元スレ男「ヤンデレってなんだ?」
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451 :
早く続きがみたいでーす!
452 :
まだ?
453 :
>>452
黙ってsageとこうか
454 :
――PM7:55――
姉「――それじゃ、『私の』男くんの趣味に付き合ってくれてありがとうね。……えっと、先輩さん?」
先輩「………………」ジッ
姉「まぁ、男くんの先輩ってことらしいし、いつもお世話になってるみたいだから、この写真については見なかったことにしてあげる」
先輩「………………」
姉「――さ、帰ろっか? 男くん」ギュッ
男「う、うん……」
先輩「――……生徒会長」
姉「…………なぁに?」ニコッ
男(せ、先輩……!? な、なにか変な事言わなければいいけど……)オドオド
先輩「……『姉弟』で……いつまでも仲良く……してください」ニッコリ
姉「………………」
先輩「……男くんは……良い子です。……そんな……『血のつながった』弟が居て……羨ましいです」ニコッ
姉「………………」キッ
男(なんだ、よかった……。何を言うのかと思ったけど、これなら姉さんも――)ホッ
姉「………………」
先輩「………………」
男(――あれ……? なんだろう、この気まずい雰囲気……)
姉「――……行くよ、男くん」グイッ
男「えっ? あ、あぁ、わかったよ。そんな引っ張らなくても……」
ガチャ
先輩「……じゃあね、男……」
先輩「――……また、後で……」ニコッ
男「……え?」
――バタン
455 = 102 :
姉「………………」スタスタ
男「ね、姉さん? もう引っ張らなくて大丈夫だから!」
姉「…………なに、男くんはお姉ちゃんと手を繋いでたくないってこと?」
男「い、いや! そういうわけじゃないけどさっ!」
姉「なら、いいでしょ」スタスタ
男「あ、あぁ……うん」
姉「あとね、男くん」
男「ん?」
姉「部活は辞めてもらうから」キッパリ
男「へっ!? い、いやいやいやいや!」
姉「……わかった?」スタスタ
男「わ、わかんないよ!」
姉「いいから辞めるの。男くんは、お姉ちゃんのいうことを聞いてればいいから」グイグイ
男「姉さんッ!」バシッ
姉「――ッ! ……お、男くん……?」ビクッ
男「あ……ごめん……」
男「――で、でも! 俺だって、もう子供じゃない。自分で、考えて動くよ」
姉「ご、ごめんね。お姉ちゃんも……悪かったよ……」
男「ううん、いいよ……」
姉「………………」
男「………………」
姉「……あ、えっと……。あの、先輩って娘は、学校ではどんな感じなの?」
男「あー……。まぁ、おとなしい……かな?」
姉「ふぅん……」
男「……そういえば、先輩……。また後で、ってどういう意味かな……? 聞き間違いかな……」ボソッ
姉「………………っ!」ハッ
姉「男くんっ! 服、全部脱いで。それと携帯。あぁ持ってるもの全部出して!」グワッ
男「えっ」
457 = 102 :
男「ちょ、急にどうしたのっ!?」
姉「いいからっ! 早く!」
男「む、無理に決まってるだろ! こんなところで!」
姉「じゃあ、上着と持ってるものだけでいいから! ……あとは家で処分すれば」ボソッ
男「わ、わかったよ! ……っていっても、財布と携帯ぐらいしか……」
姉「………………」ジッ
姉「……携帯はダメだね」ブンッ
男「えっ?」
ガッシャン
バキッ‼
男「」
姉「財布も捨てるね」ポイッ
男「ちょっ! えっ、えっ!??」オロオロ
姉「お札は抜いたから大丈夫だよ。カードだって、ポイントカードぐらいしか入ってないでしょ?」
男「お、俺が頑張って溜め続けた、ポソタポイントが……。って、それはいいけどっ! 急になにを――」
姉「携帯はお姉ちゃんが新しいの買ってあげる。そうだよ、どうせこれから服も買いに行く予定だったんだし……」
男「い、いやだからっ! どうしてこんなことしたんだって!」
姉「……男くんは、あの家に何時間居たの?」
男「先輩の家に……? えっと……半日ぐらいになるのかな?」
姉「チッ……」
姉「――その間、ずっと起きてた?」
男「いや、そりゃ寝たけど……」
姉「……まさか、あの部屋でじゃないよね?」
男「………………」ダラダラ
姉「……ふぅん……」ギリッ
姉「とりあえず、家に帰るよ。いろいろ、準備しなきゃ……」ブツブツ
男「あ、うん……。――って、あ、あの姉さん! い、妹……とかは……?」
姉「知らない。昨日は帰って来てなかったみたいだけど」シレッ
男「そっか……」ホッ
458 :
乙
見てるよ
459 :
乙
どーなるか気になる
460 :
男(しかし、家に戻るのはいいけど……。危ないことには変わりないんだよな……)
男(どうにか打開策を考えないと……)
男(しかし、なんだか姉さんの元気がないのが気になる……。考え事でもしてるみたいだけど……――)
姉「――ねぇ、男くん」
男「な、なに? どうしたの、姉さん」
姉「お姉ちゃんね……。男くんのことが好きだよ」
男「えっ……? あぁっと…………」
男「…………うん。俺も、姉さんのこと好きだよ」
姉「……ははっ。お姉ちゃん、男くんがそう言ってくれてうれしいな……」
姉「……そうだよね。…………関係なんか、ないよね……」
男「どうしたの、急にそんなこと……」
姉「……血なんて…………」
男「……姉、さん?」
姉「――ううん、なんでもないよー? えへへ、男くん大好きっ!」ギュゥ
男「あ、あはは……」
男(よかった。いつもの姉さんに戻ったみたいだ……)
姉「それじゃっ、早くお家に帰ろっか!」
男「うん、そうだね!」
姉「――よーし! お家に着いたね」
男(……よかった。どうやら、妹は家には居ないみたいだ……)ホッ
