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    元スレヒカル「佐為。オレ、強くなったかな?」

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    101 = 78 :

    佐為「それにしてもヒカル。随分とそのぱそこんとやらに詳しいのですね」

    ヒカル「別に詳しい訳じゃねーよ。オレと同期でプロになった和谷ってのがいてさ。
    その和谷がパソコン詳しいんだよ」

    佐為「そうなのですか?」

    ヒカル「そーだよ。毎週そいつの下宿先で研究会やってたんだけど、仕事の都合で
    行けない日とかたまにできてさ。泊まりがけで地方の指導碁とか」

    佐為「なるほど。そこでさっき言った」

    ヒカル「そっ。ネットで対局してたりしてたんだ」

    佐為「確かに便利ですね。遠方の者とも碁が打てるというのは」

    ヒカル「だろ。あとは関西棋院の社とかかな。あいつ関西に住んでて、なかなか東京まで
    出てこれないから、対局はよくネットでしてたんだ」

    佐為「その社とやらも強いのですね」

    ヒカル「まぁな」

    102 = 78 :

    佐為「分かりましたヒカル。私たちの進むべき道が!」

    佐為「貯めましょうお小遣い、そして買いましょう"ぱそこん"とやら」

    ヒカル「おう!入学祝ってことでねだってみたけど、高すぎだって却下
    されたからな!こうなりゃ自分で買うっきゃない!」

    佐為「その意気です、ヒカル!」

    ヒカル「おおっ!」

    このときのヒカルはまだ知らなかった。
    この時代のパソコンがいかに高価なものかということを。
    そして、小学一年生の自分が貰う小遣いでは、いつまでたっても到底、
    手が届かない額であるということを、まだ。

    103 :

    でも院生試験受けて中学あがる前にプロなっちゃうから問題ないのか
    それとも

    104 :

    アキラくんとお友達になったらいい

    105 :

    ヒカルが小学1年のころって、何年の設定だっけか
    ネット碁の普及状態も気になるな

    106 :

    当時だとパソコン買えても月の通信料が凄まじいことになりそう

    107 :

    テレホマンが活躍してた時代か

    108 :

    小遣い貯めてパソコン買うよりもプロになる方が早いだろうな……

    110 :

    五月のライオンの主人公並みになんのか

    111 :

    五月?

    112 = 78 :

    そしてもう一人、パソコンを買うために闘志を燃やすヒカルとは別に、
    この入学式で強く決心をする少女がいた。

    「私、強くなる。絶対に、ヒカルに負けないくらいに!」

    彼女の名は藤崎あかり。
    進藤ヒカルの幼馴染みだ。

    彼女は幼稚園でヒカルに碁を教えてもらってからというもの、その魅力
    にとりつかれていた。白と黒の石の軌跡。ヒカルの並べる、その石の運び
    の美しさに魅了されたのだ。

    それと、もう一つ。
    彼女がなんとなしに聞いた

    「ねえ、ヒカルってどんな人が好きなの?」

    という質問に対してのヒカルの答え。

    「碁が強い奴!」

    というこの台詞が彼女をよりいっそう碁へと駆り立てていた。

    当の本人であるヒカルは、あかりの問い掛けが、恋愛についての質問
    だったとはちっとも思っていなかったのだが。だが、ともあれ、あかりの
    闘志に火をつけた。

    「強くなって、ヒカルのお嫁さんになるんだもん!」

    あかりは燃えていた。

    113 = 90 :

    あれ?原作通りの時期にプロ試験受けるとこれ和谷落ちるんじゃね?

