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    元スレ朝潮「制裁」

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    251 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:17:26.28 ID:/fPKOeOS0 (+95,+30,-275)

    提督 「ほら、その媚薬をあそこに塗れ」


     朝潮が気付くと何時の間にか媚薬のチューブを握り締めていた。

     開いた朝潮の手のひらには半透明のジェルがべっとりとはみ出ていた。


    提督 「そんなに塗りたいのか」

    朝潮 「全部、ですか?」

    提督 「全部だ」

    提督 「ヨーロッパルートの貴重品だ、喜べ」


     得体の知れない物を大事なところに塗るのは誰でも躊躇う。


    提督 「奥までな、まず下を脱ぐか」ニヤニヤ


     べっとりと媚薬が付いた左手がふさがれた形となり、片手で脱ぐしかない。

     その動きは自然ぎこちないものになった。

     まず朝潮は肩ひもをずらして落とす。すると、支えていたスカートがぱさりと落ちる。

     スカートを拾う朝潮のブラウスのすそからショーツとそれに付く小さなリボンがちらちらのぞく。

     下に伸びる足は日本人にしては長く普段見えない太ももまで露出した足は理想的な曲線を描いている。

     豊かな肉感のあるそれは黒いニーソックスも相まってサラブレッドの後ろ脚のように力強く美しい。


    提督 (あぁ・・・)

    朝潮 「何ですか?」

    提督 「何でもない続けろ」

    252 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:19:25.21 ID:/fPKOeOS0 (+95,+30,-228)

     ショーツを下ろし片手で取ると産毛のような細い毛も生えそろわない割れ目があらわになる。

     好きな人間でもないのに羞恥心でどきどきが治まらないのが朝潮は嫌だった。


     朝潮の指がニーソックスに伸びると提督は制止する。


    提督 「それはいい」

    朝潮 「?」

    提督 「上も脱がないでいい、もう塗れ」


     提督の趣味など朝潮にはどうでも良かった。

     少しでも提督を落胆させて終らせたい、それだけが今の朝潮にできる抵抗だった。


     朝潮が改めて手のひらを見つめる。

     はみ出たジェルは朝潮の手の汗を吸って益々光沢をましていた。


    提督 「30分は塗ってからだぞ」

    朝潮 「・・・」

    提督 「塗ってやろうか」ニタ

    朝潮 「やっやります!」


     立ち上がろうとする提督を静止するように目をつむって左手をあそこへ押し付ける。

     朝潮は塗った。言葉のまま。不器用に上下に動かした。

    253 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:21:05.29 ID:/fPKOeOS0 (+83,+30,-184)

    提督 「自慰しないのか?朝潮」

    朝潮 「じいですか?」

    提督 「オナニーだ」

    朝潮 「おなにー?」

    提督 「まぁいい、しっかり塗れないと始めないからな」

    朝潮 「はい・・・」


     産毛が絡みとったジェルを指で塗り広げる。


    提督 「指で割れ目とその奥まで念入りに塗るんだ」

    朝潮 「はい・・・」


     膣穴の入り口を満遍なく塗る。

     人差し指を穴にいれて、出し入れする。

     提督に初めて襲われた時の気分と違う少し浮揚するような不思議な気分に朝潮はなってくる。


    提督 「そんな塗り方じゃ、30分がいつまでも始まらんぞ」


     提督が呆れたようにため息をはきながら朝潮の動く指を見つめる。

     提督を焦らせていることに朝潮の溜飲が下がる。

     焦らしたことの後の反動などこの少女が知る由もない。

    254 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:21:31.30 ID:NtXXZLKeO (+11,+25,-3)
    最高だな
    255 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:24:11.34 ID:/fPKOeOS0 (+70,+30,+0)

    提督 「もっと指の方向を変えて出し入れして塗るんだ」


     朝潮は言われるがまま体勢を変え、指の方向を変え、出し入れをした。

     少しずつ膣口が柔らかくなり指の可動範囲が増える。

     襲われた時に痛みしか感じなかった膣が気持ちよさを感じ出していた。

     慣れない新しい快感に体が喜び勝手に動く。

     体をよじりつつ膣に指を出し入れする様子に提督は生唾を飲んだ。

     朝潮にそれを見る余裕はなかった。

     朝潮の動悸は激しくなり苦しいのに気持ちいいという新感覚に脳がとろける。


    朝潮 「ん・・・」


     朝潮が指を奥まで入れた時、快感の波に抗えず喉から声が溢れた。

     それでも構わず、朝潮は膣に指を出し入れする。

     朝潮が夢中になる様子を見ながら提督は指示を追加する。


    提督 「穴にある側面のひだ全部の奥までだ」

    朝潮 「は・・い・・・」


     朝潮は上気した顔でこくりとうなづく。

     興奮からか夢中で体をよじっていたせいか汗が噴き所々ブラウスが肌に張り付いていた。


     今まで媚薬を塗るためただ出し入れしていた指を、膣の壁面を確認するように押し付けて走らせる。

     先ほど以上の快感に犬のように可愛い口を時々だらしなく開き喘いだ。

     朝潮の口の中はべたつき喉の渇きを感じる。

    256 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:26:54.58 ID:/fPKOeOS0 (+83,+30,-240)