姉「それじゃ、男くんはぜーんぶ服着替えてね?」
男「まぁ、わかったよ。よくわからないけど……」
姉「それでね……着替え終わったら、お姉ちゃんの部屋に来てくれる?」
男「え、なんで?」
姉「えへへ、お姉ちゃんが可愛い弟に良いことしてあげるっ!」ニコッ
男「あー……。ま、まぁ、わかったよ……」アハハ…
姉「うんっ! それじゃ、後でねっ?」
461 :
――AM8:45――
トントン
男「――姉さん? とりあえず、着替え終わったけど……」
姉「あ、男くん! 入っていいよー」
男「あ、うん……」
男(そういえば……。前回、姉さんの部屋に入ったのっていつだっただろう……? なんだか、ずいぶん前の事だった気がする)
男「そいじゃ、お邪魔しま――」ガチャ
姉「……男くん? どうしたの、入ってこないの?」
男「え……?」
男「あ、あれ、なんで……――」
男「――ここは、俺の部屋?」
男「そんなっ、部屋は……間違えて、ない、よな……?」
姉「お・と・こ・く・ん?」
男「うわぁ!」ビクッ
姉「ははっ。もぉー、どうしたの……?」ニコニコ
男「ね、ねぇ、姉さん……。この部屋って……?」
姉「えへへー、すごいでしょ? この部屋に居るとね、いつでも男くんを感じられるんだぁー……」ニコニコ
姉「……まぁ、いつもは男くんの部屋に居たいんだけど……。高校生になってから、男くんもたまに怒るようになったし……」シュン
姉「――でもほら、これとか懐かしいでしょ? 男くんが小学生の時まで使ってた机……」
男(……よく見ると、部屋の家具の配置は全く一緒になってるけど、あれは古くなって捨てたものばっかりだ……)
姉「この毛布も。枕も。イスも。クッションもぜーんぶ……ね?」
姉「――でも、足りないの」ニコッ
ガチャリ
男「あ、あれ、なんで鍵なんか……――」
姉「男くんならわかるよね……? この部屋に足りないもの……。そして、お姉ちゃんがいっちばーん、欲しいもの」
姉「――ね? 男くん」ニコッ
463 :
丈足りるのか…
464 :
男「姉さんが欲しいもの……? な、なんだろう、わ、わかんない、なぁ……」
姉「むー、男くんはいつもそうだよねー……」
姉「まぁ、いいけどね。それも含めて男くんだから」
姉「小さい頃から、ずーっと。私だけの男くん……」
男「ね、姉さん……?」
姉「男くんのことを一番見てきたのは私。……妹ちゃんより、お母さんより、私は男くんを見てきたんだから」
姉「だから、男くんは私だけのもの……。男くんには私が居ればいいの」
姉「だって……、だってわたしは男くんの――」
――――『姉弟』で……いつまでも仲良く……してください……
姉「…………っ!」
男「……ね、姉さん? あ、あれだよ、姉さん少し疲れてるんじゃないかなっ? ほら、落ち着いて……?」
姉「お……とこくん……。……そう、そうだよ……」ギュッ
グイッ
ドンッ
男「え……?」
姉「男くん、大好きだよ。大好き。もう……――」
姉「――誰にも渡さない」ニコッ
ガチャリ
ガチャリ
男「あ、あれ、姉さん? なんで……」ガチャガチャ
男(ま、また手錠……。しかも、今度はベッドの足に……。これじゃ、何もできない――)
姉「男くん、私ね……子供が欲しいなーって思うんだぁ」
男「へ、へぇー……。じゃ、じゃあ俺は叔父さんになるのかなー」アハハ…
姉「……わたし、その冗談は好きじゃないなぁ」
姉「――まぁ、いいよ。……今日なら、デキるとおもうから……」ヌギヌギ
男「ね、姉さんッ!?? ま、待ってよ! ま、まさかとは思うけど……。お、俺たち『血が繋がってる』んだよっ!?」
姉「…………っ! ――……だから? だからダメなの?」
男「だ、だって、俺たち『姉弟』だし、こんな――ムグッ!」
姉「…………ごめんね、男くん。お姉ちゃん、バカだからわかんないや」ニコッ
465 :
姉ちゃん頑張れ
早く入れろ
466 :
男「ね、姉さんっ!! 今なら、俺は気にしないからっ! だから――」
姉「……もう、うるさい口だなぁ。……そうだっ、お姉ちゃんのパンツあげる」エイッ
男「はっ!? ちょ、ムグッ――!」
姉「うれしい? そうだよね、男くんはお姉ちゃんのパンツ大好きだもんねー?」
男「んー!!」ブンブン
姉「もう、そんな嘘つかなくてもいいんだよ? 誰もいないんだし……」
姉「それじゃ……男くんの男くんを――」ガシッ
男「ごめん、姉さん」
姉「えっ……?」
ドンッ‼
姉「キャッ……!」ドサッ
姉「あ、あれ、なんで……っ!?」
男「……あのベッド使わなくなったのは、姉さんが手錠をかけた木の部分が、ボロボロだったからなんだ……」
男「それで……。ごめん、ちょっと俺は出かけてくるから」フイッ
姉「ま、待って男くんっ! どこにもいかないで……!」
男「…………ちょっと、出かけるだけだよ。いつか、戻ってくるから」
姉「……だめ、だめだよ……。男くんが居ないと、お姉ちゃん……生きていけないよ……」
男「……ごめん」
ガチャ
姉「待っ――!!」
バタン
姉「………………………………」
姉「…………ふふっ……」
姉「…………男くんのことを一番理解しているのはお姉ちゃんなんだから……」ブツブツ
姉「……そうだよ。だからお姉ちゃんは男くんと一緒に居ないとだめだよね……」ブツブツ
姉「…………あっ、そうだっ。……きっと男くんは周りの娘達に毒されちゃったんだ……」ブツブツ
姉「…………助けないと……。だって私はお姉ちゃんだもん……待っててね男くん……いま助けに行くからね……」ブツブツ
姉「……おとこくん」
467 :
下手な女よりよっぽど良いと思ってしまう俺っておかしいのだろうか
468 :
――AM9:30――
男「――これで……家にも戻れないな……」
男「夢……じゃ、ないんだよな……」
