元スレ女「人様のお墓に立ちションですか」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
1 :
男「アルコールで自分を慰めるような友人だったんだ。ビールが三度の飯よりも好きでさ」
男「"ビールのつまみにビールを飲みたい"そんなことを口癖のようにいつもつぶやいていたよ」
男「こいつの命日になると、俺は毎年ビールを奢ることにしているんだ。未成年だけど、死後にお酒を飲んだって法律違反じゃないだろ?」
男「こうやって、夜闇の中だと君の位置からはよく見えないかもしれないけど、俺は彼に」
女「小便ですよね?」
男「ん?」
女「かけてるの小便ですよね?」
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2 = 1 :
女「なんかいい話を咄嗟に創作して誤魔化そうとしてるんだと思いますけど」
女「墓標に立ちションしてますよね?」
男「ふ、不謹慎な!」
女「不謹慎で不衛生ですね」
男「そんなに離れた位置から断言するのか」
女「確かにこんな真夜中だと視覚はあまり働きませんが」
男「においは暗闇でも伝わってきますし」
男「今臭いで判別したと言ったのか?」
女「そ、そうですけど」
3 = 1 :
男「君は自分以外の人間の小便の臭いを嗅いだことはあるのか」
女「あるわけないじゃないですか」
男「なのにどうして小便の臭いだと判別できたんだ」
女「あの、何を言いたいのでしょうか…」
男「僕の小便の臭いと、君の小便の臭いが同じだと言いたいわけなんだな?」
女「!?」
男「つまり、こういうわけだ」
男「”私は、私が生まれてから垂れ流してきた汚水の臭いと一致する臭いを、あなたに見出しました”」
男「おそろいだというわけか」ニヤリ…
女「き、気持ち悪い!!」
4 = 1 :
女「そもそも、手にビール瓶も缶も持ってないじゃないですか!ここからでもそれくらいわかりますよ」
男「じゃあ何を持っていると思ったんだ」
女「えっ?」
男「臭いだけが判断材料ではなかったということだろう?」
男「君は僕の手にしている何かを見て、私が墓標にかけた液体がビールではなくて小便だと主張するのなら、私が手に持っていたものは何だと思ったんだ?」
女「べ、べつにここからじゃ、遠いですし…」
男「何だと言うんだ?」
女「月明かりくらいしかないから暗いですし…」
男「さぁ、答えよ!私が今持ってるこれは!」
女「えっ!今も持ってるんですか!」
男「さぁ!!さぁ!!!」
女「と、とにかくビール瓶はここから見えないほどそんなに小さくありません!!」
男「 」
6 = 1 :
男「 」
女「まだ持ってるならしまってください」
男「 」
女「先にセクハラしてきたそっちが悪いんですからね」
男「 」
女「というか、墓標に小便してたあなたがわるいんですよ」
男「 」
女「自分が何をしたかわかってます?どれだけ心の闇抱えてるんですか」
男「 」
女「私が通報してないだけありがたいことだとおもってください」
女「今のあなたを見て、あなたの全てが異常だとは思いません。私だって心が苦しい時に、理性の欠片もないありふれた犯罪をしたこともあります」
女「悪いことををしても心が満たされないということもわかってます。だから、今のあなたが異常な人でも、昨日と明日は友人の前で笑い笑わせてる関係であると言われても信じます」
女「あなたの気持ちも少しはわかります。だから今日はもう帰って……」
男「立ちション趣味あるんですか!?えっ!?えっ!?」
女「どんだけ食いつきいいんですか気持ち悪い!!心のはなしです!!」
7 = 1 :
男「それにしても、惜しいな。今日がスーパームーンだったら、もっと明るかった。君も私に生まれつきついているビール瓶の大きさにさぞ驚いていたと思う」
女「何を今更見栄張ってるんですか。というか認めましたね。見栄をはるためにわかりづらい例えを用いながら小便かけてたこと認めましたね」
男「男は狼だというし、狼男は月明かりを見ると狼になるというが、女性は月の日に限って交尾ができないという矛盾についてどう考える?」
