のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,062,964人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    元スレ八幡「やはり俺の嗜虐心は間違っている」結衣「しがくしん?」

    SS+覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 俺ガイル + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    551 = 1 :



     実際、相模は文化祭実行委員長としてよくやっていた。


     慣れないながらも、雪ノ下と一緒に案件を捌く日々。


     俺も庶務として日々デスクワークに追われ、クラスの出し物がお化け屋敷に決まったことも後から聞いたほどだった。


     ある日、いつものように相模と昼食をとっていると、彼女は照れくさそうにお礼を言った。



    相模「ありがとう比企谷君。ウチ、一人じゃ絶対にここまでできなかった」



     はにかむ相模。

     なんだ、推薦だなんだと言いながら、普通に青春しているだけか。

     そう安堵すると、相模は俺の膝の上に手を当て、そして、



    相模「だから、これは……お礼」チュッ



     と、唇を重ねた。

     今までとは違う、青春の味だった。




    552 = 1 :



    相模「ちょ/// マジ聞いてねーし/// どんだけキス上手いん!?」カァ///


     しまった。

     つい調子に乗ってキスだけでこいつをイカせてしまった。

     まぁめちゃくちゃ可愛かったけど。


    八幡「いや……別に、さくらんぼで練習とかしてねーし」


     と言うと、相模は笑いながら、


    相模「んじゃ、サクランボでちょうちょ結び作る感じでベロチューして」


     と、唇を重ねて来た。



     もう一回イカせると、ちょっと強めにお腹を殴られた。



     なんだ……この青春…。

     

    553 = 1 :



     文化祭の作業も七割が終了し、実行委員の人達も終わりが見えて安心していた頃、噂がもう消えたと判断した平塚が、また皆を呼びだした。


     今度もカラオケルームで、一応別々に入り全員が集まった所で話は始まった。


    平塚「そろそろ、交代で比企谷パワーを補給する頃だと思う」


     一同が頷く。なんだ比企谷パワーって。


    三浦「あーしもう我慢できないし!」

    鶴見「私も!」

    結衣「わ、私は別に……」モゴモゴ

    雪乃「私はご主人様と毎日作業できているから問題ないわ」

    川崎「それ、委員会が一緒ってだけじゃん……」

    小町「小町は毎晩一緒に寝てるけどね」エヘヘ

    海老名「は、八幡君と一緒に……ぶはっ!?」///



     なぜだか嬉しかった。

     皆の笑顔が見ることができたからだろうか。

     俺は、マイクを手にとって、



    八幡「えー、皆さまよろしいですか」



     と、よく頑張ったなと労おうとした瞬間、



    ――バァンッ!



     勢いよく扉が開いて入ってきたのは、



    相模「………」ニヤニヤ



     相模と、二人の女子生徒だった。


    554 = 1 :



    八幡「相模……?」


    相模「いやー、やーっと尻尾掴んだよー。最近全然動きなくて困っちゃってたんだー」


     意味が分からない。

     尻尾? 動き?

     こいつは俺と一緒に昼食を食って、委員会に出て、少し青春して……それだけだったはず。


    相模「ねぇ、比企谷、これ知ってる?」


     と、机の上に出した一枚の写真。



    八幡「なっ!?」



     それは、俺が小町以外に欲望をぶちまけた最初の行為。




     平塚静を校舎裏で襲っている写真だった。




    平塚「………」

    相模「ふふっ、意外そうな顔だねー。もしかして、八股の噂とか最近のことだと思ってた?」キャハハ



     相模は本当に嬉しそうに笑いながら、ネタばらしを始めた。



     

    555 = 1 :



     元々は、この写真で俺と平塚先生を脅すつもりでいたらしい。


    相模「けどー、これだけじゃ証拠になんないしー、逃げられたらつまんないじゃん?」


     相模は続ける。俺にはその顔が、悪魔に見えた。


    相模「だから、しばらくの間は比企谷のこと見張ってたんだけどー、次優美子にも手を出してるし」アハハ


    三浦「相模ぃ……」ギリッ


    相模「あ? そんな立場にあると思ってんの?」


    ――バシャッ。


    三浦「………」ポチャポチャ

    雪乃「………」ガタッ

    八幡「雪ノ下、落ち着け」

    雪乃「………」ハァハァ///

    八幡(本当に落ち着け)



    相模「それでぇ、ウチ考えたんだぁ。こいつを使って面白い事できないかって」



     そして、悪魔は俺に近づいた。

     狡猾に、人間の皮をかぶって。



    相模「比企谷ってば案外すぐに心を開いてくれたね。なんでだろーねー」ニヤニヤ



     一生の不覚だ。



    相模「それは、アンタ達女子がこいつを堕落させたお・か・げ♪」ギャハハッ



     女子達の顔に怒りが見えた。

     だが、俺は視線で抑える。

     こいつの目的が分からない以上、動く訳にはいかない。

    556 = 1 :



    相模「本当は文化祭の準備が五割くらいできた段階で会いたかったんだけど、今まで尻尾を見せなかったから不安になってたよー。ま、全員集まったのは好都合だけど」


     何が言いたい。

     相模は陽乃ほど破天荒な人間ではない。

     目的は手に届く範囲。心じゃない、実物のはずだ。


     なんだ?


