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元スレ苗木「じょうずな絶望とのつきあいかた」

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「うぷぷぷぷぷ」
「松田くんったらこーんな研究してたなんてねー!」
「ま、失敗作みたいだけど、だーいじょうぶ!アタシが面白おかしくしてあげるよー!」
「どうなるか楽しみだなーっ!」
○●
戦刃「盾子ちゃんおはよ……」
江ノ島「おはよーお姉ちゃん!いやー今日もかわいいね!」ニコッ
戦刃「……」
戦刃「……!?」
江ノ島「天気もいいし!希望の朝ってやつだねー!」
戦刃「!?じゅ、盾子ちゃん……」
江ノ島「何ー?」
戦刃「な、何かあった……?それとも私何か悪いことした……?」
江ノ島「へ?お姉ちゃんこそどうしたのよ訳解んないこと言っちゃってさー」キョトン
戦刃「私のこと、かわいいって言ったり……き、希望の朝とか……」
江ノ島「トーゼンっしょー!アタシがこよなく愛するものはお姉ちゃんと希望だからね!」
戦刃「……」ゾ
江ノ島「ちょっと、リアクションがないと恥ずかしいよ……!」カァ
戦刃「ご、ごめんなさい……」
江ノ島「もう、早く食堂行こーよ!朝ご飯朝ご飯!」
○●
食堂
江ノ島「うーん」キョロキョロ
戦刃「どうしたの……?」
江ノ島「あ、いや苗木がいないなって思ってさー」
戦刃「……そういえば」
江ノ島「……ごめん!アタシ苗木の部屋行ってくるね!お姉ちゃん食べてていいよ!」タッ
戦刃「え……?」
○●
江ノ島「苗木ー!苗木ー!」ドンドンドンドン
ガチャ……
江ノ島「あ、やっと出た!」
苗木「……なんなの江ノ島さん?」
苗木「休日だってのに朝から不快な顔を見せつけて絶望を提供してくれるなんて……気を利かせてくれなくてもいいのに」
江ノ島「もう……またそんなこと言ってー!アタシは、ほら、苗木を見張んなきゃいけないからさー!」
苗木「キミは絶望的にバカだね。部屋から出てこない人間なんて見張る必要ないじゃないか」
江ノ島「え、だって……」
苗木「ま、その救いようのないバカさ加減もまた希望か。まったくヘドが出るね」
江ノ島「う、うう……バカバカって言わないでよ!とにかくさっさと出てきなってー!」
苗木「解ったよ。諦めるよ」
苗木「諦めの良さがボクの取り柄だからさ」
苗木「じゃちょっと待っててよ」
江ノ島「うん!」
戦刃(……な、何あれ……どうなってるの……!?)コソコソ
戦刃(盾子ちゃんだけじゃなく苗木君もおかしいよ……!)
○●
江ノ島「……」
江ノ島「…………」
江ノ島「……遅いよ!何やってんの苗木ー!」ドンドン
ガチャ
苗木「江ノ島さんまだいたんだ?」
江ノ島「いたよ!苗木が出てくんの待ってたよ!」
苗木「いや気が変わってさ。今日は一日いかに何もしないで時間を殺せるか挑戦してみようと思ったんだ」
江ノ島「何よその無意味な試み!?アタシを放置して勝手な挑戦しないでくんない!?」
苗木「ギャンギャンギャンギャンわめかないでよ。ほらエサならあげるから」ポイッ
江ノ島「わーいホネだー!っておかしいでしょ!アタシは犬じゃないっての!ていうかなんでそんなもん持ってんの!?」
苗木「うわ、絶望的なノリツッコミ……」
江ノ島「……及第点っしょ……」カァァ
