私的良スレ書庫
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元スレ京太郎「ステルスと」モモ「イーワンっす!」
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京太郎「下校時刻が近づいてるし帰ろうぜ」
誤魔化すように言う。
桃子「そうっすね」
チャットに書き込み電源を落として鞄を持つ。
外は少しだけ薄暗くなっていた。
いつも元気な野球部もサッカー部もいなくなっていた。
京太郎「ちょっと暗くなっちまったな」
京太郎「家まで送っててやるよ」
女の子を暗い中一人で歩かせるのはとても危険だし。
それにモモは認識されないから暗い中だと事故にあいやすいだろうし。
桃子「今日は麻雀も勝てるし、京太郎くんにも送ってって貰えるなんてすっごく幸せな日っすね」
モモは笑顔でそう言った。
京太郎「別に俺が送っていくのは関係ないだろ」
桃子「恥ずかしがってるっすか京太郎くん」
図星。
当たってるって思ったのかモモがニヤニヤしてる。
何か言われる前に歩調を速める。
桃子「待ってくださいっすー」
モモが小走りで着いてくる。
追いついたところで歩調を合わせてやる。
桃子「はぁ…はぁ…」
苦しそうなので立ち止まる。
桃子「…京太郎くん、校門に誰かいるっすよ」
モモが校門を指差す。
そちらに視線を向けると女生徒が校門の横に立っていた。
同級生では見たこと無い顔だったので上級生だと思う。
何も言わないで通り過ぎるのは失礼だと思ったので
京太郎「うっす」
桃子「っす」
それだけ声をかけて通り過ぎた。
「ああ、お疲れ様」
後ろから声が聞こえた。
なんとなくこれからも聞くことになるのだろうと思った。
???視点
「はぁ」
(収穫なしか…)
ため息をつき、椅子に寄りかかる。
(あの後すぐ校門に走って向かったはずなんだがな)
(あの少年しか現れなかった)
(もしかして本当はあの少年だけなのか…?)
(だとしても途中から打ち方が変わった説明がつかない)
(あーもうなんでもっと話しかけなかったんだ…)
(もう一度、もう一度だけあの少年とやってみよう)
(話はそれからだ)
ぎゅっと手を握りしめた。
区切りにしますですよ
夜にこれなくてすいませぬ
ちょっと立て込んでいまして
夜に更新できればいいなーって思いますですよー
夜にこれなくてすいませぬ
ちょっと立て込んでいまして
夜に更新できればいいなーって思いますですよー
奴隷のような扱いでも文句を言わない所
魔王である咲と付き合っていけてる所
魔王である咲と付き合っていけてる所
わた咲ちゃんみたいな女の子にも優しくしてくれたよ
わた桃子みたいな女の子のことを見つけてくれたっす
いいところ…ですか
平凡なのに諦めないところですかね
ゆーきの為にタコスの作り方をハギヨシさんに聞いたり
部のために雀卓を持って行ったり
入部してから買い出ししかしてなかったり
部の勝利のために身を粉にしているところですかね
わた桃子みたいな女の子のことを見つけてくれたっす
いいところ…ですか
平凡なのに諦めないところですかね
ゆーきの為にタコスの作り方をハギヨシさんに聞いたり
部のために雀卓を持って行ったり
入部してから買い出ししかしてなかったり
部の勝利のために身を粉にしているところですかね
翌日、京太郎とモモは昨日と同じく学校のサーバー経由のネット麻雀をしていた。
対戦相手は昨日とほぼ同じでかじゅって人もいた。
ただ一つ違うとすればかじゅって人から個人的にチャットがきていたことくらいだ。
