元スレヒカル「佐為。オレ、強くなったかな?」
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601 = 597 :
翌日。ヒカルの家近くの公園。
ヒカル「……で、何か用かよ」
塔矢「キミに聞きたいことがあるんだ」
ヒカル「聞きたいことぉ?」
塔矢「そうだ」
ヒカル(はー、こいつ今日からプロ試験じゃなかったのかよ)
奈瀬「ねぇ、この子ってもしかして…」
ヒカル「塔矢アキラ。俺のストーカー」
奈瀬「ストーカーって塔矢アキラだったんだ。てっきり女の子
だと思ってた…」
この日、ヒカルの家にはちょうど奈瀬も来ていた。
ストーカーの件も一段落したし、師匠にあたるヒカルにわざわざ
家に来てもらうのもどうかと思い、この日から奈瀬の方から出向く
ことにしていた矢先だった。
602 = 597 :
塔矢「進藤。キミは僕に嘘を吐いたな。よくも恋人が出来たなどと!」
ヒカル(あちゃぁ~。ばれてるー)
塔矢「それに隠れてこそこそお父さんと打っているみたいじゃないか」
塔矢「僕とは対局してくれないのに、お父さんと打つというのは
どういうことだ、進藤!」
ヒカル「えーっと、それはその、あのだなぁ」
塔矢「とぼけようったって、そうはいかないぞ。キミがsaiなのは分かっている」
奈瀬「えっ?」
塔矢「お父さんはキミと打つためにパソコンまで買ったんだからな。僕に
冷たい態度までとって」
603 = 597 :
塔矢「答えろ進藤!僕はキミのライバルじゃなかったのか!?」
塔矢「ライバルはお父さんなのか!?」
ヒカル「えーっと…」
佐為「ヒカル。正直に言っちゃったらどうです?今の塔矢では力不足だと」
ヒカル(そんなこと言って大丈夫かぁ?)
佐為「ですが力の差は塔矢自身も分かっている筈。下手にはぐらかすより
本音を言った方が後々楽に」
奈瀬「ちょっとちょっと。塔矢くん?あなた何言ってるのよ!」
塔矢「…………キミは?」
奈瀬「私は奈瀬明日美。プロ試験の予選で会ったでしょ」
塔矢「……悪いけど覚えていない。それに今は進藤と話しているんだ。
邪魔しないでくれ」
604 = 597 :
奈瀬「何よ、その態度!あのねぇ。ヒカルくんはあなたの言うその
saiってのじゃないわよ!」
ヒカル「奈瀬?」
塔矢「そんな筈はない。saiの強さは進藤の強さと同じレベルだ。
それにあの打ち筋。進藤に間違いない」
奈瀬「もう分からず屋ねぇ。ヒカルくんのH.Nはlightなのよ!
saiじゃないの!分かった!?」
塔矢「…………なに?」
ヒカル「げ」
塔矢「進藤。その話は本当か?」
605 :
これは修羅場といってもいいものか
606 :
悪いのはアキラなんだが奈瀬がいるせいでややこしくなってる
多重人格とかで誤魔化さないと打ち方からして不自然だからなー
607 = 597 :
ヒカル「えーと、その」
奈瀬「あったり前じゃない。いつもその名前で私とネット碁打ってるんだから!」
ヒカル(あちゃあ。確かに奈瀬にはその名前しか教えてねーけど、本当は佐為と
オレのアカウント使い分けてるんだけど…)
佐為「ヒカル、なんだか悪い予感がしますよ。ややこしいことになりそうな予感が」
ヒカル(オレもそう思う)
塔矢「じゃあsaiは誰だというんだ」ブツブツ
奈瀬「そんなのプロ棋士の誰かでしょ。塔矢名人がわざわざ打つくらいなのよ」
塔矢(……たしかに、それが一番有り得る話だ)
608 :
思春期男子生徒なら生唾もののナイスボデー奈瀬ちゃん見てもこの塩対応
やはりホモ・・・
609 :
なんですぐホモに持ってくんだよ
本当害悪だわ
610 :
女の子はホモが好き。ハッキリわかんだね
611 = 605 :
んなわきゃねーだろ!
612 = 597 :
塔矢(この間は一柳先生も来ていたし、家にプロ棋士が来るのは珍しくない。
お父さんはその時誰かと約束を?)