江ノ島「……とにかくさっさと出てきてよー!アタシがアンタの絶望にとことん付き合ってやるんだから!」
苗木「キミ話聞いてた?ボクは今日何もしないことに忙しいんだよ」
江ノ島「ほんとにやる気なの!?というかさっき諦めるとか言ってたのに!」
苗木「諦めたのはキミの頭の悪さをだよ」
江ノ島「またバカにする!」ウルッ
苗木「あれ?泣くの?」
江ノ島「な、泣かない!泣かないし、諦めない!」ゴシ
苗木「じゃ、キミが諦めるのを諦めて、行こっか」
苗木「……首輪つける?」
江ノ島「犬じゃないってば!」
○●
食堂
江ノ島「お待たせお姉ちゃん!」
戦刃「……全然、待ってない……」アセアセ
苗木「……そうだね、さっきまでボクらを見てたもんね」
戦刃「!?」
苗木「バレバレだよ。戦刃さんそれでも軍人?まあ、超高校級の才能なんてこんなもんか」
戦刃「な、苗木君……?」
苗木「何?残念な軍人さん」
戦刃「ざ、残念……」ガーン
○●
江ノ島「ちょっとお姉ちゃん虐めないでよね!」
苗木「キミさ、いい加減学習したら?ボクを連れ回すってことはこういうことなんだよ」
江ノ島「何かっこつけてんのよ!苗木が口に気をつければ済む話じゃん!」
苗木「言葉や行動に気を払ってもさ。ボクは結局絶望を希望してるからボクの幸運が他人の絶望をもたらすんだよ」
苗木「自分自身の絶望は運んでこないところがまた絶望的だよね」
江ノ島「……苗木がどんだけ絶望的でもアタシがなんとかする。そのためにアタシがいるんだから!」
苗木「そうなの?」
江ノ島「そうなの!」
苗木「ふーん、まあがんばってよ。キミの気色悪い希望はボクに絶望をくれるからさ」
江ノ島「ぐぬぬ」
○●
桑田「なあ山田」
山田「なんですかな?」
桑田「なんか今日変じゃね?あの二人」クイッ
山田「まあ確かに……」
山田「今更二人仲良く一緒におられることに違和感はないですがねー……なーんか様子がおかしいような」
桑田「おし、ちっと探りいれてみようぜ」
山田「えー僕としては嫌な予感がするんであんまり関わり合いになりたくないんですが……」
桑田「うっせ!行くぞブーデー!」
山田「仕方がありませんな……」
桑田「うーっす。どーなんだよお前らその……最近は」
山田(不自然極まりない入りですな)
江ノ島「最近?絶好調だけど?むしろ生まれた時から希望に満ち溢れてるけど!」
苗木「よくそんな頭のネジが緩いのをアピールするような台詞が吐けるね」
江ノ島「う、うっさいなー!」
桑田「おい、山田、やっぱこいつら変だぞ」ヒソヒソ
山田「……ですな。なんだか二人とも気持ち悪いですぞ……」ヒソヒソ
桑田「もう少し話してみるか」ヒソヒソ
桑田「……俺は二人がどーなのか訊いたんだけどな。もしかして上手くいってねーとか?」ハハ
江ノ島「二人……?あ、あーそりゃあ、えーと普通よ普通!」
苗木「こんな売女と……むぐ」江ノ島「とにかくっ!普通だってば!」
山田「なんか売女とか聞こえましたが……」ヒソヒソ
桑田「オイオイ苗木が言わなそうな台詞ナンバーワンだろ何があったんだ」ヒソヒソ
山田「普通に考えると江ノ島盾子殿が何かしたんでしょうが……」ヒソヒソ
山田「彼女の方も何やらおかしいですからな……」ヒソヒソ
江ノ島「ねー、さっきからヒソヒソヒソヒソ何話してんのー?」ム
山田「な、なんでもありませんぞ!」
桑田「お、おー!なんでもねーって!」
江ノ島「怪しいなーっ?」ムム
桑田(お前に言われたくねーよ!)
