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    元スレ京太郎「ここが龍門渕か……でっかいなぁ」

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    151 = 145 :

    透華「しかし、あなたたちのおっしゃられることもごもっともですわね……私に洋食のレパートリーがあればおよろしいのですが……」

    「ハギヨシがおれば、この問題もなんとかなるのだがな……」

    京太郎「誰ですか?そのハギヨシって人」

    「ここで働いてる執事だ。なんでも出来るすげぇ万能な」

    「……うん。確かにそれ以外に、どう説明していいか分かんないね。とにかく素敵滅法なんだ」

    京太郎「さらに謎が深まるばかりなんですが」

    智紀「そんな万能素敵滅法執事も、爆弾には勝てなかったよ……」

    京太郎「えっ、爆弾?おい、急にどうした?」

    透華「実はつい最近……(キンクリ)ということがございましたの」

    京太郎「」

    京太郎「えっ、人間なんですか?」

    「そうだ……と思う。ハギヨシも人の子だ。多分、恐らくは、きっと」

    透華「ですが人間である、という確証はございませんわね」

    「改造人間だったりしてな。仮面ライダーみてぇな」

    「えっ、悪魔じゃないの?よく、あくまで執事ですからって言ってるし」

    智紀「それなんて黒執事……私は宇宙人だと思う……」

    京太郎「もし人間じゃないなら、改造人間でも悪魔でも宇宙人でもなんであろうと、もうほとんど関係ないと思うんですが」

    152 = 145 :

    透華「あっ、そうでしたわ!須賀さん、明日はなにかご用事などありまして?」

    京太郎「いや、特になにもないですよ」

    透華「でしたら明日、我々とともにハギヨシのお見舞いに行って頂けませんか?」

    京太郎「あっはい、いいですよ。俺も会ってみたいですし」

    京太郎(どんな筋肉モリモリマッチョマンなのか見てみたいし)

    透華「あら、左様ですの!それはなによりですわっ!」

    「これでハギヨシにも、須賀を紹介できるな!」

    「果たして須賀くんが、ハギヨシさんに認めてもらうことが出来るのか楽しみだね」

    「認められなかった場合はどうなるんだ?」

    智紀「そりゃあもう、ハギヨシさんのなんかすごいパワーでやられて終わり……」

    京太郎「おい、怖いこと言うなよ……だ、大丈夫ですよね?」

    透華「えぇ、ご安心下さってかまいませんわ。ハギヨシはとても穏やかで、気立ての良い人物ですもの」

    「それに須賀なら大丈夫だ!須賀がハギヨシに認められないなど、そんなことは万に一つもない!なんといっても須賀であるからなっ!!」

    京太郎「あ、ありがとうございます……なんでそんな買いかぶられてるのか、ホントよく分かりませんけど……」

    153 = 145 :

    衣・純・一・智紀・京太郎「「「「「ごちそうさまでしたっ!」」」」」

    透華「お粗末様でした、ですわ」

    京太郎「食器、洗いましょうか?」

    透華「あっ、いえいえ。そのままで結構ですわ。私がやりますので」

    京太郎「いやいや、そういうわけには行きませんよ。ご飯作ってもらったのに、食器洗いまでなんて」

    透華「でも……食洗機に入れるだけですわよ?」

    京太郎「それでもですよ。むしろそれなら、俺も安心して出来ますし余計にやります」ガタッ

    透華「左様ですの……では、お願いいたしましてもおよろしいでしょうか?」

    京太郎「はい!どーんとお任せください!」ドンッ

    透華「うふふ、頼もしいですわね。あっ、くれぐれも食器を落として、十数枚を割りましたり――」

    「うぐっ!」グサッ

    透華「食洗機を壊しましたり――」

    「うぐっ!」グサッ

    透華「お台所を泡だらけにしましたり――」

    「うぐっ!」グサッ

    透華「水道を壊し、屋敷を水浸しにしましたり――」

    智紀「うぐっ!」グサッ

    透華「などなどいたしませんよう、ご注意お願い申しあげますわね?」ウフフ

    京太郎「あっはい……ていうか、そんなことしたんっスか、あなたたちは。料理できないどころの話じゃないっスよ」

    154 = 145 :

