元スレいろは「わたし、葉山先輩のことが…」葉山「…俺は彼の代わりにはなれない」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
51 :
そういえば二期決定してたんだよな
秋から始まるとは聞こえてこないけど
52 :
原作内の季節だと秋から始まるのがちょうどいいんだけどな
となると来年の秋……とかかしら
53 :
二期は修学旅行からクリスマスイベントまでかな
番外でウェーイ
54 :
二期でアニメ組の奉仕部の株爆下げ、さきさき爆上げ、いろはす~、まで読める
55 :
アニメ一期でサキサキスルーされたからなあ
あれは許されませんよ
56 :
乙!
二期は原作のラストに合わせんじゃね
57 :
それな
二期でいきなり八幡意識されてる所描写されても変だし、だからと言ってあのシーンは二期で追加するのも変だしな
まあそれでも誰視点でかは分からないが回想って感じで追加しなくちゃならんけど
58 :
* * *
時は進み、土曜日
今日は雪ノ下が来ることになっている
うむ。おれはどうしようか。部屋に籠ってた方がいいのだろうか。
小町の客なわけだし俺が出ていくのはおかしよな。
などと柄にもなく、そわそわしている自分が憎い!
程なくして、来訪を告げるチャイムが鳴る
「はいはーい!おまちくださーい!」
小町が颯爽と玄関まで行き扉を開けてくる
「こんにちは小町さん」
「どうもどうもです、雪乃さん!どうぞ上がってください!」
にっこにこ笑顔で雪ノ下を迎え入れる
59 = 1 :
「こんにちは比企谷くん。お邪魔するわね」
今日はいつもと違い髪を一つに束ね、前に垂らしている
その髪を束ねているものは、以前クリスマスにプレゼントしたシュシュだった
「おう。……あー、使ってんのな、それ」
「ええ。愛用させてもらってるわ」
嬉しそうに微笑む雪ノ下に一瞬見とれてしまったが、すぐに気を持ち直す
「……そうか。じゃあ俺は2階に上がるわ」
「別に気を遣わなくていいわ。あなたに意見を貰いたいところだし」
「いや、そっちこそ気にすんな。呼んでくれたらすぐ行く」
雪ノ下は少しうつむく
「……そう。あなたも…一緒にどうかしら、と思ったのだけれど」
そういわれてドキッとする。
以前の自分だったら即座に断っていただろう。
「あー…いいのか?」
と、問うと彼女は笑顔を見せる
「ええ。小町さんも、いいかしら」
小町は俺たちのやり取りを見て驚いていたようで、目をパチクリさせていたが
「もっちろんですよ!兄と一緒になにか出来るなんて、なかなかないので
ハッピーです!あ、今の小町的にポイント高い!」
「だそうだ。じゃあ、準備してくるわ」
準備っつっても手洗うくらいなんだがな
「んふふ~。お兄ちゃんも隅に置けませんな~」
小町がニヤけ顔でついてくる
「なにが」
「べっつに~?」
ダル絡みされる前に退散退散、悪霊退散。
「…よかったね。お兄ちゃん」
なにか呟いていた気がするが知らん顔でその場を去る
…あっちー、顔赤くなってるのばれてただろうか。
60 = 1 :
* * *
「ふむ。いいできね」
「だな」
「いいですね~。さっすが雪乃さん!」
お菓子作りは、無事終了する
作ったものはクッキーだ
シンプルながらも、雪ノ下先生にご教授いただいた結果、
店に出せるレベルのモノが出来た。……材木座あたりから金を取ろうか
「つーか、なんでクッキーなんだ。わざわざ雪ノ下を呼ぶくらいだから、
もっと凝ったものかと思ってたぞ」
「あら、クッキーも馬鹿に出来ないわよ?誰でも作れるものは、差が出やすいのだし。
でも確かに、凝ったものを作るのだと思ってたわ」
確かにな。一流の料理人ってのはただのオムレツですら絶品と言われるほどのものを
作るらしいしな。
