私的良スレ書庫
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元スレマミ「もう何も怖く……」ほむら「勇気とは怖さを知ること!」
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マミ「ふふ……慌てなくていいのよ?」
さやか「そうだよ。何たって、マミさんはたくさんのケーキを所有してるんだから!」
杏子「だからどんどんと脂肪が……」
マミ「さ、く、ら、さん?」
杏子「う……。じょ、冗談だよ」
さやか「杏子はお菓子ばっか食べてるのに痩せてるよね」
杏子「食べても太らない体質なんだよね」
マミ「あなたは今、多くの女性を敵にまわしたわ」
ほむら「あはは……」
ほむら「…………」
ほむら「あの……一つ、聞いてもいいですか?」
さやか「?」
ほむら「えっと……ちょっとした好奇心で尋ねるんですが……」
ほむら「もし……もしですよ。もし、タイプリープ系のお話で……」
ほむら「自分自身が主人公に、もとい、時間遡行者になったとすれば……」
ほむら「何度も何度も絶望して、苦しんで、悲しんで」
ほむら「そういう立場になったら……どうします?」
さやか「…………」
マミ「…………」
杏子「…………」
さやか「んー……そうだな。あたしは『結果』だけは求めないかな」
さやか「結果だけを求めると人は近道をしたがる……近道をした時、道標を見失うかもしれない」
さやか「それこそ、友達だったはずなのに友達でなかったり、仲間と敵対したりしてね」
マミ「大切なのは『道標に向かおうとする意志』じゃないかしら」
マミ「向かおうとする意志さえあれば……またやり直さなくてはいけなくなってもいつかは辿り着ける」
マミ「向かっているんだから。……見当違いかしら? ふふ、言うだけなら簡単なんだけどね」
杏子「仲間の無事、戦力、そして成功……全てを祈り続ける。時間遡行は祈りの旅だ」
杏子「急がば回れっていうことわざもあるしさ、色んな道を祈りながら進もうとする意志が大事だと思う」
杏子「あー、なんていうかな? 『まわり道こそが最短の道』だったりすることもある。まるで迷路さ」
ほむら「…………」
ほむら「うらやましい……」
ほむら「私は……大切な人を守りたいと思ってた。鹿目さんと出会ってから……ずっと」
ほむら「かつてはみなさんが言ったような意志を抱いていた……けど、繰り返していくうちに崩れていく……」
ほむら「私という弱い人間は……なにをやっても途中でダメになっちゃう」
ほむら「幾度か諦めちゃってもいいかなって……別に誰かに怒られるわけでもないし」
ほむら「そう、思ったこともあって……」
ほむら「私は……」
さやか「そんなことはないよ……ほむら」
ほむら「え?」
杏子「あんたは立派にやったんだよ。意志は同じさ」
マミ「あなたが私のお弟子さんになったばかりの時に抱いていたその意志……今、ようやく報われた」
ほむら「な……なんで……巴さん」
ほむら「なったばかりの時って……なんで知っているんですか? 話しましたっけ……?」
ほむら「……? そ、そういえば……私、なんでここにいるの?」
ほむら「鹿目さんは……どうしてここにいないの?」
ほむら「……そ、そうだ。行かなくちゃ……私は行かなくちゃいけないんだ……」
ほむら「でも……でも……どこへ? 私は……どこへ行かなくちゃいけないの?」
ほむら「わからない……私は……私はどこへ行けば……」
杏子「……全く、しょうがねぇ奴だな。教えてやるよ。……戻るんだ」
ほむら「戻る……?」
杏子「そう。あんたがいるべき場所に、あるべき世界にな」
さやか「さ、外に停まってるバスにちゃっちゃと乗っていきなよ」
さやか「あんたはそれに乗ってここに来たんだ」
ほむら「私が……バスに……?」
マミ「ここは終点……。誰にも戻ることはできない」
マミ「……ただし」
マミ「あなたは往復の切符を持っている」
ほむら「あ……」
ほむら「あなた達は……! そうだ……! あなたはッ!」
ほむら「巴さん。あなたは私を庇って亡くなった『時間軸』の……!」
マミ「暁美さん……あなたは立派にやったのよ。私が誇りに思うくらい立派にね……」
