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    元スレ八幡「俺と奉仕部のその後」

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    152 = 25 :

    今回はなんかすいません

    戸塚と八幡が険悪な関係になるシーンが全然想像できず時間かかってしまった上クオリティも微妙かも
    ただあの八幡がかわいい男という理由だけで戸塚と仲良くしてるのがなんか違う気がしたからこんなんなってしまった
    当然二人をこのままにするつもりは無いんで続き楽しみにしていただければ幸い

    153 :

    おつ
    >>ただあの八幡が~
    に関してはめっさ同じ事思ってた

    154 :


    ええやん

    155 :


    なんでそこで俺たちは友達だって言えないのか…いやそれが八幡だってわかってはいるんだが戸塚を泣かせた罪は重いぞ

    次回に期待だわ

    156 :

    追い付いた
    原作じゃなかなかなさそうだけどあり得なくない展開いいね

    157 :


    変な言い方だが凄く八幡っぽいな

    160 = 25 :

    『人間はいつになったら正しい道を選択できなかったという負い目から、自由になれるのだろう』



    何かのミステリー小説に、そんな文句が書かれた帯がかけられているのを目にしたことがある。

    「いつになったら自由になれるのだろう」と、疑問形でこの一文は締められているが、当然答えを求めているわけではない。
    この文の真意はこうだ。


    『人間は一生、正しい道を選択できなかったという負い目からは、自由になれない』

    161 = 25 :

    この一文で言う『正しい道を選択できなかったという負い目』と『後悔』は似て非なるものだ。

    『後悔』という行為は、現状を受け入れるまでの過程のようなものだと思う。


    人は後悔せずに生きることはできない。
    もちろん間違った選択がいい結果をもたらすことも往々にしてある。
    ソースは最近の世界○天ニュース。

    だが、そんな幸運はめったに起こりえない。

    162 = 25 :

    あの時こうしていれば、あの時ああしていたら。



    そんな風に仮想の、理想の世界に一時的に自分の思考を逃がすのが後悔だ。
    しかし、仮想は仮想。理想は理想にすぎない。


    それでも、後悔することが悪いことだとは思わない。
    そんな空想の世界に逃げなければやっていけないことくらい山ほどあるだろう。
    一説では、後悔という行為には、辛い現状から、自身を乖離させることで精神のバランスをとる効果があるらしい。
    そうして、いずれ受け入れなければいけない現実に備えるのだそうだ。
    それに、後悔は教訓になる。

    163 = 25 :

    だとすれば、『負い目を感じる』とは言わばよけいな荷物を背負う行為なのだと俺は思う。


    「あの時どうしてああしなかったのだろう」などと、自責の念にとらわれ、理想するだけにとどまらず現実でも自分の心の負担としているのだ。

    そんなものを背負ったまま現実を迎えて、それまでと同じように前に進めるだろうか。
    答えは否。
    荷物はあるよりも無い方が早く前へ進めるのが道理だ。
    背負うものが大きい方が強いなどというのは、バトル漫画の世界の中だけだろう。

    164 = 25 :

    『人間は一生、正しい道を選択できなかったという負い目からは、自由になれない』

    それならば、最初から背負わなければいい。


    いくら後悔してもいい。
    だが俺は、負い目などという余計な荷物は持たずに置いていく。
    そんなもの背負い始めたらきりがない。



    今回も、後悔して、空想して、それでも現実を受け入れて、いままでと何も変わらずに、一人で……

    165 = 25 :


    【4】やはり彼との青春は間違っていた(後)

    166 = 25 :

    「ただいま」


    玄関を開けた直後に、階上からドタドタと足音が聞こえてくる。

    「あー、やっと帰ってきた!もう、遅いよお兄ちゃん!小町お腹すいた!」

    壁の影からひょこっとしかめた顔を出して、小町は俺を迎えた。
    なんでお前はまた俺のシャツを着てるんだ。
    あとズボンはけズボン。
    最近寒くなってきてるんだから、女の子が腰冷やしちゃいかんでしょう。

    167 = 25 :