京太郎「……」
桃子「……」
京太郎「これどう思う?」
画面のチャット欄に打ち込まれた文字を見て固まった。
『君、麻雀部に入らないか?』
そこの書き込まれていたのはその一文字だった。
桃子「普通に勧誘だと思うっすけど…」
桃子「京太郎くんはどしたいっすか?」
京太郎「見学くらいなら行ってみてもいいけど…」
京太郎(この人が誘いたいのは俺ではなくモモだと思うんだよなぁ…)
京太郎「お前はどうしたい?」
モモの顔を見る。
すこしだけ悲しそうな顔をしていた。
モモの頭に手を乗せて撫でてやる。
京太郎「大丈夫だって。俺はどこにもいかないからさ」
それだけでモモの悲しそうな顔は引っ込み、すぐに嬉しそうな顔になった。
桃子「えへへっす」
京太郎「えっと…じゃあ」
ほっとけない奴がいるんでご遠慮します、っとチャットに打ち込む。
かじゅさんはそれ以上何も言ってこなかった。
桃子「本当にいいんっすか?」
桃子「京太郎くんが強くなるチャンスだったんっすよ?」
京太郎「んーまぁ、そうかもしれないけど、お前がいなかったらつまらないし」
それだけ言って俺はパソコンの席から立ち上がる。
桃子「今日も私が打つっすか?」
京太郎「おう、見てるのも結構勉強になったりして面白いしな」
桃子「しょうがないっすねぇ」
モモは席に腰を降ろし、チャットによろしくお願いしますと書きこむとすぐ半荘が始まった。
桃子「ぐぬぬ」
京太郎「惜しいなぁ」
昨日みたいに勝つことは出来なかった。
昨日の今日で流石にマークされてるのか、かじゅさんからの放銃は少なかった。
桃子「やっぱり何度も勝てる相手じゃないみたいっすね」
京太郎「まぁでもいい線じゃないのか?」
初心者の俺から見たらって話だけど。
京太郎「んじゃま、キリがいいから帰ろうか」
桃子「はーい」
元気の無い声で返事をしながらモモはパソコンの電源を落とした。
教室の扉を開けようと思って手をかけようとしたその瞬間、
「私は君が欲しいっ!!!!!!」
扉が勢い良く開いたの同時に昨日の上級生が目の前にいたのだった。
To be continued
今日はここで区切るっす
実は伸ばしすぎて着地点見失った感じっす
明日から本気出す(震え声
実は伸ばしすぎて着地点見失った感じっす
明日から本気出す(震え声
京太郎「……」
「……」
桃子「……」
俺もモモも上級生も誰一人身動きが取れなかった。
もちろん教室内には他の生徒もいるのだが、その誰一人でさえ動くことは出来なかった。
京太郎「あの…」
意を決して声をかけてみる。
「ひゃいっ!」
裏返った声で返ってきた。
というかさっき俺はこの上級生になんて言われたんだっけ…
京太郎「私は君が欲しいって…俺のこと…じゃないっすよね…?」
「っ」
上級生の顔が真っ赤に染まっていく。
あーかなり恥ずかしいんだろうなぁ、もし俺が同じことしたら耐えられる自信なんてないし。
京太郎「…なんかの間違いっすよね?」
「……」
助け舟を出すと黙り込んでしまった。
さっきから一言も話していないけど。
「………」
次第に周りの生徒たちも緊迫から解き放たれたのかひそひそ話をし始めた。
俺にも聞こえてるんだからこの上級生にも聞こえているんだろうなぁ、なんてのんきなことを考えていると
「……いや」
上級生が耳まで真っ赤にしながら話し始めた。
「……さっきの言葉の意味の通りで構わない」
「ただ、麻雀部にも来て欲しい」
俯きながら小さく呟いた。
今なんて言った?
さっきの言葉の意味の通りで構わない?
つまり俺のことが欲しいってことなんですか?
もしかして一目惚れってやつですか?
