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元スレ女「彼氏が居ないなら作ればいいんだ!」

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351 :

翌々日(日曜日)

「そうだ、少し聞きたかったんだが」

「な、なに……?」

「クリスマスの予定を空けておけと言われたが25日を空けておけば良いのか?」

「あー、それなんだけど」

「ん?」

「ちょっと野暮用できちゃったからちょっと遅い時間になるかも」

「……ん、わかった」

(……流石に25日の午前中先輩と会うなんて言えないよね)

「……」

「……」

「……鍋で良いか?」

「な、なにが?」

「クリスマスのパーリィだ」

「クリスマスに鍋って……」

「なんか希望あるのか?」

「まぁ、ケーキは欲しいよね」

「……わかった、準備しておく」


(なんだろ……この浮気してる様な気分……)

352 = 1 :

クリスマス当日

街はクリスマスムード一色

その中を一人買い物に出ていた男

「思わず新しい鍋を買ってしまった」

鍋の材料と新しい土鍋を抱えて商店街を歩く

「あとは……ケーキか」

その時携帯が鳴った

「……手が離せない時に限って」

四苦八苦しながら携帯を取り出してみると

(……女友?)

珍しい人物からの着信だった

「もしもし?」

女友『あ!男くん!?今どこ!?』

「今?商店街だけど」

女友『とにかく来て!』

「なんで……今結構忙しいんだけど」

女友『すぐに!』

手短に場所だけ言い残して一方的に切られた

「……なんだってんだよ」

だが男にもただ事ではないのはわかった

「……いったん帰ってからで良いか」

353 :

なにがあったの!?

354 = 1 :

家に買い物袋を置いて男は指定された場所へ来た

「……で?」

その場所は男のいた商店街とは反対側に位置する若者向けの商店街

しかもクリスマスともなればカップルの巣窟だ

「……なにこれいじめ?」

カップルひしめく場所に野郎が1人でたたずむ姿は完全に浮いていた

女友「こっちこっち!」

「なんだよー」

女友「どうせ女になんのプレゼントも考えてないんでしょ?」

「……あ」

女友「そんなあからさまに忘れてたって顔したら女怒るよ」

「ど、どうしよ……」アワアワ

355 = 1 :

女友「そこであれよ!」

指差す先には人集りが

それも男ばかり

「何やってるんだ?」

女友「クリスマスに彼女へのプレゼントをかけたアームレスリング大会よ!」

「……腕相撲大会か」

女友「5連勝したら豪華プレゼントGETな訳よ!」

「なるほど」

女友「ってことで10連勝してください」

「……5連勝だろ?」

女友「情報料」

「……なるほど、だが一つ大きな問題が」

上着を脱ぐ男

「俺弱いぞ」

女友「腕ほっそ!!」

「……どうしよう」

女友「こうなったら……!」

356 = 1 :

腕相撲大会の会場に歓声が上がった

「つ、強い!!この男強すぎるー!!あっという間に3連勝!!」

その歓声の中心に居るのは男だった

「さぁ4戦目始めようぜ!」

次の相手が席に着く

それなりにガタイの良い相手だ

ゴングが鳴る

相手A「ふんっ!!」

一気に土俵際まで押される男

「んぐぐぐ……!!」

ギリギリで耐える

「な、なぁ……?」

相手A「なんだ……?」

ふと顔を上げて男を見ると

この世のものとは思えない顔をした男

相手A「んぶふぉっ!!w」

「スキありっ!!」

男の逆転勝利だ

ここまでの4戦全て変顔で勝っている

女友「我ながら良い作戦だ」

「なんか勝ったのに悔しいのは……」

357 = 1 :

「何がどうあれ次勝てばプレゼントゲットだ」

女友「あと6勝ね」

「……」

次に席に着いたのは

「ヨロシクオモイマス」

ボビーオロゴン風のガチムチ男が席に着いた

「……しんだ」

女友「……おわった」

その横には見知った顔が

「あら、男くんじゃない」

「……この人お姉さんの彼氏ですか?」

「まぁね」

「ウデヒモミタイネ」

(よりによって最悪な相手キター!!)

