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    元スレ京太郎「タイム…リープ!?」

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    601 = 1 :


    高校を卒業してからは、ありがたいことにプロのオファーがあった

    私は飛びついた

    それからも、私はひたすら麻雀をし続けた

    まるで、最初の目的を忘れてしまったかのように


    そして……

    602 :

    12年越しの再開は燃えるだろうなあ。

    603 = 1 :


    ――12年後 東京 インターハイ会場




    恒子「すこやん、お疲れー!」

    健夜「お疲れ様、こーこちゃん」

    恒子「いやー今日もアラサーらしく、年季の入った名解説でしたな」

    健夜「アラフォーだよ!!」

    恒子「……」

    健夜「間違えちゃったじゃん!何言わせるの!!」

    恒子「いや~、今のはさすがにすこやんが悪いと思うんだけど」

    健夜「もうっ、まったく!こーこちゃんは!」

    恒子「はいはい、悪うございました…」

    605 = 1 :


    恒子「ん、あれっ?すこやんにしては珍しく、ネックレスなんて着けてるんだね」

    恒子「どうしたの、若作り?」

    健夜「私まだ20代だからね!?そのくらいのファッションはするよ!」

    恒子「へぇー、アクアマリンとダイアモンドかあ。デザインは若い人向けみたいだけど、大丈夫?」

    健夜「大丈夫ってなに!?」

    恒子「でも、すこやんにしてはいいセンスしてるじゃん。なんでいつもは着けないの?」

    健夜「うーん…なんでだろ?」

    健夜「なんだか今まで、どうしてもそういう気分になれなかったんだよね……」

    606 = 1 :


    恒子「ふーん……さては男ですな?」

    健夜「ななな、なんで分かるの!?」

    恒子「ふふふ、女がアンニュイな表情をしたら、それ即ち男が関係していると相場が決まっているのだよ」

    健夜「へえ、こーこちゃんすごいんだね」

    恒子「それほどでもあるよ!」フフン

    恒子「……もしかして彼氏からのプレゼントとか?」

    健夜「彼氏か…そうだったら良かったんだけどね…」

    恒子「"だった"ってことは、昔の?」

    健夜「うん、学生時代にちょっとね」

    607 = 1 :


    恒子「へえ、行かず後家四天王の一角と呼ばれたすこやんにも、そんな時代があったんだねえ」

    健夜「行かず後家なんてよく知ってるね!?ていうか、そんなの初めて聞いたよっ!?」

    恒子「初めて言ったからね」

    健夜「……ちなみに他の三人は?」

    恒子「えーと、野依プロと瑞原プロと、あと一人誰にしようか?」

    健夜「こーこちゃん、そのネタその二人には絶対に言わないほうがいいよ。命に関わるから」

    恒子「命って、そんなー」

    健夜「……」

    恒子「……肝に銘じます」

    608 = 1 :


    恒子「しかし、すこやんにもそんなことがあったんだねー。その子とは結局?」

    健夜「うん、転校しちゃってそれっきり」

    恒子「ははー、まるで一昔前の少女漫画みたいな展開だね」

    恒子「でも、その子はすこやんのことをとても大切に思ってたみたいだね」

    健夜「……どうして?」

    恒子「だって、このネックレス高校生が買うにしてはかなり高いもん」

    恒子「5万か6万くらいはしたんじゃないのかな?」

    恒子「好きな娘以外にそんなプレゼント、普通はしないよ」

    609 :


    健夜「……」

    恒子「すこやんは、その男の子のことどう思ってたの?」

    健夜「……分かんない、忘れちゃった」

    恒子「そう」

    恒子「……」

    恒子「さあ!明日で仕事が一区切りするから、その後飲みに行くぜー!!ね、すこやん」

    健夜「うん、そうだね。ありがとう、こーこちゃん」

    610 = 1 :


    さて、今日は解説の仕事は終ったからホテルに帰ろう

    なんだか疲れちゃった。きっと昔の話をしたからだ


    あれから12年が経った

    私は強くなり続けた…と思う

    体も成長した。む、胸だってほらっ!?