桃子「だ、だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇっす!!!」
モモが俺と上級生の間に入りこんだ。
桃子「そんなの絶対許さないっすよ!」
「……えっと…君は…?」
桃子「東横桃子っす。京太郎くんとは同級生でさっきの半荘は私が打ってたっすよ!」
「…そう…なのか?」
いきなりの出来事で混乱しているのだろうか。
目が泳ぎまくっている。
京太郎「まぁ…俺の麻雀の師匠ですからね、モモは。さっきの半荘はモモが打ってましたよ」
「そう…なのか…どうりでいきなり強くなるわけだ…」
上級生がぶつぶつと呟いた。
どーせ俺は弱いですよーっだ。
桃子「麻雀部の勧誘っすよね? だったら京太郎くんではなく麻雀の強い私にするっす!」
「だが君はさっきまでそこにはいなかったはずだが…」
あの状況で周りを見渡せるのかこの人は。
すごいなこの人。
京太郎「あーこいつの体質のせいっすよ」
京太郎「ほらよく聞くじゃないですか、ファミレスとか友達と一緒に来て一人だけ水がもらえない人の話とか」
京太郎「その強化版みたいなものっすよ」
「な、なるほど…」
納得したのか顎に指を当て頷く。
「確かに気付けなかったが…」
「君のその実力は確かだ」
桃子「は、はいっす」
こいつ人に褒められるの慣れてなさ過ぎるだろ…。
もっと慣れないと変な人につれてかれるぞ。
「すまない、気が動転して自己紹介していなかったな」
「私は三年の加治木ゆみだ。麻雀部に入部している」
加治木ゆみと名乗った上級生は桃子をまっすぐに見つめる。
「桃子、麻雀部に入部してくれないか」
凛とした声でそうはっきりと言った。
モモは不安そうにこっちを見てきた。
親指を立ててやる。
お前の好きにしろ、という意味を込めて。
桃子「わかったっす。麻雀部に入部するっす」
それがお前の望むなら俺は応援するさ。
桃子「でも条件があるっす」
ゆみ「何でも言ってくれ。出来る限り善処しよう」
するとモモはにっこりと微笑み、俺の袖を掴んだ。
桃子「京太郎くんと一緒に麻雀部に入ることが条件っす」
とびっきりの笑顔でそう言い放った。
ゆみ「ああ、もちろん構わないぞ」
ゆみ「一緒に麻雀をしよう、須賀くん」
そういって加治木先輩が俺に手を差し伸べる。
京太郎「えええええええええええええ!!?」
京太郎「ちょっと待て俺の意思はどうなるんだよ!?」
桃子「私が一緒じゃないとつまらないって言ったのは京太郎くんっすよ?」
モモに笑顔でそう言われて俺は言葉を失った。
こうして俺とモモは鶴賀高校の麻雀部に入部することになった。
To be continued
今日は区切りっす
頭痛いっす
やったね京ちゃん、やっと麻雀部にいけるね
ここでコンマ安価しますっす
20:45に一番近いスレの鶴賀メンバー(ゆみとモモ除く)を書き込んでくださいっす
次の展開がちょっとだけ変わりますっす
本筋には影響ないので気楽に参加してくださいっす
頭痛いっす
やったね京ちゃん、やっと麻雀部にいけるね
ここでコンマ安価しますっす
20:45に一番近いスレの鶴賀メンバー(ゆみとモモ除く)を書き込んでくださいっす
次の展開がちょっとだけ変わりますっす
本筋には影響ないので気楽に参加してくださいっす
おつおつ
かおりん
京太郎との初心者同士の交流に焦りを感じるモモ
かおりん
京太郎との初心者同士の交流に焦りを感じるモモ
かおりん人気っすね
やっぱりおもち持ちだからか…
了解です
かおりん可愛いもんねメガネかけてて天然系おもちですし
やっぱりおもち持ちだからか…
了解です
かおりん可愛いもんねメガネかけてて天然系おもちですし
うぅ…頭痛すぎるっす…
夏風邪っすかね…災難っす…orz
すいませぬ更新出来そうもないっす
回復次第更新したいと思いますのでしばしお待ち下さいっす
夏風邪っすかね…災難っす…orz
すいませぬ更新出来そうもないっす
回復次第更新したいと思いますのでしばしお待ち下さいっす
中途半端に治すんじゃなく
キッチリ回復して戻ってきてくだされ
薬などが効いて楽になってきても
寝てしっかり体調をととのえてください
キッチリ回復して戻ってきてくだされ
薬などが効いて楽になってきても
寝てしっかり体調をととのえてください
夏風邪ひいたモモを看病したい
うつされてダウンしてる所をお返しに看病されたい
うつされてダウンしてる所をお返しに看病されたい
ちょー寝たら完全復活したっすよー
ちょー元気になったから書き溜めていくっすよー