小町が不敵に笑う
「フッフッフ。なぜクッキーなのか……それは!」
「もったいぶってないで、さっさと言え」
「ぶー。これだからゴミいちゃんは…。ずばりですね、お礼の品ですよ」
「は?誰にだよ。まさか川なんとかさんの弟か?やめとけ。純粋な中学生男子をからかうんじゃありません」
「……それはあなたが、小町さんと関わられるのが嫌なだけでしょう」
雪ノ下は頭を抱え、呆れたように息を吐く
しかし実際、女子からの贈り物をされるなんて勘違いの塊でしかない。特に個人のみ贈る場合
これがクラス全員とかならまだしも、あのクソガキにだけ渡すなんて死人が出る
主に、弟を抹殺しようとした俺が、姉のほうに殺される
「あー、それにも渡すけど、お兄ちゃんが!お世話になった人に渡すんだよ」
さりげなく酷いこと言ったな。それって。ちょっと同情する、だが妹はやらん
「世話になったって……あの件でか?」
思い当たるのは、雪ノ下、由比ヶ浜を生徒会長にさせないようにするための件だ。
あの場で話し合った程度だが、感謝するには充分だ。
材木座には、大分危険な橋を渡ってもらったが。まあ、材木座だし。金払うならやらんこともない。
あと、戸塚かわいいしな。え?関係ない?
61 = 1 :
「そうだよ!みんな快く協力してくれたのに、なにもお礼しないなんておかしいでしょ?」
「まあ、そうだな。戸塚には随分と世話になったからな」
「お兄ちゃん……戸塚さん好きすぎるでしょ。やはりお兄ちゃんの恋愛は間違っている」
なんだよそのラノベタイトルみたいなの。もう流行んないぞ。
「確かに感謝の気持ちは大切ね。それではラッピングをしましょうか」
そういうと、慣れた手つきで包装していく
俺が人に感謝するような出来事があったということに対し、何も言及はされなかった
ある程度の察しはついているのだろう。
大した作業量でもないので、包装はすぐに終わった
あとは、誰に渡すかなんだが
「戸塚と……あと誰に渡せばいい」
「川…大志くんのお姉ちゃんと、中二さん。大志くんには小町が渡すよ」
「いや、その必要はない。姉の方に渡しとけば事足りる」
シスコン
ボソッとそう聞こえる
しょうがないだろ。千葉住の兄妹なんだから。
「にしても、少し数が多くないか」
8袋分できてしまった
その4人に渡すとして残りはどうするか
余ったのを4袋に詰めてもいいのだが、いささか数が多い
「うーん。雪乃さんと結衣さんは確定として。あ、先生とか?」
「自分たちで作ったものを貰うなんて、変な気分ね」
たしかに
ふと、思い当たる奴がいる。
「あー、じゃあ後1人は適当に渡しとくわ。自分で食ってもいいしな」
「ほ~。じゃあ、これでミッションコンプリート!あとはお兄ちゃんの仕事です!
雪乃さんもありがとうございました!」
「いえ、大したことはしていないし、楽しかったわ」
「小町も楽しかったですよ~」
と言って雪ノ下に抱き着く。困った笑みを浮かべながらも、どこか嬉しそうだ
62 = 1 :
「いい息抜きにもなったし、これから小町は勉強タイムに入ります!」
「そうね。遅れを取り戻さなくてはいけないものね」
「はい!あ、でも最近調子がよくてなんとかなりそうなんですよね~。躓いたら助けを求めるので、
雪乃さんはお兄ちゃんの面倒を見てて貰えると助かります!」
「おい、なんでそうなる」
「調子がいいと慢心したときが一番危ないわ。人に教えるのも苦ではないし、気にすることはないわ。
それに心配しなくても、彼は一人で生きていけるわ」
「そいつは無理だ。おれは誰かに養ってもらわないと生きていけない。働く気はないからな」
いい笑顔でそう告げてやると、雪ノ下は、また頭を抱えた
小町にはにやけ顔キモいよと指摘された
え?もしかして今までイケてると思ってやってきたのは全部にやけ顔だったの?
