元スレ少年「混血の女の子に一目惚れした」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
151 :
――魔法使いの家、の屋根
下から少年の若干泣きが入った声が聞こえる。
まあ、起きたら魔法使いも少女も弟子――蝙蝠もいなかったのだ。
慌てるのも仕方ないだろう。
弟子「……アレッ、ボク、そばにいるべきだったのカナ」
でももう終わったことだし、と思考を切り替える。
弟子は屋根に座り足をぶらぶらさせながら空を眺めていた。
弟子「キョウもハレるネ」
雀「チュン」
傍らには雀。
小さい者同士だからか一番仲がいい。
152 = 151 :
弟子「ソレデ、ほんと?そのハナシ」
雀「チュンチュン」
弟子「そっかァ。こまったネェ」
まったく困っていない声音で呟く。
弟子「『コンケツコロシ』……デルくいはウタレルとイウケド、やっぱりウチニキタね」
雀「チュンチュン」
弟子「コンケツというか、ねらいはやっぱりまほうつかいだよネェ」
雀「チュン?」
弟子「ウウン、マズはタカサンにソウダンするよ」
弟子「いまのままじゃ、まほうつかい、かろうししちゃうヨ」
雀「チュンチュン」
153 = 151 :
弟子「シュボウシャとかはワカル?」
雀「……チュンチュン」
弟子「……」
雀「チュン」
弟子「ウン、ボクタチでなんとかナルとオモッタケド…ムリダネ」
雀「チュンチュン」
弟子「ゼッタイに、クワレルネ」
雀「チュンチュン」
弟子「…ラミアいちぞくかァ……」
弟子「オトウサン二、ムカシきいたけど…ケッキサカンなんだっけ」
雀「チュンチュン」
弟子「まほうつかいとアイショウワルいかもね」
雀「チュン?」
弟子「まほうつかい、イガイとキレヤスイとこあるから」
154 = 151 :
雀「チュンチュン」
弟子「ノセラレてマケル、というよりかは、あいてをチマツリにアゲチャウ」
雀「チュン……」
弟子「モテアマスほどにツヨイよ、まほうつかいは」
雀「チュンチュン」
弟子「ダカラ、マオウサマにミトメラレテルンダロウね」
雀「チュンチュン」
弟子「ソシテボクは、ソノまほうつかいのでしなワケです」
雀「チュン!」
弟子「スゴいのかナァ。マオウサマとまほうつかいのツヨサがヤバすぎてジカクナイ」
雀「チュンチュン」
弟子「ウン、アリガトウネ」
155 = 151 :
魔法使い「上にいるのか?」ガチャ
弟子「イルヨ!」
魔法使い「ごはんだよ」
弟子「イマおりる!」パッ
雀「チュンチュン」
蝙蝠「バイバイ!」
雀「」パタパタ
降りるときだけ蝙蝠姿になる。
地面につくと再び人間に変わった。
魔法使い「蝙蝠姿のままでもいいのに」
弟子「ナントイウカ、ショウネンはマモノにたいせいなさそうダカラ」
魔法使い「それもそうか。純粋な人間として生きてたみたいだからな」
弟子「まほうつかい、まだニンゲンにアコガレル?」
156 = 151 :
魔法使い「いいや。私は混血だよ」
弟子を中に入れ、扉を閉めながら静かに言った。
魔法使い「混血として生きるって決めたんだ」
弟子「ウン。キメテタね」
魔法使い「もう人間になりたいっていう未練なんてないよ」
弟子「そっか。アンシン」
魔法使い「安心したか」
弟子「まほうつかい」
魔法使い「ん?」
弟子「ムリしないでね」
魔法使い「なんだいきなり」
弟子「ナンデモナイヨ!」
魔法使い「でも、ま、ほどほどにはしとくよ」
魔法使いのほどほどはどのぐらいなのだろう。
少なくとも書類の山ひとつは消えるだろうか。
157 = 151 :
続く
159 :
乙
もう蝙蝠ちゃんはヤムチャなんかより強そうだなあ
161 :
イージス艦より強いのかな?