    相模「さぁ、取引しましょう比企谷君」


     そして、相模は笑いながら、





    相模「アンタ達にやってもらうのは風俗モドキ」





     俺達の心にナイフを突き立てた。





    相模「その名も、



     “手コ喫茶”よ」




     俺の手からこぼれたマイクが地面にぶつかり、不快な音が部屋を駆け巡った。

     

    557 = 1 :



     てこきっさ。


     たぶん、普通の人が聞いても良く分からないと思う。

     事実、俺でさえ何度か脳内でリプレイして、気付いた。



     テコキする喫茶。



     つまり、手で男性の性器をしごく喫茶店ということだ。


    性達「………」キョトン



     いや、そうだろうな。



    雪乃「そそ、そんなの、ダメよ、悪いわ、よし、私一人でやりますやらせ――」

    八幡「頼む、黙っててくれ雪ノ下」



     一人例外がいたか。



    相模「拒否権なんて無いわよ。まぁ、安心して。顔は相手にばれないし、手もちゃんとゴム手袋するから」



     ケタケタと笑いながら、説明を続ける相模。


     どうやら、クラスの出し物がお化け屋敷だったのも計画の一つだったらしい。


     暗闇のお化け屋敷、その一角に少しだけスペースを作る。


     そこに、ここにいる女性を座らせ、訪れた客にテコキする。


     なるほど、最低だな。



    平塚「そんなもの、私が許すとでも――」

    相模「もし平塚先生がこの件で動けば、


     この写真と一緒に、脅されたって教育委員会に訴えますから」ニヤニヤ



     こいつは……すごいな。

     ここまで計画をして、それを実行する勇気と行動力。

     俺は正直感動していた。


     もちろん、俺の嫌いな葛藤の部類ではあるものの、この流れは一種の芸術的センスを感じる。


     相模南。

     彼女もラスボスの手前の階段からいける裏ボスにふさわしい存在だった。

    558 = 1 :



     相模達が帰った後、俺達は誰も喋ることができなかった。


     訪れる男の性器をしごき、射精を促し、お金を貰う。


     それは、女子生徒にとって、青春の三年間を汚す最も下劣な行為。


     誰ひとりとして、そんなものしたくはない(変態は除く)。



    八幡「……くそっ」



     俺は強く後悔した。

     なぜあんなにも簡単に人を信じたのか。

     なぜあんなにも無防備に懐へ入れたのか。



     なぜあんなにも……可愛いと思ってしまったのか。



     その日は、そのまま解散となった。


    559 = 1 :



     文化祭もいよいよ前日に控えた夜。


     俺達は学校に泊まり込みで作業に追われていた。


     なぜなら、“手コ喫茶”のブースはこの時しか作れないから。



    雪乃「もっと、こうしましょう」



     なぜかやる気満々な雪ノ下は放っておいて、俺は由比ヶ浜に謝罪した。

     こいつは俺と最も関わりのない人間。

     まだ男を知らないと言っても過言じゃないくらいの純粋な女の子。


    結衣「……ちょっとだけ、外に来てもらっても良い?」


     俺は頷き、中庭へと出る。


    結衣「あのね、入学式の事覚えてる?」


     俺は、首を横に振った。


     なぜなら俺は、その当日、車にひかれて病院に搬送されていたからだ。


    560 = 1 :



    結衣「あの時、助けてくれた犬。……私の犬だったんだ」


     なんという偶然。

     だけど、別にまぁ今更言うことではない。

     俺はお前の犬でもワイルドハーフでも助けたと思うよ。

     そう告げると、由比ヶ浜は笑いながら、


    結衣「でも、惚れるのにこれ以上の出来事ってないでしょ」


     と、言って、俺の方をジッと見つめた。




    結衣「好きです。比企谷君」




     俺は、心臓を掴まれたように鼓動が速くなり、にやける顔を必死に抑えながら、頷いた。




    結衣「えへへ、言っちゃった///」モジモジ




     とても可愛かった。

     可愛かったからこそ……悔んだ。


     時刻は、夜中の三時を過ぎようとしていた。



     

    561 = 1 :



     由比ヶ浜に告白されて頭がいっぱいになった俺を空き教室に連れ込んだのは、海老名姫菜だった。


    八幡「え、えっと、何?」


    海老名「あのねー八幡。私になんか言うことないのかな? かな?」


     どこのヤンデレさんですか?