苗木「江ノ島さん……ほんと空気読めないよね察してあげなよ」
江ノ島「えっ!?」
苗木「ほら、そこの二人は【そういう関係】なんだよ」
山田「そ、そういう関係とはもしや……?」
桑田「……は?ふざけんじゃねーって!何を察してくれちゃってんだよ!」
苗木「人種差別するつもりはないけどボク自身はそういう趣味ないし遠くから応援させてもらえないかな?」スス
桑田「アホか!何マジに後ずさりしてんだ殺すぞムカつくんだよ!!」
江ノ島「え、えーと、どゆこと?」
山田「なぜか無垢な方がいたーッ!?ほんとになぜなんでしょうかね!?」
苗木「ボクもう行くよ。その、ストレートには言えないけど、あまり同じ空気を吸いたくないっていうか……」
桑田「ストレート過ぎるだろっ!170キロは出てるっつーの!」
山田「僕は二次元にしか興味ありません。これだけははっきりと真実を伝えたかった」
苗木「じゃ」タッ
江ノ島「あ、待ってよー!よくわかんないけど、がんばってね二人とも!」タッ
桑田「がんばらねーよ!何もがんばることねーから!」
山田「がんぼ」桑田「うっせーアホ!!」ゴン
山田「あだだ……」ポロッ
桑田「お……丁度いいもんが……」ヒョイ
山田「ぼ、僕のぶー子ちゃんカメラ!やめてくだされ一体何しでかすおつもりで!?」
桑田「おらあっ!」ブンッ ヒュッ
山田「ぎえええええ!!」ガビーン
江ノ島「苗木ケータイ落ちたよ!そこ!」
苗木「解ってるよ気づかないはずないでしょ」スッ
ガラッ
十神「何を扉の前で膝をついている苗木。邪魔だぞ」
ヒュン
ゴシャアッ
十神「……」ドサッ
桑田「あ」
腐川「びゃ、白夜様ぁぁぁぁ!!」
山田「ぶー子ちゃあああん!」
霧切「……」
○●
霧切『戦刃さんに頼まれた通り尾行しているけれど……やっぱりおかしいわねあの二人』
戦刃「……うん、何があったのかな……」
霧切『とても演技とは思えないし、それをする意味もない……考えられるのはなんらかの超高校級の技術ね』
戦刃「超高校級の技術……」
霧切『心当たりがあるわ。私は尾行を続行するから戦刃さんはそちらをあたってくれる?』
戦刃「心当たりって……?」
霧切『超高校級の神経学者よ』
○●
苗木「いや、いいものが見れたね。ツイてたよ」
江ノ島「どこがよ!桑田とか近々十神に訴えられそうでしたけど!?」
苗木「自業自得じゃないか」
江ノ島「そうかもしれないけど……」
苗木「大体ボクは何もしてないよ」
江ノ島「でも、苗木は」
苗木「そうだね。ボクは困ったことに何もしなくても望み通りになる“絶望的幸運”だから」
苗木「これはボクの望んだことなのかもしれないね」
苗木「運だけでなんでも上手くいくなんてほんと絶望的な人生だよ」
江ノ島「それは違うよ!」
苗木「ん?」
江ノ島「苗木の人生には、アタシっていう希望がいるじゃんっ!」フフン
苗木「……」
苗木「そうだったね。それがまた絶望的だね」
江ノ島「どういう意味よそれーっ!」
苗木「いや、キミの希望のきちんとした評価だよ」
苗木「キミの希望は、ボクにとって最悪だ。だからこそ最高に絶望できる」
江ノ島「……天の邪鬼。素直に希望を希望すればいいのに」
苗木「それが出来てたら幸福になれただろうね。幸運じゃなくてさ」
江ノ島「そういう風にアタシがしてあげるよ!アタシにはそういう未来だって見出せるはず!」
苗木「キミの“希望的観測”か」
江ノ島「アタシは人とか物のいいところを見つけるのが超得意だからねー!」
苗木「ボクのような絶望に希望を見出すって?」
江ノ島「楽勝だってー!ほら、苗木がどんなに絶望的な絶望でもいいところはあるよ!」
江ノ島「髪のはね方がカワイイとこでしょ!あと背がちっちゃくてカワイイとこでしょ!あとあと童顔でカワイイとこでしょ!あとあとあと……」
苗木「もういいよ」
江ノ島「アタシのこと好きでいてくれるところ!」
苗木「……」
苗木「希望ってやつは傲岸だねまったく」
江ノ島「……でもほんとでしょ?」
苗木「……絶望的なことにね」
○●
セレス「……あら、お二人ともまた仲がよろしいようで」
江ノ島「あ、セレス!どこ行くの?」
セレス「娯楽室へ向かうところです」
江ノ島「もしかして例の彼?」
セレス「……狛枝君のことなら今日は約束していませんが、やはりあそこが落ち着くので」
