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    元スレ川内「好きの形」

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    101 = 1 :

    「…………少しは恥じらいを持った方がいいと思うのだが」

    心を静めて諭すように話しかける。
    世間ではおっさんと呼ばれるような歳に片足を突っ込んだ身とは雖も、無邪気な少女の上目遣いにはどぎまぎしてしまうのだ。

    「そうですよ。殿方に抱きつくなんて、易々としてはいけません」

    引き剥がそうと割り込む神通。
    ……このような光景も今朝に見た気がする。

    「ん~、そう?……わかった」

    やけに必死な神通の説得もあってか、顔を歪ませながらも川内は頷いた。

    「その……離れてもらえないと身動きがとれないのだが」

    頷いたにも関わらず、私を解放しないとはどういうことだろうか。

    「…………まぁ、私は街へ行きたいんじゃないんだけどね」

    ようやく回していた腕を解いた川内は、はにかみながら一歩後ろへ下がった。

    「……どういうことだ?」

    言葉の意味もわからなければ、顔を赤らめる要素もわからない。

    そう考えていたのが顔に出ていたのか、頬を掻きながら視線を明後日の方向へ向けた。

    「あー……『一緒に』行きたいんだよねー……」

    「……姉さん?」

    102 = 1 :

    「…………ふむ、いいぞ。むしろ、今までそのような機会を用意出来なくてすまなかった」

    私の返事を聞いて、川内は花が咲いたように笑い、神通は萎むように顔の力が抜けていった。

    ……何か勘違いしているのだろうか。

    「!ありがとう提督!……っと」

    川内が再び飛びかかって来そうになったが、神通が彼女の肩を押さえて事なきを得た。

    「………………………………なんで……っ」

    遠くを見るような神通の瞳。そこには誰も映っていないかに思えるほど、神通は気が抜けたように突っ立っていた。

    「!痛っ、痛いってば!」

    川内の苦しむ声で我にかえったらしい。
    一瞬で焦点を姉に戻した神通は、慌てて手を離した。

    103 = 1 :

    「川内、いきなりどうしたんだ?」

    「いつつ……神通の押さえる力が強くてさ」

    「えっ……」

    見てよ、と言いながら右肩をはだけさせる川内。
    思わず私は躊躇したが、一旦間をおいてからその場所を見た。

    確かに、川内が指差す場所は赤くなっている。

    「ねぇ、大丈夫かな?」

    「…………少し赤くなっているだけだな」

    「ご、ごめんなさい!」

    間髪を入れずに神通が頭を下げる。
    勢いのあまり彼女の髪がバサリと音をたてた。

    「もう……結構ビックリしたんだよ?」

    服を整えながら川内は言った。

    「……あんなこと、もう止めてよね」

    「…………っ!」

    何があったのかよくわからなかったが、なんとか一件落着となったようだ。

    謎の安堵が場を包み込む中、私は時計に目をやった。

    「そろそろ向かわなければ昼が遅れてしまう」

    彼女たちを促して、私は玄関を出る。

    ちらりと見えた彼女らが、何を話しているのかは聞き取れなかった。

    104 = 1 :

    とりあえず今日はここまで。相変わらずのほのぼのですまんな

    余裕があって気が向いたら明日も来ます

    105 :

    ほのぼの(地雷がないとは言ってない)

    109 :

    ちとちよを育てながらまったり投下していきますね

    110 :

    まってた

    111 = 1 :

    「提督待ってよ!」

    外に出て一分ほど待っていると、ようやく川内たちが出てきた。

    「玄関でたむろしていたのはお前たちの方だ」

    「でもさー、外に出なくてもいいんじゃない?」

    「姉さん、私たちが悪いですよ」

    文句を垂れる川内を神通がなだめる。

    「まぁ、そんなことはどうでもいいんだが……ともかく行こうか」

    そう言って話を切り、私は前進しはじめる。

    10分ほど歩くと、周囲が賑やかになり始める。

    公園にはすれ違う子供達や、それを遠巻きから眺めて談笑する母親。

    道を隔てて反対にある大きなビルからは、急ぎ足で出ていくスーツ姿の男達。

    この街は大本営に近いこともあってか、海岸よりに位置する街としては比較的盛んな場所だと思う。
    少し足を延ばせば人が一気に減るが、それでも寂れてはいない。

    ……そういえば、その辺りを守る鎮守府の指揮官が行方不明になったらしい。大本営からの知らせを思い出す。

    「夜逃げか自殺か……」

    はたまた深海側が何か絡んでいるのだろうか……

    「……提督?」

    いや、ここら辺りの深海棲艦は大方散り散りに逃げていったはずだ。
    それに、目撃情報も無かったようだ。

    112 = 1 :

