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    元スレ禁書「とある幸福の上条当麻、はっじまるよー」上条「ウソつけ!」

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    101 :

    これって女子たちからすれば誘ったもん勝ちじゃね?

    103 = 102 :


    都市伝説、いわゆる「友達の友達から聞いた話なんだけど」の様な定型句から語られるうわさ話の俗称である。


    曰く、『どんな能力も効かない能力を持つ男』

    曰く、『脱ぎ女』

    曰く、『空き地のカミキリムシ』

    曰く、『幻想御手(レベルアッパー)』


    どれも一笑に付される稚拙な与太話だが、多感な学生が人口の多数を占める学園都市では、話題性として十分だった。

    そして八月十五日、突如として都市伝説が現実を侵食する。


    曰く、学園都市では秘密裏に人間のクローンを研究している。

    曰く、それは軍事利用が目的だ。

    曰く、軍用クローンの素体は学園都市第三位の超能力者『超電磁砲』である。


    しかし実態は唯々諾々と殺されるだけの、哀れな実験動物を生み出すプロセスに過ぎない。

    英雄譚にはヒーローとヒロイン、そして圧倒的な悲劇が不可欠だ。どれか一つでも欠けてしまえば成り立たない絶妙のバランス。

    悲劇は起こった。絶望に彩られるヒロインも準備万端だ。だが――


    104 = 102 :


    禁書「弱い! 弱すぎてお話にならないんだよ とうま」

    上条「俺は弱くねえ! お前が非常識なだけだ、このバグキャラめ!!」

    禁書「原典は持ってりゃ嬉しいコレクションじゃないんだよ? 容赦なく振るってこそ真価を発揮する戦略兵器かも」ニッコリ

    上条「アホかっ! 人間相手に使うとかオーバーキルにも程があんだろ!?」

    禁書「御託はいらない。これ以上フラグを建てられないよう、半年ばかり入院していて欲しいんだよ」

    上条「あの先生をして半年!?」ガビーン

    禁書「全身に黒い発疹が浮き出て、カラダの穴という穴から出血して苦しみのうちに絶命する術式を…」

    上条「ちょっと待てー!? 絶命ってなんだよ絶命って!?」

    禁書「心配しないで? 死ぬ一歩手前で症状を固定化してあげるから♪」

    上条「血ィ流しっぱなしなの!? ねぇ、上条さんはそんなに罪深い存在ですかッ!?」

    禁書「少しの間だけ我慢して欲しいんだよ。とうまを脅かす危険な魔術師を殲滅する間だけだから、ね?」

    上条「テメェが一番危険な存在だと自覚してもらえませんかねぇ!?」

    禁書「自覚も覚悟もあるんだよ」キリッ

    上条「さ、最低だあああああああああああああああああああああああ!?」ギャース


    肝心要のヒーローは、ご覧の有様だった。


    105 = 102 :


    第七学区 とある公園――


    御坂美琴は混乱していた。都市伝説に語られるような軍用クローンなんて、実際はないと裏を取ったはずだった。
    自分のDNAマップを悪用された、非人道的な実験は実行前に永久凍結されたはずだ。なのに何故――


    美琴「なんで私のソックリさんとアンタが一緒にいんのよ!?」


    上条「なんでって……なんでだろ?」

    9982号「ミサカに問われても困ります、とミサカは三件隣りにあるハンバーガー屋さんに意味深な視線を向けます」

    上条「腹減ってんのか。じゃあ買い食いすっか」

    9982号「よろしいのですか? とミサカは言葉とは裏腹に瞳を輝かせます」

    上条「よろしいですのことよー。御坂も一緒にどうだ?」


    美琴「え、あー……うん」


    一人の少女を絶望に叩き落す陰惨な事件は、非常にゆる~い感じに始まった。

    106 = 102 :


    CASE 03 年寄りの記憶を当てにしてはいけない、という教訓


    ハンバーガー屋前――


    上条「んじゃ、ハンバーガーを買ってくるから仲良くしてるんだぞ」

    美琴「わかってるわよ」

    目の前の自分と瓜二つな少女に困惑の眼差しを向ける。出鼻を挫かれたが、これは異常事態だ。
    決して楽観出来ない事態が、水面下で進行しているに違いないと御坂美琴は確信していた。