杏子「…………」スタッ
まどか「ほむらちゃん!」
さやか「おっとぉ、お疲れかい? ほむらぁ。何寝ちゃってんだよ!」
マミ「お疲れさま! 暁美さん!」
杏子「…………」
さやか「……杏子?」
杏子「ほむらは…………」
マミ「どうかしたの……?」
杏子「死んだ」
まどか「……え」
まどか「な……何を言ってるのかわからないよ……?」
杏子「見ろ。これを」ゴソ…
マミ「こ……ッ! これって……!」
杏子「ほむらのソウルジェムだ。割れているだろう」
さやか「ッ!?」
まどか「あ……ああ……あああ……」
マミ「…………クッ」
杏子「波紋は生命のエネルギー。ほむらは自分の命を全て、ワルプルギスにぶつけたんだ。そして、命が尽きた。……オッサンと同じようにな」
さやか「そ、そんな……」
まどか「あああああ……! ああうぅ……っ!」
ガクリ
さやか「そんなことって……せっかくワルプルギスを乗り越えたってのに……!」
杏子「……ほむらはすでに救われていたんだ」
まどか「うぅ……えぐ……うっく……」
まどか「ひどいよ……こんなのあんまりだよ……!」
まどか「ほむらちゃんを守るって……誓ったのに……!」
まどか「折角……! 折角ほむらちゃんが幸せになれるのにッ!」
まどか「いやだ! いやだよそんなのぉ! ほむらちゃん……! ほむらちゃぁん……!」
マミ「鹿目さん……」
杏子「ほむら……ろうそくの炎のように儚い奴だ……」
まどか「ううぅ……」
QB「犠牲者が二人だけで済んだだけでも、それは異常とさえ言える程だ」
QB「……しかもその内一人が魔法少女じゃないときたものだ」
さやか「キュゥべえ……」
QB「あのワルプルギスが溶けてしまうだなんて……波紋というものに興味が沸いた」
杏子「…………もう、波紋を使える者はいない。誰もな……」
QB「そう。……僕には感情がないからわからないけど、この喪失感が、悲しみなのかな。それとも、勿体ないという気持ちなのかな」
QB(ツェペリという人間、いや、概念は……遺体も残さずに消えた。彼は魔女の影響で生まれた『得体の知れない何か』だ。まぁ彼はともかくとして……)
QB(ほむらには、死んでもらっては困る。かと言って……まどかに「それ」を教えるのも……)
マミ「…………」
マミ『……キュゥべえ』
QB『……うん? どうしたんだい? わざわざテレパシーで』
マミ『…………』
QB『……気付いていたのかい?』
マミ『確証がないの。でも……鹿目さんは「それ」ができるの? それを聞きたい』
QB『……僕もわからない。……仕方ない。試してみるよ』
QB「まどか」
まどか「グスッ……なに? キュゥべえ……」
QB「君には素質があるんだ。それはもう、とんでもない……ね」
まどか「えっ……?」
杏子「何言ってんだ? こいつ……」
QB「君の願いは、魔法少女の蘇生だ。幼なじみの怪我を治したいという願いから治癒魔法が得意なさやかと同じように……もし、その願いが反映されるなら……」
まどか「まさか……」
QB「可能性はある」
マミ「……」
まどか「わたしが……」
さやか「……何? 何の話?」
杏子「ほむらが、あたし達と同じように……?」
さやか「?」
まどか(ほむらちゃんのソウルジェム……)
キュッ
さやか「え……? まどか……?」
パァッ
さやか「なっ……! こ、この光は……まさか、そんな……そんなッ!?」
まどか「お願い……ほむらちゃん……!」
QB(まどかには……)
QB(まどかには素質がある。この世の概念を覆すことができるような……全ての魔女をなくしてしまうような……)
QB(失った魂を再び繋ぐような……死をなかったことにするような……)
QB(まどかの願い、「魔法少女の蘇生」が反映されて、ほむらのソウルジェムを「直す」……)
QB(ソウルジェムに直接関与する固有魔法を持つ「可能性」はある)
さやか「…………」
杏子「…………」
マミ「…………」
まどか「…………ほむらちゃん」
QB(実際に、そうだった)
QB(ありえない話だが、本当に直ってしまった。……本当のイレギュラーほむらでもツェペリでもない)
QB(まどか。君だ)
死んだ人間が生き返るなんて、都合がいい話だけど……そこはまぁ、うん。奇跡も魔法も、あるんだよ!
