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    元スレ八幡「やはり俺の嗜虐心は間違っている」結衣「しがくしん?」

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    51 = 1 :




    小町「えっ」



     一瞬、動きかけたドアノブがぴたりと止まる。もちろん、俺が動かないように押さえてたこともあるが、小町の中で一気に葛藤が膨れ上がったのもでかい。



    八幡「………」



     俺は、黙る。ただひたすらに。

     それは、獲物を狩る肉食動物のように、ジッとチャンスを待ち続けるのである。


    小町「や、やだなぁ。いきなりそんなこと言われたら小町困っちゃうよー」


     声の震えからして困るってレベルではないと思うが。

     それにしても、肉食動物というのはいかに楽な立場にあるのか分かるな。


     例えるなら、小町の立っているのはサバンナにある豊富な餌場。もしくはオアシスと言ってもいい。

     そこで草食動物小町は餌を美味しそうにもふもふもふもふ食べている。……うぁ、可愛いすぎ…。

     ここからは葛藤との勝負だ。

     美味しい餌をこのまま食べ続けるか。

     それとも肉食動物を恐れてその場を逃げ出すか。

     だが、現状肉食動物が視えない状態で何の根拠もなく逃げ出すことなんてできない。


     だから、きっかけを求める。


     彼ら草食動物が広範囲を見るために目を横につけ、いつもキョロキョロと周囲を見回す理由は天敵である肉食動物から逃げるためではない。



     ―――きっかけが欲しいのだ。



    小町「な、なーんも言ってくれないのは小町的にポイント低いなぁあははー」


     ほーら、草食動物小町がひんひんときっかけを欲しがっている。

     だがしかし、肉食動物八幡に隙はないのだった。




    八幡「……好きだ。小町」



     ―――グイィイイ!!


     ドアノブが一気に引き下ろされそうになる。



    八幡(くっ、俺の反射神経なめんなよっ)グググッ


    小町「お兄ちゃん!? 何で開けてくれないの!?」ドンドンドン


     罠にかかった草食動物に―――逃げる術はない。

    52 = 1 :



    小町「好き! 私も好きだからお兄ちゃん!」グイグイ


     今、小町はどんな表情をしているんだろう。

     にやけてるのかな。泣いてるのかな。必死なのかな。

     想像するだけで全身が熱くなる。



    八幡「それは、異性としてか?」



     ぴたり、とドアノブの動きが止む。

     俺は安心して手を放す。なぜなら次に開くのは“小町が認めた時”なのだから。



    小町「ね、ねぇ、そのことについては中で話がしたいなーなんて」



     小町はあくまでも、許しを得てから入りたい。だが、俺は許可を下ろさない。



    八幡「小町のタンクトップ」



     少しだけ間を空ける。五秒か十秒程度。

     それだけで、小町は様々な思考を巡らせるだろう。

     俺は小町の妄想の中で“最も求めている”であろう言葉を渡す。



    八幡「……俺の中で小町が……お前がいっぱいになった……」



     がちゃり。


     自動ドアでない限り、ドアノブが下りた理由は一つ。



    53 = 1 :







     瞳を潤ませた小町が、くしゃくしゃの顔で笑っていた。



    「お兄ちゃん、小町は……小町は…





     八幡のことが異性として、好きです」





     カチッ。

     また一つ、比企谷八幡のスイッチが強制的にオンになった。





    八幡「え、マジで?」





     無表情で、感情を殺して言えただろうか。

     キョトンとした表情の小町が、今までの人生で一番―――可愛かった。




    54 = 1 :




    小町「え、な、なんで……」ウルウル



     小町の目がまたたく間に涙を溜めこむ。

     その表情だけでご飯三杯はいけるが、俺に必要なのはただ単純なイジメではない。



    八幡「俺……小町の言葉……冗談だと思ってた…」ハハ…



     まるで信じられないといった表情を演出する。

     小町の顔にみるみる絶望の色が宿っていく。



    小町「……から…か…ったの?」



     小町はプルプルと小刻みに震え、視線を下に落とす。


     ぽたり。


    八幡「!!」ゾクッ


     全身に鳥肌が立った。

     俺は今、小町の全てを支配している。

     小町が今、マイナス方向へ思考を走らせていることさえ、俺に用意された道なのだ。


    小町「ひどい……よ…」ポロポロ


     もうダメだ。耐えられない。

     いますぐ抱きしめてこの想い伝えたい。

     世界で一番愛してるのはお前だよ、と。そう言ってやりたい。


     だけど、まだ、もう……少し―――、




    八幡「冗談だと思ったから俺から言おうと思ってたのに!!!」






     

    55 = 1 :

     あーあ、言っちゃった。

     まぁ、俺だって性癖より理性が勝つこともあるよね。ていうか理性だけで生きて来た訳だし。



    八幡「好きだ小町! 愛してる!!」



     ぎゅっと抱き寄せる。



    小町「ふぇあっ!?」カァ///



     すごく、柔らかくて、甘い匂いのする俺のだけの小町が両目を見開いて状況を飲み込めずにいる。


     俺のフルバーニアがおへそ辺りに当たってたけど、そんなのどうでもよかった。


     禁断の果実をもぎ取った瞬間だった。

    56 :