    美琴「アンタ何者?」

    9982号「ミサカはミサカですが、強いていうなら検体番号9982号のミサカです、とミサカは自己紹介してみます」

    美琴「そ、それってやっぱり私の……」

    9982号「はい、ミサカはお姉さま(オリジナル)のクローンです、とミサカはシレっと言い放ちます」


    決定的だった。本人の口からクローンだと、自分の罪を突きつけられたようだった。
    罪悪感と不快感がない交ぜになって美琴を責め苛む。

    美琴「それで、アンタの目的は何?」

    9982号「ハンバーガーなるジャンクフードを食べることです、とミサカは期待に胸を高鳴らせます」

    美琴「……質問が悪かったわね。アンタが産み出された目的を聞いてんのよ。例の計画とやらは凍結したはずでしょ」

    9982号「ZXC741ASD852QWE963 とミサカはパスの確認を取ります」

    美琴「は?」

    9982号「やはりお姉さまは実験の関係者ではないのですね、とミサカは得心します」

    美琴「そんなの関係ないわよ。で、どこのどいつが計画したの?」

    9982号「禁則事項です」

    そのあとも質問を投げかけるが、全て禁則事項の一語で返された。
    そこへ買い出しに行っていた上条が、山盛りのハンバーガーを持って帰還した。

    107 = 102 :


    上条「こんだけあれば足りるだろ」ドサッ

    美琴「ア、アンタねえ……。こんなに買ってきて誰が食べるのよ」

    上条「御坂妹に決まってるじゃねーか」ヤレヤレ

    美琴「はあ? 大食いキャラじゃあるまいし、そんな…」チラッ


    9982号「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ……」ガツガツ


    美琴「…………」ポカーン

    上条「おおー、すごい勢いでハンバーガーが消えていくなぁ」

    美琴「いくらなんでも早過ぎ、っていうか食べ過ぎでしょ!?」


    9982号「ごちそうさまでした、とミサカは空腹が満たされたことに満足します」ケプッ


    美琴「全部食べちゃったの!?」ガビーン

    9982号「はい」

    上条「うんうん、よく食べてよく遊ぶのが子供の勤めだからな」ホッコリ

    美琴「うわ、ジジくさ」

    上条「せめて大人びてるとか言ってくれよ!?」ガビーン

    108 = 102 :


    美琴「ったく、んなことよりアンタ! 私の質問にちゃんと答えなさい!」

    9982号「はい」

    美琴「さっきの実験ってのは何?」

    9982号「ちゃん」

    美琴「……もう一度聞くわ。実験って何のこと?」イラッ

    9982号「ちゃん、とミサカは言われたとおりに答えました」シレッ

    美琴「こ、このヤロー……ケンカ売ってんのか」イライラ


    上条「実験……んん? 何やら覚えがあるんだが、何だったっけ……?」ハテ?


    9982号「あなたは実験の関係者なのですか?」

    美琴「んなわけ…」

    上条「むむ、思い出した! たしか『絶対の右翼 神歌実験』だったはずだ」キュピーン

    9982号「そのとおりです、とミサカは素直に肯定します」

    美琴「なんで知ってるのよ!? つーかどんな実験だそれは!?」ガビーン


    109 = 102 :


    上条「よく覚えてないけど、名前のとおりなんじゃねーの? 最強の右翼になるために街宣車で神歌を歌ったりするんだろ」ウン

    美琴「あ、あほらし……」ゲンナリ

    9982号「……(あの白モヤシが歌うのでしょうか?)」プフッ

    上条「待てよ? 一口に神歌っつっても色々あるよな。御坂はどう思う?」

    美琴「え、……ゲコ太のテーマとか?」

    上条「おおー、あれは良い曲だよな!」

    美琴「だよねー♪ 私なんてケータイの着信に使ってるんだから」パァァ

    上条「マジで!?」

    美琴「公式サイトで配信してたのよ」

    上条「それは盲点だった! 今すぐ落とさないと」ポチポチ

    美琴「ふっふーん、ゲコ太のことなら美琴センセーに任せなさい」ドヤァ

    上条「ゲッ、昨日で配信終了してやがる! 不幸だ……」ガビーン

    美琴「しょーがないわねぇ、特別に私のをコピーさせてあげよっか?」

    上条「是非お願いします!」

    110 = 102 :


