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    元スレ比企谷「ぼっち過ぎて暇だからSAOやる」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - SAO + - 俺ガイル + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    601 = 1 :






    キリト「…………アンタに、謝らなきゃいけないと思ったんだ」





    どうやら、杞憂だったようだ。キリトは俺の芝居を見抜いてるらしい。
    だから、俺は普通に喋ることにした。






    比企谷「さっきのことなら、何も謝る必要はないさ。俺が勝手にやったことだしな」




    キリト「…………それでも、すまなかった」





    ……こいつも義理堅い奴だな。
    ほんとに俺はクリアの事しか考えてないってのに。



    602 = 1 :






    比企谷「言っておくが、俺はβテスターを庇ったわけじゃないぜ? あれは、SAOクリアという目標のために、必要だと思ったからやっただけだ。お前が思ってるほど、俺は他人の事なんか考えてねえよ」





    俺は、正直にそう言った。覚えのない好意ほど、気味の悪いものはないしな。





    キリト「でも、なにもヒキがそれをしなくてもよかったんだ……」





    キリトは、拳に力を入れてそう言った。こいつにも、何か考えるところでもあったんだろうか?
    でも、こいつがそんなに思い悩む必要はない。合理的で、簡潔に済む問題だったんだ。あれが、一番確実だった。




    603 = 1 :




    比企谷「……そうだな。あの役目は、俺がしなくてもよかった。むしろ、誰でも良かったんだ。……誰でもいい役目を、俺がやった。ただそれだけの話なんだよ」



    キリト「それでも……!」



    比企谷「キリト、お前はこのSAOクリアに必要な人材だ。俺なんか、比較にならないくらいに、な」



    キリト「……!」






    ディアベルが死んだ時、一番初めに敵に立ち向かったのはキリトだった。俺は、その場にのまれて動くことができなかった。それが、俺とキリトの差だ。……絶対に埋まることのない、決定的な差だ。


    キリトのようなプレイヤーが攻略組の中心で活躍すれば、きっと皆の希望になるだろう。だって、俺の希望にすら成り得たんだ。そうそうないぜ? 俺が希望を頼りにするなんてよ。


    604 = 1 :




    俺がそう言うと、キリトは黙り込んだ。


    ……沈黙は金というが、気まずい雰囲気はやめてくんない? ああ、そうだ。俺はこいつに聞きたいことがあったんだ。いっそ、今聞いちまうか。




    比企谷「キリト、ひとつ聞いていいか?」


    キリト「……え? あ、ああ」


    比企谷「ディアベルは、なんであの場面で一人でボスを倒しに行ったか、わかるか?」


    キリト「……!」




    これは、さっきからずっと考えていたことの一つでもある。

    605 = 1 :

    あそこの、あの場面でディアベルが一人で突っ込まなければ、だれも死なずに済んでいたのかもしれないんだ。だから、俺はどうしても理由が知りたかった。





    キリト「…………」




    キリトは、答えを言うのを渋っているようだ。だが、知っているのは間違いなさそうだな。
    俺は、キリトが口を開くまで黙った。




    キリト「ディアベルは、フロアボスの”ラストアタック・ボーナス”を取りに行ったんだ」




    少し待って聞いた答えは、そんなものだった。


    ……ラストアタック・ボーナスってあれか? 最後に敵にダメージを与えるとドロップするレアアイテム。ああ、なるほど、そうだったのか。


    俺は、その可能性を完全に抜かして考えていた。ボスのアイテムなんか狙って取れるもんじゃないと思っていたし、命をかけて取るほどの物でもないと思っていたからだ。だが、それはただの先入観で、思い込みに過ぎなかったようだ。

    606 = 1 :



