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    元スレ三浦「あーしってさ案外一途なんだよね」八幡「はぁ」

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    201 :

     「ただいま」

     「お邪魔します」

     「おっかえりー、おにいちゃん」

     元気な声を響かせ、階段を軽快なリズムで足音を鳴らしながら下りてくる小町。

     「あっ、直接会うのははじめてでしたよね、どーも、私は小町、お兄ちゃんの妹でーす」

     おい、なんだ、その紹介は、お兄ちゃんの妹とか、お前はどこぞのプレゼントな妹かよ。はずかしいから止めなさい。

     「はじめまして、三浦優美子です」

     はっきりとした口調でそう言うと、ペコリと頭を下げる三浦。

     その動作はメリハリがキチンとしており、恐らく角度も測れば30°近似値が導かれるのだろう。いつもの三浦とは違った一面を垣間見た気がする。

     以外とOLのような職業も、持ち前のコミュニケーション能力と合わせて、うまくやっていくのかもしれんな、リア充恐るべし。

    202 = 1 :

     「優美子さん! ふつつかな兄ですが、よろしくお願いします!」

     「おい、なに勝手に売り出してんだ」

     「いえいえ、こちらこそ、不束者ですが、よろしくお願いします」

     「お前も、乗ってんじゃねーよ」

     俺は、三浦の手を引っ張り、上がるように促した。

     「あ、ちょ、ちょっと待って、今、靴脱ぐから」

     「あ、ああ、すまんすまん」

     そう言うと、三浦は、立ったまま、バックベルト方式の可愛らしいミュールを脱ぎ始める。

     ちょっと焦っているらしく、脱ごうとして、中々抜けず、少々もたついている。

     焦らせてしまったな。何か手伝えることはないだろうか? 手伝おうと、手を伸ばすが、手伝えることが見つからない。手が右往左往する。

     「おにいちゃん、心配なのはわかるけどさ邪魔だから、上がったら?」

     小町は、にやにやとした笑みを満面に浮かべ、俺と三浦を交互に見ていた。

     なんだ、小町、お前まで俺を笑うのか? 笑え…笑えよ…

    203 = 1 :

     小気味の良い音ともに、食欲をそそる、良い匂いが台所から流れてくる。

     台所で調理をしているのは、もちろん三浦だった。

     振り向けば、長い髪を結い上げ、綺麗なうなじを惜しみもなくさらす三浦が見えた。

     料理を開始する前に手伝おうかと助力を申し出たのだが

     『今日はあーしに作らせてよ』

     と言って拒まれてしまった。

     「おにぃちゃん、ジロジロ見すぎ。そんなに心配なの?」

     「そんなんじゃねぇよ、このままじゃ俺の主夫としてのプライドがな……」

     「どーみても料理スキルじゃ負けてるんですけど」

     そうなのだ、事実、三浦の料理スキルは高い。手際よく材料を切っていき、複数の品を同時進行で調理を行っていた。

     聞いた話によると幼いころから、親の手伝いで料理を手伝っていたらしい。その時の家族の話から、家族仲も良好のようだ。

    204 = 1 :

     「料理もうそろそろできるから、運んでくれるー」

     「あっ、小町、手伝いますー」

     配膳をするために台所へと向かう。

     「「おおー」」

     弁当でわかっていたことだが、三浦は盛り付けにもこだわるタイプのようだ。

     レモン、アボカド、トマト、レタスを使ったサラダは、高くふわりと盛られ、レタスを大枠とし、それぞれの材料を規則正しく円形に飾り付けることで、色彩を鮮やかに演出している。

     デザートでは、レモンシャーベットに輪切りのレモンを添え、はちみつを掛けて縞模様の彩りを作っている。

     主菜であるカレーも、御飯は中心に山型に盛られ、その周りはルーの海が広がり、浮かぶ輪切りのレモンも中々洒落ている。

     「おにいちゃん! おにいちゃん! 逃しちゃ駄目だよ、こんな人」

     耳元で小さな声で呟く小町。お前、うまいもの食いたいだけだろ、よだれ拭け、よだれ。

    205 = 1 :