    八幡「な、なんかあったっけ……」




    海老名「私も八股の一人なのに、全然デートとかしてないんですけどっ!」ハァハァ///




     そして、海老名は俺に抱きついた。


    海老名「八幡、好き! 大好き!!」

    八幡「お、おい……お前、雪ノ下のことが…」

    海老名「うん、好きだよ。だから八幡を手に入れれば必然的に雪乃ちゃんも手に入るじゃん」ハァハァ///


     さすが海老名。狡猾だった。


    海老名「処女の私にとってやっぱ辛いけど、これも経験だね。頑張るよ」ニコッ


     俺は……何をしているんだ。

     彼女たちを巻き込んだのは紛れもなく俺だ。


     その俺が、何一つ傷つかず、彼女たちにしりぬぐいをさせる。


    八幡「……バカ、だよなぁ」


     しかし、今回ばかりは解決策が見つからなかった。


     

    562 = 1 :



     教室の手前で、平塚先生が俺を拉致した。


     そして、屋上へと連行された俺は、平塚先生の熱いキスを受け止め、しばし淫らな時間を過ごす。


    平塚「はぁはぁ/// んっ、はぁっ、ちゅっ///」


     平塚静の口内にタバコ臭さは全くない。

     あるのは青春の甘酸っぱい、それでいて病みつきになる味。

     気付いたら俺の方から攻めて、そして、平塚静はペタンとへたりこんだ。


    平塚「はぁはぁ……成長しすぎだろ…///」


     なんだか照れくさい。


    平塚「比企谷……いや、八幡」


     わざわざ、名前を言い直した平塚先生を見て、俺は悟った。


     それは、覚悟。


     だが、それを認めるわけにはいかない。


    八幡「ダメだ。それだけはダメだ」


     今回の件を収める最も有効な手段。

     それは、平塚静の辞任。


     罰せられる者がいなくなれば、まぁ小学生に手を出したことを咎められるにせよ、罪に問われる者は誰ひとりとしていない。

     しかし、それは言わば“敗北宣言”。


     
    平塚「だが、私は決めたよ、比企谷八幡」



     そして、平塚静は俺の予想を上回る世界を見せる。


    563 = 1 :







    平塚「結婚しよう、八幡」






    564 = 1 :



     一方、ラスボスの正当な駒である城廻めぐりは、混乱していた。


    めぐり「あるぇ? なんで八幡君大変なことになってんのぉ?」オロオロ


     陽乃のプランでは、文化祭で雪ノ下雪乃を全裸にし、その原因に比企谷八幡を置くはずだったのだが。


    めぐり「……ま、いっか」


     陽乃誤算は三つ。


     一つは、相模の存在。

     一つは、自身で状況を確認できなかったこと。


     そして、


    めぐり「私は普通の女子高生だもんねぇ♪」ウフフ


     城廻めぐりが存外馬鹿だったということ。



     文化祭が、始まる。



     

    565 = 1 :



     朝、寝不足でうとうとしている俺達を前に爽やかな笑顔で現れた悪魔。


    相模「やっほー、元気にやってるー?」


    八幡「おかげさまで、な」


     お前のせいで俺はこの二学期も雑用に告白に電話にカラオケに忙しかったんだぞ。

     という恨みの視線を送ったが、見事に無視された。


    相模「ねぇ比企谷」グイッ


     俺の肩を掴み、引き寄せ、そして相模は囁く。


    相模「彼女が蹂躙されてるの見て興奮したら、ウチが抜いてあげるからね」


     最低だ。

     だが、何故だか俺は、こいつに対して陽乃の時のような恐怖は感じなかった。

     
    八幡「相模……お前、“何に怒ってるんだ”?」


     その瞬間、相模の顔は真っ赤になり、俺の頬を思い切り打った。

     俺は、頬の痛みを感じながら、



     この文化祭の勝利を確信した。



     

    566 = 1 :



     完成版手コ喫茶のシステムはこうだ。


     まず、男子生徒は立ち小便をするように、穴のあいた壁の前に立つ。

     テコキをする女子は、その穴から手を出して、性器を掴み上下手を動かす。

     もちろんローション等で相手に痛みを与えないようにする。


     一回3000円。


     男子生徒の心をくすぐる、良心的な値段だ。


     実際、男子生徒の一部に広まったこの噂は、圧倒的な支持率を得ていた。

     なぜなら、八股先輩は現実にいるし、彼の下僕は彼に逆らえないらしいからだ。

     本当の八幡先輩はむしろ彼女たちの尻に敷かれているが、もう弁明の時間はない。



    相模「ふぅん、案外良い出来ね。後、最初の数人はウチの知り合いだから、絶対に粗相のないようにお願いね」


     おいおい、こいつ知り合いに紹介って怖くねーのか?