    9982号「仲がいいのですね、とミサカはハブられた事実を遠まわしに避難してみます」

    美琴「まあ友達だしね」

    上条「そうだ、御坂妹にもゲコ太の素晴らしさを教えてやるべきじゃないか?」

    美琴「いい考えね♪」

    9982号「結構です」キッパリ

    美琴「そう言いなさんな。どうせ暇なんでしょ?」

    9982号「いえ、ミサカはこの後、第9982次実験に参加しなければいけません」

    上条「この後って、もう夕方だぞ?」

    美琴「被験者は中学生なのに、夜中に実験だなんて何考えてるのかしら」プンスカ

    9982号「お二人は何を怒っているのですか? とミサカは疑問を呈します」ハテ?

    上条「そんなの健康に悪いからに決まってるだろ。高校生や大学生ならまだしも、中学生の夜間労働なんて上条さんは認めませんよ!」

    美琴「クローンだからって雑に扱われていいわけないでしょ! まったく、責任者のモラルを疑うわ」

    9982号「健康も何も今日の実験が終わればミサカは…」

    上条「よし、ここは上条さんが文句を言いに行ってやろう」

    美琴「ほんとに!?」パァァ

    上条「おう、任せとけ。こういうのは年寄りの出番だからな」

    美琴「あはは、年寄りってアンタまだ高校生じゃない」ケラケラ


    9982号「……いいのでしょうか?」

    111 = 102 :


    『絶対能力進化』第9982次実験場――


    一方通行「で、この俺に文句を言いに来たって?」

    美琴「そうよ!」デデン

    一方通行「ハッ、出来そこないの人形をどう扱おうが、オマエには関係ねェだろうが」

    美琴「なっ!?」

    9982号「驚く必要はありません。確かにミサカは、お姉さまの劣化模造品にすぎない実験動物ですから」

    美琴「実験動物って……」

    一方通行「なンだ、事情も知らずに首を突っ込ンだのかァ? おめでたい奴だな」ニヤニヤ

    美琴「な、なによ! 『絶対の右翼』を目指すなんて訳のわからない実験やってる奴に言われる筋合いないでしょ!」

    一方通行「ハァ? その『絶対能力(レベル6)』に至るのが、バカ研究者どもの最終目標なンじゃねェのかよ」ヤレヤレ

    美琴「……学園都市の偉い人たちって真性のバカなのかしら」ゲンナリ

    一方通行「納得したなら失せろ。さっさとそこの人形を処理って帰りたいンだ」ギロッ

    美琴「ッ!?」ビクッ


    9982号「では、これより第9982次実験を開始します」


    こうして今日も悪夢の実験が開始された。

    112 = 102 :



    一方その頃、肝心のヒーローは……



    上条「あースッキリした。やれやれ、年をとると小便が近くて困る」フキフキ



    呑気にトイレに行っていた。


    113 = 102 :


    ミサカ9982号の宣言と同時に始まった実験。それは一方的な殺戮だった。
    9982号の放つ銃弾、電撃、体術は全て反射され、自分自身へと牙を剥く。

    9982号「がッ!?」

    一方通行「いい加減無駄だと学ンでもいいンじゃねェの? 9981回も殺されてるのによォ」

    9982号「…………」

    殺戮者の挑発を意にも介さず、血まみれになりながらも9982号は一目散に逃走を図る。

    一方通行「オイオイ、敵わないと理解したら今度は鬼ごっこかァ?」

    美琴「待ちなさいっ!!」

    一方通行「ああン?」

    美琴「アンタ……何してんのよ。あの子を殺すつもり!?」

    突然、目の前で繰り広げられた攻防に美琴は堪らず制止の声をあげる。
    己のクローンが他人に向けて発砲したのもショックだったが、それ以上に聞き捨てならない言葉があった。