    もしかしたらディアベルは、皆の象徴になるものが欲しかったのかもしれない。攻略組を、これから引っ張って行くための象徴となるものが。




    比企谷「…………そう、か」




    俺は、力なく答えた。




    キリト「ディアベルは、どうしてもラストアタック・ボーナスを取りたかったらしい」


    キリト「もし、初めからアイテムをディアベルが貰うことになっていたら、あいつは死なずに済んだかもしれない」




    ……そうだな。



    口には出さなかった。後からならいくらでも後悔できちまう。そんなこと、今さら考えたって無駄なことは、俺にだってわかっている。……わかっているはずなのに、




    比企谷「あいつには、ボスのアイテムを貰う権利はあったかもな。……少なくとも俺は、文句は言わねえよ」




    こんなことを口走ってしまった。




    607 = 1 :




    ………………






    あれから再び、しばらく沈黙が続いた。


    俺もキリトとも、結構長いこと考え事をしていたらしい。いつまでもそうしてる訳にはいかないから、俺から声をかけた。





    比企谷「俺、もう行くわ。気が向いたら、情報でも買いに来いよ」





    安くはしねえけどな。


    そう言って俺は、後ろを向いて歩きだした。



    608 = 1 :






    キリト「…………ヒキ!」


    比企谷「……?」




    キリト「…………死ぬなよ」





    俺は、振り向かずに答える。






    比企谷「当然だ。俺は石橋を叩いて渡る男だからな。適度に適当に、頑張りすぎないように頑張るさ」






    もう、俺でも何言ってんのかわかんねえな。




    609 = 1 :






    キリトから見えなくなるくらいまで歩いた後、俺は再び走り出した。さっき別れたばかりのキリトにまた会っちまったら気まずいからな。


    ……くそ、キリトのせいで余計に走る破目になっちまったじゃねえか。




    俺は、気が済むまで走り続けた。長時間走って精神的に疲れていたが、さっきより少しだけ、心が軽くなっていた。







    610 = 1 :

    ここまで


    ここまでで一応一段落です。
    もうちょっとだけ続くんじゃ

    611 = 578 :

    多分コート持ってるのキリトなんだよな

    612 = 562 :


    いつも楽しみにしてるぜ!

    613 :

    乙です。俺ガイルのキャラはヒッキーしか出んのですかね?

    614 = 1 :

    >>613
    上でも言ってるけど、この比企谷は1年だからね
    出せないし出さないよ

    615 = 573 :

    乙!
    ビーター発言消えたか、キリトの立ち位置が完全に原作と別になったな
    続き楽しみだ

    617 :


    アスナさんの行方が気になる

    618 :

    キリトが攻略組のメンバーだったら死者はかなり減るのかもね

    619 = 575 :


    原作ルートなぞるSSは多いから新鮮で面白い

    620 = 543 :

    キリトからビーターという唯一の欠点が消えて完璧超人となったんですがそれは

    622 = 585 :

    ボッチの俺を変わったのはクラインのせいだ、とか
    完全にクラインがヒロインポジションな件について

    623 :

    ひげ面の年上がヒロインか
    新しいな

    625 :

    >>624

    いやすぎるヒロイン属性だな……

    626 :

    ヒッキーの特徴うまく捉えてるなー

    627 :

    キリトが孤立しないなら、
    ヒッキーが月夜の黒猫団に入る展開くるかな。
    中の人つながりでサチがヒロイン化するとか?

    628 = 571 :

    ヒッキーなら大丈夫ダ
    鼠のおネーサンが慰めてくれるヨ

    629 = 623 :

    クライン調べたけどSAO末期で24歳だったってことに驚愕した

    630 :

    乙!アリシゼーション編でやっていくのかアニメ編でやっていくのか!