     「デザートは冷やしとくから、それ以外を運んどいて」

     「ほら、よだれ拭け、運ぶぞ」

     「がってん!」

     配膳を終えた後、食卓へと全員が座る。

     三浦が周りをくるりと見回し、鶴の一声を上げる。

     「はい、それじゃ」

     「「「いただきまーす」」」

     おお、このカレーほのかなレモンの香りと酸味がたまらんな、サラダも野菜が好きなわけじゃないが、すごくうまい。サラダも切り方で違うって言うが本当なんだな。

     「おいしいですよ! 優美子さん!」

     「ありがとう、お世辞でもうれしいし」

     「今度、小町にも料理を教えてください!」

     「オッケー、今度教えて上げるし」

     女の子同士できゃぴきゃぴとした会話が繰り広げられる。

     女三人寄れば姦しいと言うが、こうみると二人で十分だろう。

     てか、うぜぇ、モノを食べるときはね、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだよ。

    207 = 1 :

     「ところでー、優美子さん?」

     「なに?」

     「今日の料理、レモン尽くしですよね、どうしてですか?」

     小町はいたずらな笑みを浮かべて、その質問を三浦へと問いかけた。

     三浦はその質問を受け、飲んでいた水を吹き出した。その水が俺の顔へとぶっかかる。

     「ご、ごめん、ヒキオ、今拭くから……」

     顔真っ赤にしながら、俺の顔を拭いてくれる三浦。何考えてんだ、こいつ、なんか隠してるようだが。

     小町はその様子を見てさらに、いたずらな笑顔を輝かせた。うん? なんだ、なにかあんのか。

     「あー、そういえば面白い番組の録画があるんですよー、テレビつけていいですか?」

     「あ、うん、あーしは別に構わないけど……」

     「それじゃあ、ポチッとな!」

     リモコンを操作し、録画を再生した小町は、ニヤッとこちらの方を振り向く小町。こっちみんな。

    208 = 1 :

     その再生された番組はどうやら雑学系のクイズ番組であり、今回は花の特集のようだった。

     「花言葉って素敵ですよねー、色々あるし、さりげないアピールも出来ますし! あ、今の小町的にポイント高いですから!」

     「なんだよ、それ、さりげなくても伝わんなかったら意味ないだろ」

     そう俺が呟くと、まるで養豚場のブタでもみるかのように冷たい目をこちらに向けてきた。

     「……これだから、ゴミぃちゃんは」

     おい、今なんてった。おにいちゃんのことそんな風に言うなんて、そんな風に育てた覚えはないぞ。

     ちらりと流し目で三浦の方を見ると、膝の上で手をいじりながら、顔真っ赤にしてなにかをブツブツと何かを呟いている。

     『はい、ここで問題です、レモンの花の花言葉とはなんでしょう』

     そのナレーターの問いに三浦の体がビクっと震える。顔も羞恥と驚愕で硬直している。

    209 = 1 :

     『あー、あたし知ってますー』

     巨乳で馬鹿が売り芸能人が手を上げる。なんか知らんがこいつみると由比ヶ浜を思い出すんだよな。すまんな、由比ヶ浜、でも大体あってる。

     『誠実な愛ですよねー、すごくロマンチックでしょー』

     ビクッと俺の体が震えた。思考が2回、3回とその言葉を反芻したあと、その意味を理解するのにしばらくの時間を必要とした。

     つまり、今日のレモン尽くしの料理って、『私の愛を食べてください』?

     頭に血が昇り、ごまかそうと飲もうとした水を盛大に三浦のほうへぶっかける。

    210 = 1 :

     「ご、ごめん……」

     「い、いいよ、お互い様だって、あーし、自分で拭くし」

     「いやいや、拭くからじっとしてろ」

     『食物の花にも、花言葉ってあるんですねー』

     『他の花言葉を例にあげると、人参の花言葉、幼い夢、なんてものもあります』

     へぇーという声がテレビから流れる。え、なんだって?

