元スレ三浦「あーしってさ案外一途なんだよね」八幡「はぁ」
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351 = 1 :
冷たい感触が顔に触れ、その心地良さを認識する。同時に顔が腫れている痛みも感じる。
目を開けると、瞳を潤ませ、心配そうにこちらを見つめる優美子が見えた。
「おはよう、優美子」
そういうと、優美子は濡れたタオルで俺の腫れ上がった部分を優しく冷やしてくれた。
「あーし、聞いたよ」
「そっか、だったら心配すんな、もういじめはなくなるはずだから」
「そんで、戸部は俺とお前が恋人なのを知らず、単なる勘違いで俺を殴ってしまった」
「そして犯人はわからず事件は迷宮入り、だれの関係も壊れず、円満解決って奴だ。だから泣くなって」
俺は泣いている優美子の頭を優しく撫でてやる。
「……違う」
優美子はそういうと、強い意思を秘めた瞳をこちらに向けた。
「あんたが傷ついて、それで終わりってのは違う」
優美子はそう言うと、俺の腕を引っ張った。
「お、おい」
「あーしがちゃんと終わらせる、だから八幡、見てて」
「変わったあーしを」
352 = 1 :
俺は放課後、優美子に連れられて屋上へと来ていた。優美子は俺の手をしっかりと握り、離そうとしない。
「逃げないから、心配すんな」
「そうじゃないって」
ドアが開かれる音が聞こえる。そして、そう、事件の当事者である相模が入ってきたのである。
優美子はすかさず、ただ唯一の退路であるそのドアを占拠する。
「え、えっと、う、うちに話ってなにかな」
「八幡、ちょっとこっちに来て」
俺は言われるとおりに優美子の隣へと移動する。
すると優美子は問答無用で俺の唇を奪った。
「ゆ、優美子?!」
俺の唇を奪った優美子は、唇の感触を確かめるように舌なめずりをし、嬉しそうに微笑んだ。
「見てのとうりさ、あーし、こいつと恋仲なわけ」
「そ、そうなんだ、お、おめでとう」
優美子の眼光が鋭くなり、その鋭さで相模を貫く。その刃に貫かれた相模はビクッと体を震わせる。
353 = 1 :
「そんでさー、今日あーしとこいつの事を書いてくれた手紙があったんだけどさ」
「う、うん」
「そのお礼がしたくて……さ」
最早、相模が犯人だと前提条件の元での話を進める優美子。おいおい、直接的すぎるだろ。
相模も、推理ドラマとかでネタばらしされている犯人のごとく挙動不審だ。もう犯人は自分と自白しているに等しい。
「ねぇ、知ってる、恋ってさ」
「恋は祝福みたいなんだ。すごく熱くて、時々切なくて、そんでその人を見るだけですっごく幸せなんだ」
胸の前で優しく両手を握り、憂い込めて目をつぶる三浦。その表情は、まるで祈りを捧げるかのようだった。
「でもね、引き裂かれた恋は呪いなんだよ、心に楔が打ち込まれたみたいに残って、その人を見るのもすっごく辛い」
今度は強い、意思を秘めた瞳で相模を見据える。
相模はぼそぼそと「う、うちじゃない」「人違い」といった言い訳の言葉を呟いている。流石にかわいそうである。
そんなことはお構いなしに、優美子は乱暴に、相模の胸ぐらを掴む。そして、トドメの一言を言い放った。
「あーしの恋を呪いに変えようとした、あんたの罪は重い」
その一言は、すごく重く、そして、静かに燃え上がるような熱さを孕んでいた。
相模はその胆力に押され、遂には大声をあげ泣き始めた。それは相模の心が、完全に打ち砕かれた証拠だった。
354 = 1 :
「お前、あれ、八つ当たりも入ってただろ」
「それは、あーしも反省してるよ」
俺は、優美子と二人きりになってから、今日の反省会を開いていた。
今日のあれは、言ってみれば過去の事をごっちゃにした決着であり、相模に関係ないことまで押し付けたのである。