塔矢(もしかして緒方さん……ではないな。打ち方が違う。それとも韓国か
中国のプロ?いや、saiは日本人だった筈)
塔矢(どちらにせよ、進藤と約束を交わすよりはプロと顔をあわせて約束を
取り付ける方が可能性としては高い。…………待てよ。お父さんと進藤は
そもそも面識がなかったんじゃ)
このとき塔矢は、小学六年生のとき、自分の父親がヒカルと碁会所で打っていた
ことをまだ知らなかった。
名人とヒカルが打ったことを塔矢に誰も言わなかったし、塔矢自身、佐為に
一刀両断されて落ち込んでいたため、周囲の雑音が耳に入らなかったためである。
塔矢「saiは進藤じゃない?」
奈瀬「だからさっきからそう言ってるじゃない」
613 :
イッチはノーマルもホモどっちでもイケルんだな 流石
614 = 597 :
塔矢「…………」
塔矢「…………」
塔矢(…………少し腑に落ちないが、今はこれ以上考えるのは無駄か)
塔矢「……すまなかった進藤。僕の早とちりだったようだ」
ヒカル「お、おう」
塔矢「しかし今、ネット碁はしていると言ったな。ということは
やはり恋人の件は嘘だったんだな」
ヒカル「それは……」
塔矢「なら、今から僕にも打ってもらおうか」
ヒカル「今から?」
塔矢「キミならば僕の一手にどう応えるだろうと、毎日そればかり考えていたんだ。
キミは僕に嘘を吐いたんだから、それくらいしてくれもいいだろう?」
ヒカル「まぁ、それくらいなら…」
615 :
一緒にいる時点で奈瀬を恋人だと疑えよ・・・
616 :
ドギツいストーカーになってんなぁ
どうしたこうなるまで放っておいたんだ・・・
617 :
>>615
嫉妬で奈瀬を碁でボコボコにし始めるぞ、この塔矢
618 :
アキラちゃんは囲碁脳だから……
正直、付き纏われたら鬱陶しいけどアキラみたいな奴は好きだな
619 :
>>617
石を投げつけるってこと?
620 = 597 :
奈瀬「ちょっとあなたねぇ!ヒカルくんは今から私と打つんですけど!」
塔矢「なんだ。まだいたのか」
奈瀬「なっ!?」
塔矢「悪いが遠慮してもらおう。進藤と打つのはこの僕だ」
奈瀬「何言ってんのよ!ヒカルくんもヒカルくんよ!対局受けてる場合じゃないでしょ?
プロ試験の本戦初日なのよ今日は!」
塔矢「…………あ」
ヒカル「あってお前、もしかして忘れてたのか?」
塔矢「…………」
ヒカル「忘れてたんだな」
621 = 597 :
塔矢「……どうやら頭に血が登りすぎていたみたいだ。キミに確認しなければと
そればかり考えていたから」
ヒカル(ほんっとに囲碁バカだな、こいつは)
塔矢「まあいい。どうせ今から行っても、間に合うかどうかは分からないんだからな。
それにずっとキミと打ちたかったんだ。プロ試験よりもキミと打つことの方が重要だ」
ヒカル「いいのかよ、それで」
塔矢「ああ」
奈瀬「い、いいわけないでしょ!あなたプロ試験を何だと思ってるのよ!皆必死に
なって合格目指してるのよ!それを『どうせ間に合うかどうか分からない』から
行かないですって!?」
奈瀬「なんなのよ、それ!」
622 = 597 :
塔矢「…………言葉を返すようで悪いが、あなたの方こそ急がなくて
良いんですか?さっき、あなたもプロ試験の予選にいたと言っていましたが」
奈瀬「……っ!」
塔矢「どうやら落ちたみたいだね」
塔矢「そんな腕で進藤に打ってもらうだって?進藤の腕を知っているのか?
彼の相手は僕しかつとまらない!」
ヒカル「塔矢!」
塔矢「進藤!キミの目を僕に向けさせる!僕は強くなった。あのときとは違う!」
623 :
この塔矢うざいな
624 = 606 :
こんな暴言はさすがに棋士として尊重しないのは
625 :
この塔矢はホモでストーカーでクズやな 救えねぇ
626 = 582 :
お前らがホモホモ言うから>>1までおかしくなってきちまったじゃねえか責任取れよ
627 :
そんな腕で~ってのは言っちゃだめだな
628 = 616 :
奈瀬ちゃんはこれからヒカルに手取り足取り腰取り魔改造されるから
629 = 597 :
奈瀬「…………っ」ダッ
ヒカル「奈瀬っ!」
塔矢「進藤っ!」
奈瀬はその場から走るように去った。
目に涙を浮かべながら。
拳を握りしめて、歯を噛み締めながら。
佐為「私の方から奈瀬の顔が見えました。彼女、泣いていました」
佐為「どうするのです、ヒカル?」
ヒカル「……」
佐為「ヒカル?」
ヒカル「分かった、塔矢。打ってやるよ」
ヒカル「でも、オレに負けたらさっきの言葉は取り消せ。奈瀬は弱くなんかない」
塔矢「分かった」
630 :
参考までにWikipediaのヒカルの碁
塔矢アキラの項目の一部から抜粋
ヒカルを意識したりすると周りが見えなくなり、他人に対して無礼な行動を取ってしまうことがある。
ヒカルに眼中が無いという態度を装いつつも内心では強く意識するようになり、特にプロ試験本選で勝ち星積み重ねるようになってからその様子は顕著になり、ヒカルの力は自分でしか測れないと確信する。
631 = 597 :
ヒカル(佐為)
佐為「はい」
ヒカル(この一局はオレが打つ。口を出すなよ)
佐為「……分かりました。ヒカルがそう言うのなら」
ヒカル「来いよ、塔矢」
塔矢「あぁ」
632 :
このスレではヒカルは佐為抜きでも強すぎるからアキラの態度は当然だろ
633 = 625 :
進藤に対してなら分かるけど、明らかに奈瀬を見下してるからな 排除するためには容赦せん!