    京太郎「食器洗いが終わった。人間、やればできるもんだなぁ」

    透華「あら?もうお済みになられましたの?」

    京太郎「えぇまぁ……食洗機に入れて洗い終わるの待つだけですし……あと、食器しまったんですけど、これでよかったですか?」

    透華「あらま、そこまで……えぇ、まったく問題ありませんわ。さすが須賀さんですわね」

    京太郎「それならよかったです。それじゃあ……俺はそろそろ、荷物の整理してきますね」

    透華「ここからお部屋まで、どうお行きになればおよろしいかお分かりですの?」

    京太郎「あっ、どうでしょう……でもまぁ、大丈夫だと思います。迷っても歩いてれば着きますよ」

    透華「そんなこともあろうかと、屋敷の地図をご用意しておきましたわ!」ババンッ

    京太郎「えっ……それはまた、随分準備がいいですね」

    透華「実はあの台詞を一度おっしゃってみたくて、ご用意しておきましたの。これで夢が一つ、叶いましたわ。須賀さんのおかげですわね」ウフフ

    京太郎「それならなによりです。いまいち俺が、なにしたかは分かりませんけど……しかしこう、地図で見るとより広さを実感しますね」

    透華「客観的に見ることができるから、でしょうか?」

    京太郎「そうなんですかねぇ……まぁそもそも、家の地図があるって時点で、相当広い気もしますが」

    京太郎「……このたまにある、青い扉と赤い扉ってなんですか?」

    透華「あぁそれは、男女別で分けていますの。青は男性専用、赤は女性専用ですわ。実際の扉も、青と赤に色分けされていますの」

    京太郎「へぇー、そうなんですか。じゃあ赤い扉の部屋には入れないんですね」

    透華「いえ、絶対に異性禁制というわけではございませんわ。中にいらっしゃる方にご同意を頂けましたら、中へ入ってもおよろしいのですの」

    京太郎「あっ、そうなんですね」

    透華「えぇ。須賀さんのお仕事の都合上、赤い扉の部屋に入らなければならない場合もございますから」

    京太郎「なるほど……分かりました。ありがとうございます」

    155 = 145 :

    京太郎「じゃあ地図ももらいましたし、部屋に行きますね」

    透華「分かりましたわ。もしなにか、お分かりにならないことなどがございましたら、どうぞお気軽にお電話くださいな」

    京太郎「はい、分かりました。それじゃあ失礼します。おやすみなさい」ペコリ

    透華「えぇ。おやすみなさい、ですわ」フリフリ

    透華「さて……私は、そろそろお風呂へ入ることにいたしましょうかしら」ガタッ

    シバラクシテ

    京太郎「おっ、ここだ俺の部屋。あっ、扉が青い。デザインじゃなかったのか、これ」ガチャリ

    「おう、遅かったな。待ちくたびれたぜ」

    「あっ、お邪魔してるよ。お構いなく」

    智紀「自分の部屋だと思って、ゆっくりすればいい……」

    京太郎「えっ」

    京太郎「ちょっ、なんでいんの?」

    「おいおい、そりゃまた随分とご挨拶だな。えぇ?」

    「まぁ鍵が開いてたから、かな?」

    智紀「閉まってたとしても、開けて入ってたけど……」

    京太郎「誰一人、俺の質問にちゃんと答えてくれてないんですが」

    156 = 145 :

    今回はここまでです

    お待たせいたして申し訳ございません

    また明日の夜に来ます

    それではありがとうございました

    158 :

    乙りんこ

    159 :

    乙、このテンポ良いなー
    しかしハギヨシと会ってもいないのにスペック高いなこの京太郎
    人間、やればできるもんだなぁでなんでも出来そうだ

    160 :


    ともきーの遠慮のなさに吹いた
    これが幼なじみ力か

    161 :

