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元スレマミ「もう何も怖く……」ほむら「勇気とは怖さを知ること!」
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なんとなくなんだけど、
杏子「巻きますか、巻きませんか」 の人?
杏子「巻きますか、巻きませんか」 の人?
――
――――
杏子「ロッソ・ファンタズマッ!」
マミ「じゃあ、これを持って」
杏子s「うい」
杏子s「それじゃあ行ってくる」
~~~~~~~~~~
ほむら「まず、佐倉さんは分身して、巴さんのリボンを持って飛び回ってください」
ほむら「そして、たくさんのリボンが絡み合うように……」
~~~~~~~~~~
杏子「よし……こんなもんだろ」
――リボン同士が結び合い、蜘蛛の巣のように縦横無尽に伸びている。
ワルプルギスを鳥篭の中のインコのように、リボンで囲んだ。リボンの結界である。
使い魔「――」ズッ
杏子「おいおい。あたしみたいに考えないで飛んでるとリボンに当たるぞ」
バチィッ
使い魔「!」
杏子「ほれ見たことか。痛いだろ」
――多量のリボンその全てに波紋が通っている。そのリボンに触れた使い魔は波紋のダメージを喰らうのだ。
すなわち、波紋の電気柵!
――地上
使い魔「――」
さやか「そりゃ!」
ザシュッ
さやか「マミさんのリボンには油が染みこませてある!」
ツェペリ「コォォォ……」
ほむら「コォォォ……」
まどか「そこにほむらちゃんとツェペリさんの波紋が高圧電線のように走ってるんだよ!」
マミ「名付けて直径200mバッリエーラ・イル・ソーレ(太陽の結界)ッ!」
さやか「マミさんはブレないね」
ツェペリ「――しかし、魔女を攻撃するためではない」
ツェペリ「よし、ほむら。後を頼む」
ほむら「はい!」
~~~~~~~~~~~~
ほむら「結界が張れたら、佐倉さんとツェペリさん。私達の2:4に分かれます」
ほむら「私は結界に波紋を流し続けて、佐倉さんは待機。鹿目さんと巴さんは遠距離攻撃。美樹さんは私達の護衛をお願いします」
~~~~~~~~~~~~
ビシィッ
ツェペリ「綱の上で修行した時のことを思い出すなぁ」
――ツェペリは、リボンに流れる波紋に対する波紋を足に流す。
そうすることで、リボンの結界の上を渡ることができるのだ。
空を飛ぶことのできない者へのワルプルギスの夜直通ルートがこのリボンだ!
ツェペリ「ホッ、ホッ、ホッ……」
トットット
さやか「すげぇ……あのオジサン曲芸師みたいだ……」
~~~~~~~~~~~~~~~~
ほむら「佐倉さん。ツェペリさんが来たら、ワルプルギスの顔面に、攻撃をしかけてください」
ほむら「それを合図として、私達で集中砲火を仕掛けます! そしてツェペリさんの波紋でとどめッ!」
ほむら「私はリボンに波紋を流すお仕事なので攻撃に参加しません。できません」
~~~~~~~~~~~~~~~~
杏子「オッサンが来る……。よし、そろそろだな」
杏子「ロッソ・ファンタズマ一斉攻撃ィィィッ!」
ドグシアァッ
さやか「いったッ!」
ほむら「攻撃開始ッ!」
マミ「よく狙って。佐倉さんとツェペリさんに誤射しないように……」
まどか「はい!」
マミ「狙撃(シュートヒム)!」
バギュゥ――z_ンッ!
マミ「……魔女だからヒムじゃないわよね」
まどか「発射(シュートァー)ッ!」
バシュゥ――z_ンッ!
さやか「ラストショット!」
バヒュゥ――z_ンッ!
マミ「え!?」
さやか「マミさんにも秘密の奥の手だよ。この剣身を飛ばすのは……もっとも一本しかないから無くしたら作り直さなくちゃいけないんだけどね」
ポチャン
さやか「あ、ダメだ届かね」
ほむら「…………」
杏子「――と、まぁ色々あってだなぁ」
杏子「あたし達がワルプルギス直通の道を切り開いたのは……」
ツェペリ「わしが直接ワルプルギスに波紋を流し込むためだ!」
杏子「遅いぞオッサン! 使い魔退治もこんな間近で不快な笑い声聞くのも辛いんだぜェ――ッ」
バァ ――――z____ ンッ
杏子「まどかの矢が当たったッ!」
ワルプルギス「アハハハハハハハハハハハ」
杏子「オッサン! やれッ! 追い打ちだッ!」
ツェペリ「コォォォォォォ」
クルッ
ツェペリ「波紋乱渦疾走(トルネーディオーバードライブ)ッ!!」
バァッ
ドギャンッ !
