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    元スレ八幡「俺ガイルNGシーン集?」

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    301 :

    今まさに総武高校は最高にフェスティバっている。

    オープニングセレモニー

    雪乃『──了解。ではキューだしまで各自待機』

    舞台袖では俺は時計とにらめっこしている。

    針が秒を刻むごとに、静けさを増していく。

    開演まで一分をきると、体育館は静かの海と化す。

    「──10秒前」

    指はボタンから離さない。

    「9」

    眼は時計に釘づけだ。

    「8」

    息を吸うのをやめた。

    「7」

    合間合間に息を吐く。

    「6」

    息を継ぐ僅かな瞬間。

    『5秒前』

    誰かがカウントを奪った。

    『4』

    やたらに落ち着いていて、冷たさすら感じる声。

    『3』

    そして、カウントダウンの声が消える。

    ただ、誰かの指が『2』を刻んでいるはずだ。

    そして、無音の中、心中で『1』を数え終えた。

    瞬間、ステージ中に目が眩むほどの光が爆ぜる。


    玉縄「君たち、カルチャーしてるかー!?」


    観客「うおおおおおおお!」

    突如として舞台に現われた玉縄にオーディエンスが怒涛を返す。

    ……玉縄?

    玉縄「千葉のスペシャリティ、ダンシングと────!?」

    観客「フェスティバルゥゥゥウウウ!!」

    台本にない玉縄が突然出てきても、きちんと乗ってあげるエキストラの皆様のノリの良さが半端ない。

    玉縄「同じ阿呆なら、ダンシングせにゃ────!?」

    観客「シンガッソ────!」

    八幡「ねぇなんかめちゃくちゃ盛り上がってんだけど、これいつ止めればいいの? すごい止め辛いんだけどこれリテイクだよね? おいちょっと聞いてんのかよ玉縄お前インカムのスイッチ入れろやおい!」

    302 = 1 :

    文化祭 一日目 ホシミュ

    戸塚「ぼくと一緒に遊ぼうよ。ぼくは、今すごく悲しいんだ……」

    キツネ「君と俺は遊べないよ。……俺は、飼い慣らされていないから」


    キツネ「最初は草の中で、こんなふうに、お互いちょっと離れて座る。俺は君を目の隅で見るようにして、君のほうも何も言わない。言葉は誤解のもとだからね」


    戸塚「砂漠が綺麗なのはどこかに井戸を一つ隠しているからだよ」


    葉山「王子さま……。ぼくは君の笑う声が、好きだ。……ぼくたちはずっと一緒だ……」



    戸塚「前の撮影が終わってから、女の人のスタッフからやたら葉山くんとのツーショットをお願いされるんだけど、なんでだろうね?」

    八幡「さ、さぁ……?」

    海老名「ぐ腐っ……計画通り……!!」

    八幡(まさか合法的に布教しようと……海老名さん、策士か……!!)

    303 = 1 :

    文化祭 一日目 続

    八幡「雪ノ下の家に行ったとき、何か話したのか?」

    俺が聞くと、由比ヶ浜は、んーとちょっとばかし考えてから口を開いた。

    結衣「なーんにも」

    八幡「は?」

    態度だけで説明を求めると、由比ヶ浜はあの日の続きを語りだす。

    結衣「ヒッキーが帰ってからはお腹空いたから一緒にご飯食べて、なんかDVD見て、で、あたしは帰った。……だから、ヒッキーが知りたいことは何も聞いてないよ」

    八幡「……いや別に知りたいこととかねぇよ」

    結衣「そう? あたしは知りたかったけどね」

    八幡「じゃあ、なんで」

    結衣「あたしね、ゆきのんのことは待つことにしたの。ゆきのんは、多分話そう、近づこうってしようとしてるから。……だから、待つの。でも、待っててもどうしようもない人は待たない」

    八幡「ん? まあ、どうしようもない奴待ってても仕方ないわな」

    すると、由比ヶ浜は少しだけ笑った。頬杖をついた姿勢からわずかに身体を捻って、じっと俺を見た。


    結衣「違うよ。待たないで、……こっちから行くの」


    八幡「そうか……」

    結衣「うん、そうだ。……こっちから、行くの」

    八幡「ん……うん? なんで今二回も言っ」

    結衣「こっちから行かなきゃね……? ね、ほら、ヒッキー、もうだいぶ経ってるんだしさ、そろそろ聞かせて欲しいなって」

    八幡「え、何いきなり、ちょっ近っ、いや何のことだか分からねぇんだけど、なんでそんな俺の胸倉掴んでおいちょっとやめろおい雪ノ下たちまでなんか興味深そうに見てないで助けろ!!」

    304 :

    戻ってきたんか

    305 = 1 :

    文化祭一日目夜の比企谷家

    小町「あ、またパソコンでなんか調べてる。今度は何調べてるの?」

    八幡「いやまぁなに。……お前さ、どっか遊びに行くっつったらどこいく?」

    小町「ディスティニィーランドが安パイだと思うよ。それか、ららぽ」

    八幡「千葉県民お決まりコースだな……。他にねぇのか」

    平塚「そうだなぁ、やはりラーメンだな、ラーメン。そうだ、今度また食べ歩きといこうじゃないか。なりたけにかいざん、むさし野に兎に角もいいだろう。考えただけで腹が減ってきたな……今度と言わず、今から行かないか?」

    八幡「ちょっと? なんでナチュラルにウチん家に侵入してきてるんですか?」

    いろは「そういえば先輩今度またデートしてくださいよー、わたしの下着選んでくれるって約束してくれたじゃないですかー」

    八幡「ちょっと、空想の約束をでっちあげないでくれない? 小町の俺の事を見る目がとんでもないことになってるんだけど」

    めぐり「比企谷くんは、今度私の両親にご挨拶に来るんだよね?」

    八幡「ギブ! 平塚先生ギブ! 誰も結婚なんて単語は口にしてないから! そもそも城廻先輩の親に会う予定もないですから!」

    川崎「別にどこかに出かけなくても……あたしの家、とかでもいいし」

    八幡「いや別にお前の家に用なんかないんだけど(メキョッ)そういえばこの前けーちゃんの勉強を見る約束でもしてたっけなーあははーすんません頭から手を離してください死んでしまいます」