    114 = 110 :

    三月だ…
    しかもあれは将棋だね…

    115 = 78 :

    小学校に入学してから2ヶ月がたった頃。

    ヒカル「……」

    あかり「ねぇ、ヒカル。どうしたの?」

    ヒカル「……」

    あかり「ねぇ、ヒカルってばぁ」

    ヒカルは朝から机に突っ伏していた。

    佐為「ヒカル?あかりちゃんが心配していますよ」

    ヒカル(分かってる。分かってるさ佐為。でもダメだ。
    ちょっとやそっとじゃ立ち直れないかもしれない)

    佐為「それは…」

    ヒカル(だって50万円だぜ50万円!何回見返したことか)

    佐為「あれじゃ手が出ませんもんねぇ」

    116 :

    とりあえず任天堂の株を買ってだな

    117 = 78 :

    小学生になって2回ほど小遣いをもらったヒカルは、どんなパソコンを買おうか
    都内の家電屋に出向いていた。

    しかし、その場で見た光景は想像を絶するほどの高値のパソコンたちだった。

    さすがに現在の有り金で買えるとは思っていなかったが、どの程度貯めれば
    買えるのだろうという視察だったのに、夢はあっさりと崩れた。

    ヒカル(まさかこの時代のパソコンがあんなに高かったなんて)

    佐為「ですがヒカル!地道にコツコツ貯めていけば」

    ヒカル(オレの1ヶ月の小遣いは?)

    佐為「に、2000円ですけど…」

    ヒカル(どう貯めたって無理だぜぇ。お年玉全部注ぎ込んだって買えねぇ)

    ヒカル(あんなに高いんじゃ、入学祝に買ってくれって言ってもダメって言われるはずだよ)

    佐為「それは、たしかに」

    118 :

    あと10年待てばなんとかだな

    119 = 78 :

    ヒカル「はぁぁぁ」

    ヒカルは再び大きなため息を一つついて机に突っ伏し直した。

    ヒカル「せっかく強い奴と碁が打てると思ったのに」

    あかり「え?」

    ヒカル「はぁぁぁぁ」

    あかり「ね、ねぇヒカル!」

    ヒカル「……なんだよ、あかり」

    あかり「私と打って欲しいんだけど」

    ヒカル「お前と?」

    あかり「だってヒカル、強い人と碁が打ちたいんでしょ?」

    ヒカル「それはそうだけど、でもお前と?」

    120 = 78 :

    あかり「うん!ゴールデンウィークにね、この詰碁集の詰碁、全部
    解いたんだよ。私、きっと強くなってるから!」

    ヒカル(こいつ、いつの間にそんなこと…)

    佐為「あかりちゃんも随分と碁に熱心ですね。以前もそうだったんですか?」

    ヒカル(いや、たしかに囲碁部だったけど、ここまで頑張ってたかと言われると)

    あかり「学校には碁盤持ってきちゃダメだから、ちゃんとおはじきの方持ってきてるよ!」ジャラ

    ヒカル「うっ」

    あかりもまた、ヒカルと同様、家に折り畳みの碁盤と碁石があった。
    入学祝に両親にねだったのだという。

    ヒカル(出やがったよ、おはじき)

    佐為「ヒカルにはトラウマのあれですね♪」

    ヒカル(んなわけねーだろ!)

    佐為「ほんとですかー?」クスクス

    ヒカル「ぐっ……分かったよ、あかり。昼休み終わっちまう前に打とーぜ」

    あかり「うんっ♪」

    121 = 78 :

    ヒカル「……」

    佐為「……」

    あかり「えっぐ。えぐ……」パチッ

    佐為「ヒカル」

    ヒカル(あぁ。こいつ、最近対局しようって誘ってこないから碁に興味を
    失ったのかと思ってたのに、まさかこんなに強くなってたのか)

    このところあかりは、幼稚園の頃、ヒカルが図書館で借りていた
    詰碁の本に興味をもって自分でも借りて解いていたのだ。

    なので久しぶりにヒカルと対局をしているのだが。

    ヒカル(まだまだ全体的に甘いし稚拙だ。辿々しい箇所がいくつもある。
    でも……)

    佐為「それでも最低限の押さえておくところはしっかりと押さえている」

    佐為「この間碁を始めたばかりだということを考えれば、素晴らしい
    成長です」

    ヒカル(だよな)


    122 :

    あかりが天使すぎてヤバイ

    123 = 91 :

    今でこれなら前周のヒカル並みには強くなるかも

    124 :

    その時代ならちと時間掛かるがヤフー株だな

    125 = 78 :