杏子「むっ! 足が軸になってドリルのように……」
ギャルギャルギャルギャルギャルギャル!
杏子「回転による貫通力でワルプルギスの顔面に穴をブチあけてやれッ!」
ワルプルギス「アハハハハハハハハ…」
キュゥ――ン
杏子「……ッ!」
杏子「マズイ! オッサン! 退けッ!」
グイィッ
ツェペリ「くっ!」
杏子「そこにビルに飛び移れェ――――ッ!」
ズキュゥ――――z____ ンッ!
ほむら「ワルプルギスの攻撃……炎の矢ッ!」
まどか「うわあぁッ! す、すごいッ!」
ほむら「ツェペリさんと佐倉さんが攻撃の標的。だから矢はそのままどっかへ飛んでいく……だけど……」
さやか「だけど……なんてパワーとスピード……! まともにくらってたらひとたまりもないな……!」
マミ「二人はすんでの所で避けれたようね……!」
まどか「魔女が攻撃したってことは……今の攻撃……」
ほむら「……倒せなかった。ということになる」
杏子「……ぐっ! ちくしょう!」
杏子「折角張ったリボンの結界が台無しじゃねぇか……。蜘蛛の巣に石を投げ込まれたみてーにぽっかりと穴が空いちまった」
杏子「くそったれ魔女め! 何て攻撃だッ!」
ツェペリ「杏子! 大丈夫か!」
杏子「左の膝から下が吹っ飛んじまったよ。だが大丈夫だ」
ツェペリ「……! すまない。わしを助けるために……」
杏子「礼なんて後で嫌になるほど聞いてやる! それより波紋はどうなんだよッ!」
ツェペリ「……ダメだった」
杏子「なん……だと」
杏子「どういうことだ! 波紋強ぇーんじゃねぇのかよ!」
ツェペリ「波紋が流れていかないのだ!」
ツェペリ「巨体で頑丈なボディ故に! 体表全てがアースのように、波紋が分散してしまう!」
杏子「おいおい……マジかよ。どうしろってんだよ……」
ツェペリ「ひとまず退却じゃ。策は残されていないわけではない」
杏子「そうか……。早いとこさやかに足を治して貰わないとな……」
さやか「――それで……次はどうするのさほむらッ!」
ほむら「……今度は私が波紋をぶつけに……」
マミ「またリボンの結界を張り直さないといけないわ。まずは小休止よ」
…ォォォ
まどか「あれ……? 何の音?」
ほむら「…………?」
ゴオォォォォォ
まどか「あれは……! ほ、炎の矢だッ!」
マミ「な……ど、どうしてッ!?」
さやか「軌道を変えやがったッ!?」
ほむら「Uターンしてくる!」
マミ(テレパシー)『二人とも!』
杏子「マミからのテレパシー!?」
ツェペリ「どうかしたのか?」
マミ(テレパシー)『炎の矢が戻ってくるわ! ツェペリさんをつれて逃げて!』
杏子「何だって! あの矢が戻ってくるッ!?」
ツェペリ「何ィッ?! た、確かにこっちに向かってきている……!」
杏子「くっ……だ、だが使い魔が邪魔だ……! 逃げるにも厳しいぜッ」
ツェペリ「いや! 逃げる必要はない! こっちに来るって軌道がわかっていれば避けられる!」
ドゴォンッ!
杏子「!?」
ツェペリ「な、何の音だッ?!」
さやか「炎の矢が……浮遊しているビルに……!」
まどか「外した……?」
マミ「まさか……あのワルプルギスがそんなこと……」
ほむら「……ッ! いや、狙い通り! 奴はわざとビルを狙ったッ!」
まどか「ビルの瓦礫が……魔女の方へ……いや、杏子ちゃん達に飛んでいく!」
まどか「う、撃ち落と――」
マミ「ま、間に合わないッ!」
ほむら(時を止めても……リボンが切れてしまったから行く術がない! まずい……ッ!)