    玉縄「酷いじゃないか、比企谷くん。次のオフは、ぼくと過ごしてくれると約束してくれていたじゃないか」

    いろは「えっ、先輩……やっぱりそっちの気が……」

    八幡「待ってくれそんな約束をした覚えは『キマシタワアアアアアアアアアアア!!』『海老名、擬態しな』ああもうマジで収集つかなくなってきやがった!!」

    306 = 1 :

    文化祭 二日目

    文化祭も二日目を迎えた。

    二日目である今日は一般公開日で、ご近所やら他校のお友達やら受験志望者やらの来客もたくさんやってくるのだ。土曜日なのでお休みの人も多く、結構な賑わいを見せていた。

    (中略)

    それなりの混雑を見せるなかで俺の仕事といえば、写真撮影である。

    ようやっと何枚目かの撮影を終えると、飛びかかってきたような衝撃を背中に受けた。

    小町「お兄ちゃん!」

    八幡「おお、小町」

    振り向くと小町が俺の背中に抱きついている。そうやって甘えてくるような様は兄としてまぁ、悪い気分ではない。うわっはぁー、俺の妹可愛いぃ~。

    小町「久々の再会はハグ……これ、小町的にポイント高いかもしんない」

    八幡「なにそれどこのヒースロー空港だよ」

    外国人の皆さんは空港でハグしすぎだと思いました。

    なんだかあざとかったので小町を引っぺがそうとする。

    だがしかし、小町は俺の背中に張り付いて離れる様子を見せなかった。

    八幡「おい小町、そろそろ離れ……ろ?」ガチャッ

    小町「うふ、うふふ……ようやく捕まえた……。お兄ちゃんはこうやって捕まえておかないと、すーぐどっか行っちゃうからね……」

    八幡「お、おい、いつの間に手錠なんて……」

    小町「お兄ちゃんはね、他の女の人に騙されてるだけなんだよ。それは昔から分かってたことでしょ? 全くお兄ちゃんは進歩しないなぁ。ま、だからこそ、小町が一緒にいてあげないとね♪」

    八幡「小町……お前、一体何を言って……!?」

    小町「これで、一生一緒にいられるね……あ、これ小町的にポイント超高いかも」

    八幡「やめろ、小町……。この手錠を外してくれ……!!」



    小町「──っていう、ヤンデレ妹ルートはどうかな?」

    八幡「却っ下」

    小町「えー、これ小町的にポイント高いルートだったのに……」

    307 = 1 :

    文化祭 二日目 続

    雪乃「あのクラス。申請書類とやっていることが違うわ」

    三年B組の壁には洞窟っぽい装飾が施され。インディ・ジョーンズっぽい書体で『トロッコ・ロッコ』と書かれた看板がある。

    雪乃「代表者の方はいらっしゃいますか。申請内容と異なっているようですが」

    言われた瞬間三年B組女子たちの顔色が変わる。

    「やっば!」「速攻でバレちゃった!」「と、とにかく乗せちゃえ! 勢いで誤魔化しちゃえ!」

    蜂の巣をつついたような騒ぎになり、先輩方は雪ノ下の両手をがしっと掴むと、そのままぐいぐいとトロッコに押し込もうとする。

    雪乃「ちょ、ちょっと!」

    雪ノ下が抵抗しつつ、俺に視線を送る。助けろということらしい。

    だが、今この場では逆効果だ。

    それまで空気と同化していた俺に三年B組の視線が集中する。

    「……あれも文実?」「腕章ついてるぞ!」「放り込め!」

    むくつけき男子の先輩方にあっけなく捕まった。ちょっと! なんで俺は女子の先輩方に捕まらないんですか! こんなの不公平じゃないですか!

    教室の中にずるずると引きずり込まれ、かご台車を改造したトロッコにぐいぐい押し込まれる。

    最後にダメ押しとばかりにドンと押された。衝撃で俺と雪ノ下はトロッコに倒れこむように入れられてしまった。

    思ったより先輩方の押す力が強く、勢い良くトロッコの中に転がり込んでしまう。

    そして、すでにトロッコの中にいる雪ノ下に向かって、俺の身体が──

    八幡「っと……あっぶねぇ……危うくぶつかるところだった……ちょっと、強く押し過ぎじゃないですか?」

    陽乃「ちぇっ、あと少しだったのに。比企谷くんそこまでいったらもうチューしちゃいなよチュー」

    八幡「あんたの仕業か! っと、悪い雪ノ下すぐに退くから……」

    雪乃「……べ、別にその……あ、当たっても……」

    308 = 1 :

