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元スレ少年「混血の女の子に一目惚れした」

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みんなの評価 : ★★
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1 :





「何があっても君を守るから―――」






SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1347548969

2 = 1 :

――国中心部から離れた街

少年「今日のお給金はこれだけかぁ…」チャリン

少年(仕方ないとはいえ、やっぱり日雇いの仕事は安いや)

少年(文字を読めればもっといっぱいお仕事あるんだろうけど…)スタスタ

「あっ」ドンッ

少年「うわっ」ドンッ

「す、すいません!お怪我はありませんか!」

少年「う、うん。大丈夫だよ。君は?」

「わたしはだいじょ――っ、すいません、さようならです!」ダッ

少年「あ、ちょっと」

3 = 1 :

少年「行っちゃった」ポカーン

少年「どうしたんだろ、あの子。フード被ってたし」

 怪訝な顔をする少年の横をさらに数人の男達が通り過ぎていく。

「あれだ!追え!」

男>2「今日こそ捕まえろ!」

ワアワア

少年「……?」

老婆「まあまあ、大丈夫だったかしら?」

少年「え、あ、はい。あの、あれは……?」

老婆「混血狩りよ」

4 = 1 :

 混血というのは魔物と人間の間で出来た子供のことだ。
 どちらの種族からも忌み嫌われる存在。
 国に見つかれば火炙り――だったが、この数年で何故かそのようなことは無くなっている。

少年「混血狩り…?って、確かちょっと前に禁止になったんじゃ」

老婆「表ではね。まだ裏ではたくさん取引されてるようよ」

少年「取引って、なんですか?」

老婆「内臓を売ったり奴隷にしたりしてるんですって。おお怖い」ブルッ

少年「な、内臓!?」

老婆「あなたも関わっちゃダメよ?」

少年「はい…」

少年(内臓なんて見たらひっくり返るよ…)

5 = 1 :

……

少年(知らなかった)スタスタ

少年(混血の人って苦労してるんだなぁ)

少年(血が違うだけなんだし、みんなと一緒に生きてもいいと思うんだけど)

少年「……あれ?じゃあ――」

 先ほどのあの少女が混血だとするならば。

少年「あの女の子――捕まったらどうなるんだろう?」

 内臓を抜き取られてしまうのか。
 どこかに売り飛ばされてしまうのか。
 それか、もっと別のことをさせられるかもしれない。

少年「……」

6 = 1 :

少年(…助けなきゃ)

 ――何故?

少年(混血ってだけでひどい扱いなんておかしい)

 ――本当に?本当にそう思っているのか?

少年(思ってる。他の人も捕まっていたなら助けないと)

 ――本当の目的は?

少年(…もう一度あの子に会いたいから…)

 自問自答した後、少年は顔を赤くして俯いた。

 フードから少しだけ見えた青い瞳。緩やかなウェーブがかかった白い髪。鈴のように透明な声音。
 それらを思い出して自然と心拍数が早くなる。 

少年(……一目惚れ、しちゃったのかな。僕)カァ

7 = 1 :

――深夜、街の外れ

少年「」コソッ

少年(思い立ったらすぐ行動が僕の長所。無鉄砲とも言う)

少年(さて、ここだって噂だけど…)

少年(見た目は曲芸団のテントみたいだ)

少年(カモフラージュ?)

見張り「……」

少年「!」サッ

少年(危ない危ない、バレるところだった)

少年(ここは慎重に……裏に回ってみよう)コソコソ

8 = 1 :

少年(もしかしてこの建物の中にいたりして…)コソコソ

少年(そしたらどうしよう…忍びこめないし…)

少年「ん?」

少年(あっち、なんかいっぱい大きいのが置かれてる)

少年(見に行ってみよう)ソロリソロリ

見張り2「おい」

少年「」ビクッ

見張り3「なんだよ」

見張り2「交代まだか?」

見張り3「まだ寝てるだろ」フワァ

見張り2「ちっ……暇だな」

少年(ほっ)

9 = 1 :

ソロリソロリ

少年「……」

少年(遠目で、しかも暗かったから箱みたいなものだとは思ったけど…)

少年(これ全部、檻か……)