    いいねいいね

    57 = 1 :




    小町「お、お兄ちゃん?」オロオロ



     普段クールが代名詞の俺がこんなにもテンションをあげていることは、小町にとって驚き以外の何物でもなかったようだ。



    八幡「あ、ああ、すまん。危うくテンション上げ過ぎてキスするところだった」



     もちろん嘘だ。芯は冷え切っていて思考はクリアだ。



    小町「ちゅ、ちゅー!?」カァ///



     わざわざ言い直す所がすごく可愛い。よし、そこをいじろう。



    八幡「なんで言い直したの?」

    小町「も、もうっ、どっちでもいいでしょっ///」



     小町はギューーーッと俺の背中を掴んだ。脂肪の少ない俺の背中はけっこう痛い。



    八幡「ねぇ、なんで?」

    小町「………///」モジモジ



     あー、すげぇ良い匂い。おへそに当ててる俺のメガ粒子砲が発射されそうだわ。



    小町「……ゴミィちゃんに可愛く思われたかったから…///」モジモジ

    八幡「そんなに可愛いのに?」

    小町「バカっ///」カプッ



     おいおい、この天使、俺の鎖骨をハムハムしやがったよハムハム。可愛いにもほどがあるだろ。



    小町「うーーーっ……」ハムハム///

    八幡「………」



     うーん、このままうなじの観賞会も良いが、それじゃあ俺が責められっぱなしだな。



    八幡「いただきます」

    小町「えっ……ひゃっ///」ビクッ



     生まれて初めての首筋は、今まで食べたどんな魚よりも美味しかった。



    58 = 1 :




    八幡「はむっ……ちゅっ、じゅるっ」



     やべ、とまらね。あんだけこの行動は性欲と関係ないって言ってたのに。



    小町「ふぁ……ら、らめだよはちまん///」

    八幡「何でいきなり呼び捨てなの?」

    小町「だ、だってぇ///」モジモジ

    八幡「だってって、お兄ちゃんにもゴミィちゃんにもはちまんの文字がないよな。それなのに、何であんな本能のままに出て来たの?」

    小町「そ、それは……///」



     顔を真っ赤にする小町。ほんの少し小町の匂いが強くなった気がする。



    八幡「もしかして、俺の名前呼んだことあるの?」

    小町「っ/////」ビクッ



     ギューーーッと俺の身体を締め付ける小町。胸元に顔をうずめ、グリグリと動かす。



    八幡「なぁ、もう一回呼んでくれよ」ペロッ

    小町「ふぁっ///」ビクンッ


     小町が俺に全身の体重を預けてきた。さっきからおっぱいに手が当たっているが、お互い気にもならない。はぁ~、もっとモミモミしたいよぉおおおおお! ……落ち着け俺、小町の中で俺以外どうでもいいくらい支配してやるんだろ。


    八幡「はやく」カプッ

    小町「そ、そんなことされちゃ/// 小町言えないよぉ///」

    八幡「………」サッ

    小町「ふぇ?」


     俺は急いで小町から距離をとり、椅子に座る。


    八幡「ほら、離れたぞ。言ってくれよ」


     小町の寂しそうな表情、寂しそうな身体は、今までのどんな女優より艶めかしかった。


    59 = 37 :

    小町(本体)はいくらで買えますか?

    60 = 1 :


    小町「……は、はちまん…」モジモジ///

    八幡「おう」

    小町「……八幡…」エヘヘ///

    八幡「ん」



     俺は両手を広げ、小町を迎え入れる体勢をとる。



    小町「八幡♪」ニシシッ



     小町は俺に抱きつくより名前で呼ぶことに気を良くしたのか、とても楽しそうに何度も何度も名前で呼んだ。



    小町「はーちまんっ♪」

    八幡「おう」クンククンカ

    小町「はちゃっ!?」ハッ///



     ここで取り出すはタンクトップである。

     小町が嬉しそうな恥ずかしそうな何とも言えない表情で立ちつくしている。



    八幡「やっぱ本物の方がいいな」ボソッ



     ギリギリ聞こえる声を出した。もちろん小町には十分聞こえる声で。



    小町「く、くさいよぉ……///」

    八幡「ふーん、くせっ」ポイッ

    小町「にゃーーっ!!」コラーッ



     怒った表情(もちろん目はにやけているのを隠せていない)で飛び込んでくる小町。マジ可愛い。



    八幡「………くんくん」

    小町「だ、だめっ/// ダメだよ八幡っ///」

    八幡「くせっ」

    小町「………」プクーッ

    八幡「俺だけが好きな、俺だけの知ってる小町の匂い」クンクン

    小町「……バカ…」ギューッ


     まぁ、最初の試合にしては上出来と言ったところか。

     その後、しばらく抱き合ったまま何も喋らず、ご飯の時間まで温度を共有していた。


     これからのことを考えると、夜の一人プレイがいつもより激しかった。

     翌日学校だと思うと、賢者タイムが恐ろしく長く感じたのだった。

    61 = 1 :



    八幡の嗜虐レベルが1上がった!