男「……ん、そっか。今日はもう日曜だったなぁ……」
男「……あぁ……まったく……、どうなってんだか……」トボトボ
男「………………」
男「ダメだ……。色々なことがありすぎて、頭が回らない……」
男「…………あっ、そうか。携帯もないんだったな……」
男「財布も……。一応ポケットの中に二千円入ってるけど……コレじゃなぁ……」
男「はぁ………………………………」
男「――よしっ!!」ガバッ
男「まー、うだうだ考えるのは俺には向いてない! うんっ!」
男「――まぁ、いろいろ問題はあるけど、過去に戻れるわけじゃないんだし……」
男「そうだっ! もしかしたら、みんな演技とかで、明日になったら普通に戻ってるかも……っ!」
男「――なら、いいなぁ……」ハァ…
男「……とりあえず、今の状況を整理するか……」
男「…………いや待てよ」
男「それより、俺……普通に歩いてちゃマズいんじゃ……――」
「お・と・こ・くん?」
男「……えっ?」ゾクッ
男(あれ、これすごくやばいんじゃないか……? いや待て、落ち着け。とりあえずどうする、走るか? でも、迂闊に動き回ったら、他の人に――)
「……男君っ! もう、メール送っても返事くれないし……。――って、どうしたの? 顔、青いけど……」
男「――へっ!? ……って、あ……委員長……?」
委員長「そうだけど……。あれ、男君……なにかあったの?」
469 :
もう委員長でいいから守ってもらおうぜまじ怖いぜ
470 :
男「そっか……委員長か……。――いやーごめん、なんでもないんだ」ホッ
委員長「そう……? あまり、なんでもないようには見えないけど……」
男「ははっ、まぁ……ね」ハハ…
委員長「うーん……。少し、心配だな……」
男「……ありがとう、委員長」ニコッ
男「――で、俺にメール送ったんだっけ? いやいや、今日は携帯も失くしちゃってさ……もう……ね」ズーン
委員長「あはは、そうだったんだ。それならしょうがないね」
委員長「……でも、男君? 今日いろいろあったのはわかるけど……、私との約束忘れてないかな?」
男「……あっ…………わ、ワスレテナイヨ」
委員長「あら、そうなんだ。まぁそうだよねー? 副班長である男君が、こんな責任感のない人間なわけないもんねー?」
男「ま、まったくだな。責任感という言葉は、俺のためにあると言っても過言ではないからな!」フンゾリ
委員長「ぷっ……はははっ! なにそれ……ふふっ!」
男「ははっ、あははははっ!」
男「――……あー、なんかありがとな委員長」
委員長「えっ? ……別に、私は何もしてないと思うけど……」
男「ううん。……なんか、やっと日常に戻れた感じがしたよ……」
男「実際のところは、何にも解決なんかしてないんだけどさ。……でも、ちょっと頭がスッキリした」
委員長「……なんだかよくわからないけど、お役に立てたみたいでうれしいな」
委員長「そっか……。……うん、男君」
男「ん、なに?」
委員長「男君、今日のボランティアの事、気にしなくていいからね?」
男「えっ?」
委員長「返信がなかったから、少し心配してたけど……。どうやら、すごく大変みたいだし……」
委員長「――……それに、男君が理由もなく約束を破るような人じゃないっていうのは、私もわかってるつもりだから」ニコッ
男「……委員長」
委員長「それじゃ! また明日学校でね、男君」クルッ
男「あっ……。――ちょ、ちょっと待ってくれ委員長!」
委員長「えっ? どうしたの、男君」
471 :
――AM10:15――
委員長「――でも、本当によかったの? 無理しなくても……」
男「いや、いいんだ。あまり委員長に迷惑もかけたくないしね」
男(それに、ゴミ拾いの場所に居たほうが安全かもしれないし……)
委員長「まぁ、そこまでいうなら……」
男「えっと……場所はこの辺だったっけ?」
委員長「うん。今日の場所は、もうちょっと歩いたところにあるけどね」
男「……今日の場所って……。あれ、次もあるの……?」
委員長「……それはまぁ……ねぇ。……まさか、男君は一回で終わりだと思ってたの??」
男「…………う、うん……」
委員長「はぁ……。――副班長? こういうのはね、継続してこそ意味があるんです」
男「…………まったく、その通りでございます……」
委員長「よろしい。……その辺の話もしたつもりだったんだけどなぁ」
男「うっ……」
委員長「男君が、どれだけ私の話を聞いていなかったかというのがわかるね」ニコッ
男「き、聞いていなかったというか……、あの……聞き漏らしていたというか……。あ、あれかな、委員長と話すのが楽しくて忘れちゃったのかなー……」
委員長「また調子のいいこと言って……。――まぁ、今回はお世辞のうまい男君に免じて、特別に許しちゃいましょう」
男「さっすが委員長っ!」イヨッ‼
委員長「ふっふーん!」エッヘン
委員長「――それに、こうして男君も来てくれたしね」ニコッ
男「ま、まぁ……副班長だしね」テレッ
委員長「ふふっ、そうだね」
委員長「…………でも、本当に助かったよ……」
男「気にしなくていいって! ……しかし、ほかの人はどこに……――?」
委員長「男君が、私の思い通りに動いてくれて」
男「――えっ?」
ガンッ‼
472 :
男「――――っ!!」グラッ
ドサッ
男(頭を……殴られた? 誰に? ……委員長に? なんで……。――というか、いま俺は地面に倒れてるのか? ……頭が……混乱して……)
委員長「あ……ごめんね、男君」
男「……い……いん……ちょう……?」
委員長「うーん、ぶつけるところが少しずれちゃったかなぁ。やっぱり、ぶっつけ本番は難しいね。とはいえ、練習するわけにもいかないし……」ブツブツ
委員長「心配しないで? あとでちゃーんと、私が診てあげるから」ニコッ