162 = 160 :
乙
>>161
強い
まず魔法使いが低空飛行で近づけばレーダーに映らない
ロックオン出来ないからミサイル無効
ミサイル艦がいても無意味
更にイージス単艦なら近づいたらフルボッコできる
いまの戦艦は装甲が薄いから楽に沈められるだろう
163 :
おつ
164 :
乙乙!
165 :
昨日のvipの現代兵器はファンタジー越えてるって話か
魔法使いはCIWS避けられるのかな
どうせ魔法で沈められるだろうが。
166 = 151 :
魔法使い「いただきます」
少女「いただきますです!」
少年「…ます」ドンヨリ
弟子「コンドはトリミダシタことにおちこんでる」
魔法使い「ほら、過ぎた話じゃないか」
少年「もうお嫁行けない……」
魔法使い「えっ、君、お嫁さんに行くつもりだったの?」
弟子「まほうつかい、これはコドモにありがちナマチガイダヨ」
少女「そういえばお兄さんはお嫁さんいないんです?」
魔法使い「……いないね」
少女「へぇ」
弟子(旦那ならいるけどネェ)
167 = 151 :
魔法使い「」モグモグ
弟子「まほうつかい、うれシソウダネ!」
魔法使い「え、そう?」
弟子「ヒサビサだからね、ふたりイジョウでごはんたべるの」
魔法使い「…賑やかだからかな」
少年「なんかいきなり烏やってきてウィンナーとっていったー!」
烏「アホー」
少女「わ、わたしのウィンナーあげますから!」
ギャアギャア
弟子「……たしかにニギヤカダネ」
魔法使い「……うん。また烏の奴ご飯を取りに来たか…」
168 = 151 :
-しばらくして-
魔法使い「いくつかもうちょい聞きたいわけだが」
少年「はい」
魔法使い「まず少年くん。君の家は?」
少年「あっ……えっと…僕、親がいないので…」
魔法使い「あ…そう、なのか。ごめん」
少年「い、いやいいんですよ!そんな謝らなくても!」
弟子「まほうつかいのバアイはゼンメもごもご」
魔法使い「今は関係ない」
少年「僕にとってはあの街が家なので…それに、寂しくもないですし!」
魔法使い「でもこちらも無神経に聞いてしまったからな」
169 = 151 :
やりとりを聞いていた少女が朗らかな笑みで提案した。
少女「じゃあわたしの家族になりますです?」サラリ
少年「ぶっ」
魔法使い「ごほっ」
弟子「ダ・イ・タ・ン」
少女「お母さんもお父さんも、きっと賛成してくれますです!」
魔法使い「どういう意味で?どういう意味で?」ヒソヒソ
弟子「ソノままのいみじゃナイ?おにいちゃんトカ、そのアタリ」ヒソヒソ
魔法使い「でも少年くんは違う意味でとったみたいだぞ」ヒソヒソ
弟子「……なりゆきにまかせよう!」ヒソヒソ
魔法使い「つまりは放り投げだな。分かった」ヒソヒソ
170 = 151 :
少年「」
魔法使い「…こほん。少女ちゃんの家族は現在探してる途中」
魔法使い「だからそれまではここにいていいよってこと」
少女「わあ、ありがとうございますです!」
少年「」
弟子「ホラ、いきかえって」トントン
少年「」ハッ
少年「娘はやらんってちゃぶ台をなげられたらどうしよう!」
魔法使い「ちゃぶ台?」
弟子「またミョウなデンパをひろったネェ」
魔法使い「あと、今日はほぼ一日私はいない」
少年「えっ」
弟子「ボクがいるからダイジョーブだよ!」
少女「どこか、お仕事ですか?」
魔法使い「…うん。そんなもんかな」
171 = 151 :