    美琴「9981回も殺したってどういうこと……?」

    第三位のクローン、実験と称した虐殺、全てを反射する能力者……

    聡い頭脳をもつ美琴は、大体の状況を推察出来たが理性が反発して、それを認められない。
    眼前で超然と佇む白髪の少年が、己の理解を超える存在だと認識しても、問い質さずにはいられなかった。

    一方通行「ハッ、加害者が事情も知らないってのも滑稽だよなァ。そンなに知りたいなら教えてやるよ」


    白髪の少年は禍々しく表情を歪めると、実験のあらましを語り出した。

    114 = 102 :


    ◇ ◇ ◇ ◇


    第一位と第三位がお喋りをおっぱじめているとは露知らず、ミサカ9982号は待ちぼうけを食っていた。

    9982号「追ってきませんね……とミサカは作戦の失敗を危惧します」

    敢えて不利な状況で戦い、相手の慢心を引き出し、地雷原へと誘い爆殺する。
    足元なら反射が効かないと考察した9982号の策は頓挫していた。

    9982号「戻ったほうがいいのでしょうか?」

    上条「おーい! トイレに行ってる間に置いていくなんて酷いじゃねーか」

    首を捻って考え込む彼女の耳に、場違いな声が入る。
    9982号が声のした方へ目をやると、件の地雷原から走ってくるツンツン頭の少年の姿があった。

    因みに地雷は遠隔操作で起爆する予定だったが、感圧センサーも生きている。


    9982号「あ、そこは…」

    上条「ったく、せっかちすぎるだろ。これだから若い連中は」

    かちっ

    上条「ん? 今なにか踏んだような……」


    ちゅどおおおーーーーーーーん!!!


    まるでカートゥーンのような効果音と共に、上条当麻は大空へと盛大に吹き飛ばされた。


    後にミサカ9982号は、こう語る。

    9982号「あれはまるで台風の日に空を舞う、小汚いゴミ袋のようでした」

    115 = 102 :


    ◇ ◇ ◇ ◇


    上条がお星様になっていた頃、美琴は絶望の只中にいた。

    美琴「ハァ、ハァ……」

    一方通行「オリジナルっつっても大したことないンだな」

    実験の全貌を知った美琴には、立ち向かう道しか残されていなかった。
    鼻持ちならない態度で自分を見下す少年。学園都市第一位だと自己紹介された男に歯向かったところで、美琴に勝機はゼロだ。

    二億ボルトの電撃も、砂鉄の剣も、第三位の象徴たる超電磁砲すらも掠り傷ひとつ付けられなかった。

    美琴「それでも……私は逃げられない! こんなふざけた実験の引き金を引いた以上、見て見ぬふりなんて出来るわけないっ!!」

    一方通行「なンだそれ。ヒーロー気取りですかァ?」

    美琴「そんなんじゃない。私はただ、あの子に死んで欲しくないだけよ!」

    一方通行「人形に情でも移ったのか。くっだらねェ」

    呆れと侮蔑の混じった視線が、容赦なく美琴を射抜く。

    一方通行は苛立っていた。

    現実の厳しさも知らずに生きてきたであろう格下に。
    実力の十分の一も見せていないとはいえ、未だ戦意を鈍らせない第三位に。
    実際、美琴が生きていられるのは、一方通行が手心を加えているからだ。その気になれば瞬殺できる。

    それでも学園都市最強の男は苛立っていた。

    一方通行(どうしてコイツは諦めない? 今まで俺に挑ンできた身の程知らず共は、泣いて許しを請うか逃げ出すかだったのによ)

    圧倒的強者である彼には、負けると分かっているのに立ち向かってくる愚かしさが理解出来ない。
    同時に、恐怖を押し殺し、自分以外の誰かの為に戦う尊さも理解の範疇に無かった。

    一方通行(つゥかスゲー爆発音がしたなァ。花火大会でもやってンのか?)