    「…………提督!」

    「っ……と」

    いけない。ついつい物思いにふけてしまっていた。

    「もー!何考え事してるのさ」

    右の腕を掴む川内が頬を膨らませる。
    ちなみに左手は神通と繋いでいる。……これ、大都会でやれば大層迷惑なことだろう。

    「そんなに私といるのが嫌なの?」

    「ね、姉さん!」

    「……すまない。だがそういうわけでは無い」

    ……些か表情が固すぎただろうか。川内は私の顔から視線を下にそらした。
    視線を左肩辺りまで下ろした彼女は、睨んでいるように見えた。

    「……………………そっか。ならいいや」

    私にベタつくのが飽きたのか、川内は私から手を離すと、今度は私の左を並んで歩く神通に駆け寄った。

    「えいっ!」

    川内は私と神通の間に強引に滑り込んだ。

    「……川内、今度は――」

    「私が真ん中ー」

    楽しそうに私と神通の手を掴む川内。
    さながら子供のようにみえる。

    ……幼いと言うか、なんというか。
    いや、これは幼いであっているのか?

    113 = 1 :

    「ふふっ」

    笑う川内の右で、私は彼女の奇行に頭を抱えていた。

    「…………っ」

    ふと神通を見る。
    彼女は眉間にシワを寄せて、川内と繋いだ手を離そうとしていた。

    「……川内、神通が困っている。離してあげなさい」

    「…………えぇー」

    「……っ」

    不機嫌そうな声をあげるが、渋々といった感じに手を離す。
    チラリと見えた神通の手は、先程も見たような手形がついていた。

    「…………姉さん、もう恥ずかしいことはやめてくださいね」

    神通は川内から距離を取って私の左側に回る。

    この子達、上司と言えどもベタベタしすぎでは無いだろうか。

    「……………………お互いにね」

    川内の言葉を最後に、二人は妙に静かになった。

    114 = 1 :

    「……さぁ、着いた…………ぞ」

    私達を待っていたのは、ファミレスでは無かった。

    この独特の雰囲気と、入り口に飾られたお洒落な看板。
    ブラックミラーで中は見えないが、外からでもわかる中の空気。

    「……ここが、ファミレスですか」

    「……いや、違うんじゃないかな」

    川内は行ったことがあるのだろう。きっぱりと否定した。

    私は黙って中に入る。

    「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

    接客係も客もファミレス特有の覇気がなく、どこか落ち着いている。

    「…………三人です」

    ひとまずそう答えた。

    間違いない。ここはファミレスではなく喫茶店だ。

    道を間違えたか?いや、うろ覚えとはいえども迷わずここまで来れた。
    では……

    「ご注文はお決まりでしょうか?」

    指示されるがままに席に着くと、お決まりの文句を口にするウェイトレス。

    「…………あとで呼ぶよ」

    一旦思考を打ちきりそう言うと、ウェイトレスは静かにカウンターに戻っていった。

    115 = 1 :

    「注文は…………」

    正面の神通がメニューを手に取る。彼女は未だにここがファミレスだと思っているようだ。

    「……提督、私もう少しガッツリ食べたかったんだけどなー」

    その横からメニューを覗きこむ川内がジト目で私を見る。

    「…………好きなの頼んでいいから」

    私はそう言うしか無かった。

    「じゃあ、私はこのタルトをいただこうかなぁ」

    ニヤリと笑う彼女が指差すものをみると、バカには出来ないような金額が書かれている。

    「なら、私もこれで……」

    「好きにしなさい」

    今日は中々についていない。
    私は深く溜め息を吐いて、外に視線をそらす。銀杏と葉桜の並木道が見えた。

    「…………たまにはこういうのも悪くないね」

    川内の方を見ると、先程とは違った爽やかな笑みをみせていた。

    川内は、『姉妹で』出掛けたかったのだろう。
    思えばここ数日、休暇は与えていたがバラバラだった。それなら私たちの話を聞き付けて、行きたがるのも頷ける。

    「……まぁ、そうだな」

    一人忘れているような気もしたが、うちのエースが喜んでいるようなので多少報われた。

    116 = 1 :

    今日はここまで
    まだ不穏な空気は漂っていませんが、いずれ出せたらなぁ……(願望)

    118 :


    ほのぼのってゾワゾワするw

    119 :

    那珂ちゃん……

    120 :

    提督も何か不穏になってね?

    121 :

    SS内のキャラでキャラ崩壊とは……

    122 :

    アフリカではよくあること

    123 :

    グンマーだと日常茶飯事

    124 :

    そんな魔境の設定では無いんですけどね……

    投下ではありませんが、追加の注意を
    今後、川内以外に病み出すのが増えていく可能性が否めません
    暫定の登場人物は勿論、今後出てくる者にもその可能性はあります
    病んで欲しくないキャラが出たらそっ閉じも念頭に入れておいて下さい

    125 :

    >>123
    グンマーには海ないだろ、いい加減にしろ!!