なにそれ超恥ずい。むしろ今までの人生すべて恥ずかしいまである
「まあ、そういうことなんで、兄の面倒よろしくできませんかね?
友達いないくせにパーティーゲームとか買ってくるんですけど、小町しか相手いなくてー
しかもお兄ちゃん"強い"ので全然"勝てない"んですよね~」
「強い…勝てない……。比企谷くん、それはどういうゲームなのかしら」
うわぁ……勝負ごとに目がない雪ノ下さんが食いついちゃったよ。
「あれだ、テレビゲーム。マリカとかスマブラとかだよ。ていうか一人でもできる」
「マリ……それはどういうものなのかしら。ゲームとかやらないから」
「はい!用意しましたよ~。存分に楽しんでください!それでは小町は勉強してきまーす」
追随を許さぬかの如く早口でまくしたて、部屋に向かう
なんだよやめろよ2人きりにしないでくれ。変に意識しちゃうだろ。
一方雪ノ下はゲームを興味深そうに眺めちょんちょん触っている。
「これ、どうやって使うのかしら」
「あー、貸してみろ」
テレビを点け、ゲームを起動する
「じゃあやり方から説明するか」
63 = 1 :
雪ノ下は説明するたび、ふむふむと頷いている。ちなみにスマブラ。
試しに実戦をしてみたのだが、もちろんぼっちマスターこと俺に勝てることもなく、
少し悔しそうな顔をしていた。
「なるほど、なかなか分かってきたわ。同じコマンドでもキャラによって攻撃のタイプが違うのね」
「そうだな。全部のキャラを覚えるのも大変だが、パターンを覚えちまえば大分戦える」
呑み込みの早い雪ノ下は、何戦か続けていくうちにめきめきと上達していく
正直やばい。俺も結構必死になってる。こいつゲームにも才能あるのかよ。
頭のいい奴はみんなこうなのかもな。
更に数戦した結果
「ふふ、完勝ね」
「おい嘘だろ。ていうか投げ連なんてどこで覚えた」
相手の機を一切減らせずに負けた。
いや、あれだし?ゆーてガチキャラで挑んでないし?
でも、初心者相手にガチになるのもあれだし?
いるよなーこういうやつ。負けるの認めたがらないで言い訳はじめる。
友達いないから知らんけど。
「たまには、ゲーム…というのも楽しいわね」
「だな。おれもあんまやる方じゃないし、人とやる機会もないからな」
「今のは負けた言い訳かしら」
「ぐっ…」
くすくすとおかしそうに笑う
つられて俺も笑みがこぼれる
「でも、少し疲れたわね。小町さんに呼ばれるまでどうしようかしら」
「…いつもどおり、本でも読んでりゃいいんじゃねーか?」
「そうね。でも、いつもは持っているのだけれど今日は入れてこなかったのよね。
なにかおすすめを借りてもいいかしら」
「ああ、ちょっと待ってろ」
自分の部屋から適当に数冊持ってくる
2人、ソファに寄りかかりながら本を読み始める
こいつとこんな近距離で本を読むのなんて初めてじゃなかろうか。
隣にいるといい香りが漂ってくる。
いかんいかん、これはキモいぞ。
邪念を払うためにも本に没頭し始める
随分とゆったりとした時間が流れる
静かな空間と温かみのある部屋
隣から香る心地よい香りが自然と眠気を誘う
思考もままならず、うつらうつらと船を漕ぎ始める
あーやばい眠い。
しかし睡魔には抗えず、いつのまにか眠りに落ちていた
64 = 1 :
* * *
「すいませーん!小町寝ちゃってましたー……ってあら?お兄ちゃん?雪乃さんは?」
時刻は午後7時
比企谷小町はリビングに降りると部屋の電気が点いてないことに気付く
「お兄ちゃーん?雪乃さん帰っちゃったー?」
部屋の灯りを点けて周囲を確認する
「…え?ほへぇ~」
目的の人物を見つけると、ニヤニヤしだす
かと、思えば優しく慈愛に満ちた表情になる
「ほんと、よかったねお兄ちゃん。……欲しいもの、手に入ったね」
一人呟く
その手に握られているのはカメラモードになったスマホ
「はい、ぴーなっつ」
カシャッと音を立てると、画面に今しがた撮影したものが表示される
そこには、互いに寄り添い合い眠りにつく男女がいた
65 = 1 :
* * *
休み明けの学校
比企谷八幡は机に突っ伏し、考え事をしていた
部活いきたくねえええええええええええええ!
