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    元スレ比企谷「ぼっち過ぎて暇だからSAOやる」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - SAO + - 俺ガイル + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    51 = 1 :


     
     
     
     
     
     

    俺は、ゲームをクリアして現実に帰る。
     
     
     
     
     
       
     
     
     
     
    どれくらいの期間でクリアできるかなんて見当もつかないが、早く帰らなくてはいけない。
     
     
    小町にいつまでも心配させるわけにはいかない。
     
     
    早く帰って、あいつを安心させるまで、俺は全力でゲームクリアに専念する。 
     
     
    ……他人任せになんてしていたら、いつクリアできるかわかったもんじゃないしな。

    52 = 1 :



    ……………………




    ゲームクリアを目指すなら、俺はどう行動すべきだろうか。
     

     
    何時間か前にβテスターに聞いた情報だと、ここら一帯の”刈り場”には限りがあるらしい。刈り場がなくなる前にさっさと次の町へ行ったほうが良いはずだし、安全に進むルートも聞いている。……だが、いくら道を知っていてもこの混沌とした状況で無事に次の町へ行けるのか、と言うと、まったく自信がない。ないもんは、ない。
      
     
    だから、今無理に進むよりも”これから”のためにもっと情報を集めるべきだ。
     
     
     

     

    53 = 1 :

     


    街にはまだ呆然と立ちすくむ人々が多くいた。 
      
     
    だが、こうして見渡してみると、この町に残っているプレイヤーの3割くらいは、しっかりと目的をもって行動しているように見える。こんな状況でよく、自分を保っていられるもんだな。まあ、それ以外の連中はいまだに何をしていいかわからない様でその場にたたずんだり、行き場もなくうろうろしているようだが……。
      



     

    54 = 1 :



     

    情報をある程度集めたとき、俺は自分のステータスを見直した。
     
     
    武器は短剣。
    軽いし動きやすいから逃げるのに適してそう、という理由でこれにした。防具はまだ初期装備のままだ。初期で買える防具なんて限られているし、金を使うなら武器やアイテムの方がいいだろう。
    そして今俺が手にしたいスキルがいくつかある。隠蔽、索敵、生存能力系統だ。
    前者2つは、情報収集と安全確保のために取っておきたいスキルだ。生存能力は回復スキルなので、ボッチプレイヤーなら必須になるだろう。
      
      
    こんな状況ならパーティーやギルドを組んだほうが正解だろうが、あいにく俺は足を引っ張るのが好きじゃないし、命を任せられるほどの責任を背負う覚悟もない。なら、予定通りボッチでいいだろ?
      
      
    命がかかってるゲームじゃ、いつどんな状況で危険が襲ってくるかなんてわからない。最大の敵はモンスターじゃなくて人だった、なんてこともあり得るしな。人間は極限状態に陥った時、そのほとんどが自分を優先させる。さっき情報収集していた時気付いたが、βテスターが広場の騒動以降、まるっ切り見かけなくなってしまった。……まあ、当然と言っちゃ当然だ。効率のいい刈り場を求めて次の町へ向かったんだろう。
     

    55 = 1 :

     
     
    こういう時こそβテスターは一般プレイヤーを助けるべきなんじゃないか? という奴もいるかもしれない。もちろん、それは正しい意見だ。右も左もわからない世界でどう行動するかを正しく教えられる人がいれば、無駄に死ぬ人が格段に減るはずだからな。
      
      
    だが、俺がβテスターだったとしてもおそらく他のやつを助けてる余裕はないだろう。実際、今俺は他の一般プレイヤーよりは多くの情報を持っているかもしれないが、この状況じゃ自分がどうするかを考えるので精いっぱいだ。まあ、恨まれても文句は言えないけどな。
     
     
    ???「なあ、アンタ! もしかしてβテスターか?」
     
     
    そろそろ切り上げてモンスター討伐でも試してみるべきだろうか……。回復アイテムはそれなりにあるし、死ぬことはないだろう。
     
     
    ???「なあ! おい! アンタだよアンタ! 聞こえてるか!?」
     
     
    比企谷「え? 俺?」
     
    振り向くと、赤髪の男が立っていた。

    56 = 1 :