少年「なんか…その仕事で、お手伝いできることとかありますか?」
魔法使い「ううん、ないよ」
魔法使い(見せられるもんじゃないしな…)
少年「でも、悪いですし…」
魔法使い「あ、じゃあ家の掃除頼んでいいかな?」
少年「掃除ですか?」
魔法使い「忙しいからつい放置気味で。指示は弟子が出すから」
弟子「ボクのイケンはむしかい!」
少女「わたし得意です!」ビシッ
魔法使い「頼む。――夜には帰るから」
弟子「ゴハンは?」
魔法使い「用意してくれると嬉しい」
弟子「リョーカイ。キヲツケテネ!」
魔法使い「ああ、ありがとう」
172 = 151 :
――とある酒場
太陽が真上に登った頃。
男「待ちなよ」
塀にもたれていた男が彼の前を通りすぎようとした魔法使いを呼び止める。
魔法使いは無言で止まった。
あたりは人の通りが多く、二人に気を留める者はいない。
男「だいぶ情報たまったぜ。さらに詳しく調べた」
魔法使い「感謝する。忙しいのにすまないな」
男「いいってことよ。しっかし、アンタも休む暇がないな」
魔法使い「いつかは暇で仕方ない日がくるさ」
男「だといいんだがね」
173 = 151 :
魔法使い「それで、他は?」
男「今の時間なら働いてんじゃね?アホ狸も猫香も」
魔法使い「全員集まるのは夕方か」
男「だろ。それまでゆっくりしておけよ。倒れられたらこちらが参る」
魔法使い「いけるだろ、お前たちだけでも」
男「アンタがいっしょに戦うからこちらの士気もあがるんだよ」
魔法使い「…重大責任だな」
男「だから、あんまり無理してぶっ倒れるなってことだよ。姫さん」
魔法使い「だから、姫はよせよ…」
男は軽く鼻で笑い、小言になった。
男「王や女王より『混血の姫』のほうがなんとなくロマンがあるだろ」
魔法使い「知らんがな」
174 = 151 :
続く
魔法使いは無駄な部分ないからね。見つけにくいとおも おやこんな時間に誰d
178 :
乙
知らんがな に何かワロタ
179 :
おつ
180 :
乙
蝙蝠ちゃんが電波っていうからには
少年もニュータイプの素質があるのかな?
181 :
旦那さんが出番亡くて可哀想
182 :
きっとイチャイチャし過ぎて進行に支障が出るんだろう
183 :
――魔法使いの家
弟子「フゥ、ハキソウジはだいたいおわったネ!」
少年「ゴミは少ないけど…すごい埃だね」
少女「もわもわです!」
弟子「まほうつかいは、そこまでケッペキじゃないからネェ」
弟子「つかわないバショはあんまりソウジしないんだ」
少年「確かに隅の部屋にあった本置き場は一部だけ綺麗だったような…」
弟子「あそこにヨクだいじなシリョウおくからカモ」
少年「普段は君が掃除してるの?」
184 = 183 :
弟子「まほうつかいとジャンケンできめてるヨ」
少年「ジャンケン!?」
少女「はいっ!負けたほうが掃除係なんですか!」
弟子「そうダヨ。ここんとこずっとまほうつかいがマケテル」
少女「ジャンケン強いんですね!」
弟子「クセがあるからね。あのひと、さいしょにグーだすから」
少年「こちらはパーを出せばいいと」
弟子「ソ。しかもまだホンニンきづいてない」ウシャシャ
少年「おおっと、これはすごく悪い顔だ」
少女「早く気づくといいですね」
185 = 183 :
弟子「ンート、あとはミズぶきしてーからぶきしてー」
少年「じゃあ水をくんでこないと」
オラーーー!!