男「な……んで……」
委員長「あ、大丈夫だよ? 男君を探している人たちがいっぱいいるのは、私もわかってるから」
男「…………っ」
委員長「ふふっ、私ね、男君がなにを考えてるか、だいたいわかるつもりではいるんだ」
委員長「このボランティアのことだって……。男君は、クラスのみんなに聞けばすぐにわかったのに……」
委員長「参加する人なんて、誰もいないってことがね」
委員長「まぁ、もちろん。その時はその時で、考えはあったけれど」
委員長「さっき会ったのだって……。私が男君を見つけたのは、偶然だと思った?」
男「……え……?」
委員長「あの時、私が男君の前に出るのがベストだと思ったんだ」
委員長「どう? 前に居たのが私で安心したんじゃないかな?」
委員長「だって、ただでさえいろんな人につかまって……。大変だったもんね?」
委員長「でも、私はあえて男君と別れようとした」
委員長「『また明日、学校でね』なんて」
委員長「男君はたぶんその時、心の中では私の事疑ってたんじゃないかな?」
委員長「でも、私がそう言ったから、男君は疑うのをやめた」
委員長「だからここに、ノコノコと一緒に来たんでしょ? なんにも警戒しないで」ニコッ
委員長「――まぁどちらにしろ、男君の性格から考えれば、来てくれるんじゃないかな、とは思ったけどね」
委員長「もしかしたら、この場所に来た方が安全だ、なんて思ってたかもしれないけど……」
委員長「――どうかな? あってる?」ニコッ
474 :
男(……委員長まで…………俺のことを……)
男(もう、誰を信じればいいんだ)
男(家にも帰れない。学校にも行けない……。悪い夢だと思いたいけど……――)
委員長「――さて、と。それじゃ、男君? 私は準備してくるから、少し待っててね?」
男「……やだ」プイッ
委員長「……ふふっ。男君が、痛みに耐えながらそのロープを解けるのなら、ぜひ逃げてみてね」ニコッ
委員長「でも……ね、男君。よーく考えてみて。もし逃げ出せたとしても、男君はこれからどうするの?」
男「………………」
委員長「男君は、私と一緒に居たほうが安全だよ。それは私が保証してあげる」
男「……ははっ、俺はすっごく頭痛いんだけど……?」
委員長「……それはごめんなさい。――でも、他の人はそんなものじゃ……済まないかもしれないよ?」
男「………………」
委員長「それじゃ、すぐ戻ってくるから」クルッ
男「…………はぁ……」
男(だいぶ、痛みは治まってきたな……)
男(……しかし、委員長の言う通りなのかもしれないな……。ヘタに動くより、いっそ委員長に……)
「まったく……。いつかはこうなるんじゃないかと、思ってたけどね」
男「――えっ? ……お、お前……っ!??」
友「驚いてる暇はないよ。ほら、あっち向いて。ロープ切るから……」
男「あっ……あぁ……で、でもどうして……」クルッ
友「まぁ、偶然だよ。……昨日、男が何か大変なことがあったのはわかってたからね。……それで、今日委員長と歩いてるのを見つけてさ」
友「もちろん、悪いとは思ったし、なにもなければ見なかったことにしようとはしてたんだけど……」
男「……いや、でも助かった。ありがとう……」
友「……とりあえず、ここから逃げなきゃ。……立てるかい?」
男「おう……なんとかな」
友「よし、それじゃすぐに――」
「逃がすわけないじゃない」
ブンッ‼
475 = 102 :
男「と、友――っ!!」ガシッ
友「――ッ!!?」ヒュッ
委員長「……っ。――さすが、友さんだね」ニコッ
友「それは褒めてくれてるのかな?」
委員長「もちろん。まさか避けられるとは思わなかったな」
友「まぁ、男がとっさに引っ張って助けてくれたのが大きかったよ」
友「――……男、ここはボクに任せて、逃げて」ボソッ
男「で、でも、友は……!?」
友「ボクは大丈夫さ。これでも、剣道けっこう強いからね」ニコッ
男「……ごめん」
友「気にすることはないよ。……それじゃ、後で連絡するから!」
男「……わかった。――……って、俺いま携帯無いんだよ!」
友「えっ? あー……、それじゃ『おすすめの場所』でまた会おう」
男「えっ……。――あぁ、わかった!」ダッ
友「ふふっ……。――それじゃ、お待たせしたね委員長」
委員長「大丈夫。……それにしても、友さんには一本取られたなぁ……」
友「まぁ……運が悪かったってことで、ね」
委員長「――しょうがない、とりあえず私は降参しようかな?」
友「……へぇ」
委員長「正直、さっきの不意打ちが失敗しちゃってから、もう半分あきらめてたんだ」
委員長「私が剣道部のエースである友さんに敵うわけないしね」ニコッ
友「…………えらい素直だね……」
委員長「………………」ニコッ
友「……なにか、隠してるのかな?」
委員長「さぁ、どうだろうね?」ニコニコ
友「…………一応言っておくけど、男にはもう近づかないでほしいな」
委員長「………………いやだ、って言ったら?」
友「……別に、なにもしないけどさ。――でも次、男に危害を加えたら……ボクは手加減しないからね」ギロッ
委員長「ふふっ……、気を付けるよ」ニコッ
476 :
――AM10:50――
男「――はぁ……はぁ……。ここまで来れば、大丈夫かな……」
男「……イッ! ……友には、助けられたなぁ」イテテ…
男「『おすすめの場所』っていうのは、昨日行ったカフェの事だよな。向かわないと……」
男「……遠いな。でも、そこに行くしか……もうどうしようもないし――」スタスタ
「――ったく、なんで私たちがこんなことしなくちゃいけねーんだろうな」
男「――っ!」ビクッ
「おいっ! ヤンキーさんが聞いてたらどうするんだよっ!!」
男(……とっさに隠れちゃったけど……。ヤンキーの仲間の人たちか……?)