    提督 「塗る間に話をしようか」

    提督 「麻薬が止められないのは何でか知ってるか?」

    朝潮 「知りません」ハァ


     自分では止まらなくなってきていた。

     快感の波に脳はとろけ、その快感の波がひいたら次の快感に渇いた。


    提督 「麻薬が止められないのはな」

    提督 「人間が幸福を感じる時に出す脳内物質を強制的に作らせるからなんだと」

    朝潮 「知り・・・ませんでした」モゾ

    提督 「ところで、セックスで男より女が2、3倍気持ちいいって知ってるか?」

    朝潮 「はい?」ハァハァ


     朝潮の体が勝手に動き快感を貪る。

     膣と指は自分のものでないかのように快感のまま動いた。

     自慰を知らない朝潮は新種の快感に耐える法を知らない。

    257 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:28:20.48 ID:/fPKOeOS0 (+83,+30,+0)

    提督 「あれも科学的根拠があってな」

    提督 「さっき麻薬の時言った幸福を感じる時に出す脳内物質、あったな」

    朝潮 「はい」ハァハァハァ


     快感に時々足が震えかかとがビクンと上る。

     それでも体をよじりながら指を出し入れして動かした。

     下腹を押すような体の芯を震えさせる大きな快感の波が近付いていた。

     獲物を追う猟犬のように指と呼吸のリズムを速める。


    提督 「あれセックスの時出る量が女の方が多いんだ、計測するとな」

    朝潮 「はい」ハァハァハァ

    提督 「この媚薬はその脳内物質が出るのを促進するんだよ」

    提督 「どうだ効いてきたか?、朝潮」

    朝潮 「あっ。。。」ビクン


    ぷゅ、ちょろろろ  ぱちゃぴちゃ


    朝潮 「はぁ、あぁぁ」


     下腹の奥の膣がキュッとしてすぐ力が抜けるような高揚感に朝潮はしおをふいた。

     突き刺した指と手に当たり跳ね返った液体は太ももの内側を伝い、朝潮の足元に水溜りを作った。

    258 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:33:07.12 ID:/fPKOeOS0 (+95,+30,-149)

     朝潮は既にとろけ紅潮していた顔を更に恥じらいで赤くした。


    朝潮 「すいません」


     うつむき自身の作った水溜りを朝潮は見つめる。


    提督 「何かわからんだろう、興奮したら出るもので尿じゃない」


     提督が優しく話しかける。


    提督 「塗りきれたか確認するからおれの指を入れさせろ」

    朝潮 「それで30分を開始ですか」

    提督 「あぁ、そうだ」


     朝潮はやっと始まることに安堵する。

     早く始め、済ませたい。

     羞恥心もとろけてきていた。


     提督は座ったまま片手を女性器の高さまで下げると、人差し指だけ上げて朝潮を招いた。

     まるで人を挑発するような格好だ。


    提督 「ここに朝潮から差せ」


     朝潮はゆっくり提督に近付き人差し指が伸びる提督の手を小さい両手で掴む。

    259 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:35:26.19 ID:/fPKOeOS0 (+80,+30,-312)

    朝潮 (ただの棒、ただの棒)


     決心を固め深呼吸をする。

     下腹の奥、膣の部分がむずむずしていた。

     かかとを上げて膣に指を恐る恐る挿入する。


    朝潮 「あっ・・・はぁ、ぁああ!!」

    提督 「おい大丈夫か?」


     提督の指に朝潮の全身に電流が体を突き抜けるような快感が走った。

     背筋が伸び、下腹の奥が先ほどより締まった。

     動かしていない時点で、自分の指とは比べ物にならない快感。

     こみ上げてくる何かを朝潮は必死に抑える。

     朝潮は快感に抗うように眉を八の字にして口を強く結ぶ。

     一方でその目はうるみ顔は紅潮し時折だらしなく開く口は快感に服従しているようにも見えた。

     快感と苦痛が同居した朝潮の顔を提督は満面の笑みで見る。

     提督は女のこの快感に抗う顔が好きだ。

     そしてその顔を快感で塗りつぶすことがもっと好きだった。 


    提督 「よくぬれてるな、30分を始めよう」


     そういうと、提督はぬるりと膣から指を引き抜いた。

     指は糸を引き、それを名残惜しそうに朝潮は見る。


    朝潮 「あ・・・」

    260 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:37:42.42 ID:/fPKOeOS0 (+90,+30,-280)

    提督 「机の上でM字開脚しろ」

    朝潮 「執務する机ですけど」

    提督 「言うことを聞かないのか?」

    朝潮 「やっやります」


     朝潮は靴を脱いで揃えまず机に腰掛ける。

     そのまま躊躇いがちに両手を支えに乗り上げる。

     動作は30分の時間を稼ぐようにゆっくりと行われた。

     快感のとりこになりかけている朝潮の最後の抵抗だった。


     提督は椅子から離れ朝潮の正面に立った。

     今や朝潮の姿勢はM字に股を開き上半身を少しのけぞらせ、それを後ろ手に支える状態となっている。


     そんな朝潮に提督が近付く。

     1m・・・50cm ・・・30cm、キスをされるのかと目を閉じると提督に抱きしめられる。

     朝潮は目を開きびくっと体をこわばらせる。

     提督は交差した顔を朝潮に向け、耳の近くで囁く。


    提督 「いい耳の形だな」


     提督はその手で髪を避けつつ耳を触った。

     小指がつつつと耳をなで、提督の生暖かい息がかかる。

     普段、豊かな黒髪で覆われたそれはそのような感覚になれていない。

     朝潮が反応を示したのを提督は見逃さない。


     提督は息を止め耳の一番外側で張り出した部分に沿って舌を走らせた。

    261 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:39:13.39 ID:/fPKOeOS0 (+93,+30,-273)

