私的良スレ書庫
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元スレ闇条「お前…ムカつくな」
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これもう>>1帰ってこないんじゃないか?
>>1が帰ってくる事を望んでいるのは私だけでははないはずだ
帰ってきますよ笑。ちょっと他スレの更新をしていました。
なので書き溜めは進んでいません。
ただ、次の投下は4月の最終日~5月1、2日辺りになりそうです。
明後日から一ヶ月間遠くへ出なければならないので。ごめんなさい。
なので書き溜めは進んでいません。
ただ、次の投下は4月の最終日~5月1、2日辺りになりそうです。
明後日から一ヶ月間遠くへ出なければならないので。ごめんなさい。
帰ってくるころには荒らしでレスが埋まってるんだろうなぁ.....
>>758
お前がなにも言わなきゃ荒れなかったんだろうな
お前がなにも言わなきゃ荒れなかったんだろうな
>>759
そういうこと言っちゃダメ!
そういうこと言っちゃダメ!
>>762
オマエモナー
オマエモナー
>>765
今書き込んだ自分を恨むんだな
今書き込んだ自分を恨むんだな
>>766顔がブスだからってssに僻むな。
>>767
はい
はい
このスレおまいらの会話で軽く半分以上埋め尽くしてるからそろそろやめとけ、もうこのスレ200ぐらいしか残ってないんだぞ。
ロボットを振りきった後、追ってきたのはもっと厄介な女だった。学園都市に七人しかいない超能力者、超電磁砲の御坂美琴。
どうやら常盤台のお嬢様は、反省の二文字を知らないらしい。自身の性格が災いしたことを、美琴は気にも留めていなかったようだ。
例のごとく、『勝負よ!』との一声で始まった五分近くの(美琴による)一方的な攻防戦は、美琴があっさり勝負を投げたことで終わりを告げた。
去っていく彼女の後ろ姿を見送った上条は、踵を返し帰路を進む。早足で進む。
やがて、陽の落ちた学生寮に補習の道具が詰め込まれたカバンを抱えた上条がたどり着いた。見慣れた学生寮を見上げる彼の表情は、ひどく冷たかった。
明らかな異常事態は、実は少し前から始まっていた。美琴が急に背を向けた、あの時から――。
少年の知る限り、御坂美琴は往生際の悪い負けず嫌いな少女であったはずだ。
例えば、いつでもどこでも『勝負しろ』から会話を始めるくらい元気な少女で、何度負けても立ち向かってくるくらい頑固な少女だった。
たかだが五分程度で諦めて帰ってしまうような、そんな物分りの良い性格はしていない。
そんな彼女が、奇行とも呼べる撤退を選択した時点で、上条当麻は警戒レベルを一気にあげていた。
非日常という名の日常は、いつも唐突に、少しの異常から始まる。
そびえ立つ学生寮からは、不自然なことに、人の気配が全くしなかった。世界にただ一人残されたかのような、疎外感にも似た感覚が少年を襲う。
いくら夏休みで出払っている人間が多いとはいえ、こんなことはまず有り得ない。第一、ここに居なければおかしい二人の少女を、上条は知っている。
彼の悪い予感は、漂う血の匂いによって簡単に裏付けられてしまう。
上条「おいおい…冗談だろ」
少年の頬が笑みに歪む。それは決して楽しそうな笑いではなく、頬が引きつった乾いた笑いだった。
口元は笑っていても、目は決して笑っていない。むしろ、少年は珍しく本気で怒っていたのだ。なんに対してかは言うまでもなく。
学生寮から20m離れた位置に、見慣れない車が距離を一〇メートルほど開けて一台づつ停まっていた。
