺はマッ缶の残りを飲みきり、大きくため息をつく)

    八幡「………………できることがあってもそれを行動に移せるとは限んねえんだよ」

    186 :

    小町スレだと思って開いたら小町の出番が全然ないでござる…

    187 :

    乙乙~
    確かに、タイトルがミスマッチ感はある
    もうちょい良かったらもっと人来るよなあ...

    188 :

    タイトルが伏線ということもある
    たとえば来年の初詣は小町以外と行く予定になる、とか

    189 :

    まだ完結してもないのにスレタイに文句とかどんだけ早漏なんだよ

    190 :

    スレ立った時期が時期だけに季節ネタかと思って小町とのほのぼのを期待したら話が進むごとにシリアス展開で少し戸惑ってる

    191 :

    初詣の件でエビナ・ヒナさんのご両親も公認まで妄想した

    192 :

    八幡(奉仕部部室に入るとすでに雪ノ下も由比ヶ浜も来ていた。そりゃそうだな、葉山と結構長い時間話してたし)

    結衣「あ、ヒッキー…………」

    八幡「由比ヶ浜。お前を奉仕部部員として頼みがある」

    結衣「え、な、何?」

    八幡「葉山グループの連中を何とかしろ」

    雪乃「突然どうしたのよ。とりあえず座って落ち着きなさい」

    八幡「……おう、悪かった」

    八幡(ちょっと気が急いてしまったな。俺はカバンを置いて椅子に座る)

    結衣「隼人くん達なら仲直りしたんでしょ? あたし達とも普通に朝から話してるし」

    雪乃「私も由比ヶ浜さんにそう聞いているわ。何も問題ないと思うのだけれど」

    八幡「俺にとばっちりがきてんだよ。昼飯の時あいつら挙って俺のところに来やがった。俺の平穏が脅かされてるんだ」

    雪乃「あら、コミュニケーション力のリハビリにいいじゃない」

    八幡「ゆっくりメシを食いたいのに落ち着けないだろうが…………来週からも海老名さんと三浦が付きまとう気まんまんだし」

    結衣「え? 姫菜と優美子?」

    雪乃「…………どういうことかしら?」

    193 :

    八幡「知らん。葉山や戸部は今日だけみたいだが、それでもあのリア充グループとメシ食うのは気を遣って疲れるだけだ。同じグループなんだから何とかしてくれよ」

    結衣「ええー、そんなこと言われても…………」

    雪乃「それならまず原因を突き止めるべきではないかしら? どうして三浦さん達は比企谷くんと行動を共にしようとするのか」

    八幡「何か俺の良いところを知りたいとかいうわけのわからん理由らしい。そんなとこないから止めとけって言ったんだが聞かなくてな。だから由比ヶ浜が『比企谷八幡は良いところなんてないクズ人間です』ってあいつらに言え」

    結衣「そんなこと言えるわけないでしょ!」

    八幡「何でだよ。いつも雪ノ下と一緒に俺に言ってるようなことをそのまま伝えてくれればいいんだって」

    結衣「うっ…………」

    雪乃「…………」

    八幡「それともなんだ。奉仕部同士の依頼は受けられないとでも言うのか?」

    結衣「あ、そ、そうだよ! 奉仕部は解決する側なんだから! 奉仕部部員のヒッキーが依頼しちゃダメでしょ!」

    八幡「ああ。なら、ほれ」

    八幡(俺はカバンから一枚の書類を取り出し、雪ノ下の前に置いた。その書類の一番上には『退部届と書いてある』)

    194 :

    『退部届けと書いてある』と書いてある

    195 :

    >>194
    こまけぇこたぁ(ry

    196 :

    >>194

    197 = 193 :

    八幡(俺はカバンから一枚の書類を取り出し、雪ノ下の前に置いた。その書類の一番上には『退部届』と書いてある)

    雪乃「!!」

    結衣「ヒ、ヒッキー、これって…………」

    八幡「平塚先生には今日までは残るように言われていたからな。別に本格的な部じゃないんだからわざわざ書かなくてもいいんだろうが、一応ケジメとしてってことで」

    結衣「そんな……何で…………」

    八幡「だから何度も言ってるだろ。俺は奉仕部にいない方がいい」

    結衣「でも…………!」

    八幡(由比ヶ浜は何かを言おうとするが、上手く言葉が出ないのか後が続かない)

    雪乃「………………」

    八幡(雪ノ下はしばらくその退部届を見つめていたが、徐にそれに手を伸ばす)

    198 = 193 :

    八幡(それを手に取った雪ノ下はそのままビリィッと二つに破り裂いた)

    八幡「は……?」

    結衣「ゆ、ゆきのん!?」

    八幡(二つに破いたそれを重ね、またもや裂く。それをもう一度繰り返す。さらにもう一度…………)

    雪乃「くっ……くっ……」グッグッ

    八幡(裂けなかった。握力が足りないようだ。しばらく試みて諦めたようで、カバンからハサミを取り出してチョキチョキと切り始める)

    雪乃「…………」フー

    八幡(満足したか雪ノ下はその小さくなった紙屑をゴミ箱に放り捨てる)

    雪乃「何かしら?」

    八幡「いや、言いたいことは色々あるが…………いっぺんにじゃなくて何枚かずつに分けて破ればハサミいらないんじゃねえか?」

    雪乃「!!?」

    八幡(雪ノ下は『あっ』という表情をする。思い付かなかったのか…………)

    雪乃「…………何のことかしら?」

    八幡「いや、今更取り繕うなよ……俺の退部届だよ」

    雪乃「知らないわね。そんなもの見たこともないわ」

    八幡「ったく……んじゃ今この場で新しいのを…………」

    雪乃「比企谷くん」

    八幡(俺が自分のカバンを漁ろうとすると、少し強めの声色で呼ばれる)

    八幡「…………何だよ」

    199 = 193 :

    雪乃「ごめんなさい、今からわがままを言わせてもらうわ」

    八幡「?」

    雪乃「私はあなたに奉仕部を辞めてほしくない」

    八幡「!!」

    雪乃「今までの行動がどうとかそういうのは関係ないわ。ただ私が、雪ノ下雪乃という一個人があなたに奉仕部を辞めてほしくないのよ」

    八幡「雪ノ下…………」

    結衣「ヒッキー! あたしも!」

    八幡「ゆ、由比ヶ浜……」

    結衣「ヒッキーがそう考えたらあたしが何を言っても仕方ないのかなって思ってたけど、あたしはヒッキーにここにいてほしい!」

    200 :

    1、愛してる。身体に気をつけて。更新楽しみにしてるね~。


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