    ……ごめんなさい、嘘つきました。ほとんど変わってません


    プロになって、色んな大会に出た。そして勝ち続けた

    気付いたら、いつの間にか世界ランキングが2位になっていたこともある

    611 = 1 :


    ねえ、京太郎くん。見てよこれ、私のカード

    『国内では無敗』『永世称号七冠』『恵比寿時代は毎年リーグMVP』

    だってさ。この『Grandmaster』なんて仰々しいの、私には似合ってないよね

    私強くなったんだよ?銀メダルだってとったことあるんだから

    その時の私、見ていてくれた?その時の私、かっこよかった?

    京太郎くんがあの時言ってくれたみたいに

    少しでも恩返しできたのかな、私…


    ねえ、京太郎くん。私、疲れちゃったよ。少し頑張りすぎたからかな

    こーこちゃんにはああ言ったけど、私はあの時から……いや今でもあなたのことを…

    612 = 1 :


    健夜「会いたい……」


    もし、もう一度出会えたら…あの時言えなかったことを―――




















    「あぶなーいっ!!!」

    613 :

    http://www.youtube.com/watch?v=Hjtr4VP4wzs

    614 :

    北!?

    615 = 1 :


    健夜「へ?」


    横を見る。横断歩道に猛スピード迫ってくるワゴン車。距離は20メートルくらい


    健夜「あ」


    これは助からないな。こうどうしようもないと、案外冷静になるものなんだ

    ここで、私死んじゃうんだ。あっけない

    ああ、私の人生ってなんだったんだろう?

    でも、今にして思えば案外幸せだった言えるのかもしれない

    仲の良い友達も何人かいるし、他人から見れば麻雀選手として大成功を収めたといえる


    あれ?あと、何かあったけ?

    まあ、いっか。どうせここで終ってしまうんだから


    でも…前にもこんなことが

    616 = 1 :






    ドンッ




    健夜「え」

    すごい衝撃が伝わる

    でもこれは、車というより、人の

    振り向くと、そこには金髪の男の子が



    健夜「あ、きょうた――」



    グシャ



    肉の潰れる嫌な音がした

    今度こそ、私は気を失った

    617 :

    きt……えっ?

    618 :

    何…だと…

    620 = 1 :


    ________

    _____

    __


    ―病院



    「ハイ、いいですよ。お疲れ様」

    健夜「ありがとうございました」

    「特に異常は見当たりませんね。気になるところがあれば、またいらして下さい」

    健夜「はい。あの…あの男の子は今」

    「まだ、手術中ですね」

    健夜「そう、ですか」

    621 :

    おいこら

    622 :

    まさかそんなタイミングに現れるとは

    623 = 1 :


    「……私の見たところ、頭からの出血は多いようでしたが、それほど深いものではないようです」

    「肋骨にひびが入っていますが、中に以上はないようでした」

    「左足は骨折していますが、それほど酷いものではないので、将来障害が残る心配はありません」

    「追突する直前、車が横にそれたので、正面衝突を避けられたのが良かったのかもしれませんね」

    健夜「そう…ですね」

    「自分の命を顧みず、他人を助けることのできる素晴らしい青年です」

    「うちのスタッフが全力で取り組んでいるので、安心してください」

    「じきに手術も終るでしょう……彼のこと、待ちますか?」

    健夜「はい」

    624 :

    うおおお京ちゃん死ぬなー!

    625 = 614 :

    シロ淡京太郎姉弟スレを思い出す…

    626 = 618 :

    記憶飛んでたりしないよな…?

    627 = 624 :

    無事っぽい。よかったー……

    628 = 1 :


    事故のとき、私はもう助からないと思った

    しかし、周りにいた人達の証言によると、男の子が飛び出してきて私を突き飛ばしてくれたらしい

    私は歩道に逃れたが、その子は……

    警察の人によると、車は70~80キロ近くスピードを出していたらしい

    それで、あの怪我で済んだのは奇跡的とのことだ

    それでも、あのような酷い怪我を負ってしまった

    私はすぐに気を失ってしまったので、その後の出来事は詳しくは知らない

    気付いたら病院にいて、よく分からない検査を受けていた


    そして今、彼の眠るベッドの横で、私は座っている

    629 = 617 :