使い魔「」ブシャ
使い魔「」メキョッ
ツェペリ「おおおおッ! も、ものすごい破片飛沫の広がりとその爆発さながらのスピード!」
杏子「使い魔が潰されていく! や、やばい! やばいぞこれはッ!」
杏子「飛んで避けるかッ!? 屈んで避けるかッ!?」
ツェペリ「だめだ! どうしても広がり飛んでくる破片のどれかにあたってしまうッ!」
ツェペリ「コォォォォォォォォ!」
杏子「オッサン! 波紋してる場合じゃない! 負傷覚悟で逃げるぞ! 屈め!」
杏子「あ、いや飛ぶんだ! 飛んで避ける方がいい!」
ツェペリ「いいや、これしかない! わしの後ろにつけぃ!」バッ
杏子「お、オッサン何を……!」
ツェペリ「当たる面積を最大にして波紋防御!」
グォォォン
杏子「オ、オッサン?!」
メメタァッ
杏子「そ、そんな……! あ、あたしの『盾』にッ?!」
バシバシバシバシ
ツェペリ「うがあああッ!」
ドバババ
杏子「んな無茶苦茶なッ! あたしを庇うために……!」
ツェペリ「足を負傷したおまえに……これ以上の負傷……は……グハッ!」
杏子「ち、ちくしょう! ひ、退かなくては!」ガシィッ
杏子「重い……! 瓦礫が肉に食い込んでるからなおさら重い……!」
――
――――
ほむら「ツェペリさん! ツェペリさんッ!」
ユサユサ
ツェペリ「ゲフッ…」
マミ「な、なんてことを……全身ズタボロじゃない!」
杏子「どうしてあんなこと……!」
ツェペリ「かっこつけたかった……じゃあダメかな」
さやか「喋らないでオジサン! 今、治癒魔法で治してあげ……」
パァッ
さやか「る……?」
まどか「……え?」
さやか「治らない」
まどか「さ、さやかちゃん?」
――――
ほむら「ツェペリさん! ツェペリさんッ!」
ユサユサ
ツェペリ「ゲフッ…」
マミ「な、なんてことを……全身ズタボロじゃない!」
杏子「どうしてあんなこと……!」
ツェペリ「かっこつけたかった……じゃあダメかな」
さやか「喋らないでオジサン! 今、治癒魔法で治してあげ……」
パァッ
さやか「る……?」
まどか「……え?」
さやか「治らない」
まどか「さ、さやかちゃん?」
ほむら「…………」
マミ「……どうして?」
さやか「どうして治らないんだよぉぉぉぉぉっ!」
まどか「お、落ち着いて、ゆっくりやれば……!」
さやか「あたしは腕がもげても足が吹っ飛んでもお腹に穴があいても、絶対に治るのに!」
杏子「おいさやか! 手ェ抜いてんじゃあねーだろォ――なッ! 早く治――」
ツェペリ「その必要はない……」
杏子「!」
ツェペリ「それは、わしが……既に死んでいるからだ。死んでいる者は治らない」
まどか「し、死んでいる!? ど……どういうことなの!?」
杏子「オッサン! おい! 意味わかんねーぞ!?」
ツェペリ「ほむらよ……手を……」
ほむら「…………はい」スッ
ガシィッ
まどか「ツェペリさん……何を……」
ツェペリ「おまえはよく頑張った。たった一ヶ月で……。後は……この世界のことは……この世界の者が解決するのだ」
マミ「な、何を言ってるの……? この世界? どういうこと……」
ツェペリ「わしが託すのは……この世界の未来に託す魂……人間の魂じゃ!」
ツェペリ「一度失った波紋エネルギーを……何故か生き返ったこの世界で再び蓄えた……その全てをッ!」
ツェペリ「わが……究極の奥義……ほむらに捧げる!」
ほむら「うぅ……ツェペリさん……!」
ギャンッ
ツェペリ(二度目……か。この技を二回目を使うチャンスがくるとは思わんかった)
ツェペリ「究極! 深仙脈疾走 (ディーパスオーバードライブ)!」
ボッ ゴアァ
ほむら「!」
ゴアッ
ツェペリ「フフ……ほむら。わしの生命エネルギー……」
ツェペリ「全て……捧げた……ぞ……」
ツェペリ(とは言え……『一度目』の時よりも捧げたエネルギーは少ないがな……これでは究極とは言えん……か)
杏子「オッサン! おい、オッサン! さやか! 手ぇ抜いてんじゃあないのか! さっさと治せよ!」
さやか「あり得ない……どうしてあたしの魔法が……死んでるって……どういうことなんだよ……」
マミ「こ……こんな! こんなこと!」
まどか「そんなのってないよ……! 残酷すぎる!!」ポロポロ
杏子「オ……オッサン!」
さやか「ツェペリのオジサぁ――ン!」
ツェペリ「…………」
ほむら「そ、そんな……そんな……!」
ほむら(感じる……ツェペリさんの手から伝わる……波紋が、生命エネルギーなくなった……)
ほむら(冷たい消滅……! 「終わり」の感覚……!)