     と、想像して、それが嘘だとすぐに気付く。

     相模なりの駆け引きなのだろう。

     だが、それが俺を冷静に、且つ狡猾にしていく。



     今の俺は言わば特攻隊員。



     玉砕覚悟の、最強兵士だ!



     ………玉砕必死だが。

    567 = 1 :



    めぐり「えっ、あなたが挨拶をするの!?」


     俺は、めぐり先輩に謝り倒し、相模の後に挨拶をする時間を頂けるように説得した。

     めぐり先輩はしばらく考え込み、そして、


    めぐり「それじゃあ今度デートしてくれるなら良いよ」


     と、素っ頓狂なことを言いだしたので、とりあえず了承した。


     ……この後の展開を考えると少し足が震えた。


     だが、俺は俺の大切なものを守るために、自分を犠牲にすることもいとわない。



     そして、相模の当たり障りのないスピーチが終わった。



    相模(これでいよいよ……あいつらの…)フフッ


    めぐり「ここで、とある生徒から皆さんへ重大な発表があります!」


    相模「えっ?」

    相模(そんなの……聞いて…)

    相模「なっ!?」



    めぐり「比企谷八幡と平塚静先生です、拍手ーーーー!」



     うぉおおおお、という歓声が体育館に響き渡った。

     俺は不本意ながら拝見ツアーで有名人だし、平塚静は学校一の人気教師だ。



     そして、後に“総武八股伝説”と語られるスピーチ……いや、



     婚約発表会が、始まる。

    568 = 1 :



    相模「な、何よこれ……」


     会場は拍手喝さい、感動で溢れていた。

     なぜなら、八幡という人間はずっと苛められ、苦しみ、死を覚悟するような可愛そうな生徒であり、

     平塚静はそんな彼を二年間支え続けて来た女神のような存在(設定)だったから。


    八幡『静の声、言葉、優しさ、僕は……まだ…っ…』


     わざとらしく言葉を詰まらせると、「頑張れー」と応援の声があがる。


    八幡『まだ……生きても…良いんだって……そう思え、たんです』ポロポロ


     この頃には、当初ひっこめーと叫んでいたヤンキーも泣きながら「おめでどぉおお」と拍手を送っていた。



     そして、比企谷八幡と平塚静は、学校公認のカップルとなったのだ。



     もちろん、皆には事前に伝えている。

     何人かは納得しなかったが、卒業後に破棄すれば誰も覚えていないと説得した。

     二人ほど処女を奪うことで納得してもらった。何そのご褒美取引。


    569 = 1 :



    相模「う、うそよ……こんなの…」カタカタ


    八幡「嘘じゃねーよ。相模」


     俺は、相模の腕を強引に掴む。


    相模「きゃっ、や、やめろ!」


     ぐいぐいと引きはがそうとするが、俺は強く握って離さない。

     しばらくして、諦めた相模は、こちらを睨めつけながら言った。


    相模「ふん、もうしなくていいんだから、よかったじゃない!」


     と、見当違いなことを言うので、俺は抱き寄せて耳元でささやく。


    八幡「ただで終わると……思ってるのか?」


     青ざめる相模。




     手コ喫茶のオープンである。





     

    570 = 1 :



    相模「な、何で目隠しまで!?」


     手コ喫茶のブースへ連れて来た俺は、相模の視界を奪った。

     そして、説明を始める。


    八幡「パワーアップさせたんだよ。だって、手だけじゃ男の可能性もあると思われたらまずいじゃん?」

    相模「えっ……」

    八幡「だから、キスもオッケーにした」

    相模「い、いやっ、そんな知らない奴となんて……」


     俺は、ため息交じりに呟く。


    八幡「誰だよ、知らない奴のちんぽをテコキさせようとした馬鹿は」

    相模「だ、だからって」

    八幡「やめるか? 良いんだぞ。俺達は」


     と、逃げ道を与える。


     雪ノ下陽乃、お前のようにはならない。


     俺は、相手を“縛らず”、“与えず”、“追い込まず”に葛藤させて見せる!