この間雪ノ下が家に来た
そこまではいい。お菓子作りにゲーム。何ら問題ない。
本を読んでる最中に寝てしまう。そんなこと多々ある。
だが、その寝てしまうのが悪かった。
カシャッという音と共に目が覚め、あたりを見回すと違和感に気付いた。
寄り添うように雪ノ下が寝てるではないか!
彼女もまた謎の音で起き、寝ぼけているのかきょろきょろすると、次第に事態を把握した。
そこからの行動は早かった。赤くなった顔を隠すようにマフラーやらなんやら装着し、
荷物をまとめ早口でまくしたてると玄関に急ぐ。
一応、遅いし送ってく、と言ったのだがやんわりと断られ、俺もまた気恥ずかしさから
断られたことにほっとした。
最後の一言だけが鮮明に頭に残っている
『……また。……遊びにきても、いいかしら』
それが先ほどから何どもリピートされ悶えのた打ち回っている
っべーよ、ぱないわ。ちな教室
「ヒッキ―……どうしたの、すんごいキモい」
「……ほっとけ」
わかってる。だがなんともいえない感情が暴れまわっている。
これは本当に俺か?にゃる様に乗っ取られたんじゃなかろうか
66 = 1 :
そういえば、由比ヶ浜を見て思い出した
「これ、やるよ」
「ん?クッキー?どうしたのヒッキ―!?」
なんかラップっぽくなってる
Hey!これはクッキー!お前はヒッキ―!
俺は誰だよ
「あー、なんか小町がな。世話になってる人に渡してこいってな」
「ほあー、なるほど。でもひ、ヒッキ―を世話してるって、なんかあれだね…養ってるみたいな……
や!全然そういうんじゃなくてね!?」
「むしろ俺が世話してるもんな」
「されてないし!?」
少し気が紛れたな。
由比ヶ浜に感謝しつつ、そろそろ周りの目が痛くなってきたのでシッシッと追い払う
さて、さっさとこいつを配っちまうか。
67 = 1 :
目的の人物を探す
どこだ!戸塚はどこだ!
いない。あ、川……川デックスさんがいた。先にこっちに渡すとしよう。
声が裏返らないように気を付けて、ドスの利いた声を発する
いや、ダメでしょそれ。
「よう」
「ひぁ!」
川崎は、突然背後から声をかけられたことに驚いたのか、なんとも可愛らしい悲鳴を上げる
あ、川崎だよ川崎。
「な、なに!?んん゛……何?」
今の反応をなかったことにしたいのか、咳払いをすると軽くにらみながら聞いてくる
「これ。まえ世話になったのになんも礼してなかったからな。こっちは弟さんの分だ」
「別にいらないって……まあもったいないから貰っとく」
少し態度が柔らかくなった。弟に土産が出来たからか?このブラコンめ。
なんて口に出したら殺されかねないのでその言葉は心の中にしまっておく
私のココロ!アンロック!いや開けちゃだめでしょ。
「ん。じゃな」
「あ、あんたさ」
68 = 1 :
「あ?」
「いや…もうすぐ総武高の受験始まるでしょ?終わったらさ……うちの弟に息抜きさせてあげたくて、
あんたんとこの妹も同じでしょ?」
「妹はやらん」
「だれも欲しいなんて言ってないでしょ、このシスコン」
「弟のためになんかしてあげたいとかいうブラコンに言われたくない」
「あ゛?」
こわいからやめて。てか先にふっかけてきたのそっちなんですがそれは。
「……話し戻すけど、だからなんかパーティー?とか」
「意外だな、そんな言葉がお前から出るなんて」
「うっさい」
「まあ、お前の弟はどうでもいいとして、小町に労いをかけてやるのは賛成だな」
「あんたしばき倒すよ」
だからこわいって。あとこわい。
「どっちみち、受験終わらないと何も言えんしな。後々考えようぜ」
「……ん」
一緒にやってくれるんだ、と小さな呟きを漏らした
紳士なおれは聞こえないふり聞こえないふり。
え?なんだって?