    小町との関係が【背徳的】になった!


    続きは夜になると思います! では!

    63 :



    八幡に虐げられる静ちゃんも見たいなあ

    64 :

    乙サキサキ楽しみ

    65 :

    はるのんが楽しみ過ぎてパンツ蒸発した

    66 :

    いやほんと素晴らしい

    67 :

    ただいもー。

    次からは学校編になりまする。

    誰から攻略するかは決めてないけど……

    68 :

    めぐりんめぐりん!
    めぐりんに一票

    69 :

    結衣

    70 :

    川崎さん

    71 = 1 :




     あの日、小町に強制スイッチを押されて以来、俺の世界は変わった。

     以前まで、カーストなどというカテゴリで分けていた人間達が、全員豚に見えて来たのである。

     小町に対して存在していた愛情がない分、その嗜虐心は容赦なく牙を剥いていた。



    戸部「隼人君マジかっけー」



     その性癖はもちろん男に対しても向いている、いや剥いている。

     特にカースト上位の人間達が小動物のように萎縮してしまう様を想像すると、自然と笑みがこぼれてくる。



    結衣「………」ジーッ



     おいおい、お前に用はねーんだよビッチ。

     小町は愛があったから相手したが、基本的に俺の嗜虐心の対象相手は俺に対して敵意がある方が良い。

     舗装された山道なんかに興味はない。あるのは荒れた獣道をありとあらゆる兵器をもって悠々自適に登ること。



    三浦「結衣さぁ、さっきからヒキオ見すぎじゃね?」

    結衣「そそそ、そんなことはないしっ」



     由比ヶ浜が可愛い事はこの際認める。今の俺にとってそんなことはどうでも良いから。

     だが、俺の心はゆっくりと三浦の方向へ動いて行き―――、止まる。



    葉山「優美子、今日放課後どうする?」



     葉山隼人。

     やはりまずはてめーからだ。


     俺は寝たふりをするように机へと突っ伏し、肩を震わせた。


     笑いを堪えるのは難しいもんだ。


     

    72 = 1 :




     葉山隼人をターゲットにして一週間が過ぎた。

     ぼっちのポジションを不動のものとしたせいか、なかなかうまい事アクションがとれない。


     そんな邪な考えで学業をこなしていたせいか、平塚先生から呼び出しを食らった。


    平塚「比企谷。お前、これなんだ」パシパシ

    八幡「えっと、俺の将来の予定っすけど」


     課題の内容は大まかな人生プラン。多くの生徒が大学へ行ってどこぞの企業へ就職などとテンプレ回答をするのだろう。それを指導しないのは生活指導の教員として怠慢だと思いますが、平塚先生。

     もちろん、今殴られても面白くも気持ち良くもないので言わない。

     だが、いつでもカウンターを食らわせてやるために、俺の中で理屈をこねあげる。


     大学へ行って企業に就職すると言う人生プラン。

     それは本当にプランなのか。

     否。

     本当に狙っている企業があるならその企業名を書くべきだし、その企業へ行くべきにはどこの大学へ行って、そのためにはこれくらいの勉強をするべきだ、と、それくらい計画してやっと人生プランの入口に立ったのではないか。


    平塚「比企谷。お前、主夫ってなんだ主夫って」

    八幡「先生知らないんですか? あなたが将来作るべき形ですよ」


     と、そこまで言ってしまったと後悔する。

     なぜここでわざわざ殴られる理由を作った。

     ただでさえアラサーの独身を相手に、結婚話はタブーだと言うのに……。



     しかし、彼女の反応は意外なものだった。



     

    73 = 1 :



    平塚「お、お前/// そ、そういう意味だったのかっ!?」カァ///


     は?

     何言ってんのこの行き遅れ。


    平塚「だ、だが、君と私は教師と生徒と言う関係であるからして、例えそのような気持ちがあっても私は絶対に答えることはできない/// だから、その、嬉しいが……すまん」


     ドクン。


     あれ……なんだこの気持ち。


     似ている。


     あの、思春期特有の……年上の女性に憧れるような……、




     年上の泣き顔を見て、興奮するような感情に。




     やはり俺の思春期も歪んでいるのであった。まる。



    八幡「お、おお、俺っ、ほ、本気だったのに!!」ガタッ



     前哨戦だ。軽く遊んでやるよ、静。



     

    75 :

    そっちか










    ええで

    76 = 1 :