    八幡「お前は責任も取れず、少女のように泣きじゃくりながら、“三浦”達に負けるんだ」

    相模「………っ」ピクッ


     三浦、というワードで相模の顔がこわばる。
     

     相模南が怖くなかった理由。


     それは、彼女が“嫉妬”で動くただの“女”だったからである。



     

    571 = 1 :



    八幡「どうする? 三浦は別に好きにしたらいいと言っていたが」

    相模「………」プルプル

    八幡「俺も同意見だ。お前は“ただの女”だし、無理する必要はない」

    相模「……ウチは…」



     ――やる。



     目隠しをしたまま、箱の中に入る相模。


     そして、一人目の客が……入った。



    572 = 1 :



     見えない。

     怖い。

     本当にウチ、男の人のあそこを触るの?

     まだ誰のも見たことないのに?

     好きな人の触る前に、こんな汚れるの?



    『おねがいしまーす』



     ボイスチェンジャーで、声を分からなくした。

     その方が、おっさんの可能性があった方が、怖いと思ったウチのバカ。


     でも、やらなきゃウチの負け。


     それに怒った人が訴えたら……。


    「い、いきます……」ヌチャッ


     最初だし、よく分からないから多めにローションを使おう。


     べちゃり。


     んっ、すごい……硬い。

     でも、見えないせいかそれほど、怖くないかも。


    『前後に動かして』


    「は、はい」


     両手で性器を持つ。

     そう言えば、けっこう大きい穴だったからこれって射精したらウチの顔にかかるんじゃない?


    『くっ、気持ち……良い』


     ……うぅ…気持ち悪いよぉ…。


    573 = 1 :



    『あ、くっ……逝くっ!』ビュッ


     ピチャッ。


    『あ、ごめんね。顔にかかっちゃった』


     え?

     顔にかかった?

     なんで顔が……見えてんの?


    『つ、次は俺、お願いしまーす』


     も、もう次!?


    『は、はやくっ』


     やばい……おかしくなりそう。

     ウチ、馬鹿だ。


    『ぐっ、出るっ!』ビュッ


     あぐっ!?

     く、口に入った!?

     やだ……ねばねばする……。



    『おねがいしま……って、え? 口でもしてくれんの?』



     え?

     いや、嫌に決まってんじゃん!


    『うわ、こんな可愛い子にしてもらえるなんて嬉しい!』


     ………。

     い、一度……だけなら。

    574 = 1 :


     んぐっ、あむっ、じゅぷっ。

    『くっ……いい、よ』

     後頭部を掴まれ、前後に動かされながら、ウチは自分のやってきたことを思い出していた。

     青春の一ページを犠牲にして、他人の粗を探す日々。

     なんだこれ、自業自得じゃん。


    『ねぇ、ちょっと水飲んでうがいしてよ』


     ほんと、私、何でこんなことを……。


    『今から、キスするよ』


     もう……どうでもいい。


    「好きに……して」

    『ああ、好きにするよ』チュッ

    「んっ///」チュプッ


     口内に入ってくる柔らかい舌。

     ねっとりと下の歯を舐めとり、そのままウチの舌に触れる。

     最初は撫でるようにウチの舌を挑発して、ひっこめる。

     次に来る時は大量の唾液がウチの口内を犯す。

     でも、ウチの頭はぽーっとして、何も考えらんない。

     向こうの舌がウチの口内を暴れまわり、ひっこめた瞬間、


    「んっ/// らめぇはちまぁん///」チュプッ


     あ、ウチ今……八幡って言っちゃった。


     このキスの上手な人を、八幡と勘違いした?


     ウチ……三浦に嫉妬してたんじゃないの?



     もしかして……八幡に関わる全ての女に嫉妬してたの?




    575 = 1 :



     しばらくして、ウチは気付く。


    「ねぇ、……何でアンタが参加してんのかなぁ…」プルプル


     そして、目隠しを外す。


    「比企谷八まんっ///」チュプッ


     先ほどまでとは違う、荒々しいキスが始まった。

     視界には、八幡の顔。

     精子と八幡の匂いに頭がどうにかなりそう。


    八幡「はぁはぁ……」チュプッ


     一方的なキスは終わり、八幡は私を自分の口内にエスコートした。

     八幡の口に舌を入れると、彼は自分の歯をなぞるように舌でウチの舌を促す。

     一周すると、彼の唾液がウチの舌を伝って、喉に入る。

     悔しいから唾液を送り返すと、八幡は気持ちよさそうに目を閉じる。


     なにこれ可愛い。


     本当に、本当に認めたくないけど、



     ウチ、八幡の虜になったみたい。




     

    576 = 1 :



