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元スレ夕立「恋情は見返りを――」提督「求めない」
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>>149
遠征と併用すれば、2万でおつり来るぞ? もちろん自然回復抜きで。
遠征と併用すれば、2万でおつり来るぞ? もちろん自然回復抜きで。
そしてまた、夜は来る。
昨日の朝完走しましたが、やはり難易度によって消費資源は大きく変わるでしょうね。
つづき
昨日の朝完走しましたが、やはり難易度によって消費資源は大きく変わるでしょうね。
つづき
―――
――
―
提督「……」
提督(吹雪の報告と既存資料では資源回収は近海の小島などで行うようだが……)
提督(資源の回収方法自体、ドロップのそれに近い)
提督(資源はおそらく構成されるものであって、発掘されたり精製されるものではない気がする)
提督(なら本当に製油所なんてものは実在するのか……?)
提督(海上輸送も、不可能ではないにせよどの程度の規模で展開しているのか不明だ)
提督(本部からの作戦立案参考資料、それに拾得艦の記述も……)
提督「……」
提督「……もしかして」
提督(しかしまだわからない。機会さえあれば問い詰めてやるか)
―海上―
金剛『こうして海を進むのも久しぶりデスネー』
金剛『今は他ならない私の意志がこの船を動かしていると思うと感激シマース!』
神通『その気持ち、よくわかります』
夕立『……』
響(……)
那珂「みんな、戦艦の金剛さんが入ったからって油断しないでね」
金剛『那珂ちゃんは心配性ネー』
天龍『そろそろ第一目標地点だぜ』
夕立『気合入れていくよー?』
響『やるさ』
金剛「敵艦隊発見!」
那珂「封鎖解除! 各艦攻撃準備!」
金剛「ホ級1隻、ハ級2隻! 発砲準備に移りマス」
提督『各艦に通達。金剛の砲撃後、すぐに追撃出来るように発砲準備。金剛の発砲後、調整し斉射』
提督『那珂と神通と天龍、響と夕立でそれぞれ第二波、第三波と追加攻撃』
金剛「発射準備完了。Fire!!!!」ドカーン!
ズドーン!
金剛「ホ級大破炎上デス」
提督『よし! やれ』
那珂「全艦発射用意……。てぇー!!!」ドドーン!
天龍「おらぁ!!!」ドドーン!
神通「当たってください!」ドドーン!
夕立「夕立たちもいくよー!」ドドーン!
響「無駄だね」ドドーン!
金剛「Well done! ホ級、ハ級2隻の撃沈を確認」
那珂「戦闘終了」
神通「終わりました」
提督『みんなお疲れ。ひどいワンサイドゲームを見たが、素晴らしい動きだったな』
提督『特に金剛が容赦なかった』
金剛「Yes! 私の活躍見てくれた? もっと頑張るから、期待してネ!」
夕立「ほぁー。やっぱり戦艦ってすごーい」
天龍「しっかし、提督はなんで波状攻撃にしたんだ」
提督『まあ敵艦が少なかったし、確実に先手がとれたから、金剛の射撃に合わせて段階的に砲撃した方が
命中率も上がるかと思ってな。事前に準備しておけば反撃される前に攻撃することも出来るし』
天龍「おおー」
提督(尤も、こんな戦術は艦娘でなければ簡単にうまくいったりはしないのだろうが)
提督『とにかく、無事で何より。拾得艦を確認して引き続き防衛を頼む』
一同「了解!」
提督『それから那珂』
那珂「はい?」
提督『……もし。もしも輸送船などを見つけたら、製油や深海棲艦の状況を伺ってほしい』
那珂「? 了解です」
―――
――
―
那珂「あれ……。あれは」
金剛「輸送船……デスカネー」
那珂「これ……コンタクトとるには無線ですか?」
金剛「接近して拡声器を使うのはどうデショウ?」
夕立「なんかそれ、どこかのお国のサンゴ密漁の取り締まりっぽい」アハハ
金剛「なんデスカそれ……」
那珂『こちら、××鎮守府の第一艦隊旗艦那珂』
那珂『製油所からの海上輸送ラインの防衛中。応答お願いします』
輸送船A『こちら輸送船A。只今ボートで伺います。待機をお願いします』
那珂『了解です』
―輸送船上―
輸送船員A「××鎮守府の那珂さんですね」
那珂「はい。現在海上輸送ラインの防衛中です。先程交戦もありました」