江ノ島「よし、アタシ達も行こう!」
苗木「なんでそうなるかな」
江ノ島「苗木をぎゃふんと言わせてやる!」
苗木「あのさ、他のことならともかくギャンブルでボクに勝てると思ってるの?」
セレス「あら、今日の苗木君は随分と自信家のようですわね」
苗木「自信というより確信だよ。ボクから見たら他人のツキなんて砂粒みたいなものだし」
セレス「……言いますわね。では、わたくしも手合わせ願いましょうか」
○●
娯楽室
苗木「もうやめようよ。つまんないって」
セレス「……ここまで負け込むのはツイてる時の狛枝君以来ですわね」
セレス(……やはりおかしいですわね。性格も……才能の性質まで変わっているとは)
セレス「苗木君、一体何があったのですか?」
苗木「何もないけど?ただ絶望的にツイてるだけだよ」
苗木「超高校級のギャンブラーであるキミ以上にさ」
セレス「くっ……」
苗木「やっぱり超高校級の才能なんてクソの役にも立たないんだよ」
江ノ島「そんなことないよ!アタシだって何回か勝てそうだったもんねー!」
苗木「何度勝てそうなことがあっても全部結果は同じだよ」
江ノ島「いや!あれはマジに勝てそうだった!あれをああしてもう一ひねりすれば勝てるね!」
苗木「……」
江ノ島「んじゃ次何やろっかー!なーんか楽しくなってきちゃったよー!」
セレス「江ノ島さん……」
苗木「……じゃあ、次からは罰ゲームを設けよっか」
江ノ島「え?それ、やだ」
○●
生物学棟
戦刃「……」
戦刃(松田君、ここにいるかな……)
七海「戦刃さん」
戦刃「!」ビクッ
戦刃「七海さん……?どうしてこんなところに」
七海「……人に会いに来てね。戦刃さんは?」
戦刃「私も人に会いに……」
七海「……」
七海「……もしかして、江ノ島さんに何かあった?」
戦刃「え、なんでそれを……?」
七海「私が会った人、超高校級の神経学者なんだ」
戦刃「!……松田君に会ってたの!?」
七海「……うん。彼は私にとって大切な人の一人だから」
戦刃「え……?」
七海「それでね、松田くんが言ってたんだ。研究データの一部が盗まれた形跡がある、堂々とこんなことするのは江ノ島さんしかいない、って」
戦刃「その……盗まれた研究データって……?」
七海「……」
七海「……人格修正の研究、だよ」
戦刃「人格修正……!?」
七海「……うん」
七海「……詳しいことを話す前に、何が起きたのか聞いてもいいかな?」
戦刃「……」コク
戦刃「それが……」
○●
苗木「さ、行くよ江ノ島さん」
江ノ島「……」
苗木「返事は?」
江ノ島「……う、うん」
苗木「違うでしょ?」
江ノ島「……うう……わん!」
セレス「申し訳ありません江ノ島さん。わたくしでは苗木君を止められませんでしたわ」
苗木「いやセレスさん江ノ島さんを生け贄にしたよね?ドベになって罰ゲーム喰らわないように」
江ノ島「ええ!?ひどいよセレス!」
苗木「江ノ島さん」
江ノ島「わ、わん」ジワッ
苗木「犬として鳴いてほしいのであって人間みたいに泣けなんて言ってないよ?」
江ノ島「泣いてなんかないって!」ゴシ
苗木「いいからさ、なんで人語話してるのかな」
江ノ島「やっぱりやだよおかしいよこんな罰ゲーム!」
苗木「あれ?江ノ島さん約束破るの?」
江ノ島「うぅ……わん」
苗木「それでいいんだよ。じゃあ散歩にでも行こうか」
江ノ島「……わん」
セレス「ごきげんよう」
セレス(わたくしらしくないやり方でしたがこれで女子会の時の件は忘れてあげましょう)
○●
舞園「あら、苗木君江ノ島さん!」
苗木「舞園さんか。ほら江ノ島さん」
江ノ島「……」
舞園「?」
苗木「どうしたの?ほら挨拶しないと」
江ノ島「……わ、わん」ボソッ
舞園「えっ」
苗木「ほら舞園さんよく聞こえなかったみたいだよ?」
江ノ島「わんっ!」ウルウル
舞園「……あの、苗木君……これはその、どういう……?」
苗木「江ノ島さんはボクの犬なんだよ」
舞園「い、犬……?」
苗木「ほら行くよ」スタスタ
江ノ島「……わん……」トボトボ
舞園「苗木君……ああいうのが……」
○●
江ノ島「もう十分でしょっ!?」
苗木「何勝手に喋ってんのかな」
江ノ島「もう終わりでいいじゃん!今日ずっとやるなんて言ってないしっ!」
苗木「すぐやめるとも言ってないんだけど……しょうがないな」