    「遅くなるから先食ってろってちゃんとメールしただろ」
    「でもでも、小町はお兄ちゃんとごはん食べたかったし。今の小町的にポイント高……」


    小町は何かに気づいたかのように言葉を切ると俺の顔を覗き込んで鼻をスンスンならしてる。
    お前は犬か。かわいいじゃねぇか。


    「何してんの、お前」
    「む~、お兄ちゃん戸塚さんと遊んできたんじゃないの?」
    「怖いんだけど。なんでしってんだよお前普通に怖いんだけど」
    「や~、お兄ちゃんが部活も無いのに遅くなるって言うから、ここは妹として探りをいれないわけにはいかないでしょ」
    「妹としてもっと家族のプライベートを大事にしろよ」

    168 = 25 :

    「そんなわけで小町はお兄ちゃんが結衣さんと放課後デートでもするんだろうとあたりをつけて結衣さんに激励のメールを送ったわけです」
    「ねぇ話聞いてる?妹ならもっとお兄ちゃんの言うことに耳を傾けてもいいでそ?」
    「ところが結衣さんは心当たりがないと。聞くと戸塚さんと教室出て行くのを見たと言うじゃないですか」
    「聞けよ」
    「でもその割にはテンション低くない?いつもなら戸塚さんが関わると目ギラギラさせて『戸塚がー戸塚がー』って聞いても無いことしゃべってきてすごい気持ち悪いのに」
    「ごめんな?謝るから人の話を聞いてくれ」

    169 = 25 :

    「あと戸塚さんが使ってる制汗スプレーの匂いがしない!」
    「その変態っぽい発言はすごくポイント低いんだが……なんで俺から戸塚の使ってるスプレーの匂いがすると思ったんだよ」
    「戸塚さん小町のと同じの使ってたから覚えてたの!それに匂いって結構人に移るんだからね!」


    なるほど、戸塚が男なのにいい匂いするのはそのためか。
    相変わらずそこらの女子より女子力たけーな。
    まぁ、もう関係ないけどな。

    170 = 25 :

    「今日は使ってなかったってだけだろ。部活も無かったみたいだし」
    「ふーん、そっか。で、なんかあったの?」
    「別に……いつも通り」


    嘘は言っていない。
    いつも通り、一人に戻っただけ。
    小町の言うように「戸塚が、戸塚が」とあれこれ話してもよかったが、その程度でごまかせるとは思えない。
    それに、嘘を重ねるより黙秘を貫く方が楽で安全だということを俺は知っている。

    171 = 25 :

    「ふーん……ま、いっか。ごはん食べよ。小町腹ペコ」



    釈然としない様子ではあったがそれ以上は聞いてこなかった。
    さすがは妹、兄の地雷の場所がわかってる。
    もういっそのこと処理してくれないかと思うが、地雷とはつまりトラウマなのだから場所が分かったところで掘りおこすことはできても不発のまま除去することなんて特殊な技術がないと無理だ。
    というか、正直他人には不可能だ。


    人によって、出来事によって、時期によって、埋まり方も爆発のタイミングも処理の仕方も違うのだからたちが悪い。
    その上普通の地雷とは違い爆発させてよしOKというわけでもない。

    172 = 25 :

    そう考えると世のいわゆるカウンセラーのような業種の人たちはすごい。
    と言っても俺はそういう人たちを全然信用してないんですけど。


    ちょっと人の心理を勉強した程度でその人の抱える傷を癒そうだなんて傲慢だ。


    そもそもトラウマなんてのは人に克服してもらうものではなく、自分が過去のその出来事とどう折り合いをつけて生きていくかだと思う。
    俺もよくトラウマだの地雷だのと過去の出来事を他人に話すことはあったが、それもそれらの出来事が話したところでどうでもいいことだということで自分なりに決着をつけてきたからだ。

    173 = 25 :

    そこまで考えて気づく。


    じゃあさっき小町に今日のことを話したくなかったのは?

    戸塚に修学旅行の時のことを話せなかったのは?