那珂「昨今の状況はどうですか?」
輸送船員A「特に目立った動きはないですね」
輸送船員A「こちらも兵装を全く積んでいないわけでもないですけど、やはり艦娘の皆さんがいていただけると助かります」
輸送船員A「ありがとうございます」ペコリ
那珂「いえ、そんな……。顔を上げてください」
輸送船員A「引き続き、防衛をお願いしていいですか?」
那珂「はい、私たちにお任せください!」ニコッ
輸送船員A(神様……)
輸送船員B(女神だ……)
輸送船員C(結婚したい……)
輸送船員D(那珂ちゃんのファンやめて那珂さんのファンになります)
輸送船員D「時に、那珂さん。以前お会いした時と印象が違うようですが」
那珂「え」
輸送船員C「おい!」
那珂「あ、いいですよ。大丈夫です」ニコ
那珂「私、最近着任したばかりで……。まあ鎮守府の方も新しいんですけど」
輸送船員D「なるほど。つかぬことを伺ってしまいました。申し訳ない」
輸送船員B「……」
那珂「以前も別の私と会ったことがあるんですか?」
輸送船員D「はい。その時は、何というか、とても賑やかな娘という印象を抱いたので」
那珂「あはは……。まあそうですよね……」
輸送船員B「……最近、提督さんが新しく着任されたのですか?」
那珂「そうですね。あっ! そうだ」ゴソゴソ
那珂「一応こういう証明カードがあるみたいで。まさか使い道があるとは思いませんでしたけど」
輸送船員B「失礼します」スッ
輸送船員ABC「……」
輸送船員B「なるほど。ありがとうございます」スッ
那珂「いえ」
那珂(あっ)
那珂「それから、製油所ってどんな状況なんですか?」
輸送船員A(!)
輸送船員B「それはちょっと私の口からは何とも……。こちらにも守秘義務がありまして」
那珂「あ、そうなんですか……」
輸送船員B「ですが、実際のところ製油所施設内のことは我々にもよくわからないんですよ」
輸送船員B「お力になれず、申し訳ない」
那珂「そうでしたか……。でも、ありがとうございます」
那珂「ではこちらは引き続き任務にあたります」
輸送船員A「よろしくお願い致します。それから、ささやかですが燃料を少しお分けします」
那珂「ありがとございます!」
輸送船員A「D。那珂さんのお見送りを」
輸送船員D「はっ!」
輸送船員B「……そうか。人事異動があったのか……」
輸送船員C「みんな、やられちゃったんですかね……」
輸送船員A「俺たちが被害に遭う前の交代となると、海軍本部の対応スピードには頭が上がらないな」
輸送船員B「どうやって事後処理したんだろうな?」
輸送船員A「さあな。それより、最後の質問、どう思う?」
輸送船員C「どうって、何がですか?」
輸送船員A「今まであんな質問受けたことないぞ」
輸送船員C「え。いや、何となく気になっただけなんじゃないですか?」
輸送船員B「いいや。多分、その新任の提督に質問するよう言われたんじゃないか」
輸送船員C「それが、どうかしたんですか?」
輸送船員A「その理由が見えなくてな。あの質問の意味が」
輸送船員B「俺たちが製油所施設について知ってることなんて、妖精が出入りしているということくらいのもんだが」
輸送船員B「しかしそんなことを知りたがるあたり、変わってる。少なくとも俺はそんなことを知りたいと思ったことはない」
輸送船員B「タダ者じゃなさそうだ」
輸送船員A「かもな」
輸送船員C「……考えすぎでは?」
今宵はここまで。
天城はビジュアルもよかったけど声聴いてホアーッ!!ってなってた。
そしてレべリングしてたらSSが進まないことに気づいた。
なのでSS優先で頑張ります。
天城はビジュアルもよかったけど声聴いてホアーッ!!ってなってた。
そしてレべリングしてたらSSが進まないことに気づいた。
なのでSS優先で頑張ります。
―――
――
―
―海上―
金剛「……」
金剛「! 敵艦影補足! ル級、チ級、ヘ級、ロ級、ロ級の5隻! 1時方向!」
一同「!」
那珂「……戦艦か。各艦攻撃準備!」
金剛「もう敵索敵範囲内に侵入していマス! 各艦警戒を厳に!」
提督(撃ち合いになるな……)
金剛「撃ちます、Fire!!!!」ズドーン!