    そしてそれぞれの舞台が幕を開ける。

    葉山「どうかした?」

    めぐり「あ、相模さんが連絡つかなくて……」

    めぐり先輩が葉山に事情を説明する。

    すると、葉山はすぐに動いた。

    葉山「副委員長、プログラムの変更申請をしたい。もう一曲追加でやらせてくれないか。……時間ないし、口頭承認でいいよね」

    雪乃「そんなことができるの?」

    葉山「ああ。……いろは。もう一曲、踊りながら歌える?」

    いろは「もっちろんですよー、任せてください」

    葉山「結衣、いきなりだけど、頼めるかな」

    結衣「うん、大丈夫だよ! 任せて!」

    葉山「姫菜、悪いね。でも、頼りにしてるよ」

    海老名「まさか私が前に出るとはねー。でもまぁ楽しそうだし、一回くらいはやってみてもいいかな?」

    葉山「城廻先輩、突然で申し訳ありませんが、頼めるでしょうか」

    めぐり「うんっ、頑張っちゃうね!」

    葉山「相模さん、準備は大丈夫?」

    相模「うん! うち、ずっと準備してたから大丈夫!」

    葉山「玉縄くん、君と肩を並べて演奏する日を待ち望んでいたよ」

    玉縄「ぼくもさ、葉山くん。共に、ベストを尽くそう!」

    葉山「そして……優美子。弾きながら、歌うことは出来る?」

    三浦「隼人……。もちろんだし。今のあーしなら、何曲でも出来る気がする!」

    葉山「じゃあみんな、準備はいい? 最高のステージにしよう!」

    『うん!!』

    八幡「え、いや、待って。そこにいる奴さえいればもう一曲やらなくていいんだけど、あ、その、えぇ……?」

    309 = 1 :

    そしてそれぞれの舞台が幕を開ける。続

    雪乃「この私に、貸しを一つ作れる。これをどう捉えるかは、姉さん次第よ」

    陽乃「ふぅん……雪乃ちゃん、成長したのね」

    雪乃「いいえ……私はもともとこういう人間よ。十七年間一緒にいて見てこなかったの?」

    八幡「……はっ」

    雪乃「……何か?」

    八幡「いいや……」

    雪ノ下にじろりと睨まれて、また笑ってしまう。

    ──ああ、まったくそうだ。雪ノ下雪乃って奴はこういう人間なんだ。

    陽乃「で、どうするつもりなの?」

    雪乃「場を繋ぐわ。私と、姉さん……あと、二人いればなんとか。できればあと一人」

    雪ノ下がちらっとステージ袖の楽器を見る。それだけで彼女が何をしようとしているのか、おおよその見当がついた。

    陽乃「はぁん、楽しいこと考えちゃうねぇ。で、曲は?」

    雪乃「ぶっつけ本番で行くのだから。私たちができるものをやるしかないでしょう。昔、姉さんが文化祭でやった曲。今もできる?」

    陽乃「誰にものを言っているのかな? 雪乃ちゃんこそ、できるの?」

    雪乃「私は、姉さんが今までやってきたことなら大抵のことはできるのよ」

    ……こいつ、陰で練習してきたんだろうな、きっと。

    陽乃「そう。じゃああと一人いれば大丈夫なわけだ」

    平塚「……仕方ない。私がベースを──」

    陽乃「わたしが素早く動いて分身するから、これで足りるでしょ」シュバババッ!!!

    平塚「!?」

    雪乃「あら、なら私も分身してさらに増やそうかしら」シュバババッ!!!

    八幡「!!?」

    陽乃「へぇ、いつの間に雪乃ちゃんも分身を身につけてたんだね。お姉ちゃん、ちょっとびっくりしちゃった」シュバババッ!!!

    雪乃「言ったはずよ、姉さんが今までやってきたことなら大抵のことは出来るって。なんならもっと増やしてオーケストラでもやってみる?」シュバババッ!!!

    陽乃「それ面白そうだね、でも雪乃ちゃんについてこれるかな?」シュバババッ!!!

    八幡「待ってやめてこれ以上は体育館が雪ノ下姉妹で埋まるぅぅぅううううう!!!!」

    310 = 1 :

    相模捜索

    悲しいかな最新の着信履歴にそのままコールする。

    材木座『我だ』

    八幡「材木座、お前普段学校に一人でいるときどこにいる?」

    材木座『なんだ藪からスティックに。ばほん、我は常にサスペンドモードを』

    八幡「早く答えろ急いでる」

    材木座『……本気、なのだな?』

    八幡「ちっ。もう切るぞ」

    材木座『まてまてまて待ってお願い! 保健室かベランダだ! 図書室の場合も多い! あとは特別棟の上だな。……誰か捜しているのか?』

    八幡「ああ、実行委員長を捜している」

    材木座『ほう、あの挨拶をしていた女性か。どうやら我の力が必要なようだな……』

    八幡「手伝ってくれんのか?」

    材木座『是非もない。どこを捜せばいい?』

    八幡「新刊のあたりを頼む、サンキュー! 愛してるぜ材木座!」

    材木座『おう、我もだ!』

    八幡「うるせぇきめぇ!」


    海老名「我が生涯に一片の悔い無し……ぐ腐っ」バタッ

    結衣「姫菜ぁぁぁあああ!! しっかりしてぇぇぇえええ!!」

    三浦「ちょ、息してな……海老名、海老名ぁぁぁ!!」

    葉山「比企谷、お前ってやつは……!!」ガシッ!!

    八幡「俺は悪くないだろうがぁぁぁあああ!!!」

    311 = 1 :

    相模捜索 続

    八幡「川崎……」

    川崎「あんた、何はぁはぁ言ってんの……。文実だったんじゃないの?」

    川崎のちゃちゃや質問には取り合わない。

    八幡「お前、前、屋上にいたことあったろ」

    川崎「は? いきなり何言ってんの?」

    八幡「いいから」

    あまり時間がないせいで、焦りが強く出た。つい突き放したような言い方になってしまう。

    川崎「そ、そんな、お、怒んなくても……」

    川崎が涙目になっておろおろし始める。

    八幡「別に怒ってない。その文実のことでちょっと急いでるだけだ」

    川崎「な、ならいいけど……」

    ほっと胸を撫で下ろす川崎。案外打たれ弱いのだろうか、こいつ。ああ、いかん、それより今は屋上のことだ。

    八幡「で、前、屋上いたことあったよな? あれ、どうやって入ったんだ?」

    川崎「あんた、よく覚えてるね……」

    ノーパンのことについては記憶の中から無理矢理追い出した。

    川崎「中央階段からの屋上の入り口、鍵壊れてるんだよ。女子の間では割と有名。それがなんなわけ?」

    ……そうなのか。なら、相模が知っていてもおかしくない。川崎の問いかけに答えるよりも早く、俺の足は動いていた。

    ただ急いでいても礼くらいは言っておかないと。

    八幡「サンキュー! 愛してるぜ川崎!」

    言い捨てて全力で走る。

    廊下を曲がったところで、後ろからなんだかものすごい絶叫が聞こえた。


       ×  ×  ×


    川崎「跳べよぉぉぉおおお!!!」ギューン

    312 = 1 :