窓ガラスはところどころ砕け散り、片方はボンネットを大きく歪めていた。車の状態だけを見るなら、軽く交通事故を起こした後のように見えるだろうか。
異質なのは、それぞれの足元に転がる、焼け焦げた、かろうじて人体に見えなくもない死体だった。
一体どれほどの熱を浴びせればここまで…、
(発火能力の比じゃねぇな)
心境とは裏腹に、上条の頭は機械的に事態を眺めていた。
上条「……」
誰もが顔を覆ってしまう凄惨な光景を前に、鼻をつまみたくなるような臭いの中で、上条はソレを発見した。
場所は学生寮の入り口の辺り。
妙な存在感を放つ修道服を纏ったシスターが、その純白を真っ赤に染めて、血だまりの中に沈んでいた。
生きているか死んでいるかも、この距離からでは判別できない。むしろ上条には、あの出血量で生きながらえている可能性のほうがはるかに低いように思えた。
彼女の背中を走る横一文字の切り傷は、どう見ても転んでついた傷のようには見えない。
上条「くそがっ…フレンダのやつはどこにっ!」
カツン、カツンと響く足音は、荒々しく携帯を取り出した少年の遥か後ろから聞こえてきた。その足音に焦りは感じられない。
が、この非常事態では、ゆったりとした『正常な』歩みこそが真の異常だった。
足音の主は、急ぐ必要はないと、その先に広がるものは既に知っていると告げているようで…、
上条は爆発しそうな激情を必死に噛み殺し、冷静に、その正体をたった一言でわかりやすく確かめる。
上条「テメェが…魔術師か?」
足音は、その一言でピタリと動かなくなった。逆に少年の頭の中では、さまざまな憶測が飛び交う。
声は、一瞬の沈黙の後、
「そうだよ。もしかしなくてもソレから聞いたのかな?」
少年の視界の外で、魔術師は横たわるシスターを指さしながら告げた。
その一言で、上条の頭のなかは一気に真っ白になり、やがてひとつの答えを導き出した。
魔術師は存在した、という再三聞かされた答えを。
『魔術はあるもん』
『魔術結社に追われてきたの…』
何一つ嘘をついていなかった少女の言葉は、今になって刺に変わる。
落ち着いた頭に再び血が上ってきたところで、後ろの魔術師が続けた。
「ところで、こちらからもひとつ質問いいかな。――なぜ君はここにいる?」
魔術師は一度言葉を切り、
「いや。正確に言うならば、そうだね。なぜ君はここに入ってこられた?」
魔術師は、まるでバリケードを張っていたかのように言う。ここにいられるはずがないとでも言うように。
少年の頭は、こんな時でさえ冷静に、機械的に答えを導き出す。腸が煮えくり返りそうになっているこんな時でさえ。
背後の声はトリックを明かすように、
「ここはね、人払いのルーンによって誰も近づくことができないはz―――
上条「ごちゃごちゃうるせえぞ」
相手が魔術師だとわかれば、他の理屈なんてもうどうだってよかった。
聞きたかった答えは聞いた。それだけで、もう上条はためらわない。やることは決まった。彼の背中を押すのは、物言わぬ死体だけだ。
上条「……俺のせいだな」
灰になった彼らだって、死ぬ覚悟はできていたはずだ。
だけど、今回は仕事じゃなかった。死ぬ必要がどこにもなかった。ただそれだけの話。
上条「今回は俺の馬鹿な指示のせいで五人も死なせちまった」
上条は振り返り、
上条「コイツらは、テメェが殺ったんだな?」
敵意と殺意に彩られた少年の眼光に、目の前の男が肩をすくめる。
男はまだ幼なさの残る顔立ちをしていた。推定一〇代。肩までの髪は赤く染められ、目の下にバーコード模様の刺青がある。
耳には毒々しいピアス、指には鈍く輝く指輪の数々、全身は真っ黒な修道服に包まれていた。ただしこの男を神父と呼ぶにはかなり無理がある。
一触即発の状況でタバコを咥える余裕が、ひどく上条の癇に障った。