金剛「ル級の発砲デス!」
神通「きゃあ!!」ドカーン!
金剛「神通!」
神通「……う、ぐっ。撃ちます!」ドドーン!
金剛「ル級中破。こちらは神通が中破。……続いてへ級が発砲!」
那珂「撃ちます!」ドドーン!
夕立「チ級も発砲!」
響「くっ……やられた」ドカーン!
天龍「チッ。うてぇー!!」
響「……こちら中破。続けて撃つ。てぇー!!」ドドーン!
那珂「こちら被弾! 小破です。ロ級は中破」
夕立「夕立撃つよー!!!」ドドーン!
金剛「ロ級2隻の撃沈を確認。私はあいつを仕留マス」
金剛「一斉射!!」ズドーン!
夕立「ロ級中破……。雷撃戦に移ります。続いてル級大破炎上。沈んでいきます」
天龍「那珂! 夕立! 準備はいいか!?」
夕立「いけるよ!」
那珂「当然!」
天龍「おっしゃあ! 魚雷発射!!」
夕立「へ級の魚雷発射を確認」
夕立「……神通さん以下取舵いっぱい。こちらも旋回して並行に航行することを提案します」
那珂「え? 陣形変えるの?」
夕立「ううん……。でも戦線離脱するならここで複縦にしても……」
那珂「……根拠は?」
提督『……那珂。夕立の意見具申を承諾しろ』
那珂「! はい。各艦旋回!」
夕立「……この方位で航行します」
那珂(! 雷跡が……)
提督(……なるほど)
提督(雷撃可能な艦が1隻なら発射は単純な扇状に……)
提督(よく見ている)
天龍「チ級のみ、撃沈を確認!」
那珂「了解です。このまま一度戦線離脱します」
那珂「夜戦追撃致しますか?」
提督『いや、敵艦隊には充分な打撃を与えた。撤退しろ』
那珂「了解。戦闘終了です」
金剛「やりましたネー!」
天龍「ふぅ……」
那珂「さて、索敵には注意して、帰りましょう」
―――
――
―
―司令室―
那珂「第一艦隊、帰投しました」
提督「ご苦労。お疲れ様」
提督「金剛、それから夕立は素晴らしい働きだった」
金剛「んーThank you 提督! もっと頑張るネー!」
夕立「提督さん、もっと褒めて褒めてー!」
提督「まったく……」ナデナデ
提督「神通と響は入渠。那珂はとりあえずこちらで待機だ」
神通「しばらく修理に専念します、すみません」
響き「行ってくるよ」
ガチャ
提督「さて、本題に入ろうか」
提督「那珂、報告を」
那珂「はい」
那珂「作戦遂行中、輸送船と接触しました」
提督「本当か?」
那珂「はい。燃料を少し分けてもらいました」
那珂「それから深海棲艦による大きな被害は見受けられなかったです」
那珂「ですが、製油所施設に関しては情報を得られませんでした」
提督「というと?」
那珂「守秘義務があるとのことです」
提督「契約先はどこだ?」
那珂「あ……。ごめんなさい。聞きそびれたというか、思いつかなかったです」
提督「まあいい」
那珂「でも、輸送船の搭乗員も製油所のことはよくわからないみたいです」
提督「ふむ。大して情報も持ってないのに守秘義務か。妙な話もあったもんだ」
提督「……ありがとう。参考になった」
那珂「いえ……。お役に立てず、すみません」
提督「では続いて拾得艦だな」