女「よくわかりません。言葉の意味はわかりますが、そういうことを日頃から考えているあなたの思考回路が」
男「それをいうなら君だってどうしてわざわざ丑三つ時にこんな墓地で露出プレイをしようとしたんだ。冬にコート一枚では火照りも冷めてしまうだろう」
女「しようとしてません!」
8 = 1 :
女「律儀に会話に付き合っているのが不思議に思えてきました」
男「俺も、凄い怒られるんじゃないかって内心びびってた。立ちションしてないけど」
女「まだ認めないんですか。さっきの友人のエピソードだって全部即興の妄想じゃないですか」
男「あれは本当だ。ただ、本当は小便が好きな友人だったんだ。ただその事実をありのままに女性に伝えるというのは亡き友人に悪いと思って、ビールという文字に置換していただけなんだ」
女「何をめちゃくちゃな。ありのままを告げたらどうなっていたと思いますか」
男「どうなってただと?」
9 = 1 :
男「小便で自分を慰めるような友人だったんだ。小便が三度の飯よりも好きでさ」
男「"小便のつまみに小便を飲みたい"そんなことを口癖のようにいつもつぶやいていたよ」
男「こいつの命日になると、俺は毎年小便をかけることにしているんだ……」
男「って男になんてこと言わすんだ///痴女か!!」
女「小便かけてた部分は本当ですね」
男「だから何を根拠に」
女「その墓標にかかれている名前見てみてください」
10 = 1 :
男「見た」
女「どんな名前でした?」
男「女性の名前だな」
女「男性であることを前提として話していましたよね」
男「そうだったかな。どうだったかな。こうだったかな」
男「というか、そこから名前が見れるなら俺のアレも本当は見てたんじゃないか?」
女「それは見てません!」
男「……」チッ
女「どうして今舌打ちしたんですか。あなたこそ露出狂なんじゃないですか」
11 = 1 :
女「墓標に小便かけるのは犯罪ですよ。もっと後ろめたそうにしたらどうですか」
男「墓標に小便かける精神状態の時点で、もう底なしの状態にいってるのを承知して欲しい。かけてないけど」
女「犯罪者になるほどつらい目にあったから犯罪するのを許してくれってかなりおかしなはなしですよ」
男「むぅ……」
女「かわいくないです。もう見逃してあげますから去ってください」
男「去ったあと警察に通報しませんよね?」
女「こんな時間にお墓に訪れるほど私も世界に失望しているので、世界がどうなろうが知ったこっちゃありません」
12 = 1 :
男「墓標に小便かけるほど俺も世界のこと知ったこっちゃない。かけちゃいないけど」
女「お墓は手始めなんじゃないですか?そのうち無差別小便かけ魔になって逮捕されてしまえばいいんです」
男「そんな発想が……」
女「え、ちょ、本当にやんないでくださいよ」
男「世界に関心がないんじゃなかったのか?」
女「…………」
女「世界に未練たらたらなのを無関心って言い聞かせてごまかしてる乙女心くらい読み取ってほしいです」
男「俺だってそうだよ」
女「…………」
男「俺だって、乙女だよ」
女「えっ、そこが同じなんですか」
13 = 1 :
男「というか、そっちこそ去らないの?」
女「はて」
男「こんな時間にお墓うろついている男がいるだけで怖くない?」
女「大丈夫ですよ。だってこんな時間にお墓にうろついてるんですよ?」
男「ん?」
女「そんなの、幽霊に決まってるじゃないですか」ニヤニヤ
男「えっ?どういうこと?この人怖い」
14 = 1 :
女「触れようにも触れられないんですもん。掴もうが殴ろうが」スタスタ
男「(あれ、俺幽霊だと思われてる?)」
男「(たしかに卓球部の幽霊部員ではあるが)」
男「(A.幽霊だから殴ろうがかまわない)」
男「(B.卓球部員の幽霊部員だから殴ろうがかまわない)」
男「(多分Aの思考回路だろう。Bなら人間として最悪だ。いずれにせよ俺は殴られそうになっている)」
男「というか、普通幽霊であること自体に恐怖を感じないか?幽霊と生者間で暴力が通じる通じないの話の前にさ」
女「何をしても何も起こらないから何をしてもいいって最低の贅沢ですよね」
男「ちょ、うわ、近い近い!怖い」
女「えへへ。何してみようかな」
15 = 1 :