 数の割には人影がない。
 まさか既に売られたのかと少年の背筋が凍る。

「……あの」

少年「え?」

「あの、間違えていなければ昼間の……」

 奥のほうから声がする。
 そっとそこに近寄った。

 檻の中で座っていたのは、くるりとした角を生やした白い髪の少女。

少年「見つけた!」

「やっぱり…どうしてここに来たのです?」

10 = 1 :

少年「君が気になって……」

「わたしが、ですか?」

少年「うん。待ってて、今出してあげる」

「無理だよ」

 隣の檻から声が飛んできた。
 見れば頭から猫の耳が生えている女がいた。
 どうやら檻にいるのはこの二人だけらしい。

猫耳「ここから逃げたってどこに逃げるつもりだい?」

少年「……」

猫耳「どうせのたれ死ぬだけさ。なら大人しくしてればいい」

少年「行ってみないと分からないじゃないですか!」

猫耳「若いね。羨ましいよ」

11 = 1 :

 諦観したように彼女は言う。

猫耳「後悔するよ、あんたたちどっちも」

少年「やってみなきゃどうなるか分からないですよ。あなたも……」

猫耳「いいよ。あんたらだけで行きな。アタシはここにいるよ」

「でも、お姉さん」

猫耳「家族に売られたんだ。これ以上ひどいことなんて起こらないさ」

少年「……」

 少女のいる檻に向かい、小さなナイフで錠の穴を乱暴に揺らす。
 同じ境遇の仲間に教えて貰った技術だった。

12 = 1 :

キィ…

「ありがとう…」

少年「あなたのも今から開けますから」

猫耳「余計なお世話だよ。早く行きな、見張りが来る」

少年「でも」

猫耳「せいぜい頑張って理想郷を見つけることだね」

少年「……」

「……」

少年「行こう」グイッ

「だけど…」

少年「本人が断ってるから……無理強いしても、動かないよ」

猫耳「そ。よく分かってるじゃないか」

猫耳「無駄な労力は使いたくないんでね」

「お姉さん!」

猫耳「バイバイお二人さん」

13 = 1 :

少年「……それではっ」

 背を向けて少年が走り出す。
 引っ張られる形で少女も走った。

「さっき、慰めてくれてありがとうです――」

 女は何も言わずに手を振った。

 二つの影が消えた後、見張りが足音を立てて檻に来た。

見張り4「おい!誰だ!誰が来た!」

猫耳「でっかーい男があっちの方向に誘拐しちゃったけど?」

見張り4「探せ!男は殺して構わん!」

 まったく違う道に捜索へ出た見張りを見て、女はひっそりと笑う。

猫耳「ハッピーエンドに辿りつけるかねえ」

14 = 1 :

――山の中

少年「はっ、はぁっ、は、」

「ちょ、ちょっと待ってです……」

少年「ごめん…ここまでくれば大丈夫かな……」

「あの…」

少年「どうしたの?」

「なんてわたしを助けに来たんですか?」

少年「……うーん…いや、なんというか、気まぐれ?」

「気まぐれ…」

少年「色んなこと聞いちゃってさ。居てもたってもいられなくて…」

「優しいんですね」

少年「ええ!?い、いやそれほどでもないよ!」

15 = 1 :

「でも、それだけで?」

少年「あ、うん」

「すごい人です。勇者さまみたいです」

少年「そ、そうかな。褒めても何も出ないよ」

「しかし…あのお姉さんは大丈夫でしょうか…」

少年「…うん…」

「……――あ!?」

少年「ど、どうしたの?」

「何か――近寄ってきています!」

少年「え――?!」

 慌てて立ち上がって下を見ると、蠢く影があった。

 犬だ。

16 = 1 :

 追わせるために離したのだろう。
 金持ちが飼うような犬ではなく、れっきとした猟犬だ。
 噛まれたら一堪りもないだろう。

少年「匂いだ!匂いでおってきたんだ!」

「そんな!」

少年「逃げるよ!」

「はい!」

 とにかくがむしゃらに走る。
 気付いた犬たちが吠えながら追いかけてくる。

少年(街におりて、人ゴミに紛れれば匂いをごまかせるはず――)

少年(あ、でも今は夜だ。なら売春宿にでも行くか?)