    京ちゃんが無事治りますように…

    630 = 1 :


    健夜「……」

    健夜「ありがとう。あなたのおかげで、私助かったよ」

    健夜「ねえ、あなたは誰なの?金髪のそっくりさん」

    健夜「ん?なんだろこれ……学生証?」

    健夜「……」

    健夜「名前だけ、名前だけならセーフだよねっ?」

    健夜「苗字は『須賀』、名前は……」



    健夜「『京太郎』……かあ」

    631 = 1 :


    健夜「……」

    健夜「……」

    健夜「えっ?え、ええええっ…え?!??」

    ここここれは、どういうこと?もしかして本当に、京太郎くん本人?

    いや、この子も京太郎くんなんだけどね!?

    でででも、顔とか体つきとかはほとんど同じに見えるし

    いや、でもあれから12年経ってるし、同じってありえないよね!?


    はっ!もしかして、この子京太郎くんの息子さんとか……

    ということは、もう他の誰かと結婚してて……

    健夜「うぅ……」キリキリ

    やめよう、秒速5センチメートルみたいな妄想は。私の胃に優しくない

    第一、自分の息子に同じ名前をつける親がどこにいる!

    632 :

    すこやん自分はアラフォーでも12年しかたってないんだよ…

    633 = 1 :


    健夜「はあー……」

    傍からみたら、私ただの変質者だね、これ

    健夜「ねえ、早く目を覚ましてよ『京太郎』くん……」



    恒子「すすすこやーん!!」バーン



    健夜「あ、こーこちゃん」

    恒子「事故にあったって聞いて、だだだ大丈夫!?」

    健夜「落ち着いて、こーこちゃん。私は何ともないから」

    恒子「そ、そうなの!?よ…よかったあ」ヘナヘナ

    健夜「心配してくれたんだね。ありがとう」

    恒子「あれ?……この子はどうしたの?」

    健夜「この子が私を助けてくれたの。でも代わりに…」

    恒子「そう、なんだ」

    健夜「幸いそこまで酷い怪我じゃないらしいけど、まだ意識が戻らないんだ」

    恒子「そう……すこやんのことありがとね、少年」


    634 :

    すこやん、12年でその年齢の息子を持つのは無理だ

    635 = 1 :


    ~~~~~~~~~~~~~~~~




    良子「少々遅れましたが、どうやら無事なようですね」

    えり「そうですね」

    はやり「まったく、心配したんだから…」

    「まったくだねぃ」

    野依「よかったっ!!」

    靖子「まあ、無事でよかったよ。ほんと」

    はやり「……」

    良子「どうかしました?」

    636 = 1 :


    はやり「うーん、あの子…」

    良子「あの金髪の子ですね?どうやら、彼が小鍛治さんを助けてくれたようですが」

    はやり「うん、そうなんだけど。あの男の子、どこかで会ったことがあるような……」

    野依「……」

    野依「痴呆っ!!」

    はやり「あ゛、今なんつった」


    ビクッ!!


    野依「難聴っ!!」


    「これは、やばいねぃ…」ヒソヒソ

    良子「Oh……」

    637 = 1 :


    はやり「久しぶりに切れちゃった☆……雀荘行こうか☆」

    野依「望むところっ!!」

    はやり「でも、二人じゃ麻雀できないからなあ…☆」チラ

    咏・良子「」ビクッ!!

    「あー!私このあと雑誌の取材があって――」

    良子「実は解説の仕事が残っていまして――」

    はやり・野依「ん?」ニコニコ

    咏・良子「……お供させていただきます」

    みさき「あれ?そういえば藤田プロがいませんね、さっきまでここにいたのに」

    咏・良子(あのカツ丼、逃げやがったな…)

    はやり「じゃあ行こうか☆二度と麻雀のできない身体にしてあげるよ☆」

    野依「こっちの台詞っ!!」




    ~~~~~~~~~~~~~~~~

    638 = 617 :

    流石に合宿だけじゃ印象薄いか…

    639 = 1 :



