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    元スレ男「ヤンデレってなんだ?」

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    620 = 517 :

    これは酷い

    621 :

    でもこの相手にしない感じ。お前らがどんだけこの作品をエタらせたくないかが伝わってきたぜ

    622 :

    頑張って書いてくれ 待ってるぞ!

    623 :


    ――PM03:50――


    ――

    ――――

    ――――――



    「――はぁ……はぁ……。案外遠いもんだな……」


    「……って、そうだ。ここからなら、あの近道が使えるじゃないか」


    「たしか……昨日も学校から友のところ行くときにも使ったよな……。まさか二日連続で使うことになるとは……」


    「……よしっ!」


    ガサガサッ‼

    グキッ


    「――イッ……。あぁ、足ひねった……」


    「……いや、とりあえず急ごう……――」








    ――――――


    「………………」ソワソワ


    「――っ! おーいっ、友っ!!」


    「あっ……男っ! 無事だったんだねっ」


    「はぁ……はぁ……おかげさまでな」


    「ははっ……。いや、まさかこんな大事になってるだなんて、ボクも思ってなかったよ……」


    「本当……笑えねぇ……――って、そうだっ! それどころじゃないんだった!」


    「えっ……――?」





    「――……なるほど。この場所が見つかるのも時間の問題ってことだね……」


    「……そうなんだよな。…………友も、俺と居ると危ないかも……」


    「……ははっ、それもそうかもしれないけど……」


    「水臭いじゃないか……。ボクは……男となら…………」ボソッ


    「……友?」


    「いぃいいいやいや、なんでもないよっ!」アセアセ

    624 = 102 :


    「――オホンっ! えぇっと……とにかくこれからのことだね……」


    「……そうだな。俺は、ここに来るのが精いっぱいだったな……」


    「うーん……。男の居場所が知られてる……か……」


    「……でも、相手だって人間のはずだし、何かあるはず……」


    「うーん……」


    「まぁ、でも時間の問題ではあるだろうね」


    「えっ? どういうことだ?」


    「確証はない……けど、相手がそれをわかるのは、今日か明日までぐらいだと思う」


    「本当か?」


    「たぶんね。……だから、今日を入れて二日……いや三日逃げ切れば、もう大丈夫だと思うんだ」


    「三日…………」


    「ちなみに、だけど。携帯は持ってないんだよね?」


    「あぁ、なんでか姉さんに捨てられたんだよな……」


    「なるほど……。ほかに持ち物は?」


    「いや……、なけなしの二千円なら持ってるけど……」


    「あはは……。――まぁ、とにかく場所を移動しようか」


    「あぁ、そうだな――っつ……」ズキッ


    「えっ? 足、怪我してるの??」


    「あぁいや、大したことはないんだけど……」


    「もしかして、またあの道通ってきたのかい?」


    「まぁ、急いでたからな……」


    「それじゃ……少し歩くけど、ボクの家に行こう」


    「なにもなければいいけど……。覚悟を決めるしかないかもしれないね」


    「あぁ、その時は俺も、もう逃げないよ。……色々…………ありがとうな、友」


    「……今度、ご飯でも奢ってよ? それでいいよ」ニコッ


    「ははっ……奢るよ。何でも奢る」


    「――よしっ、決まりだね。それじゃ、行こうっ」バッ



     

    625 = 102 :





     そう言って友は、まるで太陽のような笑顔で手を差し伸べてきた。


     
     俺はその手を――――



















     ――――とらなかった。














    626 :