女友は既に諦めている

ゴングが鳴った

男の3倍以上あるような腕の相手に勝てるはずもなく

「……?」

瞬殺されるかと思いきやあと少しのところで踏ん張る男

「んぎぎぎぎぎっ……!!」

358 = 1 :

ただ変顔をする余裕がない男

「んぎぎぎぎぎ!!」

必死に耐える

女友「男くん!流石に無理だって!」

「うごぉっ!!」

「オマエケッコウカンバルネ」

男の腕がミシミシと軋み始める

女友「男くん……女のためにそこまで……」

「俺の腕はっ……!ひもじゃなぁぁぁぁい!!!」

スタート位置まで立て直した男

「マジカヨ」

「な、なぁ……?」

「?」

男の顔を見た姉彼が吹き出した

「どぉぉぉりぁぁぁぁ!!」

359 = 1 :

「……腕が変なんだけど」

腕が奇妙な方向に曲がっている

「まさか女へのプレゼント取りに来てるなんてねー」

「こっちだってあんな化け物みたいな彼氏いるなんて驚きましたよ」

「あれ実は彼氏じゃないんだよね」

「へ?」

「あれ実は女の子なの」

「……」

「女もなんか勘違いしてるみたいなんだけどねー、ほんと失礼よねー」

「……」

360 = 1 :

「まぁ良かったじゃないプレゼントゲット出来たんだし」

「その分情報料も持ってかれましたしけどね」

女友には情報料として別のプレゼントを買わされた男

「今日はあの子と来てたんじゃないのね」

「なんか用事があるとかで夕方からの約束っす」

「用事……?てっきり朝からどっか出かけたから男くんとの約束かとおもってたんだけどなー」

「……そういえば女友とも一緒にいないって事は……」

ふとある考えが浮かんだが

(……ま、それはないか)

361 :

ドキドキするぜー

362 = 1 :

「どうせだからこの辺ででお昼食べてかない?」

姉彼改め、姉友も腹が減っている様だ

「いいですけど」

「もちろん男くんのおごりね?君のせいでプレゼント取り損ねたんだし」

「そもそも女の子を彼氏に見立てて参戦させてる時点で失格ですって」

「あれ?」

「どうしました?」

「あ、振り向いちゃダメ!」

「はぁ?」

363 = 1 :

「……」

「なんなんですか?」

「いや……その……」

「なんか居たんですか?」

「……見てもいいけど、覚悟してね」

「そんな大袈裟なw」




「……っ!!」

後ろを振り返った男は思わず息を飲んだ

そこには楽しそうに談笑している女と例の先輩だった

364 :

しえん

367 :

ほっしゅ

368 :

あああいいところで…!

371 :

>>369
こんな感じかなぁ?ww

※イメージ、拾い画

/nox/remoteimages/89/bf/dfc8917d32c19478b5edd92dac50.jpeg

372 = 1 :

>>371
元はクレしんのしのぶちゃんだったんだけどもうそいつでいいやw

373 :

「……なんか仲よさそうね」

「元々仲よかった先輩らしいっす」

怪しげな関係の2人を尾行する怪しげな2人

姉友もといボビ子は腹が減ったとかで1人でファミレスに入っていった

2人は昼食返上で尾行していた

「楽しそうね……」

「そーっすね」

会話の内容までは聞き取れないが盛り上がっているのはわかる

「……なんか、ごめんね」

「なにがですか?」

「男くん一生懸命彼氏やってくれてたのに…」

「……俺はむしろ喜ばしいことだと思ってます」

「え?」

「いつまでも偽物の俺にすがっているようでは彼女に幸せはない、この辺りで本物が手に入るなら彼女はそっちに行くべきだ」

「……男くん……!」

「俺は友人として彼女を応援するつもりです……」

とは言ったものの男の心は割り切れていなかった

374 = 1 :

男の中では彼女にとって自分が本物でない悲しさと、純粋に彼女を応援することができない自分への苛立ちが男の後ろ髪を引いていた

「……もしなんだったらお姉さんがもらったげるからね!」

「……それは遠慮しときます」

女と先輩が遠ざかっていく

もう彼女を追いかけるのは止めた

「……今日で…バイトクビかな」

「……それでも友達でいてあげて」

「もちろんっす」

「……ありがと」

「じゃ、俺ケーキ買って帰んないといけないんで」

「……」

「一応、今日の約束は果たさないと」

男はそう言い残してカップルで賑やかな街へ消えていった

「……あ、雪」

雪がまるで男の心の涙の様にさえ見えた

「……あの子もバカなんだから」

375 = 1 :

『じゃんけんぽーん、うふふふ』

「……負けた」

テレビの電源を切ってコタツに入ったまま横になる

コタツの上のカセットコンロで煮立っている鍋の音だけが部屋に響く

外は雪が降っている

「……」

無音

「……」

果てしない無音

(…やっぱ来ないのかな)

そりゃそうだ、クリスマスはカップルにとって超重要なイベントと言っていたのは彼女本人なのだから

「……」

377 = 1 :