と言っても割と即席っすけど
かおりんの口調分からんたい
ちょっと分析しながら書くのでお時間ほしいっぽい
ちょー元気になったから書き溜めていくっすよー
と言っても割と即席っすけど
かおりんの口調分からんたい
ちょっと分析しながら書くのでお時間ほしいっぽい
ゆみ「ここが麻雀部の部室だ」
加治木先輩の後をついていくこと数分。
すぐに麻雀部の部室へたどり着くことが出来た。
ゆみ「歓迎するよ」
加治木先輩が部室の扉を開ける。
ゆみ「ようこそ麻雀部へ」
部室の扉をくぐり中に入る。
普通の部屋に麻雀卓と金色の髪の毛の眼鏡をかけた少女がバツが悪そうに佇んでいた。
ゆみ「妹尾だけか?」
「えっと…さっきまで智美ちゃんもいたんだけど…」
妹尾と呼ばれた少女は困ったように答える。
うん、制服から分かるくらいおもちも大きいし可愛いし言うことなしだな。
桃子「むむむ…」
後ろでモモが一人唸ってるが放っておく。
「ところで後ろの人は…?」
恐る恐るのその仕草、キュートです。小動物みたいで。
ゆみ「ああ、この二人は新入部員だ」
加治木先輩の言葉に疑問を感じたのか妹尾さんは小首を傾げた。
「でも、一人しか…」
妹尾さんにはモモの姿は当然見えていなかったようだ。
京太郎「どもっす。新入部員の須賀京太郎っす。精一杯部の為に尽くしていくんでよろしくおねがいしますっ」
桃子「京太郎くん………」
妹尾さんが考える前に頭を下げて自己紹介をして気を逸らす。
「あ、はいっ。あとがとうございます」
妹尾さんは立ち上がり、
「私は二年の妹尾佳織です。麻雀はあまりやったことなくて…まだまだ初心者ですけどよろしくね」
そう言って同じくらい頭を下げて自己紹介してくれた。
初心者と聞いて少しだけ安心出来た。
「わっはっはー、ユミちんお手柄じゃないかー」
後ろから声が聞こえた。
ゆみ「遅いじゃないか蒲原」
振り返るとそこに二人の女生徒がいた。
「ちょっと先生に呼び出しされてたからなー」
「…………うむ」
カラカラと笑いながら話す女生徒と無口な女生徒。
なんだか対称的な二人だと思った。
「君、さっきの自己紹介廊下に丸聞こえだったぞー」
さっきのあれ聞かれてたのか…なんか恥ずかしいな。
「結構結構。下級生は元気なのが取り柄みたいなもんだからなー」
ゆみ「おい蒲原。無駄話ばっかりしてたら話が進まないだろ、さっさと自己紹介しておけ」
「ユミちんはせっかちだなー、だから彼氏の一つや二つも出来ないだぞー」
ゆみ「それは今関係ないだろ……」
加治木先輩の方がプルプルと震えている。
綺麗な人だから彼氏くらいいると思ったけどそうでもないのか、ちょっと良い事聞いたな。
智美「えー、私は三年生の蒲原智美だ。麻雀部の部長をやってるんだ。これからよろしくなー二人とも」
京太郎「!?」
桃子「えっ!?」
この人、モモの存在に気付いてるのか?
智美「いや、姿は見えないけど匂いでなんとなくなー」
智美「私は昔から鼻がいいからな、嗅いだことの無い匂いがあれば気付く」
最後にワッハッハと笑った。
睦月「二年、津山睦月。趣味はプロ麻雀せんべいのカード集めだ。よろしく」
二人が自己紹介を終えると
智美「では改めて、ようこそ我が麻雀部へ」
と蒲原先輩が手を差し伸べる。
モモの手を掴み、一緒に蒲原先輩の手を握る。
モモがビックリして俺の方を見てた。
京太郎「よろしくお願いします」
桃子「…よろしくおねがいしますっす」
ゆみ「よろしく」
加治木先輩がその手の上に自分の手を重ねる。
佳織「私もいいかな?」
睦月「では私も」
二年生の二人も手を重ねる。
智美「ワッハッハー、麻雀部、始動開始ー」
皆「はいっ!」
智美「やっと部活として活動出来るなー」
京太郎「え、今まで部じゃなかったんですか?」
智美「部活動として認められるのは五人以上の部員がいて成り立つからなー」
智美「今日先生に呼ばれたのは五人揃ったって連絡もかねてたんだぞー」
智美「だからユミちんが君たちを連れてこなかったらちょっと面倒なことになってたんだなー」
智美「ワッハッハー」
京太郎「」
桃子「」
モモとアイコンタクトをしてみる。
どうやら同じこと思っているらしい。
大丈夫なのかこの部…って。
不安の残る中、俺とモモは蒲原部長率いる麻雀部の一員になれたのだった。
ワッハッハー
部長は動かしやすいなー
というかモモちゃんヒロインしてない…
次はヒロインさせたい
でも麻雀する話なんだなーこれが
とりあえず、今日は病み上がりなのでここで区切りとしますっす
励ましの言葉くれてありがとうっす!