    そして見当違いなことも考えていた。

    116 = 102 :


    威勢良く啖呵を切った美琴であるが、内心は酷く焦っていた。

    美琴(電撃は既に完封状態。作戦の一つも無いし、切り札の超電磁砲すら通じなかった。ど、どうしよう……)

    科学の申し子である学園都市の能力者。その頂点に君臨するレベル5の美琴は極度のリアリストだ。
    困った時の神頼みなんてしなければ、都合良くヒーローが救ってくれるなんて慮外だった。

    つい先日まではそうだった。

    美琴(何でも解決してくれたママは、ここには居ない。泣き叫んだって、都合良くヒーローが現れて助けてくれるはずが……)

    だが今は違った。
    絶望に打ちひしがれる美琴の脳裏に映るのは、最近仲良くなったゲコ友の姿。

    美琴(なに考えてんのよ! これは私が撒いた種だもの。私自身の手で始末をつけないといけないの!)

    そう自分に言い聞かせ、挫けそうになる心を奮い立たせる。
    しかし一度心によぎった弱さを払拭できる道理はなく

    美琴(でも、それでも……)

    年端もいかない少女の強がりをすり抜けて

    美琴「助けて……助けてよ……」

    ついに弱さは言葉となって零れてしまった。


    さて、英雄譚において可憐なヒロインの嘆きに馳せ参じるのは、勇猛果敢なヒーローだと相場は決まっている。

    ただしこの物語にヒーローは無く


    上条「――…ぁぁぁああああああああああああああーーーーっ!?!?」グシャッ!!


    一方通行「……なンだこりゃ」ポカーン

    美琴「さ、さあ?」ポカーン


    上条「痛い痛い全身がイタイーーーーッ!!! 誰かお医者さまを呼んでーーっ!?」ジタバタ


    いるのは虚空の彼方から顔面着陸をかまし、マジでくたばる五秒前の不幸少年(中身はジジイ)だけだった。


    117 = 102 :

    といったところで今回は終了
    残りは後編でー

    118 :


    ジジ条の暢気すぎワロタ
    して、戦いも年の功。その戦闘力や如何にって感じかな期待

    119 :

    少しシリアスになったと思ったらこれだよwwww

    120 :


    今SS速報で一番楽しみにしてる

    122 :


    ちなみに美琴の電撃の最大出力は十億ボルトだよ
    二億ボルトは番外個体ね

    124 :

    絶対の右翼 神歌実験ってw

    125 :

    >>124

    絶対の右翼 神歌実験結果予想

    一方通行「天皇ばんざァァァァァァァァいだぜェ!」

    木原数多「立派な右翼に成りやがって、一方通行ぁ!」

    一方通行「君が代だってソプラノとかアルトとかテノールで歌えちゃうンだぜ木ィィィィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!」

    木原数多「最高だぜ一方通行ぁ!」


    みたいな!

    126 :

    禁書世界の天皇家とかやばそうだよな

    127 :

    三種の神器とか霊装にしてそう
    カーテナと斬り結ぶ草薙の剣とかカッコ良すぎるだろww

    128 :

    >>127
    かっけぇwwww

    129 :

    なお出すと絶対の右翼が出版社前に集う模様

    130 :

    シリアスかと期待したらいい意味で裏切られたww

    131 :

    この上条さんなら一方を瞬殺出来そうな気すらする

    132 :

    このSSって続いているの?

    133 :

    続かなかったら泣くぞコラ

    134 :

    このSS、どこのSSから誘導されてきたんだっけ

    135 :

    番外個体「やっほー、今日は何して遊ぶ?」上条「不幸だ……」

    136 :

    だったか

    この作者さんは早い方じゃないし1、2週で騒ぐほどじゃなくね

    137 :

    三つもかけもちですしおすし

    ゆるりとまっちょる

    138 :

    3つ?
    コレと番外しか知らね

    139 :

    美琴「ねえねえ」上条「はいはい今度はなんだ?」ってやつ

    141 = 140 :


    風を切り、何処までも高く舞い上がるカラダは悲鳴をあげている。

    上条(ああ、この痛みには覚えがある……)

    まるで人間火力発電所になったかのように、全身の細胞が熱く燃え盛っている。というか火傷している。

    上条(これはあれだ、かつて騎士団長の手引きで風俗に行く途中、白い悪魔に捕捉され爆殺された……あの痛みだッ!!)

    そして推進力を失ったカラダは、さながら揺れる木の葉のように地面に向かって落ちていく。

    上条( お の れ イ ン デ ッ ク ス !! 罪も無い上条さんを亡き者にするつもりかっ!!)