    相模捜索 続

    八幡「川崎……」

    川崎「あんた、何はぁはぁ言ってんの……。そ、そういう目で見られるのもやぶさかではないけど……」

    川崎のちゃちゃには取り合わない。台本にあった台詞とは違うような気がしたが取り合わない。

    八幡「お前、前、屋上にいたことあったろ」

    川崎「……あたしのスカートの中身を覗いた件がどうかしたの」

    八幡「ふざけてる場合じゃないんだ」

    あまり時間がないせいで、焦りが強く出た。つい突き放したような言い方になってしまう。

    川崎「あっ……そういう風に怒られるのも……いいかも……」

    川崎が両手で我が身を抱きながら、身を捩らせる。あれ、こんなシーンだったかな……。まぁいいや。

    八幡「別に怒ってない。文実のことでちょっと急いでるだけだ」

    川崎「……あ、文実ね……。うん、文実がどうかしたの」

    八幡「前、屋上いたことあったよな? あれ、どうやって入ったんだ?」

    ……あれ、この台詞前にも言ったことあったような。いや、このドラマはノンフィクションなので実際に高校二年の時にも言ったことはある。しかしその過去のことではなくて、ほんの少し1レス前にも同じようなことを言ったような……。デジャブというやつだろうか。

    川崎「あんた、やっぱり覚えてくれてるんだね……」

    川崎は懐かしむように、柔らかな声で呟く。その視線が照れくさそうに俺を捉える。

    ……急いでるって言っただろ。そんな気持ちが顔に出てしまったらしく、川崎は慌てて話を元に戻した。

    川崎「あ、あの、中央階段からの屋上の入り口、鍵壊れてるんだよ。女子の間では割と有名。それがなんなわけ?」

    ……そうなのか。なら、相模が知っていてもおかしくない。川崎の問いかけに答えるよりも早く、俺の足は動いていた。

    ただ急いでいても礼くらいは言っておかないと。

    八幡「サンキュー! 愛してるぜ川崎!」

    言い捨てて全力で走る。

    廊下を曲がったところで、後ろからなんだかものすごい絶叫が聞こえた。


       ×  ×  ×


    川崎「繰り返す。あたしは何度でも繰り返す。ただその言葉を聞くためだけに、あたしはまた過去に跳ぶ……!!」ギューン

    314 = 1 :

    相模捜索 続々

    八幡「エンディングセレモニーが始まるから戻れ」

    相模「別にうちがやらなくてもいいんじゃないの」

    八幡「残念ながら事情があってな、そうもいかない。あまり時間がないんだ。早くしてくれると助かる」

    相模「時間……って、もうエンディングセレモニー始まってるんじゃないの」

    八幡「ああ、本来ならな。でも、どうにかして時間を稼いでいる。だから」

    相模「ふーん、それって誰がやってるの」

    八幡「あー、そうだな。三浦とか雪ノ下たちとかだ」

    相模「そうなんだ……」

    八幡「わかったら戻ってくれ」

    相模「……うん、わかった」

    予想通り、七面倒くさいことを言い出……さない……? あれ、今こいつ素直にうんって言わなかったか?

    相模「でも、その前にひとつやることが」

    相模はそう言うと、制服の懐から何かを取り出し、そして俺に向かって駆け出してきた。その手元にはきらりときらめく銀色の何かが握られており──

    相模「死ッッッ……ねェェェエエエ!!!」

    八幡「っぶねぇぇぇえええ!!? さ、相模、お前一体何をっ」

    相模「思えば高二のこの時から全てが狂い始めた……比企谷、お前を殺してあの時の屈辱を晴らす!!」

    八幡「いや待て全部自業自得だろ!? だから大人しくそれを捨てて」

    相模「キェアアアアアアアアアッ!!」

    八幡「うおおおおおおおおおっ!?」

    陽乃「あーもう、今日はなんだか面倒事が多いねぇ……」

    この後めちゃくちゃ陽乃さんに助けられた。

    315 = 1 :

