元スレヒカル「佐為。オレ、強くなったかな?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
北斗杯からいくばくかの時間が経過した。
進藤ヒカルは、塔矢アキラと対等以上に強くなっていた。
そんなある日のこと。
ヒカル「なぁ、佐為。オレ、強くなったかな?」
ヒカルは空を見上げながら呟いた。
ヒカル「こないだ、門脇さんと打ったときに言われたんだ」
ヒカル「昔と同じくらい強くなった印象を受けるって」
ヒカル「……はは。んなわけねぇのにな」
ヒカル「どんなに強くなっても、お前にはまだまだ敵わねえよ」
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2 = 1 :
ヒカル「……お前と、もう一度打ちてえや」
ヒカルは空を見上げたまま大きなため息をつき、目を閉じた。
3 = 1 :
ヒカル「は?はぁ!?」
再び目を開けたヒカルは混乱していた。
ヒカル「オレ、さっきまで棋院の近くにいたよな?」
しかし、それも無理はない。先ほどまで棋院近くに居たと思ったら、
いきなり見知らぬ場所にいるのだ。
しかも…。
ヒカル「それに、なんだこの木。でかすぎだろ」
近くに生えている木のこの大きさ。
まるで巨木。
ヒカル「ひぇぇぇ、でっけぇぇ」
見上げるヒカル。
4 = 1 :
???「ねぇ~ヒカル。何してんの?遊ぼうよ」
……と、ふいに巨木に見とれるヒカルに女の子が声をかけた。
はて、なにやら聞き覚えのあるような声だなと、振り向きながら
ヒカル「……いや、オレは仕事が」
と言いかけて、ヒカルはまたもや驚愕する。
あかり「?」
目の前には、幼児姿の藤崎あかりが、いたのだ。
5 = 1 :
一時間に及ぶ混乱の末、ヒカルはようやっと自分がどういうことに
なっているのか理解することができた。
ヒカル(どうやらオレはタイムスリップ?ってのしちまったみてーだ。
年は幼稚園児ってとこか)
常人ならばなかなか受け入れることが出来ないだろう現実だが、
ヒカルは意外にもあっさり受け入れることができた。
ヒカル(千年以上碁盤に宿ってた佐為がいるくらいだ。何が起きても
いまさら不思議じゃねーよな)
佐為との出会いがヒカルに奇妙奇怪な現象も受け入れさせた。
7 = 1 :
ヒカル(そーだ。佐為!佐為は!?)
混乱が落ち着いたヒカルは、佐為のことを思い出した。
ヒカル(ここって過去の世界だよな?だったら佐為は、もしかして、まだ消えてないんじゃ)
あかり「どうしたの、ヒカル。怖い顔して」
ヒカル「えっ!?い、いや。なんでもねーよ」
あかり「ふーん?」
ヒカル(とにかく、ここが終わったら急いでじいちゃん家の倉を見に行こう)
ヒカル(佐為が、いるかもしれない!)
8 :
こういうの嫌いじゃない
むしろ好きかもしれない
スレ主の手腕しだいだね
9 = 1 :
幼稚園から帰宅したヒカルは一目散に祖父の家の倉を目指した。
久しぶりに来たかと思えば、倉を見に来たのだと言うヒカルを祖父は
不思議に思いながらも、あまりのヒカルの鬼気迫る迫力にすぐに
倉の鍵を渡した。
ヒカル「よっと……」
そして、梯子を登ったその先にある碁盤を見て
ヒカル「し、しみがある!」
ヒカルは叫んだ。
そして、ヒカルのその声に呼応するかのように
??「見えるのですか?」
烏帽子をかぶった幽霊が姿を現した!
10 :
一種の強くてニューゲームかな?