「このルーン魔術には少々前準備があってね」
不良神父は煙草の煙を吐いて、
「彼らは邪魔だから焼いておいた。その後出てきた金髪のお仲間は術式が完成したことで難を逃れたけど」
見逃してあげた、と。不良神父はどこまでも人を見下し嗤う。
上条「ならいいんだ。お前が殺したとわかればそれでいい」
今回は仕事じゃなかった、ただそれだけの話だ。
もっと真剣に考えていれば、早く真実に辿りつけたんじゃないか、と上条は考える。
追われてきたことも、魔術という突拍子もないものの存在も、何一つ彼女の言葉に嘘はなかった。
適当に考えて、ナメてかかることほど間抜けなことはない。上条の失態は大きかった。
結果、自分だけはのうのうと生き残り、周りは一目瞭然だ。部下は灰になって、少女は血みどろになっている。
だったらせめて、
上条「馬鹿な俺が死なせたんだ。せめて半分は敵をとってやんねぇとな」
上条「お前は殺すぞ」
上条の言葉に、魔術師は肩をすくめて答えた。子供を相手にする家のような仕草だ。自分の勝利を信じて疑わない姿勢。
もう、上条は安い挑発に乗ったりしない。目の前の男が、すぐ後には死体に変わることは決定事項だ。今更情もわかない。
拳銃は持ち合わせていない。そもそも上条は夏休みの補習の帰りなのだから、持っている方が不自然だ。
あるのは無駄に重い学生カバンだけ。補習に使う教科書や小萌作成のプリント、筆記用具類が詰まっている。
対して相手は、見た目こそなんの装備もないように見えるが、それは戦力共に未知数。
発火能力の比にならない能力を扱うことだけはわかっている。おそらくそれが彼らの使う魔術というものなのだろう。
不良神父の口ぶりからして、人を払いのけた能力と発火能力は彼が起こしたもののようだ。つまるところ、それが超能力との違いだ。
(一人で複数の能力を使う、か。厄介なのは厄介だが…)
上条は己の右手を見る。『幻想殺し』。それが異能の力であるなら、超能力だろうが神様の奇跡だろうが簡単に打ち消せる力。
『なぜ君はここに入ってこられた?』
不良神父の言葉から、既に魔術は機能しなかったことがわかる。
上条は固く拳を握る。神父は、『素手で戦う気かい?』とでも言いたげな表情で煙を吐いた。
(俺も馬鹿だが、テメェも大概だな)
上条は心のなかで毒づくと、大地を蹴り、たった二歩で一〇メートルの距離をゼロにした。時間にしてコンマ数秒のうちに、なんの構えも見せない神父の懐に潜り込む。
神父は焦ったように慌てて身を引こうとしたが、少年の拳はずっと早く神父の鳩尾に突き刺さった。
激痛に顔を歪ませた神父の口から、小さな呻き声が漏れる。吐瀉物がこぼれなかったことは、幸運と呼ぶべきだろうか。
ふとそんなことを思ってしまうほど、上条には心の余裕があった。
後方へ吹っ飛ばされそうになった神父の身体は、予め少年の左手でガッチリと押さえられていた。
一撃程度では逃さないという少年の意志表示。彼の腕は、2mをこす巨体を片手で難なく受け止めていた。
人払い魔術のおかげで音を気にする必要はないが、少年は癖で肺を狙う。右手を引き戻すと同時に放たれた遠慮のない頭突きが、神父の胸でドスンという鈍い音を立てた。
魔術師の口から溜め込んでいた空気がすべて吐き出される。悲鳴をあげさせずに殺すためのテクニックだ。
今度こそ手を離された神父の巨体がゴロゴロと転がっていき、五メートル先の地面で止まった。
上条「魔術ってもんは相当頼りになるみてーだな」
上条「非現実(オカルト)も科学も大差ねぇよ。能力を過信してるから弱っちいんだっつの」
安っぽい挑発だな、と上条は思ったが、神父は答える気力もないらしい。両手で胸を抑え、苦しそうにのたうち回っている。