少女「ひゃうん!?」
少年「ちょちょちょ、外ででかい鳥が暴れてる!!」
弟子「またコリズにきたかァ…」
少女「魔物?」
弟子「うん」
少年「どどどどうしよう食べられちゃう食べられちゃう」
弟子「アイツはヒトたべないからダイジョブ」
少年「食べるのもいるの!?」
弟子「…ノーコメント」
少年「うわあああああ!」
弟子「ハイハイ、おちついて。ちょっとハナシしにいってくるヨ」
186 = 183 :
ガチャ
弟子「ヤァ、こたか」
小鷹「よう蝙蝠!あいつはいないのか!!」
弟子「いないヨ。あいかわらずウルサイヨ」
小鷹「ははーん、さては俺様が怖くて逃げたか!」
弟子「シゴトだヨ」
小鷹「なにっ!?俺様と仕事だと仕事を優先すんのかあいつ!」
弟子「あたりまえダロ」
小鷹「今日こそは!今日こそはギャフンといわせようとしたのに!」
弟子「ギャフン」
小鷹「お前じゃねぇ!!!!」
弟子「元気だナァ」
187 = 183 :
弟子「あしたにはカエッテくるよ。それまでオアズケ」
小鷹「そうだ!いいこと考えた!!」
弟子「ナニサ?」
小鷹「お前も加われよ!一対二ならいける!!」
弟子「オマエってヤツは…ヤだよ」
弟子(ニコヤカにボコされる)
小鷹「あ、そうだ!どうすりゃあいつに勝てんだよ!」
弟子「イヤ、ボクもききたいぐらいなんダケド」
小鷹「そばにいるお前なら分かるはずだろ!」
弟子「ナンダそのむちゃくちゃりろん」
188 = 183 :
弟子「ウーン……トクニないかな」
小鷹「あるはずだろ!」
弟子「ウゼェ……あ」
小鷹「なんか思い当たったか!?」
弟子「ひんにゅう」
小鷹「ひんにゅう?」
弟子「ってイエバ、いっしゅんコウゲキとまる」
小鷹「マジか!ひんにゅうだな!じゃあまた明日!」バサッ
弟子「……」
弟子「オハカでもつくっといてやるか」
189 = 183 :
たぶん夜中に更新
190 :
お墓に入れるものが残らないよ…
191 :
こうして骸がまた一つ
192 :
せんたくいた とかな
193 :
お墓2つ目
194 :
一瞬攻撃が止まってから消し炭にされちゃう
195 :
乙
小鷹って誰だろう
側近の子供?
196 :
小鷹と言えば信光
197 :
――林檎が名産の街の憲兵隊詰所
隊長「国中心部憲兵一番隊、ただいま参った」
林檎隊長「はっ!長旅お疲れさまでございます!」ビシッ
隊長「ではさっそくだが作戦に入ろう。会議室はあるか?」
林檎隊長「あります!ついてきて…あー!?」
副隊長「」ビク
林檎隊長「英雄殿!お会いできて光栄です!」ビシッ
副隊長「いや、英雄とかやめてくれよ…」
隊長「照れんなって」
副隊長「て、照れてねーし!」
198 = 197 :
林檎隊長「ささっ、こちらです!奥です!」
隊長「ほら行くぞ英雄」
副隊長「だーかーらーやめろって!」
隊長「とかなんとかいっちゃってー」
部下「子供かこいつら」
「姫は豆乳とか飲んだ方がいいって」スタスタ
「何故だ?」スタスタ
「その胸はあまりにも貧相ぶぎゃらべっ」
副隊長「……?」
隊長「どうした?早く行こうぜ」
副隊長「外から聞いたことのある声と打撃音がしたんだが…気のせいか」
199 = 197 :
――(略)詰所、奥の部屋
林檎隊長「ここから離れたところに奴隷オークション会場があります」トン
隊長「今回はそこを?」
林檎隊長「私共はそこです。あなた方には――この教会を」スッ
副隊長「…少し寂れた場所にあるな」
隊長「言われてみれば。普通はもっと街の中にあるはずだな」
林檎隊長「普通の教会ならそうでしょうね」
副隊長(真面目な話すると人格変わるなぁこの人)
林檎隊長「サバト、といえば分かるでしょうか」
200 = 197 :
副隊長「サバト……か」
隊長「お前それサバンナでも同じこと言えんの?のサバト?」
副隊長「意味わかんねーよ!」
林檎隊長「魔女や悪魔崇拝の集まり…といいましょうか」
隊長「なるほど…奴隷に、悪魔崇拝…だいたい分かった」
副隊長「…おおかた生け贄だろうな」
林檎隊長「…本当は早く気づくべきでした。しかしかなり巧妙に隠されていまして」
隊長「強いのか」
林檎隊長「ええ。私共ではとても無理です」
林檎隊長「だから強さを誇る筋肉馬…あいや、中心部憲兵隊に頼ろうと」
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