    ようやく彼と彼女は正しい答えを見つけ出す。

    雪乃「あら、ようこそ。校内一の嫌われ者さん」

    八幡「喧嘩売ってんのか……」

    雪乃「打ち上げはどうしたの? 行かないの?」

    八幡「聞かなくてもわかることをいちいち聞くな」

    回答に代えてそう答えると、雪ノ下は楽しげに微笑む。その可愛らしい微笑でまたとんでもないことを言い出すのだろう。

    雪乃「どう? 本格的に嫌われた感想は」

    八幡「ふっ、存在を認められるってのは、いいもんだな」

    雪乃「驚くべきか呆れるべきか……。あなた、やっぱり変ね。……その弱さを肯定してしまう部分、嫌いではないけれど」

    八幡「ああ、俺も嫌いじゃないんだ。むしろ大好きだね、こんな自分が。で、お前、ここで何やってんの」

    雪乃「進路希望表を書かないといけないのよ。あなたは何をしにきたの?」

    八幡「報告書まとめるんだよ。静かで集中できるとこでやりたくてな」

    雪乃「そう……。似たようなことを考えるものね」

    八幡「選択の幅が少ないからな。ぼっちの収斂進化の結果だ。俺とお前が似てるわけじゃねぇよ」

    ──そう。

    ──俺と彼女はちっとも似ていない。

    ──だからだろうか、こうして交わす言葉がいつも新鮮で心地いいと、そう感じていた。

    ──祭りの余熱が身体の中で燻っているのを感じた。問い直して、新たに導き出した答えはちゃんと結論になっている。


    ──なら、

    ──なら俺と彼女は。


    八幡「……なぁ、雪ノ下。俺と」

    雪乃「なんですかそれ口説いてるんですかごめんなさいそれは無理」

    八幡「っだぁ! またそれかよ!」

    いろは「だから雪ノ下先輩! 人の台詞取らないでください!」

    結衣「あはは、まぁまぁいろはちゃん」

    雪乃「ごめんなさい。……でも、やらねばならないと思って」

    いろは「いいんですよ別にやらなくても!!」


    ……けれど。

    けれど、こういうふざけたやり取りを、俺はとても心地よく感じていた。

    316 = 1 :

    ぼーなすとらっく! 彼女たちの、うぃー・うぃる・ろっく・ゆー♡

    八幡「……っと、こんなもんか」

    結衣「あ、ヒッキー、文化祭の報告書書き終わったの?」

    八幡「ま、だいたいな。後は家でやる」

    結衣「ゆきのんは? 進路希望表、終わった?」

    雪乃「ええ。後は提出するだけ」

    結衣「よし、じゃあ後夜祭に行こう!」

    八幡「行かねーから」

    雪乃「行かないわよ」

    結衣「……ぐすん」ウルウル

    八幡「じょ、冗談だ、なぁ雪ノ下?」オロオロ

    雪乃「え、ええ、そうね。行っても、いいかもしれないわね」オロオロ

    結衣「ほ、ほんと?」パァッ

    いろは(どうでもいいんですけど、昔よりあの二人結衣先輩に対してかなり甘くなってきたような……)

    317 = 1 :

    比企谷家

    八幡「たでーまー」

    小町「およ? お兄ちゃん、おかえりー」

    八幡「小町、飯はー?」

    小町「え? あ、あー……。てっきり打ち上げとかあると思って用意してなかったんだけど……」

    八幡「なんだ、小町らしくもない。俺は合唱コンクールだろうが卒業式だろうが、問答無用で直帰してただろ。今回も同じだ」

    小町「えーどうせ雪乃さんと結衣さんといろはさんと沙希さんとめぐりさんに呼ばれたくせに」

    八幡「それは前回の文化祭編撮影後の打ち上げだろ……ていうか今撮影中なんだけど、小町ちゃん?」

    小町「ところでその前回は結局誰と打ち上げに行ったの? 家には帰ってなかったじゃん」

    八幡「え? あ、あー……」

    雪乃「私ではないわ」

    結衣「あたしでもないよ」

    いろは「わたしも断られたんですけどー」

    川崎「……もう一度……でも、今度はどうやって過去に……」ブツブツ

    めぐり「私でもないよ?」

    小町「じゃあ誰と──」

    相模「……」ポッ

    小町(えっ、え──っ!? な、なんであんな殺されそうにまでなってたのに、どうやってあれから南さんと仲良くなったの──!? こ、これは本当にお兄ちゃんヒモの才能あるよ!! ていうか本当に何があったの──!?)

    318 = 1 :

    後夜祭

    戸塚「どっかお店入ったほうがいいんじゃないかな?」

    小町「そうですね。じゃあ、何食べましょうか?」

    材木座「ふむ。何肉にする? 八幡」

    八幡「肉決定かよ……」

    小町「あ、小町もお肉、さんせー!」

    結衣「あたしもお肉な感じかなぁ。おにくー!」

    雪乃「私は……気分的には魚介系かしら。……伊勢海老」

    戸塚「ぼくは野菜メインだと嬉しいな」

    平塚「私も野菜だな。……アンチエイジング」

    いろは「わたしもそうですねー、野菜系がいいかもです」

    めぐり「私はなんでもいいかなぁ。おいしいものは、なんでも好きだよ?」

    川崎「あたしは……けーちゃんも入れるところなら、どこでも」

    大志「俺も、姉ちゃんと同じで」

    秦野「千葉なら、やはりラーメンが」

    相模「僕も、やはりラーメンが」

    葉山「俺もどこでも……優美子は、どこがいい?」

    三浦「あ、あーしは……隼人がいるなら……別に……」

    玉縄「僕もなんでも……ああ、でも店主のこだわりが伝わる店がいいかもね」

    折本「こだわり! それある!」

    陽乃「あっはっは、まとまるかなぁ?」

    八幡「フリ──ダムッ!! ええい、全部混ぜて鍋にするぞオラァ!!」

    戸部「ウェ──イッ!!」

    八幡「……もちろん撮影が終わってからな」

    319 = 1 :

    『お好み焼き、もんじゃ焼きよしえ』

    平塚「では、文化祭の成功を祝して、」

    『かんっぱーい!』

    (中略)※もんじゃ焼き作成

    陽乃「そろそろよさそうだね」

    平塚「お、そうだな。では、いただくとしよう」

    結衣「なにこれ!? うまっ! なにこれっ! 見た目のわりに超うまい!」

    八幡「おい、見た目とか言うな。まじまじ見ると食べる気なくしちゃうだろうが」

    陽乃「あら、比企谷くん。食があまり進んでいなそうだね。しょうがない。お姉さんが手伝ってあげよう。はい、あーん」

    八幡「いや、あの、自分のペースで食べたいので結構です」

    結衣「あ、あの……ヒッキー! あ、あーん……」

    雪乃「そ、その……あ、……あーん……」

    小町「ほうほう、これは面白そうな……お兄ちゃん、はいあーん♡」

    八幡「え? お、おい、お前ら何をして……」

    戸塚「は、八幡……あ、あーん……?」

    八幡「戸塚! 神が告げている、これは戸塚ルートへ向かえと!」

    材木座「ぬふぅ手が滑り申した」ガッ

    戸塚「あっ、ごめん八幡! もんじゃ焼き落としちゃった!」

    八幡「あっづぅ!! て、てめぇ材木座、何をしやがる!!」

    材木座「ええい八幡! 貴様だけにいい思いなどさせるか──!!」

    八幡「上等だテメェ表出ろ!!」

    戸塚「ふ、二人とも……仲良く、ね?」

    320 = 1 :

    <テイクツー、アクショーン!!