川内「川内、参上。夜戦なら任せておいて!」
那珂「お姉ちゃん! 私、那珂だよ?」
川内「お? おお~? 那珂ちゃん……?」
川内「ここは……?」
提督「私が提督だ。君にはこれからここで共に戦ってもらう」
提督「頼めるか?」
川内「……うん! 任せておいて!」
提督「そして私はデジャブを見たくない。那珂、頼んだぞ」
那珂「はい、了解です」
天龍(那珂は苦労してんなー……)
提督「それから……」
鳳翔「航空母艦、鳳翔です。不束者ですが、よろしくお願い致します」
提督「こちらこそ、よろしく頼む」
提督「これで全員か。とりあえず夕食まで解散」
提督「それと天龍。鳳翔を案内してやってくれ」
天龍「またかい……」
提督「すまんな。私はこれから工廠へ向かう」
―廊下―
夕立「今朝の建造だね」
金剛「提督は戦艦狙いデスネー。妹が来てくれると嬉しいのデスが……」
提督「さあ、どうだろうな……」
―工廠―
長門「私が戦艦長門だ。よろしく頼むぞ。敵戦艦との殴り合いなら任せておけ」
提督(また凄いのが来たな)
提督「私がこの鎮守府の提督だ」
長門「なるほど。まさか私がこのような姿をとるとは」
提督「冷静だな」
長門「まあな。不思議と……。だが今の私なら何でも出来る気がするよ」
提督「それは頼もしい」
長門「うん?」
金剛「おっひさしぶりデース! 金剛デース!」
長門「あ、ああ……。なんだ、その。お前はそんなキャラだったのか……?」
金剛「Boo! キャラとか言うなデース!」
夕立「駆逐艦夕立です。よろしくお願いします」ペコリ
長門「っ!」
長門「ああ。よろしく……」
夕立「?」
提督「さて、長門。まだここのことはわからないだろうから、金剛に案内してもらえ」
金剛「Yes! 鎮守府探険楽しいデスよー? 今度は私が案内する番ネ!」
提督「夕立は……。自由行動にしよう。休むといい」
夕立「やったー!」
長門「あ」
金剛「んー? どうかシマシタかー?」
長門「え、あ、いや、何でもない」
金剛「それじゃあ行ってくるネー!」
夕立「行ってらっしゃーい」
長門(夕立……かわいいな。あの娘に案内してほしかった……)
―司令室―
提督(輸送船、あり。製油所、あり……)
提督(俺の読みははずれていたのか……?)
提督(守秘義務の締結はまず間違いなく海軍本部だろう)
提督(海上輸送がある以上、その資源は本部に送られそこで管理され、)
提督(そして俺たちに配給されることになる)
提督(何より疑問なのは作戦参考資料に、俺たちの作戦前から海上輸送が行なわれていたように書かれている点)
提督(普通は逆だ。まず制海権を奪取し、その上で輸送ラインは確保される)
提督(ということは、ここから導出される可能性はおそらく2つ)
提督(1つは、俺が着任する以前は別の鎮守府の管理海域だったが、それが変更された)
提督(或いは、この鎮守府は新規のものではなく、かつて別の提督が使っていて、俺がそれを引き継ぐことになった)
提督(しかし俺にこの点を説明をしていないということは、他の提督にもしていないということだ)
提督(何を意図して……?)