ほむら「やだよぉ……ツェペリさん……!」
ツェペリ「……気にするな。わしは、そうなるべきだったところに戻るだけじゃ。元に戻るだけ……ただ、元に……」
ほむら「あなたがいなくなったら……エグッ、私達は、どうすれば……グスッ、いいのですか……? ……ウック」ポロポロ
ツェペリ「…………」
ツェペリ「……ほむら……き……きさま……大……バカ者が……悲しんどる場合! 今のおまえは!」
ほむら「……!」
まどか「き、消えた……?」
マミ「嘘……幽霊のように……」
杏子「魔女に感謝……とか言ったな。オッサンは……魔女の生まれ変わりか何かだったのか……?」
杏子「理解を超えているが……もしそういう類なら、死んで……消えても納得はする」
さやか「既に死んでたとか……全然わからんなかったけど……そういう、ことだよね」
さやか「……はは、何でこんなに冷静なんだろうね。オジサンが死んだって言うのに」
マミ「……逝ってしまったようね。彼の言う『元』の世界に導かれて……」
まどか「……ううぅ」
ほむら(ツェペリさん……)
ほむら「…………」グシグシ
ほむら「…………」
ほむら「同じ傷口を狙うッ!」
杏子「うおっ!?」
さやか「な、なんだいきなり!」
ほむら「奴に一斉攻撃を与えた場所に! もう一度! 同じ傷口に叩き込む!」
まどか「お、同じ傷口……?」
マミ(暁美さん……。……そうね。悲しんでいる暇はないわ)
杏子「だが……傷口も何も、あのクソッタレ魔女にまともなダメージを与えられなかったんだぞ? 手応えでわかる」
さやか「それに……同じ箇所を攻撃するってんなら……あたしは今の攻撃に参加してないし、同じも何も、わからない……」
マミ「私と鹿目さんは遠距離攻撃だから、頭とか手先とか部位を狙うならまだしも、せめてわかりやすい目印でもないと……」
まどか「わたしの矢は魔法で作ったものだから……刺さっても、すぐに消えちゃうし……」
ほむら「……よく見て」
ほむら「双眼鏡」スッ
まどか「え? 覗くの? うん、わかった……」
ほむら「額の辺り、よく見て。目も鼻もないからちょっとわかりにくいかもしれない」
まどか「……あ!」
マミ「どうしたの鹿目さん!?」
まどか「眉間……いや、眉はないけど……その辺りに、よく見たら傷がある……!」
さやか「え、マジで?」
ほむら「直前に射った鹿目さんの矢は! 一瞬だけ、矢先が界面活性剤のように魔女の顔にくっつきました!」
ほむら「その瞬間に! ツェペリさんの波紋乱渦疾走の回転蹴りで矢を『押し込ん』でもらったのですッ! ドライバーがネジを材木にねじ込むように!」
ほむら「結論から言うと……ワルプルギスの眉間に! 矢尻の分だけくい込み、えぐれた傷があるということ!」
ほむら「人間の皮膚でいう真皮にちょこっとめりこんだ程度に過ぎないけど……とにかくそこをもう一度狙います!」
さやか「よ、よし! わかった! 何にしてももう一度だなッ! 使い魔の行動パターンとかは覚えているッ!」
杏子「グリーフシードで浄化は完了したぜ! あたしはいつでも行けるッ!」
マミ「とにかく眉間を撃てばいいのね! なら大丈夫! 任せて!」
ほむら「傷が深まった所に波紋をぶつけてみせるッ!」
まどか「…………」
まどか(……いつからだろう)
まどか(ほむらちゃんは……あらゆる他人に恐怖心というか遠慮というか控えめというか……)
まどか(そういうのを持ってて、おどおどした性格だった。小動物のようだった)
まどか(わたしも初対面の印象は「守ってあげたくなる子」だった。実際はずっと守られてきたけど……)
シュルル
マミ「リボンを修復したわ。これでいい? 暁美さん」
ほむら「はい」
ほむら「巴さん。援護射撃と鹿目さんの護衛をお願いします」
マミ「ええ、わかったわ」
ほむら「鹿目さんは、リボンに魔力を流してワイヤーみたいに硬くして。そして、さっきと同様に佐倉さんの攻撃を合図に一斉攻撃!」
まどか「う、うんっ!」
まどか(スポーツをすると性格が変わるとは聞くけど……とにかくほむらちゃんは……この一ヶ月で大きく印象が変わった……!)