69 = 1 :
その場を離れ自分の席に向かうと、ちょうどいいタイミングで戸塚が入ってくる
「あ、八幡!おはよ」
相変わらずの戸塚スマイルである。
「よ。戸塚、これを受け取ってくれ」
その言葉を発した俺は、まるでプロポーズに指輪を渡しているような態度だっただろう
クッキーの入った袋を受け取ると嬉しそうに
「うわぁ、これ八幡が作ったの?ありがとう!でも、どうしたのこれ?」
「戸塚にはいろいろ感謝してるからな。今まで礼らしいこともできてなかったし」
「別に気にしなくていいのに。ぼくがしたいことをしてるだけだよ」
うむ。美しきかな 謙虚な心 日本人 (字余り)
「ありがとな」
特に何を言えばいいのかわからず、そう一言付け加えると、
「ううん。友達だもん」
といって、笑う
70 = 1 :
"友達"
なのだろうか。俺と戸塚は
そもそも友達の定義がわからない
友達がいたことがないから分かりようがない
いままで、そういったあやふやな関係は否定してきた
自分が傷つかないために
誰かを傷つけないように
だが、それは驕りだ
誰かを傷つけないなんて出来るわけがない
否定している時点で、相手に傷を与えてしまっているのだろう
自分は傷つかない。ならそれでいいのかもしれない
だが、それは偽りだ
否定することで自分も傷ついている
人を傷つけてしまったのではないか、と傷つく
平塚先生に言われた通り
傷をつけないなんてことはできない
そんなものがあるとしたら、それは偽物だ
ならば、本物とは何か
分からないし、解らない
もう、手に入らないものかもしれないし、既に手に入ってるかもしれない
まだ、諦めるのは早い
長い人生の序盤
だったらもう少しくらい期待してみてもいいかもしれない
俺と戸塚はもう友達なんだろうか
彼女たちともまた、そうなのかもしれない
そうであってほしい。そう考えて
71 = 1 :
「八幡?」
長い間考え込んでしまっていたようで、不安そうに戸塚が見てくる
「ああ、悪い。そうだな、友達…だからな」
すると、驚いたように瞬きをする
が、すぐに笑顔になる
「うん!」
軽く言葉を交わし、授業の準備をする
次は、現国か。
雪ノ下にはあの日に渡してあるから、クッキーの袋はあと3つ
あとは、材木座……には、下駄箱に入れとけばいいな、うん。
直接渡すのもなんかあれだし、勘違いさせておこう。
平塚先生は、教員だしな。部室に来た時くらいし渡せないな。
となると、あと一つ。渡しに行かねばならない奴がいる。
別に渡さないって選択肢もあるが、負い目もあることだしな。
「おらー、席につけー」
現国教師である、平塚先生がやってくる。
俺はどうやって渡そうかなーなんて考えつつ、適当に授業を聞いていた
72 = 1 :
今日は終わり
八幡パート思ってたより長くなった
次からいろはね
74 :
乙
八幡らしいね
75 :
ゆきのんかわいい
いろはすはよ!
