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    元スレ京太郎「ここが龍門渕か……でっかいなぁ」

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    101 = 98 :

    透華「と、ところで!須賀さんのお荷物はそれだけですの?」

    京太郎「あっはい」

    透華「お引っ越しのお荷物にしては、随分と少ないように見えますが……」

    「またあとで、こちらに荷物が届くのであろう」

    京太郎「いや、ホントにこれだけですよ。あとで届くものもないです」

    透華「えっ」

    「えっ」

    京太郎「……なにかおかしいですか?」

    透華「あ、あの……余計なお世話かもしれませんが、本当にこれだけのお荷物でおよろしいのですの?」

    「トランク一つだけとは……浪漫飛行でもするつもりか?」

    京太郎「そんなつもりはないですよ。もう部屋に大体揃ってましたし、これだけあれば充分です」

    透華「……まぁ、須賀さんがおよろしいとおっしゃるのならば、我々はなにもおっしゃることはありませんけれど……」

    「もし、部屋になにもなかったとしたら、一体どれだけ増えるんだ?」

    京太郎「そうですねぇ……その場合だったら、さすがに倍くらいにはなりますかね」

    透華「それでもトランクお二つですわよ!?」

    「若者の荷物離れというのは深刻であるな……」

    102 = 98 :

    京太郎「そういえば、他のみなさんはいないんですか?」

    透華「今はまだお勤め中ですわね」

    京太郎「あっ、俺もなにか手伝いに行ったほうがいいですか?」

    「まぁまぁよい。さすがに引っ越し初日から仕事をさせようなどとは、誰も思うておらん」

    透華「それにもうすぐ終業時刻ですの。ですので、須賀さんがご心配されることはありませんわ」

    京太郎「そういうことならいいんですが……ちなみに仕事ってどんなことなんですか?」

    透華「掃除や洗濯などの一般的な家事から、屋敷の修繕修復といった仕事や、セキュリティシステムの管理など、ですわね」

    京太郎「はぁー……随分と幅が広いんですね」

    透華「須賀さんには明日から、その全てを体験して頂くことになりますわ」

    京太郎「えっ」

    京太郎「その……家事とか修理ならまだ出来そうですけど、セキュリティの管理ってそんな専門的なこともするんですか?」

    「まぁお前の言いたいことも分かる……だが人間、何事も挑戦だ!」

    透華「やればできる……とても素晴らしい言葉だとは思いませんか?」

    京太郎「ま、まぁ……やるだけやってみます。どこまで出来るかは分かりませんが」

    透華「そうご心配ならさずとも、きっと大丈夫ですわ。だって須賀さんですもの!」

    「あぁ、須賀はやる男だ!……いや、漢と言ったほうが適切であるなっ!出来ないことなどなにもないっ!!」

    京太郎「うわぁ……なんかすげぇ買い被られてる。期待が痛いなぁ……」

    103 = 98 :

    「はぁー、終わった終わった。……アレ?須賀じゃん。よう」

    「あっ、ほんとだ。ようこそ、須賀くん」

    智紀「うわっ、マジでいる……引くわ……」

    京太郎「あっ、お疲れさまです。お邪魔してます。あと引いてんじゃねぇよ」

    「歓迎しとるのう、智紀よ」

    透華「本当、智紀が歓迎なさるとは珍しいですわね」

    京太郎「えっ、皮肉ですか?」

    透華「いえいえ、本心からの言葉ですわ。智紀は普段、お客様とお会いしても、無言がほとんどですもの」

    「あとはまぁ、せいぜい会釈をするぐらいだ。だがそれも、年に何回もあるものではない」

    「それが普通の挨拶を通り越して、いきなり冗談だもんねー。びっくりだよ」

    「ありゃきっと、内心飛び跳ねてるくらい喜んでるぜ」

    京太郎「えっ、そうなんですか?……そうなのか?」

    智紀「……黙秘権を行使します……」

    透華「あらあらうふふ」ニコニコ

    「強がりよって」ニヤニヤ

    「素直じゃないなー」ニヨニヨ

    「いや逆に素直だろ」ニマニマ

    京太郎「まぁ嘘はついてないっスもんね」ニタニタ

    智紀「ちょっ、なにその生暖かい目……やめて……」

    104 = 98 :

    透華「さっ!一通り智紀をからかい終えましたし、そろそろお夕飯といたしますわ!」

    智紀「なに……?私をからかうとご飯が美味しくなるの……?スパイスなの……?」

    京太郎「いやこの場合、スパイスってより食前酒みたいなののほうが近いと思う」

    智紀「そこの訂正はいらないから……」

    「まぁ、からかわねぇよりかはうまくなるだろ」

    「そうかなぁ?料理が全部甘酸っぱくなっちゃうかもよ?」

    「おっと、それは困るのう……だが、それもまた一興であるな!」

    透華「左様ですわ。味わってみようではありませんの、青春の味というものをっ!」

    透華・衣・純・一「「「「あっはっはっはっはっ!!!!!」」」」

    智紀「もうみんなからかいすぎ……いい加減、私だってしょげる……」イジイジ

    京太郎「別にいいだろ、楽しんでくれてるんだし」

    智紀「よくない……私は楽しくないもん……そもそも、あなたが来なければこうはならなかった……」

    京太郎「お前、うちの部長みたいなこと言うな。なんでみんなそう、俺を悪者にしたがるだよ」

    智紀「これに関しては、全面的にあなたが悪い……謝罪と賠償を要求する……」

    京太郎「賠償ったって、なにすりゃいいんだよ?」

    智紀「髪の毛を緑色にすればいい……」

    京太郎「それがなんの賠償になんだよ」

    智紀「少なくとも笑える……」

    京太郎「おい、憂さ晴らしと賠償は違うぞ」

    105 = 98 :