    別のだれかを呼んでるのかと思ったぜ。間違えて返事したら恥ずかしいから、確信するまで返事しないようにしてるんだよな。まあ、呼ばれる機会なんてほとんどないし。
     
     
    ???「ああ、そうだよ! もしもβテスターだったら俺たちにいろいろとレクチャーしてくれないか? 無理にとは言わないが、頼む!」
     
     
    比企谷「悪いが、俺は一般プレイヤーだ」
     
     
    ???「あ、そうだったのか……迷いない足取りだったからついな……」
     
     
    なんでガッカリされなきゃなんねえんだよ。なんか俺が悪いみたいになっちまったじゃねえか。まあ、状況が状況だから、頼れる人間がほしい気持ちはわかる。
     
     
     
    比企谷「それなりに情報は集めているから、そう見えただけだろ。まあ、聞きたいことがあるなら教えてやるぞ? 知ってるかどうかはわかんねえけどな」
     
     
    ???「マジで!? マジで!? サンキュー!! ありがとう!!」
     
     
     
    いや、俺はあくまで一般プレイヤーだからね?
     
     

    57 = 1 :

     
     
    ???「俺はクラインって言うんだ。よろしくな!」
      
      
    あれ?ちょっと質問に答えるくらいのノリだったのに、なんかこれから一緒に行動するみたいな挨拶が始まったぞ? 何? 友達になってくれんの?
      
      
    比企谷「俺は比企っ……ヒキ、という。よろしく」
      
      
    空気が悪くなるといけないので一応挨拶を返した。思いっきり噛んだ。
     
     
     

    58 = 1 :

     
     
    ………………



     
    今、俺は猛烈に後悔している……。確かにクラインは”俺たちに”と言っていた。
    でもまさか6人もいるなんて思ってなかったんだ。
    助けて……。
     
     
    クライン「こいつらは俺のリアルな知り合いでな、このゲームでも一緒に行動することにしたんだ!」
      
    「よろしくー」
    「うーっす」
     
    しかもリアルで知り合いとかもう俺入り込む余地ないじゃん。
    完成されてるじゃん。
    つーか6人で囲わないでください、かつあげでもされてる気分だ。金なら払うんで帰っていいですか?
     
      

    59 = 1 :

     
      
    クライン「もしかして疲れてるのか? 目がひどいことになってんぞ。まああんなことがあったあとじゃ無理ねえか」
     
     
    いや目がひどいのはデフォルトなんで。
     
     
    比企谷「いや、大丈夫だ。それより、何が聞きたいんだ?」
     
     
    クライン「……そうだなぁ……あっそうだ! 戦闘の仕方を教えてくれないか? 俺は茅場が現れる前に、βテスターのやつに一通り教わったんだけどな」
     
     
    クラインは周りを一瞥すると、頭をかきながら言葉をつづけた。
     
     
    クライン「こんな状況だから、こいつらも戦闘方法を知っておいた方がいいと思うんだ。こう言っちゃなんだが、俺はあんまり人にものを教えるのが上手くなくてよ」
     
     

    60 = 1 :

     
     
    なるほど、こいつらはこんな状況でも、落ち着いて先を見据えているようだ。この世界で生き抜くため、いやゲームをクリアするために動いている。そういうことなら協力してやりたいが……。
     
     
    比企谷「情報だけでいいなら戦闘のコツとかは知ってるが、戦闘自体はまだやったことないぞ。むしろ今から試しに行くところだ」
     
     
    力になれなくて悪いな、と続けるつもりだった。
      
      
    クライン「それなら丁度いいじゃねえか! 一緒に行こうぜ! ヒキ!」
     
      
    比企谷「…………あ、ああ」
     
     
    恐るべしリア充。
    こんな自然に人を誘える奴に、俺はあったことがない。
    いや、そもそも俺は人に誘われることがないから比較対象がほとんどいないんだけどね。
      





    61 = 1 :

    ここまで
    感想サンクス

    62 :


    リアル知り合いの中でぼっち
    切り捨てられるとしたら……

    63 :

    さてヒッキーはどうなるのか 期待
    乙です

    64 :


    俺ガイル勢はヒッキー以外出ないのかな

    65 = 1 :