    「…………男?」


    「…………友……さ」


    「さっき……言ってたよな」


    「……男? 話があるなら、歩きながらでも――」


    「――言ったよな。…………『またあの道を通ってきたのか』って……」


    「…………うん」


    「なんで、そう言ったんだ?」


    「なんで……って、昨日の事じゃないか。まさか忘れたのかい?」


    「そう。俺は昨日、学校からここに来るときに、あの近道を通った」


    「今日も、昨日と同じあの道を通ったんだ」


    「……? なら、別にいいじゃないか?」


    「……でもさ。それじゃおかしいんだよ」


    「……おかしい?」


    「昨日の会話……。覚えてないか?」


    「………………」


    「俺は覚えてる。……いや、思いだした」


    「………………」


    「たしか、友は俺にこう言ったよな――」


    「『ここに来るとき、どこを通ってきたのか。服にいろいろついてるけど』……ってさ」


    「………………あぁ、そうだったね」


    「…………俺、応えたはずなんだ」











    「 木登りしてたって 」










    627 = 102 :


    「………………」


    「別に、意味があるわけじゃない。ただ、誤魔化そうと思ってでた言葉だったんだけどさ……」


    「……あの道を使ったことを知られたくなくて、そんなことを言ったんだ」


    「…………なんか、怒られる気がしてさ……」


    「………………」


    「だから……、友は知ってたらおかしいんだよ――」




    「昨日、俺があの道を使ったってことを……」




    「………………」


    「………………」


    「…………なあ、友。……なんか言い返してくれよ」


    「なんか、理由があるんじゃないのか。……なんで知ってたのか」


    「…………ないね」


    「ははっ……。今すぐ、男を納得させられるような理由が思いつけばよかったんだけど……残念」


    「…………嘘だろ……」


    「そっか……。そういえばそうだったよね……。今日一日でも、いろいろと忙しかったからすっかり忘れてたよ」


    「…………ウソ……だろ……」


    「いやー…………――」





    「――あと、もう一歩だったのになぁ」ニコッ





    「――――っ」



    「――うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」



    アハハッ
    アハハハハッ‼

    アハハハハハハハハハハハッ‼


    ――――――

    ――――

    ――

    628 :

    皆さんここがチャンスです

    630 :



    ――PM04:20――




    ――


    ――――


    ――――――




    (――走った)


    (……もう、どうなってもいいと思った)


    (車に轢かれても、誰かに見つかっても……。もう、そこであきらめようと思った)


    (……だけど、気付けば俺は駅に来ていた)


    「…………もう、疲れたなぁ……」


    「…………ん、二千円……」


    「……これだけあれば、どこまでいけんのかな……」


    「…………いいや、よくわかんないけど……一番高いの買ってやろう」


    「きっと、そこには……俺のこと知ってるやつなんて一人もいやしないし……。すこしは、落ち着けるかもしれない……」


    ガヤガヤ…


    「……なんか、人混みの中に居ると安心するなぁ……」


    「――とりあえず……座って……電車でも待つか……」ウトウト


    「はぁ……なんだ……急に……眠気が……」


    「疲れてんのかな……」


    「ベンチで横になったら迷惑かな……。まぁ、いいよな……」フラッ…


    「……もう…………………………」


    「………………………………」




    ――――――


    ――――


    ――

    631 :

    あかん

    633 = 102 :


    「…………ます。こちらは……――」

     不意にそんな声が聞こえた気がした。
     それをきっかけに、徐々に意識が覚醒してくるのがわかった。

    「……あぁ、寝ちゃったのか……」

     起こされたのは、どうやらアナウンスの声だったようだ。
     男は、ゆっくりと体を起こして、周りを見渡す。
     暗い。
     どれだけ眠っていたのだろうか。
     目の前には、誰も乗っていないが、扉を開けて電車が止まっていた。

    「……なんか、寒いな……」

     冷えた体を擦りながら、駅のホームの時計に目をやった。
     時計の短針は11時を指している。
     どうやら、6時間近く寝てしまったようだ。
     男は、小さくため息をつく。
     駅に着いた時の喧騒とは打って変わって、今は誰一人居ない。とても静かだ。