    そういえば最近人に話せなくなったことが増えた気がするな。
    いや、折り合いをつけるまでに時間を要することなんてこれまでにいくらでもあっただろう。
    今日のことも、修学旅行のことも、これまでのことも、全ていつか笑い話になる。
    話す相手がいるかはまた別だが、その時は小町にでも聞かせてやればいい。
    小町なら相手にしてくれるだろう、おそらく。
    いや、多分、きっと、もしかしたら、うん。

    174 = 25 :

    ・・・・・・・・・・・・・・・・

    翌日、駐輪場に自転車を置き昇降口に向かうと、生徒たちが制服姿で行き来する中に一人、黄緑色のジャージを着た文字通り異彩を放つ人物が靴箱に寄り掛かって立っていた。
    ふぅ、と思わずため息をついてしまう自分に気づき、やはりどこかいつも通りではない自分を落ち着かせる。

    175 = 25 :

    彼はおそらく俺を待っている。
    落ち着け、脳内シミュレートだ。
    俺のようなぼっちは常人より脳内シミュレートに長けている。
    なにせ女子に一声かけるだけでも少なくとも数回のシミュレーションが必要なのだ。
    脳内にとどまらず練習で女子の名前をボソッとつぶやくまである。
    そしてそれが相手に聞こえてしまい「何こいつ私の名前つぶやいてんの?キモっ」ってなる。
    今こそ本気を出す時だ。



    ~シミュレーション開始~


    戸塚、俺に気づく。
    控えめに挨拶してくる戸塚。

    『あ……は、八幡……おはよ……』
    『うす』

    何事もなかったかのように軽く挨拶を交わしすっと立ち去る俺。


    ~シミュレーション終了~


    OK、超クール。
    どっかの連続殺人鬼も『クゥゥゥゥゥルだよ、あんた!』と叫ばずにはいられないだろう。

    176 = 25 :

    「あ、おはよう、八幡!」
    「っ!……お……うす」


    ……現実は非情である。

    よく考えたらシミュレーション通りに言ったことって数えるくらいしかなかったわ、てへっ。
    大抵名前呼ぶ時点で噛んで『こいつ何言ってんの?』みたいな目で見られる。
    シミュレーションが逆にプレッシャーになってるんだよな、悲しいことに。


    それから誤算が二つあった。
    一つは、戸塚の目に泣いた跡が残っていたこと。
    もう一つは、戸塚がそれでも笑っていたこと。


    とりあえずこれ以上動揺してる姿を見せたくなかったので立ち去ることにする。
    比企谷八幡はクールに去るぜ。
    全然クールじゃないけど。
    むしろフールだけど。

    177 = 25 :

    戸塚の横を通り過ぎたところで、制服の袖に抵抗を感じた。
    その手は、いつものようなおびえるかのようなつまみ方ではなく、行かすまいと力強く袖をつかむ。


    「ボクは諦めないよ、八幡」


    振り向くと、彼は目をわずかにうるませながら、それでもやはり笑っていた。


    「わからん。お前を傷つけた相手だぞ」
    「友達でもそういうことくらいあるよ」
    「俺はお前を……そうは思ってない」
    「なら、今から友達になってよ」


    わからない。

    178 = 25 :

    「傷つけて、傷つけられて。そんな関係のどこがいいんだ?」
    「傷だってその『友達』と関わった証になる」


    戸塚がゆっくりと、つかんでいた袖を話す。


    「それに、友達は傷つけあうだけの関係じゃない。ボクが教えてあげる」


    そう言って、彼はゆっくりと右手を差し出してきた。


    「八幡も昨日のことを気にする必要なんてない。ボクはなんて言われても、八幡から離れないから」


    戸塚は、自分を裏切った相手に対してそんなことを言ってのけた。

    179 = 25 :

    小学生のころ、俺は涙を流すことが多かった。
    別に、周りの子供に比べ泣き虫だったわけではない。
    むしろ我慢強い子供だったように思う。
    それでも泣くことが多かったのは、涙を流すような出来事を多く経験してきたからに他ならない。
    無論、一人がつらくて泣くことが多かったのである。


    今となってはぼっち至高主義の俺だが、当時の俺には、周りの人間に見限られて、見放されて、裏切られて、そうして出来上がった一人ぼっちの環境は相当こたえるものだった。


    しかし、そんな涙もいつからか流れなくなった。



    俺は、一人で生きていけると。
    味方なんか自分には必要ないと。
    いつの間にかそうして自分をごまかして生きるようになった。
    結果、嫌なことが体に溜まっていき、目も心も澱みきってしまった。
    そうして出来上がったのが今の俺だ。