期待
11 :
ヒカ碁作品は泣ける
12 = 1 :
ヒカル「さ、佐為!」
佐為「えっ、は、はい」
突然自分の名前を呼ばれ驚く幽霊。無理もない。
驚くのは自分ではなく相手の方だと思っていたからだ。
ヒカル「うわ~。佐為。佐為だ!いよっしゃぁぁぁぁぁぁぁ」
佐為「え、え、えっ?」
しかし、そんな幽霊の疑問そっちのけで喜び興奮している子供。
烏帽子をかぶった幽霊こと藤原佐為はそんなヒカルを眺めながら、
この子供は頭が大丈夫だろうかと大層心配した。
13 :
あれ、原作始まった時のヒカルって小学生だったよな
こっからだと元に戻るまで先が長いだろうな
14 = 1 :
ヒカル「ってなわけでさ。なんでかは知らないけど、オレはこの時代に
来ちまってたんだ」
佐為「時間を遡った?それはまた奇妙な」
ヒカル「あのなぁ。幽霊のお前が言っても説得力ねーぜ、それ」
佐為「そ、それはそうですけどっ」
ヒカルは軽口を挟みながら、前にも佐為と出会って、いろいろな時間を
過ごしたことを佐為に言い聞かせていた。
佐為は奇妙な話だと思いながらも、自分が以前寅次郎に憑いていたこと
などを言い当てられ、信じざるを得なかった。
16 :
ヒカルの碁知らんけど前に見たssは良作だったな期待
17 :
こう突発的にくる懐かしssの為に張り付いてると言ってもいい。
ツエーをどう逆境に落とすか期待
18 :
これは期待せざるをえない
20 = 1 :
佐為「それで、ヒカルはどうしたいのですか?」
ヒカル「オレ?」
佐為「はい。ヒカルは元の世界では碁打ちだったのでしょう。
また、そのプロとやらを目指すのですか?」
ヒカル「う~ん、確かにプロもいいけど、別になんなくても今のところ
構わねーかな」
佐為「なぜです?」
ヒカル「だってオレが一番打ちたいのは佐為なんだ。佐為と打てるだけで
オレは満足だよ」
佐為「ヒカルっ」
ヒカル「へへっ」
21 = 15 :
故人に会うっていいよな
このスレ見つけた時と同じ感覚
22 = 19 :
?や!が半角なのが気になる
23 = 1 :
ヒカル「ってなわけだからさ。早速打とうぜ、佐為」
佐為「ええ!ですがヒカル…」
ヒカル「どうした?」
佐為「碁盤はどこにあるのですか?」キョロキョロ
ヒカル「あっ!」
このとき進藤ヒカル、若干6歳。
家に碁盤どころか、自分の部屋さえもまだない時代だった。
24 :
凄く期待してる。
ヒカ碁SSは珍しい。
25 :
また懐かしい題材を...
26 :
これは期待やで
29 = 1 :
翌日。
ヒカル「う~ん」
ヒカルは唸っていた。
あかり「大丈夫?ヒカル、お腹痛いの?」
ヒカル「いや、そうじゃねーんだけど。…う~ん」
あかりが心配そうに覗きこむ。
ヒカルは朝からこんな調子だ。
ヒカル(まさか家に碁盤がねーなんてなぁ。考えもしなかったぜ)
佐為「えぇ。残念です」
佐為もがっくりと肩を落とす。
せっかく再び碁が出来ると思ったのにこれだ。
残念なことこの上ない。
30 = 1 :
ヒカル(せめて小学生だったらなぁ。小遣いで安いの買うんだけど)
まだこの時代のヒカルは小遣いをもらっていない時代。
高価なものは親にねだって買ってもらうしかないが、
ヒカル(買ってくれるかなぁ。急に囲碁なんてどう考えてもおかしいよなぁ)
ヒカルは、どうやってねだれば買ってもらえるか見当すらつかなかった。
ヒカル「はぁ~。こんなに碁が打ちたいってのに」
あかり「ご?ごってなに、ヒカル」
ヒカル「えっ」
あかり「だからぁ、ごってなに」
ヒカル「あ、あぁ。碁ってのはさ」
ヒカル(佐為、オレ声出てた?)
佐為「そりゃもう、ばっちり」
31 = 1 :
ヒカルは簡単な碁の説明をあかりにした。
あかり「ふーん。陣取り合戦なんだぁ」
ヒカル「ま、平たく言えばそうなるな。碁盤っていう木の台の上に碁石を置いてだな」
あかり「碁石?」
ヒカル「黒と白の石のことさ。その石を使って自分の領地を競い合うんだ」
あかり「あっ、知ってる。石取りゲームのやつでしょ!」
ヒカル「そうそう。石取りゲームでも使ってるな」
あかり「へぇー。なんか面白そうだね」
ヒカル「まぁな、どんなゲームよりも面白いぜ」
32 :
形振り構わないなら鋏で紙切って作ればよくね?