    痛みは怒りを、過去の記憶は未来への希望を呼び起こす。

    上条(ヤツの事だ、きっと御坂にも危害を加えるに違いねえ! 白い悪魔め、絶対に許さん!)

    幸せを奪い、人を弄ぶ白い悪魔の征伐を堅く心に誓う。そしてその誓いに引かれるように、上条は地面とフレンチキッスする五秒前だった。


    上条「って、死ぬ死ぬ死ぬ!? ぎゃああああああああああああああああああああ!?」


    ズサァァーー!!! と土煙を上げながらも、何とか顔面着陸に成功。


    一方通行「……なンだこりゃ」

    美琴「さ、さあ?」


    上条「痛い痛い全身がイタイーーーーッ!!! 誰かお医者さまを呼んでーーっ!?」


    瀕死の重傷にのたうちながらも、ヒロインの危機に、ヒーロー(笑)は颯爽と登場した。


    142 = 140 :


    CASE 04 白い悪魔>>>越えられない壁>>>幻想殺し>>>一方通行>超電磁砲、という現実


    上条「ぶ、無事か、御坂……」ボロボロ

    美琴「それはこっちの台詞! アンタこそ、なんだってそんなボロボロなのよ!?」ガビーン

    上条「ヤツの奇襲にやられた……けほっ、けほっ!」

    美琴「ヤツって誰のこと!?」

    上条「残虐非道、手段のためなら目的を選ばない狂人……。し、白い……悪魔だ……」

    美琴「白い悪魔って……ハッ!?」チラッ


    一方通行「ああン?」


    美琴「お前の仕業かーーっ!! よくも大切なゲコ友をこんな目に……ッ」ギリッ


    一方通行「知らねェよ」


    美琴「しらばっくれるつもり!?」

    上条「そ、そこにヤツがいるのか!? 血を流し過ぎたせいか、目がよく見えねえ……」

    美琴「ええ、そこにいる。少し戦ったけど、まるで歯が立たなかったわ」

    上条「無理もねーよ。ヤツに通常の攻撃は一切通用しないんだ」※歩く教会的な意味で

    美琴「……でしょうね」ゴクリ ※反射的な意味で


    143 = 140 :


    9982号「ハァ、ハァ……無事でしたか、とミサカは実験関係者を爆殺せずに済んだ事実に安堵します」タッタッタ


    一方通行「なンだよ、殺されに戻ってきたのかァ? 人形風情にしては殊勝じゃねェか」ニタァァ

    9982号「実験外の交戦は演算結果に支障をきたしかねません、とミサカは実験の続行を促します」

    一方通行「そォだな。俺もニンゲンは殺したくねェし、さっさと終わらせるとするか」


    美琴「ま、待ちなさい!」


    一方通行「まだ何かあンのかよ。三下でも理解できただろ? オマエじゃ俺は止められねェ」

    9982号「お姉さまが気に病むことはありません。実験で消費されてこそ、実験動物の意義は果たされるのですから」

    一方通行「だとよ」


    美琴「ふざ…」

    上条「ふざけんじゃねえッッ!!!」


    一方通行「あァ?」


    上条「鼓膜がイカレてよく聞こえなかったが、御坂妹にまで手出しする気だな! 外道がッ、大概にしとけよ!」ググッ

    美琴「アンタ、まさかそのケガで!?」

    上条「大丈夫だから、さがってろ」フラフラ

    美琴「どうして……? そんなにボロボロなのに……」

    上条「御坂じゃあのバケモノの相手は無理だ。だから……ここは、俺が戦う」フラフラ

    美琴「で、でもこれは私が原因で起きたことなのよ!? アンタが戦う理由なんて…」

    上条「誰かのために戦うのに、理由も資格もいらないだろ。何より御坂が不幸になるのを見過ごせねえ!!」キリッ

    美琴「あ……」トクン

    上条「……(今度ばかりは上条さんも我慢の限界だ。元夫として、性根を叩き直してやる!)」


    144 = 140 :