     屋上で待っていると、口を洗った相模がこちらへと歩いてきた。


    八幡「よぉ、楽しかったか?」


     俺は、射精のしすぎであまり下半身を動かしたくなかったので、座ったまま相模の方を見た。


    相模「全部アンタだったの?」

    八幡「当たり前だろ。


     俺のモンを他の奴にやるかよ」


    相模「………っ///」ドキッ


     こいつ単純だな。


    相模「……許して、くれるの?」


     俺の身体にもたれかかりながら言う台詞か。勃起したら痛いんで良い匂い止めてください。お願いします。


    八幡「許すも何も、始まってすらいねーよ」


     そう相模はまだ、青春の一ページをめくってすらいない。




     これから先、一生宝にしたくなる青春の一ページを。




    577 = 1 :


     エピローグ1 勇者と魔王


    「じゃーん、帰国したよーん」

    「ママー、パパと会えるー?」

    「あったりまえじゃーん♪」



     この日のために我慢して我慢して我慢し抜いたんんだから!

     自分の子供を見て、動揺する八幡の顔。

     見たい。見た過ぎる!


     すぐにタクシーを走らせ、現在八幡が住んでる住宅へ向かう。


     結構広い家。前の家とは違うわね。


    「おいおい、俺の休みくらい休ませろ」


     その声! 八幡!!


    「見てみて、あの人が……」


     え?


    「ねぇハチ! この子も一緒に連れて行って!」

    「パパー」ギューッ

    「優美子は?」

    「あーしは結衣と家の掃除。雪乃は子供連れてどっか行ったわよ」

    「ふーん、沙希と一緒かな」


     何これ。

     ハーレムエンドもびっくりの大家族。

     私の努力は……?


    「ママー、ねぇパパはー?」


     ふ、ふふ……。

     魔王は勇者を一生待たないといけない。

     でも、勇者はいつでも勇者を辞められる。


    「う……ぁ……あぁぁあ」ポロポロ

    「ママ? ママ!?」


     信じていたのに!

     私は! あなたと!


    578 = 1 :


    「ねぇ、あそこで泣いてる人誰ー?」

    「……!」

    「綺麗な人ー」

    「……あの人は…魔王だよ」

    「まおう?」

    「ああ、勇者の存在を信じて信じて……自分が魔族であることすら忘れた……可愛そうな人」

    「ふーん、よくわかんない」

    「気にするな。さ、小町が待ってるから早く行こう」

    「うんっ♪ 美味しいもん食べるんだ!」

    「ああ、そうだな」



     あなたは自分に正直すぎた。

     だから、最後の最後まで愚かに、一途に、俺を信じ抜いた。

     でも、それは俺じゃなくて、俺で作った“ただの理想”。


     だから、俺からあんたへできる唯一のプレイ。


     もう二度と人生を交わらない。



    「さようなら魔王。孤独な人よ」



     これから先も二度と会わないよう祈って。



    579 = 1 :


    エピローグ2 めぐり合わせ


    めぐり「いやー、文化祭で婚約発表なんて前代未聞だよー」

    八幡「それを知ってて、どうしてデートなんてしてるんですか?」

    めぐり「だって、あれ、うそでしょ?」

    八幡「うぐっ」

    めぐり「嘘に協力してあげたんだから、ね」ニコッ

    八幡「けっこうえげつないんですね」

    めぐり「そうかなー。あ、でも、


     おしっこプレイとか興味はあるかな」


    八幡「えっ」


     その後、陽乃さんの手先だったことを知った俺は最終的にめぐりも抱くのだが、それはもう少し後のお話。


    580 = 1 :

    今日はここまでにします!

    一応本編は終了してますが、エピローグがもう少し残ってます!

    後、誰をメインヒロインにして終わるかはまだ決めてません!

    では、おやすみなさい!

    582 = 536 :


    メインはあーしさんか小町でお願いします

    583 :

    >>582
    めぐりんに決まってんだろ(威圧)

    584 :

    全員分のパターンを用意すれば解決するんじゃね(ゲス顏)

    585 :

    乙です!
    ぜひ雪乃の後日談をお願いします。

    586 :

    魔王の救済がみたい

    587 :

    普通に魔王のガキがかわいそう

    588 = 1 :

    おはようございます!

    たしかに魔王の子供はかわいそうですね、裏エンドを考えておきます。

    とりあえずはそれぞれとのエピローグをいきます!

    589 = 1 :

    エピローグ3 海老名の憂鬱


    海老名「はぁ……」

    海老名(八幡君とエッチしたけど……)

    海老名「依存症になるくらい気持ち良かった……」

    海老名「私だけ、見た目も存在も全て普通だからなー」

    海老名(このままいったらきっと八幡君は私の存在なんて忘れちゃう!!)