76 :
こうゆきのんとかガハマさんの描写があるといろはすもヒロインになったなと感じるな
77 :
千葉だから掛け声がぴーなっつなのかな?
78 = 1 :
どうも、1年生にして新生徒会長の一色いろはです。
休み前に抱いた想いを胸に抱えたまま学校が始まり、しばらく経ちました。
めっちゃもやもやしてます。
なぜかって?
せっかく自分の想いに気付けたのに、なんにもアクションを起こせないからですよ!
冬休み中、遊びの誘いでも入れようかと思ったとこで気づきました。
先輩の連絡先知りません。
あわよくば街で偶然会えればー、なんて淡い期待をもって外に出ましたが、
あの先輩のことです。めったに家を出ない、出ても人の目につかないところだろうと。
ということで、もやもやとした休みを過ごしました。
せっかくの休みなのに……。先輩に会ったら文句言ってやる。
しかし、ここでもう一つの問題発生
先輩に会いに行く理由がない!
いや、そんなの気にせず行けよって思うかもしれませんが、
無理ですよ。表向きは、葉山先輩好きなわけですし?
振られたばっかで、さっそく別の男にちょっかい出してると思われたくないし?
いくらわたしが変わったといっても、根底から覆すなんて無理なわけで、
今でも、みんなが可愛いと思うわたし、でいたいわけですよ。
あわよくば、本物が欲しい。みたいな。
軽いですかね。でも、それがわたしです。
79 = 1 :
そんなこんなで今、生徒会室にて絶賛仕事中。溜息つきまくりですよ。はぁ
「会長。これにハンコ頼む」
「あ、はーい」
「そろそろ、紅茶入れますね」
「ありがとうございま~す」
副会長に書類を渡され、書記の子がお茶を入れる
奉仕部を真似して紅茶のセットを置いてみたりしたのだが、
これがなかなかいい息抜きになる
周りは2年生なのに対し、トップが年下ということで距離感がよくわからず、
空気が悪かったのですが、先のイベントを通し、なんとかいい雰囲気にはなったかな?
これも、先輩のおかげですね。いや、そもそもこうなったのは先輩のせいでした。文句言ってやる。
一応、役員の紹介でもしときますか。
副会長の武藤(♂)
会計の城ノ内(♂)
書記の本田(♀)
今、命名
多分そんな感じの名前です。
80 = 1 :
「会長、なんか悩みか?」
「え?わたしそんな顔してましたか?」
「いや、溜息ばっかしてたから。むしろ気づいてくださいって言ってるのかと思ったぞ」
「あははーすみません。実はですね」
「あ、やっぱり語りたかったんですね」
本田さんがあははと笑う
「副会長の言うとおり、悩みがありまして。ずばり、わたしがフェイクの方を狙ってる風を装いながら
本命と仲良くするにはどうしたらいいのかと」
「…ひどいな」
副会長がドン引きしている
そんなの知ってますよう、ぷんぷん。
わたしの本命には強力なライバルがいますからね、正攻法じゃ無理なわけですよ。
葉山先輩の一件をうまく使いつつ、先輩に情を沸かさせるという作戦です。
フられた人には優しくする、という心理。フった人が優しくなるのはもちろん、
そばでその状況を知っていた先輩は、わたしに優しくしてくれるというわけです。
わたしをフッた葉山先輩には、悪いですが利用させてもらいましょう。
やだ!いろはったら完璧!