    透華「本日はことさら、腕によりをかけませんといけませんわねっ!」フンスッ

    京太郎「えっ、料理するんですか?」

    透華「えぇ、料理は私の担当ですわ!」

    京太郎「あっ、そうなんですか。てっきり、専属のシェフかなんかがいるもんだと思ってましたよ」

    透華「確かに、そのような方がいらっしゃった時期もありますが……やはり家でのお食事というものは、家人が作るものよりふさわしいものはありませんの」

    「それに家によく知らない人間が出入りするというのは、あまり好ましいことではないからな」

    「まぁうちには、他人に対して気難しいヤツも多いし」

    「特にともきーとかね」

    智紀「私の心の扉は堅い……開かせられたら大したもの……」

    「おっ、そんじゃあ須賀は、大したヤツってことか」

    「もう須賀くんに対しては、ともきーの心の扉は自動ドアだもんね」

    「うむっ!愛されておるのう!」

    透華「よきかなよきかな、ですわっ!」

    透華・衣・純・一「「「「あっはっはっはっはっ!!!!!」」」」

    智紀「……ねぇ、これいつまで続くの……?一段落ついたんじゃないの……?」

    京太郎「いや、俺に聞かれても分かるわけないだろ」

    106 = 98 :

    透華「時に須賀さん、なにかお好きな食べ物やお嫌いな食べ物はございますの?」

    京太郎「えっ、あっいや。特にそういうものはないです。大概なんでも食べます」

    透華「左様ですの……では今なにか、お食べになりたいものなどはございませんの?」

    京太郎「今もまぁ特に……あっいや、おんn――いや、やっぱりこれを言うのはやめよう」

    「そのほうが賢明だね」

    「あぁ、ちげぇねぇ。もし言ってたら、オレの拳がうなってたぜ」

    智紀「でもそう思うこと自体問題……最低……」

    「須賀もやはり、一人の男……いや、雄ということか」

    透華「さ、さすがにそのお望みは、叶えられませんわね……」

    京太郎「止めたってのに、ちゃんと伝わってるなぁ……まぁ、俺はなんでもかまいませんよ」

    透華「左様ですの……それでは、あなたたちはなにか、お食べになりたいものはございますの?」

    「ハンバーグ!エビフライ!」ガタッ

    「ステーキ!5kg!」ガタッ

    「パスタ!オシャレなの!」ガタッ

    智紀「中華……!激辛……!」ガタッ

    京太郎「急に主張が強いっスね、みなさん」

    透華「ふむふむ、なるほどなるほど……よく分かりましたわ。それでは……本日は、お野菜を中心とした和食といたしますわねっ!!」

    「いつも通りではないかっ!!」ダンッ

    「お前、もうそれ決めてただろっ!?」ダンッ

    「ボクたちに聞いた意味はあったのっ!?」ダンッ

    智紀「食権乱用、許すまじっ……!!」ダンッ

    透華「文句がおありならば、どうぞお食べにならなくておよろしいですわっ!!」ゴッ

    「こ、衣はただ意見を述べたまでだ……(震え声)」ストンッ

    「す、ストレス解消だよ、ストレス解消……(震え声)」ストンッ

    「ぼ、ボクが透華に文句を言うわけないじゃないか……(震え声)」ストンッ

    智紀「ち、ちょっとした冗談……(震え声)」ストンッ

    京太郎「俺、今この瞬間に、ここの力関係が一気に分かりました」

    107 = 98 :

    透華「さて、それでは今から取りかかりますので、今少しお待ち頂きますわね」

    京太郎「手伝いましょうか?」

    透華「いえいえ、お気持ちだけで充分ですわ。それでは、失礼いたしますわね」バタン

    京太郎「あっ……みなさんは、料理の手伝いとかしないんですか?」

    「あぁ、せぬぞ。というか、させてもらえぬ」

    京太郎「えっ、させてもらえないってどういうことっスか?」

    「透華にはなんか、ポリシーみてぇなのがあんだよ。晩飯は普段働いてるオレたちに対しての、感謝の気持ちの表し方みてぇななんかそんなの」

    京太郎「へぇー……立派な人ですね」

    「ほんとにね……もし、ご主人様が透華じゃなかったら、ボクたちはもう、ここを出てってるかもしれないし」

    京太郎「俺今、つくづく初バイトがここでよかったって思ってます」

    智紀「それと……透華以外、誰も料理出来ないのも……理由にあるかも……」

    京太郎「えっ、マジで?ホントに誰も料理出来ないんですか?」

    「なにを言うか、須賀よ。卵を割るくらい造作もないわ」ドヤァ

    「オレだって、レンジでチンくらい出来んぞ」ドヤァ

    「やだなぁ、レモンを搾るくらいは簡単にこなすよ」ドヤァ

    智紀「かく言う私も、カップ麺くらいは余裕……」ドヤァ

    京太郎「手伝わせてくれないのは、誰も料理出来ないって理由のほうがでかいですね。確実に」

    108 = 98 :

    京太郎「ていうか、それでいいんスか?女子高生ですよ?料理の一つもロクに出来ないなんて、恥ずかしくないんですか?」

    「むっ、なんだ須賀よ。そういうお前は、料理が出来るとでもいうのか?」

    京太郎「普通の男子高校生の並には出来ますよ、そりゃあ」

    「おい、なんだよそのふざけた基準」

    「そもそも、普通の男子高校生なんて、料理まったく出来ないでしょ」

    智紀「カップ麺を作れるかすらも危うい……」

    「せめて食器を洗えるようになってから、衣たちに意見を述べてほしいものだな」

    京太郎「おう、すげぇナメられてんな。じゃあ確かめてみてくださいよ。明日にでも、俺の手料理、振る舞ってあげますよ」

    「おっ、言ったな。逃げんじゃねぇぞ」

    「吠え面をかく須賀くんを見るのが、今から楽しみだよ」

    智紀「ほんとに食べられるものを作れるのか、はなはだ疑問……」

    「須賀の料理を食ったせいで、死んでしもうたら笑えんな。あっはっはっ!」

    京太郎「ホントマジで覚えてといてくださいよ」

    109 = 98 :