    八幡「………」

    海老名「で、でも、スタイルも良くないし、八幡君にどうやったら振り向いてもらえるんだろう……」アワワ

    八幡「………」

    海老名「こうなったら、私もベニパンでたいこ「おい」ビシッ

    海老名「はうっ///」イタイ…

    八幡「お前が言うとリアルなんだよ」

    海老名「だ、だってぇ……」ウルウル

    八幡「なんか悩んでんのか?」

    海老名「………」

    八幡「珍しいな。勢いだけが取り柄なのに」

    海老名「酷いっ」

    八幡「良いじゃねぇか。



     取り柄がなくても人に好かれるって凄いことだろ」ニコッ



    海老名「………っ///」ドキッ

    八幡「じゃあなー」

    海老名「……ずるい」ハァ…


     その後、一番に妊娠して比企谷大家族を作るきっかけになった海老名さんでした。


    590 :

    八幡が雪ノ下と海老名にレズるように命令して、苛める展開はよ

    591 = 1 :

     エピローグ4 川崎よ永遠に


    川崎「なぁ大志」

    大志「ん?」

    川崎「もう、小町ちゃんのことは諦めたの?」

    大志「ああ、今は姉系だな」

    川崎「えっ」ゾクッ

    大志「嘘だよ。俺付き合ってる人いるし」

    川崎「そうなんだ」

    大志「姉ちゃんの方が大変だろ。あんな変態好きになって、



     変なキャラまで造ってさ」



    川崎「そーーーなんだよぉおおお」ウワァアアン

    大志「姉ちゃん本当は感情表現豊かな癖に、なんで無表情キャラ作った訳?」

    川崎「だってぇ、世の中の人は皆長門が好きなんでしょ?」

    大志(どこ情報だ……)

    大志「まぁ、それでも、きっとあれだ。


     あいつは姉ちゃんを大切にしてくれるよ」


    川崎「ああ、分かってるよ」

    大志「でもまぁ、貧乏からは抜け出せないけどな」アハハ

    川崎「違いない」アハハ




     その後、趣味が高じてファッションデザイナーになった川崎は、比企谷大家族の稼ぎ頭となる。



    592 = 1 :

    >>590 エピローグが終わったらねwww

    593 = 537 :

    >>590
    どんだけ見たいんだよwwww
    いい加減しつこいぞ

    594 = 1 :

    エピローグ5 一周遅れ(鶴見留美)


     文化祭が終わり、俺は鶴見と動物園に来ていた。

     鶴見は精一杯のおしゃれをしてきていてとても可愛らしい。


    鶴見「ねぇねぇ八幡! キリンだよキリン!」

    八幡「あーはいはい、首長い首長い」

    鶴見「もー、感受性の弱い彼氏だなー」

    八幡「へーへー、俺はもう何度も動物園に来てんだよ」

    鶴見「………」


     こうしてみるとあれだな。

     引率の先生。

     まぁ、誰だって一度は教師を夢見るよな。

     俺はクソガキと関わりたいだなんて一度たりとも思わなかったけど、なるほど鶴見みたいな生徒を育てるのも悪くない。


    鶴見「……うぅ…」ポロポロ


     は?

     なんで泣きだしてんのこの人。


    八幡「ど、どうした?」

    鶴見「うわぁああああん」ギューッ


     お、おい、これじゃあ俺……ヤバい人じゃねぇか。


    595 = 1 :



     人の少ないベンチに腰掛け、俺は鶴見の頭を撫でた。


    鶴見「……ごめん」


     大人ぶりたいのだろう。

     思いのたけをぶつけず、謝りに徹する。

     それは、辛い事。

     俺は辛いことが嫌いだ。


    八幡「お前が、本当に俺の事が好きならな、留美」

    鶴見「あ……名前…」ドキッ



    八幡「裸のお前を見せてみろ」



    鶴見「あ、……うん。脱ぐね」ヌギヌギ



     おいぃいいい!