     職員室に呼びだしたのがまずかったな、静。


    平塚「お、落ち着け比企谷。ここはちょっとまずい」ボソボソ


     かなーり落ち着いてますが、平塚先生。

     心臓が張り裂けそうなのはあなたじゃないですかね。


     幸い昼休みも終わりに近づいていたため、教師の数は少ない。それでも数人の教師がチラチラとこっちの様子を見ている。あ、もちろん幸いなのは平塚先生にとってだけど。


    八幡「だって! こんなにも俺の事を考えてくれるのはあなただけじゃないですか!」


     勢いよく立ちあがり、大きな手振りで平塚先生の活躍を訴える。

     聞く人が聞けば美談だが、下衆な人間が聞けば変に捉えるだろう。


    平塚「そ、それはお前が生徒だからだっ」アセアセ///


     顔を赤く染めて言っても説得力ないですよ先生。

     でも、気付かなかったな。この人、こんな可愛く笑うんだ。

     この場合の可愛くとは顔の造りではなく、嗜虐心をそそると言う意味だが。


    八幡「慕っているんですよ! 平塚先生!!」ニヤニヤ


     気づけ。

     俺の表情に何一つ心がこもっていないことを。



     あなたを苛めるためだけに演技していることを。



     今、俺の心はあなたでいっぱいですよ、静。

    77 = 1 :



    平塚「………///」カァ///


     は?

     いやいやいや。

     この人って、マジで公私混同する人なの?

     俺けっこう尊敬してましたよ。



    八幡「あの……俺、外の空気が吸いたいです」



     ほら、喰いつけよ雌豚。

     俺はあなたが教師として俺を心配してくれてると思ってたのに。

     まさか見返りを要求していたとは驚きだ。



    平塚「そ、そうだな。よしっ、ちょっと外へ行こう!」クルッ///



     そんな簡単に決めて良いのか静。

     ここにいる人たちは俺の手の位置を凝視しているぞ。




     腰の位置に置かれた俺の右手を。




     もちろん、触れてはいないけど。

     

    78 = 1 :



     中庭。いや、ダメだ。今後の展開を考えると、なるべく教師と生徒の噂なんて立って欲しくない。馬鹿な奴はそれの一点張りで勝負しようとするだろう。そうなったら、めんどくさい。


    平塚「こ、校舎裏……」ゴクリ///


     何想像してんだよこの人。頭に花が咲いてんじゃねぇのか。

     多くのプランが頭に浮かんでは消えて行く。

     ほら先生。俺はこんなにプランを立てるのが上手なんですよ。


     もちろん、そのどれもがあなたを泣かせる(良い意味でも悪い意味でも)ためのものですが。


     そうだな。

     これから先、俺は獣道を歩むのだから、覚悟が必要か。

     よし、引き返せないと覚悟を決めるための相手としては十分だな平塚静。


    平塚「あ、あのな、比企た―――」グイッ


     例えあなたが俺を暴力で支配しようとも。

     例え俺があなたに対して怯えた態度をとってきたとしても。


     ―――ちゅ。


    平塚「へ?」キョトン


     男の腕力に勝てると、本当にそう思っていましたか。


    八幡「可愛いな、静」グイッ


     右手で平塚先生の後頭部を掴み、無理やり唇を奪う。


    平塚「んっ!?///」


     今度は何が起きたか分かったのか、両目を見開いて顔を真っ赤にする。

     早く振りほどけよ。

     俺はあんたとラブコメがしたい訳じゃないんだ。



     ―――苛めたいんだよ、静お嬢様。



    平塚「や、やめろっ///」バッ



     よしよし、それで良い。

    79 :

    しずかわいい

    80 :

    八幡の行動力w

    81 :

    ドSボッチ爆誕
    はやはち狙いの海老名さんに、はちえびで対抗だ!

    82 = 1 :




    平塚「お、お前、分かってるのか!? ここは学校だぞ!!」ハァハァ///



     欲情した女の顔で言われても説得力ないですが。

     肩を小刻みに震わせて、両目には涙を溜めて。

     手は力み過ぎてグーのまま震えてるし。


     なんか思春期の処女みたいだなこの人。



    八幡「そ、そうですよね……。ごご、ごめんなさいっ!」バッ



     俺はすかさず土下座をした。

     思い切りおでこを地面に擦りつけ、人が気付かない程度に叫ぶ。



    平塚「お、おい、そんなことを望んではいない……」オロオロ



     プライドを持って人生を歩んできた人間にとって土下座をある種の神聖視している節があるが、俺にとって何のことはないただの行動だ。自尊心が傷つくことなど一つもない。



    八幡「で、でも、俺っ、先生に好きな人がいることも確かめずにっ」



     ここで優秀な嗜虐愛好家の皆さんならお気づきだろう。

     相手を苛めることにおいて一番重要なことは、そう―――相手に言葉で好意を伝えないと言うことだ。


     何が本気かも言っていないし、慕っていると言っても異性としてとは明言していない。


    平塚「わ、分かったから顔を上げろ」グイッ



     ―――ちゅっ。



    平塚「ふぁっ///」



     乙女の声が口から洩れる。ちょっとタバコ臭いのが嫌いだな。

     だが、それも嗜虐心には勝てない。

     俺は土下座から顔をあげた体勢のまま、平塚先生の身体を引っ張り込む。



     そして、容赦なく口の中を犯しにかかる。



    83 = 1 :