「こんなとこに居るわけねーだろ。……しかし、この男ってやつなにしたんだ? 私たち総出で探させるなんて……」
「知らないよ。でも、珍しく切羽詰まってる感じだったよなー……」
男(ヤンキーさんが、俺を探してる……? ……俺のことを心配してくれてるのかな……)
男(……いま、ここで見つかってヤンキーさんのとこに行った方が安全か……? ヤンキーさんなら、話も通じそうだし――)
「それにしても、ヤンキーさんと一緒に居たあのガキはなんなんだ? 妹か?」
男「――っ!!」
「妹が居るなんて聞いたことないけどなぁ……。なんか、変なガキだよな……。子供なのに、子供じゃないっていうか……」
「はぁ、まぁいいや。とりあえず、行こうぜ」
「そうだなー……――」
男(――妹……。ヤンキーに妹が居るなんて聞いたことないし……。たぶん……、いや、幼女ちゃんに間違いない……よな……)コソコソ
男「……あの二人って知り合いだったのかな……? ……違うか、動物園で会ったのが初めてみたいだったし……」
男「……協力してるっていうか……。たぶん、幼女ちゃんに利用されてるのかな……」
男「何はともあれ、これでヤンキーさんに見つかるわけにもいかない、か……」
男「……行こう。見つからないように……」
男「はぁ……違う意味で頭が痛くなってきたぜ……」
「やっと見つけた、男……」
男「……お……幼馴染……?」
477 :
ヤンキーとの絡みがみたい
478 :
何度読んでも面白いです!
479 :
>>478
本当にありがとう。
下書き消えた。泣ける。
男「……よ、よう」
幼馴染「探したんだから。昨日から、ずっと」
男「…………ごめん」
幼馴染「男の家にも行った。携帯にだっていっぱい連絡した」
男「うっ……。そ、それには訳があってだな……」
幼馴染「言い訳なんて聞きたくない」
男「……まあ、そうだよな」
幼馴染「……男」
男「……?」
幼馴染「私と一緒に来て」
男「……どこに?」
幼馴染「どこでもいいでしょ。来て……くれるよね?」
男「ど、どこでもいいってことはないだろ……」オドオド
幼馴染「来てくれない……の?」
男「…………どちらにしろ、今は無理だよ。……本当、自分勝手で悪いんだけ――」
幼馴染「なんで…………。なんで、なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでナンデなんでなんでなんでなんでナンデナンデナンデッ!!?」
男「――……幼馴染……?」
幼馴染「なんで来てくれないの!? 私の事が嫌いになったっ? 私、何かしたかな? 男に嫌われちゃうようなことしちゃったのかなっ?」
男「お、幼馴染っ? す、少し落ち着いてくれ――」
幼馴染「なんで……ッ!? いや……いやだよ……! いや、いやだ……。イヤだイヤだ嫌だいやだいやだイヤだ嫌だ嫌だイヤダイヤダイヤダっ!!!」
男「…………っ!?」
幼馴染「――……そうだよね……。男は、優しいから……。私は、私は悪くない……。……悪いのは、あいつらだよね……」スラッ
男「……お、おい、幼馴染……? なんで、包丁なんか……」
幼馴染「もう、イヤなの」
幼馴染「男が、私以外の雌と一緒に居るのを見るのは、もうイヤなのッ!! ……だから――」
480 = 102 :
――――でも、他の人はそんなものじゃ……済まないかもしれないよ?