17 = 1 :

 しかし、その計画はあっさりと砕かれる。
 少年と少女の足が止まった。

「崖です…」

少年「下は川か…それなりに高いね…」

 流れの早い濁った川が眼下を流れていた。

 振りかえれば犬達が陸地をすべて包囲していた。
 やけに賢い。

少年「どうしよう……」

「どうしましょう…」

「ワンッ!」

 一歩踏み出して吠えた犬に思わず後ずさる。

「ひっ」

少年「あっ」

 二人同時に足を滑らせて、二人同時に川へ頭から落ちた。

18 = 1 :

――翌朝、廃村

魔法使い「数日前の大雨のせいで川の流れが早いな」

弟子「ネェ、まほうつかい。たいへんたいへん」

魔法使い「どうした?」

弟子「ひとがナガレついてるよ」

魔法使い「へぇ……えっ!?」

弟子「コッチコッチ」グイグイ

魔法使い「あ…」

弟子「ネ?」

魔法使い「ああ。でもなんで川なんかに落ちたんだろう」

弟子「サァ?いきてるみたいだから、おきたらキケバ?」

魔法使い「人間の男の子と、羊族の女の子…かな?」

19 = 1 :

魔法使い「それもそうだな。よいしょ」ヒョイ

弟子「…コドモとはいえ、かるがるふたりをモチアゲタヨ…」

魔法使い「戻ろう。風邪を引かせたら大変だ」

弟子「そうダネ!」

魔法使い「そういえば最近変化(へんげ)がうまくなったな」

弟子「エヘヘ、もっとほめて!」

魔法使い「その格好は誰を真似したんだ?」

弟子「まおうさま!」

魔法使い「やっぱりあの人か。あ、ドア開けてくれ」

弟子「ハイヨ」ギィ

パタン

20 = 1 :

初めましての方は初めまして。
お久しぶりの方はお久しぶりです。

前作と繋がりはありますが自分のおさらいのために説明を入れていくかと思います。
地の分多目です

21 = 1 :

>>18 最後に付け足し

弟子「カモネ。こんなトコにほうちしたままじゃかわいそうダヨ」

22 :



前作があるなら教えてほしいかな

23 :

やはりお前か

24 :


まさか、こんな早く次回作が来るとはww
蝙蝠ちゃんがひらがなで喋ってる!
容姿は青年じゃないよね?
かわいいかわいい子供な魔王様だよね?

>>22
魔王「おれと来てくれないか、魔法使い」魔法使い「…ああ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346245762/

25 = 24 :

あ、こっちの方が先ね

魔王「おれと手を組め」魔法使い「断る」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1339856123/

26 :

二つもあるの?
めんどくさ

27 :

わろた

28 :

就活中の楽しみができたよ
ありがとうありがとう

30 :

乙です。

よし・・・今日もがんばるか・・・。

31 :

もう建ったのか、おはやい

32 :

よいよいよいよい

33 :

まさか弟子って…

34 :

ふむ。よか。

35 :


建てるの早いな

36 = 1 :

――昼、寝室

少年「うーん……」モゾ

少年(あれ?身動きがとれない)パチ

「むにゃ…」ギュウ

少年「」

少年(じょじょじょ状況を整理するんだ)

少年(起きたら知らないところでしかも女の子が抱きついていた)

少年「……」

少年(やばいどこから対処すればいいのか全く分からない!)

弟子「ア、おきた?」ヒョコ

少年「わっ……お、起きました」

 ベッドの横に置かれた椅子に十歳ぐらいの小柄な子供が座っていた。

37 = 1 :

 少し長めの髪は後ろでひとつにまとめており、
 ボーイッシュな少女にも整った顔立ちの少年にも見える。

少年「えっと……ここは君のお家ですか?」

弟子「イソウロウってやつかな!」

少年(ということはまだ誰かいるんだ)

弟子「ソレヨリ、ぐあいはドウ?きぶんがわるいトカ」

少年「具合は悪く――っ」ズキッ

弟子「アア、だめだよ。マダおきあがっちゃ」

弟子「キミたちはおおけがはないとはいえ、アチコチうってるんだからさ」

38 = 1 :