    平塚「んっ/// はむっ……じゅっ…んお、ぃ……///」グイグイ


     先ほどよりも弱い力で俺を押す。

     だが、俺は痣になるほど平塚先生の肩を強く握る。


    平塚「んんっ/// ふぁっ/// やぇろっ///」トローン


     彼女から力がどんどん抜けて行く。

     ここで握る力を抜けば、おそらくこの痴女教師は抱きついてくるだろう。

     だが、それでは意味がない。俺はさらに手の力を強める。


    平塚「んっ!? ふぁ、ふぁちふぁんっ!?」ギュッ


     両目をつぶるほどの痛みが彼女を襲ったのだろう。両目からは涙がこぼれていた。

     そろそろか。


    八幡「す、すみませんっ」パッ


     顔と手を離す。

     一瞬安堵した平塚先生の顔を確認すると、すかさず――。


    平塚「……へっ?」ギュッ


     強く、抱きしめた。


    八幡「……良い匂いだ」


     もちろん、そんなわけはない。煙草の臭いに今すぐ離れたいくらいだ。

     だが、彼女にはあまりに効果的だったのか、


    平塚「………///」ポーッ


     固まって動かなくなった。


     ―――きーん、こーん……。


     五分前のチャイムが鳴る。例え、滅多に使われない教室の裏とは言え、誰が来るとも限らない。


    八幡「お、俺……、本気で主夫になりますから!」ダッ


     嘘偽りはありません。



     小町の主夫に俺はなる!!



     なんか背中越しに甘い吐息が聞こえたような気がしたが、無視することにした。

    84 = 1 :




    八幡「………」



     授業の内容が頭に入ってこない。

     とても、とても楽しい時間だった。

     例え万人に受けなかったとしても、犯罪だと罵られたとしても、


     ぼっち比企谷八幡にとって、これは一つの人と人との関わりなのである。




     この時の俺は気付いてなかった。




     とある視線が、由比ヶ浜ではない視線がこちらを向いていたことに。

     近い将来、その視線の主に俺の人生は握られてしまうことに。

    85 = 1 :


     放課後、俺は再び平塚先生に呼び出しを食らった。

     最初は冷静になった彼女に昼休みのことについて説教されるか、続きを迫られるかと思っていたが、職員室へ呼びだしたことからその考えは否定した。



     だが、それ以上にめんどくさいこととなった。



    八幡「え、俺が部活に?」

    平塚「そうだ。拒否はさせん」ゴゴゴゴゴ



     鬼気迫る顔ですごむ平塚先生。

     集団行動は極力避けたいが、この人をもっと征服してやりたいという願望もある。

     そもそも、彼女は選択肢など用意してくれていない。あるのはイエスorイエスの枕だ。


    八幡「……静がそういうなら…」ボソリ


     なるべく耳元へ近づけて、俺は言った。


    平塚「………よし///」コクン


     小町との時間が減るのは嫌だが仕方ない。

     俺は彼女に連れられるまま、空き教室へと向かった。

    86 = 81 :

    雪ノ下も生粋のエリートドSなのか、それとも似非ドSなのか楽しみです

    87 = 1 :




    八幡「………」



     教室の中心に凛と咲く一輪の花。

     絵画のような神秘性を醸し出しているその女生徒は、無表情のまま口を開く。



    雪乃「ノックをしてくださいと言ったはずですが」

    平塚「ああ、すまんすまん。それよりも、新入部員だ」



     教師に対してこの態度。不良学生か。

     自分のことは棚に上げて、俺は彼女の評価を落とす。


     雪ノ下雪乃。


     そう、俺のようなぼっちでも知っている有名人。

     まぁ詳しい説明は別の世界線の俺に頼むとして、彼女は俺の方を見向きもせず、


    雪乃「お断りします」


     と、一刀両断した。


     とくんとくん。


     少しずつ八幡の心臓が高鳴っていく。

     だが、相手が相手だからか、まだまだ様子見をしようとしている自分に嫌気がさした。


     

    88 = 1 :



    平塚「よし、後の説明は頼むぞ雪ノ下」


     雪ノ下の意思は無視をして、平塚先生は教室を後にした。

     完全に逃げるタイミングを見失った俺は、その場に立ちつくしたまま、雪ノ下の透き通るような肌をただただ見つめることしかできなかった。



    雪乃「……座ったらどうなのかしら」



     どうやら、部員としては認めないまでも、人間としては認めてくれるらしい。

     俺は近くにあった椅子を引いてくると、ゆっくりと座った。



    八幡「……で、これ何の部活なんだ?」



     おそらく、小町との関係を間違えるまでの俺なら、この女に対して一歩引いたまま言われるがままにされていただろう。

     だが、今の俺は本当に狂っているのか、それとも馬鹿なのか分からないが、



     この女の泣き顔を想像してフル勃起していたのである。



     神様、俺、節操無いみたいです。

    89 = 1 :