苗木「いいよ、話して。もっとも話す言語が人語になったところで頭は犬と変わらないけどさ」
江ノ島「失礼過ぎるよ!」
苗木「犬に?」
江ノ島「アタシにっ!!」
江ノ島「犬よりは頭いいよアタシ!」
苗木「言ってて悲しくならないの?」
江ノ島「悲しいよ滅茶苦茶ーっ!」ウルッ
苗木「また泣くの?勘弁してよこのくらいで」
江ノ島「泣いてないってば!」ゴシゴシ
江ノ島「泣いてないし負けないから!」
苗木「はいはい」
江ノ島「……お腹すいた。食堂いこ?」
苗木「まだ昼には早いけど?やっぱり犬以下なんじゃないの」
江ノ島「苗木のせいで疲れたのようっさいなーっ!」
○●
七海「……なるほど」
戦刃「それで、盾子ちゃんが盗んだ松田君の研究の詳細は……?」
七海「……それはね、さっき言った通り人格を修正する修正する装置なんだけど」
七海「これは、人格の修正対象となる人物の他にもう一人必要なんだ」
戦刃「もう一人……?」
七海「うん。修正の指針を決定づけるために人格データを参考にする人物が……つまりモデルが必要なの」
七海「装置はモデルの人の人格データを参考にして対象の人格を書き換えるんだ」
七海「簡単に言うと、人格修正を受けた人はモデルの人と類似した人格になるってことだね」
戦刃「そんなことができるんだ……」
七海「江ノ島さんは装置のモデルが必要、ってとこに着目して……」
七海「装置が一対になった、相互に人格を参考にして相互に人格修正を行うものを作ったんじゃないかな?」
戦刃「ええと、それってつまり……」
七海「キャラクターの交換装置、だね」
○●
江ノ島「よし!ご飯も食べたしデート行こデート!」
苗木「なんでそうなるのかな?」
江ノ島「ほらアタシ達一応付き合ってるってことになってるし!」
江ノ島「希望ってさ、きっとデートにあるよ!苗木には希望を味わってもらわないとねー!」
苗木「絶望的に短絡的だね」
苗木「一応訊くけどどこ行くつもり?」
江ノ島「公園!」
苗木「今時公園デートって……キミほんとに超高校級のギャル?」
江ノ島「だ、だって……じゃあどこ行くのよ?……え、映画館とか遊園地とか……まだ早いじゃん」
苗木「どういう基準なのかな?」
江ノ島「もーっ!とにかく行くよ!」
苗木「いやだよ」
江ノ島「いやだって言ったって連れてくから!」
苗木「そういうのはデートって言わないよ。連行って言うんだよ」
江ノ島「じゃあ連行する!」
苗木「そんなものに希望も何もないよ」
江ノ島「もー!じゃあ同意してよー!何が不満なのよー!」
苗木「何が嬉しくてキミなんかと公園なんかに行かなきゃいけないの?」
江ノ島「なんかなんかって……なんか失礼だよ!」
苗木「公園に?」
江ノ島「アタシにもっ!!」
江ノ島「とにかく行くまでうるさくつきまとうからね!」
苗木「解ったよ……諦めるよ」
○●
戦刃「……だから盾子ちゃんが希望を抱いてて、苗木君が絶望に……」
七海「……完全な性格交換じゃないけどね。話を聞く限りだと記憶も都合の良いように修正されてるみたいだし」
戦刃「それで……どうすれば元に戻るの……?」
七海「……」
七海「寝て起きた頃には元に戻る……と思うよ?」
戦刃「そ、そうなの……?」
七海「……脳とかをいじるんじゃなくて、催眠術に近い仕組みだからね」
七海「元々この装置はどうがんばっても修正が一日と維持できない上に、二度目以降の修正が効かないからお蔵入りになった……らしいよ?」
戦刃「……よかった」ホッ
七海「……だから、教えに行かなきゃね」
戦刃「えっ……?」
七海「霧切さんが尾行してるんだったら、居場所は解るね」
戦刃「待って、七海さん……教えるって……?」
七海「だって、このままじゃ今の江ノ島さん達は何も知らないまま消えちゃうんだよ?」
戦刃「消え……る……?」
七海「元に戻るって、そういうことだよ」
戦刃「そっか……そうだよね……でも、そんなこと、知らない方が……」
七海「何の覚悟もできないまま消えるなんて、ダメだよ」
七海「向き合うことで、できることもきっとあるのに」
戦刃「……そうだね……」
七海「……私から言う?」
戦刃「ううん……私が言う」
戦刃「お姉ちゃんだから」



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