33 :
方眼紙で自作しよう
無邪気の楽園ごっこな展開は望み薄いなー
34 = 1 :
あかり「あかりもやってみたい。ねっ、ヒカル。やろうよ」
ヒカル「オレもやりたいのは山々なんだけどさ」
あかり「?」
ヒカル「碁盤がねーんだよな」
あかり「あっ、そっかぁ」
ヒカル「それで悩んでたんだ、オレ」
あかり「ヒカル、かわいそう」
落ち込むヒカルを見て涙ぐむあかり。
幼稚園児故か感情のまま泣きそうになるあかりを見て、
あわてるヒカル。
35 = 1 :
しかし次の瞬間、あかりは泣きながら、思いがけないことを言い放った。
あかり「ねぇ、このおはじき、碁石の代わりにならないかな」
ヒカル「おはじき?」
あかりは、持っていたおはじきをヒカルに差し出す。
36 = 1 :
たしかに、おはじきには白や黒のおはじきもある。
碁石の代わりとして使おうと思えば使える。
碁盤の方だって、紙に線でも引けば簡易の碁盤としては十分使える。
マグネット碁盤だって所詮似たようなものだ。
ヒカル「そ、そうだ。ないなら作ればよかったんだ!」
ヒカルは嬉しそうに叫んだ。
あかりの方も元気になったヒカルの姿を見て、これまた嬉しそうに笑った。
37 = 1 :
碁盤作成の功労者であるあかりに、少しばかり碁を教えたヒカルは
おはじきを借りて佐為と打っていた。
久方ぶりの佐為との対局なので、これまでとは比べ物にならないほどの
興奮と高揚感が彼を包み込んでいた。
そして、それは佐為も同じだった。
久しぶりに碁が打てるとあって、その感激は天にも昇る勢いだった。
しかし、佐為は戦慄する。
佐為(この子供、只の打ち手ではない!)
38 :
ヒカルの話を聞いていたので、彼の実年齢はもっと上という
ことも知っていたし、プロの碁打ちだということも知っている…つもりだった。
だが、目の前のヒカルはどう見ても幼子。
佐為は、つい軽い気持ちで幼子に打つように打ち始めてしまった。
佐為「まさか、ここまでとは…」
しかも、自分の全く知らないような手筋で攻めてくる。
佐為(この強さは…過去、秀策の時代ですらそんなにはいなかった!)
無理もなかった。秀策の時代の碁とヒカルの打つ碁はまるで別物。
長い年月の末、研究を繰り返され、過去にはなかった手が編み出されてきたのだ。
だが、このときの佐為にはまだそれを知る由もない。
39 :
>>16
タイトルわかる?
41 = 40 :
あっ、SSじゃなかったわ
43 :
佐為(ネット碁により進化後)や塔屋名人に100%勝てるってのはありえないし無双だけは勘弁だけど
>>1に期待
45 :
倉田さんと一色碁やるぐらいだから、地面に枝で線書いて落ちてる石使えば余裕で打てるな
46 :
プロなら目隠し碁できるし碁石無くてもOKだな
47 = 38 :
佐為(ここまでか…)
佐為「ありません」
ヒカル「……」
佐為「ヒカル?」
ヒカル「どうしたんだよ佐為、お前の番だぞ」
佐為(集中しすぎて聞こえてなかったのか)
佐為「いいえ、ヒカル。私の敗けです」
ヒカル「えっ、ちょっと待てよ!まだ勝負はこれからだろ」
佐為「いいえ、この先打っても差は縮まりそうにありません。私の敗けです」
ヒカル「何言ってんだよ!お前らしくもない。序盤こそ甘い手で打ってたけど
もう十分巻き返してるじゃないか」
佐為「ですが……どう計算しても5目は足りませんよ」
ヒカル「5目ぅ?半目勝負だろ」
佐為「えっ?」
49 = 38 :
佐為「半目?」
ヒカル「そうだよ!お前は白打ってんだからコミを入れたら半目勝負だろ」
佐為「コミ?コミとは何です」
ヒカル「コミはコミだろ。5目半のコミ。囲碁って黒の方が有利なんだから
白がハンデ貰うのは当たり前じゃないか」
佐為「そうなのですか?」
ヒカル「そうなのですかってお前、ずっとそうだったじゃないか」
佐為「いえ、初耳です。秀策の時代にはそんなものなかったですから」
ヒカル「あっ!」
ここでやっとヒカルは思い出した。
自分は佐為とずっと時間を共有していたが、佐為の方はそうではないのだ。
つい昨日ようやく現代に蘇ったばかり。
現代のルールであるコミを知らないのも当然だった。
50 = 38 :
ヒカル(あ~そうか、そういえばそうだったよ。すっかり忘れてた)
ヒカル(ついでに言えば、佐為の打ち方が少し変わった打ち方をするなと
思ったのも、古い定石で打ってたからか)
ヒカル「そうだよな。オレにとってはやっと会えたわけだけど、佐為の方
から見れば初対面な訳だし、現代のことなんにも知らねー筈だもんな」
佐為「…ヒカル」
ヒカル「そんな顔すんなって。悪かったな、お前と久しぶりに打てると思ったら
舞い上がっちまって」
ヒカル「すっかり説明すんの忘れちまってた」
佐為「いいえ、ヒカル。気にすることはありません。それよりも、私はあなたが
ここまで打てたことに感激しています!」
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