    雪乃「それじゃあ、一つ、ゲームをしましょうか」

    八幡「えっ、別にしたくないけど」



     沈黙。



     しばらく、空気が停滞する。

     由比ヶ浜なら「えー、なんでそんなこと言うのー!?」とベタベタ触ってくるだろうし、

     三浦なら「うるさい黙ってやれ」と女王様のご命令が飛ぶだろう。

     だが、雪ノ下雪乃は無言を貫く。



     俺にはその心が理解できる。



     こちらは譲歩してやった。

     後はお前が妥協するまでこちらは動かない、と。



     俺は、沸々と湧きあがる衝動を抑えながら、一手繰り出す。



     それは、将棋や囲碁で例えるなら悪手。

     だが、比企谷八幡の人生においてそれは“本気の一手”なのである。




    八幡「は~、おっぱい揉みてぇ~」



     ぼっちにプライドなし。八幡にモラルなし。

    90 = 1 :

    ちょっとコンビニ行ってきます!
    ここからは対雪ノ下戦です!(イチャラブはまだないよ!)

    91 = 81 :

    嗜虐心を満たすために自分の社会的評価を下げることを恐れないって凄いわ
    切れ者策謀家陽乃さんは八幡を読みきれるのか気になるなぁ 
    損得で合理的に考えすぎると読めなくてジョーカーのような化け物に見えそう、ただの変態なのにww

    92 = 1 :



    雪乃「………」


     ふん、分かるぞ雪ノ下雪乃。

     お前は今、葛藤している。



     この男に言いたい放題言われて立ち去るのか、それとも目の前の変態を屈服させるのか、を。



     普通の女子なら、俺を変態だと罵って逃げるか通報するだろう。

     だが、この女は違う。

     俺の中の冴えたことのない勘がそう囁いているのだ。



    雪乃「あ……あまりに下衆過ぎて言葉を失ってしまったわ」



     時として、言葉はナイフのような切れ味を発揮すると道徳の時間に教わったものだが、たしかにそれはその通りだ。

     雪ノ下雪乃が振り下ろしたナイフは俺の心臓に突き刺さって、爆発した。



    八幡「ふ……ふざけんなっ」



     それじゃあ、まるで、“普通の女”みてーじゃねぇか!



    八幡「お前はっ、雪ノ下雪乃はちげーだろ! どんな存在でもぶった切るような、そんな研ぎ澄まされた刀のような女だろうが!」



     何でこんなに熱くなってんだ俺。

     まるで、これじゃあ……こいつという存在に憧れていて、それを打ち砕かれたみたいじゃねぇか。


    雪乃「………」


     雪ノ下雪乃はしばらく沈黙した後、先ほどまでと全く表情を変えず口を開いた。




    雪乃「どうかしら。“欲しいモノを貰えなかった気持ち”は」




     そう、雪ノ下雪乃は今の俺じゃ太刀打ちできないほど――強かったのだ。



    93 = 1 :



    三浦「あれ? ヒキオじゃん」


     絶望のビリーと化した俺の目の前に現れたのは、雪ノ下雪乃に負けずとも劣らない女王――三浦優美子だった。


    八幡「………」


     いつもなら俺の食指には引っかからず無視していた所だ。三浦優美子はいつか屈服させる予定だが、葉山隼人の後にするつもりだったからだ。


    八幡「………」ホロリ


     だが、無理やりキスされた被害者が泥水で口を啜るように、犯された処女が指で精子をかきだすように、



     比企谷八幡は手ごろな女を求めたのである。



    三浦「は、はぁ!? なんでいきなり泣きだしてんの!?



     あまりに唐突だったのだろう。いつもなら「キモっ」とか「ウザっ」とか悪態ついて立ち去るはずの女王が、オロオロと心配していた。




    八幡「何でだろうな……一緒に探してくれるか?」




     アイデンティティとはサヨナラだ。

     ぼっち八幡は今、雑食の獣へと歪んだのだ。




    三浦「な、何をいきなり訳わかんないしっ///」プイッ




     今なら分かる、三浦優美子の魅力。

     それは“頂点ゆえのレアリティ”。

     彼女がどれだけ自由に動こうと、許される。それは彼女が頂点であり、咎める術を下々の民が知らないからだ。



     だから、だからこそ“隙は多い”。



    八幡「俺さ、“本当の”三浦をもっと見たい」



     過去の自分が見たら発狂して穴を掘って餓死するような恥ずかしい言動も、今の俺なら言えた。


     その形は以前より酷く歪んでいたが。



     

    94 = 1 :



    三浦「それで、何でラブホに来てんの?」ジトーッ


     ここで、少し過去にさかのぼってみよう。小町の時に話したパンツ理論である。

     そこでは処女性について話をしたと思う。それを思い出して欲しい。



     それでは質問。



     三浦優美子に処女性はあるでしょうか。

     答え、皆無である。

     男を千人斬りしてても驚けないような、そんなビッチの品格もまた兼ね備えていた。


     だが、俺は思う。


     このプライドの塊のような女が、その辺の男に対して簡単に股を開くだろうか、と。




     答え。




    八幡「え、通り道だったけど、ここラブホって言う場所なのか?」

    三浦「」カオマッカ///




     処女である(確信)。

    95 = 1 :