俺は、この一件で優美子と別れる気は毛頭なかった。そう、呪いとは過去の、幼稚園のころの話なのである。
話を聞けば、その時、自分が弱かったから、幼稚園の頃の間違いを犯してしまった。
だから今度は変わった自分が、もう、二度とそんな間違いをしないと証明したかった。
とのことである。なんとも身勝手な話だ、ぶつけられた相模はたまったものではない。
「流石にかわいそうだったな、相模」
「だからって、いつまでも、ああじゃダメだし」
「あいつは、多分、罪の意識なんて無かった。誰かが、それをちゃんと認識させてやんないと、また同じことやるよ」
「……じゃあ、俺のやったことは、なんだったんだよ」
「無駄骨だし」
きっぱりとそう言われ、俺は落胆のため息をつく。俺なりに考えたつもりだったんだが、こう完全否定されるとは思ってもみなかった。
355 = 1 :
「まぁ、でもさ、八幡があーしを思ってやってくれたのは、嬉しかったし」
俺を慰めるように肩を叩く優美子。マジで俺、殴られて、この結末はないわ。うん、ない。
「でもさ、こういう大切なことはこれから、二人で決めて欲しいし」
優美子は、いつものように手を差し出した。そう、指切りをするために。俺は嘆息する。
この話は幼いころの指切りから始まった。そしてこれからも、この指切りで続いていくのだろう。
俺は、これからも指切りを繰り返していかなければいけない事実に、うんざりとした気分になる。
仕方なく、俺は優美子の指をとり、もう慣れた口上を述べる。
「「ゆーびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます」」
「「指切った!」」
まぁ、悪くないんだけどな。俺は優美子の笑顔を見ながら、俺はこれからに想いを馳せる。
うん、悪くない。俺はラブコメの神様に、ありがとう、と心の中でだけ呟いた。
でも――――やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。そしてこれからも、まちがい続けるのだろう。
356 = 1 :
これで終わりです。
これから、おまけとして積極的なヒッキーを書きますので
攻めなヒッキーなんてヒッキーじゃないという人はこれで終わりにしてください。
357 = 1 :
恋人をすっとばし、晴れてお嫁さんになった優美子をちらりと流し目で見る。
「八幡、またあーしをエッチは目で見てる」
そういうとまた、俺の右腕に体を絡ませてくる三浦。
なんというかだな、毎度毎度こう、俺ばっかりが押されているとなんか不公平な感じがする。というか、尻に引かれてばっかは後々まずい。
だから俺は、今日一日、逆に優美子を引っかきまわしてやろうと決意する。今までのお返し、もといお礼だ。
まずはちょっとのいたずらから始めよう、いたずらなら子供の頃は得意だった。そう思い、口の端をゆっくりと上げる。
「優美子」
「えっ……ひゃ、ひゃうっ!!」
俺は宣言せずに、優美子の左耳を甘噛みする。その後、舌で耳の外縁を下から上へ、這うように舐め上げる。
「ちょ、は、八幡っ?!」
「悪かったな、エッチで」
耳元でそうつぶやくと、俺は優美子が逃げられないように両肩をがっしり掴む。まぁ、逃げないだろうが念のためである。
耳穴へ舌を侵入させる。できる限り、広い面積を舐めるように舌を這わせる。
「や、やめて、そこ、き、汚いから」
俺はその声を無視し、耳全体を口の中に入れ、今度は歯を立てず、ゆっくりと舐め回す。
「はぁ、う……んっ!」
色っぽい、くぐもった声が優美子の口から紡がれる。
「優美子……少し目をつぶってくれないか?」
耳を口から離し、そう呟くと。優美子は恥ずかしそうにこくんと頷くと、ギュッと目を瞑った。そして俺は優しく、優美子と唇を重ねた。
358 :
乙
このタイミングでファイズとは、と唸らされた
あーしさんマジ男前!