     こいつの幼い夢ってゆーと、お嫁さん? こいつ、袋詰めてるときのやり取りってもしかして

     私の人参(幼い夢=お嫁さん)は譲れないけど、レモン(誠実な愛)は差し上げますってこと。

     なにそれ、いじらしい。

    211 = 1 :

     拭いていた三浦の顔がさらに真っ赤に染まる。伏目がちになりながら、時折こちらをチラチラと見ている。

     「あー、三浦?」

     「ひゃ、ひゃい!」

     俺は照れ隠しに頬をポリポリとかき、思い切ってその言葉を言った。

     「デザートのレモン、持ってきてくれよ、お前のレモンを……さ」

     パァっと顔を輝かせて微笑む三浦、笑ったこいつはやっぱり可愛いな。

     「う、うんっ! ちょっとまってて、今持ってくるし!」

     三浦は席を立つと、嬉しそうにパタパタとスリッパを鳴らしながら、台所へと向かって行った。

    212 = 1 :

     「おにいちゃん」

     「なんだよ」

     「ゴミぃちゃん、撤回してあげる、今のは小町的にポイント高いよ!」

     小町はシシシといたずらっ子のように笑いながら、肩を叩いてくる。

     「うぜぇ」

     今、顔がすごく熱いので、はやくシャーベットが欲しいなと思いながら、台所を見ると、嬉しそうな三浦の顔が見えた。

     うん、わるくない。この感じ。

    213 = 1 :

    今日はここまでです。

    また明日

    214 = 198 :


    超面白かったし。

    215 :

    ちょっと強引でレモネード吐きそうな展開嫌いじゃない

    216 :

    八幡は難攻不落だからこれからどうなるかちょっとドキドキ

    217 :

    ハイレモン吹いた

    218 :

    ニヤニヤ止まらんし

    219 :

    投下します。
    今回は本番はないですが、ちょっとだけエロいので一応警告だけはしときます。

    220 = 1 :

     「ハラァ…いっぱいだ」

     俺はどこかの妖怪のように、満足の声をあげる。 

     あれから三浦は俺を見つめるのに夢中で、自分のシャーベットを溶かし、小町は早食いでアイスクリーム頭痛に悶えていた。

     それを見ながら食うレモンシャーベットは甘酸っぱく、そしてなによりその冷たさが心地よかった。

     楽しい時間は早く過ぎるものだ。俺は空になった食器を片付けるため、腰をあげる。

     「いや、あーしが片付けるけど」

     「ふざけんな、お前ばっかにさせるのは、俺が嫌なんだよ」

     俺は有無を言わせず、三浦の手から食器を取り上げる。

     「……これくらいは俺にさせてくれよ」

     「そーですよ、優美子さん、こんなことはおにいちゃんに任せればいいんです」

     「そういうお前は何すんだよ」

     「優美子さんと遊びます!」

     「ふざけんな」

     小町は大声をあげ笑い、三浦はクスクスと静かに微笑み、俺は含み笑いをこぼす。

     三者三様の笑いが食卓を包む。

    221 = 1 :

     そして、三浦は笑いすぎで出た涙をその美しい人差し指で拭い、言葉を紡いだ。

     「それじゃあ、あーしはお風呂入れとくから」

     「ああ、頼むわ……えっ?」

     俺は首を傾げる。風呂ってどういうこと。まさか泊まっていくとか言いませんよね。

     「ああ、あーし、今日は泊まってくから」

     「え?」

     俺の気持ちを知ってか知らずか、この子はその言葉を発した。それも、ものすごく嬉しそうな顔で。

     どういうことだ、最近の若い者の性の乱れはここまで来ていたか、ご両親は黙っていませんよ!

     「あ、もうお互いの親は承諾済みでーす。プロデュースバイ小町!」

     え、なにそれ。私、聞いてない。

     三浦はニコニコ微笑んでるし、小町はニヤニヤ笑ってるし、小町の発言から親の援軍は期待できない。

     俺は脳内で、外堀も埋められ、家臣そして小町にすら囲まれた一人の武将のイメージが浮かぶ。家臣と妹にすら裏切られるとか俺マジ不憫。

     ここまでの布陣とは、四面楚歌とはこのことである。リア充、恐るべし。

    222 = 1 :