    朝潮 「ひっ・・・」


     耳の内側内側へと舌が移動しながら走る。

     耳の穴の周囲は朝潮の反応を確かめながら特に念入りに舌が走った。

     ぞくぞくする快感に震える朝潮が慣れて落ち着いた時に耳の穴に舌を出し入れし刺激した。

     くすぐられているようなぞくぞくした感覚が全身に伝播し朝潮を襲う。

     少しして舌が止まったかと思うと唾液で濡れた耳に提督が息を吹く。

     ひんやりとした感触は電気ショックを与えたかのように朝潮を跳ねさせた。


    朝潮 「っ・・・」ビクン

    提督 「敏感になって来た」

    朝潮 「そんなことありません」

    朝潮 「それに前も耳から攻めてきてましたよね」

    朝潮 「ワンパターンですね」

    提督 「そうだったか?」

    朝潮 「私にはどうでもいいですけど、こんな会話いらないですよね」

    朝潮 「急がなくていいんですか?」


     少し強気な調子で朝潮が発する。

     するといきなり提督に耳を甘噛みされる。

     余りの驚きに体を支えていた腕が外れ、提督と一緒に倒れる。

     朝潮は提督の下敷きになる。


    ドン


    朝潮 「あっ・・・」

    提督 「気付かれてない積もりか」

    262 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:40:48.06 ID:/fPKOeOS0 (+95,+30,-213)

     提督は朝潮を抱いていた手を外しその両手で体を支え朝潮と見合う。

     顔と顔の距離は殆どない。

     提督の目にはあの日と同じ火が赤々と燃え、それが朝潮を萎縮させた。

     提督の片手が抵抗を忘れ固まる朝潮のブラウスのボタンを上から外していく。


    提督 「次、時間稼ぎしたら約束はなしだ」

    朝潮 「・・・」

    提督 「朝潮はおれに感謝すべきなんだぞ」

    朝潮 「何をでしょうか」ブル


     提督の片手はブラウスのボタンを外し終え、それをはだけさせる。

     無防備になった気がして朝潮は体が震えた。


    提督 「おれは朝潮に言うことを聞けないような無理難題をふっかけることもできるんだからな」

    朝潮 「そんな・・・」

    提督 「今からでもふっかけてやろうか?」


     提督が睨む。

     あの日のことを忘れたことはない。

     恐怖がよみがえり朝潮の思考を鈍らせる。

     それにともない思考を捨てた獣のように感覚は益々敏感になっていった。

    263 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:43:10.88 ID:/fPKOeOS0 (+80,+30,+0)

    提督 「どうせやるんだから気持ちよくなればいいだろ」


     言って提督は朝潮の口を奪う。

     朝潮の耳でストレッチを終えた提督の舌は朝潮の歯茎を絶妙にくすぐり、固く閉じられた歯をすぐ篭絡させた。

     舌は少し開いた歯の隙間から侵入し、押しだそうとする朝潮の舌と絡み合った。

     提督の片手は朝潮の大陰唇と小陰唇の間、クリトリスの近くを二本の指で押してさすった。

     既に充血し可愛くふくらんだ陰核亀頭が出たり入ったりし淡い快感を朝潮に与える。

     口では唾液の交換が行われ提督から送られる煙草の苦い味が口を包みビターチョコのように快感と溶け合う。

     提督は顔の向きを変えながら朝潮の歯並びのいい口を隅々まで蹂躙する。

     提督の片手はクリトリスから膣口に動き、そこで膣口を優しくなでて広げる。

     朝潮は震えていた、それは恐怖からか快感からか。朝潮にもわからなかった。

     次第に朝潮は舌による抵抗を止め涙を一杯にためた目で許しを請うように提督を見る。

     提督はそれを見て敢えて、指を膣に突き刺した。

     朝潮の横に伸びていた足が痙攣するように折れ太ももがきゅっと提督を挟む。


    提督 「そろそろ欲しいか」


     言いながら朝潮の口から離れると提督は自身の衣服に手をかける。

     まだ30分は始まったばかりだ。


    ―――――
    ―――


    264 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:44:41.59 ID:/fPKOeOS0 (+90,+30,-166)


    コンコン


    加賀 「私よ」

    提督 「加賀だけか?」

    加賀 「えぇ」

    提督 「入っていいぞ」

    加賀 「失礼するわ」


     入ると朝潮が糸を切られた人形のようにだらしなく横たわっている。

     股から白と透明がまだらになった液体が広がっている。

     提督は半裸でタオルを使って汗をぬぐっている。


    加賀 「またやったの?」

    提督 「また?」

    加賀 「戦果が芳しくない時はいつもこう・・・」

    提督 「そういう時の方が燃えるんだよ」

    加賀 「しかも・・・」スンスン

    提督 「?」

    加賀 「あれも使ったのね」

    提督 「加賀の鼻はいいな」

    265 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:46:19.39 ID:/fPKOeOS0 (+95,+30,-209)