    Side 一方通行


    一方通行「まァたヒーロー気取りかよ。ま、そンなに死にたいなら、止めやしねェ」


    上条「…………」


    一方通行「つっても俺が手を下すまでもなさそうだが……ッ!?」

    適当に痛めつけてやろうと算段していた一方通行の表情から余裕は消え、驚愕が張りつく。
    フラフラと頼りない足取りで一方通行との距離をつめていた上条が突如、一方通行の視界から消えたのだ。

    一方通行「どこに消えやがった?」

    辺りを油断なく警戒する一方通行。
    だが驚きは一瞬のことで相手は空間移動か、それに準ずる機動力を持つ能力者であると分析する。
    そして出した対応策は「何もしない」だった。

    学園都市第一位の能力者、一方通行。

    その能力に比肩するものは無く、故に己より強い相手と戦った経験は皆無だった。


    上条「歯ァ食いしばれぇぇッ!!」

    一方通行「!?ッ」


    まして、顔面を全力で殴られた事などあるハズもなかった。

    145 = 140 :


    一方通行「は……あ、…………え?」

    突然の衝撃と共に意識が暗転し、気付いたら満点の夜空が視界に広がっていた。
    何が起きたのか理解できず、気の抜けた声を漏らしてしまったが、左頬から伝わるかつてない痛みが事態を雄弁に教えてくれる。

    一方通行「反射を突破された、のか……?」

    それはあり得ない事だ。

    上条「今のは御坂妹の分だ」

    一方通行「は……ァ?」

    上条「そしてこれが御坂の分ッ!!」

    一方通行「がふッ!?」

    あり得ない事が二度起きた。
    それはもう必然であり、一方通行は自分がツンツン頭の男に殴り飛ばされていると自覚した。

    一方通行「グ、ガ……ッ、ハァッ、ハァッ……な、なンなンだオマエは!?」

    上条「妙だな。お前ってこんなに弱かったのか?」

    一方通行「お、俺が弱い……だと……?」

    上条「なんだか興醒めだな。今すぐ御坂たちに謝るなら、ここで勘弁してやってもいいぞ?」

    新たにあり得ない事が起きた。
    しかし今度のは致命的だ。最強にむかって、目の前の男は何と言ったか。

    弱いってのは、一方通行と対極に位置する言葉のハズだ。
    しかも上から目線で勘弁してやるときたもんだ。

    一方通行「舐めてンじゃねェぞ、この三下があああァァァッ!!!」


    学園都市が誇る白い悪魔は、全ての容赦を投げ捨てツンツン頭に躍りかかった。


    146 = 140 :


    Side 美琴


    御坂美琴は目の前で繰り広げられている光景が信じられなかった。


    上条「これは非業の死を遂げた上条さんの毛根たちの分ッ!!」

    一方通行「おごっ!?」

    上条「これは活躍の機会さえ与えられずに朽ち果てた我が息子の分ッッ!!」

    一方通行「ごぎゃっ!?」

    上条「これは無残にも消去された嫁たち(二次元)の分ッ!」

    一方通行「ぎょぱッ!?」


    激しい怒りと共に上条がパンチを繰り出し、それが突き刺さった一方通行はノーバウンドで吹き飛んでいく。
    そして一方通行が地面に落ちる前に、驚異的なスピードで先回りした上条が再び殴り飛ばす。
    かれこれ10ループはしただろうか。時間にすれば十秒にも満たないが、確実に一方通行は死への階段を上らされていた。

    さながら獲物をいたぶる猫のような所業である。

    ヒーローにあるまじき残虐ファイトに、心優しいヒロインが待ったをかける場面なのだが――


    美琴「カッコいい……。アイツ、あんなに強かったんだ///」


    生憎ヒロインは中学二年生。圧倒的強さを見せつけるヒーローに夢中だった。

    147 = 140 :


    Side 一方通行


    空から落ちてきたツンツン頭と交戦して一分が経過した頃、一方通行は虫の息だった。
    一撃をもらう度に意識が飛びそうになり、しかし痛みのあまり意識を戻される拷問。