――21世紀日本女子中学生 美樹さやかの言葉
ほむら(…………)
ほむら(……夢?)
ほむら(私は何を……)
ほむら(確か私は……紅茶を飲んでて……えっと……)
ほむら(往復……切符)
ほむら「…………」
ほむら「空……」
ほむら「…………」
ほむら「私……」
ほむら「生きてる」
まどか「ほむらちゃん……!」
ほむら「わ、私は……!」
ギュッ
ほむら「鹿目さん……!」
まどか「ほむらちゃんの馬鹿……自分の生命を使い果たすなんて……」
ほむら「…………」
まどか「ほむらちゃんは……ほむらちゃんはわたしに自分を犠牲にしないでと言った……!」
まどか「なのに……何で、勝手に死んじゃうの……!」
ほむら「それは……」
まどか「ほむらちゃんは……」
まどか「……わたしのこと、嫌い?」
ほむら「まさか! 私の願いは鹿目さんの幸せ……。命を賭してまで叶えたかった私の願い。これは所詮、私が勝手にやったこと……!」
まどか「それじゃあ、どうしてわたしの幸せにほむらちゃんが必要だって考えてくれなかったの?」
ほむら「……」
まどか「やっぱり……嫌いなの?」
ほむら「そんなことない! 鹿目さんは、私の最高の友達! 大好きに決まってる……!」
まどか「なら! ずっと一緒にいて! どこかにいかないで……!」
まどか「わたしのために……みんなのために……! ずっと……!」
ほむら「うぅっ……鹿目さん……」ポロポロ
ほむら「ごめんなさい……ごめんなさいぃ……グスッ」
まどか「……ほむらちゃんが初めて会った時の鹿目さんを、超えてみせる」
ほむら「……ん」
まどか「わたしがほむらちゃんを引っ張って、守ってあげるからね」
ほむら「……うん」
まどか「ほむらちゃん……わたしもあなたのこと大好きだよ!」
ほむら「……うん!」
さやか「泣かせてくれるねぇーオロロ~ン」
マミ「これで……みんな一緒ね……グスッ」
杏子「おい、本当に泣いてるぜこいつ」ケタケタ
マミ「な、何よっ! 暁美さんが生き返ったのよ?! 二人ともケロッてしてるけど、なんとも思わないの?!」
杏子「嬉しいから笑ってるんじゃないか」
さやか「あっはっはー」
杏子「はっはっはー」
マミ「……目が赤いわよ」
杏子「な、泣いてないしっ」プイッ
さやか「えへへ…………グスッ」
今回はここまで。色々トラブルはあったけど何とかなった。
ワルプル戦、結構急ぎというか、展開が気持ち早く、都合のいい展開、お見苦しいかもでした。
次回、ようやく最終回となります。
今夜9時か10時くらいに再開予定です。少なくとも今日中には終わらせたい。
>>402
何故バレたし。その通りです。自分はスレタイ飾った割にあんこちゃんが若干空気なアレの作者です。
これで二作目になります。今にして思えば前作は色々とミスが多かったなぁ
一週間後
――ほむら宅
ほむら「…………」
「ゃーん……」
ほむら「…………」ポケーッ
「ほむらちゃん!」
ほむら「ふぇっ!? え、あ、はい!」
まどか「もー、ほむらちゃんったら、ボーっとしちゃって~。ティヒヒッ」
杏子「そうだぞー。あたしらは客なんだぞー」
ほむら「ご、ごめんなさい……何だか……ワルプルギスを超えて気が抜けたというか……色々考え事してて」
さやか「あんたねぇ……ワルプルギスから一週間ぶりに顔合わせたってのに……。学校は休校中けどさ。いい加減シャキっとしなよ!」
マミ「シャキっと……と言えば、紅茶よりコーヒーかしらね。まあ紅茶なんだけどね」カチャ