ほむら「佐倉さんは飛んで、私と美樹さんはそのワイヤーを綱渡りの要領で駆け上がって、ワルプルギスに接近します」
杏子「おう!」
さやか「つ、綱渡り!? そ、そんな無茶な……」
ほむら「ツェペリさんは、波紋があったからリボンにくっついてその上を安全に走れました」
ほむら「しかし事情は事情! できなくてもやってください! 途中までなら、落ちそうになっでも時間を止めて助けますから」
さやか「わ、わぁったよ! やってやんよ!」
まどか(転校初日の緊張した顔、臆病な態度、わたしが契約する時の震えた声。その全てが、夢のだったかのよう……)
ほむら「一斉攻撃再開ッ!」
ワルプルギス「アハハハハハハハハハハハハハ」
杏子「行くぞオォォォォッ!」バッ
さやか「うわっ! こ、怖ッ! ちょっと揺れてる! うおわッ! えぇい南無三ッ!」ダッ
ほむら(これで……全てを決める!)ダッ
マミ「……そろそろね。行くわよ! 鹿目さん!」
まどか「はいっ!」
マミ「ボンバルダメントォッ!」
まどか「スタ――ライトアロォ――ッ!」
ドギャンッ! ドギュウウウゥゥ――z__ン
まどか(マミさんやツェペリさんの後ろを歩いていたほむらちゃんが今、先頭にたってわたし達を引っ張る程に逞しくなった)
まどか(これで……全てが決まる!)
杏子「最後の審判ッ!」
さやか「スティンガァ――ッ!」
ボムギ! ズギャンッ!
ワルプルギス「アハハハハ」
キュィ――
ほむら「!」
さやか「やばいッ!」
杏子「奴の攻撃がくるッ!」
ズキュゥ――――z____ ンッ!
杏子「うおおおおおおおッ!」
さやか「うああああああッ!」
ドサッ ドサァッ
まどか「さやかちゃん! 杏子ちゃん!」
マミ「二人とも! 大丈夫!? こ、ここまで吹っ飛んでくるだなんて!」
杏子「ふ――、だ、大丈夫だ。武器とリボンが盾になって何とか……な」ムクリ
さやか「あの炎の矢……そのままの意味で骨が折れるね。指が焼き切れたりとかしたけども」
杏子「スマナイが……また治してくれ。今のままじゃゾンビを名乗っても通っちまうよ」
さやか「あたしの後でね」ズギュンッ
まどか「ほ、ほむらちゃんはッ!?」
マミ「……いるわ。あそこに」
さやか「あいつさァー……あたしらでワルプルギスの注意惹かせてちゃっかりとさぁー」
杏子「敵を騙すなら味方からとは言うが……何で黙ってしちゃうかねぇ」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ワルプルギス「アハハハハハハハハハハハハハハハ」
ほむら「コォォ……」
ピッタァァ
まどか「ほむらちゃん……! ワルプルギスに張り付いているッ!?」
マミ「くっつく波紋ってやつね……!」
まどか「あっ……! 見て! わ、ワルプルギスの白い顔に……赤い亀裂が……ッ!」
杏子「ワルプルギスは、二度の総攻撃を受けて、人間でいう皮下細胞がむき出しになっている状態になっている!」
マミ「そこから波紋を……! 外部がダメなら内部から! これは賭けになる!」
さやか「でも……ほむらには、オジサンの波紋パワーが受け継がれている! 行ける!」
杏子「行けェ――ッ! ほむらァ――ッ! 波紋を流し込め――ッ!」
まどか(ほむらちゃん……ッ!)