    加賀 「もう言っても無駄だと思うけど罪悪感とかないの?」

    提督 「男はなぁ加賀」

    提督 「話したら付き合いたくなる、触れたらやりたくなる、付き合ったら幸せにしたくなる」

    提督 「一発出したらどうでもよくなる生物なんだよ」

    加賀 「一発どころじゃなさそうだけど何の積もりよ」

    提督 「三,四発か、入り口は狭いが名器だな朝潮は」

    加賀 「感想なんて聞いてないわ」

    提督 「最後は気をやってたから勝手にやった」

    加賀 「だから感想なんて。って朝潮もよくあなたを殺さなかったわね」

    提督 「そういう約束だった」

    加賀 「約束?」

    提督 「朝潮が30分言うこと聞いたら荒潮を第一艦隊から外すってな」

    加賀 「ふ~ん、本気?」

    提督 「一応な」

    加賀 「で、朝潮は何分で気をやったの?」

    提督 「加賀、お前鬼畜だな」

    提督 「30分言うこと聞けなかったから反故にしろって言うのか」

    加賀 「どうせ同じこと考えてたんじゃないかしら」


     提督が笑う。

    266 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:47:53.90 ID:/fPKOeOS0 (+95,+30,-245)

    提督 「お前は本当に好きだよ、全ての相性が最高だ」

    提督 「ここは片付けるから、加賀は朝潮を洗って部屋へ帰してくれ」

    加賀 「何で私が」

    提督 「一つ言うこと聞くからさ」

    加賀 「では」


    加賀 「大和との夜の舟遊びを止めて私としてください」

    提督 「・・・考えさせろ」

    加賀 「コアの出入違い、差分のコアをどこかに流してるんでしょ?」

    提督 「なんのことだ?」

    加賀 「とぼけても無駄よ」

    加賀 「提督が朝潮を襲った日だったわよね、前回の舟遊び」

    加賀 「作戦艇で襲った形跡を調べていたら報告書との差分のコアが載ってたのを見たわ」

    提督 「めったなこというな、朝潮だっているんだぞ」

    加賀 「過度な感情は精神を疲弊させるものよ、それが快感でもね」

    加賀 「明日まで目も覚まさないわよ」

    267 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:49:44.99 ID:/fPKOeOS0 (+95,+30,-193)

    提督 「加賀、何が目的だ?」

    加賀 「金よ」

    加賀 「流しているのはどこかしら?」

    加賀 「国土奪還作戦が行われている無政府地帯の非政府組織?暴力団?禁足地域の不法住民?」

    加賀 「どこでもいいわ、お金になるでしょうね」

    提督 「ふふっ、金か。いいだろう。前向きに考えておいてやる」

    加賀 「そうして頂戴」

    加賀 「でないとくさい飯を一生食べることになるわ」

    提督 「憲兵に突き出す気か」

    加賀 「そうよ、次の舟遊びは周期を鑑みるにそろそろのはずよね」

    提督 (そこまで・・・)

    加賀 「お願いね、提督殿」


     加賀は備え付けの毛布に朝潮をくるむ。

     完全に見えないようにくるむとそれを抱え朝潮の衣服も持って出て行った。


    提督 「さて・・・」


    ―――――
    ―――


    268 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:51:36.90 ID:/fPKOeOS0 (+95,+30,-307)


    ~大和の部屋~

     同型の武蔵が轟沈し二人部屋に大和が一人で暮らす。


     「いらっしゃい提督」

    提督 「明後日の舟遊び加賀で行く」

     「私の何が不満なんですか?」

    提督 「黙れ」

    提督 「前から調整するよう言ったのにできなかったのが悪い」

    提督 「おれが言った通り加賀に変に勘ぐられてるんだ、諦めろ」

     「コアの改ざんが杜撰だったからでしょ、私の責任じゃない」

    提督 「どっちにしろ加賀は少しストーカー体質だし疑われてたよ」

     「そういう子が好きじゃないのに今回はやけにご執心ですね」

    提督 「お前と違って強いからな」

     「私だって強いです、加賀が異常に強いだけで」

    提督 「そうだな。お前は加賀より弱い」

     「そんな言い方ないでしょ、加賀が来るまで私に頼っていたくせに」

    提督 「そんなこともあったな」

     「私のほうが加賀より役に立ちます、艦娘の子から人望もありますし」

    提督 「お前がそうやっていい顔するから、対加賀で変に派閥ができそうになってるだろ」

    提督 「そういうのは鎮守府が混乱する元になるからすぐ止めろ」

     「そんな・・・」


     提督はこの部屋に入ってから一度も大和と目を合わせていない。

    269 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 00:53:00.99 ID:/fPKOeOS0 (+95,+30,-144)