    平塚「では、文化祭の成功を祝して、」

    『かんっぱーい!』

    玉縄「それでは、ぼくがもんじゃ焼き作成を任されよう」グルグルグル

    八幡「ぶはっ!!」

    <ハチマン,アウトー

    八幡「ええい綿あめの時といい、ぐるぐる回す系の仕事をこいつに回すな!!」

    玉縄「安心してくれ、任されたからにはおいしいもんじゃ焼きができることを約束しよう」グルグルグル

    八幡「誰も任せた覚えはねぇ──!!!」

    321 = 1 :

    総武線ゲーム

    陽乃「じゃあ、お題は『趣味』にしとこうか」

    小町「とりあえず、やってみましょー!」

    陽乃さんが模範解答からお題をピックアップし、小町がスタートの合図をかける。

    そして、もちろん音頭を取るのは平塚先生である。

    平塚「総武線ゲーム♪」

    『イエーイ!』

    平塚「古今東西、今自分の中で熱い趣味~」パンパン

    小町「カラオケ!」パンパン

    手拍子が打たれ、由比ヶ浜が続く。

    結衣「先言われちゃった! えと、料理!」パンパン

    雪乃「乗馬」パンパン

    戸塚「テニス!」パンパン

    材木座「うむ、原稿執筆」パンパン

    平塚「婚活!!!」パンパン

    『…………』

    平塚「……最近な、ほとんど毎週のように婚活パーティに行ってるんだがな?」

    八幡「毎週!?」

    平塚「それでもな、成果が出なくてな? あんまり行ってるもんだから、もうスタッフの人ほとんどと顔見知りになってきちゃってな? 前回なんか、行ったらスタッフに『あ、平塚さんまた来たんですか? いい加減誰かとくっついてくださいよ~』って言われた……」

    八幡「…………」

    八幡(お、重いッ……!! 早く!! 早く誰かもらったげて!! じゃないと俺が貰いそうになっちゃうから!!)

    322 = 1 :

    趣味捜し

    戸塚「八幡ってお家では何してるの?」

    八幡「え、いや……、別にこれと言ったことは……」

    陽乃「小町ちゃん? お姉さんたちに教えて?」

    結衣「あ、あたしも知りたい! くないこともない、かな、うん」

    平塚「ほう、興味深いな」

    小町「えーっとですね……」

    八幡「よせ、やめろ小町」

    言ったところで聞いてくれるはずがなかった。

    小町「兄は帰ってくると、大量に溜まってるメールに返信してますね……まぁほとんど留美ちゃんか沙希さんで、残りは皆さんのですけど」

    結衣「……」サッ

    雪乃「……」サッ

    戸塚「?」

    小町「そして今度はけーちゃんとか留美ちゃんに教える勉強の教材作りとか、次に出かける人とのデートコース考えてたりとか、あとは必要に応じてこまめに連絡取ってたりとか」

    八幡「あ、あの、小町ちゃん?」

    材木座「フンッ!」バキッ

    八幡「がはっ」

    小町「ううっ……お兄ちゃんが人と関わるようになったのは嬉しいですけど、このままじゃ本当に将来ヒモに向かってまっしぐら……どうすれば……」

    陽乃「うーん、誰かひとりとさっさとくっつけばいいんだろうけど……」

    雪乃「比企谷くん、その、次は私と」

    結衣「ヒッキー、あ、あたししばらくどこにも行ってないよ? だから……」

    八幡「と、戸塚! 次の休み空いてるんだが暇か?」

    戸塚「ぼくは暇だけど……ええと、他の人がよくないんじゃないかな……」

    陽乃「あっはっは、この様子じゃまだまだ掛かりそうだねぇ」

    小町「うう、小町はお兄ちゃんがいつか本当に誰かに刺されそうで心配です……」

    323 = 1 :

    趣味捜し 続

    戸塚「まぁ、学校も部活もあるから仕方ないよね。じゃあ、休日は?」

    小町「えっと休日は、スーパーヒーロータイムのあと、プリキュア観て、……で、プリキュア観て泣いてますね……」

    結衣「わぁ、その年で……」

    由比ヶ浜をはじめ、みんなドン引きしていた。

    意義あり。ていうかみんな見てないとかどういうことなの? 今時、幼稚園児でも観てるよ? 遅れてるんじゃないの? スマイルになったり、ドキドキしたり、ハピネスになったり、Goしたりしないの?