    八幡「お前、すげーな。高校生でラブホの場所分かるなんて」


     ああ、心が癒されていく。

     雪ノ下雪乃にズタズタに引き裂かれた心が少しずつ形を取り戻していく。


    三浦「そ、そんなん常識っしょ///」フンッ

    八幡「……やだな」

    三浦「へ?」




    八幡「三浦がそんなとこに行くの……やだな///」プイッ




     誰だお前。

     誰よりも人の表情について客観的に見て来た俺は、逆に言えば効果的な表情づくりのエキスパートでもある。




    三浦「な、なんか今日のヒキオ変だしっ」///


     顔を赤くして、挙動不審なお前の方が変だし。あ、口調が移った。


    八幡「そりゃあ、お前みたいな学校一の美人と一緒にいられたら、変にもなるだろ」


    三浦「あ、あう///」パクパク


     単純。

     三浦優美子は美に対して強い執着を抱いている。

     それは体育の後は必ず化粧タイムをとるところからも明らかだ。

     そんな女王より美しさにおいて上位にいる人間がいる。


     もう一人の女王雪ノ下雪乃である。


     つまり、ただ誉めるだけでは、三浦優美子の中ではただのお世辞でしかない。

     頂点に立ち続ける女は、自分が最も求めているモノに置いて負けている。しかも相手はそれにあまり興味がない。


     だから、俺はあえて三浦を一番だと認める。実際あいつより三浦の方が美人だし(負け惜しみ)。


    八幡「お前が一番だよ、“優美子”」


     三浦優美子の心が―――少しずつ解け始めた。


    96 = 1 :



     翌日、登校した俺に待っていたのは、“最初の目的を果たす”チャンスである。


    戸部「だ、だからわざとじゃねーっすよ」

    先輩「うるせぇ! お前調子に乗り過ぎなんだよっ!」

    葉山「せ、先輩っ。こいつのこと許してやってください!」


     事情はよく分からんが、チャラ男が調子乗って三年を怒らせたのだろう。

     葉山隼人のカリスマ性は女性か、同い年以下の男にしか通じない。

     なぜなら、男は年上の男に憧れるものであり、年下は年上を敬うモノだと思っているからである。


    先輩「おめーには関係ねーだろ。しゃしゃってくんなよ」


     相手はどこの組の人ですか。高校三年生にしてはいささか迫力がありすぎやしませんかねぇ。


    戸部「ほ、本当に申し訳ありませんでした!」

    先輩「あ? 急にしおらしくなったからって許すと思ってんの?」

    戸部「………」プルプル

    葉山「い、いいかげ―――」


     例えば、だが。

     俺が世界を救う勇者だったとしよう。似合わないとか役者不足とか言うのやめて。

     そんな俺が魔王を相手に苦戦していたとする。


     そこへ颯爽と現れる村人A! その手にはクワが握られている。


     だれしもが彼の死を確信していた。

     だが、なんということでしょう、村人Aは魔王を一刀両断したのである。クワで。


     彼を称賛する人々。湧きあがる世界。平和な国。


     ……一方、勇者は帰りに道具屋でロープを買ったのでした。ちゃんちゃん。



    八幡(つまり、この場合……勇者葉山隼人の最も求めていない展開は……)



     村人Aの出現である。



    八幡「先輩、俺のクラスメイトを苛めるのはやめてもらえますかねぇ」



     俺の中に恐怖の二文字は、なかった。

    97 = 1 :


    戸部「ひ、ヒキタニ君……」

    葉山「………」


     葉山隼人の絶句顔。それだけでご飯三杯行けたが、これからもっともっとあいつの色んな顔を見えるかと思うと、心の息子がフル勃起していた。……けして身体は反応していない。


    先輩「お前、そんなひょろっちぃ身体のくせに、俺に喧嘩売るの?」


     おお怖い怖い。

     人を殺す勢いでメンチを切る先輩。

     だが、その心は透けて見える。


    八幡「ねぇ先輩」

    先輩「あ?」



    八幡「進路、ダメにされたいの?」ボソッ



    先輩「」


     勝利の瞬間である。


     綺麗に履かれた上履き。

     着崩して見えるがアイロンのかかった服。

     何より校則通りの髪形。


     どう考えてもこの人真面目な人でしょ。


    八幡「それじゃあ行きましょうか」グイッ


     思い切り腕を掴んで引っ張ってやる。


    先輩「お、おい、やめろよっ」アセアセ


     言葉では抵抗するものの、その身体は震えで全く力が入っていない。


    八幡「え、何言ってんるんすか? 今更引くんですか?」


     ざわざわ、ギャラリーがどんどん増えている。ほとんどが野次馬だが、先輩にとっては自分の進路を脅かす存在に思えただろう。


    先輩「ちっ、こ、今度から気をつけろよ!」


     捨て台詞を吐いて去ろうとしたので、俺は掴んでいる腕を離さずむしろ引き寄せてやった。


    先輩「うわっ」ヨロッ

    八幡「………」

    先輩「な、なんだよっ」


     最後の最後までプライドを保とうと凄む先輩。

     どこまでいっても小動物である。

    98 = 1 :