上条は拳を握った右手の親指と人差指だけを伸ばすと、
上条「おい、いつまで寝てんだ三流魔術師。テメェは今一回死んだぞ」
拳銃がねぇと素手で殺さなきゃなぁ、と上条が高校生らしからぬ思考に没頭している間に、ステイルは詠唱を続けていた。
小声でのたうちまわりながら紡いでいく言葉に、上条は気づくのが遅れた。
「…我が身を喰らいて力と為せ」
上条「あぁ?何ブツブツ言ってやがる死にぞこないの芋虫が…」
「その名は『魔女狩りの王』…その意味は、」
黒の魔術師は、消え入りそうに苦しそうな声で、それでも力強く
「必ず殺す」
直後、轟!!という爆発的な音に続いて、神父と上条の間に巨大な炎が現れた。
炎は、あまりの高温で空気を揺らし、離れた上条の両目から水分を奪う。いかに丈夫な上条とはいえ、触れてしまえば一瞬で火葬されてしまうだろう。
揺れる視界の中捉えた神父の表情が、息を吹き返したように醜く笑っていた。
「どうやら、勝負あったみたいだね」
上条は、もはや何色の表情も浮かべていない。見方によっては、キョトンとしたように見えるかもしれない。
もはや、敵を敵とも思っていない表情だ。
上条「よぉ三下…テメェの頭は一体どういう思考回路してんのか甚だ疑問だぜ」
上条「一体どうやって生き延びれるとか考えちゃってんだよお馬鹿さんが」
上条は、両の目を閉じる。彼は、この戦闘とも呼べない戦闘で、目の乾きすら負うことを許さなかった。
さっさと終わらせて、あのシスターを病院に運ぶ。幸い、魔女狩りの王はその熱で、自分の居場所を常に上条に知らせていた。目を閉じていても関係ない。
上条は、低く身をかがめると、爆発的な加速で一直線に炎に向かって突っ込んでいった。
魔術師は、とうとう血迷ったか、なんて思っているに違いない。客観的に見れば、誰だってそう思うはずだ。
だが、上条の右手はあらゆる常識を根本から覆す。彼曰く、『神様だって殺せる』。
もはや、誰にと求められない。
乙!!
フレンダさん術式のお陰で助かったのかぁ…
そしてこれ、ステイル死ぬんじゃね?
フレンダさん術式のお陰で助かったのかぁ…
そしてこれ、ステイル死ぬんじゃね?
乙でした。
これはステイルも神裂も死ぬんじゃなかろうか(震え声)
正直、神裂の魔法名「救われぬ者に救いの手を(Salvere000)」を初めて目にしたとき、
救われないのはお前らのめでたい頭だよと思っていたので、容赦のない展開は楽しみ。
インデックスの記憶・人格を何度も殺した挙句に、今回は無用の人死を出した訳だし、
まさに救いがたい大馬鹿者だわ。南無。
これはステイルも神裂も死ぬんじゃなかろうか(震え声)
正直、神裂の魔法名「救われぬ者に救いの手を(Salvere000)」を初めて目にしたとき、
救われないのはお前らのめでたい頭だよと思っていたので、容赦のない展開は楽しみ。
インデックスの記憶・人格を何度も殺した挙句に、今回は無用の人死を出した訳だし、
まさに救いがたい大馬鹿者だわ。南無。
部下を殺していなければ生き残れる道もあったが・・・南無
でも神裂には勝てるイメージがわかないなあ
でも神裂には勝てるイメージがわかないなあ
消しきれない能力掴んで反らすことができるなら
イノケンさん投げ飛ばしたりもできるのかな
イノケンさん投げ飛ばしたりもできるのかな
あれは消しきれないんじゃなくて、消しても無限に復活するタイプだから難しいと思う
それにここの上条さんは確かに強いんだろうけど、
消しきれないような異能を初見で掴むって戦法も難しいんじゃないかな?
それにここの上条さんは確かに強いんだろうけど、
消しきれないような異能を初見で掴むって戦法も難しいんじゃないかな?