    631 :

    乙 ヒッキーとSAOって思ったより親和性高いんだな

    632 :

    ヒッキーは自己顕示欲やヒーロー願望が高くないから犬死しないんだよな
    日常系学園モノの主人公としてはSAO生き延びても違和感のない稀有な例だと思う

    633 :


    SAOなら仲良くなったやたら話の合う女の子が鏡の効果で本当の顔になったら平塚先生だったみたいなのも面白そう。
    まぁ仲良くなる女子供なんていないでしょうが

    634 :

    >>632
    ヘイト集めすぎてPKされる可能性が無きにしもあらず

    635 :

    休日は一人で過ごす日

    6時に投下

    636 :

    おっはろー

    637 = 1 :

    >>636
    やっはろー
    まさか土曜日の朝に起きてる人がいるとは


    感想を読んでたらまた違うSSを書きたくなったりしてつらい
    書ききりたい



    投下

    638 = 1 :





    つけられてる…………?




    俺がそう感じたのは、第一層が突破されてから3日後のことだった。俺は今、”最悪で災厄の情報屋”として、ソロ活動している。な

    んじゃそりゃ。


    この”最悪で災厄の情報屋”とかいう長ったらしい蔑称は、俺が名乗っているものではない。3日前から徐々に広がっていった呼ば

    れ方なのだ。俺は今、時の人となりつつある。


    俺の噂を流したのは、おそらくあの場にいた攻略組の誰かだろう。そして、噂が噂を呼び、”情報屋が攻略組を全滅させようとした”

    だとか、”情報屋がアイテムを独占していた”とか、酷い噂があふれている。まあ、それも想定済みだけどな……。


    それと、その噂と一緒にとある警告も広まっていた。”情報不足のプレイヤーは、情報が集まるまで攻略に参加しないこと”。


    ……どこのモヤットボールだか知らねえが、やるじゃねえか。


    639 = 1 :




    それにしても、”最悪で災厄”って語呂はいいけど呼びにくいな。もっと他になかったのかよ。




    俺がその異名で呼ばれ始めてから、今まで三人の奴が俺に会いに来た。1人目は、俺がどんな奴かを興味本位で見に来ただけだったので適当に巻いた。二人目は、俺から情報を買いに来た。どうやら、悪名と同時に情報屋としても名が広がっていたようで、俺はレア情報を多く持っていると思われていたらしい。まあ、適当に情報を売って終わりだ。


    問題は三人目だ。そいつは、俺のことを殺しに来た。そいつ曰く、”悪を断つべく参上した!”らしい。正義の味方を気取るなら、攻略組に入ってろよ……。まあ、全力で逃げたんですけどね。今頃あいつは、悪を追い詰めた! とかほざいて武勇伝にしていることだろう。


    だから、今俺が”つけられている”と感じているのは、決して自意識過剰ではない。
    誰が俺のことを追っていてもおかしくないからだ。


    640 = 1 :




    俺は俺で、一応索敵スキルを上げている。


    だが、俺を付けている奴の隠蔽スキルも高いせいか、”つけられている気がする”レベルでしか判別できない。くそ、さっきから気になってるんだけどな……。


    ちなみに、俺は一応正体を隠すために、覆面を付けている。まあ、覆面といっても眼から下を覆ってるだけだけどな。想像しづらい奴は、”カカシ先生”でググればいい。正直、この覆面が役に立ったことはない。







    ……ダメ元で、カマをかけることにした。




    比企谷「そこにいるのは分かっている。さっきからこそこそしてないで、出てきたらどうだ?」




    ………………どうだ?

    641 = 1 :

    ………………どうだ?


    すると、以外にもあっけなく、後ろの草陰からその女は姿を現した。


    あれ? お前は、一層での攻略会議で見覚えがあるな。たしか、会議に来ただけで参加はしてなかった奴だ。塀に座ってた小柄な奴。





    ???「よく気づいたナ。さすがは噂通りの情報力ってカ?」





    そいつは、特徴的な話し方で俺の様子を伺った。


    そいつの顔には、両頬に三本のひげがペイントされている。


    俺はそいつを知っていた。





    比企谷「”鼠のアルゴ”、か?」




    642 = 1 :




    情報屋だ。しかも、俺とは比較にならないレベルの本物の情報屋である。ボス攻略情報を出したのも、こいつらしい。俺も、直接話したことはないとはいえ、こいつの情報を大いに活用している。


    というか、女だったのか。勝手な想像だが、鼠って言われるくらいだから男だと思ってたぜ。


    こいつが、いったい俺に何の用だ……?