    ピンポンパンポーン

    透華『龍門渕透華より皆様方にお知らせですわ。お食事のご用意が出来ましたので、食堂のほうにお集まりになってくださいな』

    ピンポンパンポーン

    「おっ、出来たか!さぁ、夕餉の時間だーっ!」ビューン ガチャバタン

    「おい、待て衣!そんなに急ぐと転んでケガすんぞ!」タッタッタッ ガチャバタン

    「まったく、落ち着きがないんだからあの二人は……それじゃあ須賀くん、案内するね」

    智紀「迷わないよう、私たちについてきて……」

    京太郎「あっ、どうも。ていうか館内放送あるんですね」

    「あぁ……まぁうちは広いから、みんなに一気に知らせようとしたら、ああいうのが便利なんだよ」

    京太郎「へぇー……二人も使ったりするんですか?」

    智紀「たまにね……私が使うと、聞き取りにくいって言われるけど……」

    「ともきーは声小っちゃいからね。まぁそのうち須賀くんも、使うんじゃないかな?」

    京太郎「な、なんか緊張しますね、そういうの……」

    京太郎「あっ、そうだ。全然関係ないんですけど、門とかドアってどう開ければいいんですか?俺のはもう登録されてるって聞いたんですけど」

    「あぁ、インターホンの隣に透明な板がついてたでしょ?」

    京太郎「あっはい。ありました」

    「そこを右手の親指で押して指紋が認証されると、今度は網膜認証用のカメラが出てくるからそれを見つめてね。それで――」

    智紀「網膜がちゃんと認証されたら……錠が開く……ちなみに、門もドアも手順は同じ……」

    京太郎「へぇー、そうなのか。ありがとう、教えてくれて」

    智紀「うむ……苦しゅうない……」

    「……ちょっと、ともきー。最後だけ取らないでよ」

    智紀「残念……言ったもん勝ち……あっ、それでここが――」

    「ここが食堂だよっ!どうかな?道覚えられそう?」

    京太郎「あっはい、ありがとうございます。道覚えるのも大丈夫だと思います」

    「うんうん、そっかそっか。それならなによりだよ」

    智紀「……一、人の発言を最後だけ奪うとか……それはちょっとリアルに引くわ……」

    「それ、ともきーが言えることじゃないよね!?」

    110 = 98 :

    京太郎「……あの、入らないんですか?」

    「ん?……あぁいや、ボクは須賀くんがどんな入り方するのかなーって、見てるだけだから」

    京太郎「えっ」

    智紀「あなたのことだからきっと、さぞ面白い入り方をしてくれるはず……」

    京太郎「いや、ちょっ、なにその無駄に高いハードル?もう新人いびりが始まってんの?」

    「いやいや!新人いびりだなんてそんなことないよっ!ただ……ボクたちと一緒に働く人が、つまらないわけないよね?」

    智紀「もし、私たちのお眼鏡に適わなかったら、どうなるかは分からない……メガネだけに……」メガネキランッ

    京太郎「お前のそのダジャレのおかげで大分楽になれたわ。それじゃあ入りますね」ガチャリ

    「おぉ!これは一と智紀と須賀ではないか!」

    「遅かったな、お前ら。なにしてたんだよ?」

    京太郎「二人にここまでの道を案内してもらってたんです。あっ、どうぞ二人とも」

    「……ねぇ、須賀くん」

    京太郎「あっはい」

    「まったく面白くないよっ!?どういうことっ!?」プンスカ

    智紀「ハードルをくぐるどころか、スタートからゴールまで、トンネル掘って渡ったレベル……」プンスカ

    京太郎「そもそも、部屋に入るだけで面白いことが起こるなんて、期待しないでほしいんですが」

    「それでも、須賀くんならやってくれると思ったんだもん!もうっ!拍子抜けだよっ!!」プンスカ ストンッ

    智紀「あなたは子供の頃からそうだった……人の予想を下回り、期待を無駄にする……なにも変わってない……!」プンスカ ストンッ

    京太郎「いくらなんでも怒りすぎじゃないですかね?俺、その怒りの矛先になってる自覚まるでないっスよ」

    「須賀……お前、なんちゅーか……苦労してんな、早速」

    「須賀よ……これに懲りず、これからも精進してほしい」

    京太郎「あぁ、いやまぁ大丈夫ですよ。こういうのわりと慣れてますから……それじゃあすみませんけど、俺ちょっと雉撃ちに行ってきますね」バタン

    111 = 98 :

    「雉撃ち……?雉撃ちとはなんだ?須賀は猟師なのか?」

    「いやアレだろ。便所だろ、便所」

    「ち、ちょっと純くん。食事の場なんだから、ちょっとはごまかしてよ」

    智紀「純はデリカシーなさすぎ……」

    「あっ、すまんすまん。わりぃわりぃ」

    透華「あら?須賀さんはいらっしゃいませんの?先ほど、お声が聞こえた気がしましたけれど……」

    「あぁ、須賀なら便j――」

    「お花を摘みにねっ!お花を摘みに行ったんだよ!!」

    透華「あら、左様ですの」

    智紀「ちょっと、純……今さっき言ったのに……」

    「純よ、お前は反省という言葉を知らんのか?」

    「すまんすまん!うっかりしてたわ!……ってか、アイツどこにあるのか知ってんのか?」

    透華「あっ、そういえば……どなたかお教えいたしましたの?」

    「ボクは教えてないね」

    智紀「私も……」

    「衣もだ」

    透華「あらま、左様ですの……ちゃんと見つけてくだされれば、およろしいのですが……」

    「まっ、分かんなかったらまたここに戻ってくんだろ」

    112 = 98 :

    京太郎「み、みなさんっ!」ガチャン

    「ほーら、噂をすればだ」

    「あっ、ほんとだ」

    智紀「こういうときだけ、予想通り……」

    「純、お前……エスパーであったのか!?」

    「そんな大層なもんじゃねぇよ」

    透華「あの須賀さん、その……お化粧室の場所が、お分かりになりませんでしたの?」

    京太郎「い、いえそういうことじゃないんですっ!……ってぇっ、割烹着っっっっ!?!?!?」

    透華「えっ、えぇ……左様ですが……なにか?」

    京太郎「いやその……い、意外だったので。でも……いいですね、割烹着」

    透華「えっ、さ、左様ですの……」テレテレ

    京太郎「はだk――あっいや……エプロン至上主義でしたけど、この姿を見せられたら、割烹着についても考えないといけませんね」キリッ

    透華「さ、左様ですの……なにについてお考えなさるのかは、お聞きしないでおきますわね……」ヒキッ

    113 = 98 :