夏休み初日の学生寮は、なぜか焦熱地獄と化していた。不幸な少年、上条当麻の日常はこうでなくちゃいけない。
寮へ帰ってきた少年を迎えたのは、若くて綺麗な管理人のお姉さんではなく、炎の巨人だった。
轟々と燃え盛る巨人の身体は、近くはもちろん、遠くのものにまで引火させそうな勢いだ。
あたりの空気をその灼熱で歪め、陽の堕ちた学生寮に陽炎を起こす。無造作に放られた上条の学生鞄の金属部位が、熱した鉄板のように熱くなっていた。
炎の巨人を挟むような形で、若い男が向かい合っている。
魔術師は勝ち誇った笑みを浮かべたまま、もう動く必要はないと言うようにただ立っていた。
彼の前には、絶対の門番(イノケンティウス)が立っているのだから無理もない。いくら少年が戦慄しても、魔女狩りの王は越えられない。
上条は、なんの装備もなく、丸腰で炎に立ち向かう。まさに無鉄砲。
矢の如く飛んだ上条は、炎の巨人の懐に潜り込んでいた。遠くと近くとでは、温度の差がありすぎる。
よもや熱いとも形容しがたいその温度は、サーモグラフィを通せば白を超えた白銀になるんじゃないだろうか。上条は全身の汗が一瞬で干やがるのを感じた。
瞼に覆われた眼球が煮えたぎりそうになる。
上条は右手を大きく広げ、炎の巨人を平手打ちの要領で殴った。直後、ガラスの砕け散るような激しい効果音。炎が右手を避けるように四方八方へ散る。
音という音が交差する中で、上条は神父が息を呑むのを聞いた。信じて疑わなかった『必殺』を破られたのだから当然だろう。
だが、次の瞬間。
上条は、全身で嫌な予感を感じ取った。タンっと音の立つ勢いで跳ね、五メートルもの距離を取る。
サバンナに生息する野生動物並みの危機察知能力は、見事に少年を窮地から救った。彼の瞳孔が大きく開かれる。
炎の巨人は再生した。
触れただけで、一〇億ボルトの雷撃をかき消し、炎を無に変え、水を干やがらせ、爆発をも飲み込んだ右手に、
炎の巨人は耐えぬいた。
魔術師は、それでも驚きの色を隠せないでいた。よほど炎の魔術に自信があったのだろう。
そして、今度こそ上条の能力を見きったに違いない。
「驚いたね…。秘密は、…その右手、かな?」
炎の神父は、信じられないものを見たという顔で、まるで自分の言葉に自信がないかのように途切れ途切れ言葉を紡いだ。
確かに、上条も今までに能力を無効化する能力者に出会ったことはない。
それは、目の前の男も同じだったのだろう。彼のこめかみを伝っているのは冷や汗だ。
「科学の力、か…本当に恐ろしく思うよ」
どうも、魔術師は上条の力を科学の産物だと誤認したらしい。んなわけねーだろバーカと言ってやりたい上条だったが、わざわざ説明してやる必要もないかと思い直した。
(それにしても、いや参ったね。あの炎再生するんかよ…)
上条はあくまでも冷静だった。この程度のイレギュラーで揺らいでいては、自分があの三流魔術師と張り合っていることになる。
この戦闘で目の乾きすら負いたくない上条は、あくまで敵をなぶり殺しにしなければ気が済まなかった。
上条は、炎の巨人を見る。
(右手の力は確かに通用した。つまり、なんらかのタネがあるわけか)
そもそも、上条は右手の力を疑ったことがない。持ち主の死でさえ塗り替えるこの力が、狐火ごときで揺らぐはずがないからだ。
もしも右手が焼かれるようなことがあるなら、上条は喜んで魔術師になるだろう。が、炎の巨人はたしかに一度爆散した。それも上条の『幻想殺し』によって。
(消されても回復する、か。消されたそばから次々に炎を…)
(どこかにタネがある…)
上条「なぁ。テメェなに勝った気でいるんだよ」
魔術師は、まるで羽虫の存在に気づいたかのように、鬱陶しそうに上条を見る。
上条の方から見える魔術師の顔は、陽炎に歪められて随分と不細工だった。
上条「その巨人。テメェが管理下に置くロボットみてーなもんか」
上条のセリフに、魔術師が眉をひそめる。
図星を突かれたといよりは、科学的な例えが気に入らないように見える。
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