    比企谷「こそこそつけてたって事は、俺に用があるんだろ? さっさと言え。聞くだけなら聞いてやる」





    俺も、この3日で悪人が板についてきた気がする。まあ、このキャラのほうが相手が威圧されてくれるから便利なんだけどな。

    643 = 1 :



    だが、こいつは全く威圧された様子はないようで、平然と答えた。






    アルゴ「何もないサ。ただ、悪名高い”最悪で災厄の情報屋”がどんな奴か見ておこうと思ったダケダ」





    ああ、はいはいパターン”1人目”ね。安心したぜ。こいつレベルのプレイヤーに殺されそうになったら、逃げ切れるか怪しいしな。




    比企谷「もう、十分見たろ? いい加減、つけまわしてほしくないんだが」



    アルゴ「……そうはいかないヨ」


    比企谷「……?」





    なにがだよ。


    こいつは、俺が黙っても何も言おうとしない。めんどくせえな。無視して進むか?


    644 = 1 :








    あれ?
    ……そういえば、こいつの”ひげ”見覚えがあると思ったら”エクストラスキル”の奴じゃねえか。







    ”エクストラスキル”とは、通常の方法では取得することのできない、特殊なスキルである。



    俺は、3日前に走っているときに道に迷い、偶然そのスキルを所得できる場所を見つけた。とあるNPCのおっさんが、”体術スキル”を教えてくれるというのだ。剣の世界で対術とは珍しい。


    だが、勢い余ってスキル取得に乗り出したら、そのおっさんは俺の顔に”参加証明”という名の落書きをしやがった。


    この落書きは、スキルを取得するまで消せないらしい。ふざけんな。しかも、スキルの獲得難易度は恐ろしく高く、今の俺に到底できる代物ではなかった。……ふざけんな。

    645 = 1 :



    と、いうわけで、俺はバックレた。俺の顔には、今も落書きが残っている。カカシ覆面スタイルは、この落書きを隠すためのものでもあるんだ。



    俺がアルゴのヒゲをまじまじと見ていると、アルゴはその視線に気づいたようで、






    アルゴ「このヒゲの秘密を知りたいナラ、10万コル払えば教えてやらないこともないヨ」





    と言った。






    比企谷「エクストラスキルの情報としては、高すぎるんじゃないか? 俺はあの情報を一人3万で売ったぞ」



    アルゴ「……! ……さすが、知っていたのカ」






    偶然だけどな。

    646 = 1 :

    ちなみに、俺が売った相手は忍者みたいな姿をした奴だった。俺に会いに来た2人目でもある。そいつは、もう一人の仲間と一緒にそのスキルをとりたがっていたようなので、1人3万、計6万コルで売った。


    ……同じ仲間なのに別料金なのかって? いいんだよ、そいつは快く払っていったんだから。



    俺は、アルゴに顔の落書きを見せることにした。こいつと同じ落書きを見せれば、説明不要だろう。まさか、笑われることもあるまい。



    比企谷「ほら、こういうことだよ」




    俺は覆面を取って、顔に書かれたひげを見せた。
    ……だが、



    アルゴ「ぷっ……」



    ぷ?



    アルゴ「にゃハハハハハハハッハアッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」





    そいつは盛大に笑い飛ばしやがった。








    647 = 1 :

    ここまで!

    648 = 636 :

    おっつー
    早起きは三文の得だろ

    649 :


    忍者の格好…誰だ

    650 :

    ひげ消えないの?ペアになるの
    取っても忍者とかぶるのか


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