男「落ちつけ!!卓球部員は触れられるし痛覚もある!!」
女「あ、当たり前じゃないですか!何を馬鹿にしたようなこと言ってるんですか!!」
男「気づいてくれたか!!よかった!!さぁその拳を下ろ…」
女「か、身体つきでわかるものなんですかね…でも私途中で部活行かなくなったし…もしかして雰囲気とか…」
男「ん?」
女「べ、別に卓球だっていいじゃないですか!バドミントンをやるだけが女の子の全てじゃないですよ!!」
男「(卓球部員だったのか…しかも幽霊の)」
16 = 1 :
女「あなたみたいな人は目潰しされればいいんです」
男「ちょ、うわ、落ち着け」
女「全国の幽霊卓球部員に謝罪して下さい」
男「身体を180度曲げればいいのかな!っていうか足元!!」
女「足元?幽霊に足がないっていうのはある時期を境に流行り始めた演出なんだそうですよ」
女「幽霊なら蹴ろうが踏もうが……」ビチャッ
男「あっ」
17 = 1 :
男「大丈夫。大丈夫大丈夫」
男「大丈夫だよ」
女「…………」
男「だってそれ、ビールだから。あんたが今踏んでる液体」
女「…………」
男「だってそれ、ビールだと思えば、ビールだから」
女「…………」
男「うん。雨水だって元はくじらや人間のおしっこが蒸発したようなものだしね」
男「まぁ、どっちにしろそれビールだからね。雨水を濾して水にして、麦とか使って発酵させたビールだからね」
男「だから、ビールももとをたどればおしっこみたいなものなんだ。ビールを飲んだ人間が放尿して生まれた雨水によってできたビールだから。うん、よくわかんないね」
女「…………」
男「さっ、そろそろ帰ろうか。丑三つ時ももう過ぎた。昼夜逆転した幽霊部員もお家に帰る時間だよ」
男「ということで、さよなら。ビールを踏んだお嬢さん」
女「ちょっと」
男「おっと?」
18 :
わろす
19 = 1 :
男「いてぇええええええ!!!!」
女「いたぁあいぃいいい!!!!!」
女「ちょっと!!なんで殴れるんですか!!しかも硬い!!」
男「俺ただの幽霊部員だからね!!幽霊部員も頭蓋骨はかたいからね!!まぁあんたも幽霊部員だけど……っていてぇえええ!!!!」
女「馬鹿にしないでださい!!しかもまた痛いです!!」
男「そりゃあお前が殴って来るからな!!右の頬をうたれたら左の頬をさしだすまでもなく、殴った方の拳も痛いからな!!」
女「うぅううう、もう帰ってください!!!」
男「帰ります!!!そちらこそお気をつけて!!」
女「あなたといる以上に危ない目になんてあいません!!」
男「そりゃどうも!!小便踏みつけたお嬢さん!!」
女「ああああっ!!ついに認めました!!!認めてほしくなかった最大の瞬間に認めました!!!」
男「今度はスーパームーンの時にあいましょう!」
女「この変態!!」
20 = 1 :
学校に行かない日は、趣味でもないのに映画を観ていた。
名作と呼ばれる映画のヒーローとヒロインの出会いはどれも最低か最悪だった。
例えば雪の上を裸足で立っているところや、いじめっこに見立てた大樹をナイフで刺しているところを見られる、等。
私と彼の出会いがそれ以上に滑稽だったのは、私はヒロインではなく、彼もヒーローではなかったからなのだろう。
けれど。
救う人のいない世界で、救われない二人が出会ったことは、丑三つ時の墓地に到底似合わぬ明るいはじまりを迎えた。
雨のあとの、虹のように。
次回「そんなにカリカリするなよ。もしかして今日……、スーパームーンの日?」
お互いを救い合おうとした丑三つ時のはなし。
21 :
続きはよ
22 :
なんといい雰囲気なんだろう
23 :
スーパームーンの日wwwwwwwwwwww
24 :
いろいろとひどいww
25 :
こういうの好き
26 :
男「社会人1年目の女性を二日間監禁してさ、パソコンとプロジェクターを使ってプレゼンテーションをしてみたいんだ」
女「おまわりさんこいつです」
男「う、うわ!な、びっくりした!今の独り言聞いてたの!?」
女「今の独り言だったんですか!?」
男「さすがに女性に自分の性癖をぶちまけたりしないよ」
女「なかなか欲求を満たすのが大変な趣味をおもちですね」
27 = 26 :