少年「言われてみれば色んなところに包帯が……」

弟子「まほうつかいはヒトをナオセルまほうはつかえないからネェ」

少年「まほうつかいさんというのは誰ですか?」

弟子「ボクのししょうで、なかよし!このイエのモチヌシだよ!」

少年「じゃ、じゃあ早くその人にお礼をいいにいかないと――」

弟子「だからダァメ」

弟子「オレイなんてあとからイッパイできるんだからイマはやすまないと!」

少年「す、すいません」

「んん~」ムギュ

弟子「そのこもハナレテほしくないみたいダシ」

39 :

>>33
うん、われらの・・・アイドルだと思うんだ。パタパタ プチッ

41 :

プチッなってなかっただろ!いい加減に…!

44 :

プチッがダメならブチッ

45 :

少年「……」

少年「……」ナデナデ

「」スー

少年(この子も大きな怪我とかはなさそう。よかった)

弟子「もうちょっとマッテテネ。まほうつかいがごはんツクッテルカラ」

少年「そんな、悪いですよ」

 助けてもらい、ベッドで寝かせられ治療までしてくれたのに。
 少年はこれ以上厄介になれないと首をふった。

弟子「むしろコッチがごめんね」

少年「え?」

弟子「…まほうつかいのごはん、たまにとてもアレだから」

 その顔に一瞬影がよぎったのは気のせいだろうか。

46 = 45 :

少年「……とてもアレって?」

弟子「とてもアレなんダヨ…」

少年「まほうつかいさんは料理が苦手なんですか?」

弟子「リョウリすきだよ。だけどアレンジもすきでネェ…」

少年「アレンジしすぎて味が微妙なことにと」

弟子「なぜかフツウのシチューからどくぶつつくりだせるからね」

少年「なにそれ怖い」

弟子「はりきりすぎてなきゃイイケド」

少年(期待していいのか判断に迷う)

47 = 45 :

弟子「そうだ。ボクにていねいなことばつかわなくてイイヨ」

少年「いいんですか?」

弟子「キミのほうがみためトシウエだし。それにむずかゆいヨ」エヘヘ

少年「分かりま…分かった。普通に話していくね」

弟子「ウン!」

少年「そう言えば、君の名前は?」

弟子「マダいってなかったね。エットネー、ウーン」

少年「?」

弟子「このスガタだと『デシ』かな!」

少年「…変身するの?」

弟子「チカい!キカイがあったらそのときにね」

48 = 45 :

少年「う、うん。楽しみにしとく」

コンコン

弟子「オ、ゴハンできたみたいだね」

魔法使い「起きた?」ガチャ

少年「え、あ、おはようございます」

魔法使い「おはよう。何か食べられそう?」

少年「は グーキュルルルル

少年「」

魔法使い「はは、元気で何より。そっちの子は起きそう?」

少年「ちょっと待って下さい。起きてー」ユサユサ

「うー」

少年「……まだ寝るみたいです」

魔法使い「そうか。じゃあまた後で起こそう」

49 = 45 :

 手に持ったお盆を一旦近くの机に置き、少年に近寄る。

魔法使い「もうこの子が言ったと思うけど、私は魔法使い」

少年「僕は少年っていいます」

弟子「しょうねん!ボクおぼえた」

魔法使い「少年くんだね。ゆっくり起きれるかい」

少年「なんとか…」

 少女の腕の拘束を優しくほどき、魔法使いの介助を得ながら上半身を起こす。

魔法使い「そのお盆、持ってきてくれないか」

弟子「イイヨ!」

50 = 45 :

 慎重に持ってこられたそれはいたって普通の温かいスープだった。
 いたって普通の。

弟子「よかったネェ」

少年「ど、どうも」

魔法使い「?」

 不思議そうな顔をしながら魔法使いはスプーンを手にとる。
 そしてスープで満たし、それを

魔法使い「はいあーん」

少年「ええっ!?」

魔法使い「どうした?あ、まだ熱いのか。悪い悪い」

少年「そそそそそういうことじゃなくて」

 なにかこの人変なところでずれている。


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