    ヒカルはあかりの成長に驚いたが、実はこれは、そこまで不思議なこと
    ではなかった。
    自身が佐為に取り憑かれてから碁を始めたのが、実はかなり遅い方
    だったということをヒカルは失念していた。

    ヒカルと同年代の院生の話をもっとよく覚えていれば、これが当たり前
    であることにすぐに気がつけたのだ。

    院生の子供たちは皆、幼少期から碁に触れ、才能を見いだされれば、
    すぐにプロの元で師事する。和谷などがその典型だ。

    今回のあかりも、多分に漏れずそうだっただけだ。

    ヒカルは、あかりが碁がそこまで得意だとは思っていなかったが、そもそも
    そこがまず間違いである。

    ヒカル風に言えば、前の世界であかりに囲碁を教えたのは、ほとんど三谷で、
    少しばかり白石から習った程度。阿子田との対局を見ても、甘やかされて真剣さが
    今一つ足りないものだった。

    だが今のあかりは違う。幼少期に碁に興味を持ち、動機は不純かもしれないが、
    真剣に取り組み、さらにプロであるヒカルが教えている。

    伸びない方がおかしい位に、要素が噛み合っているのだ。

    126 = 104 :

    説明多いな

    127 = 103 :

    ヒカル、あかり、伊角
    翌年
    門脇、和谷、越知
    って所か……本田さん……
    ヒカルとあかりがもう1年はやく合格すれば良いんか

    128 :

    院生序列見てみたら1位が13歳だった

    129 = 107 :

    碁とかそういうやつってだいたい幼いうちの環境と才能で決まるからなあ
    将棋とか子供の頃から最強の敵変わらない世代があるし

    130 = 109 :

    経験値ってどうしても追い越せないからなぁ

    131 :

    アキラと同じ年に受かればいいな
    これだと真柴は間違いなく落ちるけど

    132 :

    もうみんな合格にしようぜ!

    133 = 104 :

    アキラはヒカルというライバルを小さい頃から得ることにより本編より強くなりそう

    134 = 118 :

    この時点のヒカルはライバルどころかラスボスレベルじゃね

    135 :

    ストレートにプロ目指すのか中学囲碁部行ってアマチュア無双か…

    136 :

    正直このヒカルは同世代じゃどう頑張っても相手にならないだろ

    137 :

    ヒカルの碁懐かしいなぁ………
    奈瀬が可愛かった思い出しかないけども

    138 :

    >>126
    これは解説じゃなくて小説そのものだろう。
    わざとらしくないし、読んでて苦痛じゃないもの

    139 :

    台本形式に慣れた弊害だろうな…かわいそうに

    140 :

    説明っていうか言い訳をだらだらとしてる感じだもんなww

    141 :

    説明に言い訳臭さは付き物だしこれくらいなら気にするほどでもないだろ

    142 :

    ヒカル(にしても、あかりの奴なんで泣きながら打ってんだ?)

    佐為「そりゃあ、あれじゃないですか。ヒカルが強すぎるから
    悔しいんでしょう」

    ヒカル(おいおい。オレはいつも通り打ってるぜ?)

    佐為「だからですよ。この間まであかりちゃんは碁石を持った
    こともなかったのですよ」

    佐為「ですが今は、少なくとも自分で詰碁集の問題を解くレベル。
    いままで分かっていなかったヒカルの力が解り始めてきたのでしょう」

    ヒカル(なるほど。そういうことか)

    佐為「いくらあかりちゃんが成長したとはいえ、ヒカルとの力の差は
    歴然ですからね」

    ヒカル(だから置き石置けって言ったのになぁ)

    佐為「ふふっ。そこはまあ子供ですし、負けん気が勝ったのですよ」

    143 :

    これは一晩中なぐさめてやらなければなりませんねえ……

    144 = 142 :