    京太郎「……まぁこの際、もういるのはいいですよ。でもせめて許可取ってくださいよ。青い扉って女人禁制なんですよね?知ってるでしょ?」

    「まぁまぁ、そうカッカすんなって。お菓子やるから」スッ

    京太郎「男子高校生がお菓子で釣られるわけないっスよ!」

    「なら仕方ない……万国旗出してあげるから落ち着きなよ」スーッ

    京太郎「万国旗見たら落ち着くなんて聞いたことないっスよ!」

    智紀「じゃあ……タブレットあげる……」スッ

    京太郎「なら許す!全て水に流すっ!」

    京太郎「……ってこれ、ウルトラブックじゃねぇか!さすがにもらえねぇよ!」

    智紀「いいよ……もう使わないし……ていうか、直せないくらい壊れてるし……」

    京太郎「じゃあこんなもんゴミじゃねぇか!!」

    「しっかしまぁ、テンションたけぇな。うぜぇ」

    「そうだね。須賀くんって、もっと大人しいと思ってたけどウザいんだね」

    智紀「昔からそう……基本的にウザい……」

    京太郎「ちょっと騒いだくらいで、それはひどくないですか!?俺だってヘコみますよっ!!」

    「だったらオレが叩いて直してやるよ」

    「やだ……純くんってSだったの?」ヒキッ

    智紀「調教するつもりとは……思いもよらなかった……」ヒキッ

    京太郎「正直……そういうの嫌いじゃないですよ、俺」キリッ

    「いや、なんで今の流れでそうなんだよ!?つーかお前、Mかよっ!?」

    162 = 161 :

    京太郎「で、ホントなにしに来たんですか?だべりに来ただけなんですか?」

    「ほんとは、須賀くんの荷物をチェックしに来たんだよ」

    京太郎「俺の荷物をチェック?どういうことですか?」

    智紀「いかがわしいものや、危険なものを持ち込んでいないか確認する……」

    京太郎「そんなもんないぞ。服と学校で必要なものしか持ってきてないし」

    「そんな言葉でオレらが納得するわけないだろ。ホントはあるんだろ?な?」

    京太郎「いやマジでないっスよ。いくら俺でも、そんなもん持ってきませんって」

    「これじゃあ、らちが明かないね……須賀くん、観念して荷物見せてくれないかな?」

    智紀「ついでに、整理手伝ってあげるから……」

    京太郎「うーん……まぁ、荷物見せるのはいいですよ。でも手伝うのは結構です」

    「えっ、手伝わなくてもいいのか?」

    京太郎「だって食洗機壊したり、泡まみれにしたり、水浸しにしたような人たちに手伝ってもらうなんて、そんなの安心できませんよ」

    「いや、普段はもっとちゃんとしてるからね!?」

    智紀「あれはここに来てすぐのこと……そこに色々な偶然が重なっただけ……不幸な事故……」

    「それに一回だけだぞ。オレたちがあんなことしでかしたのは」

    京太郎「一回だけでも偶然でも、しでかしたことが問題だと思いますが」

    163 = 161 :

    「ま、まぁ分かったよ……須賀くんがそこまで言うなら手伝わないから……でも、荷物は見させてもらうよ?」

    京太郎「あっはい、それはどうぞ見てください」

    「それじゃ失礼して……どれどれ……」ガサゴソ

    智紀「ふむふむ……」ガサゴソ

    「ほうほう……」ガサゴソ

    京太郎「なんか……女の子がよってたかって荷物あさってるの見ると興奮しますね。それが自分のだと特に」

    「えっ、なにその特殊性癖……」

    「お前……それ以上言うと、オレの拳がうなるぞ?」

    智紀「それは純粋に引くわ……」

    京太郎「いいですねぇ、その目!その戸惑いで揺れる目で見られると、さらに俺の興奮がたk――」

    「ドゥルァッッッ!!!!!」ブンッ

    京太郎「グァヘッ」バツンッ ドサッ

    「あぁ……うなっちまったぜ、オレの拳が」

    京太郎「い、息が……こ、これ……マジなヤツだ……!!」ゴホッゴホッ

    「よかったね、一発だけで済んで」

    智紀「残念でもないし当然……」

    京太郎「も、もうちょっと……心配とかしてくれても……いいんじゃないですか……」ヘェハァ

    164 = 161 :