    健夜「なんだか、外が騒がしいね。何かあったのかな?」

    恒子「さあ?お年寄りが世間話でもしてるんじゃない?」

    健夜「病院なんだから静かにして欲しいよね、まったく」


    健夜「……京太郎くん」ギュ

    恒子「すこやん…」

    恒子「すこやん、もしかしてその子のこと知ってるの?」

    健夜「分かんない…」

    恒子「え、それってどういう」

    コンコン

    健夜「は、はい、どうぞ」

    ??「失礼します、こちらに須賀くんがいると聞いて」

    健夜「は、はい。こちらです」

    641 = 1 :


    健夜「えと、あなた達は?」

    ??「申し遅れました、私は清澄高校麻雀部の部長の竹井と申します」

    「それとこちらが、部員の染谷、宮永、片岡、原村です」

    「私たち、須賀くんと同じ部員なんです」

    健夜「そう、だったんだ」

    「京ちゃん!!京ちゃん!!」

    優希「イヌ…なにやってんだじぇ」

    「須賀くん…」

    まこ「それで、容態のほうは?」

    健夜「手術は成功したんだけど、まだ意識の方が…」

    まこ「そう、なんか…」

    「…私のせいだわ、あの時買出しなんか行かせなければ……」

    まこ「あほ、単なる偶然じゃ。自分のせいにしたって何にもならんぞ」

    「……そうね、その通りだわ。ありがとう、まこ」

    「それで、その…事故の詳しいこと聞いてもいいですか?」

    健夜「はい」


    642 :

    部長かな?

    643 :

    ここで来るのはあの人しかおらんでしょ

    644 = 1 :


    __________

    ______

    __


    「そうですか、ありがとうございました」

    健夜「い、いや、お礼を言うのはこっちの方だから」

    「でも、京ちゃんらしいね」

    優希「いつも、他人ことばっかり。少しは自分のことも考えろ…ばか」


    健夜「……あの、良かったらこの子のこともっと教えてくれませんか?」

    「敬語はいいですよ、小鍛治プロ」

    健夜「え、ばれてたの!?」

    「麻雀やってる人で、小鍛治プロのことを知らない人なんていませんよ」

    645 :

    これで清澄来なかったらどんだけ畜生だと

    646 = 614 :

    >>634
    出会う前に子供作ってたと考えれば

    647 = 1 :


    まこ「それに、福与アナもおるしな」

    恒子「あれっ、分かっちゃた?私も有名になったもんだね~」

    「小鍛治プロからの頼みとあらば仕方ないですね。悪いけど、咲お願いね」

    「え、私ですか?」ビクッ

    「この中なら、あなたが一番須賀くんと付き合いが長いわ。よろしくね」

    「は、はあ」

    「私達は先に帰るわね。たくさんいても邪魔になるし」

    恒子「なら、私も帰るよ。咲ちゃん、すこやんのことお願いね」

    健夜「普通逆じゃない!?」

    648 = 1 :


    その後、咲ちゃんから色々な話を聞いた

    中学時代どんなことがあったのか、どんな会話をして、どう思ったのか

    高校に入ってからこと、大会のこと、そして今日のこと

    「いつも、自分のことは後回し。他の人のことを第一に考えてるんです」

    「まったく…バカなんだから」

    健夜「…そうだね、昔からそうだったんだよね」

    「?」

    健夜「ありがとう、咲ちゃん。私の頼みなんか聞いてくれて」

    健夜「明日も試合でしょう?早く帰って休んだほうがいいよ」

    「…そうですね、そうします」

    「小鍛治さんはこの後…」

    健夜「もう少しだけ、ここにいるよ。一人じゃ寂しいもんね」

    649 :

    すこやんのライフもといメンタルが0になる予感しかしない

    650 = 1 :


    ――???




    ~~~~~~~~~~~~~


    「う……ぁ…」

    何をしてるんだい?

    「いえ…何もできないんです」

    本当かい?

    「ほら、見てください。包帯でグルグル巻きでしょう?」

    「これじゃあ、動けませんよ」

    なんで包帯なんかしてるんだい?

    「えーと…なんででしょう?怪我でもしたかなあ…」



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