男「……冗談じゃない」ボソッ
幼馴染「――男を殺して。私も死ぬから!」
男「本気……なのか?」
幼馴染「大丈夫、心配しないで。男と私は、それでずっと一緒に居られるの……」
幼馴染「もう、誰にも渡さない。もう、誰にも触れさせないんだから……ッ!!」ダッ
男「――くそっ!」ダッ
男(……幼馴染の足は速くない。逃げるのは、何ら難しいことではないと思うけど……)
幼馴染「待って……待ってよッ!! やっぱり、私の事キライになったんだッ!!」
男「違うッ!! 嫌いになんてなってない!」
幼馴染「――チガウ。もう、私はキラワレちゃってるんダ……」ブツブツ
幼馴染「……コレ以上、キラワレチャウ前に……やらなきゃ」ボソッ
男「……ダメか。逃げるしか……っ!」
「せーんぱーい……、見ーつけたッ!!」
男「――なッ!!?」
後輩「……今度は、逃がしませんから……!」ダッ
男「ちょっ……お前もかっ!! ちくしょうっ!」ダッシュ‼
後輩「せんぱーい? 私を置いていくなんてヒドイじゃないですかぁ……」ニコッ
後輩「先輩を見逃すなんて、久しぶりでした……」
男「はぁ!? なに言ってんだっ!」
後輩「……いつもみたいに、私が――!」
ヒュッ‼
後輩「――ッ!」ズサァ‼
幼馴染「――後輩ちゃん……? さすがに、もう見逃してあげられないなぁ……」スタスタ
481 = 102 :
男「幼馴染……っ? でも……チ、チャンス……か!」ダッシュ‼
後輩「――チッ……。いつもいつも……」
幼馴染「何か、言った?」
後輩「――いえ、何も? ……でも、いいんですかぁ~? 先輩、逃げちゃいますよ?」
幼馴染「そうだね。――でも私より先に、雌豚が男に触ってほしくないから…………さッ!!」ブンッ‼
後輩「――おっと! ……はぁ……いつもいつも邪魔なんですよね……。……ただ先輩の隣の家ってだけで、仲良くしていた幼馴染先輩がっ!」
幼馴染「ふふっ、悔しいんだ? そう、誰も私と男の間になんて入れないの。生まれたときから、そう決まってるんだから……」
後輩「……じゃあ、幼馴染先輩がいなくなれば、万事解決ですね?」
幼馴染「………………渡さない――ッ!!」
――AM11:40――
男「――はぁ……はぁ……っ!! ……よかった、とりあえず二人は追ってきてないみたいだ……」
男「……って、あまりよくはない、か……。幼馴染は包丁持ってるわけだし……、下手したら……」ゾクッ
男「……でも、どうすれば……。――って、あれは……交番か!!」
男「さっきの二人のことを言おう! つかまっちゃうかもしれないけど……、最悪の事態には……よしっ!」
ガララッ‼
男「――あ、あのっ! すいません!!」
「んー? どちらさ――ッ!!?」ビクッ
男「……? ……あ、あのお巡りさん? どうか、したんですか……?」
「い、いやぁ、なんでもないよ……。ゴホン……それで、どうかしたのかな?」
男「そ、そうなんですっ! あ、あの、今さっきのことなんですけど――」
「――ふむ、わかった。すぐ、別のものを向かわせよう」
男「はぁ……ありがとうございます!」
「と、ところで……、君の名前は?」
男「あ、俺は男って言います! ……それじゃ、ちょっと急いでるもので――!」
「ちょっ! ちょっと待ちなさい!」
482 = 102 :
男「……はい? まだ、なにかありましたか?」
「ま、まぁ、君も色々あって大変だったみたいだし……。コーヒーでも淹れるから、一杯飲んで、一度落ち着きなさい」
男「あ……あぁ、お気持ちはうれしいんですけど! どうしても、急用が……!」
「それは、待ち合わせとかかな?」
男「えっ……まぁ、一応……」
「ははっ、ならコーヒー一杯ぐらい飲んだって、大したことではないさ。交番でお巡りさんと話してたとでもいえば、相手も納得するだろう」
男「は、はぁ……」
「焦ってもなにもいいことはない。あえて少し余裕を持った方が、物事はうまく進むものだよ」
男「…………でしたら、一杯だけ……」
「そうかっ! ほら、座って座って……!」
男「は、はい……」
「じゃ、少し待っててね……!」
男「あ、わかりました……」
ガチャ
バタン
男(……確かに、いったん落ち着いて状況を見直した方がいいかもしれない……。さすが、お巡りさんは言うことが違うなぁ……)
男(――しかし、交番っていうのは案外入るの初めてだったり……。ちょっとドキドキするなぁ……)
男(――……あれ? コーヒーとポッド、こっちの部屋にあるじゃないか……。……じゃあ、お巡りさんは……なんで、隣の部屋に……?)
ボソボソッ
男(……電話? なんで、このタイミングで……。何を話してるんだろう……――?)コソッ
「――はいっ! 間違いありません! 送られてきた画像とまったく同じ少年です! 名前も、男と名乗っていました」ボソボソッ
男「――――ッ!!」
「いま、とりあえずここに留まらせています。あ、あの、これで本当に100万円も……。――あ、ありがとうございます! で、では……っ!」
「――いやぁ、ごめんね男くん……。急な電話が……。――い、いないっ、そんな――っ!!?」
男「――くそっ! まさか警察も……っ!?? こんな事できるのって……」
483 :
ザッザッザ…
男「――っ!」ササッ
「――おいっ。連絡があったのはこっちのほうだったよな……?」
「はい、確かにそのはず……ですが…………ん? …………いや、どうやら逃げられたみたいです……」
「なんだとっ? ――ふんっ、まぁいい。この近くに居ることは間違いないんだろう」
「おそらく……。…………しかし……、なんで我々がこんな……――」ビクッ
「――こんな……? 『こんな』……なんでしょう?」
「――ッ!!? お、おおお嬢様っ!!? ど、どうしてこのようなところに……!」
お嬢様「……あら、私の質問が聞こえなかったのでしょうか?」ニコッ
「す、すいませんお嬢様っ!! こいつはまだ――!」
お嬢様「言い訳は聞きません。……連れていきなさい」
「「はいっ」」
お嬢様「……しかし、さっきの話は本当ですか?」
「はい。どうやら、交番の警官が電話をしているうちに逃げたそうです」
お嬢様「はぁ……まったく。……まぁ、それは仕方ありません。とりあえず、この近くには居るはずでしょう? 絶対に見つけ出してください」
「全力を尽くします」
お嬢様「お願いしますよ……? 私は、男さん以外の方と婚約するぐらいなら、死にますから」ニコッ
「――っ。わ、わかっております……」
お嬢様「なら、いいのです」
ザッザッザ…
男(……や、やっぱりお嬢様か……。なんか、俺の想像以上に大変なことになってるんじゃ……)
男(どうする……。今すぐ動くか、機会をうかがうか……)
男(……いや、何人いるかわからないし、今はおとなしくしてるか……)
484 = 102 :
――PM01:10――
男(――うー……。あれからどのくらい時間が経ったんだろう?)