男が微睡みかけた頃

ピンポーン

玄関のチャイムが鳴る

「……だれだ?」

女ならいつも勝手に入ってくるはず

アマゾンの買い物履歴を脳内で漁りながら玄関を開ける

「……今開けまーす」

ガチャ

「……め、メリークリスマス」

そこには頭にサンタ帽をかぶった女が立っていた

「雪積もってるぞ」

「寒かったー」

「早く入りなよ、鍋できてる」

「あ、飲み物買ってきたよ」

「お、わるいな」

378 = 1 :

男が微睡みかけた頃

ピンポーン

玄関のチャイムが鳴る

「……だれだ?」

女ならいつも勝手に入ってくるはず

アマゾンの買い物履歴を脳内で漁りながら玄関を開ける

「……今開けまーす」

ガチャ

「……め、メリークリスマス」

そこには頭にサンタ帽をかぶった女が立っていた

「雪積もってるぞ」

「寒かったー」

「早く入りなよ、鍋できてる」

「あ、飲み物買ってきたよ」

「お、わるいな」

380 = 1 :

「わぁー!美味しそうじゃん!」

「鍋は1人でもよくするからな」

「あぁー、こたつあったかぁー」

「さ、早く食おうぜ腹減った」

「そうだね」

お互いなにもない様に振舞っているが、互いが互いに違和感を感じていた

(……なにも、無かったのかな?)

(……いつ切り出そうか)

何気ない会話を交わしながら鍋をつつく2人

「あ、あのさ……」

「……なに?」

「……今日、先輩に会ってたんだ」

「……へ、へぇー(いきなりぶっこんできたな)」

381 = 1 :

「私……先輩に告白された……」

「……」

覚悟はしていたが、驚きを抑えきれなかった

「そ、そそそそうなのか……よ、よかったなぁ」

あからさまに動揺している自分が情けなかった

「クリスマスって本当に人を大胆にするよね、あの先輩がまさか本気で……」

「そ、そーだなぁ……」

「……」

「……」

「……で?」

「……えへへ」

「……?」

382 = 1 :

「……しかも突然だよ、そりゃビックリするよ」

「……だねぇ」

「……ま、突然で断っちゃったんだけどさ」

「……まぁそうなるわな」




「……はぁ?」

驚き、それ以外の感情のこもっていない純粋な反応だった

「だーかーら、思わず断っちゃったんだって」

「なっ…なんで!?バカじゃねぇのそんなチャンスなんで!?」

「ば、バカっていうな!」

383 = 1 :

「だってっ……!だっておまっ…それ…なんで!?」

「落ち着きたまえ」

「……お、おぅ」

「さすがに4年も前の思い出掘り返されたってねぇ」

「……」

「もしかして先輩と私がくっついたりすると思った?」

「…正直、おもった」

「時代も私も進んでるのよ、今更昔の男が出てきてあの時好きだったんだーってありえないでしょ」

「……」

「それに今はもうk……」

「……?」

「……と、とにかくこれでいいのだ!」

「本当に?」

「……女に二言はない!」

384 = 1 :

「ささ、気を取り直してレッツパーリィぃぃ!!」

「近所迷惑だからもう少し静かに」

「……ごめん」

「…ふっ、あっはっはっはw」

「な、なんなのよー!」

「いや、なんでも…wあ、ケーキ冷蔵庫に入ってる」

「マジで?食べよ食べよ!」

「あ!そっちは俺んの!」

「えー、私もこっちがいい」

「フッザケンナヨ」


今年のクリスマスは2人にとってとてもいい思い出になった……と思う

387 = 379 :

それでこそ女だよ

388 :

女姉が可愛い

392 :

毎日の楽しみとして習慣づいた

393 :

今日はこないんかな

394 :

いるよ

395 = 393 :

きたい

396 = 1 :

明日は休みだから昼間かくよ
とりあえず寝る

397 :

期待してる。おやすみ。

398 :

いつもありがとう

399 :

サザエさんぶち込んで来るとかほんと天才

400 :

クリスマス翌日

女は目を覚ました

「……ん…」

(……ここ…どこ?)

天井が毎朝見ているものとは違う

(ここって……男の部屋じゃん)

女が寝ているのは男の布団

(あの後寝ちゃったのかー)

かなり気温が低いようだ

今日は寒くなりそうだ

「……」

いや、寒い理由はそれだけではない様だ

「……なん…で…」

女は悲観し、絶叫した

「……なんで服着てないのぉぉぉ!?」

女は何も身につけていない状態で布団に入っていた

「え、ちょっ……なん……え…?」

状況が読み込めない

「ってかあいつもいないし……」

女の脳内に一つの答えが浮かび上がった

「……私……やっちゃった感じ……?」


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