     なみなみと溜められた浴槽をじっと見つめる。黄色い皮が浮かび、レモンの甘酸っぱい香りが鼻孔をくすぐった。

     もはや隠すことすらしないのだろう、皮にハートマークが刻まれている。どんだけアピールする気だよ。

     温度確認のため腕を突っ込むと、幾重にも波紋が広がり、水面とレモンの皮をざわめかせ、そして波紋が消える。

     温度は良好、しかしながら、それとは別に俺の体温と動悸は異常であった。息苦しい、体が震える、あと思考もぐるぐる。

     落ち着け、比企谷八幡、ラッキースケベ回避のため、一番風呂を所望したのではないか、恐れることはない。

     さっさと体を洗い、速やかにこの危険地帯から脱出するのだ。八幡鴉の行水を見せてやるのだ。

     ――――ガラっと音を立てる背後の扉。脳内で希望が打ち砕け、不気味な音が鳴り響いた。

     本当に俺は負けてしまうのか? 現況を念のため確認したい。

     「背中、流したげる……」

     三浦の声が聞こえた。もはやどうしようもないことを悟り、俺は深く息を吸い、肺へと空気を送り込む。

     意を決し、後ろを振り向く。

    223 = 1 :

     三浦は――――バスタオルすら巻かず、そう、一糸纏わぬ姿でそこに立っていた。

     顔は羞恥の色を示し、伏目がちな瞳は潤みを宿し、頬はほんのりと染まった朱により白磁の肌を彩っている。

     視線を落としていく。くっきりと綺麗な線を描く鎖骨、そこからつながる肩のラインは女性というものを意識させるに十分な色香を孕んでいた。

     左腕は脱力でそのまま垂らし、右腕でその肘を掴んでいた。その上の二つの山は、その豊満な大きさを誇らしげに、さらに綺麗なお椀型の形を見せつけ、また頂点には桜色の――――

    224 = 1 :

     絹を裂いたような悲鳴が風呂場にこだまする。

     『おにいちゃん、うるさいー、近所迷惑だよー』

     小町のその言葉で、この声が俺の出した声だと理解する。マジか、俺こんな声出せたのか。

     俺は急いで三浦に背を向ける。

     「なななな、なにしてるんですか、ババババ、バスタオルは?!」

     「それはマナー違反っしょ、あーしはそんなことしないし」

     な、なに言ってんのこの子、普通はバスタオルぐらいは巻いて、場合によっては水着でがっかりするシュチュエーションでしょ、ここは。

     「いいから、背中、流して上げるし」

     「え、え、なにそれ、これおいくら万円ですか?」

     「タダよ、無償、0円、OK?」

     知ってるんだからな、タダより怖いもんはないんだからな、そんな言葉は信じないんだからな。

     「いいから座れし」

     「は、はいぃ!」

     その言葉に押されてしまい、つい座ってしまった。

     なにこのエロゲ、どこのメーカーですか? もしくはどっかのお店?

    225 = 1 :

     まず、下準備として、背後から丁度いい温度のお湯をゆっくりとかけられる。その後、ポンプノズルをシュコシュコと鳴らし、ボディソープを出す音が聞こえた。

     ボディソープを染み込ませたタオルを当てられ、その冷たさに息を呑む。その冷たさとは真逆に熱くなる体を感じた。

     「痛くない?」

     「あ、ああ」

     「そっか」と安心したような声を出したあと、続けて三浦は背中を優しく洗ってくれた。

     不意に、肩に三浦の両手が置かれ、柔らかい二つの物体が背を圧迫する。

     「ひゃ、ひゃい?! み、三浦さんっ!?」

     「ああ、これ? あーしが持ってる『特別』だから、気にしなくていいし」

     『特別』のなんですか?! だいだい、特別だからって気にしなくて良い理由になりませんよね!?