359 = 1 :
「裏切ったな、比企谷八幡ッ!!」
材木座が叫び、俺を罵倒してくる。
「何がだよ」
「お前は……お前だけはこちら側とばかり踏んでいたのに、それなのにッ!!」
材木座は俺と腕を組んでいる優美子を指差し、鼻水をたらしながら男泣きした。うわぁ、みっともねぇ。
「我との桃園の誓いを忘れたかッ!!」
桃園の誓いってなんだよ。それなら後一人必要だろ。あと、海老名さん、俺とこいつで妄想すんのも止めてください。
「あのな、その桃園の誓いがいつ成されたのかは知らんが、こいつはな」
俺は、優美子の腰に手をやり、ぐいっと自分の方へと引き寄せる。
「こいつとは幼稚園からの話なんだよ、年季が違うんだよ、年季が」
「は、八幡、ちょ、いきなり……」
「い、いやか?」
「い、いや、いやとかじゃないけど、むしろ……嬉しいし」
うつむき、もじもじしながらも俺に抱きついてくる優美子。俺も負けじと腕の力を強め、それに答える。
俺たちは互いに顔を真っ赤にしながらも、それでも互いに見つめる合うのをやめはしない。
「ちくしょおおぉぉッ!! リア充、爆発ううぅぅッ!!」
材木座の負け犬の遠吠えが心地良い。その台詞を言われる日が来るとはな、夢にも思ってみなかったぞ。
俺はこれ見よがしに優美子の頭を撫でてやる。すると優美子がはしそうな笑顔をこちらに向けてくれた。先ほどの何倍もの心地よさが俺の胸いっぱいに埋め尽くした。
360 = 1 :
いつものように、優美子の手作りの弁当を、いつもの場所で、いつものように二人で食べる。
そして俺は思い切って、いつもはしない、その頼みを口にする。
「口うつしで……それ、食べさせてくれないか」
俺は、卵焼きを指差した。その言葉に、優美子は顔を真っ赤にし、うつむく。
「は、八幡、そ、それって」
そう、口うつしをするということは、すなわちディープキス、違う言い方をすればフレンチキスである。
「だ、ダメか……?」
俺は恥ずかしさに頬をポリポリと掻く、流石にこれは受け入れてくれないか。
そう、思っていた矢先、うーと唸りながらも優美子は決心した顔で卵焼きを口に放りこんだ。
「ん!」
優美子は、瞳を瞑り、俺に顔を突き出してくる。
「じゃ、じゃあ、いただきます」
俺はまず、優美子の唇と自らの唇を重ねる。次に、自身の舌を優美子の口内へと侵入させていく。
粘液と粘液が触れ合い、小さな水音を立てる。俺は、そのまま卵焼きと一緒に、わざと舌と一緒に貪る。
「あ……んっ……ふぅ……んんっ……」
優美子はどうやら俺を気遣ってくれているらしい。喉に詰まらないよう少しづつ、噛み砕いた卵焼きを俺の方へと差し出していく。
そして、遂には卵焼きが優美子の口から無くなった。俺はわざと気づかないような振りをして、優美子の口内を貪っていく。
優美子もそれに応えるように、舌を絡め、互いに互いを貪りあう。求め合った結果である水音だけが、響いていた。
そして、流石に息苦しくなったところで、俺は優美子を開放する。優美子は荒い吐息を吐きながら、こちらを見つめてきた。
俺は、大きく息を吸ったあと、自身の弁当にあった卵焼きを口に放り込むと、また俺は優美子と唇を合わせた。
361 = 1 :
そして、帰り道、俺は優美子と腕を組みながら歩いていた。
今日一日攻めつづけたせいか優美子はすっかりしおらしくなっている。こういう優美子も可愛い。
いやぁ、ここまで効果があるとは、俺も勇気だした甲斐があったというものである。俺は愛しさを込めて優美子の頭を優しく愛撫してやる。
「……今日はなんだか、積極的だし」
「今日は、そんな気分なんだよ」
俺はそういうと、優美子と今日何度目かわからない、キスをする。
「あんたってさ」
「ん?」
「やっぱ、どSだわ、それも一回したら歯止めが効かなくなるタイプの」
「じゃあ、優美子には、どMになってもらおうか」
優美子はさらに顔を真っ赤にし、何かを言いたそうにもじもじとしている。
俺はそんな言葉は聞きたくないとばかりに、今日覚えたばかりのフレンチキスで優美子の口を塞ぐ。
「んぁ……れろ……んんっ、ちゅぷ……」
縦横無尽に口内を貪り、俺は、優美子の唾液の味を味わっていく。
優美子は、そのまま、おれを受け入れてくれていた。
362 = 1 :
これでおまけも終了です。
長い間付き合ってくれてありがとうございました。
ガハマさんとゆきのんの話も別スレで書こうを思いますので、その時はよろしくお願いします。
363 :
乙
あーしさんマジかっけぇ
364 :
お疲れ様でした!
出来たら次スレURL張ってください!
応援させて頂きます!
365 :
乙
ガハマさんとゆきのんの話楽しみにしてる
366 = 1 :
>>358
555ブルーレイ発売するって
これは多々買うしかないよね(赤目)
>>364
次スレはもう少し物語考えてからにしようと思うので
このスレが残ってたら張ろうと思いますが、多分ないと思います。
由比ヶ浜「あたしも一途だからね!」八幡「はぁ」
ってスレタイで建てようと思うので、よろしくお願いします。
369 :
やっぱり555ネタだったか
370 :
甘過ぎィィィィ!!
乙だぜ!!!
371 :
お疲レイア~
ところでエロシーンは?
みんなの評価 : ★
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