    京太郎「あー、まだちょっと痛むな……」サスサス

    「謝んねぇからな」プイッ

    京太郎「あぁ、気にしなくていいですよ。むしろ、お礼を言ってもいいくらいです」キリッ

    「な、なんだお前……マジでMなのかよ……」

    智紀「私の幼馴染みがこんなにMなわけがない……」

    「あっ、昔は違ってたんだね。……いやでも、まだ目覚めてなかったってだけじゃ……」

    京太郎「それでどうです?なにか持ってきたらいけないものとかありました?」

    「えっ?あぁ……特にねぇな、そういうもんは」

    智紀「ほんとに服と学校関係のものだけ……非常につまらない……」

    「でもさぁ……ボク、この服はいかがわしいものよりひどいと思うよ?」

    京太郎「えっ、俺の服、ダメなんですか?」

    「いや、ダメっていうか……須賀くん、なんなのこの服?ふざけてるの?」

    京太郎「えっ」

    「確かにこりゃひでぇな……でもこれ、全部家着だろ?まぁ家着にしたってひでぇけど」

    京太郎「いや、ガンガンよそ行きなんですけど」

    「えっ」

    「えっ」

    智紀「えっ」

    京太郎「えっ、そんな驚くようなことですか?」

    智紀「昔は、こんなんじゃなかったのに……どうして……」

    京太郎「あぁ、あのときはまだ、親が用意してくれてたから」

    「えっ」

    「えっ」

    智紀「えっ」

    京太郎「いや、そこはそんな驚くところじゃないでしょ。小学生のときの話ですよ?」

    165 = 161 :

    「須賀くん……よく一旦帰っても、制服のままで来てくれたね。ありがとう!」ガシッ

    京太郎「えっ、そんな感謝されることですか?」

    智紀「これはよくやったと言わざるを得ない……拍手を送ろう……!」パチパチパチッ

    「あぁ……でかしたな、須賀っ!」バンバンッ

    京太郎「な、なんか照れますね……えへへ……」

    「でも別に褒めてるわけじゃないから、勘違いしないでね」

    智紀「そう……最悪の事態を回避したことに対して感動してるだけ……」

    「おう、調子乗ってんなよ、須賀」

    京太郎「また、すごい手のひら返しですね……ずっと空気だったのに、決勝点決めた途端に賞賛される、フォワードの評価みたいですよ」

    「そんなことより、ちょっと私服着てみてくれないかな?」

    「えっ、マジか国広くん。ど、度胸あるな……」

    智紀「度を超えた冒険心は、身を滅ぼしかねないよ……?」

    「そうは言うけど、二人とも気になるでしょ?ほら、怖いもの見たさみたいな」

    京太郎「怖いもの見たさってなんなんですか?俺の服、ハロウィンの衣装なんですか?」

    「それでどう?着てくれるかな?」

    京太郎「着るのは別にいいですけど……釈然としないなぁ」ヌギヌギ

    「ちょっ!お前、脱ぐならオレら出てってからにしろよっ!」

    京太郎「あっ、気にしないでいいですよ。俺も気にしませんし」ヌギヌギ

    「お、お前が気にしねぇからって、それだけの問題じゃねぇだろ!おらっ、行くぞお前らっ!!」ガシッ

    「えっ、あっ、ちょっ」ズルズル

    智紀「な、なにも引きずらなくても……」ズルズル

    「須賀ぁ!てめぇ、ちゃんと着替えてから呼べよ!?フリじゃねぇからなっ!!」バタンッ

    京太郎「なんとまぁ、ウブな反応を……新鮮だなぁ」

    166 = 161 :

    京太郎『着替え終わりましたよー』

    「はえーな、ホントにちゃんと着てんだろうな……」

    「純くん、疑いすぎじゃない?……ともきー、準備はできた?」

    智紀「いつでもオーケー……何枚でも撮れる……」キラーン

    「そんじゃあ……そろそろ行くか」

    「う、うん……なんだろう、ドキドキしてきた」

    智紀「た、ただ私服を見るだけなのに……張りつめた緊張感が……」

    「開けるぞ?いいな?……そぉい!」ガチャン

    京太郎「あっ、どうですか?着てみましたけど」クネクネ

    「」

    「」

    智紀「」カシャ

    京太郎「そんな無言で写真撮っちゃうくらい魅力的なのかい?えぇ?」クネクネ

    「」ポロポロ

    「」ポロポロ

    智紀「」ポロポロ

    京太郎「えっ」

    167 = 161 :

    京太郎「えっ、な、なんで泣くんスか!?急にどこか痛くなりでもしたんですか!?」

    「あぁ……急に激しい痛みを訴えやがったぜ……心がなっ……!」ポロポロ

    「須賀くん、そんなっ……!……あぁ、誰か……これは悪い夢だと言ってっ……!」ポロポロ

    智紀「ごめんなさい……!本当にごめんなさい……!私が全部悪いのっ……!許してほしいなんて思わないからぁっ……!」ポロポロ

    京太郎「ちょっ、えっ、なにその反応……ど、どうしろっていうんだよ……」

    「須賀、すまん……もう一度制服に着替えてくれ……頼むっ……!」ポロポロ

    「このままじゃ……気持ちの整理がつかないよっ……!」ポロポロ

    智紀「見てほしいなら見てるからっ……!だから早く、前のあなたに戻ってっ……!」ポロポロ

    京太郎「いや、泣いてるヤツに見られてもな……」

    智紀「じ、じゃあ出てく……!すぐ出てくからっ……!」ビューン ガチャン

    「お、オレも!こんな須賀を見るのは、もう耐えられないっ!」ビューン

    「ま、待ってよ!ボクだって、今すぐ逃げ出したいんだからっ!」ビューン バタンッ

    京太郎「ひでぇ言われようだな、おい……」

    168 = 161 :