    「…………って、こんなことしてる場合じゃ――!」

     そこで、昼間の出来事を思い出す。
     再び、慌てて周りを見渡す。今度は、人影……もしくは何か変わったことはないかと注意しながら。
     しかし、男の心配は杞憂に終わる。
     ……もう、誰も追ってきていないのだろうか?
     先輩は? 自分の居場所が分かるわけではなかったのか?
     それとも、誰も男がここに居ることを予想できなかったということなのか。
     なにはともあれ、何もないことに安堵して、胸をなで下ろす。

    「……でも、夢じゃないんだよな……」

     すこし寒いが、夜風で少し頭が冷やせたようだ。
     今日一日は、常に頭を使い、常に動き回っていたようなものだったから、こんなに冷静に考える時間がなかった。
     思えば今日は、先輩の家で監禁されていたことから始まった。
     次は、姉に助けられたかと思えば、再び監禁されかける。
     なんとか逃げ出した後は……そうだ、委員長に会ったんだった。
     最初に委員長を見たときは、とても安心したのを覚えている。委員長なら安全だと。
     だけど、そんな期待も裏切られて…………友に……助けられた。

    「……そこから、もう友の思惑だったのかな……」

     逃げて。
     幼馴染からも逃げて。
     後輩からも逃げて……。
     お嬢様とその使用人みたいな人たちからも逃げて。
     妹に……会って。
     そのあと、姉も来たんだったかな……。
     それでも、何とか抜け出して。
     先生と鉢合わせて……。

    「……それも、友が助けてくれたんだよな……」

     そのあと女さんに会った時は、さすがにもう無理かと思ったけど……。
     ヤンキーが来てくれて……。
     そうだ、ヤンキーは大丈夫だろうか……? まだ、幼女が近くに……。
     
    「きっと、大丈夫だよな……」

     自分に言い聞かせるように、ぼそりと呟く。今の男には、そう願うしかなかった。
     ヤンキーたちと会ったその場から移動する最中、先輩に会って……。
     ――笑った。
     ……なんで、あの時先輩は……。――いや、いくら考えても、きっとその理由はわからないだろう。

     ……そして、友のところにたどり着き……――。
     
     ……そして、裏切られた。

     唯一、友だけは信用できると思っていたのに。
     ふと、男の頬に涙が流れた。

    「もう……、俺は何を信じればいいんだ……」

     兄妹も、クラスメイトも、教師も、幼馴染も、親友も……――。


    「……まもなくドアが閉まります。お乗りのお客様は――」


     そんなアナウンスが流れた。

     
     

    634 = 102 :


     そこで、男もハッと我に返る。
     そして大きく深呼吸すると、ゆっくりと立ち上がった。
     どこか寂し気に光る電光掲示板を見れば、この電車が終電だということがわかる。
     気付かずに寝過ごしてしまっていたら……。
     ふと、そんなことが頭をよぎる。
     しかし、いま男は起きているのだからと頭を振って、その考えを振り払った。
     一歩電車の中に足を踏み入れると、外よりは少し暖かい。
     最初から、電車の中で考えればよかったと思い、自嘲の笑いを浮かべる。
     何故だかイスに座る気分にはなれなくて、吊革をつかみながら外を眺めた。
     暗い、窓の外の景色。
     そして、そんな窓に反射してうつる自分の姿を、ただぼんやりと見ていた。
     あまり自分の姿というものを鏡で見ることも無いが、ただそこに居た自分は、なんだか少し小さく見えた。
     再び自嘲気味に笑うと、今度は景色に目をやる。


    「………………えっ……?」


     そして、見てしまった。
     暗い景色の中、ポツンとたたずむ人影を。


    「………………っ!」

     ドクンと、大きく心臓が動く。
     気付けば呼吸も早くなっていた。
     いや、まだあの人影が誰かとは限らない。
     何度もそう思い込もうと試みるが、うまくいかない。
     暗くてよくわからないが、こちらのほうをジッと見ている。
     まだかっ! まだドアは閉まらないのかっ!
     男にできるのは、ただひたすらに祈ることだけ。
     尋常じゃないほどの冷や汗を右手で拭う。
     再び外に視線を向けると、人影はいなくなっていた。
     先ほどより激しく心臓が動く。
     もし、いまこの電車に駆け込んで来たら……。 
     いやしかし、あの場所からここまでくるのには数分はかかるはず……。
     それまでには……――。