     「そうだ、私じゃなく加賀だったら有利に取引ができるとでもお考えなんでしょ?」

    提督 「そうかもな」ハァ

     「ちゃんと聞いてください!!」

     「加賀がいなくなればいいんですか?」

    提督 「あぁ?!何する積もりか知らんが止めろ、憲兵が動くぞ」

     「だったら!!」

    提督 「この話は終わりだ」

     「あれだけ尽くしてきたのに捨てる積もりですか!!」

    提督 「知るか、お前のためでもあっただろ」

     「憲兵に通報しますよ」

    提督 「破滅したいなら一人で自殺しろ、巻き込むな」


     提督はうんざりした顔で足早に部屋を出ると思いっきりドアを締めた。


    ―――――
    ―――


    270 : ◆oUFoaE - 2015/03/12(木) 00:53:53.36 ID:/fPKOeOS0 (+81,+21,-4)
    本日投下分終了です。
    ご読了ありがとうございました。
    271 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 01:06:11.27 ID:qUPKp7cuO (+21,+29,-8)
    何だろう、俺この提督嫌いじゃない
    272 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 02:04:06.18 ID:8TGgPLq6O (+26,+30,-22)
    ふぅ…俺得で最高だったわ
    朝潮ちゃん可愛い過ぎペロペロしたい
    273 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 10:28:37.41 ID:9jBq6aRKo (+26,+29,-17)
    僕は嫌いだよ
    ここまで一切の轟沈なしでやってきてるから尚更に
    とはいえ舞鎮の新参だけどね
    274 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 10:54:31.98 ID:TioxSAjPo (+14,+28,-1)
    お、おう
    275 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 11:46:04.02 ID:+aBUm2K5O (+26,+29,-22)
    このゴミクズ提督はちゃんと部様にくたばるんだろうな?
    276 : 以下、名無しにか - 2015/03/12(木) 11:48:33.73 ID:W371+WdNO (+26,+30,-16)
    何言ってんだよ可愛い朝潮ちゃんと結ばれるに決まってるだろ
    277 : ◆oUFoaE - 2015/03/14(土) 12:50:00.72 ID:cjShbfz/0 (+34,+30,+0)
    >>254
    お米ありがとうございます。
    最後まで体位変換表を作ったものの、話の都合上長くするとだれるので短めになりました。

    >>271
    お米ありがとうございます。
    ヘイトをためようと提督の腐った性根を一部文章化したものの、
    人間は対象の根っこが見えるとそれが悪性でも安堵や親近感を感じる性質があるので
    見えないままどすぐろいままの方が良かったかなと反省。
    少女の援助交際の9割が友人からの同調圧力なのは有名なので、
    最初の案では提督が荒潮に命じて朝潮を誘わせて性交渉する流れがありました。
    この方が邪悪さが引き立ったかな、どうでしょう。

    >>272
    お米ありがとうございます。
    割とこういう朝潮すきすきなお米が嬉しかったりします。
    一緒に時報実装を祈りましょう。

    >>273
    お米ありがとうございます。
    273様が思うより轟沈を意図的に行う提督は多いです。
    バイト艦の轟沈はありとかバシー轟沈クルーズとか。
    本作でも触れてますが効率だけなら轟沈させた方が資源を多くもらえるので良いです。
    遊び方はそれぞれなんで文句を言いませんが、
    轟沈を悲しめるほど入れ込んだ方が艦これを楽しめると私は思っています。
    273様にはそのまま清くいて欲しいと願ってます。
    皆様の鎮守府に轟沈がありませんように。

    >>274
    おっそ~い

    >>275
    お米ありがとうございます。
    3/3は朝潮が史実で轟沈した日でした。
    供養がてら一緒に菱餅を掘ってました。
    一個も出ないので元々あった菱餅を一緒に食べると中からネジが出てきて歯が欠けました。

    >>276
    お米ありがとうございます。
    朝潮を可愛いって褒めると、うつむきがちになり。
    顔は少しあかくなっているようでそれを覗き込もうとすると顔を隠そうとだきついてくる。
    そんな朝潮を優しくなでてやりたい。
    278 : 以下、名無しにか - 2015/03/14(土) 16:02:55.31 ID:RQ/qUwjtO (+27,+30,-28)
    朝潮ちゃんに対する愛が伝わってきて良いね
    じゃんじゃん濡れ場を挟んでくれると俺が喜ぶからはよはよ
    279 : 以下、名無しにか - 2015/03/14(土) 17:06:58.65 ID:Z6etInoio (+27,+29,-8)
    ちょっと愛が歪み過ぎじゃないですかね…
    280 : 以下、名無しにか - 2015/03/14(土) 19:01:46.77 ID:B/gEwa200 (+27,+29,-13)
    轟沈回収策はほぼ廃れてるよ。イベント海域出撃に勝率が関わり始めてるから
    281 : 以下、名無しにか - 2015/03/15(日) 16:05:25.75 ID:NA3kyKMv0 (+27,+29,-8)
    キラ付け随伴轟沈回収のことじゃないのか?
    282 : 以下、名無しにか - 2015/03/26(木) 20:55:14.51 ID:Oh6j+VSjo (+22,+29,-7)
    まだかよ風邪引いちまうよ
    283 : 以下、名無しにか - 2015/03/27(金) 10:03:48.41 ID:GkQjEGxc0 (+22,+29,-3)
    なんで脱いでるんだよwwwwww
    284 : 以下、名無しにか - 2015/03/27(金) 12:17:58.68 ID:2tPkQ6/kO (+20,+30,-31)
    そりゃこんなエロい朝潮ちゃん見せられて脱がなかったら男じゃねえよな
    無知ックス最高だわもっと夜戦描写をはよはよはよはよ
    285 : 以下、名無しにか - 2015/04/07(火) 19:58:13.44 ID:zceToRQMo (-24,-11,-1)
    マダー
    286 : ◆oUFoaE - 2015/04/07(火) 23:36:11.98 ID:5AEcKLjc0 (+12,+27,-1)
    投下再開します
    287 : ◆oUFoaE - 2015/04/07(火) 23:39:15.36 ID:5AEcKLjc0 (+95,+30,+0)