    京太郎『着替え終わりましたよー』

    「……ついに来たか……」

    「ははっ、見てよこれ……ボク、ずっと震えが止まらないんだ……」ガクガクブルブル

    智紀「気持ちは分かる……でも、私たちはもう後戻りできない……逃げることは、出来ない……」ギュッ

    「……開けるぞ?いいな?……そぉい!」ガチャン

    京太郎「あっ、どうです?やっぱり制服姿も魅力的でしょ?」クネクネ

    「あっ……い、いつもの須賀くんだっ!いつもの須賀くんがここにいるよっ!!」

    「あぁ~……なんか落ち着いたら、力が抜けたわ……」ヘナヘナ

    智紀「なぜか……心なしか、ちょっとかっこよく見える……」

    京太郎「おっ、なんだ?デレ期か?」

    「あぁ、確かに。いつも通りだけど、ちょっとシュッとして見えるな」

    「うん、そうだね……ちょっとキリッとして見えるね」

    京太郎「えっ……な、なんかそう素直に褒められると、やっぱり照れますね」エヘヘ

    智紀「でもこの感覚……前のテストで最下位の人が、次のテストで平均点取ったのを見たときの感覚に似てる……」

    「あぁうん!それだ、それだ!なんか感じたことあるなって思ってたんだよ!」

    「そうそう!「あっ、なんだ。やれば普通にできるじゃん」みたいなアレねっ!」

    京太郎「上げて落とすなぁ、ホントに……そこは別に満点でいいじゃん、もう」

    169 = 161 :

    智紀「明日……お見舞いが終わったら、服を買おう……」

    京太郎「えっ、服?誰の?」

    「察せよ、お前のに決まってんだろ」

    京太郎「俺の?そんな大丈夫ですよ。これだけ持ってきたんですし」

    「須賀くんが持ってきた服、制服と下着以外、今から全部没収して捨てるよ」

    京太郎「えっ」

    「まっ、仕方ねぇわな。堪忍してくれ」トントン

    京太郎「えぇぇ……いくらダサいったって、奪い取り踏みにじるこたぁないでしょ……」

    智紀「言い方悪すぎ……危険物を適切に処理するだけ……」

    京太郎「それも大概じゃねぇか。なんだよ、危険物って……爆発でもすんのかよ、俺の服」

    京太郎「あっでも、服を買いに行くって言っても、俺そんなにお金持ってませんよ?それでもある程度、数揃えられるもんなんですか?」

    「あっ、お金の心配はしなくていいよ。ボクたちが払うから」

    京太郎「えっ……えっ?おっ……マジっスか?」

    「お前、見るからに顔変えんなよ……まぁ、無理矢理お前の服捨てるわけだし、それぐれぇはするよ」

    京太郎「なんかすみません……ありがとうございます。でもそうか……じゃあ、どんな服買おうかな?」ウーン

    智紀「あなたに服を選ぶ権利はない……調子に乗るなよ、等身大着せ替え人形風情が……」

    京太郎「えっ」

    「そもそもあれだけ言われてどうしてまだ、自分に服を選べる権利があると思ってるの?ちょっと頭、おめでたすぎじゃない?」

    京太郎「えっ」

    「須賀ぁ……お前マジいい加減にしろよ?んなクソみてぇなことに、オレらの金使わせるわけねぇだろ?あぁコラ?」

    京太郎「……できればもうちょっと、穏やかに諭してもらえませんか?」

    170 = 161 :