    >>64
    出さないよ
    一応設定では1年生の11月だから、比企谷の知り合いで出せるのは
    材木座くらいになっちゃうしね
    材木座もこの時点で知り合いかどうかは知らんけど

    66 :

    流石ヒッキー、シスコンの鏡だな

    67 :

    ヒッキーって一応年上には敬語使ってた気がする

    68 :

    なるほど。 ヒッキーの性格なら他人任せにすると思ってたから
    どうするのかと思ったら小町を理由に頑張る展開にするのか・・・

    ヒッキーらしい理由だな

    69 :

    先生くらいならSAOとかやりそうだけど……

    誰かヒロインポジションに来るSAOキャラいるのかな
    キリトいるみたいだから、アスナはそっちに行くとして

    70 :

    材なんとかさんは合同クラスの体育でいつも組まされるって言ってたから1年から知り合いの可能性は高いな
    いてもおかしくはないが奴は真っ先に死ぬ人材だろうからいない方が後味悪くならないだろう

    71 = 42 :

    やべえ面白い

    72 :

    材なんとかさんは、死んだと見せかけて黄金の金槌引っ提げて、帰って来るんだろ?

    73 :

    八幡NPCはまだしもよくβテスターに話しかけられたな
    声かけるのすらためらいそうな感じだけど

    面白そうで期待してるよ

    74 :

    乙、一生のお願いだから完結させてくれよ…

    75 :

    >>67
    ネットゲーだと年齢とか後悔しないし、そんなに話し言葉を使い分ける必要ないと思って
    こういう感じにしました。比企谷がそうするってソースはないけど、クライン相手に敬語なないかな、と。

    >>73
    ネット弁慶という言葉があって、現実世界でいくらコミュ障でもネットでは
    割と饒舌になる奴が多いんだよ。ソースは俺。

    >>74
     こ こ で 使 う な

    ちょっとしたら投下

    76 = 1 :

    補足
    >>67
    見るからに年上とか、老人とか敬語を使うべき相手には敬語って感じにするよ
    あと全く興味のない相手や、仲良くできなさそうな相手には敬語。

    77 = 1 :

    クライン「ヒッキーよお、お前本当に戦闘初めてなのか?」



    開始から4時間。
    もうあたりは暗くなっていたが、俺(ぼっち)とクライン(リア充チーム)はまだ戦闘練習を続けていた。
    練習相手はスライムレベルの雑魚モンスター、豚野郎”フレンジーボア”だ。
    クラインは経験者とあって教えるまでもなかったが、ほかの5人もゲーム自体に慣れているようだったから、呑み込みが早かった。
     
     
    比企谷「ああ、この戦闘システムだとソードスキルの出し方さえ知ってればなんとかなるみたいだ」
     
     
    ソードスキルとは、一言でいえば、技である。出し方はかめはめ波と同じで、ポーズをとってハア!っとやれば勝手に発動する。
     
     
    クライン「でもよお、さっきからおめえ、直撃ばっかじゃねえか。俺なんか敵に攻撃を当てるだけで精一杯だぜ?」
     
     
    比企谷「それは、俺の武器が短剣だからだ。短剣は早い上に直撃になりやすい。その分攻撃力が低いから、お前の武器よりも手数が必要なんだよ」
     
     
    それに、敵に何かを当てるという動きは一人テニスを極めた俺にとって割と慣れたもんだからな。

    78 = 1 :



    クライン「さっきからヒッキーの方が敵に与えてるダメージが多いんだよなぁ……。俺も短剣にしようかあ?」
     
     
    比企谷「無理に変える必要なんてないだろ。自分にできるやり方で、自分の好きな武器を使ったほうが……」
     
     
    言いかけて、途中でやめた。
    俺が指摘してそれが間違いだったとしたら、こいつを危険な目にあわすことになっちまう。
    だが、クラインはそこまで聞いて満足したのか、
     
    クライン「そうだよな、まだ始めたばっかだし、俺は俺なりで行くぜ!」
     

    と言って、素振りを始めた。



    だが、俺には一つだけ気になることがあった。
    こればっかりは訪ねておかなければならない。



    79 = 1 :


     



     
    比企谷「クライン、さっきから俺のこと何て呼んでる?」
     




     
    クライン「あ? ヒッキー?」
     
     




    いや疑問形にされても。
     

    80 = 1 :