     そのまま続行されるその行為。二つの物体が移動するたびに少し固い何かが背を這いずり回り、さらには明らかに近くなった三浦の口から出た熱い吐息が耳へと掛かる。

    226 = 1 :

     「も、もう、いいだろっ! 前は俺がやるからっ!」

     「……ふーん、わかったし」

     体を離してくれた隙に、急ぎ体の全面と頭を洗い、さらに急いでそそぐ。シャンプーが目に入るが、そんなものは気にしない。

     一刻も早く、この場所から立ち去らねばという思考が、今、この体を動かしている。そして泡が全部流れると。

     「はい、じゃあ、次はあーしね」

     「へっ?」

     ボディソープが染み込んだタオルを放り投げると、三浦は背を向けた。

     長い髪を前方へ追いやり、背中をさらけ出した。白く、透き通った肌と綺麗な肩甲骨が浮かんだ背中、前と変わらぬ色香を匂わしていた。

     唾を飲み込む。焦るな、さっきしていたことに比べればこんなの屁でもない。

     そう、自分に言い聞かせ、三浦の背中をタオルで優しく擦る。触れた瞬間、少し体が震えたが、その後は問題なさそうだった。

    227 = 1 :

     「い、痛くないか?」

     「あ、大丈夫、そのまま、そのままでいいし」

     そう言うと、三浦は慣れた手つきでその長い髪を洗い始める。

     「あ、あのさ?」

     「な、なんだよ?」

     「あーしの今ってさ、た、例えばよ」

     「た、例えば?」

     「あんたが、のしかかってきたら、あーしなんも出来ないよね?」

     そう言った三浦の顔は見えない。ただ、耳が真っ赤なのは、後ろからでも確認できた。

     俺は、背中を洗い続ける。ただ、無心で。そして三浦はボソッと、その言葉を呟いていた。

     「いくじなし」

     俺はその言葉を無視し、黙ってお湯をかけ、前の泡も流してやった。

    228 = 1 :

     風呂を上がったあと、小町、三浦、俺の三人でトランプで遊んでいた。

     ポーカー、大貧民、7ならべのあと、最後のババぬきを行っている。

     既に三浦は、勝ちを確定しており、俺と小町の一騎打ちを演じていた。

     「もうそろそろ、寝るか」

     俺は、小町から最後のペアを抜き取り、勝利をもぎ取った所でその提言を進言した。

     「ええー、もういっかい、おにいちゃんの勝ち逃げなんてずるいー」

     「また今度してやるから、今日はもう寝ろ、あした起きられなくても知らんぞ」

     「ぶーぶー」

     頬を膨らませて、抗議している小町を無視し、俺は三浦のほうへ向き直る。

    229 = 1 :

     「三浦……」

     「あーしは……」

     「「一緒に寝る」」

     「んだろ」

     三浦は驚き表情をみせる、俺が拒絶してくるのだと思っていたのだろう。

     「いいの……?」

     「お前、どーせ聞かねーだろ」

     三浦は嬉しさを顔全体で表し「うんっ、うんっ!」と首を縦に振りながら、満面の笑みを浮かべた。

     「あー、うん、やっぱ小町寝るわ、おやすみなさい、二人とも」

     そういうと、小町は照れくさそうにポリポリと頬を掻き、そそくさと退出していった。

     「俺らも寝るか」

     そう言うと俺は三浦の手を取り、俺の部屋へと向かった。

     その時、少しだけ、三浦の顔が曇ったのを俺は見逃さなかった。

    230 = 1 :

     その後、三浦を連れ、自分の部屋へと案内をする。正直、女の子を連れ込む、というか赤の他人を連れ込む事自体初めてだ。

     俺は部屋に入ると、ドキドキする鼓動に収まれと念じながら、すぐに自分のベットへと寝転んだ。

     「ほら、お前も寝ろ」

     「う、うん……」

     そう言うと、電気を消し、周囲が真っ暗になる。色々疲れたな今日は。

     しかし、その暗闇の中から衣擦れの音が聞こえた。あ、あのー三浦さん?