    小町「あとは、図書館行ったり本屋さん行ったりしますけど、基本的にはいつも変わらないですよ?」

    雪乃「比企谷くんが楽しいのなら、それで構わないけれど……」

    八幡「るせー。お前に言われたくねぇんだよ。だいたい、お前だってそう変わらないだろ、友達いないし、読書好きだし」

    反論すると、雪ノ下はふっとバカにするように笑うと肩にかかった髪を払う。

    雪乃「一緒にされては困るわね。私は……」

    陽乃「ふふふ、最近の雪乃ちゃんの生活はね~」

    雪乃「……最近!? 姉さん、やめて。絶対にやめて。ちょっと待ちなさい。なぜ知ってるの、姉さんやめて。やめてください」

    陽乃「ひきが『由比ヶ浜さん! 止めないで!』やくんの『止めるよ! そのヘラで陽乃さんを刺そうとしてたらさすがに止めるよ!』写真を『離して由比ヶ浜さん! こうなったら由比ヶ浜さんごと……』見ながら『えっ、ちょっ、あたしまで!? 待ってゆきのん!?』部屋でお『ドンガラガッシャーン!!』ちょっと雪乃ちゃん、危ないじゃない」

    雪乃「あなたを殺して私も死ぬわ!!」

    八幡(……こえーこえー……)

    324 = 1 :

    いぬねこファイト

    雪乃「比企谷くん、猫よね?」

    結衣「ヒッキー、犬だよね!?」

    八幡「いや、その、こっちに話を振られても……、あと雪ノ下、お前は猫と勝負ごとのときだけ本気出しすぎだからな」

    結衣「犬っ!」

    雪乃「……猫」

    小町「修羅場キタ────ッ!」

    陽乃「雪乃ちゃん、負けるなー!」

    小町「というわけで、やってまいりました。『俺のクラスメイトと知り合いが修羅場すぎる。』実況は比企谷小町でお送りいたします。猫派犬派が入り乱れてのドッグファイト、い、いやキャットファイトかな? まぁ、なんでもいいや、いぬねこファイト、レディー・ゴー!」

    そして、どこからどもなくカーンと鳴り響くゴング。

    留美「……八幡は私が猫耳をつけたときに強く反応してたから、多分猫派」

    八幡「ちょっと待てあれはお前が勝手に『ヒッキーの変態!!』理不尽だぐあべらっ!!」ドシャッ

    めぐり「えー、でも私が犬の首輪つけてた時も、なんか反応がいつもと違った気がするんだけどなぁ」

    八幡「あんなもんいきなりつけられてたら誰だって『比企谷くん、あなたっていう人は……!!』だからなぜ俺がどぐがはっ!!」ドシャッ

    川崎「……あんた、けーちゃんに猫耳を強要したらしいって聞いたんだけど」

    八幡「それは留美が置いていったやつをけーちゃんが『ヒッキーのロリコン!!』首が720度回ったぁぁぁああああああっ!!」

    いろは「あーでも先輩って、女の子を犬みたいに従わせるの好きそうですよねー」

    八幡「それもうただの言いがかりだろ!!『この一撃に、全てを賭けるわ……!』ひぃ! た、助けてくれ戸塚ぁ!」ダキッ

    玉縄「おや、どうしたんだい比企谷くん。いきなりぼくに抱きついてくるなんて」

    八幡「死っっっねぇぇぇぇぇぇええええええ!!!」バキィッ!!!

    玉縄「理不尽すぎどばぁっ!!」ドシャアッ

    葉山(……比企谷、君はすごいな。周りの人を、こうも変えていくなんて……)

    325 :

    >>318
    シュタゲゼロでもやったのかな
    誤字 相模が僕と言っている

    326 = 1 :

    趣味捜し 続々

    結衣「この調子だといつまでたってもヒッキーの趣味見つからなそう……」

    雪乃「さすが比企谷くんね。物事を否定から入らせたら勝てる人間がいなさそうだわ」

    八幡「え、お、俺が悪いの……? 趣味が見つけられないのって俺の性格が原因?」

    平塚「比企谷。そう深刻に考えるようなものでもないさ。趣味なんて無理に見つけるものじゃない。誰かと話をあわせるためだったり、流行に乗るために始めるなんて、君の一番嫌うところだろう」

    八幡「まぁ、そうなんですけど……」

    平塚「やりたいことを探すのなら君の周りを見渡してみればいい。今の君の周りには刺激的なものがたくさんあるはずだよ」

    八幡「……先生」

    玉縄「趣味というのであれば、自分磨きなんかいいんじゃないかな。資格勉強とか、将来役に立ちそうなものを今のうちからやっておくのも助かる時が来るかもしれないよ」

    折本「自分磨き! それある!」

    葉山「サッカーはどうかな? 君にやる気があるなら……」

    戸部「ヒキタニくんがサッカーとかそれマジウケっしょー!」

    海老名「だったらヒキタニくんもこちらの世界に来たらどうかな? なんなら今すぐにそこで実演してもらっても構わなぐ腐っ!」ブシャッ

    三浦「あー、ほら海老名、擬態しな」

    大志「ほら姉ちゃん、今がチャンスだよ!」

    京華「ちゃんす!」

    川崎「お、押さないでよ……あ、あんたがよかったら、その、裁縫とかなら、教えられるけど……」

    留美「八幡、意外と教えるの上手いし、教師目指して勉強とかでもいいんじゃないの」

    めぐり「お昼寝なんかもいいよ? ついうとうとしちゃって、気持ちよく眠っちゃうんだよね」

    材木座「なに、貴様には我が原稿を読むという重大な任務があるであろう!!」

    戸塚「あはは、また今度テニスしようね」

    陽乃「比企谷くんは見てて飽きないから、色々なことをやってみてもらいたいなー」

    いろは「やることないんなら、またわたしの買い物に付き合ってくださいよー」

    結衣「あ、そうだヒッキー、サブレのお散歩、今度一緒に行こうよ!」

    雪乃「……私は、ただあなたの傍で本を読めるだけでも……」

    八幡「……刺激的……ですか……」

    平塚「ああ、そうだろう? ……昔からは信じられないほどに、な」

    小町「……よかったね、お兄ちゃん」

    八幡「……ああ」

    八幡(それはいいんだけど、一応真面目な撮影中なのにお前ら自由過ぎない?)