ヒャッハー仕事が終わったっすー
久々に午後休みだったっすよー
さて書き溜めるっすよー
ここでちょっとアンケっぽい!
一気に投下系か時間決めてその時間にちょいちょい投下系のどっちがいいのです?
後者は割りと即席みたいな感じになるっす
今のやり方もわりと即席だったり(>>83-88くらいの長さ)書き溜めだったりしますっす
久々に午後休みだったっすよー
さて書き溜めるっすよー
ここでちょっとアンケっぽい!
一気に投下系か時間決めてその時間にちょいちょい投下系のどっちがいいのです?
後者は割りと即席みたいな感じになるっす
今のやり方もわりと即席だったり(>>83-88くらいの長さ)書き溜めだったりしますっす
智美「今から新入部員の実力を見るぞー」
京太郎「それはいいですけど…俺人と打つの初めてなんで」
ネット麻雀経験はあっても人と対面で打つなんて初めての経験だ。
それに綺麗な人が多いのもあって緊張する。
佳織「大丈夫だよ」
妹尾先輩が微笑む。
佳織「私もここの人たちとしか打ったことないしね」
天使や、天使がここにおる。
桃子「……」
静かに俺のつま先を踏んでくるモモ。
誰からも見えないからってやっていいこととやっちゃならんことだってあるんだぞ。
ゆみ「私はネット麻雀で何度も対局したことあるから後で構わないぞ」
そう言って加治木先輩は椅子に座り込んだ。
近くにあった麻雀雑誌を手にとって読んでいる。
智美「ん、じゃあ、私、むっきー、かおりん、須賀くんで席につくことにするぞー」
京太郎「はい」
とりあえず雀卓の席に座る。
他の人も次々に座っていく。
佳織「えへへ、よろしくね、須賀くん」
桃子「…鼻の下伸びっぱなし」
後ろからモモにボソッと呟かれた。
いかんいかん、対局の間くらいは集中しないと。
気を引き締めて周りを見渡す。
智美「ワハハー、では須賀くんが仮親ということでサイコロを回してくれ」
京太郎「はい」
中央にあるボタンを押すと雀卓のサイコロが回り始めた。
京太郎「」
燃え尽きたぜ、真っ白にな………。
佳織「ご、ごめんね?」
妹尾先輩がペコペコと頭を下げてくれた。
京太郎「いえ、…大丈夫っすよ」
まさか役満に振り混むなんて思わなかった。東一局目で。
智美「ワハハー、出たなかおりんのビギナーズラック」
京太郎「うぅ…初心者って…なんなんだ…」
ガックリとうなだれる。
桃子「よしよしっす」
モモが俺の頭を撫でる。
いつもだったら振りほどくのだが、そんな気力なんて残っていなかった。
智美「次はユミちんかもう一人の子に打ってもらいたいんだけど…」
蒲原先輩は俺の方を見る。
あーモモの意見を聞きたいのか。
モモの方を見る。
どうやら顔はやる気十分だな。
蒲原先輩の方に向きなおし頷く。
智美「そっかー」
智美「じゃあ、かおりんは休みだぞー」
佳織「はーい」
前かがみになりながら立ち上がる妹尾先輩。
迫る胸の姿を目に焼き付けながら妹尾先輩が立ち上がって行くのを見送った。
桃子「………」
妹尾先輩がいなくなった対面に座ったモモはとてもいい笑顔だった。
…………あ、これ本気で怒ってる顔だ。
桃子「よろしくっす」
ずっと笑顔を崩さないモモの表情を見ながらの対局が始まったのだった。
京太郎「」
本日二回目の飛びだった。全てモモから直撃だけど。
というか、周りの先輩が軽く引いてたぞ。
智美「ワハハーどれだけ怨みをかってるんだ須賀くんは」