     開戦の混乱で誰もを少なからず襲った不幸は姉妹には重すぎた。

     その時は朝潮も姉も非力な少女でしかなかった。


     母親は家で朝潮を庇って目の前でヲ級に殺された


     大きい触手が貫いた体は穴だらけというよりぼろ雑巾のように千切れ千切れで

     千切れた部分からはほつれた糸のように内臓が垂れ下がっていた

     痛みを感じずに逝ったと思う

     体から飛び散った鮮血は小さい朝潮を真っ赤に染めるのには十分で

     あの全身を這う生ぬるい液体の感触を今も鮮明に思い出せる

     目の前の惨劇に朝潮は逃げたり抵抗もできたのだろうけど

     脳は恐怖で一杯になり思考はできず体は一切動かない

     これは横にいた姉も同じだった

     ヲ級は私達の状態を知ってか知らずか

     壁にはりつけにしていた母親だったものを触手から外そうとゆっくり振り回す


     いつもの夢の景色だ


     死んでいるはずの母親だったそれが壁に当たった時に

     肺が潰れたせいか「あ゛あ゛あ゛」と声にならないうめきを発し

     それで意識を取り戻した姉に引き摺られて朝潮は家から脱出するのだ

     そこで目が覚める


     今日の夢では壁に打ち付けられた母親だったものは呻き声を出さなかった

     振り回され打ち付けられたそれは無言で壁をずるずるとゆっくり床へ落ちた

     いつもと違うことに驚いた朝潮が視線を周囲へ配ると

     ヲ級と姉と母親、血まみれの三人全員が顔をぎゅるりと朝潮に向けて言う


     「お前には誰も救えない」



    ―――――
    ―――


    288 : 以下、名無しにか - 2015/04/07(火) 23:41:15.05 ID:5AEcKLjc0 (+95,+30,-195)


    ~朝潮と荒潮の部屋~


     その日の朝、朝潮の体調は最悪だった。


    荒潮 「朝潮ちゃん大丈夫?」

    朝潮 「えぇ・・・」


     ベッドに座った顔の青い朝潮の背中を横に座る荒潮がさすっている。


     朝潮はあれから意識を失ったまま体を加賀に洗われ自室に投げ込まれていた。

     脱水症状に加えて媚薬の副作用で生理痛のよう腹部への鈍痛も朝潮を襲っていた。

     ピルにしろ間接的に生物の生死に関わる強力な薬物が安全なわけがなかった。

     あの媚薬も効果と副作用が強く少女への使用は元来禁止されている。


    荒潮 「加賀さんが執務室で寝てたから連れてきたとか言ってけど」

    朝潮 「あっ・・・そうなのよ、ふ、ふふ、ふふふふ」

    荒潮 「?」


     昨日のことを思い出すと今更ながら荒潮を第一艦隊から解放できる嬉しさが朝潮にこみ上げた。

    289 : 以下、名無しにか - 2015/04/07(火) 23:41:15.08 ID:zceToRQMo (+22,+29,-16)
    ついに来たか待ち望んでたぞ
    290 : 以下、名無しにか - 2015/04/07(火) 23:43:38.87 ID:5AEcKLjc0 (+88,+30,-149)

    朝潮 (荒潮を守れた)

    荒潮 「一つ聞いてもいい?」

    朝潮 「何?」

    荒潮 「司令官と何でやったの?」

    朝潮 「ん?執務を?」

    荒潮 「脅されたの?」

    朝潮 「何を言ってるの?」

    荒潮 「・・・司令官とセックスしたのね」

    朝潮 「・・・」


     荒潮の言葉が重く朝潮にのしかかる。

     朝潮はこの鎮守府で荒潮に初めての嘘を付く。


    朝潮 「してない!!」

    朝潮 「証拠もないのに変なこと言わないで!」

    荒潮 「あなたの態度とにおいでわかるわ」

    朝潮 「執務室がくさいからじゃ

    荒潮 「嘘を言わないで正直に言って・・・何で今回は逃げなかったの?」

    朝潮 「・・・」

    荒潮 「朝潮ちゃん・・・」


     さっきまで優しい目をしていた荒潮が悲しそうな目で朝潮を見つめていた。

    291 : 以下、名無しにか - 2015/04/07(火) 23:46:21.99 ID:5AEcKLjc0 (+95,+30,-286)

    朝潮 「この話はおしまい、旗艦だから早めに執務室に行かないと」

    荒潮 「朝潮ちゃん、言って」

    朝潮 「やってないわ」

    荒潮 「嘘、朝潮ちゃんは嘘付くの下手なんだから」

    朝潮 「わかった風なこと言わないで!!!」

    荒潮 「・・・」

    荒潮 「そうよ、わからない」

    荒潮 「だから・・・話してよ!!」

    朝潮 「私はあなたの妹や弟じゃないの!放っておいてよ!!!」

    荒潮 「満潮ちゃんの時のような後悔はしたくないの・・・話してよ・・・」

    朝潮 「・・・行くから」

    荒潮 「お願い・・・」


     ふらつく体を何とか立たせて着がえる。

     弱り鈍った頭は言い訳も気の効いた言葉も朝潮に教えてくれない。


     今日が初めての第一艦隊旗艦ということも朝潮を焦らせていた。

     朝潮にそれ以上荒潮を省みる余裕はない。


    荒潮 「私が朝潮ちゃんと旗艦を代わってもいいって言ってたと提督に伝えて」

    朝潮 「・・・」

    荒潮 「きっとよ」


     朝潮の背中に向けた荒潮の言葉は、ドアの締まる音に跳ね返った。


    ―――――
    ―――

    292 : 以下、名無しにか - 2015/04/07(火) 23:48:38.86 ID:5AEcKLjc0 (+108,+30,-247)