男(少しずつ、場所を変えたりしているけど、いまだ俺を探してる黒服の人はいる……)
男(……これじゃ、動けない。こうなったらイチかバチかで行くしか……)
ザッザッザ…
男「――っ」
「――おい! ここは探したのか?」
「いや……。でも誰か見てるんじゃないか?」
男(ま、マズい……! 来ないでくれ……!!)
「たしかにな……。これだけ探しても居ないってことは、もう別のところに行ってるのかもしれん」
「そうだよな……」
「まぁ、一応見ておけよ。それでいいだろ」
男「――っ!」
「あぁ……わかった」ガサガサ
男(ダメだ……。もう、行くしかないっ!!)グッ
プルルル…
「ん……? ――おいっ! 隣町のほうで目撃情報があったらしいぞっ!」
男(えっ……?)
「本当か!? よし、行こう!」ダッダッ
男「……助かった……のか……?」
男「目撃情報って……。いや、でもよかった。まだいるかもしれないけど、気を付けて進もう……」
485 :
――
――――
――――――
男「――あぁ、もう……。なんだか、すごい遠い場所に向かって歩いてる気分だ……」
男「……おっと。この道を行ったら、自宅の近くを通ることになっちゃうな……。違う道……」
男「いや、待てよ」
男「逆に家の周りには誰も居ないかも……しれないっ! そうだよな、灯台下暗しっていうし……」
男「それに、もしできたらお金も……。さすがに二千円じゃなにするにも微妙な金額だし」
男「よし、そうと決まれば……――」
男「………………」コソコソ
男「だ、大丈夫かな……。やっぱり予想通り、誰も……――」
「おかえりなさい。兄さん」
男「――居ない、なんてことなかったかぁ…………」ビクビク
妹「どこ行ってたんですか兄さん……。心配したんですよ」
男「……ま、まぁなんだ。話せばわかると思うんだ……。その、いろいろ悪いことが重なってしまってだな……――」
妹「――しかし、おかしいですね。いつもの兄さんなら、私を見かけるなり襲ってきてもいいはずなんですけど」ハァ…
男「あ、あれっ!? そんなことしたことないよなっ!?」
妹「……でもまぁ、兄さんなら必ず戻ってくると、私は思ってました」
男「ははっ……、さすがは俺の妹だな」
妹「………………」
妹「ところで、兄さん」
男「どうした?」
妹「姉さんと、ヤったんですか?」
男「」
486 :
妹とヤっちゃえば大差ナイナイ
487 :
やっと追いついた
488 :
追いついてしまった……
次は何ヶ月後になるか……
489 :
追いついた...
しかし読ませるねぇ
490 :
今日から頑張る。
妹「その反応……っ!! やっぱり、そうなんですね……」グッ…
男「い、いやいやいやいやっ、違う違うっ! ちょ、ちょっとびっくりしただけだよ……」
妹「……それじゃ、まだ……?」
男「あ、当たり前だろ! まだ……っていうか、これからもそんな気は……――」
妹「よかった……」
妹「兄さんは、まだ穢されてないんですね」ニコッ
男「……っ」ゾクッ
男「――……ま、まぁ、そういうことになるのかもしれないが……。え、っと……、い、妹?」
妹「……はい…………?」スタスタ
男「ちょ、ちょっとストップっ! あ、あの……どうした?」
妹「どうした?? 別に、どうもしてないですが」ニッコリ
男「そ、そうかなぁ……。なんか、いつもの妹と違う気がしてならないんだけど……」ビクビク
妹「あはは、何を言ってるんですか兄さん。いつもと変わらない妹ですよ。兄さんが愛してやまない、可愛い妹です」ニコニコ
男「え、えぇっと……。――と、とりあえず、俺は少し金を取りに来ただけだからさ! とったら、また出かけようと……思ってるんだけど……」
妹「ダメです」
男「えっと……理由は?」
妹「当たり前じゃないですか。兄さんとその妹である私は、常に一緒に居るべきなんです。それ以外の理由なんていりません」
男「そう言ってくれるのは、兄としてはうれしいが……。ま、まぁ、あれだ、姉さんだっているんだし――」
妹「知りません。そんな人は」
男「…………は? い、いやいや、何を言ってるんだよ……。いつもあんな仲良くしてるじゃないか……」
妹「……そう思ってるのは、兄さんだけですよ」ボソッ
妹「とりあえず、兄さんには私と一緒に居てもらいます」
男「だ、だから……そういうわけにはいかな――」
妹「力ずくでも」
491 = 102 :
男「……えっ?」
妹「兄さんは自覚がなさすぎます。もう、皆さんの糸は切れちゃったんですよ」
男「な、なにを……」
妹「今までずーっと、絶妙なバランスで張っていた糸が切れたんです。もう、戻れないんです」
妹「……兄さんが悪いんですよ?」
男「い、妹……?」
妹「――でも、安心してください。この世でただ一人の妹である私が、ずーっと兄さんの味方です」
ガチャン‼
男「……ちょ、ちょっと待てって……。お、お前も……」
妹「最初から決まってたんですよ。兄さんと私の間に入れる人なんて、誰も居るはずないんですから」ガギッ…
男「お、俺たち、兄妹なんだぞ……? 冗談……だよな……?」
妹「…………冗談? いやですね、私は冗談なんて、ただの一言も言ってないですよ」
男「だ、だから――っ!」
妹「ごめんなさい、兄さん。頭の悪い私には、わかりません」ニコッ
男「――っ!!」
ガッシャーンッ‼