提督(そして後者の場合、鎮守府だけ残して艦娘は全滅したということが考えづらい、ということ)
提督(艦娘は……)
>>176
畜生、噛んだ。
畜生、噛んだ。
乙
仮定その3
『製油所から海軍本部までの航路は決して襲われず、そのことを海軍本部も承知しているが、何らかの理由でその事実を隠している』
これならば詳しいことを知らない輸送隊にも、守秘義務が発生する可能性がある。
(例:「艦娘の護衛無しでも襲われたことがない」など)
仮定その3
『製油所から海軍本部までの航路は決して襲われず、そのことを海軍本部も承知しているが、何らかの理由でその事実を隠している』
これならば詳しいことを知らない輸送隊にも、守秘義務が発生する可能性がある。
(例:「艦娘の護衛無しでも襲われたことがない」など)
乙
おばかなハスキーみたいなぽいぬもいいけど
シェパードみたいな賢いのもいいな
おばかなハスキーみたいなぽいぬもいいけど
シェパードみたいな賢いのもいいな
そしてまた、夜は来る。
皆さんもうお気づきかと思いますが、このSSはかなりの独自設定・独自解釈を含みます。
でも好きな人には楽しんでいただけるかと。
また、考察は深く突っ込まれるとボロが出るかもしれませんが、
考察出来るようには書いているつもりなので是非お楽しみください。
つづき
皆さんもうお気づきかと思いますが、このSSはかなりの独自設定・独自解釈を含みます。
でも好きな人には楽しんでいただけるかと。
また、考察は深く突っ込まれるとボロが出るかもしれませんが、
考察出来るようには書いているつもりなので是非お楽しみください。
つづき
―――
――
―
―食堂―
提督「食事前だがちょっといいか」
提督「朝礼での報告を忘れていた。実は夕刻に本部から新しく着任する娘がいてな」
提督「自己紹介を」
深雪「深雪だよ。よろしくな!」
一同「よろしくお願いします!」パチパチ
提督「まあ積もる話もあるだろう。あそこの席に座るといい」
深雪「サンキュー司令官!」
提督「それじゃあいただくとするか」
間宮「どうぞ、召し上がれ」ニコッ
吹雪「深雪ちゃん会いたかったよぅ……」シクシク
深雪「おいおい、何泣いてんだよー」ヨシヨシ
那珂「深雪ちゃん……」
深雪「あっ……」
那珂「ごめんなさい……」
深雪「ううん。謝らなくても、大丈夫だって!」
深雪「自分が、悪かったんだ」
那珂「深雪ちゃん……」
深雪「ほらほら! せっかく間宮さんが作ってくれたご飯が冷めちゃうって。食べようぜ!」
睦月「深雪ちゃん、これ、あげる!」
深雪「おー! いいのか? サンキュー!」
睦月「えへへ」
那珂(睦月ちゃん、天使過ぎる)
―――
――
―
鳳翔「ごちそうさまでした」
鳳翔「間宮さん。料理、とてもおいしかったです」
間宮「ありがとうございます。お粗末様でした」ペコリ
鳳翔「あ、あの……。間宮さん」
間宮「はい?」
鳳翔「もしよろしければ、料理を手伝ってもよろしいでしょうか?」
間宮「! 私は大歓迎ですけど……。提督は……」
鳳翔「提督。私、間宮さんのお手伝いをして、料理を習いたいです」
提督「ほう? 私としては特に反対する理由はないな」
提督「作戦遂行に負荷をかけない範囲なら、自由にしてくれてかまわない」
鳳翔「あ、ありがとうございます!」
提督「……ふむ。鳳翔がやりたいと思うなら、やりたいと思ったことを存分にやってみるといい」
提督「鳳翔の料理も楽しみにしているぞ。じゃあ」スタスタ
間宮「よかったですね」ニコッ
鳳翔「はい! これからよろしくお願い致します」ペコリ
間宮「いえ、こちらこそ。手伝っていただけるなんて、とても助かります」
―廊下―
提督「……」スタスタ
提督「ん?」
提督「あれは……響か?」
提督(あんなところで何してるんだ)
響「……」
提督(海を……見てる?)
提督「まだ時間はあるな……」
提督(話しかけてみようか)
―波止場―
提督「隣、いいか」
響「ん。司令官」クルッ
響「いいよ」
スッ
提督「海を、見てたのか」
響「うん。ちょっと夜風にあたりに」
響「この時間は結構好きなんだ」
響「昼から夜に変わる黄昏時。何だか世界が入れ替わるような気がして……」