    「んでよぉ、須賀。お前結局場所分かったのか?」

    京太郎「えっ、場所?場所ってなんスか?ていうか俺、なんのためにここに来たんですか?」

    「そんなのをボクたちに聞かれても困っちゃうよ」

    智紀「なに……?もう痴呆が始まってるの……?」

    「うーむ……若者の短期記憶力離れは深刻であるな……」

    京太郎「あっ、そうだ!思い出した!さっきここに、俺が来ませんでしたか!?」

    「おう。ってか、いんじゃん今」

    透華「確かに今、いらっしゃりますわね」

    京太郎「いや、今の話じゃなくてさっきの話ですよ!ついさっき!ちょっと前に、俺がここに来ませんでしたか!?」

    「なになに?もしそれで来たって答えたら、「バッカモーン!そいつがルパンだ!追えーっ!!」とか言っちゃうの?」

    京太郎「あっ」

    「えっ……も、もしかして当てちゃった?」

    智紀「まさか……いくらなんでもそれはない……ねぇ、ないよね……?」

    京太郎「えっ」

    「うむっ!須賀は常人とは違うところにいるからなっ!およそ常人の思慮の範疇には届かない、とても高尚な考えがあるに決まっておるっ!!」

    京太郎「……ば、バッカモーン!そいつがルパンだ!追えーっ!!」スタコラサッサ バタン

    「あっ、逃げた」

    透華「この空気に耐えきれなかったのでしょうね……」

    「うわー、ボク当てちゃったよ。悪いことしちゃったなぁ」

    智紀「気にしないでいい……あれくらい、逆にいい薬……」

    「この状況で結局やりきるとは……やはり須賀はただ者ではないなっ!!」

    114 = 98 :

    京太郎「いやー、やっちゃいましたね。俺」ガチャリ

    「おっ、お前よく戻ってこれたな。あんだけやらかしたのに」

    京太郎「まぁ、あれくらいで傷つく俺じゃあありませんから……一応聞きますけど、どうでしたか?」

    「そうだなぁ……須賀くんは、ボクたちに戸惑いしか残せてなかったよ」

    透華「一のおっしゃる通りですわね……その……須賀さんに対して、失礼ではございますが……」

    京太郎「あー、やっぱそんな感じなんですね。すみませんでした」ペコリ

    「まぁまぁ謝ることはない。衣たちを楽しませようと思っての行動であったのだろう?」

    京太郎「それはまぁ……はい、そうです」

    「ならばよいっ!次に向けて精進するのだぞっ!!」

    智紀「次があるかどうか問題だけど……」

    京太郎「俺もどちらかと言えば、ないほうを願いたい」

    透華「さっ、それでは本当にお食事にいたしますわよ!須賀さんは、こちらにどうぞ」スッ

    京太郎「あっ、すみません。隣、失礼しますね」

    透華「いえいえ、どうぞ……それではみなさん、お手を合わせて!いただきます、ですわっ!」

    衣・純・一・智紀「「「「いただきますっ!」!」。」……」

    京太郎「いただきます。にしても、すごいですね……この量を一人で作るなんて」

    透華「毎日のことですもの、もう慣れましたわ」

    京太郎「慣れたっていっても、大変だったり、嫌になったりしたりしないんですか?」

    透華「確かにそういう日もございますが……私だけが弱音を吐いて、投げ出すわけにはいきませんもの」

    透華「それに今は、私がお料理を投げ出すと、もう誰も作れませんから……」

    京太郎「あぁ……その、お疲れさまです」

    透華「いえいえ……さっ、どうぞお食べになってくださいな!」

    京太郎「あっはい、いただきます。……あっ、おいしい!すごくおいしいです!」

    透華「あら、左様ですの!須賀さんのお口に合いまして、なによりですわっ!!」

    115 = 98 :

    今回はここまでです

    お待たせいたしまして申し訳ありません

    次回もまたお待たせすることになると思います

    気長にお待ちいただけるとありがたいです

    それではありがとうございました

    117 :

    おつー このままもんぶちハーレムできそうだな

    118 :

    乙~
    最悪エタらなきゃええよ~

    119 :

    打ち切りではなく、完結させて欲しいね。

    期待してるから

    120 :

    おつー
    ともきーかわいい!!

    122 :



    皆かわいいのぅ

    123 :

    京太郎スレはハーレムか虐めが多い(自分的に)から
    かなり面白っ!

    124 :

    乙っす、透華が料理上手で他のメンバーが料理壊滅的ってなかなか見ない設定っすね
    だがこれはこれですっげえ面白いです、続きお待ちしております

    125 :

    料理って純君担当じゃなかった?

    127 :

    ふたばみたいなノリ

    128 :

    【徹底解明 宮永照、その実態とは】

    「よ、ようやく着いた……」ヘェハァ

    「ここに咲が……たのもー」ガチャリ

    京太郎「あっ、おつk――えっ、誰?」

    「私は宮永照。白糸台高校女子麻雀部三年。ついでに咲のお姉ちゃん」

    京太郎「咲のお姉ちゃん……?あっ!ていうことは、インターハイ王者の!?えっ、なんでそんな人がうちに!?」

    「あなたは誰?」

    京太郎「あっ、お、俺は清澄高校麻雀部一年の須賀京太郎です。ついでに咲の幼馴染みです」

    「咲の幼馴染み……?」

    京太郎「えぇまぁ一応」

    「でも私はあなたを知らない」

    京太郎「まぁ初対面ですから……お茶いれますね」ガタッ

    「あっ、ありがとう。でもお気遣いなく」

    京太郎「そういうわけにも行きませんから。突然でしたけど、お客さんですし」

    「こちらこそ突然の訪問なのに、なんの手土産もなくて申し訳ない。全部食べちゃった」

    京太郎「いえいえ、お気遣いなく……えっ、全部食べた?」

    「ねぇ、お茶まだ?のど乾いた」

    京太郎「あっはい。すぐいれます」

    129 = 128 :

    「……暇……てるてる坊主を作ろう」

    「………………」テテテー

    「………………」ルルルー

    「………………」テテテー

    「………………」ルルルー

    「……飽きた」ポイッ

    「遅い……見に行こう」タッタッター

    「……あれ?いない」

    「むむっ、あっちから気配がする」タッタッター

    「……あれ?いない」

    「むむっ、今度はあっちから」タッタッター

    「……あれ?いない」

    「むむっ、あっちから甘いものの匂いがする!」キュピーン

    「これは行くっきゃないっ!!」ビューン

    イッポウソノコロ

    京太郎「お待たせしましたー。どうぞ粗茶ですが……って」ガチャリ

    京太郎「……あれ?いない」

    130 :