    八幡「俺のクラスメイトに謝ってもらえますかねぇ」



     もちろん、俺は彼らをクラスメイトだなんて思ったことは一度もない。

     だが、畑は耕さなければ作物は育たない。

     フラグは建てないとイベントは起きない。


     この後、葉山隼人と“遊ぶ”ためには、どうしても避けては通れない道なのである。



    八幡「お願いします。“大人の先輩”に妥協して欲しいっす」ペコリ

    戸部「ひ、ヒキタニ君……」ウルウル


     勘違いするな。

     お前は獲物認定もされていないバクテリアだ。視界にも入らない。

     俺の目的はあくまでも、


    葉山「………」


     リア充界の王子様だ。



    先輩「お、俺も言いすぎたよ。悪かったな……」

    戸部「い、いえっ、本当にすみませんでした!」

    葉山「……すみませんでした」



     三人が謝りあって、この場が平和に収まる。

     だが、彼らがいくら言葉で謝ろうとも、頭を下げているのは比企谷八幡ただ一人なのである。



    八幡「………」クルッ



     十分耕せたので、俺は立ち去ることとする。

     もちろん、すぐに立ち去らせてもらえるとは思えないが。



    葉山「ヒキタニ君」

    八幡「誰だよそれ」

    葉山「……ありがとう」



     手に取るように分かる不満顔。

     結局リア充にも心の琴線は存在するし、それは案外簡単に届くのである。

    99 = 1 :




     教室にたどり着くと、案の定歓声が上がる。



    「お前、凄い奴だったんだな」

    「見直したぜ!」

    「隼人君でも無理だったのに!」

    「もっと早く知ってれば!」



     様々な賞賛が俺を迎え入れる。

     もちろん悪い気はしない。

     しないが、一片たりとも嬉しくはない。

     そんな上辺だけの言葉は、恥辱と葛藤から絞り出される嗚咽には足元にも及ばないのである。



    葉山「ヒキタニ君、もし良ければさっきの理由を聞かせてくれないかな」

    八幡(やっぱそう来るか。単純な奴)

    葉山「君はそんなキャラじゃないはずだ。どうしてあんなことをしたんだ」



     真剣な葉山に周囲の人間は温度差を感じていることだろう。

     俺はもちろん真剣に葉山の正面に立っているが、真剣に殴り合う気はない。



    八幡「クラスメイトを助けるのに、理由がいるのか」



     おお、と歓声が上がる。ハリボテ共が。



    葉山「そうか、僕は君のことを誤解していたみたいだ」スッ



     右手を差し出す葉山隼人。

     それを掴めば友情が成立する。

     底辺ぼっちだった俺がトップカーストの葉山隼人と仲良くなる。それはサクセスストーリーに似た爽快さがあるんだろうな。


    海老名「ハヤ×ハチ! ハヤ×ハチキタコレ!!」ブシャァッ!!



     落ち着け海老名。

     お前の求めるモノはこの先にあるんだよ。



     海老名を視界の端に入れながら、俺は葉山の右手に向かって―――お尻を差し出した。



    八幡「ヒンヒン! ヒンヒン!!」



     世界が凍りついた瞬間である。
     

    100 = 1 :



     クラスメイト達が全員固まっている中、俺は葉山隼人の右手にケツを当てる。


     ハニ○・ポッターには、自ら求めるなんて豚としての自覚が足りないと怒られるかもしれないが、俺の目的は豚になることではない。葉山隼人と言う人間で遊ぶことである。

     その前にあの大人気ssのファンに殺されそうだが(ご機嫌取り)。



    葉山「何を言っているんだ……比企谷君…」プルプル



     人は己の理解の範疇を超える出来事があった時、震えるものだ。それはリア充とて例外ではない。

     それでも、俺と対等に接しようとするその姿は称賛に値するが、あいにく俺にとって葉山隼人獲物でしかないし、そんな上っ面だけのクソみたいな対応は要らないのである。



    八幡「お前、なんで今まで“わざと名字間違えてた”の?」



     ざわ。

     クラス中の人間が葉山隼人に視線を集める。



    葉山「そ、それは……」



     葉山の顔が青ざめて行く。

     それはそうだろう。今までだれもが咎めなかった葉山隼人の悪行(程度はしれてる)を指摘したのである。変態が。



    八幡「はっ、どうせ俺の事を見下してたんだろ。楽しかったか?」



     第三者視点で見れば、虐められっ子の反逆に見えるだろうが、もっと歪んでいる。




     これは、葉山隼人処刑ゲームなのだ。





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