響「夕暮れよりも暗く、夜よりも明るく」
響「群青色の空はひどく曖昧で」
響「吸い込まれそうになる」
提督「確かに。綺麗な空だ」
響「ここでぼーっとしながら、何かを考えたり、何も考えなかったりしてる」
提督「邪魔したか?」
響「いいや。そんなことないよ」
提督「そうか」
響「うん」
提督「響は、ここでどんなことを考えてるんだ?」
響「んー。色々だね」
響「自分のこと。他の娘のこと。敵のこと。提督のこと。世界のこと。色々」
提督「響には世界はどんなふうに見える?」
響「それはどういう意味だい?」
提督「そうだな……。船の姿をとったとき、世界はどう見える?」
響「なるほど。んー……」
響「普通に見えてるよ」
提督「?」
響「外界を普通に望む分にはヒトの時と変わらない」
響「身体がないから、なんだか幽霊にでもなった気分だね」
響「ただ……」
提督「ただ?」
響「例えば哨戒中なんかは違う」
提督「どう、違うんだ?」
響「うまく説明出来ない……」
響「端的に言ってしまえば、自分の周囲に関しては“すべて”見ることが出来るんだ」
提督「想像出来ないな。それが正しいとすればDMはそれ自体情報が限定されているし」
響「だろうね。でもこう考えてみればいいんじゃないかな」
響「例えば生まれてから右目でしか世界を見ることが出来ないヒトがいたとする」
響「このヒトと、例えば司令官は、一度に手に入れられる周辺情報の大きさに差があるよね」
提督「そうなるな」
響「そういう違いだと思う」
提督「そりゃ説明ざっくりしすぎだろ」
提督「しかしまあ、取得範囲に差があるだけで、取得の仕方と取得する対象が同じならそれだけの差に過ぎない……か」
響「同じであるかどうかはまた別の問題な気もするけど」
提督「それは確かにその通りだ」
提督「見てるものが事実同じだから指示を出し合えるのではなく、指示を出し合えるから結果的に同じだと言えてるだけだ」
提督「でも右目左目なんかより、扉を開けて部屋を見ることと、鍵穴から部屋を覗くことの違いと考えた方がわかりやす いんじゃないか?」
響「そうだね。その発想はなかったよ。さすがは司令官だね」
提督「方位概念に関してはどうだ?」
響「問題ない。司令官だって左を向きながら歩く時に、前がどっちで自分がどちらに進んでいるかわからなくなった、な んてことにはならないはずだよ」
提督「なるほど。左右を身体が定義するように、方位も船体によって正しく認識されるということか」
響「……」コクン
響「でも初めて出撃した時よりも、今の方がずっと多くのことが見えている気がする」
響「見ている範囲は変わらないはずなのに」
提督「視覚情報の処理が向上しているんだろう。視野に入っていることと認識していることは違うことだからな」
提督「船内は?」
響「それもあまり変わらないよ。船内がどうなっているかは触覚的にも視覚的にも把握できる」
響「ちょうど、目を開いていても閉じていても右手の形がわかることと似てる」
響「ただ入渠で整備される時は少しくすぐったくなったりするね」
提督「面白いな。くすぐりは自律神経が集まる人体の急所に有効だと聞いたことがあるが、整備も自身の危険部位を
刺激されているからくすぐったく感じるのかもしれん」
提督「……その時、響はどうしてる?」
響「くすぐったいから逃れようとあれこれしているよ。妖精さんの前ではすべて無駄だけどね」
提督「……ふむ、なるほどね」
提督「さて、私はそろそろ時間だ」スッ
提督「響も、風邪をひかないうちに戻るといい」
響「うん。お疲れ、司令官」
提督「響」
響「なんだい?」
提督「また来てもいいか」
響「うん」
提督「ありがとう」
提督「おやすみ、またな」
響「おやすみなさい」
響「……」
今宵はここまで。
改行キーの入力が消失してしまった!
これはダサい。恥ずかしい。次から気をつけよう……。
次の更新は多分金曜日。
改行キーの入力が消失してしまった!
これはダサい。恥ずかしい。次から気をつけよう……。
次の更新は多分金曜日。
もうクロスチャンネル細かい部分忘れちゃったんだけどクロスチャンネル関係してる?