    お気遣いなくって言っておきながら図々しいwwww

    131 = 128 :

    京太郎「なんだ、帰ったのか?……だったらなにしにきたんだ、あの人」

    京太郎「ていうか、なにこのてるてる坊主?あの人が作ったのか?……まぁいいけど」

    キョウチャンデンワー キョウチャンデンワー キョウチャンデンワー キョウチャンデnピッ

    京太郎「はいもしもし、須賀ですが」スガダケニ

    『あっ、もしもし京ちゃん?私わたしー』

    京太郎「なんだ咲か、どうした?」

    『特に用はないよ。ただ、京ちゃん今なにしてるのかなって』

    京太郎「今?今は部室で一人だよ。さっきまでお前のお姉さんいたけど」

    『あっ、お姉ちゃんいたの?ごめんね、お世話になっちゃって……ってえぇっ!!』

    『お、お姉ちゃん!?お姉ちゃんがそこにいたの!?ほんとにっ!?』

    京太郎「うん、マジだぞ。自分でそう言ってたし、なにより角があった」

    『あわ、あわわわわわ……な、なんでどうしてお姉ちゃんが清澄に……い、今どこにいるか分かる?』

    京太郎「さぁ……お茶出そうと思ったらもういなかったし、帰ったと思う」

    『……ねぇ、お茶出すのにどれくらい時間かかったの?』

    京太郎「えっ、えーっと……五分ちょっとくらい?十分はかかってなかったと思う」

    『あぁ……じゃあダメだよ。お姉ちゃん、三分以上待てないから』

    京太郎「おう、ウルトラマンかよ」

    『だから多分……待ちくたびれて京ちゃんを探しに出た挙句に、迷ってるんじゃないかな?今』

    京太郎「えっ、迷ってんの?……似たもの姉妹だなぁ」

    『京ちゃんお願い!お姉ちゃんを見つけてあげてっ!』

    京太郎「それはかまわないけど、どこにいるのか見当もつかないぞ?そもそも、まだ学校にいるかどうかすら」

    『お姉ちゃん、甘いものが好きだから、多分甘いもののあるところにいると思うよ!』

    京太郎「甘いものがあるところにいるって、なんかアリみたいだな……」

    『ちょっと京ちゃん!私のお姉ちゃんをそんな風に言わないでっ!失礼だよっ!!』

    京太郎「あっ、ごめんごめん。確かにそうだな」

    『そうだよっ!お姉ちゃんはアリなんかじゃなくて、もっとこう……甘いものが好きな妖怪みたいな感じだからっ!』

    京太郎「お前のほうが失礼じゃねぇか」

    132 = 128 :

    京太郎「つったってなぁ……甘いものなんてどこにあるんだよ」

    京太郎「……あっ、放送で呼び出してみるか?」

    京太郎「いやでもな……どこかに呼び出したとしても、そこに行く途中でまた迷ったら意味ないし……」

    京太郎「……まぁいいや、とりあえず地道に探してみるか。そんで見つからなかったらまた考えよう」ガチャリ

    優希「じぇっ!」ビクッ

    京太郎「あっ、優希。お疲れ」

    優希「お、おう、お疲れ……びっくらこいたじぇ」

    京太郎「あぁ、ごめん。今部室誰もいないぞ?」

    優希「えっ、そうなのか?相変わらず集まり悪いな……お前、どっか行くのか?」

    京太郎「あぁうん。ちょっと咲に頼まれて、アイツのお姉さんを探さないといけないんだ」

    優希「咲ちゃんのお姉さん?そんな人いたのか……初耳だじぇ。なんでそんな人がうちにいるんだ?」

    京太郎「さぁ……なんで来たのかは俺も知らない。なぁ、それっぽい人どっかで見なかったか?白糸台の制服を着てるんだけど」

    優希「あっ、それなら見たじょ」

    京太郎「えっ、見たの?どこで?」

    優希「文化部棟のほうで見たじぇ。今さっき見たところだから、多分まだいるんじゃないか?」

    京太郎「おう、マジか。ありがとう、それじゃあな」タッタッター

    優希「おう、気をつけてなー」フリフリ

    優希「さてと……タコス買って帰ろう……はぁ……」トボトボ

    133 = 128 :

    イッポウソノコロ

    「……全部貰っちゃった」モグモグ スタスタ

    「……おいしい」モキュモキュ スタスタ

    「……やめられない、止まらない」モッチモッチ スタスタ

    京太郎「あっいた。おーい!そこの人、お待ちになってぇ~!」タッタッター

    「ごっくん……あっ、京ちゃん」ゴックン ピタッ

    京太郎「えっ、京ちゃん?」ピクッ

    「京太郎だから京ちゃん。嫌だった?」

    京太郎「いや、別に嫌なわけじゃないですけど……ていうか、なんですかそれ?」

    「これはお菓子。ここの料理部の人に貰った」テッテテテッテーテールッテルー

    京太郎「あぁ、お菓子ですか。あれ?うちって料理部あったか……?」

    「ここの料理部の人たちは変なかっこだね。エプロンじゃなくて白衣着てるなんて」

    京太郎「それ、料理部じゃなくて科学部ですよ。ていうかなんで、科学部がお菓子なんて作ってんだ」

    「なんかこれね、常人なら砂糖吐いて死ぬレベルの甘さらしいよ」

    京太郎「えっ、そんなの食べて平気なんですか?」

    「うん。むしろ甘さが足りない」キリッ

    京太郎「あぁ……ごめんな、咲。お前が正しかったよ」

    134 = 128 :

    「京ちゃんも食べる?一個ならあげる」

    京太郎「えっ、いいんですか?で、でもな……」

    「どうかしたの?」

    京太郎「その、正直興味はあるんですけど……常人なら砂糖吐いて死ぬんですよね?だからちょっと怖くて……」

    「うん。でも大丈夫。私は死んでない。だから京ちゃんも死なない」ドヤァ

    京太郎「なら……ちょっとだけ、貰ってもいいですか?」

    「うん。じゃあはい、あーん」スッ

    京太郎「えっ」

    「あーん」グイッ

    京太郎「ぐ、グイグイ来るなこの人……あ、あーん……」パクッ

    「どう?おいしい?」

    京太郎「……あぁ、まぁ普通d――んっ!?」

    京太郎「ヴェッ!ヴォッ!ヴァッ!ヴォホヴォッホ!!ヴァエッ!!ヴェアウェッッッッ!!!!!!!」ゴホッゴホッ ペッペッ

    「えっ、ちょっ、どうしたの?怪鳥のものまね?」

    135 = 128 :