    ~執務室~


    提督 「加賀」

    加賀 「なんですか?」

    提督 「明日の舟遊びなんだが、大和と一緒でいいか?」


     提督が出した妥協案だ。

     加賀はあからさまに苦い顔をする。


    加賀 「構いませんけど、そんなことすれば怪しまれると思うけど」


     狭い鎮守府だ。

     提督を取り合う二人が提督と舟遊びしてれば格好の噂のたねだろう。


    コンコンコン


    朝潮 「朝潮です」

    提督 「入れ」


    ガチャ


    朝潮 「おはようございます」

    提督 加賀 「おはよう」

    加賀 「朝潮、体調が悪そうね」

    朝潮 「大丈夫です」

    加賀 「荒潮と旗艦の日を交換したら?」

    提督 「いや、もう決めているからこのままで行く」

    加賀 「体調が悪いと同調が乱れるわよ」

    提督 「加賀、心配性だな」

    加賀 「旗艦の朝潮が轟沈すれば提督も指揮作戦艇と一緒に沈むのよ」

    提督 「心配するな」

    加賀「?」


     提督の顔に不安な様子は豪とも感じられなかった。


    ―――――
    ―――

    293 : ◆oUFoaE - 2015/04/07(火) 23:50:42.24 ID:5AEcKLjc0 (+103,+29,-18)
    誤字修正
    >>292
    を、次のレスと入れ替えお願いします。
    294 : 以下、名無しにか - 2015/04/07(火) 23:51:55.13 ID:5AEcKLjc0 (+95,+30,-244)

    ~執務室~


    提督 「加賀」

    加賀 「なんですか?」

    提督 「明日の舟遊びなんだが、大和と一緒でいいか?」


     提督が出した妥協案だ。

     加賀はあからさまに苦い顔をする。


    加賀 「構いませんけど、そんなことすれば怪しまれると思うけど」


     狭い鎮守府だ。

     提督を取り合う二人が提督と舟遊びしてれば格好の噂のたねだろう。


    コンコンコン


    朝潮 「朝潮です」

    提督 「入れ」


    ガチャ



    朝潮 「おはようございます」

    提督 加賀 「おはよう」

    加賀 「朝潮、体調が悪そうね」

    朝潮 「大丈夫です」

    加賀 「荒潮と旗艦の日を交換したら?」

    提督 「いや、もう決めているからこのままで行く」

    加賀 「体調が悪いと同調が乱れるわよ」

    提督 「加賀、心配性だな」

    加賀 「旗艦の朝潮が轟沈すれば提督も指揮作戦艇と一緒に沈むのよ」

    提督 「心配するな」

    加賀「?」


     提督の顔に不安な様子は毫とも感じられない。


    ―――――
    ―――
    295 : 以下、名無しにか - 2015/04/07(火) 23:54:52.71 ID:5AEcKLjc0 (+95,+30,+0)

    ~作戦海域~


     空はくもり薄暗く風は強く海は荒れていた。

     いつも忙しそうに船の周りを旋回するウミネコは、

     上空で更に強いであろう風に乗り灰色の空に静止しているように見えた。


     敵艦隊群の情報説明と作戦の指示が終わり、

     いつでも動けるよう艦娘たちは甲板で待機する。

     加賀と提督、ビスマルクとプリンツオイゲン、朝潮と荒潮がそれぞれ体を寄せ合い時間を消費する。

     一人話し相手のいない羽黒がおろおろしている。


    荒潮 「また同じ敵艦隊群だそうね~」

    朝潮 「そうね」


     言い換えれば小中破から轟沈させる深海棲艦がいるということだ。


    荒潮 「朝潮ちゃん、旗艦は代わらないで良かったの?」

    朝潮 「えぇ」

    荒潮 「上の空、昨日と逆ね」ウフフ


     朝潮は脳内で旗艦の予行をする、何度も。

     遅れて荒潮の言葉に気付いた朝潮は何となく思いついた言葉を放つ。


    朝潮 「荒潮は大丈夫?」

    荒潮 「大丈夫よ~」


     荒潮の顔も恐怖からか白かった。目元にはくまもある。


    朝潮 「強がり・・・」

    荒潮 「朝潮ちゃんも私のことわかってきたじゃない」ウフフ

    朝潮 「朝はごめんなさい」

    荒潮 「なんで~?」

    朝潮 「酷い言い方して」

    荒潮 「そんなこといいわよ」

    朝潮 「心配させたかもしれないけど・・・大丈夫だから」


     今日は嘘をついてばかりだ。

    296 : 以下、名無しにか - 2015/04/07(火) 23:56:39.90 ID:5AEcKLjc0 (+95,+30,-250)