634 :
いじめられるのも仕方ない気がしてきた
635 = 597 :
この日、塔矢は今まで見たことのない進藤ヒカルを目にする。
塔矢の知っているヒカルはいつも冷静沈着、正確無比。それでいて
幾重にも張り巡らされた攻守のバランスのとれた完全無欠の碁。
しかし今日のヒカルは違った。
何のへんてつもない様な手を打ってきたかと思えば、手が進むうちに
次々と最強の一手に成り代わる。
塔矢「そんな……まさか……」
さらには、どう見ても活きがないような狭い場所でも戦いをしかけ、
ものの見事に生き残る。
塔矢(ヨミの深さが違う。進藤は一体何手先まで読んでいるんだ!?)
佐為(ヒカル!)
その鬼気迫る気迫は、佐為をも戦慄させた。
佐為(私も思い付かなかった手を次々と……これが、ヒカルの碁!)
636 :
とうやがきつい言葉吐くのはでっかい期待を裏切ったっていう経緯がある進藤に対してだけだったと思うんだけどね
>>1はとうやが嫌いなんだろう
637 :
やはりプレイスタイルが全然違うのか>佐為とヒカル
638 :
題名が劇中に出てくる漫画は名作の法則
639 :
塔矢「……ありません」
一時間後、塔矢は項垂れた様子でそう言った。
塔矢「……さっきの言葉は取り消すよ。彼女は弱くない」
ヒカル「あぁ」
塔矢「…………すまなかった。キミが僕に嘘を吐いたと分かってから、
どうかしてたみたいだ」
塔矢「キミに認めてもらいたくて、キミと打ちたくて、無我夢中で。
僕は彼女を傷つけてしまった。碁打ちとして恥ずべき言葉で」
ヒカル「謝らなきゃいけないのはオレにじゃないぜ」
塔矢「……分かってる」
ヒカル「……まあ、そもそもオレがお前に嘘吐いたのが原因だし、
今回は許してやるけど二度とあんなこと言うなよな」
640 :
イッチのフォロースキルは世界一ィ!
641 = 639 :
塔矢「…………」
ヒカル「塔矢?」
塔矢「キミは本当に進藤ヒカルなのか?」
ヒカル「えっ?」
塔矢「いや、なんでもない。ただ、今まで打ってきたキミとあまりにも
違う碁だったから、つい」
ヒカル「…………」
塔矢「さっきの質問にはきちんと応えるさ。もうあんな言葉は二度と使わない。
約束する」
ヒカル「なら、いいけどさ」
642 :
フォロースキルっていうか元々こういう流れだったんだろ
643 :
ナイスフォローww読者様の勝手な展開予想の賜物ですねwww
644 :
外野は一旦黙れっての
まだ1は書き終わってないんだからよ
雑談は終わってからやれ
645 :
投下が終わってないのにレスしてる奴が言ってもなぁ…ギャグかな?
646 = 639 :
塔矢「進藤」
ヒカル「なんだよ」
塔矢「僕とまた打ってくれるか?」
ヒカル「……構わないぜ。毎日は無理だけどな」
塔矢「ありがとう。いつかキミにきちんとライバルとして認めて
もらえるよう努力する」
ヒカル「塔矢…」
塔矢「はっきりと分かったよ。キミと僕の差が。今の僕じゃあ
逆立ちしたってキミには敵わない」
塔矢「でも、いつか。いつか必ずキミに追い付く!」
ヒカル「……期待してるぜ」
塔矢「ああ!」
647 = 639 :
こうして塔矢との長い一日が終わった。
そしてヒカルは……。
ヒカル「…………あの~奈瀬?これ、いつまでやればいいんだ?」
奈瀬「……あと5時間」
ヒカル「5っ!?」
奈瀬「…………」
ヒカル(はぁ……やれやれだよ、もう)
奈瀬を慰めに家まで行ったヒカルは、泣いている奈瀬をずっと抱き締め
続けていた。
648 :
ヒカルの碁は荒くて粘り強い印象があるな。あと悪手大好きマン
アキラが王道を行くエリートキャラだから対照的に叩き上げの混戦が得意なタイプになったんかと思う
649 :
奈瀬、ヒロイン街道待った無し。だの。
650 :
奈瀬は可愛いから仕方ないね
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