性格悪い?褒め言葉です。
「その本命とは、現状でどのくらいの仲なの?」
ここまで口を開かなかった城ノ内先輩が疑問を聞いてくる
うーん、そういわれるとなんて答えたらいいんでしょう。
わたしを会長に推したことで、負い目を感じているように思えます。
「びみょ~な感じです、かね?」
「これはまたアバウトな回答だな」
副会長が困ったように言う
81 = 1 :
「連絡先とかは持ってるんですよね?」
各員のカップに紅茶を注ぎ足しながら本田さんが問う
「う、持ってないです。あ、どうもです」
「いえいえ。そうですか、それだと難しいですね。なにかイベントでもあればいいんですけど」
「もう、この時期になると受験しかないからねー。あとは学校のイベントではないけど、
バレンタインとかくらいかなー」
バレンタイン
それは魅力ですけどまだまだ先だ。その間に向こうの仲が進展しないとは限らない
となると、なるべく早く行動したいわけなのだが
「遠いですねー。なんか生徒会でイベント作っちゃいましょうか!」
「受験シーズンでそれは無理だ。というかその仕事を今頑張ってるんだが」
「うぐぐ、世界がわたしを邪魔する……」
あれ、そういえば先輩の妹さんがここを受験するって言ってたような…。
ふむ、なにかうまく繋げられませんかね。
「まあ、あまり外部に頼むのは気が引けるが、また仕事を頼めばいいんじゃないか?
そういう部活なんだろ?」
言われてなるほど、と頷く。ん?
「え?へ?何の話ですか?」
「ん?ちがうのか?てっきり、ヒキ…ヒキガ……、前に手伝ってくれた奴かと思っていたんだが」
「あ、わたしもそう思ってたんですけど、違うんですか?」
「へええええええええええええ!?なんでばれて…は!」
「まぁ僕らが会長の友好関係わからないから、それっぽい雰囲気だった彼を想像するのは当然じゃないかな」
城ノ内先輩がにやにやと笑う
本田さんも微笑ましいものを見るかのようにニコニコしてる
アイエエエエ!バレテル!?バレテルナンデ!?
葉山先輩にもばれてたみたいだし、わたしって結構わかりやすいのかな。
82 = 1 :
「むぅ、そうですとも!誰にも言わないでください、お願いします!」
「大丈夫だ。ここにいる奴は他言するような奴じゃない」
「おー、副会長から好評価いただきましたー」
くっそぅ、やれれましたー。
* * *
「それで、彼との関わりをつくるためにどうすればいいかだが……」
「副会長なんだかんだ言って乗り気だね~」
「な、なにをいっている。これは会長が悩みを解消しないと仕事の効率が落ちるからやっているだけだ」
「ツンデレなんだね~」
「うわぁ、私ツンデレ生で初めて見ました」
城ノ内先輩と本田さんにいじられて、副会長は居心地が悪そうだ
「ありがとうございます副会長。やっぱり仕事頼むのが手っ取り早いですかね?」
「そうなるんじゃないかなー。こっちとしても助かるしねー」
「気が進まんがそうだな。こちらとしてもなかなか忙しい上に、会長がこんな状態で効率が悪い」
「も、申し訳なく思っております」
しかし、今回の仕事は地味なうえになにも面白いことがない
祭りをしようという前回の仕事ではなく、ただ受験生のデータの管理と当日の誘導やら監視やらの指示等
でも、デスクワークとか先輩超得意そうですね。
「でも、仕事受けてくれない可能性ありますよね~」
「そうなったら仕方ないな」
「そんな~」
ぐでーとしていると、コンコンと生徒会室の扉が叩かれる
「あ、はいどうぞ~」
訪問を促すとそこにいたのは、
「おす。あー、一色ちょっといいか」
「先輩!」
まさに今求めていた人がそこにいた
83 = 1 :
「だいじょぶですよ~。あ、すみません少し席外しますね」
役員たちに断りを入れ生徒会室を出る
「どうしたんですか先輩、わたしに会いたくなっちゃいましたか~?」
向こうから来ることなどないと思っていた故に喜びが大きい
自然と笑顔になる
「あざとい……。これ、渡そうと思ってな」
「なんですか?これクッキー?どうしたんですか先輩あざといです」