ほむら「あ……巴さん、いつの間に紅茶なんて……」
マミ「暁美さん。あなたが話したいことがあるっていうからあなたの家に集まったのよ?」
ほむら「そうでした……すみません。お客さんなのに淹れさせちゃって……」
マミ「いいのよ。友達の家に遊びに行くの、憧れてたから」
杏子「ぼっちは不憫だよな」ホロリ
マミ「夕飯抜き」
杏子「ごめんなさい。マミさんはこのあたしめを家に置いてくださっている慈愛に満ちあふれた魔法少女の鑑でございます」
マミ「よろしい」
さやか「…………」
まどか「…………」
杏子「そんな目で見るな」
ほむら「……」ボーッ
まどか「ほらまた」
ほむら「あっ、ごめん。じゃあひっくり返します!」
マミ「ちょっ!」
杏子「オッサンか? 液体見るたびにオッサン思い出すのか?」
さやか「……ほむら、ちゃんと生活できてるの?」
ほむら「…………」
杏子「どうした?」
ほむら「……死人であるツェペリさんと出会って、巴さんが私からプロポーズされると勘違いして、美樹さんが惨死して……」
まどか「プ、プロポ……!」
マミ「ちょ! あ、あの時のことは言わないでって言ったじゃない!」
ほむら「佐倉さんが魔女になって、私が死んで、鹿目さんが生き返らせてくれた……」
杏子「何おさらいしてんだよ」
さやか「ほむら?」
ほむら「嘘みたいなことばっかり続いて……今、こうしているのが現実なのかって……今でも不思議で……」
まどか「ほむらちゃん……」
ほむら「嬉しいのと同時に、不安で……」
まどか「不安?」
ほむら「私は、鹿目さんとの出会いをやり直すことができた。……だから、時を止める能力は無くなって……」
マミ「えぇ、それは聞いたわ」
ほむら「しかも波紋エネルギーを一度使い果たしたからどうにも回復が遅いというか……」
ほむら「うまく波紋が練れないんです」
さやか「それって……」
杏子「一度死んで感覚が鈍ったってとこか」
ほむら「はい……一時的なものです」
ほむら「それに死んじゃって盾も一時的に失ったから、中身も全部なくなっちゃって……」
まどか「爆弾とか……カラオケのマイクとかも?」
さやか「マイク? ……なんか盾の能力がショボく見えてきた」
ほむら「波紋と爆弾と時を止める能力にずっと頼ってたし……魔法少女としての元々の素質が大したことないわけですし……」
ほむら「だから……全部失った今のままじゃ使い魔さえ倒せない。みんなの足手まといになるんじゃないかって……ずっと考えてて……」
ほむら「なかなか言い辛くって……」
ほむら「……他にも色々悩んでることもあるけど」
まどか「ほむらちゃん……そんなこと考える必要ないよ!」
ほむら「……」
さやか「そうだよほむら! むしろあたしらがあんたを足手まといに思う根拠ってなにさ!」
マミ「暁美さんはずっと私達のために尽くしてくれたんだもの。私達があなたを支える番になっただけよ」
杏子「そうそう。……ま、せいぜい感覚を取り戻すのを頑張れよってこった」
ほむら「みんな……」
ほむら「……うん! 私、頑張る! ワルプルギスを倒した時より強くなる!」
まどか「その意気その意気!」
ほむら「休校が解除されるまでに5分間息を吸い続けて5分間息を吐けるようになる!」
さやか「女子中学生としてその意気込みはどうなの?!」
マミ「あらあら、張り切っちゃって」
杏子「おいほむら」
ほむら「はい」
杏子「ついででいいからあたしにも波紋教えろよ~」
ほむら「えっ」
さやか「あ! そうだった! あたしも波紋やりたい!」