女「というか、なんでまたいるんですか。こんな真冬の、こんな夜中の、こんな墓地に」
男「今の因数分解したほうがはやいよ。『こんな カギカッコ 真冬の 夜中の 墓地に』」
女「わかりづらいですよ」
男「数字のマジシャンと呼ばれているからな」
女「数学が得意なんですか?」
男「嫌な奴足す嫌な奴、つまり18782足す18782をしてみな」
女「皆殺しってやつですよね。テレビでやってました。というか、知らない人5桁も暗算できないですよ」
男「それでだ、黒色のワンボックスカーに乗って、深夜帰りの新入社員をだな」
女「もう数学の話題終わりなんですか。また性癖の話題に戻るんですか。これ以上下がらないと思ってた高感度が現在進行形で下がり続けています」
男「現在進行形とは話が違うが、enjoyとfinishという単語にかぎってTo不定詞の目的語にはなれず、動名詞ing形しか用いない理由をしっているか」
女「高校入試でよくみかける問題ですね。ただ暗記してました。どういった理由なんですか?」
男「目が覚めると薄暗い部屋の中にいて、手首を鎖でつながれているんだ」
女「またすぐに性癖の話しに戻っちゃっいましたよ。この人5教科の話題に飽きるのはやすぎですよ」
29 = 26 :
男「パニック状態でいると、突然目の前が光る」
男「プロジェクターから映し出されているのはプレゼンテーション資料」
男「そこで俺が足早に女性に近づき参考資料を配る。そして挨拶もそこそこにプレゼンテーションをはじめるんだ」
男「『このインタラクティブなソーシャルで、アトラクティブなパーパスにコミットするワンハンドレッドのハウトゥー』。これがタイトル」
男「このプレゼンの凄いところは、喋る言葉の8割がカタカナ」
男「『1』と大きく数字が描かれたスライドの次にカタカナが書き込まれたスライド。しばらく喋ると「2」と描かれたスライドに変わり、また新たにさっきとは違うカタカナだらけのスライドが現れる」
男「女の子は恐怖を感じながらも勇敢にどういうことなんだと尋ねる」
男「生き生きとした表情でプレゼンしていた俺は、突然鬼の形相になり『質問は質疑応答の時間にお願いします!!』と怒鳴りつける」
男「女の子は"とりあえずよくわかんないけど、100回続くんだな”と悟り脱力する」
女「あなたの話を聞いてる律儀に聞いてる私が脱力しそうです」
30 = 26 :
男「以上で私のプレゼンテーションは終了になります。質問がある方はいらっしゃいますか?」
女「…………」
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女「……えっ、私が言う感じなの?え、じゃあなんて言おう…」
女「このままお家に返してもらえますか?」
男「はい、ポッシブルなディマンドといえるでしょう」
男「そして君は鎖を外してもらい、そのまま走って人が大勢いそうな場所に走っていく」
男「一夜限りの不思議な体験でしたね」
女「あの、あなたは何が満たされたの?」
男「ここまでおかしなことをできるのに、けれど所詮この程度のことしか自分はしないんだなという確認ができたこと」
女「お墓に立ちションした人がよく言えますね」
31 = 26 :
男「ところで、こんばんわ」
女「あ、はい。こんばんわ。えっ。なんですかいきなり」
男「あいさつをし忘れていた。天気の話題も」
女「そこまで王道のコミュニケーションに律儀な人なら2回目に会った人にいきなり自分の性癖を絡めたプレゼンテーションの話なんかしないでください」
男「流れというものがあるだろう。ほら、次に天気の話題」
女「今日も真っ暗ですね。とても寒いですね」
男「もっと明るい話題はないのか」
女「あなたが言ったんでしょう」
男「今日は月が明るいですね」
女「ええ」
男「きれいですねとは言ってないよ?」
女「別に言ってほしくないです」
32 = 26 :
女「今夜も立ちションしにきたんですか?」
男「今夜も立ちション見に来たのか?」
女「見に来てません。私を痴女にしようとするのいい加減やめてください」
男「人にばかり性癖を語らせて、自分だけ話さないのはずるい痴女だと思います」
女「あなた最初独り言語ってたでしょう」