    最後に涙が汚れを流してくれたのはいつだっただろうか。




    数年ぶりに目に水分がたまり、こぼれていく。
    昨日、戸塚に別れを告げた時の汚れが綺麗に流されていくのを感じた。

    180 = 25 :

    「八幡でも泣くことあるんだね」
    「っ!泣いてねえよ!」


    戸塚の言葉で我に返り目元をごしごしと拭う。

    「八幡のこんな表情見れたのはこの学校じゃきっと僕くらいだよね」



    戸塚は、それはもう本当に嬉しそうに、満面の笑みで、そんなふざけたことを言った。





    あぁ、俺の負けだ。
    彼は何を言っても折れないだろう。
    俺は彼の笑顔を見て折れてしまった。



    彼の手をつかもうと右手をゆっくりと伸ばす。
    もう、ゴールしてもいいよね――――――

    181 = 25 :










    「あ!ヒッキー、さいちゃんやっは……えぇ!?ヒッキーどうしたの!?なんで泣いてんの!?」











    ……おい。

    182 = 25 :

    「なんなのお前、馬鹿なの?空気読めよ。てか誰?」
    「えぇ!?」
    「由比ヶ浜さん空気読んでよ」
    「さ、さいちゃんまで!?」
    「空気を読むのがあなたの唯一の特技だったでしょう?それもできず空気を吸って吐くことしかできないならそこらの空気清浄器の方がよっぽど有能よ、由比ヶ浜さん」
    「ヒッキーうっさい!てか真似すんなし!微妙に似てるのが本人に言われてるみたいで傷つくからぁ!てかホントにどうしたの!?よく見たらさいちゃんも目はれてるし、お腹痛いの!?」
    「うるせぇよ、お前と一緒にすんなよ。てか見るんじゃねえよ。見ていいのは小町と戸つ……」





    『それ』は時に友情の証として友達との間で交わされる。

    183 = 25 :





    「見ていいのは、小町と……彩加だけだ」





    くだらない。
    呼び方一つで変わる関係が絶対の関係と言えるはずもない。
    でも、気分は悪くない。
    ちょっと恥ずかしいけど。
    そんな恥ずかしさも彩加の嬉しそうな顔を見れたのだから、些細な犠牲だ。

    184 = 25 :




    「ひ、ヒッキー、さいかって!?」
    「もういいよ、行こうぜ、彩加」
    「うん!八幡!」
    「もう!なんなの!?」






    彼との青春は間違っていた。
    後悔し、ああしとけばよかったと空想したりもした。

    185 = 25 :

    しかし、間違いがいい結果をもたらすことも往々にしてある。
    ソースは最近の世界○天ニュース。
    ある報道官の憶測と思い込みで発言するという報道官として間違った行為が平和的解決をもたらしたというあれだ。
    ベルリンの壁崩壊の裏にあんな出来事があったなんてな。



    そして新たなソースも今日入手した。




    だが、そんな幸運はめったに起こりえない。




    だから、少なくとも彼との青春だけは、これからは間違えないようにしよう。









    この後悔を教訓に、絶対に

    186 = 25 :

    ここまで
    次回番外編予定

    187 :


    ヒッキーに友達出来たら、奉仕部に所属する理由大半無くなるんだよなぁ
    ゆきのんが拒絶した理由それじゃないかとちょっと思った

    188 = 25 :

    今回特定業種の人を馬鹿にするような(?)描写がありましたが本意ではありません
    所詮二次創作だからって感じで軽いノリで聞き流してください

    あと最初の方に出てきた「後悔は一説では~」のところも思いついたことを都合の良いようにもっともらしく書いただけなんで人に話す際はよく調べてからでオナシャス

    189 :


    すごくいいと思います

    190 :

    用務員をボロクソに貶した漫画化だっているんだ
    気にしなくてもいいさ

    191 :

    海老名さん驚喜。

    192 :

    仲直りできてよかったぁ

    193 :

    なら次は隼人君だね

    194 :

    もしかして>>1某サキサキSS見てた?

    195 :

    >>194
    おそらくあれのことだろうと思われるSSは読んでました

    196 :

    おつ

    197 :

    マグナムとソニックってどっち早かったん?

    199 :

    ソニックに決まってんだろ

    200 :

    どこだここ…小町はどこだ


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