    京太郎「はぁはぁ……や、やっと落ち着いてきた……」

    「大丈夫……?」サスサス

    京太郎「あ、ありがとうございます……あの、まだあのお菓子ってあります?」

    「うん。あるよ、ここに」モッサリ

    京太郎「没収します」ヒョイッ

    「あっ!ダメッ!返してっ!!」ピョンピョン

    京太郎「無理ですよ、それは。こんな明らかに体に悪いもの食べさせられません。これは俺が責任を持って処理ます」

    「そんなこと言って、一人占めする気なのは分かってる!」ピョンピョン

    京太郎「俺がまだこれ食べるわけないでしょ。さっきのリアクション見ましたよね?」

    京太郎(しかしまぁ……揺れないなぁ……そこも似たもの姉妹か)

    「……返して」ギュルルルルルル

    京太郎「それは……神砂嵐!?」

    「返さないと、これが京ちゃんを襲う」ギュルルルルルル

    京太郎「凄んだって無駄ですよ。俺、究極生命体(アルティメットシイング)ですし」

    「嘘。ジョジョはフィクション。ありえない」ギュルルルルルル

    京太郎「神砂嵐出してる人には言われなくないなぁ」

    136 = 128 :

    京太郎「あっ、ていうかそもそも、なんのためにここに来たんですか?」

    「あっ、そうだ。私、咲に会いに来たんだった」

    京太郎「咲に会いに?」

    「うん。咲に借りてた本が見つかったから、それを返しに来た」

    京太郎「そのためにわざわざ、長野まで来たんですか?律儀ってかなんというか……」

    「それとついでにお母さんから、お父さんの誕生日プレゼントを渡してって言われた」

    京太郎「それ、本命とついで逆じゃないですか?……いや、娘にとってみれば、父親なんてついでか」

    「それで咲はどこにいるの?京ちゃん知ってる?」

    京太郎「あぁ、咲ならもう帰りましたよ」

    「えっ」

    京太郎「お父さんの誕生日だから、今日は豪勢な料理作るんだーって言って」

    「そ、そんな……嘘でしょ……」ショボボボン

    京太郎「そんなショックに受けることですかね?家に行けば会えるじゃないですか」

    「そうだけど……ここから家まで、どう行ったらいいか分かんない……」ショボボボン

    京太郎「あっ、それなら送りますよ。咲の家は知ってますから」

    「ほんとに?お願いしてもいい?」

    京太郎「えぇ、もうまるっとお任せください!この須賀京太郎が、お姉さんを完璧に送り届けますっ!!」ドンッ

    「なんで自信満々の人って、逆に頼りなく見えるんだろうね」

    137 = 128 :

    京太郎「お姉さんって、元々こっちの人なんですか?」

    「そうだよ。今は東京にいるけど」

    京太郎「……もしかしてなにか特別な、俺が気軽に聞いちゃいけないような、複雑な家庭の事情とかあったりします?」

    「ううん。普通にお母さんの仕事の事情」

    京太郎「あっ、そうなんですね」

    「お母さんが一人で東京行くの寂しいからって、私がついて行った」

    京太郎「なんでまたお姉さんがついて行ったんですか?」

    「そのときはまだ咲は小さかったし、お父さんもこっちで仕事があったから、私が行くしかなかった」

    京太郎「へぇー、さすがはお姉さんですね」

    「そう、私はお姉ちゃんの鑑。私以上のお姉ちゃんはいない」ドヤァ

    京太郎「でもその割には、咲からお姉さんのこと聞いたことないですが」

    「えっ、咲、私のこと話してないの?」

    京太郎「えぇ、少なくとも俺はそうです」

    「えっ……嘘……なんで……ショック……」ショボボボン

    京太郎「あっ……ま、まぁ、アレじゃないですかね?お姉さんインターハイ王者ですし、もしかしたら咲は、引け目みたいなの感じてたかもしれませんよ?」

    「本当にそんなことを思わせてたりしたなら、インターハイで手を抜けばよかった……」

    京太郎「それはそれで余計に、咲はお姉さんのこと話さなくなると思いますよ」

    138 = 128 :

    京太郎「あっ、着きましたよ」

    「あっ、ほんとだ。京ちゃん、ありがとう」

    京太郎「いえいえ、こんなのお安いご用ですよ」

    「お礼にこれ、あげる」

    京太郎「えっ……なんですか、これ?」

    「てるてる坊主。それを私だと思って大事にして」

    京太郎「大事にって、吊したりしたらダメってことですか?」

    「ダメ。ゼッタイ。そんなことしたら呪う」

    京太郎「やけに怖いですね……具体的に、どう扱えば満足なんですか?」

    「具体的にいうと、毎日これにおいしいお菓子をお供えすればいい」

    京太郎「あっはい、分かりました。ていうか、ホントお菓子好きなんですね」

    「うん。お菓子は素晴らしい。心を潤して満たしてくれる」

    京太郎「まぁ麻雀って頭使いますもんね」

    「そう、そういうこと。それじゃあお別れだね。バイバイ京ちゃん。またね」フリフリ

    京太郎「あっはい、また。さようなら」フリフリ

    139 = 128 :