>>192
実はあまり関係してないです。タイトル詐欺で申し訳ない。
ただその代わりに、あのライターさんの別作品の影響をとても強く受けています。
もうわかる人はわかっている……はず……。
タイトルは彼の作品からセリフを頂戴したかったのですが、
SSのシナリオを鑑みてこのチョイスになりました。なのでタイトルには確かな意味があります。
C†C名セリフ多過ぎなんじゃ。
実はあまり関係してないです。タイトル詐欺で申し訳ない。
ただその代わりに、あのライターさんの別作品の影響をとても強く受けています。
もうわかる人はわかっている……はず……。
タイトルは彼の作品からセリフを頂戴したかったのですが、
SSのシナリオを鑑みてこのチョイスになりました。なのでタイトルには確かな意味があります。
C†C名セリフ多過ぎなんじゃ。
―司令室―
提督「さて」
夕立「提督さん、今日は何するのー?」
提督「お仕事です」
夕立「っもーう! そんなのわかってるよう」プクー
提督「はいはい。じゃあ今日はこの前やったもののおさらい」
提督「プラス、運用計画の参考資料作成だ」
夕立「し、仕事増えたー!」
提督「当然。どんどん増やすからそのつもりでな」
夕立「あいさー……」
提督「この参考資料は言ってみればデータ整理だな。あらゆる数値を整理して可視化する」
提督「私が推移の予測を立てて計画を練るために作る資料だ」
提督「これが出来るようになると次は運用計画書だが、こっちはまだいいだろう」
提督「準備はいいか?」
夕立「うぃっす……」
夕立「……」カタカタカタカタ
提督「……」ペラペラペラペラ
提督「……」チラ
夕立「……」カリカリペラペラ
提督(泣きごと言ってた割には飲み込みが早いな)
提督(そのうち本当に仕事が出来るようになるかも)
夕立「……ん?」チラ
夕立「なーに? 提督さん。余所見してないで仕事してよー」ドヤッ
提督「ほーう? 言うな夕立。なら資源最終決算報告書と任務申請書も頼んだ」
夕立「うわーーーん!! 藪蛇だったっぽい!」
提督「まったく……。そういうセリフは俺より仕事早くなってから言え」
夕立「ぽいー……」
夕立「あら?」
提督「うん?」
夕立「今提督さん、自分のこと“俺”って言ったね」クスッ
提督「え? そうだったか? ……そうかもしれん」
夕立「本当の一人称はそっちなんだね」ニヤニヤ
提督「いいから仕事しろ」ペシッ
夕立「うぐぅ……」
提督「で」
夕立「……すー…………すー…………」
提督「またこれか」
提督「仕事が出来るようになったことはいいことだが……」
―夕立の部屋―
提督「おやすみ」
夕立「……」ギュッ
提督「!?」
夕立「……ぅ……ん…………」
提督「」
提督(おいおい冗談だろう)
提督「おい、夕立、夕立! 起きろ!」ペシペシ
夕立「……うっ……うっ…………」
提督(起きない……。しかも離してくれない)
提督(上着を脱ぐんじゃなかった)
提督(……マジか)
提督(仕方ない……。離してくれるまで身体だけでも休めよう)
―――
――
―
提督「……」
提督(朝だ……)
夕立「…………すぴー……ぐぅぴぃ……」
提督(やってくれたな夕立……)
提督(運動してシャワーでも浴びて、リフレッシュするか)
―――
――
―
―武道場―
提督「はっ! ふっ!」
ガチャ
提督「お?」
長門「提督か? おはよう」
提督「長門……。おはよう。朝早いな」
提督「お前も運動か? 髪、束ねてるし」
長門「まあな。朝身体を動かすと、一日気持ちよく動けると響から聞いてな」
長門「今走ってきたから、クールダウンだ」
提督「そうか」
長門「提督」
提督「うん?」
長門「この身体は、その、普通のヒトとは違うのか?」
長門「呼吸、発汗、心拍、どれも正常に思えるが、しかし運動ではほとんど疲れなかった」
長門「それに見た目以上の強度と筋力があるように思う」
長門「試しに跳躍してみたんだが、凄まじかったぞ」
提督「はは、なるほど。その身体をそんな使い方するなんてな」
長門「おかしかったか?」
提督「いや、艦娘には可能なことなんだろう。気になる奴なら、それこそ長門のように確かめもするんだろうが……」
提督「今までうちに来た娘からそうした報告は挙がらなかったから、少しおかしくてな……」フフッ
長門「……なんだか馬鹿にされている気がするが……」
提督「いやいやいや。まあ確かに長門が朝早くからひとりでそんなことをしていたと思うと愉快ではあるが」クックックッ
長門「くっ……やめてくれ……/// 皆にも言うなよ!?」
提督「言うまい。それに、参考になったこともある」
長門「なんだ?」
提督「いや……なんでもないさ」
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- 勇太「好きなんだ。……付き合ってくれないか」 (999) - [34%] - 2013/7/11 5:45 ★★
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