    「とにかく須賀くんは、服買うまで外出は制服だからね」

    京太郎「それは別にいいんですけど、全部持ってかれたら家着すらないんですが」

    「じゃあ、オレの服貸してやるよ。オレのだったらサイズも合うだろ」

    京太郎「えっ、いいんですか!?」ガタッ

    智紀「ダメ……よくない……」

    京太郎「えっ!?」

    「えっ」

    「ともきーの言う通りだよ、純くん!いくら図体の大きな男女だからって、男の子に自分の服を貸すだなんて、そんなの女子高生のすることじゃないよっ!」

    智紀「しかも自分から言い出すなんて……女として枯れすぎ……」

    「お前らバシバシ言いにくいこと言ってくるな……須賀の気持ちがちょっと、分かっちまったじゃねぇか」

    京太郎「あの、借りるのがダメだったら、今日全裸かパン一のどっちかしかないんですが」

    「うん、だとしたら選択肢は一つだよね。なんで全裸が選択肢に入ってるのかな?」

    智紀「かと言って、パンツ一丁も問題ある……悩ましい問題……」

    「ならもう仕方ねぇ。須賀の服の中から、一番マシな組み合わせ見つけて、それを部屋着にするっきゃねぇな」

    「うわぁ……またこれ見なきゃいけないのか……なんかもう、目がシバシバしてきたよ」

    智紀「こ、この中から……これは骨が折れる仕事になる……」

    「下手したら朝までかかるかもな……あー、まったくたりぃーなぁー!」

    京太郎「そんなに嫌なら、そんなことしなきゃいいんじゃないですかね?もう俺が適当に選んで、それ着ますよ」

    純・一・智紀「「「そんなこと、絶対に許さないっ!!!」」」

    京太郎「まさか服選びの提案で、そんなプリキュアみたいなセリフを言われるとは思いませんでしたよ」

    171 = 161 :

    京太郎「それでどうです?決まりましたか?」

    「下は決まったけど、上がなかなか決まらないね……」

    京太郎「下ってこのジーパンですか?部屋着にジーパンってどうなんですかね……?」

    「しゃあねぇだろ、マシなのこれしかねぇんだから。他のズボンはお前……な、なんなんだよこれ……」

    京太郎「今更引かないでほしいんですが。もう散々漁ったあとじゃないですか」

    智紀「むしろ、どうしてこの中にそのジーパンがあるのか……場違い感が半端ない……」

    京太郎「ホントは違うズボン持ってこようと思ってたんだけど、洗濯中だったからそれしかなかったんだ」

    「いやー、グッジョブだね。須賀くんのお母さん」グッ

    智紀「おばさんに対して、賞賛の気持ちしかわかない……拍手を送ろう……」パチパチパチッ

    「あぁ、まったくだ!感謝感激雨あられだぜ、こりゃあようっ!」

    京太郎「……まぁ、親を褒められて悪い気はしませんけど、理由が納得行かないなぁ」

    「ていうか、普通のジーパン買えるセンスがあるのに、どうしてこうなったの?」

    京太郎「それ、俺が選んで買ったヤツじゃないんですよ。清澄にいる幼馴染みが選んだヤツです」

    智紀「は……?えっ、幼馴染み……?そんなの聞いてない……」

    京太郎「だって別に言う必要ないだろ、そんなこと」

    智紀「いや、そんなことはない……ホウレンソウ、とても大事……!」

    「つーかよ、一回普通のヤツと服買いに行ったんだろ?なのになんでひどいままなんだよ?」

    京太郎「買いに行ったっていうか、店で渡されるんですよ。「私と出かけるときは、絶対これを着て!」って言われて」

    智紀「ち、ちょっと待って……私……?えっ、女なの……?」

    172 = 161 :