ガンガン‼
男「………………あ、あれ……?」チラッ
妹「……はぁ、本当……。邪魔しかできないんですか……姉さん?」
姉「見ぃーつけたぁ。やーっぱりここに居たんだねぇ……男くん」フラフラ
男「姉さん……」
姉「男くんの匂いならすぐわかるよー? ふふふ、ちょっと遠回りしちゃったけどねぇ……」
妹「……あなたと同じ血が流れているって思うだけで、私は自殺したくなります」
姉「……あぁ、妹ちゃん……居たんだ?」
妹「…………ちょうどいいですね。この世で一番、あなたが邪魔なんですよ」
姉「あははっ――!」
姉「私もだよ」
492 :
がんばれがんばれ
493 :
この二人がつぶし合ってしまうと……
494 :
妹「………………」
姉「………………」
男「ちょ……ちょっと二人ともっ!!? な、なにを……」
姉「私と男くんのほうが、長い時間一緒に居るもんね……。それに、妹ちゃんが私に勝てるところなんてあったかな?」
妹「少し早く生まれたぐらいで、調子に乗らないでください。むしろ、姉さんに負ける要素がありません」
姉「ふふっ、いっつも泣いてばかりだったのにねぇ」ニッコリ
妹「…………だから、邪魔なんですよ、あなたは」
男「ふ、二人ともっ! 喧嘩は、やめよう、よ……」ビクビク
姉「男くん……。それはもう遅いんだよ」
妹「そういうことです。そもそも、姉さんと仲良くなったことなんてありませんから」
男「そんな…………」
男(このままじゃ、二人は一触即発の雰囲気だ……。俺が、何とかしないと……!)
男「や、やっぱりこんなの変だよっ!!」
妹「兄さん……」
男「だってさ、俺たちはこの地球上で唯一の兄妹だろ!」
姉「…………」
男「たしかに、少し仲が悪くなるなんてこともあるかもしれない。……けどさ!」
男「辛い時には助け合える……。そうじゃないか?」
妹「…………」
姉「…………」
男「ほら、喧嘩するほど仲がいいともいうし!」
男「俺たち『血のつながった兄妹』なんだからさ!」バンッ‼
姉「…………」イラッ
妹「…………」グッ
姉「…………わかった」
妹「…………そう、ですね」
男「……ほ、本当――っ?」
495 = 102 :
姉「……ごめんね、妹ちゃん。私も男くんをとられる感じがして怖かったのかもしれない」
妹「……私も、実のところ姉さんに嫉妬してたんだと思います」
姉「…………仲直りしよう? 私たち、姉妹なんだし」
妹「…………はい」
男「――あ、あははっ! 俺もうれしいよ!」
姉「それじゃ――」
妹「そしたら――」
姉・妹「 次は、男くん(兄さん)と仲良くしないと 」
男「………………あれ?」
496 :
正論だな
497 :
姉妹丼とか美味しい
498 :
男「ちょ、ちょっと……、あれ、なんか変じゃない……?」オロオロ
姉「変? なにがかなー?」ニコニコ
妹「まったくですね。何がおかしいというのでしょう?」ニコニコ
男「い、いやぁ……なんだろう……ね……」
姉「だって、当たり前でしょ? 弟と仲良くなるのは」
妹「やはり、兄妹みんなで仲良くなったほうがいいですよね。兄さん?」
男「お、俺はさ……も、もう仲がいいから……いいんじゃないかなぁ……」
姉「そんなことないよー。もーっと、もーーっと仲良くならないと、ねぇ妹ちゃん?」
妹「そうですよね、姉さん」
男「………………………………」ダラダラ
男(…………逃げなきゃ――)
姉「 逃がさないから 」
男「――っ!!?」
妹「……兄さんの考えてることなんて、手に取るようにわかります」
姉「どうして、逃げようとするのかなぁ……?」
妹「きっと恥ずかしがってるんですよ、姉さん」
姉「ふふっ、そうだねぇ。かわいい男くん」
男「あ、あはは…………」
男「……姉さん、妹。……俺、実は言わなきゃいけないことがあるんだ……」
姉「え…………?」
妹「…………?」
男「二人とも……――」
男「 大好きだよ 」ニコッ
姉「…………ふぇっ?」カァアア
妹「…………っ!!」
499 :
とうとう男は成長したようだ(逃げる意味で)
500 :
男「――ってことで、それじゃっ!!」ダッシュ
妹「……っ! しまっ――!」
姉「――……あっ!」
ガチャバンッ‼
ダダダダ…
妹「…………油断しました……」
姉「あぅ……。でも、あれは反則だよ……」
妹「――まぁ、仕方ありません。……それに、兄さんが行きそうなところなんて、だいたいわかります」
姉「……たしかに、それもそうだね……」
ウフフ…
ウフフフフ……
アハハッ‼
アハハハハハッ…
――PM02:45――
男「――……はぁ……はぁ……。む、無我夢中で走ったけど……、追ってこない……?」
男「しかし、もう何がどうなってるんだか……。……あっ、結局お金もとれなかったし……」
男「……いいや。早く、友との待ち合わせ場所に……――」
カツ…カツ…
男「――っ!」ビクッ
ササッ
男(……って、足音がしたからとっさに隠れちゃったけど……。こんなことにいちいちビビってたら、先に進めないよな……)
男「……そんな都合悪く、誰かに会わないだろ――」
先生「………………」カツカツ
男「……いっ!」ソッ…
ササッ
男(…………やばい)ダラダラ
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