ほむら「う、う~ん……」
さやか「切磋琢磨しよう!」
まどか「さやかちゃんが四字熟語を……!」
さやか「…………」
杏子「頼むほむら! いや、先生!」
ほむら「せ、先生!?」
さやか「嫌だと言っても無理矢理教わるもんねー!」
マミ「よかったわね。弟子が二人もできたわよ?」クスクス
ほむら「そ、そんな、からかわないでください……」
杏子「あたしはあんたにも恩がある。だから絶対に挫折しないぜ!」
さやか「あたしはその気になれば痛みとか消せるからどうにでもなるよ!」
ほむら「…………」
ほむら「…………丁度いっか」ボソッ
まどか「え? 何か言った?」
ほむら「いえ……鹿目さんもやってみる? 巴さんもどうですか?」
まどか「え?」
マミ「私達も?」
ほむら「よければみんな一緒に……」
さやか「うおおおおお! やったぜ!」
杏子「やったぜホムホム先生!」
ほむら「ほむほむ先生!?」
さやか「ホムホム先生!!」
まどか「……マミさん。どうします?」
マミ「ふふ、しょうがないわね。やりましょう」
まどか「ティヒヒ、そうですね! ほむらちゃん。よろしくお願いしますっ」
ほむら「うんっ!」
マミ「先生♪」
まどか「せんせっ♪」
ほむら「うぅ、先生だなんてやめてよぉ……」
ほむら「コホン……それでは早速始めましょう!」
杏子「え? 今? ここで?」
ほむら「早い方がいいじゃないですか! それに最初は呼吸をするだけですから屋内でも大丈夫ですよ?」
ほむら「この部屋は防音性も高いしマジカルパワーもあるので多少騒いでも問題ないです!」
まどか「ほむらちゃん……本当に変わりましたよね」
マミ「そうね……笑顔の質が変わったというか、逞しくなったというか」
ほむら「実はですね。私、みんなに波紋を教えたかったんです」
さやか「そうなんだ。ナイスタイミングだったねっ」
マミ「張り切ってるわねぇ」
ほむら「別のことでも悩んでたんですけど、それはまあ後で」
ほむら「それではみなさん。波紋教室を始めます」スック
ほむら「起立!」
マミ/杏子/まどか/さやか「は、はいっ!」ザッ
ほむら「えへへ……一度やってみたかったんだよねこれ」
マミ「鹿目さん……随分とお茶目になって……」
まどか「かわいいですね」
ほむら「え~っとですね。早速なんですが、この一週間。試行錯誤してあるもの作ったんですよ……」ゴソゴソ
さやか「あんたこの一週間何をしてたんだ」
ほむら「こちらです」
杏子「何それ? すっげーダサいデザインだなぁ」
ほむら「これは呼吸矯正マスク!」バーン
マミ「矯正マスク?」
まどか「まるでガスマスクみたいだね」
ほむら「えーっと……」
マミ「うん?」
まどか「どうしたの?」
ほむら「ん――……」
杏子「何だよ」
さやか(ちょいと小腹空いたかなー)
ほむら「えい!」バッ
さやか「むぐっ!?」
パチン、パチン
まどか「な、何やってるの?!」
杏子「マスクを着けた!」
さやか「ウ、ウググッ!? は、外れない! 外れないィ!?」
マミ「ど、どうしたの!? 美樹さん? 美樹さんっ!」
さやか「こっ、き、う、が……ンパ! ンパッ!」プルプル
ほむら「特定のリズム……則ち波紋の呼吸でないと息ができなくなり酸欠になる仕組みのマスク!」
杏子「なん……だと……」
ほむら「これ作るのに苦労しました」ホムッ
まどか「な、なんて器用なことを……」
さやか「おごごごご……」ピクピク
ほむら「波紋の呼吸をしないと窒息します」