    「……ん?なんかその言い方、買いに行ったの一回だけじゃないように聞こえるんだけど」

    京太郎「あっはい、そんなのが年一回くらいあります。毎回、「京ちゃん!買いものの季節だよっ!」って誘われて」

    智紀「は……?き、京ちゃん……?えっ、ちょっ、なにそれ……」

    「へぇー、ちゃんとした幼馴染みじゃねぇか。大事にしろよ」

    「そうだね。その話を聞いただけでも、しっかりしたいい子だって分かるよ」

    京太郎「あっ、ありがとうございます。まぁ実際の咲は、結構ぽんこつなんですけどね」ハハッ

    智紀「な、名前呼び……嘘でしょ……私なんてまだ、サワムラーって呼ばれてるのに……蹴り技主体でもないのに……」

    「それじゃあまぁ……そろそろ話を戻して、部屋着の上を決めないとね」

    「だな。もういい加減時間もおせぇし、そろそろ決めねぇと明日に響く」

    智紀「ま、待って……ちょっと色々衝撃的すぎて、まだ処理が追いついてない……ねぇ、どういうことなの……?」

    京太郎「どういうことってなにが?」

    智紀「だからその……清澄の幼馴染みのこと……どういうことなの……?」

    京太郎「なぁ、それあとにしてくれないか?俺もとっとと服決めて、風呂入りたいんだよ」

    智紀「えっ……もういい、分かった……」ムスー

    「うーん……あんまり首突っ込まないほうがいいかと思ってたけど、これじゃ逆効果だったかな……?」

    「ん?国広くん、どうかしたのか?」

    「あっ、大丈夫だよ。純くんには関係ない話だから」

    「……なんか、微妙にバカにされた気分なんだけど」

    173 = 161 :

    「さてっ!それじゃあ気を取り直して、早く服を決めよう!」

    京太郎「今、服選びどうなってるんですか?」

    「今は一人ずつこれがマシっていうのが決まってて、そこからどれに絞るかってところだね」

    「オレはこれだ」スッ

    智紀「私はこれ……」スッ

    「ボクはこれだね」スッ

    京太郎「うーん……なんかどれもピンと来ませんね」

    「まぁ来られたらそれはそれで困るんだけど……」

    「……なぁ須賀、お前この中だったら一番どれが着たい?」

    京太郎「えっ、そうですねぇ……国広さんのヤツですかね」

    「えっ」

    「んじゃあ、国広くんのはなしだな」

    京太郎「えっ」

    「そ、そんな……嘘でしょ……」ガクッ

    京太郎「そ、そうですよ。どうしてですか?」

    智紀「あなたのすこぶる悪いセンスが選んだものがいいわけがない……それくらい、言われなくても分かるべき……」

    京太郎「あぁ……そういや散々言われてるな……なんで気付かなかったんだ、俺……」

    「ま、まさかそんな……ボクのセンスが一番須賀くんに近いだなんて……」

    「まぁ、国広くんのセンスもなかなかだからな……なぁ須賀、この二つだったら、どっちのが着たいんだ?」

    京太郎「いくら俺でも、その質問にちゃんと答えるほどバカじゃないですよ」

    「……じゃあ、どっちのが嫌だ?」

    京太郎「いや、質問逆にしても一緒ですからね」

    174 :

    どんなセンスしてんのか気になるなこれ、化け物見たかのような反応じゃないか

    175 = 161 :

    智紀「もう純のでいい……それに決めよう……」

    「えっ……でもいいのか?お前」

    智紀「別にこんなのどうでもいい……早く決めて終わりにしよう……」

    「お、おう……じゃあ須賀、お前の部屋着これだから」スッ

    京太郎「あっはい……なんかわざわざすみません、みなさん」

    「いいよ別に、ただのおせっかいだしね」

    「そういうこったな。オレらが好きでやったことだ」

    智紀「じゃあ私……お風呂入ってくるから……」スタスタ バタンッ

    京太郎「えっ、ちょっ、俺も風呂……」

    「ありゃりゃ、ともきーご機嫌直角だねぇ……」

    「なぁ、どうしたんだ?アイツ」

    京太郎「俺、なにかしました?……もしかしてあいつ怒らせるほど、俺ってダサいんですか?」

    「なんで二人とも、気持ち分かってあげられてないの……清澄の幼馴染みのことだよっ!」

    「清澄の幼馴染みって須賀のか?」

    京太郎「咲のことですか?」

    「そうだよ、その咲って子のこと!随分気にしてたじゃん、ともきー」

    京太郎「あぁ……まぁ確かに、なんか聞きたがってましたね。でもそんな気になるもんですか?」

    「君って大概めんどくさい子なんだね……それくらいは自分で考えなさいっ!」ビシィ

    「ほら、ボクたちもお風呂入るよ。ともきーのフォローしなきゃね」スクッ

    「お、おう……よく分かんねぇけど分かった」スクッ

    「須賀くんもお風呂入って、ちょっと落ち着いて考えてみれば?」

    京太郎「えっ、こ、混浴ですかっ!?」ガタッ

    「なわけねぇだろ。女湯と男湯に分かれてるに決まってるだろ」

    京太郎「クソォッ!どうせそんなこったろうと思ったよっ!!」ダンッ

    「そんな分かりきったこと、露骨に悔しがることじゃなくない?」

    176 = 161 :