    ヨクジツ

    京太郎「あーあ、空から降ってきた巨乳でかわいい家庭的な女の子が、いきなり俺に惚れたりしねぇかなー」

    「朝からなんてこと考えてるの、京ちゃん……爽やかさの欠片もないよ」

    京太郎「あっ、おはよう。咲」

    「おはよう、京ちゃん。昨日はごめんね、お姉ちゃんのお世話させちゃって」

    京太郎「いや、別にいいよ。お前のお姉さん、良い人だったし」

    「そっか、それならよかった」

    京太郎「ていうかお前、なんでお姉さんがいるって言わなかったんだよ」

    「えっ、あぁ……別に理由なんてないよ。ただタイミングがなかっただけ」

    京太郎「引け目とか感じてたんじゃないのか?」

    「あはは、そんなことないよ。麻雀はすごいけど、それ以外は普通のお姉ちゃんだもん」

    京太郎「じゃあマジで、黙ってた理由は特にないのか?俺が簡単に聞いちゃいけないような、姉妹間の複雑な事情とかないんだな?」

    「ないよ、そんなの。ていうか仮にあったとしても、京ちゃんにそんなこと言うわけないでしょ」

    京太郎「咲の隠しごとを聞き出す方法くらい、俺にもあるぞ」

    「へぇー、そんなのあるんだ……ちなみにどんな方法か、聞いておいてあげる」

    京太郎「抱きしめて耳元で「俺のこと、信じてくれないのか?」って涙声で言う」

    「えっ、そんなことしてくれるのっ!?」

    京太郎「まぁ、隠しごとがあった場合はしてたかもな」

    「じ、じゃああるよ!ていうかむしろ、隠しごとだらけだよっ!隠しごとといえば宮永咲だよっ!!」

    京太郎「マジでホントに隠しごとだらけだったら、咲との友達付き合い考えるわ」

    「あっ、じゃあないよ!隠しごとなんて、一つもないよっ!清廉潔白といえば宮永咲だよっ!!」

    京太郎「いやお前、潔白ではあるかもしれないけど、清廉ではないじゃん」

    140 = 128 :

    今回は番外編です

    照は多分本編には出ないのでこういう形になりました

    これでご満足して頂けるとありがたいです

    本編はもうしばらくかかります

    お待たせいたしまして申し訳ございません

    それではありがとうございました

    141 :

    乙ー。

    咲さんかわいい!

    142 = 130 :

    おつ

    143 :

    乙~
    何てことだ ここは京照スレだったのか

    144 :

    純ニキがWネタやってたけど、どっちかっていうとモンブチはミュージアムだよな
    京太郎が尻彦になっちゃいそうだけど

    145 :

    「なぁ、須賀。肉くれ肉」

    透華「こらっ、純!食べ物をねだるだなんて、卑しいですわよ!ご自分の分で我慢なさい!」

    「いいじゃねぇかよ、ちょっとくらい。別に全部貰おうだなんて思ってねぇんだから」

    京太郎「まぁまぁ、俺は別にかまいませんから……はい、どうぞ」

    「おう!……って、一切れだけかよ。マジでちょっとだな……まぁいいや、あんがと」

    透華「純!頂いたのですから、もっとちゃんとしたお礼を述べなさい!まったくもう……須賀さん、誠に申し訳ございませんわ……」ペコリ

    京太郎「いやいや、ホントに大丈夫ですから。俺、ここじゃ多分一番年下ですし、ついでに新入りでもありますし」

    透華「たとえそうであっても、礼節は重んじるべきですわ!まったくもう……」

    京太郎「そんな怒らないでくださいよ。折角のかわいい顔が台無しですよ?……いや、怒った顔も素敵ですね」キリッ

    「うわー……なんて典型的なセリフなの、須賀くん」

    「よく笑いもせず、むしろ決め顔で言えるものだな……」

    智紀「あんなセリフ……リアルに聞く日が来るとは、思ってもみなかった……」

    「ありえねぇよ、ありゃあ。鳥肌立っちまったじゃねぇか」

    透華「も、もう!須賀さんったら、お上手ですわねっ!」ウフフ パシパシ

    「そんで間に受けちゃうもんねー、うちのご主人様は」

    「衣ははなはだ、とーかが将来、男に騙されないかが心配だ……」

    智紀「お嬢様として以前に、女として、男に対する警戒心が薄すぎ……」

    「これもう、女子校育ちってだけが理由じゃねぇよな」

    146 = 145 :

    京太郎「あの……この際だから言いますけど、俺まだみなさんの名前ちゃんと分からないんですよ」

    透華「えっ」

    「えっ」

    「えっ」

    「えっ」

    智紀「えっ」

    京太郎「だからその……言いにくいんですけど、自己紹介してくれるとありがたいです」

    透華「えっ……じ、自己紹介がまだなんてそんな……」

    「い、いやちょっと待て!とりあえず思い出してみようっ!」

    「あー……してねぇ。うん、少なくともオレはしてねぇわ」

    「……ボクもしてないや。うわぁ、うっかりしてたなぁ……」

    智紀「その点私はもう十四、五年前に済ましてる……さすが私……出来る女……」ドヤァ

    京太郎「えっ、俺らって自己紹介したっけ?」

    智紀「……覚えてない……でもきっとしてる……なぜなら私は出来る女……」ドヤァ

    京太郎「まぁ別にどっちでも、お前は今更自己紹介しなくてもいいぞ」

    智紀「……それはそれで、なんか釈然としない……」

    透華「す、須賀さん!この度は誠に申し訳ございませんわっ!!」ガタッ フカブカ

    「須賀よ、実に申し訳ないっ!この非礼、なんとして詫びればよいかっ……!」ダンッ

    「須賀くん、ごめんね……ていうか、今まで名前で呼ばれなかった時点で気付くべきだよね……」ハァ

    「須賀、わりぃな。すまんすまん」

    京太郎「あっいえ、別に怒ってるわけじゃないですから。謝らないでください」

    透華「そうはおっしゃりましても、自己紹介をしていないのは、常識外れもいいところですわっ!」

    京太郎「ま、まぁほら、面接の日はいろいろありましたし、忘れてても仕方ないっスよ」

    147 = 145 :

    「とりあえず、今から自己紹介すりゃあいいんだろ?」

    京太郎「あっはい、お願いします」

    「じゃあ……俺は井上純だ。まぁ、今更だけどよろしくな」スッ

    京太郎「あっはい、よろしくお願いします、井上さん」ニギニギ

    透華「で、では次は私が……私は龍門渕透華ですわ。もうご存知かと思いますが、この屋敷の主人ですの」スッ

    京太郎「あっはい、どうもお世話になります、龍門渕さん」ニギニギ

    「次は衣であるな……衣は天江衣だ。人よりすこしばかり小さくはあるが、れっきとした高校二年生だ」スッ

    京太郎「あっはい、それはもう重々分かってます、天江さん」ニギニギ

    「最後はボクだね……ボクは国広一。ほっぺに星があるけど、別にジョースターの血族じゃないからね」スッ

    京太郎「あっはい、丁度聞こうと思ってたんでありがたいです、国広さん」ニギニギ

    智紀「ついでに私も……私は沢村智紀……ちなみに、裸眼視力は0.3……」クイッ メガネキランッ

    京太郎「その情報はいらないぞ、サワムラー」

    智紀「この流れでその呼び方とは、釈然としない……」

    京太郎「じゃあ他にどう呼べばいいんだよ」

    智紀「みんなみたいに、名字にさん付けすればいい……」

    京太郎「なんかお前をそう呼ぶのは癪に障る」

    智紀「私はあなたのその態度が癇に障る……」

    148 = 145 :