「うるせー、いろんな奴に配ってんだよ。で、余った分やる奴が思いつかなくてな、
いらないなら俺が食うから気を遣わなくていいぞ」
「いえいえいりますよ!貰えるものはなんでも貰っておきます」
むぅー。プレゼントはいいんですが理由が気に入りません。わたしはついでですか。
84 = 1 :
「そうか、じゃあ俺はこれで」
「え、もう帰っちゃうんですか?」
せっかくのチャンス、逃したくはない
「いや、ほかに用途かないし……部活もあるしな」
「そういわずにちょっと寄ってってくださいよ。お茶出しますし、仕事もたくさんありますよ~」
「いらねーよ。よくそれで引き止められると思ったな」
「えー先輩お茶好きじゃないんですかー。じゃあ仕事だけでもどうですか?」
「逆だよ!仕事がいらねーっての、じゃあな」
「じゃあ奉仕部に依頼です!手伝ってください!」
「うちは何でも屋じゃねーっていったろ。ただの仕事の手伝いじゃうちの部長はお断りなんだよ」
そういえばそんなこと言ってた気がする。ならば煽り作戦です。
「先輩は雪ノ下さんの許可がないと動けないんですか?」
「ああ。飼いならされてるからな」
く、手ごわい。
「じゃ、じゃあ……先輩個人にお願いは、ダメですか?」
裾をつかみ、うつむきがちに問う
これは効いたのか、少し顔をゆがめる
「俺は働かないと決めているからな」
わー、これでもだめか。絶望的に脈がないのだろうか。
でもクッキーくれるくらいにはわたしの印象は残ってますよね。
85 = 1 :
「ただ、ほんとうにやばくなったら頼れ。そのときはなんとかしてやる」
「…! ほ、ほんとですか先輩!約束ですよ!」
「お、おう。そんなやばいのか」
「えへへ~、やばいですよ~」
主に先輩のせいで。
「そんな笑顔なら大丈夫だな、じゃこれで」
「ストップです先輩!携帯!携帯貸してください!」
「あ?なんでだよ…変なことすんなよ?」
「といいつつ、渡しちゃうんですね。危機感薄いですよ」
「やっぱ返せ」
「ウェイウェイ!……はい!できました!わたしのメアドと電話番号です」
「ああ。おい……愛しの後輩って誰だよ。うちの妹まだ入学してないんだが」
「わたしのことですよ!?ていうかシスコンなんですね、ドン引きです」
「まあいいや。今度こそ、またな」
「はい!ありがとうございました、先輩!」
やりましたね。やりましたよ!遂に進展しちゃいましたよ!
いやー、がんばったなわたし。
うん、これでがんばれる。
これからの事を考えて思わず笑みがこぼれる
ようやく始まる、わたしの恋路
86 :
生徒会メンバーは遊戯王かな?
いろはすやっぱいいわ~
87 :
本田だけ女なのが謎
そこは杏子で良かったんじゃないかな
88 :
>>87
別にいいじゃないか
89 :
>>88
誰もダメなんて言ってないだろ
アスペかよ
90 :
>>89
なんでキレてんだ?
そうだなの一言で終わる話だろ?
91 :
ああ、そういうことか。
それより副会長がヒロインに思えてきた
92 :
副会長は原作でも八幡とさりげなく馬が合うというかなんかそんな感じだしな
95 :
副会長名前出てた気がするけど遊戯でいっか
96 :
いろはす~
97 :
>>62
>一方雪ノ下はゲームを興味深そうに眺めちょんちょん触っている。
ん?かわいい
98 :
これは傑作になる予感
99 :
生徒会のメンツでワロタww
みんなの評価 : ★
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- ルナ「ルナのお友達になってくれる?」八幡「や、その友達とか良くわからないんで」 (218) - [36%] - 2017/3/24 17:15 ☆
- 京太郎「モテないから誰かを襲った」竜華「こ、子どもなんて産みたない!」 (1001) - [35%] - 2014/12/10 4:45 ★★
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