    327 = 1 :

    >>325
    シュタゲ0はやった
    そこの相模は遊戯部

    328 = 1 :

    ライブハウス

    陽乃「うん、楽器のセッティングも問題なし。ほら、あなたたちのステージだよ」

    平塚「ここまでやられたら、やるしかないな……。私、ガンバッ!」

    雪乃「なぜ私まで……」

    戸塚「わあ、なんかドキドキしてきたね。ライブの始まる前の雰囲気ってすごい独特だなぁ……」

    小町「ですね! 静かなのに、だんだん気分が盛り上がって行くのが不思議です」

    材木座「ふむ! ライブは最高だな。我もライブ大好き愛してる! ラブライブ! 誰ぞある! 誰ぞ我がサイブコマンダーとサイリウム一色を持てぃ!」

    結衣「……ヒッキー」

    八幡「由比ヶ浜か。どうした、お前は準備しなくていいのか?」

    結衣「あ、うん。あたし、楽器弾かないし。……あ、あのさ、ヒッキー……な、なんか懐かしいね、ここ」

    八幡「お前、だから撮影中だって……。……まぁ、そうだな。結構久々に来たし」

    結衣「……あれからさ、色々あったよね。」

    八幡「……だな、色々あった」

    結衣「……あたしはさ、ヒッキーのこと、あれからも……今も、ずっと、ちゃんと見てた。ヒッキーは、どう?」

    八幡「まぁ、ここまできて見てない振りも出来なかったしな。……ちゃんと見てたよ、お前らのことを」

    結衣「……ん」

    雪乃「何を話しているの、あなたたち。リテイクなのだけれど」

    結衣「あ、ゆきのん。……あたしたちのことをね、話してたの」

    雪乃「そう、できれば後にして欲しかったけれど。それで、何か言ったの?」

    八幡「あれからも、今も、ずっとちゃんとお前らのことを見てたって話をな」

    雪乃「あら、そうだったの。てっきり目移りばかりしているものとばかり思っていたわ」

    八幡「んんっ、まぁそんなこともなきにしもあらず……だったかもしれないが、……まぁ、そういうことだよ」

    雪乃「どういうことなのかしら……。とりあえず今はいいわ。けれど、そのうち何か言って欲しいものね」

    結衣「そうだよ、ヒッキー!」

    八幡「……善処する」

    雪乃「それはだいたい後で何もしない人の台詞なのだけれどもね。……まぁいいわ。撮影に戻りましょう」

    八幡「ん、悪い……。ありがとな」

    あの時はうまく答える答えを持ち合わせておらず──そして、今も持ち合わせてなどいないかもしれないが。

    それでも。

    結衣「ほら、ヒッキー早く!」

    雪乃「誰のせいでリテイクになったと思っているのかしら……」

    八幡「……今行く」

    それでも、俺は。

    329 = 1 :

    祭りの後の祭りが終わり、すべては後の祭り。

    花火だろうがロケットだろうが、打ち上げてしまったもののほとんどは戻らない。

    けれど、花火が人々の思い出になるように、あるいはロケットが星になるように、何かを残すことはあるのだろう。

    しかし、このドラマは、観てくれた人に何を残すのだろう。

    八幡「……さみっ」

    時期は九月。まだまだ夏の暑さが残っているかと思いきや、夜遅くになると思った以上に吹く風が冷たくなっていた。

    もうじき完全に秋に移り、そしてそれから間もなく冬を迎えることになるだろう。

    ……冬、か。

    八幡「…………」

    ふと、上を見上げると、そこには雲一つない満天の星空──なんて都合のいいことは当然なく、普通に雲もある普通の夜空が広がっているだけだった。しかし、雲の合間からはきらりと小さく瞬いている星が顔を覗かせていた。

    そんな普通の夜空を眺めながら、俺は何を残せたのだろうと想いを馳せた。

    彼女たちに。

    ……それは、多分今後の俺次第なんだろうな、と思う。

    結衣「あ、ヒッキー、おーい」

    雪乃「待たせてしまって申し訳ないわね」

    八幡「いや、別に」

    けれども。

    彼女たちに自分の存在が、何かしらの形で残ればいいなと。

    そんなことを思った。

    330 = 325 :

    あっ、秦野もいたのか…っておい

    331 = 1 :

    とりあえず言い訳から。卒研忙しくて月のほとんどを研究室で寝泊りとかしてたらSS書く暇がありませんでした。てへぺろ。

    それも含む諸々の事情から、当SSはこれで完結とさせていただきます。
    11巻までやるとか言っておいて結局出来なかったことについては本当に申し訳なく思っていますが、ご理解いただけると助かります。

    感謝のやっはろー、RPGはちゃんと完結させる予定ですが、まだまだ時間は掛かりそうです。もうしばらくお待ちください。

    それではここまで読んでくださった方々、ありがとうございます。また別作品でお会いしましょう。


    P.S.
    円盤5巻特典の俺ガイルhの内容がタイムリーでとても面白かったです。

    332 = 304 :

    とりあえず乙

    333 :

    乙乙
    荒らしに耐えてよく頑張った!感動した!
    気が向いたらでいいから7巻以降もやって欲しい

    334 :

    てへぺろとか気持ち悪いな

    335 :

    乙です!
    頑張って!!

    336 :

    散々人のスレ荒らし回っておいてしれーっと自分のスレ更新してくスタイル嫌いじゃない

    338 = 335 :

    >>336
    お前マジ消えろ

    339 :


    キチガイがうっとおしいけど、おれはアンタを応援してる
    自分のペースでいいから頑張って

    340 :

    俺もRPGが他スレ荒らして炎上しまくるの傍観するの大好き
    すっげーすかっとする。応援してるからこれからも頑張って荒らしまくって欲しい

    341 :

    おつ
    楽しみが終わってしまった…
    またいつでも続き書いてくれ

    342 :

    マジかぁ…個人的にはこのスレが一番楽しみだったんだが、まあ乙です

    343 :

    SS以外の方向性すき。もっと頑張ってほしい

    344 :

    >>343
    もっと荒らせってことか?しねよ


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