    今回はここまでです

    次回は未定です

    またお待たせすることになると思います

    申し訳ございません

    それと訂正があります

    「家着」の部分は全て「部屋着」と訂正いたします

    それではありがとうございました

    178 = 174 :

    乙乙
    急がなくてもいいから完結だけしてもらえば問題ないさー

    179 :

    咲さんのハイライトも服と一緒に捨てられてしまう

    180 :

    ズボンって言っちゃう辺り純のファッションセンスもそこまで高くなさそうな気が…

    181 :

    ファッション的にはパンツですよね

    182 = 180 :

    他にはボトムとか、ジーンズならデニムとも言うな

    183 :


    面白いし幼馴染組が可愛い

    >>180
    その純が口出ししなきゃいけないくらい京太郎が酷かったってことだろう……

    184 :


    自分が好きなもの身に付ければいいと思うけどなぁ

    185 :


    預かり知らぬところでボロクソにけなされてる咲さんカワイソス

    京太郎はあれだ、奥さんに出された服を文句一つ言わず着てる旦那さんなんだよ
    こんなこと言うとともきーの目からハイライトが消えそうな気がするけど

    186 :

    【ちょっとおまけ】

    「ところでさぁ、純くん。ズボンはどうかと思うよ?まぁ、デニムパンツをジーパンって言っちゃう、ボクが言えることじゃないかもしれないけど」

    「えっ?だって、ズボンはズボンじゃん。他に言い方ないだろ」

    「あるよ、パンツとかボトムスとかさ」

    「は?……いや、パンツは下着だろ?それにボトムスって、キリコ・キュービーかよ」

    「それでもパンツって呼ぶの!あと、ボトム『ズ』だからね?怒られるよ?」

    「誰に怒られるんだよ」

    「そりゃあ……なんか色んな人たちにだよ。とりあえず!女子高生なんだから、服の言い方くらいちゃんとしたほうがいいよ?」

    「……なぁ、国広くん。女子高生であることを気にするヤツが、自分のこと『オレ』って言うと思うか?」

    「……それもそうだね。まったくだよ」

    187 :

    下着ってなんだ…?

    188 = 186 :

    京太郎「あと、キリコ・キュービ『ィ』ーですよ」

    「うわっ!い、いたの?」

    京太郎「そりゃいますよ。俺も風呂入るんですから」

    「お前もかよ……細けぇなぁ、おい」

    京太郎「むしろ細かいからこそ、ちゃんとしないといけないんですよ。ややこしいですが」

    「はぁ……ままならねぇもんだな……」

    「ところでさ、須賀くん。例の清澄の幼馴染みの子が選んだ服、まだ持ってきてるの?」

    京太郎「いや、あのジーパン以外持ってきてませんよ」

    「お前……選んでくれた服くらい持ってきててやれよ」

    京太郎「でも、俺のセンスじゃないんですもん。どうせならセンスに合った服を、持ってきたいじゃないですか」

    「うわぁ、なんだろ……すごく腹が立つ」

    「おう、歯ぁ食いしばれや須賀。鉄拳制裁だ」グググッ

    京太郎「な、なんでですか!?理不尽ですよっ!!」

    189 = 186 :

    純のズボンの言い方と咲さんが選んだ服についてはこれでご納得いただけるとありがたいです

    続きはまだ全く出来ていません

    申し訳ございません

    次の投稿時期は未定です

    それではありがとうございました

    190 = 185 :


    ……あれ?もしかして咲さんのセンスはまともだったのかこれ

    191 :

    おつ
    このss内でなら透華がもんぶちで一番まともなセンスっぽい感じかね

    192 :

    ん?
    京太郎のセンスが壊滅的で、唯一まともだったジーパンは
    実は咲が選んだやつでしたーってことでいいんだよな…?

    193 :

    でもこのモンブチメンバーはアレだからな……

    194 :

    >>192
    その通りです

    分かりにくくて申し訳ございません

    195 :

    京太郎がどんな格好してたか気になるな

    196 :

    楳図かずおレベルで個性的だったんだろ

    197 :

    アラチャーと話が合いそう?

    198 :

    咲さんあんたまさか、鈍感を利用してクリスマスデートと洒落込んでるんじゃ……

    199 :

    もしや顔良し性格良し身体能力良しの良物件な京太郎がもてない理由って、この残念すぎる服装センスが原因!?

    200 :

    つまり執事にさせる事でいつでも執事服にさせる事でその弱点をカバーした
    無敵の存在になれるということか


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