睦月「強い弱いの判断なんて出来ないくらいすぐ飛んでしまったからな」
智美「対局の間はモモの姿は丸見えだったなー」
睦月「今は全く見えないんだが…どこにいるんだ?」
そりゃ…まぁ…。
あんなに存在感振りまいてるモモなんて俺だって初めて見ましたし…。
桃子「つぁー………つかれたっすー…もう二度とあんな集中したくないっすよー」
髪の毛逆立つほど集中するとか人外レベルじゃねぇのかそれ。
ゆみ「どうだった?」
加治木先輩が後ろに立って背中を押してくれた。
京太郎「実際に人とするのってなんか…言葉にしにくいっすけど……」
京太郎「なんか…いいっすね」
これは本当の気持ちだ。
飛ばされたりされたけど、それ以上に楽しかった。
ゆみ「そうか」
加治木先輩はゆっくりと頷く。
京太郎「やるなら勝ちたい」
男とか女とか関係ない。
何回飛ぶことになってもいい。
ゆみ「…いい眼だ」
ゆみ「智美」
智美「んー?」
ゆみ「次は私が打ってもいいか?」
智美「構わないぞー」
蒲原先輩はそう言って席を立った。
ゆみ「ありがとう」
加治木先輩は空いた席に座る。
ゆみ「須賀くん、君の力を見せてくれ」
京太郎「…………」
ここまで言われたんだ。
少しだけ言い返しても問題ないだろう。
京太郎「後悔しても知りませんよ?」
京太郎「」
ゆみ「いや…本当にすまない」
飛んだよ、綺麗にな。
まさか三回とも飛ばされることになるとは思わなかった。
桃子「京太郎くん」
モモが隣に来てしゃがむ。
桃子「こうなったら特訓するしかないっすよ!」
特訓…特訓か…。
確かにこの実力差は歴然。
こうなったら死に物狂いでやらないと追いつけない。
ゆみ「落ち込んでるところだと思うが少しだけ私の話を聞いて欲しい」
京太郎「あ、はい」
体を起こし体勢を整える。
ゆみ「恥ずかしいことに私が麻雀を始めたのは高校一年の時なんだ」
京太郎「あんなに強いのに…?」
ゆみ「強くないさ、まだまだ上には上がいる」
ゆみ「私はその人たちに一矢報いたいんだよ」
ゆみ「平凡でも非凡に勝てるってことを証明してやりたい」
そう語る加治木先輩の言葉には覚悟があった。
やると言ったらやってしまいそうなそんな覚悟が現れていた。
ゆみ「勝てなくて悔しいかもしれない」
ゆみ「勝てないからかって腐らないで欲しい」
ゆみ「須賀くんは私と似てるからな」
ゆみ「君もきっと強くなれる」
加治木先輩がニコッと笑う。
その顔は上級生とは思えないくらい可愛くて――――綺麗だった。
閑話休題
京太郎「そういえば部長って加治木先輩ですよね?」
ゆみ「私じゃないんだが」
京太郎「え?!」
智美「ワハハーもうその反応されても泣かないぞー」
嘘ですね蒲原先輩。
目元にめっちゃ涙溜まってますよ?
智美「自己紹介の時に突っ込まれなかったからおかしいと思ったぞー」
智美「でも、突っ込まれないから、やっと私にも部長の風格が出てきたと思ってたのに……」
智美「こんな時間差攻撃あるなのか…ワハハー…ワハハ………グスン」
泣いちゃったよ!?
桃子「わ、私は勘違いしてないっすからね!」
フォローしてもお前の声は届かないんだぞ。
それにその慌てよう、勘違いしてましたって言ってるようなもんじゃないか。
ゆみ「はぁ……あと何回この光景見ることになるのだろうか…」
加治木先輩は窓の外を眺めながら、深くため息を吐いた。
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