     プシュー。
     そんな空気の抜けるような音とともにドアが閉まる。
     同時に男は、膝から崩れ落ちた。
     助かった……。さっきまであの人影があった場所から、この電車まで来るのにそんなに早く来れるはずがない。
     それに、あの人影は自分とは何の関係のない人かもしれないじゃないか。
     先ほどは、肯定できなかった考えも、扉が閉まったいまはすんなりとそう思えた。
     ゆっくりと電車が走り出す。
     男も、座席につかまりながら立ち上がり、そのまま椅子に腰を下ろした。
     背中を丸め、深いため息をつく。
     さっきまで寝ていたというのに、助かったという安心感からか、また眠気が襲ってきた。
     
    「……寝るか……」

     どうせ起きていたって、やることなんてない。
     そう思いながら、男はゆっくりと目を瞑った。

    635 :



     ゆっくりと、落ちていく。

     電車の走る音。

     電車の揺れる感覚。

     車内の暖かさ。

     そのすべてが、男を眠りへと誘っているようだった。

     男の中では、やはり安堵の気持ちが大きかった。

     何一つ物事が好転したわけではないのはわかっているが、それでもゆっくりと考える時間ができるというのは、やはり安心する。

     大丈夫。なんとかなる。

     そう、自分に語りかける。

     いつか、みんなとも仲良くなれる時が…………。

     そう、自分に言い聞かせる。

     いや……、後は起きたときに考えよう。

     今はもう、眠ろう。

     男の脳が、もう休みたがっているように重くなる。

     とても、心地のいい。

     電車の揺れも、音も。

     椅子の柔らかさも、体に残る疲れも。

     



     そして、目に当てられる冷たい……手も……。





     ぞわっと、全身に鳥肌が立った。

     そして、再び激しく動き始める心臓。

     いつの間にか、固く握った両の手も震えている。

     そんな……どうしてっ!?

     いくら考えても、答えはわからない。

     嘘だ……。こんなの……こんなの…………っ!!

     気のせいだと思いたい。

     否定したい。

     しかし、目の前の現実はそれを許さない。


     そしてソレは、微かに笑ったかと思うとこう言った。








        「 だーれだ? 」








     お わ り

    636 = 102 :


    大変長らくお待たせいたしました。
    これにて、完結とさせていただきます。

    これだけグダグダとしてしまったのにもかかわらず、最後まで見てくださった方々、本当にありがとうございます。
    皆さんの応援があったから完結までやってこれたと思います。

    >>53で終わらせとけばよかったなぁ、と後悔しながらも、何とか自分の思い描いていた終わりまでやることができました。


    またSSを書く時がありましたら、その時も暖かい目で見守ってくれると嬉しいです。

    それでは。

    637 :


    ヤンデレ怖い

    639 :

    おつおつ
    完結してよかった
    ホラー路線はいいね

    640 :

    おつおつ

    641 :

    救いはなかったか……
    とりあえず乙!面白かったわ

    642 :

    結論
    全員クズでガイジ

    643 :

    この手のSSはほんと地雷が多いな

    644 :

    俺だったら先輩にヌチャヌチャ犯されて終わってるな

    645 :

    1です。

    参考までに聞いてみたいのですが、もしやハッピーエンドの方がよかったって人が多いのかな・・・?

    646 :

    本物かどうか知らんが俺はこれ好きだぞ

    まあハッピーエンドの方がウケるだろうけどすぐ忘れるだろうな

    647 :

    これはこれで好き


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