     
     
    クライン「だってヒキって呼びにくいじゃねえか! ヒッキーの方がゴロいいしわかりやすいだろ?」
     
     
    こいつに悪気はないんだろう。
    だが、呼ばれるたびに馬鹿にされてる気がしてならない。このもやもやした何かは何処にぶつければいいんだ? 教えてくれ豚野郎!
    まあ、中学のころもっとひどいあだ名とかあったしまだマシな方か……。
     




    どうせ今日だけのパーティーだし、気にしなくてもいいか。またいつか、どこかで会うこともあるかもしれないが。






    81 = 1 :



    ……………………





    そろそろ戦闘練習も終わった方がいいだろう。こいつらも肉体的はともかく、精神的疲労は回復しておいた方がいいだ

    ろうしな。
     
     
    比企谷「そろそろ終わりにしようぜ。もう疲れちまった」
     
     
    クライン「お、そうだな。じゃあ今日はもう休むか! おいお前ら、宿に戻ろうぜ!」

    「おー!」
    「疲れたー」
    「ヒッキーサンキュウな!」
     
    ヒッキー呼びがデフォルトになってやがる……。
    そういえば、宿とか取ってなかったな。まあ俺はどうせ緊張で寝れないし、適当に街を歩いて時間をつぶすか……。
     
     
    クライン「ヒッキーはどうするんだ? もう宿とか決まってんのか?」
     
     
    こっちの心配までしてくれるとか、マジで素晴らしいコミュ力だな。
     
     

    82 = 1 :

     
     
    比企谷「俺はまだやることがあるから、宿にはいかない。つまり、ここでお別れだ」 
     
     
    クライン「そっか、じゃあフレンド登録しようぜ!」
     
     
    比企谷「え?」
     
     








    ……フレンドって日本語でなんて言うんだっけ? 聞きなれない言葉過ぎて思い出せねえ。
     

    クライン「だってまた会う時に連絡とれなくちゃ困るだろ? ほら、送ったぜ!」
     
     




    ……また、があるらしい。
    次の機会があるなんて考えてもみなかった。

    83 = 1 :





    俺は”フレンド登録しますか”という問いに対して、
     
     





    比企谷「あ、ああ」 
     
     







    YES、と答えた。








    あいつにとってはただの連絡手段かもしれないが、目に見える形で”友達”という関係が取られたのは、こいつが初めてかもしれない。
     
     

    84 = 1 :

     
     


    クライン「じゃあまたなあ! ヒッキー! 今日は本当にありがとな!」









    俺は街に戻っていくクライン達を眺めながら、今日の出来事を振り返っていた。


    良くも悪くも初めてのことばかりで、戸惑うばかりだ。


    だが、このSAOにあるのは”絶望”だけじゃないのかもしれない。と、俺は勝手に思うのだった。


     
     

    85 = 1 :

    ここまで
    コメントは励みになります。

    86 :


    完走してくれると嬉しい

    87 :

    良かったなあ、ヒッキー…

    88 :


    この後登場するであろうキャラ達にもヒッキーって呼ばれるんだろうなww

    89 = 1 :

    こんな時間に読んでる人がいると思わんかったからビビった
    どうせだしおまけ(1レス)も投下するよー

    90 :

    確実にヒッキ―だろうな
    誰だってそうする、俺だってそうする

    92 = 1 :

    寝る!

    93 :



    面白い

    94 = 90 :


    本編のメールコーナー好きだからこれは嬉しい
    そしてクラインはSAO作中随一の癒しキャラだと思うわ

    95 :

    楽しみにして待ってる

    97 :


    面白いから必ず完結してくれ

    98 :

    ぼっちって言うとなんかアレだけど、ソロって言うとなんかカッコいい!不思議!

    99 :

    さあ、なんちゃってぼっちのキリト君をみてヒッキーは何を思うのか

    100 :

    おい37
    ログホラは人間関係が0からじゃないんだぞ、ゲーム時代に孤立したら詰み
    仮に大災害当日にゲーム開始したとしても周りの人間関係固まってる中でヒッキーに何が出来る?しかも半分以上がレベル90でレベル1から頑張らないといけないんだぞ
    SAOの方が輝ける余地は残ってるだろう


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