    126 :

    キャラ出しすぎて収集つかなくなってエタるとかやめろよな

    127 :

    >>126の事態さえ無ければ最後までついてくわww

    128 :

    余計なお世話

    129 :

    病みならむしろ大歓迎

    130 :

    今日はお休みさせてもらいます

    131 = 1 :

    明日は頑張るんで……お休みなさい

    132 :

    おつよー

    133 :

    もう明日だぞ早く書くんだ

    134 :

    舞ってるおやすみな

    135 :

    備蓄は提督のたしなみ

    以下投下

    136 = 1 :

    店員を呼び出すと、先程のウェイトレスがやって来る。
    注文を伝えると、彼女はそそくさと去っていった。

    「……………………提督?」

    「どこ見てるの?」

    呆けていると、川内と神通が話しかけてきた。

    「いや……大したことでは無いぞ」

    軽く笑みをつくって再び肘をつく。
    しかし、彼女らの追及は止まず、体を寄せてきた。

    「私には、あの女性を見ていたような気がしたのですが」

    「私にもそう見えたんだけど」

    じりじりと間を詰める

    「…………まぁ、否定はしない」

    先程のウェイトレスは美人だった。
    私も男なのだ。見とれていても仕方あるまい。

    「…………ふぅん。鼻伸ばしすぎ」

    だというのに、二人は白い目で私を見る。

    「私だって男だ。美しい女性を見れば目で追うし、あわよくば親しくなりたいと思う」

    「……そうなのですか」

    弁解しても、その冷ややかな視線は変わることなく突き刺さる。

    137 = 1 :

    「……そういうものだ」

    もっとも別の理由もあったのだが、話す必要も無いだろう。

    「…………そうなんだ」

    納得してくれたようで、私は胸を撫で下ろす。
    ついでにお冷やに手を伸ばした。

    「私たちは、見てくれて無いよね?つまり、そういうこと?」

    「んぐっ!?」

    川内の発言は私の腹に刺さり、噎せそうになる。

    「ねぇ?そういうことなの?」

    「……おっさんをからかうのもいい加減にしなさい」

    ちらりと神通に目配せする。彼女なら、川内を言いくるめてくれると信じて。

    「…………私たちは、提督の好みではない……ということですか?」

    だが、そんな私の希望は崩れた。
    身を乗り出して私の目を見る神通。内心は恥ずかしいのか、顔が赤い。

    しかしなぜ、私のような者からそんなことを聞き出そうとするのだろうか……

    「…………ふむ」

    頭を働かせて、私はようやく理解した。

    「いや……二人とも美人だ」

    それを聞いて、川内は口がほころび神通は目をそらした。

    138 = 1 :

    いくら興味がなくとも、男性から無関心を貫かれると女性は機嫌が悪くなるらしい。
    以前どこかのテレビで放送されていたのを思い出した。
    どうりで機嫌が悪くなるわけだ。

    「どこが?ねぇねぇ!」

    だが、私の機転の利いた言葉で空気は軽くなったように思える。

    川内ははしゃぎ、更に身を乗り出す。そんな姉とは反対に、神通は顔を見せまいと横を向く。

    …………そういえば、ここから先のことを考えていなかった。

    「いや…ふむ……」

    目を泳がせていると、話題のウェイトレスがこちらに向かってくるのが見えた。手には、甘そうなタルトが3つ乗ったお盆。

    「静かにしろ、注文が来たぞ」

    そう言うと顔をしかめながらも川内は腰をおろした。

    「こちらがタルトでございます」

    やはりこれは私たちの分だったようだ。

    小さく会釈したウェイトレスは、タルトを私たちの前に1つずつ配り出す。

    「ごゆっくりどうぞ」

    お盆を抱えて再び小さく頭を下げた彼女は、カウンターへ引き返して行った。

    139 = 1 :

    「さて、いただきます!」

    川内が我先にとスプーンを握った。

    「私もいただきます」

    神通は手を合わせてから、そっとスプーンを手に取る。

    「……全く違うな」

    軽く笑いながら私もスプーンを持つ。
    私の言葉に二人がこちらを向いた。

    「いや、性格がバラバラだなぁ……と思っただけだ」

    3女を見てもわかることだが、姉妹というのは名ばかりで、三者三様の性格である。
    まぁ、長女と三女は似ていないことも無いとは言わないが。

    「まぁ、私はお姉ちゃんだしね!皆のことを見てやらないといけないし」

    「よく言う」

    むしろ川内は、神通に面倒を見てもらっている立場だ。

    「私は皆の面倒を見ていると思っていたのですけどね……提督も含めて」

    「…………む」

    痛いところを突かれた。
    私は苦笑いで誤魔化そうとするが、神通は呆れ顔で微笑んだ。

    「私がいないと……ね?」

    神通は満足そうに溜め息をついた。

    140 = 1 :

    とりあえず今日はここまで

    いつ電ちゃんを出すべきか……

    142 :


    この地雷原感

    143 :

    おつ
    女同士の戦いイイ…

    144 :

    薄氷の上を素足で歩く感覚だな

    145 :


    ここにぷらずまを投入するとか…このドSめ!

    146 :

    追い付いた

    大淀や大井がいないだけまだマシよ

    147 :

    今月中は忙しく、来れないと思います。ご了承下さい(土下座)

    148 :

    報告乙よー


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