    あかり「うっ、えぐっ……」ポロポロ

    ヒカル「……」

    あかり「ま、負けました…うっ…うっ」

    ヒカル「ありがとうございました」ペコリ

    あかり「あ、ありがどうございまじだ」ペコリ

    ヒカル「あのさ、あかり」

    あかり「うっ、うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁん!」

    ヒカル「あかり!?」

    対局が終わると同時にあかりは泣き崩れた。
    そして、それはちょうど昼休みの終了時間でもあり、生徒たちが
    教室に戻ってくるタイミングと一致した。

    「あぁぁ~~!」

    ヒカル「えっ」

    「せんせー。ヒカルくんがあかりちゃん泣かしてる~!」

    ヒカル「ちょっ」

    「わーるいんだー。わるいんだー」

    あかりの泣き声と共に、嫌な合唱が辺りに響いた。

    145 = 142 :

    あかりが大泣きした結果、クラスは自習となり、ヒカルとあかりは
    職員室で担任に事情を聴かれていた。

    担任「えーと、それじゃあ、藤崎さん。進藤くんにイタズラ
    とかされたワケじゃないのね?」

    あかり「は、はいっ。私は…うっ…ヒカルに碁を打ってもらってただけで」

    担任「ご?」

    ヒカル「囲碁のことだよ」

    担任「あー、囲碁!囲碁ね。ふんふん、それで、どうして泣いちゃったの?」

    あかり「わ、私がぜんぜん弱くって、勝負にすらなってなくって」

    担任「なるほど。進藤くんが手加減してくれなかったわけだ」

    ヒカル(思いっきり指導碁だったけどな)

    あかり「違うんです!ヒカルは置き石を置けといってくれたのに、私が
    互い戦で打ちたいって我儘言って」


    146 :

    置き石…?19路?それ、19路の時点で初心者には鬼畜やで…

    147 = 142 :

    担任「置き石?互い戦?」

    ヒカル「あかりがハンデなんかいらないって言ったんだ」

    あかり「私、いっぱい勉強して、強くなったと思ってて…」

    担任「なるほどねぇ。勝負を挑んで返り討ちにあっちゃったわけか」

    あかり「はい」

    担任「事情は分かったわ。イジメられてたんじゃなくてほっとしたけど、
    でも進藤くん。女の子相手に本気なんか出しちゃだめよ」

    ヒカル「はー」

    あかり「違います!」

    担任「えっ?」

    あかり「ヒカルは全然本気じゃなかったの!幼稚園の頃から見てるから
    そんなの私には分かってるの!私は、私は……うっ、うわぁぁぁぁん!」

    担任「ちょっと藤崎さん!?」

    148 = 142 :

    結局この日、あかりが泣き止むことはなかった。
    いつもなら一緒に帰るはずのヒカルとも顔を会わせず、そのまま帰宅した。

    一方ヒカルは、佐為と共に、今後のあかりに対する指導の仕方を考えていた。

    そして……。


    教頭「今日は大変だったみたいですね」

    担任「あっ、教頭先生」

    教頭「聞きましたよ。なんでも碁を打って負けたのが悔しくて、大泣き
    してしまったとか」

    担任「ええ。藤崎さんって女の子なんですけどね。進藤くんを教室に帰した
    あとに本人から聞いた話なんですが」

    担任「なんでも進藤くんは「碁が強い人」が好きで、藤崎さんは進藤くん
    に振り向いてもらいたくて碁の勉強を頑張ってたらしいんですが、見事に
    返り討ちにあっちゃったようで」

    教頭「それまた凄い青春ですね」

    担任「あはは…」

    149 = 142 :

    教頭「でも、今時の子供が囲碁ですか」

    担任「変わってますよね。他の子供はみんな、テレビゲームとかに夢中なのに」

    教頭「そういえば、用務員室に前いた用務員さんが碁盤と碁石を忘れたまま
    退職した記憶が」

    担任「あぁ、去年辞められた用務員さんですか」

    教頭「これもなにかの縁です。もし藤崎さんが学校でも囲碁が打ちたいと言ったら、
    昼休みや放課後にでも貸してあげるといいでしょう」

    担任「良いんですか?」

    教頭「まだ一年生ですしね。打ち込める何かがあるんなら、好きに打ち込んで
    構わないと思いますよ。必死に打ち込めるのは若い間だけですからね」

    担任「分かりました。伝えておきます」

    職員室の窓から下校中の子供たちを見る教頭は、感慨深げだった。


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