    旺盛だった殺意はあっという間にへし折られ、痛みと恐怖に繊細な心は蝕まれていく。
    何故反射が効かないのか? 何故自分がこんな目にあっているのか?
    最強の殺戮者は最早存在せず、一方通行に出来るのは、この理不尽な暴力が終わるのを願うことだけだった。

    そして漸く願いが叶う。

    上条「そしてこれが散々嬲りものにされてきた、俺の分だああァァァーーーーーー!!!」

    一方通行「グハッ!?」

    今までで一番の衝撃を鼻っつらに感じた瞬間、一方通行は地面との再会を許された。


    一方通行「う……あ……」

    上条「回復魔術でも使われたら厄介だからな。このまま決めさせてもらうぜ」

    己が対峙したバケモノは、容赦なく自分を葬るつもりだ。
    どうしてこんな事になったのか。自分はただ誰も傷つけたくないから絶対能力者になりたかっただけなのに。

    なのに傷つけたくないという願いを忘れ、妹達(シスターズ)をなぶり殺しにしたのは誰だ?

    一方通行「あ……ぐゥッ……(は、ハハ、これが報いってヤツか……)」

    初期衝動を思い出し、現実との自己矛盾を思い知る。
    結局のところ、一方通行は明確な意志も理念も無く、唯々諾々と人殺しを続けていただけだった。

    クローンを人形だと誤魔化して、殺戮を繰り返すだけの装置に成り下がっていた。

    それが答えだった。


    148 = 140 :


    矛盾が晴れた一方通行の心中は穏やかだった。
    ここで死ぬことになっても、それは仕方のない事だと受け入れていた。

    だがそれは虫のいい話だったらしい。


    上条「もう二度と力を振るえないよう、お前の幻想をぶち殺させてもらう」


    そう宣言したバケモノの右腕から、不可視のナニかが顕現する。
    不可視であるのに認識できてしまう矛盾。圧倒的存在感により、強制的に認識させられてしまう恐怖。

    死すら生ぬるい、存在そのものを蹂躙される恐怖に、一方通行は指一本動かせないでいた。

    一方通行「あ、ああ……」

    ただ殺されるなら、それは報いだと受け入れた。だがあんなのは聞いていない!
    アレはレベル5だとか、絶対能力とか、そういう次元の存在ではない!

    一切の善性や良心を許さない、アレは正しく邪悪そのものだ。

    一方通行「や、やめっ……」

    邪悪なナニかと目があってしまった。

    一方通行「やめろ……」

    邪悪なナニかが舌なめずりしている。

    一方通行「やめてくれ……」

    邪悪なナニかが獰猛な顎を目いっぱい広げている。

    一方通行「や、やめろおおおォォォーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」


    邪悪なナニかに噛み殺される瞬間、一方通行はその正体を悟る。
    人が抱く最強の幻想、永遠の神の敵対者、悪性の象徴にして嫉妬や怒りを司るもの。


    一方通行(ドラ……ゴン……?)


    この日、学園都市最強は誰に顧みられることなく死んでいった。


    149 = 140 :











    こうして悪はヒーローに討たれ、ヒロインは日常を取り戻し、ヒーローは幸せを手に入れた……なんてハッピーエンドが許されるはずもなく――










    150 = 140 :


    一夜明けて、とある病室――


    上条「いてぇ……死ぬほど痛い……」

    美琴「あんな無茶をするからよ。ほんとバカなんだから」ヤレヤレ

    上条「うぐ、返す言葉もありません……」

    美琴「助けてくれたのは感謝してるけど、代わりにアンタが死にかけてたら世話ないわよ」

    上条「けどなぁ、あそこで引き下がるわけにはいかなかったんだよ」

    美琴「いいわけしないの!」メッ!

    上条「はい……」

    美琴「アンタにもしもの事があったら、私はどうすればいいのよ……」

    上条「御坂……」

    美琴「私の不幸を見過ごせないって言うなら、心配させんなバカ……」

    上条「そうだよな。ごめん御坂」

    美琴「べ、別に謝ってほしいわけじゃなくって……わ、私はただ」ワタワタ

    上条「ただ?」

    美琴「……ありがとう、って言いたかっただけ///」テレテレ

    上条「……ぷっ」クスッ

    美琴「わ、笑うなー!///」プンスカ


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