女「私は痴女じゃないからそもそも話して面白いような性癖もありません」
男「話しても退屈なような極普通の性欲しかわかないってことか」
女「そっちの方が生々しいんでやめてもらえます?」
33 = 26 :
男「なんかあるだろう、今流行りのやつ。壁ドンとか、親子丼とか、姉妹丼とか」
女「正答率3分の1です」
女「壁ドンなんてされても怖いだけですよ」
男「じゃあなんでこんなに流行語になってるんだ」
女「好きな人から特別なことをされると嬉しいという気持ちの表れではないでしょうか」
女「世の中にいる女性の大半は、色んな女子から人気の男の子に片想いをしているのでしょう」
女「彼氏ではなくクラスメートという程度のその距離感を保ちつつ、彼氏でもしないような激しい行為をされることが妄想しやすく刺激的でいいんじゃないでしょうか」
男「その理論だと片想いしている男の子から誘拐されて監禁プレゼンされたら昇天するほど喜ぶことになるぞ。やはり俺は正しかったのだ」
女「世の女性の気持ちを簡単に理論づけようとした私が間違っていました」
34 = 26 :
男「墓ドンとかどうかな。墓に押し付けて壁ドン」
女「壁でよくないですかそれ」
男「もう一回遊べるドン。一度壁ドンしたあとに、もう一度壁ドンをする」
女「恐喝しているみたいです」
男「天ドン。ボケながら壁ドンをすることを素早く何度も繰り返す」
女「天丼ってお笑い用語ありましたね。というかそれ恐喝レベルあがってます」
男「テポドン。めちゃめちゃ威力の高い壁ドンをする」
女「もはや政治に関わるのでそのくらいでやめてください」
35 = 26 :
続きはまた明日。おやすみなさい。
37 :
男「よくも真夜中からくだらない雑談に付き合ってくれるものだ」
女「本当ですよ。むしろ昼間なら全くはなしを聞いてないと思います」
男「こんな遅くまで起きてて昼間寝不足にならない?」
女「寝不足だったらこんな遅くまで起きていませんよ」
女「眠いんだったら帰ったらどうですか」
男「あんたはまだ帰らないのか」
女「あなたとは違って、私は用があってここに来たんです」
男「用を足しにきたのか?俺と同じじゃないか」
女「用事があってきたんです。ていうか、あなた用を足しにきてるんですか」
38 = 37 :
男「そうだな。昨日はたまたま近くにあったあのお墓で用を足したからな」
男「今日からは世界への恨みを誰にも咎められずに果たすために、毎日一番端にあるお墓から順番に立ちションしていこうと思う」
女「退屈な道徳観でわるいのですが、お墓参りする人の気持を考えたことあります?」
男「俺だって祖父や祖母の墓参りをしたことはあるさ。あまり話したことはなかったけどな」
女「自分のお母さんが亡くなったとして、お母さんの墓標に立ちションしている人がいたらどう思います?」
男「仮定の話はやめよう。"もしも貧困国の子供に生まれて、日本の大学生が募金もせずに漫画を買ってたらどう思うか"と聞かれたって、募金する気にはなれないだろう?」
男「俺の立ちションは誰にもとめられないのだよ。ふははは!!」
女「警察に通報すれば簡単にとめられますけどね。尿という証拠も残ります」
男「でも通報しないんだろ?」
女「はい。通報もしないし咎めません。あなたの特殊な百度参りが達成できるといいですね」
39 = 37 :
男「じゃあ今からしてくる」
女「いってらっしゃい」
男「あんたは見にこないのか」
女「なんで私が見たがってると思ったのか疑問しかわきません」
男「なぁ、むしろ一緒に立ちションしないか?」
女「いってらっしゃい」
男「なんだよ連れねえなあ。連れションだけに」
40 = 37 :
男「それにしても、なかなかに広い墓地だな」
男「この町で育って今までも何度も見かけたはずなのに、全く意識を向けたことがなかったな」
男「本当、暗いし寒い。民家も少し離れてるし。小学生のときの自分じゃ絶対来れなかっただろうな」
男「いつの間に夜中が怖くなってしまったんだろうな。夜中の不気味さよりも嫌いなものに昼間が囲われてしまったんだろうな」
男「世界が悪いんだ」
男「よし、これかな。名前から察するに、お爺ちゃんの墓だろう」
41 = 37 :
男「誰も見てないよな」