    鶴見「え、違った?」キョトン



     やだ、この子の将来超心配。

    596 = 1 :



    鶴見「私だけ、八幡と一緒の時間を過ごせない……」ポロポロ


     要約すると、小学生の自分は高校生の俺たちに取り残されてる気がして寂しい、と。


    鶴見「八幡たちが文化祭で戦ってる中、私は家にいた。一人だけ取り残されて……辛かった」


    八幡「………」


    鶴見「それで、私が高校生になって文化祭をしても、八幡達はもう大人だし、きっと感動を共有できない」ポロポロ




    鶴見「切ないよぉ、八幡」ギューッ




    八幡「……そうだな。俺達が並んで走ることは無理かもな」

    鶴見「………っ」

    八幡「だがな留美」ナデナデ




    八幡「流行には飽きが来る。その時にお前が主役になれるんだぜ」チュッ




    鶴見「ふぁ///」ドキッ

    597 = 1 :


     後日、小学校。


    有香「留美様ー、今日は遊ばないんですかぁ」ギューッ

    鶴見「………」

    仁美「えぇ、寂しいですー」

    鶴見「あの……さ、みんな」

    生徒達「?」




    鶴見「普通の青春、してみよっか」ニコッ




     私はきっと、八幡の彼女たちの中で一番後ろを走り続ける。

     皆の背中を追い続けて追い続けて追いつけないだろう。

     それでも私は走り続ける。



     だって、私は八幡が好きだから。




     一周遅れになる度に、八幡が優しく頭を撫でてくれるから。




    鶴見「八幡! 大好き!」


    598 = 1 :


     エピローグ6 正統派ヒロインの品格


    結衣「ねぇハチ君」

    八幡「お前までそれか……」

    結衣「だって、可愛いじゃんハチ君」ニコニコ

    八幡「なぁ、結衣ってずっと俺の事好きだったんだろ?」

    結衣「う、うん……恥ずかしいな」テヘヘ///



    八幡「優美子とそういうことしてたの知って、なんて思ったの?」



    結衣「……うっ…」ドキッ

    八幡「………」ニヤニヤ

    結衣「そ、それは……」

    八幡「それは?」



    結衣「普通に……嫌だけど…好きだから……///」モジモジ



    八幡「すまん」ドゲザ

    結衣「ふぇ!?」

    八幡「お前の事好きすぎて、ついいじわるしてしまった」

    結衣「す、好きって……」アウアウ///

    八幡「ああ、好きだ結衣!」ギューッ

    結衣「あう……///」プシューッ

    八幡「さて、冗談はこのくらいにして、と」

    結衣「冗談なの!?」ガーン

    八幡「はは、嘘だよ」ニコッ




     その後も、由比ヶ浜とは主人公とヒロインのような一線の上を綱渡りするような関係でいた。

     海老名の妊娠が発覚して一度は離れたが、比企谷大家族の計画を聞いて戻ってくる。

     思えば、一番初めに好きになってくれた由比ヶ浜が一番最後に俺とセックスしたのは何かの運命だろう。


     正統派ヒロイン由比ヶ浜結衣。


     おっぱいのでかさが正統派だと思いました。

    599 = 1 :

     
     エピローグ7 雪ノ下雪乃


    雪乃「今、なんて言ったの?」

    八幡「………」ポリポリ///

    雪乃「も、もう一度言いなさいよ。なんなら私をめちゃくちゃにした後でも良いわ」ハァハァ///

    八幡「しねーよ。でも何度でも言ってやる。



     俺は、雪ノ下雪乃が好きだ」



    雪乃「ふぇ!? な、何を急に///」オロオロ

    八幡「いや、他の奴らはこう言ったら殴られるかもしれないけど、なし崩し的に好きになった感があるんだが、お前だけはどうやら出会ったその瞬間から好きになってたみたいだ」

    雪乃「そそ、それって、あのいわゆる……」オロオロ///


    八幡「一目惚れ……って奴だな」


    雪乃「………」ポーッ///

    八幡「雪ノ下?」



    雪乃「八幡、痴漢プレイをしましょう」ハァハァ///

    八幡「断る」

    雪乃「だめ、もう我慢できないの」ハァハァハァ///



     雪ノ下雪乃は嬉しい事があると変態プレイを要求する。

     それは、照れ隠しなのか、本心なのか分からないが、可愛い。


     俺が一目惚れした相手。


     ド変態の可愛い彼女。


    雪乃「あぁあああんっ///」ビクビク

    八幡(こんな奴だと知ってれば好きにならなかったのに……)クチュクチュ

    600 = 1 :


     エピローグ8 平塚静


    八幡「え、マジで結婚するんですか?」


     大学3年生の夏、平塚静は俺のアパートまで乗り込んで、婚姻届を突き付けて来た。


    平塚「私ももう30代だ。頼む、責任をとってくれ」


     この人はほんと自分に正直だなぁ。


    八幡「いや、別に良いですけど……」

    平塚「ほんとか!?」



    八幡「海老名って覚えてます?」



    平塚「ああ、眼鏡の子だな」

    八幡「姫菜、妊娠したんです」エヘヘ

    平塚「」


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 俺ガイル + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について