ほむら「人間讃歌は勇気の讃歌……」
ほむら「勇気とは……恐怖を我が物とすること」
ほむら「全てを敢えて差し出した者が真の全てを得る」
ほむら「巴さん、美樹さん、佐倉さん、鹿目さん。そして……ツェペリさん」
ほむら「奴を倒すためなら……私は……『全て』を敢えて差し出せます。……もう、何も怖くない」
ほむら「私の肉体に残された全ての力……。ツェペリさんから託された魂の力……そのすべてを一気に放出する!」
ほむら「みんなから受け継いだ人間の魂……私からみんなに託すのは、未来への遺産……!」
ほむら「夜を明かして……みんなに暁を……陽の光を見せたいから!」
カチッ
ほむら「時は止まった」
ほむら「時が止まっている間に、体勢を整え――波紋のエネルギーを蓄える!」
ググッ…
ほむら「肉体を強化させる魔法で、呼吸に関わる筋肉……呼吸筋を限界まで強化ッ!」
ほむら「ワルプルギスに波紋を与える際、より深くに流すために、ねじ込む程の腕力をッ! 途中で折れないように骨も強化ッ!」
ほむら「最大の魔力ッ! 最強の波紋ッ! これが、私の最高のパワーッ!」
ほむら「夜を明かすのは太陽の波紋ッ! これが私の全ての力だッ!!」
ほむら「コォォォォォォォォォ!」
ほむら「震えるぞハートッ! 燃え尽きるほどヒートッ! 刻むぞ血液のビートッ!」
――時は動き出す。
ほむら「山 吹 色 の 波 紋 疾 走 (サンライトイエローオーバードライブ) ッ!!」
カッ
まどか「うわっ!? ま、眩しいッ!」
さやか「あの黄色い……太陽のような輝きは!」
杏子「波紋疾走がぶつかってはじける輝きだ!」
ギュキュゥ――ン
マミ「やったッ! この音! ブ厚い鉄の扉に流れ弾丸のあたったような音……いつも聞く『波紋』の流れる音よ!」
ワルプルギス「AAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHh!」
ボゴボゴボゴ
まどか「わ、ワルプルギスの頭が……溶けている……!」
さやか「そのまま……そのまま溶けきれ! 溶けて顔面の中をシェイクされろォ――ッ!」
――人間とて強い直射日光をあびれば火傷で皮フが水ぶくれになる。
ほむらが普段の波紋を与えれば普通の人はしびれて気を失う程度であろう。
しかしほむらが魔女の内部に直接与えたのはその数百倍! 魔女の体が液体化しはじめ気化しはじめた――
ワルプルギス「――――」
ボゴォッ
杏子「魔女の顔面が破壊された!」
マミ「……魔女の体も消えていく……!」
まどか「黒い空も……一緒に……」
パァ――z__ッ!
杏子「空が晴れた……見ろよこの快晴……」
マミ「今にも落ちてきそう……」
まどか「魔女が……消えた……!」
さやか「倒したんだ……魔女を……!」
マミ「勝ったのよッ! ワルプルギスにッ!」
さやか「ついにッ! ついに倒したッ!」
まどか「ほむらちゃん……! やったんだね……! ほむらちゃん!」ウルウル
杏子「あ、あたし! あたし! ほむらを迎えに行ってくる!」
――――パキッ
ほむら(き……切れた)
ほむら(私の体の中で何かが切れた……決定的な何かが――)
ほむら「…………」
ほむら(そっか……私は……死ぬんだ)
ほむら(私の全てを……私の命のエネルギーを使い果たしたから……命にヒビが……)
ほむら(……死、か)
ほむら(死ぬことは別に……恐怖じゃない……)
ほむら(私はついに、鹿目さんを……みんなを救えたんだから……)
ほむら(ありがとう……ツェペリさん)
ほむら(巴さん。美樹さん。佐倉さん……。鹿目さんを……見滝原をよろしくお願いします)
ほむら(お父さん、お母さん。入院や一人暮らしでお金ばかりかけて……親不孝な娘でごめんなさい)
ほむら「そし……て……」
ほむら「――幸……わ、せ……に……まど……」
ほむら「…………」
ガシッ
杏子「おいおい、変身が解けてやがる」
杏子「おい起きろ。気が抜けたんでマジに寝ちまったのか?」
杏子「へへっ、みんなが待ってるぜ。寝るのは後にしろよ。ほむらっ」
杏子「おーい」
杏子「……」
杏子「……ほむら?」
杏子「…………」
コポコポコポ
カチャ…
マミ「はい、紅茶のおかわり」
ほむら「あっ、ありがとうございます」
杏子「このケーキ、うめぇだろ? あたしのお気に入りさ」
ほむら「はい。苺が甘酸っぱくて……」
さやか「転校生、ほっぺにクリームついてるよ!」
ほむら「え? あ、ほんとだ……」
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