男「チャックをおろして…」ジィー…
男「女はもうどこにいるかすらよくわからんな」
男「わるいな、爺さん。あんたには恨みがないが」
男「ここで、放尿されてもらうよ」
ジャー……
42 = 37 :
女「用は済みましたか?」
男「ああ。最高の気分だった」
女「本当に人の気持を考えないんですね」
男「朝墓参りする人が何事もしらずに済むように、こうして夜中に小便かけてるじゃないか」
女「都合の良い言い訳をまたすぐつくって」
女「放尿される故人は何を考えてると思います?される方の気持ちこそ考えたらどうですか」
男「知るかよ。死後も自分を心配してくれる人がいていいですね、としか思わない」
43 = 37 :
女「ああそうですか」
男「そうだよ。ところで、あんたは用は済んだのか?」
女「あなたに話す義理はないです」
男「いつからこの墓に来てるんだ?」
女「嫌な人が現れる前からは」
男「さっきより一段と機嫌が悪いな」
女「私もう帰りますね」
男「そんなにカリカリするなよ。もしかして今日……、スーパームーンの日?」
44 = 37 :
男「殴りもせず帰りやがった」
男「…………」
男「生理だったらそういえよ」
男「…………」
男「あいつ、いつも何しに来てるんだ」
45 :
男「こんばんは」
女「また来たんですか」
男「百度参りが終わるまでは」
女「そうですか。どうぞご自由に」
男「あんたこそ毎晩何しにきてるんだ」
女「お墓への用事なんて普通1つでしょう。まぁあなたみたいな人を除いては」
男「お墓参り?」
女「正解です。では、今日はこの辺で」
46 = 45 :
男「こんばんは」
女「また来たんですか。本当に100個のお墓に放尿する気ですか?」
男「しちゃ悪いかよ」
女「悪いでしょう」
男「俺は悪いことをしにきてるんだよ」
女「その、響くの恥ずかしくないんですか?あなたの音」
男「俺の何の音だ?心臓?」
女「もう少し下ですよ…」
男「足音?」
女「もう少し上」
男「へそ?」
女「もう少し下」
男「ふともも?」
女「わかってるくせに…」
47 = 45 :
女「それじゃあ私は用があるので」
男「つれねぇなぁ。用があるって同じ墓地だろ」
女「独り言をまた楽しんでいればいいじゃないですか」
男「はいはい。独り言と尿による真夜中のオーケストラを楽しんでおくよ」
女「吹奏楽部の人が聞いたら怒りますよ」
男「幸いここには卓球部しかいないからな」
女「卓球部の人も放尿の音は聞きたくありません」
48 = 45 :
男「なぁ、あんた」
女「こんばんは。また来たんですか」
女「その継続性を人生の早いうちから役に立つことに使っていれば、こうやってお墓に放尿する人生を送らずに済んだのではないでしょうか」
男「大人はみんな勉強しろってうるさいだろ。でもその大人達がある日突然中学生や高校生に戻っても勉強以外の後悔を取り戻そうとすると思う。そういうことだ」
女「なんかかっこいいことおっしゃってますけど、最後は全部あなたの放尿の正当化につながってしまうんですよね」
49 = 45 :
男「今日はもう用事は済んだのか?」
女「いえ、これからです。あなたは?」
男「俺もまだ用を足すという用を達してない」
女「んんーわかりにくい」
男「あんたと会話する前に放尿してはいけない気がしてな。あんたに放尿の許可を取らないといけない気がしてしまう」
女「許可してないですし!なんですかその毎晩の儀式みたいな」
男「俺は今自分の中にある罪悪感と戦っているんだ」
女「それこそ負けるが勝ちですよ。それが本心なんです」
男「本心に逆らって放尿してるのか俺は」
女「人間は複雑ですね」
50 = 45 :
男「あんたも何か隠してないか?」
女「隠すも何もさらけ出そうともしてません。あなたと違って」
男「冬風に自分の分身を晒すのはなかなかいいぞ」
女「心のはなしですからね。ところであなたは私の何を疑っているんでしょう」
男「ふっふっふ。あんた、墓まいりしていないだろう」
女「じゃあ何をしていると?」
男「丑の刻まいりだよ」
女「ほう」
みんなの評価 : ○
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