    荒潮 「そう・・・」

    荒潮 「朝潮ちゃん」

    朝潮 「何?」

    荒潮 「私はもし朝潮ちゃんに悲しいことがあったら抱え込まず話して欲しい」

    荒潮 「私にも背負わせて欲しいと思ってるの」

    荒潮 「私の話を逃げないで聞いてくれた朝潮ちゃんだから」

    朝潮 「・・・」

    荒潮 「けど、朝潮ちゃんは私に話さない」

    荒潮 「私って信頼できない?」

    朝潮 「そんなこと!な


    提督 「敵が近い、陣形に散れ」


    荒潮 「行くね、朝潮ちゃん」


     それぞれの艦娘が持ち場へ向かう。

     朝潮は旗艦なので指揮作戦艇を自身の防御壁で一緒に守らねばならない。

     着水すると波は朝潮の想像より高かった。

     小さい朝潮では時々視界が波でふさがるかというくらい大きい。

     同じような体躯の荒潮が持ち場へ進んでゆく背中が見えたり消えたりした。

     波しぶきがまとわりつく。

    297 : 以下、名無しにか - 2015/04/08(水) 00:00:57.09 ID:RU+YjABt0 (+35,+30,-245)

    朝潮 「司令官、今いいですか?」

    提督 「なんだ?」


     朝潮と並走する指揮作戦艇の欄干にもたれつつ提督が受ける。


    提督 「手短にな、敵が近い」

    朝潮 「司令官は怖くないんですか?」

    提督 「深海棲艦が、か?」

    朝潮 「はい」

    提督 「狩人が獲物を怖がるか」

    提督 「その様子だと朝潮は怖いようだな」

    朝潮 「怖いです」

    提督 「それは失うものがあるからだ」

    朝潮 「提督はないんですか?」

    提督 「あると言えばある、ないと言えばない」

    朝潮 「どういうことでしょうか」

    提督 「おれの失うものは深海棲艦によって奪われるものじゃないからな」

    朝潮 「?」

    提督 「きたぞ」

    提督 「総員戦闘準備、複縦陣」


     提督の言葉を受け朝潮は艤装を通じ艦隊の全員に戦闘準備を伝える。

     視認できた敵艦隊は、前回と全く同じ編成だ。

     こちらの編成も艦種で言えば全く同じで、戦艦1重巡2空母1駆逐2となっている。

     しかし、艦種は同じでも朝潮・荒潮・ビスマルク・プリンツ・羽黒・加賀と艦娘は変わっている。

    298 : 以下、名無しにか - 2015/04/08(水) 00:03:48.91 ID:RU+YjABt0 (+35,+30,-145)

    提督 「敵艦隊群中央のボス艦隊までは、敵艦隊の展開から見て多くて二戦、少なくて三戦だ」

    提督 「この波と風じゃ命中はお互い期待できん」

    提督 「一戦目は体に風と波の影響を覚えさせるように各員に伝えろ」


     朝潮は提督の言った内容を艦隊に通信する。

     強く念じれば艤装から勝手に通信が行われた。

     了解の反応を5つ確認する。


    提督 「後、加賀には他艦が砲撃に集中できるよう攻撃より制空権争いに注力するように」

    朝潮 「了解しました」


     朝潮の遠目に頷きつつ矢筒から矢を取る加賀が見える。



    ―――――
    ―――

    299 : 以下、名無しにか - 2015/04/08(水) 00:06:02.82 ID:RU+YjABt0 (+35,+30,-278)


     一戦目は終ってみれば天候に比べ戦況が荒れることはなかった。

     天候を除けば昨日と殆ど同じ条件にも関わらず、だ。

     砲撃は波の揺れと強風で双方当たらず、

     艦隊同士が接近しての雷撃は双方大きい弧を描き外れた。


    朝潮 「夜戦はどうされますか?」

    提督 「しない、戦闘海域から速やかに離脱しろ」

    朝潮 「了解です」

    提督 「加賀が旗艦の縛りがないお陰で生き生きとしてるな」

    朝潮 「その前衛の加賀さんから司令官に通信が」

    提督 「なんだ?」

    朝潮 「戦艦タ級フラグシップが昨日の強かった個体と違うらしい・・・と」

    朝潮 「あと、状態のいい深海棲艦のコアがあったので指揮作戦艇進路上に流すと」

    提督 「おぉ、幸先いいな」

    朝潮 「司令官!」

    提督 「なんだ?」

    朝潮 「艦隊が見えないので、指揮作戦艇に登っていいですか」

    提督 「損傷のチェックか、いいぞ」

    提督 「まだ全員小破未満だ」

    300 : 以下、名無しにか - 2015/04/08(水) 00:08:14.96 ID:RU+YjABt0 (+35,+30,-271)

     旗艦になった朝潮は艦隊の損傷確認を除いても出撃中にやることがまだ沢山あった。

     艦隊への命令伝達、指揮作戦艇の護衛、コアや深海棲艦の投棄資材の積み込み、などだ。


    提督 「よく物怖じせずにできているな」

    朝潮 「何がですか」

    提督 「旗艦の仕事だ」

    朝潮 「加賀さんや司令官を見てましたから」


     荒潮ほど心情を察することはできなくても朝潮も孤児院出なんだなと提督は再確認する。

     話しながら甲板を精一杯ちょろちょろ動く朝潮を提督は眺める。

     あれだけのことをされれば朝潮が今日は安定しないかと提督は思っていた。

     結果として戦闘に入れば影響はなく初めての旗艦も難なくこなしている。


     実際の朝潮の内情は戦闘に注力する以外の精神的余裕がないだけだ。

     その追い詰められた余裕のなさが集中に、いい結果に繋がっている。

     昨日覚えた表を頭の中で思い出しつつ損傷を確認する。

     提督の言うとおり全員の制服に損傷どころか汚れさえない。

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