ほむら「これをつけた状態で100km走っても息切れしなくなるのが目標! あなたも! 私も!」
マミ「ひゃ、100km……!」
ほむら「波紋は呼吸を征すること。息切れは呼吸。極めれば息切れしなくなります!」
ほむら「逆を言えば、故意に息切れしないと怪しまれます。ハイ」
杏子「うわぁ……」
さやか「」
まどか「さやかちゃーん!」
杏子「いやいやいや! いきなり着けられたって無理に決まってるだろ!」
ほむら「はい。重々承知です。なので……」
ほむら「パウッ」
ドスゥ
さやか「ンムゥ!?」
杏子「いつぞやの腹パンきたァ――ッ!?」
マミ「踏んだり蹴ったりね……」
さやか「ぃ……ぃ……」プルプル
さやか「いい加減にしやがれェ――ッ!」
まどか「!?」
さやか「……あ、あれ? 息ができる」
ほむら「横隔膜を刺激して一時的に波紋の呼吸ができるようにしました。ちゃんと練習しました」
さやか「お~。すげ~。さやかちゃんのセクスィーな唇が隠れてるという点に目を瞑れば最高ォ~」コォォォ
杏子「何言ってんだおまえ」
ほむら「このリズムを体で覚えてください。慣れれば風邪のマスクくらいに気にならなくなる……と思う」
ほむら「あ、マスク外しますね。美樹さん。どうでした?」
さやか「うん。死にかけた」パチンッ
マミ「……ね、ねぇ、暁美さん」
ほむら「はい?」
マミ「もしかして、そのリズムを覚えるまで腹パンされ続けるの?」
ほむら「お腹じゃないです。横隔膜です」
まどか「……わたしも突かれちゃうの」
ほむら「……ごめんね?」
杏子「あたしは経験済みだ。失敗されたけど」
ほむら「本当はこんなことしたくないんですが……私、それ以外に教え方知らないんです」
さやか「あたしには躊躇なくやったのに……」
杏子「それしか知らないって……まさかほむらもオッサンからそうやって?」
ほむら「はい。私もツェペリさんにこの波紋の呼吸を覚えるまで横隔膜を何度も殴……ツボ押ししてもらいました。そしてそのリズムを体で覚えた次第です」
ほむら「何度もリズムが乱れて5、6回くらいかなぁ、横隔膜突かれました。……何度もツボ押ししたくないしさせたくないし効率的じゃないので、このマスクを作りました」
マミ「暁美さん……あなたって子は……」
ほむら「素質のない私が最も手っ取り早く覚える方法だったんです。他にも方法はあったらしいのですが、今更わかりませんし」
まどか(ほむらちゃんが殴……苦しむ側だったんだ……。ほむらちゃんがさっきのさやかちゃんみたいに……)
まどか(……むぅ、例えツェペリさんと言えど、波紋を学ぶためと言えど……複雑な気持ちになる)
ほむら「あ、そうそう。マスク一つしかないんで使い回してください。次は誰?」
まどか「…………」
マミ「…………」
杏子「…………」
さやか「おいあんたらその沈黙は割と傷つくぞ」
ほむら「つ、次までにちゃんと人数分作りますね」
さやか「沈黙の意味を悟りやがったな……」
ほむら「本格的な波紋の修行はまた後日ということで」
さやか「ツーン」
杏子「元気だせよ。何もさやかだから嫌ってわけじゃないんだからな」
まどか「そうだよさやかちゃん。わたし達思春期なんだから」
マミ「スプーンとかの間接キスってならまだしもマスクはディープすぎるじゃない」
さやか「……うぅ~」
ほむら「あの……ですね」
まどか「どうしたの? ほむらちゃん」
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