     「あ、あのさ、三浦、もしかして、お前、寝るときは……」

     「裸だし」

     そうですよねー、だいたい想像できました。

     そして三浦はベットに潜り込み、俺にしっかりと抱きついた。

     服の上からでもわかる女性特有の柔らかさと、甘い香りが俺を包みこむ。

    231 = 1 :

     「あのさ……」

     「なんだよ……」

     「あーしさ、正直に言うよ」

     「お、おう」

     三浦は真剣な眼差しで、こちらを見据えていた。今からいうことは、本音である。それを証明するように、それは本当に真っ直ぐだった。

     「あーし、さっきはあんたに襲われてもいいと思ってた、ううん、誘ってた、そして、今も」

     「お、おい、お前、それじゃまるでビッ……」

     「そーね、ビッチ。でもね、あーしがビッチなのは……あんたの前だけだけだし」

     三浦はそう言うと、耳元で囁くため、もしくは表情を見せぬために、体を引きよせギュッと抱きしめる力を強めた。

    232 = 1 :

     「あーしがあんたとそんなことしたいのはさ、あんたに恋をしているから。知ってる? 恋っていう字はさ、下に心がついてるんだよ」

     「……知ってるよ、そんなこと」

     「じゃあ、あんたはしたくないの? それともあーしの体に魅力がないの?」

     少しだけ、しかし確実に三浦の体が震えだしたのを感じた。不安、それが今の震えの原因なのだろう。

     俺は大きく息を吸い、呼吸を整えてから、言葉を紡ぎだす。

     「ばっかじゃねの?」

     「は?」

     「お前の体は十二分にエロいから、お前の綺麗な肌とか手を触ってるだけでドキドキするし」

     「お前の、その鎖骨とか肩甲骨とかもスゲー興奮する、む、胸なんか大きくて形も良くて、俺好みだし」

     「だから、だからさ、気にすんなよ……」

     今度は俺の方から、三浦の体を強く抱きしめてやる。

    233 = 1 :

     今度は俺の方から、三浦の体を強く抱きしめてやる。

     「手を出さないのは、お前のせいじゃなく、俺がヘタレなだけだから……」

     三浦の震えが止まった。どうやら、不安はなくなったようだ。しかし、次の瞬間――――俺はキレのいいチョップを受けていた。

     「い、いてぇよ」

     「ばーか、あーしの体がエロいって本当のことでも、そんな真面目に言われると照れるし」

     「あと、ヘタレだと思ってんなら直せし」

     「ご、ごめん」

     「あやまんなし……ばーか」

     三浦は、少し、抱きつく力を弱め、俺に向き合うとこう言い放った。

     「だーいすき!」

     「はいはい」

     「まーた、適当に返して、ふざけんなし」

     またチョップが飛んできた。だが今度は、それほど痛くなく、おかしな話だが、それからは心遣いが感じられた。

    234 = 1 :

     しかし、そんなふざけ合いをしていた俺らだが、俺の方が急な眠気に襲われる。大きなあくびをし、そしてまぶたが重くなっていく。

     「疲れた?」

     「疲れた」

     「そっか」

     三浦はそういうと、すこし優しげに抱きつき、眠りを誘うように、背中をポンポンと軽く叩いてくれた。

     「見ててあげるし、ゆっくり眠りなよ」

     「すまん……」

     「あやまんなし」

     その言葉を聞いたあと、本格的な睡魔が訪れる。まぶたが鉛のように重くなり、思考が闇に落ちていく。

     「おやすみ……」

     「おやすみなさい」

     最後に見たのは、三浦の優しい微笑みだった。

     わるくない、本当に……わるくない。

    235 = 1 :

    今日はこれで終了です。

    >>233
    これの一行目被っているけど、コピペミスです。すみません。

    それじゃ、また明日

    237 :


    なにこれ甘すぎて吐きそう

    >>219
    今回はということは・・・

    238 = 1 :

    >>237
    そこらへんはまだ決めてません。
    テンションが乗ったときは書くかもしれません程度で

    239 :


    243 :

    こんだけされて手を出さないヒッキーまじヘタレ

    でも目の前で美女が裸でいたら萎縮して何もしない自信はあるよな

    244 :

    >>239の母でございます。
    このたびは、息子がこのようなレスをしてしまい、皆様には大変ご迷惑を おかけしております。
    御手数をかけますがNGよろしくお願い申し上げます。

    245 = 239 :

    続きはよ

    248 :

    このスレのせいで糖尿病になった

    249 :

    すばらしい

    250 = 239 :

    縺吶?繧韻


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