    京太郎「あっ、そうだ……みなさんってなにか、欲しいものとかありますか?」

    透華「欲しいもの、ですの?なぜまた突然、そのようなことを?」

    京太郎「いやまぁ、ちょっと気になって……特にこれといった理由はないですよ」

    透華「左様ですの。欲しいもの、ですのね……」

    智紀「私は希望が欲しい……光の届かない闇の奥地でも輝き続ける希望が……」

    「オレは夢だ。一生をかけてでも自分の全てを投げうってでも叶えたいほどの夢が」

    「ボクは勇気かな。絶望的な逆境の最中でも前を向いて進み出せる勇気が」

    「衣は自由であるな。誰にも干渉されず全てを自らで決めねばならない痛みを伴う自由が」

    透華「私は愛ですわね。万物を別け隔てることなく暖かく包み込める大いなる愛が」

    京太郎「あの……もっと他にないですか?」

    智紀「じゃあ運動神経……バク転とかしてみたい……」

    「だったら絵心だな。せめて人並にはなりてぇし」

    「それじゃあ器用さかな。手品師は器用であることに越したことはないからね」

    「ならば身長だ!身長身長身長っっっ!!!!!!」

    透華「でしたら超能力ですわね。使えたのならば、きっととっても便利ですわ」

    京太郎「すみません、聞き方が悪かったですね……もっとこう、ちゃんと形としてあるものでお願いします」

    149 = 145 :

    透華「形としてあるもの……とおっしゃりますと、本当に物とおっしゃりますのね?」

    京太郎「あっはい、そういうことです。それで出来れば、高校生でも気軽に買えるレベルだったらありがたいです」

    智紀「なに……?もしかして、プレゼントしてくれるの……?」

    京太郎「いや、そういうわけじゃねぇよ。ただ今時の女子高生が、どんなものを欲しがってるのか知りたいだけ」

    「ん……?それってつまり、気になる女の子になにかプレゼントしたいけど、なにをプレゼントしたらいいか分かんないから、ボクたちに聞いて参考にしようってこと?」

    「ほうほう……須賀も色を知った、ということか」

    透華「あらまっ!さ、左様ですの?」

    「おい、相手誰だよ?清澄のヤツか?えぇ?」

    智紀「私も気になる……私のこの、お眼鏡に適う相手なのか……」メガネキランッ

    京太郎「いやその、そういう相手は特にいないですから。あとそのギャグ、二回言うほどのものじゃないぞ」

    「ほんとに?じゃあなんで、ボクたちの欲しいものなんて聞くの?」

    京太郎「興味とか好奇心みたいな感じですよ。それだけです。ていうかそう言ってるじゃないっスか」

    「……なーんか納得出来ないんだけど」

    「別に裏があってもよくね?秘密聞き出そうってわけでもないんだから」

    透華「左様ですわね。むしろなにか裏がおありだったとしても、私たちの欲しいものをお聞きなさっているのですから、そこは逆にご期待してもおよろしいかと存じますわ」

    「まぁ……それもそうだね。疑っちゃってごめんね」

    京太郎「いえいえ。まぁ唐突でしたし、仕方ないっちゃ仕方ないですよ」

    「しかし、真に物でかつ高校生でも気軽に買えるもので、欲しいものと言われてもな……」

    智紀「そうパッとは思い浮かばない……」

    京太郎「あんな前置き並べた希望とか自由が、パッと思い浮かんだ人の台詞とは思えませんね。それは」

    150 = 145 :

    「まぁオレは、食いものだったらなんでもいいぜ。ステーキだったらなおさらだ」

    「なに?そういうものでもよいのか?ならば、衣はハンバーグとエビフライだっ!」

    「食べ物ならボクはパスタかな。あっ、スパゲッティじゃないよ」

    智紀「激辛中華……本場、四川の味……」

    透華「……あなたたち、そんなにも私の料理にご不満がありますのね」プイッ

    「あっ、いやマジで不満はねぇよ。ただなぁ……」

    「いくらおいしい料理といえど、こう毎日同じではさすがに飽きてしまうものだ。我々は食事に対して、変化という名の刺激を求めておる」

    「まぁ……言いにくいけど衣の言うとおりだね。でも透華には感謝してるよ」

    智紀「そう……私たちの透華に対する感謝は、空よりも高く、海よりも深い……」

    京太郎「そういうことですから、機嫌直してください。龍門渕さんには、やっぱり笑顔でいてほしいですし」

    透華「す、須賀さん……分かりましたわ。須賀さんがそこまでおっしゃるのならば、私も機嫌を損ねている場合ではありませんわね」ウフフ

    「おい待てコラッ!てめぇらコラッ!!どういうこったよそりゃ!?」ガタッ

    「須賀っ!お前はなにを最後にいい所取りをしておるのだっ!!」ガタッ

    「透華も透華だよっ!ボクたちの言葉よりも、昨日今日会ったばかりの須賀くんの言葉のほうがなんで響いてるのさっ!!」ガタッ

    智紀「わりと恥ずかしいこと言ったのに……許すまじ……!」ガタッ

    透華「ちょっとした冗談ですわ。あのようなことをおっしゃられましたのに、少しも仕返しが出来ないだなんて癪ですもの」
     
    透華「ですが、しかとあなたたちのお言葉も、私の五臓六腑に染み渡っていますわっ!」ビシィ

    「まぁ、それならいいけどよ……」ストンッ

    「衣は最初から透華を信じておったぞ!」ストンッ

    「ボクも別に疑ってたわけじゃないからね?ほんとだからね?」ストンッ

    智紀「今回は特別に許可します……」ストンッ

    透華「ご納得頂いてなによりですわ。あっ、勿論須賀さんのお言葉も、ですわよ!」ビシィ

    京太郎「ははっ、それならなによりです」


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